JPH08510425A - 高性能モータ水上スキー - Google Patents

高性能モータ水上スキー

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JPH08510425A JP7523002A JP52300295A JPH08510425A JP H08510425 A JPH08510425 A JP H08510425A JP 7523002 A JP7523002 A JP 7523002A JP 52300295 A JP52300295 A JP 52300295A JP H08510425 A JPH08510425 A JP H08510425A
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Abstract

(57)【要約】 高速モータ水上スキー(10)は、バウ(18)、スターン(20)、および立っている乗り手(12)に対応する大きさのデッキ(22)を備えるハル(16)を有する。ジェットポンプ(100)が、一般的にはハル(16)の縦軸(144)に平行する方向に、推進させる水の流れをスターン(20)から外側に向かって生じさせるために、スターン(20)内に装着される。モータ(108)がジェットポンプ(100)を駆動するためにハル(16)内に装着される。立っている乗り手は、一方の端部がバウ(18)近くでハル(16)に装着されたアームポール(26)という手段により、モータ水上スキー(10)のスピードを制御する。立っている乗り手がモータ速度を制御することを可能にするため、およびデッキ(22)の上に立っている乗り手の姿勢を安定化させるために、ハンドグリップ(132)がアームポール(26)の他方の端部に装着される。モータ(108)、ジェットポンプ(100)、およびモータ水上スキー(10)のその他の構成部品がハル(16)に装着されて、立っている乗り手(12)が単にデッキ(22)上での姿勢をシフトさせることによりモータ水上スキー(10)をターンできるようにするために、平均的な重量の乗り手がデッキ(22)の上に立っているとき、モータ水上スキー(10)および乗り手(12)の合成の重心(120)がデッキ(22)の下となるように重心を規定する。

Description

【発明の詳細な説明】 高性能モータ水上スキー 発明の背景 この発明はモータ付のパーソナルウォータクラフトにおける新しいカテゴリを もたらすものである。これは高速かつ推力が強い高性能のクラフトであって、タ ーンをするためのステアリングメカニズムを備えていない。この発明はリアデッ キ上に立つ1人の乗り手によって用いるのに適している、安定性があって操作し やすく高速の、モータ水上スキーである。乗り手は自らの身体の位置、スタンス および重量分布のみによって、本発明に従うウォータクラフトをターンさせるこ とができるだろう。例外的なスピード、操作性および乗り手/クラフトの安定性 は、推力、スピード、重量、エンジンパワー、浮力、正確に位置づけられた重心 を提供するための機械部品の配置、底部のハル/レール構成およびハル構造を含 むいくつかの設計上のパラメータの独自かつ正確に計算された組合せによって達 成される。 先行技術におけるモータ付パーソナルウォータクラフトは、(a)ターンする ために旋回するジェットステアリングメカニズム(装置)を備えたハイパワーか つ高速のクラフトと、(b)ターンするためにラダーおよび他のステアリングメ カニズムを備えた低速かつ低性能クラフトと、(c)ターンするためのステアリ ングメカニズムを備えていない低速かつ低性能のクラフトとを含む。 これまで利用可能であった多くのハイパワーでモータを 備えたパーソナルウォータクラフトは、クラフトをターンさせるために可動ジェ ットノズルまたは他のメカニズムを使用する。そのようなウォータクラフトは座 っている乗り手でも立ち上がっている乗り手でもサポートするだろう。これまで のモータ水上ビークルにおけるエンジンの位置およびコックピットの構造により 、クラフトと乗り手との正味の重心はターンを行なっている間、実質的に乗り手 の前方にくるようにされている。方向ノズルおよびラダーなどのすべてのステア リング装置は、旋回点が乗り手の遠く離れた前方にくるようにしており、これに より不安定性が生じる。この、正味の重心の位置によって、ターンを行なうため の旋回点も実質的に乗り手の前にくるようになっている。この前方にある正味の 重心のため、これらのクラフトは後方に乗り込んだ立っている乗り手による高速 または高性能な用途には適さないものとなっている。特に、重心が前方にあると 乗り手が安定しない。このようなクラフトでは、乗り手のスタンスおよび重量分 布の制御のみのもとで高速のターンを行なうことは不可能である。 これまで利用可能であった立って乗る、および座って乗るハイパワーのパーソ ナルウォータクラフトにおいて、正味の重心が非常に大きくかつ前方にあり、旋 回点が極端に前方にあることに加えて、これらのクラフトはまた、高くて僅かに 湾曲した縦方向のサイドレールを有する。その結果、乗り手が方向ノズルを用い ずに片側に体を傾け、傾き と逆方向にクラフトをターンさせようとした場合、典型的には乗り手はバランス を失い不意に水中に突っ込んでしまう。 乗り手の身体の慣性により、乗り手は直進する傾向にある。先行技術のクラフ トがターンをし始めるにつれ、乗り手は自分が直進し続ける傾向にあるときクラ フトは自分の下で横方向に動くのを感じることになる。したがって、そのような パーソナルウォータクラフトでターンを行なう際には、乗り手の身体がクラフト に関して片側からもう片側へ移動する。突然ターンすると、乗り手がバランス感 覚を失うこともあり得る。 一般にジェットスキーと呼ばれる、先行技術におけるジェット駆動される立ち 乗りのウォータクラフトの1つのタイプをターンさせるのには可動ポンプノズル が用いられる。このノズルは一般に水に対して平行な面において縦軸から離れる ように向けられる。ノズルは次にクラフトと乗り手との正味の重心を通る縦軸の まわりにトルクまたはモーメントを生じる。動作にあたっては、水が左舷に推進 した場合、クラフトのスターンは右舷に回り、一方でバウは左舷に向く。この、 バウとスターンとの動きは、乗り手の遠く離れた前方に位置している正味の重心 についてこのクラフトが旋回するということによるものである。 したがって、このタイプのパーソナルウォータクラフトにおける後方に乗り込 んだ乗り手がポンプノズルを回すと、 クラフトは前方の重心の周りで回転する。乗り手の身体は片側からもう片側へ移 動し、これによりバランスまたは安定性の感覚が失われる。これは、乗り手にと って受入可能な安定性を達成するためにクラフトの寸法および重量を増大させる ことにより先行技術が対処している、深刻な安定性の問題である。これはまた、 ターンを行なうために典型的には方向ノズルを用いる、座り乗りのクラフトの人 気が高い理由でもある。方向ノズルは左または右に向いて、テールをその逆方向 にスライドさせる。乗り手は座っているので、ターンの最中の不安定さにはより よく対処できる。 また、今日の市場では、パーソナルウォータクラフトは1時間につき30から 55マイル(約50から88km/hr)のスピードを達成することが期待され ているということを認識しなければならない。高性能なパーソナルウォータクラ フトにおける望ましい特性は、乗り手の身体の動きのみによってクラフトのター ンおよび操作が行なえることである。現在入手可能な高速の個人用モータ付ウォ ータクラフトは、乗り手のスタンスおよび重量分布により制御することはできな い。むしろ、現在のウォータクラフトの乗り手に関わる身体の動きは、後方に乗 り込んだ乗り手が操作中にクラフトから投げ出されることを防ぐべく安定性を維 持するための、ウォータージェットまたは他のターン用メカニズムにおける方向 付けられた推力に反応するだけである。 ターンするのに旋回ジェット以外のメカニズムを用いる、立っている乗り手の ためのモータ付パーソナルウォータクラフトを提供するこれまでの試みは、必然 的に低速かつ低推力の低性能クラフトのものであった。そのようなクラフトのあ るものは舵取りにラダーを用いる。これらのクラフトは安定したターンをやり抜 くのに、乗り手の位置と重心の位置との関係を利用するものではない。 フォン・スマガラ−ロマノフ(Von Smagala-Romanov)への米国特許第3,5 48,778号は、内燃機関によって駆動されるプロペラを有する、自動的に進 むサーフボードを開示する。プロペラはボードの底部にある凹部内に位置づけら れる。プロペラの羽根は、泳いでいる人や、乗り手がボードから落ちた場合にそ の乗り手と接触することがないように、シールド内に収納されている。内燃機関 はボードの前方端および後方端の真ん中に位置するキャビティ内に装着される。 駆動プロペラはエンジンの後ろに近接して装着され、一般に乗り手が立つであろ うデッキの部分の下にくるようにされる。 フォン・スマガラ−ロマノフはラダー、可動ジェットまたは他の機械的なステ アリング装置を使うことなしにはターンさせることのできない低パワーかつ低速 のクラフトを開示している。フォン・スマガラ−ロマノフは、彼の装置が、乗り 手によって制御される適切なケーブルを用いたオプションの機械化されたフィン を取り入れることによって 舵取りを可能にすることができるものであると開示している。クラフトがラダー 、可動ジェット、機械化されたフィンまたは他の機械的なステアリング装置を用 いることによって舵取り可能にされ得ると示すことによって、フォン・スマガラ −ロマノフは重心の位置をターンを行なうにあたっての要因であるとは考えなか ったことを示している。フォン・スマガラ−ロマノフの開示からは、クラフトお よび乗り手の正味の重心の位置はフォン・スマガラ−ロマノフのクラフトの舵取 りまたは操作とは何の関係もないということが明らかである。さらに、フォン・ スマガラ−ロマノフの装置を注意深く検討すれば、これが体重の軽い乗り手しか サポートしないであろう浮力の低いクラフトであるということがわかる。 フォン・スマガラ−ロマノフは必然的に精々、1時間につき30マイル前後の スピードも出せない低パワーかつ低速のクラフトである。フォン・スマガラ−ロ マノフの装置を注意深く検討すれば、これが半径の短いターンをもたらすには不 十分な推力しか提供しないであろう小さいエンジンにしか対処しないであろうと いうことがさらにわかる。フォン・スマガラ−ロマノフのハル構造は、1時間に つき約8マイル未満の遅いスピードにしか適さないものである。少しでもそれを 超えてスピードを出せば、安全性に問題が生じるだろう。フォン・スマガラ−ロ マノフのクラフトにおける駆動メカニズム(プロペラ)は、乗り手の下、ハル の外側、かつ安定化フィンの前方に位置している。この、駆動メカニズムの水面 下への位置づけは、推力の高いジェットフローポンプを配置するには効率的でも 適切でもないだろう。 フォン・スマガラ−ロマノフは低速においてさえ受入可能な性能を達成するた めの乗り手の位置との関連における機械部品の重大な配置を考慮に入れていない 。乗り手の位置と示されているより軽量な機械部品の位置とでは、乗り手の重量 が支配的である。バウ(前端部)は著しく水面から持ち上げられ、それにより前 方への動きに対して受入れられない抵抗を生じる。このタイプの、前方への動き に対する抵抗は、時折「プラウイング効果」と称される。乗り手がクラフトを水 平にするべく前方に動いたならば、そのような動きをするのに十分な浮揚力があ ると仮定しても、乗り手は不都合にも通気管およびハンドコントロールが位置し ているところに立つことになるだろう。 トロッテ(Trotet)へのフランス特許第2,617,793号は、モータを備 えた海上用ボードを開示する。トロッテはボードが転覆しないよう安定化させる ために、水面より下の低い重心を用いる。しかしながら、フォン・スマガラ−ロ マノフのクラフトと同様に、トロッテにおける重心の位置はクラフトをターンさ せるまたは操作することとは全く何の関係もない。トロッテは、フォン・スマガ ラ−ロマノフと同様に、可動ラダーまたはステアリングメカニ ズムを用いてクラフトを舵取りまたは操作することを教示する。トロッテのクラ フトでは正味の重心は乗り手の前方にあるので、ターンの最中にはスターンがタ ーンの方向に従って左または右に摺動し、これにより立っている乗り手の安定性 を崩してしまう。 1時間につき5から8マイルの速度と50ポンドの推力以下しか出せない80 ccのエンジンを備えるトロッテは、高速のパフォーマンス用クラフトではなく 、むしろ低速のレジャー用クラフトを教示するものである。トロッテにおける低 速のボードの乗り手は、リアデッキに立ちながらの発進中、不安定だろう。トロ ッテのボードの推力は、低速においてさえ、旋回点が前方にありキールの縦断面 積が大きいために、半径の短いターンを安全に行なうには不十分である。トロッ テにおける小さいエンジンをより大きいエンジンと取り替えたとしても、ハルの 設計をやり直してそれに対処するようにしてさえ、トロッテのクラフトを高速の 性能特性を有するものとすることはできないだろう。 先行技術はまた、機械的なターン装置を備えていないモータ付ウォータクラフ トを開示している。これらのクラフトで、高速の制御されたターンまたは反応が 速く半径の小さい低速なターンのできるものはない。 トンプソン(Thompson)への米国特許第3,608,512号は、それ自体の 推進ユニットを備えかつ立っている乗り手に対処する、ボートのハルを開示する 。トンプソン は浮揚性のある材料で充填され、上方向に開きかつ立ち上がったポジションの操 縦者に対処するためにハルのスターンにおいて後方に向かって開いている長手方 向に延在するコンパートメントを有する、実質的に底部の平たいハルを開示する 。コンパートメントの側面に、1対の細長い長手方向に延びる単独に形成された 幅の狭いフィンが延びている。平たい底部の表面はフィンの内側の面にアーチ型 になって合流しており、好ましくはフィン同士の中間に細長い長手方向に延びる 溝が設けられている。囲いこまれたプロペラ、ジェットオリフィス、または他の 適切な装置が、コンパートメントの開いている後方の端の直下のフィンの間にあ るスターンに配置されている。コンパートメント前方のバウ付近にあるハル内の 縦穴は、内燃機関を受ける役割を果たす。大きなバウに装着されたエンジンは、 正味のクラフトおよび後方に乗り込んだ立っている乗り手を、ターンの際の旋回 点が乗り手から遠く離れた前方にくるように位置決めすることになり、これによ り前述のように乗り手の安定性が崩れる。したがって、この比較的嵩高いクラフ トでは、反応の早い安定かつ高速なターンまたは安全かつ半径の短い低速なター ンおよび操作を行なうことができない。 メラ(Mela)への米国特許第3,406,653号は、立っている乗り手には 対処できない長さ4フィートで9ポンドの、動力を与えられたフロートボードを 開示している。 エンジンは比較的オープンに水にさらされており、ビルジポンプを有していない 。メラの装置は1時間数マイルのスピードしか出せない。封止されたエンジンの ハウジングやビルジパンプを有していないことで、この開示されている装置は高 性能な用途には適さないものとなっている。このフロートボードには高速のター ンを行なえるようなレールがない。 モータ付パーソナルウォータクラフトの1つの特定的なタイプは、サーフ・ジ ェット(Surf Jet)の名称で販売されている。サーフ・ジェットのモータ付ウォ ータクラフトは最高スピードが1時間当り約22マイルである。サーフ・ジェッ トは水面から上方にかなりの距離だけ延びるコンパートメント内の後方に装着さ れたエンジンを有している。重い、スターンに装着されたエンジンにより、この クラフトのスターンは乗り手がエンジンよりもかなりの距離だけ前方に立たない と水中の非常に低い所に位置することになる。このクラフトの重心は、スターン から測定して、クラフトの総合的な長さの約20%以内のところに位置づけられ る。重いスターンに装着されたエンジンと遠心ポンプとのバランスをとり、エン ジンのハウジングが縦方向に大きく突出しているのを避けるためには、乗り手は クラフトの長さの真ん中またはその前方に立たざるを得ない。デッキから上に約 1.5フィートのこの突出があるため、乗り手は不都合にも水中にある間、横か らこのクラフトに乗り込 まざるを得ない。サーフ・ジェットは最大17HPの縦方向に装着されたエンジ ンと、縦方向のドライブシャフトと、最大で約130ポンドの推力を生じる(軸 流ポンプと比較して)非効率的な遠心ジェットポンプとを用いる。このクラフト のバランスをとるに当り、重心のことは考慮に入っていないということが明らか である。より大きい推力と性能とを達成するためにエンジンおよびポンプのサイ ズを大きくするというのは実際的ではないだろう。なぜなら、これによりクラフ トのバランスおよび安定性はさらに低下するであろうからである。したがって、 サーフ・ジェットの設計は本質的に低性能なクラフトのものである。クラフトの バランスをとるために乗り手がクラフトのバウ付近に立たなくともよいようにし ておき、かつバウが水面より高くなりすぎないようにしておくためには、エンジ ンは小さいものでなければならないからである。正味の重心がスターンに近すぎ ると、並みの速度ではバウは上に上かり始め、これにより不安定性およびプラウ イング効果が引き起こされる。 多くのウォータスポーツ愛好家にとって、動力を備えたウォータクラフトの操 作からもたらされる個人的な喜びは、乗り手が低速でも高速でも活性のステアリ ングメカニズムなしで乗り手のスタンスおよび重量分布のみによってクラフトを ターンさせ制御することができれば、著しく増大するだろう。そのような喜びは 、個人的な充足が、ボードを 操作するための乗り手の身体の首尾よい巧みな制御を介して達成されるサーフボ ードおよびボディボードなどの、モータを備えていないクラフトで低速において 達成されているようには、モータ付のウォータクラフトでは達成されていない。 発明の概要 本発明に従うモータ水上スキーは、低速および高速の双方において立っている 乗り手にとっての安定性および操作性を有する。本発明に従うモータ水上スキー は、バウ(前端部)とスターン(後端部)と、立っている乗り手を乗せる大きさ に作られたデッキとを有するハル(本体)を含む。ハルはさらに、ハルの底面上 に形成された水上滑走面と、バウからスターンへ延びる長手方向の軸とを含む。 モータ水上スキーはまた、さらにスターン内に固定されるように装着されモータ 水上スキーの長手方向の軸と一般に平行になるように固定された方向においてス ターンから外側へ推進する水の流れを放出するジェットポンプを含む。モータは ハル内に配設されジェットポンプを駆動させる。このモータは乗り手が立ってい るデッキの前方のハル内に装着される。人が乗っていないときのモータ水上スキ ーの重心がデッキの下でモータの後方に位置する1つのエンベロープ(範囲)内 にあるようにモータとジェットポンプはハル内に装着される。人が乗っていない ときのモータ水上スキーの位置によって、モータ水上スキーとデッキ上に立って い る乗り手との正味の重心は、乗り手の身体によって包囲される範囲内に位置づけ られる。モータ水上スキーおよびデッキ上に位置する乗り手の正味の重心の位置 によって、乗り手はデッキ上における自分の位置および重量分布を調節して正味 の重心を動かすことによって高速のモータ水上スキーを操作しターンさせること ができるようになる。 本発明の目的に対する認識、およびその構造および動作の方法に対するより完 全な理解は、これ以降に述べる好ましい実施例の説明を検討し、添付の図面を参 照することによって得られるだろう。 図面の簡単な説明 図1aは、制御された高速でg−力の大きいターンを通じて操作される際の、 本発明に従うモータ水上スキーの斜視図である。 図1bは、より低速な半径は短く推力の大きいターンを通じて操作される際の 、本発明に従うモータ水上スキーの斜視図である。 図1cは、縦方向のスピンターン操作を通じて操作される際の、本発明に従う モータ水上スキーの斜視図である。 図1dは、本発明に従うモータ水上スキーに後方から乗り込む水中の乗り手を 表わす図である。 図2は、バウとスターンとデッキ部とアームポールとを有するハルを包括的に 示す、本発明に従うモータ水上スキーの斜視図である。 図3は、支持のための内部の縦方向の壁とエンジンポッドの装着部とを包括的 に示す、ハルの底部の斜視図である。 図4は、ハルの底部の側面図である。 図5は、ハルの底部を上から見た平面図である。 図6は、ハルの底部を下から見た平面図である。 図7は、ハルの底部を前方から見た図である。 図8は、ハルの底部を後方から見た図である。 図9は、底部がボトムシェルおよびトップシェルならびにそのための頂部およ びそれに関連のカバーからなっていることを示す、本発明に従うモータ水上スキ ーの分解図である。 図10は、エンジンポッド、エンジン、および関連の構成部品を示すために部 分的に破断された、組立てられたモータ水上スキーの上からみた平面図である。 図11は、図10で示されたものに非常に似通っているが、異なった断面にお けるものであり、さらなる構成部品を示している図である。 図12は、エンジンポッドの下面と関連の構成部品とを示すために破断されて いる、モータ水上スキーを下から見た平面図である。 図13は、エンジンポッドカバーをエンジンコンパートメントのフードとの関 連で示すために部分的に分解され破断されている、モータ水上スキーの側面図で ある。 図14は、乗り手との関連におけるモータ水上スキーの 乗り手とクラフトとの正味の重心のエンベロープの位置づけを示す、本発明に従 うモータ水上スキーの側面図である。 図15は、乗り手のいない重心の位置とハイドロステップにより境界を定めら れる平坦な水上滑走面を示す、モータ水上クラフトの下から見た平面図である。 図16は、アームポールアセンブリおよびコントロールの細部を示す、本発明 に従うモータ水上スキーの上から見た平面図である。 好ましい実施例の説明 モータ水上スキーの構造 図1a〜1cを参照して、後方に乗り込んだ立っている乗り手12によって使 用されてもよい本発明に従う高速のモータ水上スキー10が示される。図1aは 1時間につき30マイル(約50km/hr)以上のスピードで高速かつg−力 の大きいターンを通じて操作される際の、モータ水上スキー10の斜視図である 。図1bは、より低速な半径の短い高推力のターンを通じて操作される際のモー タ水上スキー10の斜視図である。図1cは、縦方向のスピンターン操作を通じ て操作される際のモータ水上スキー10の斜視図である。図1a〜1cで示され る高速のモータ水上スキー10のターンは、続いて詳細に説明するように、水上 スキー10に対する乗り手12のスタンスおよび重量分布ならびに推力を与える ことによってのみ開始され、制御される。ステアリングメカニズムをもたない先 行技術の パーソナルウォータクラフトにおいて、立っている乗り手によりこれらのターン および操作が可能なものはない。 図1a〜1c、2、14および16を参照して、モータ水上スキー10は一般 に、バウ18と、スターン20と、リアデッキ部22とを有するハル16を含む 。リアデッキ部22は図1a〜1cおよび14に示されるように、立っている乗 り手に合うようにサイズ決めされている。デッキ部22はまた、図1dに示され ている平伏した乗り手12にも合うように設計されており、乗り手はスターンか ら水の深いところのスキーに容易に乗り込むことができる。スターン20からモ ータ水上スキー10に乗り手12が乗り込めるということは、サーフ・ジェット に勝る重大な利点である。後方からモータ水上スキー10に乗り込むことで、乗 り込んでいる過程においてこれが転覆する可能性は減少する。商業的には「サー フ・ジェット」として知られている先行技術の後方にエンジンが装着されたモー タ付サーフボードは、モータのハウジングが縦方向に突出しているためスターン から乗り込むことができない。図16に示されるチェストキャビティ陥没部23 が好ましくはデッキ22に形作られており、これにより乗り手10が平伏した姿 勢でクラフトを操作する際に乗り心地を改善する。 また、図1a〜1cおよび13〜16には、後により詳細に説明する可撓性ア ームポール26が、エンジンコンパートメントフード28、フードラッチ30、 消化器コンパ ートメントカバー34、マスタパワースイッチ36、ビルジポンプの放出口38 、アクセスカバー42Aおよび42B、ならびにフィン44A、44B、46A および46Bとともに示されている。フィン44A、44B、46Aおよび46 Bは、固定されていてもよいし、衝撃を受けたときに引っ込むようになっていて もよく、横方向および縦方向の寸法は変動してもよい。 ハル16は好ましくは適切な樹脂を用いてガラスファイバ成形に適したモール ド(図示せず)から作られる。そのようなガラスファイバ成形のためのモールド および技術は、よく知られており、したがってここでは説明しない。図2〜9を 参照して、ハル16はボトムシェル50と、トップシェル52と、トップデッキ 54とを含む。ボトムシェル50、トップシェル52、およびトップデッキ54 は、すべて適切な接着剤で互いに接着されて、ハル16が完全に組立てられたと きに一体構造をなすようになっている。 モールドアセンブリ(図示せず)は、ボトムモールド、内部モールド、および トップデッキモールドを含む。図3〜5を参照して、ボトムモールドはジェット ポンプハウジングコンパートメント60と、バウ18からスターン20へのボト ムハルの形状58全体と、分割線における全体の輪郭を描くサイドレール190 A、190Bの半分のところまでとをもたらす。内部モールドは、エンジンコン パートメント全体と、ここで説明される他の機械部品のための コンパートメントとをもたらす。輪郭を示すコンパートメント64、66、68 はボトムモールドにレール半分のところまで下がったところで合流する、図6に 示されている外側の複雑に曲がったサイドレール190Aおよび190Bまで、 およびそれを超えて上昇する連続的な縦方向に輪郭を示す流出壁で輪郭をなぞら れている。この独自の設計により、クラフトの重心の所望の位置を得るべく機械 部品は正確に配置される。 ハルの設計はまた、内部壁および下部壁を形成して中空のハル16全体におけ る長手方向の硬さおよび強さをもたらす。ボトムシェル50および内部シェル5 2は、それぞれのモールド内にある間、セルの閉じたフォームを注入されまたは 注ぎ込まれ、内部フランジモールドで硬化されるまで共に挟まれるまたはクラン プされる。トップデッキモールドは輪郭を示すデッキ54全体とレール190A および190Bの半分とからエンジンコンパートメントフード28を除いたもの をもたらす。モールド内におけるトップデッキシェル54は、適切な樹脂または 任意の他の接着剤によってボトムモールドと一緒に接着される。モールドはこの 部分が硬化した後に開かれる。トップデッキシェル54、内部シェル52、およ びボトムシェル50は、同じ分割線において一致し、一体となる。これにより、 先行技術では開示または示唆されていない、縦方向にも横方向にも全体的に強化 されている、仕上がった非常に強く硬い一体 構造がもたらされる。 接着され輪郭を示された複合物で形作られているトップデッキシェル50、内 部シェル52、およびボトムシェル54は、ウォータクラフト全体をハルにおけ るフォーム中へのいかなる水の取込もないよう封止し、ハル16にこれまでのす べてのモータ付パーソナルウォータクラフトに勝る素晴らしい浮力および強度を 与える。この洗練された軽量な複合物で形作られた製品およびモールドの設計に より、クラフト10はジェットスキーおよび座り乗りのクラフトなど他のモータ 付き高性能パーソナルウォータクラフトよりも、組立ライン上において速く組立 てることができるようになる。組立のステップは、穴をあけることと、ねじ山を 作ることと、差込み部分を挿入することだけである。 ジェットスキーおよび座り乗りのクラフトのほとんどは、その組立においてさ らなるステップを必要とする。先行技術におけるウォータクラフトの典型的な組 立は、トップデッキ、ボトムハル、および嵩高い頭部コンパートメントの壁を接 着することと、ガラスファイバ製造において、それらの組立ラインのほとんどで フォームを加え接着することを含む。 図2、4、6および8を参照して、ボトムシェル50は1対のノーズレールロ ッカー55Aおよび55Bならびに1対の湾曲した断面を持つサイドレール57 Aおよび57Bを含む。ここで用いられる「ロッカー」という語は、ク ラフトの側面から見た縦方向に上に向かって湾曲している構造をいう。スターン 20の付近で、ボトムシェル50は1対のテールレールロッカー59Aおよび5 9Bを有する。フロントレールロッカー55Aおよび55B、サイドレール57 Aおよび57B、ならびにリアテールロッカー59Aおよび59Bは、この後に 説明するようにさまざまなタイプのターンおよび操作を行なうことを容易にする ものである。 フォームのサンドイッチ複合物からなるハル構造16の強さおよび硬さは、現 在の旋回ジェット立ち乗りクラフト(ジェットスキー)および座り乗りクラフト 、サーフジェットのモータ付きサーフボード、またはフォン・スマガラ−ドマノ フおよびトロッテにより教示されるもののような他のより低速なクラフトなどい かなる先行技術のパーソナルウォータクラフトにも勝るものである。より弱い、 先行技術の複合物からなる構造は典型的には市販のモータ付パーソナルウォータ クラフトにおけるもののような単一の複合物からなる縦方向の壁のみを、または モータを備えていないパドルボードのためにサジック(Sajic)が提案するもの のような乗り手の下に集中している唯一の強化部分のみを、特徴とする。 本発明では、ハル16の構造は、クラフト10が高速な強いg−力のターンに よる大きい正常な負荷および捩じれによる負荷、高速下で荒れた海と作用するハ ルによる衝撃 からくる負荷、空中でのジャンプからもたらされるハイデッキの負荷、およびエ ンジン108による振動の負荷からくる組合せられたストレスにさらされる際に 、クラフト10の乗り手12と内部構成部品とを支えるのに重要なものである。 本発明における好ましい実施例では、図6〜8で最もよく示されるハル16およ びサイドレール190Aおよび190Bはすべて、バウ18からスターン20に かけての連続的なファイバで強化された複合材料により内包されている密度の低 い閉じられたセルフォームのコアから構成される。この独自の一体となった湾曲 しているシェルハルアセンブリ16は、偏向および周期的な疲労による損傷は最 小限で、前述の操作によって生じるクラフトにおける大きな内部における曲げモ ーメント、せん断および捩じれ負荷に反応するにあたって非常に効果的である。 先行技術には与えられていない、本発明のさらなる特徴は、内部構成部品の配 置に対処し正確に位置決めをして、クラフトにおける重心、旋回点、およびバラ ンスの最善の位置を達成する一方で、同時に内部の長手方向の強化リブとして作 用する、ハル16内の高度に形を変えられた内部コンパートメントである。また 、すべての機械的に取付けられた構成要素のための複合物からなる強化された金 属の装着プレート挿入部は、全体的にハル構造16の中に成形される。 下方のシェル50はハルボトム58とジェットポンプコ ンパートメント60(図5で最もよく示される)とを含む。図5に示されるジェ ットポンプドライブシャフトコンパートメント61は、図3および9に示される ようにアクセス開口部62をその中に有する。図9を参照して、トップシェル5 2は一般に縦方向のものである内部壁64、66および68を含み、これらは高 速のモータ水上スキー10に長手方向の強さと硬さとを与えるものである。内部 壁64、66、68は、ビルジポンプコンパートメント71、消化器コンパート メント72、エンジンコンパートメント74、後方のガスタンクコンパートメン ト76、後方のエンジン排気コンパートメント77、およびエンジンポッド装着 部80および82を内包する。消化器コンパートメントカバー34およびアクセ スカバー42Aおよび42Bは、どのような従来の態様でもトップデッキ54に 固定されてよい。水を入れないよう囲い込むため、好ましくは封止リング73お よび75が含まれる。 前方の縦方向の壁64は、壁66に接合されておりそれらと連続しているとい うことに注意されたい。壁66は水上スキー10に構造上の強さおよび硬さを提 供するべく後方の内部壁68と連続している。ドライブシャフトコンパートメン ト61はボックス構造によって取囲まれており、その上面は、デッキ22と独自 の強固なサンドイッチ状のものとなって接着される。デッキ22はg−力の大き いターンにおいて乗り手の1000から1500ポンドの動的 (約4450から6675N)負荷をサポートする。サンドイッチのコアは進歩 した連続的なファイバからなる「卵ケース」状の複合材料である。この構造のさ らなる特徴は、新規なフランジをつけられた複合リップ79を用いる、トップデ ッキエンジンコンパートメント74のアクセスの強化と、それに伴なうレール1 90Aおよび190Bへのアクセス開口部の周り全体およびバウ18とスターン 20とから約6インチの距離にわたるデッキ上における多層の複合物からなる強 化部である。 図10を参照して、トップシェル52内には、ドライブシャフト連結器86の ための装着部84が形成される。加えて、図5に示される前方の装着部90が図 10および11で最もよく示されるトッププレート94およびボルト96により 従来の態様でバッテリ92を支持するために設けられてもよい。 ここで図11〜13に目を向けると、好ましくは240ポンド(およそ106 8ニュートン)を上回る推力を提供することができるいかなる適切な商業的設計 のものでもよい軸流ジェットポンプ100が、装着ボルト102によるポンプコ ンパートメント60内に固定される。軸流ジェットポンプはドライブシャフト1 04によりドライブシャフト連結器86へ接続される。エンジンドライブシャフ ト106もドライブシャフト連結器86に接続される。内燃機関108がボルト 114によってエンジンポッド装着部8 0および82に固定されているエンジンポッド110へ装着される。 好ましくは、エンジン108は必要な推力を提供するためにおよそ15から5 5馬力(約11から41KW)の出力を有する。水上スキー10は好ましくは約 85ポンドから約155ポンド(およそ378から690ニュートン)の範囲の 乾燥重量を有する。エンジン108は水上スキー10を1時間あたり約35マイ ル(およそ56km/hr)以上のスピードまで推進させることができる。 エンジンポッド110はエンジン108をデッキ22の水準より下に装着する ための手段を提供する。エンジン108は乗り手が立っているデッキ22から短 い距離だけ前方に位置している。エンジン108、ジェットポンプ100、およ び凹んだガスキャップ117を備えるガスタンク115、および排気システム1 36は、ハル内に位置付けられて図14に示される正味の重心120をデッキ部 22と乗り手12との下に規定する。この正味の重心の位置により、長さAの範 囲内においてリアデッキ22上に立っている乗り手12は、デッキ部22上にお ける自分のスタンスまたは重量分布のシフトのみによってモータ水上スキー10 をターンさせることができるようになる。クラフトの重心の位置の注意深い選択 については、水上スキーの長さとの関連でこの後に論じる。後方に乗り込んだ立 っている乗り手によってこの態様で舵取りされ得る高速の個人用モ ータ付きウォータクラフトは他にはない。 図14および16を参照して、1つの好ましい実施例では、モータ水上スキー 10における中央部またはビーム182がおよそ27インチ(およそ69cm) の幅であり、スターン20はおよそ15インチ(38cm)の幅である。横から 見た高さを低く保つには、エンジン108の最大の高さが装着時に約10インチ (およそ25cm)未満であることが好ましい。エンジン108はハンドル12 6を有する従来のプルスタートメカニズム124を含んでもよい。エンジンはま た、図11で最もよく示される電気スタータ127およびスロットルリンク13 0を有する気化器128をも含んでいてもよい。 エンジン108の始動後、このエンジンは図13で最もよく示されるハンドグ リップ132内に配設された制御部を介して制御されてもよい。エンジン108 は電気的リレーシステムによって可撓性アームポール26を介して制御されても よい。エンジン108は代替的には図示されていない機械的ケーブルによってハ ンドグリップ132に直接接続される制御部を有していてもよい。図11で最も よく示される排気システム136は、エンジン108に接続されて排気ポートホ ール19(図8)を介して延びる小さい排気管140において騒音レベルを受入 可能なものとする。ゴムホース141が、排気システム136を排気管140に 接続する。 エンジン108および排気システム136は、軸流ジェットポンプ100から 水を汲み出すことによって冷却される。ベンチュリ(Venturi)取込管継手10 1が取込ホース103に接続され、次に後方コンパートメント76を介して接続 される別の管継手105に接続され、その後エンジンの水取込ホース109上に おける別の管継手107に接続される。水は管継手111を用いてエンジンを通 り排気冷却ラインへ循環する。 図11を参照して、ポンプ100はスターン20内に固定されるように装着さ れて推進する水の流れをダッシュ線142によって示されるように放出する。推 進する水の流れは単一の変更できない方向においてスターン20から外方向へ放 出される。推進する水の流れの方向は一般にモータ水上スキー10の長手方向の 軸144に平行である。ポンプのための水の取込は図15に示されるようにハル の底部58に配設された取込グレート148によって提供される。中央フィン1 49も、長手の軸144に沿って装着されてもよい。 モータ水上スキー10は好ましくはやはり図13に示されるように従来のチュ ーブ152によってビルジポンプ排出口38に接続されているビルジポンプ15 4を含む。図13を参照して、エンジンポッドカバー150はさらに騒音を減衰 させるためおよびエンジンポッドフード28の下でエンジン108にさらなる耐 水性をもたらすために提供 されてもよい。エンジン108は水の入来を防ぐためにポッド110およびポッ ドカバー150内に封止されるということを理解されたい。加えて、ポッド11 0およびカバー150ならびにその中に含まれるエンジンの構成部品はエンジン コンパートメントフード28およびラッチ30により水上スキー10内に重複し て封止されており、このとき適切な弾性または膨張可能なウォータシール29が フードとデッキとのインタフェースにおいて用いられている。エンジン108へ の空気の取込は、空気取込口158によりもたらされる。これは前方のコンパー トメント72と通じている。1方向チェックバルブ(図示せず)が、水の入来を 許すことなく内部キャビティから水を切るために用いられてもよい。 モータ水上スキー10の製造にはどのような適切な構成材料を、必要に応じて 構成部品を接合するための適切な方法および材料とともに用いてもよいというこ とを認識されたい。上で注目されたように、ガラスファイバ、グラファイトファ イバ、ポリエステル、またはエポキシ樹脂、およびポリウレタンおよびポリスチ レンのフォームが、適切な構成材料である。 排気口77とガスタンクコンパートメント76との後方の壁内にあるハルのテ ール部分にアクセスすることが必要である。このアクセスはデッキ22の下でホ ースおよび他の構成部品をはめたりクランプしたりするため必要である。 ホース、排気ビルジポンプ、および水切りのための上述の管継手は、ハルの排気 コンパートメントの中にある両側のジェットポンプコンパートメントハウジング の壁61を介して機械部品に接続されなければならない。 これらの、必要な機械部品のクランプは、ガスタンク77、ドライブシャフト 104、および排気チャンバ76に求められる長さのため、エンジンコンパート メント74からは完了させることができない。したがって図9に示されるように 、デッキ22には1対の小さな開口部41Aおよび41Bがあってもよい。これ らの開口は、デッキ22の下で機械部品にアクセスするためには取除かれてもよ い、対応する1対のO−リング封止されたデッキプレート42Aおよび42Bに よって封止されていてもよい。デッキプレート42Aおよび42Bのサイズは、 人間の片手または両手およびこれらの構成部品を適正にクランプするための工具 を入れるのに足るだけの大きさであるべきである。この設計により、乗り手はデ ッキプレートに損傷を与えることなくターンまたはジャンプ中に最大1500ポ ンド(およそ6675N)の動力においてリアデッキ領域22全体の上で立って ジャンプすることができる。これらの手でアクセスされるデッキプレートの小さ いサイズと、それに組合せられる排気口77の内側の壁、ドライブシャフト60 、およびガスタンク76の耐水コンパートメントにおける構造上の設計により、 これまでは決してパーソナルウォータ クラフトの技術において達成されることのなかった、維持および設置のための都 合のよい耐水性の強度の高いアクセスが可能になる。 図13を参照して、チューブ162および管継手164を通して、前部コンパ ートメント72と連絡するアームポール空気取入口160は、空気をエンジン1 08に取入れる手段を提供する。たとえば12インチまたはそれ以上の高さまで バウから引上げられたポイントでアームポール空気取入口160がアームポール 26内に配置され、使用中の水の流入を防ぐ。したがって、モータ水上スキー1 0は、動作中前部コンパートメント72またはエンジンコンパートメント74に 水を浸入させることなく、アームポール空気取入口160まで完全に水中にある こともあり得る。もちろん、ポッド110とポッドカバー150との間の封止さ れた配置およびまたさらに封止されたエンジンフード28により、エンジンに対 する保護がもたらされる。水が前部エンジンコンパートメント72に浸入しても 、水がエンジンポッドカバー150の空気取入口158に達する前に、ビルジポ ンプ154により取除かれる。さらに、アームポール空気取入口160は後方に 面しており、水上スキー10の動作の間の水の浸入を低減する。手動一方向ドレ インバルブ21Aおよび21Bをまた設けてもよい。 図13をなおも参照して、バウ18にはまた、好ましくはゴムまたはシリコン から形成される取換可能な安全ノー ズピース165が装着される。ノーズピース165は、ねじのようなもの(図示 せず)により固定され得るタン−イン−グルーブ166でバウ18に装着される 。これは、先行技術には見られない独自の特徴である。 アームポール26は、エンジンスピードの制御のために機械的にまたは電気的 にエンジン108に接続される、指制御170、好ましくは親指始動スロットル 170A、スタータ170B、およびストップスイッチ170Cを含む、自在左 または右ハンドグリップ132で終端をなす。ハンドグリップは乗り手12が片 手で操作するのに適するように構成される。親指始動スロットル170Aは、も し乗り手12がその他の4本の指でハンドグリップ132を握っている際にバラ ンスを失った場合、乗り手12がうっかりしてスロットルを押し下げることを防 止する、独自の安全特徴である。片手自在左または右ハンドグリップ132は、 制御およびバランスのために両手ハンドルが必要な先行技術によるパーソナルウ ォータクラフトのグリップとは異なる。水上スキーでは、乗り手が急なターンを 行なう場合に安定性を維持するためには、両手グリップが必要である。本発明で は、図1a−1cで示すように、ターンを行なう間、空いた手をバランスおよび テコの作用のために用いることかできる。 さらに、デッドマンスイッチ172がコード174により乗り手の手首176 に装着され、乗り手12が水上スキ ー10から落下した際にエンジン108が切れるようになっている。デッドマン スイッチの詳細についてはこの明細書では触れないが、その理由はこれはほとん どの管区において法で義務づけられる周知の従来の特徴であるためである。 図15に示すように、本発明に従えば、空の、乗り手のいない水上スキー10 のクラフトの重心121は、ビーム182A、182Bの後ろにある。ビームは 、平面図で見たときの水上スキー10の最も幅の広い部分として定義される。ハ ル16の形状および重量の分布、ならびにジェットポンプ100、エンジン10 8、ガスタンク115、排気システム136およびモータ水上スキー10のその 他の構成部品の位置は、クラフトの重心121が、図11に示すように、クラフ トの縦軸144の上の垂直面上に位置する、図15の長さZ内にあるように、選 択され、形成される。 クラフトの重心121(図15)は、ハル16の構造および内部構成部品の配 置で決まる。モータ水上スキー10の構造は、その重心121が、ハル16の平 らなキール17部分(図4)よりも上に位置するエンベロープまたは範囲内とな るように設計される。したがって、時速30マイル(およそ50km/hr)ま たはそれを超えるような高速の場合、モータ水上スキー10の方向制御は、乗り 手が、乗り手12およびモータ水上スキー10の正味重心120 のほぼ上にある好ましい場所で位置決めされている際に、乗り手が姿勢または重 量の分布を変えることにより行なわれる。 図14を参照して、乗り手12がデッキ22の上に立っているとき、モータ水 上スキー10と乗り手12の正味重量中心120は、乗り手のいないモータ水上 スキー10のクラフト重心121の後方にある(図15参照)。平均的な乗り手 の体重は、約80ポンドと250ポンド(およそ356ないし1112ニュート ン)の間であると仮定する。乗り手の重量および位置次第である、正味重心12 0の位置の範囲、またはエンベロープは、図14の両方向矢印Aで示される。矢 印Aは、バウ18から測定して、横はサイドレール190Aおよび190Bによ り囲まれる、モータ水上スキー10の長さの約70%ないし100%の場所の範 囲を表わす。乗り手かいない場合の重心121は、好ましくは、およそ縦の中心 線144上にある、水上スキー10の長さのバウ18から50%以上にあること がわかっている。クラフトの重心121は、バウ18の後方の少なくとも距離Y の所で、図15の両方向矢印Zにより示される範囲またはエンベロープ内に配置 するべきである。水上スキーの全長は、ラインY+Xの長さで表わされる。Y/ (Y+X)の比率は好ましくは0.50と0.75との間である。したがって、 平均的重量の乗り手がデッキ22の上に立つとき、正味重心は水上滑走面180 の上の乗り手 の一般的な領域内にあるだろう。正味重心の縦および横の座標軸が乗り手よりも 後ろにあることを可能にするモータ水上スキー10の構造は、後部で立っている 乗り手12の位置および重量分布の変化を、所望の半径のターンを機械的なター ン装置を使用せずに水中で開始し、継続する上で効果的なものにするという、重 要な特徴である。このことについては以降で詳細に説明する。 このモータ水上スキー10の別の特徴は、側面が低いことである。特に、スタ ーン20およびデッキ部分22でのトップデッキの側面は、図10に示すように 、水中で乗り手がモータ水上スキーに乗ることを可能にする。 図6に包括的に示すように、ハルボトム58およびサイドレール190Aの設 計の特徴の組合せは、以前のパーソナルウォータクラフトでは決して用いられな かったものであり、本発明の新規部分である。これらの特徴は、クラフトの重心 の配置および推力の制御と合わせて、直線の高速および低速走行ならびに高速お よび低速ターンの間、後ろで立っている乗り手が最大制御および安定性のために 種々の動作特性を選択することを可能にする。 図7および8に最もよく示されるように、サイドレール190Aおよび190 Bは、クラフトの全体の長さにわたり、ハルボトム58を左舷および右舷両方で 取囲み、図1Aおよび1Bで示すようなターンの際に乗り手に安定性および正確 な制御をもたらす。レールは、以下で説明するよ うに、乗り手12が所望の急なターンに成功し、ターンの間の推力の角度を設定 する上での助けとなる複雑なカーブした断面57Aおよび57Bを有する。レー ル190Aおよび190Bはまた、図6で示すように、バウ18で垂直上向きの 湾曲またはフロントレールロッカー55Aおよび55Bを有し、スターン20近 くでリアレールロッカー59Aおよび59Bを有する。フロントレールロッカー 55Aおよび55Bは、水上滑走に入る前の低速の際に抵抗を減少させるように 、かつ高速ターンの鋭さを制御するのを助けるように作用する。リアレールロッ カー59Aおよび59Bは、さらに低速での、半径が小さな、推力に助けられる 鋭いターンの制御を手伝う。 再び図6、7および8を参照して、ハルボトム58は、水上滑走の前の低速の 際に生じる直線走行の抵抗を低減する、バウ18からビーム182Aおよび18 2Bに延在する前部の柔らかい小さな角度の「V」表面194Aおよび194B を特徴とする。後部の「V」表面195Aおよび195Bは、平らな水上滑走面 180を取囲むハイドロステップ183Aおよび183Bでサイドレール190 Aおよび190Bが接続されているスターンに向かって角度が次第に増大するよ うにして、ビーム182から後方に延在する。ビーム182間に位置する後ろの 「V」表面の前の端部および鋭角で定められるハイドロステップ183Aおよび 183Bの始まり部分が、部分的な鋭いジグザグ操縦 を行なうことを容易にし、一方「V」表面195Aおよび195Bの鋭角の後ろ 部分が、乗り手12に、水上滑走面180から選択されたレール190Aまたは 190Bに移動してターンを開始する際のテコの作用をもたらす。 再び図6を参照して、デッキ22の真下に位置する水上滑走面180は、通気 を最小限にするために、後ろの「V」195Aおよび195B表面をポンプの水 の入口148の前方にし、急なハイドロステップ183Aおよび183Bを入口 148の後方で始まるようにして、合成した半径により囲まれ、クラフト10が 高速の水上滑走に移る際に水の急速な放出を行なう。水上滑走面180は、ポン プ100が十分な推力を与えて時速約10マイルを超える水上滑走速度を達成す るやいなや、安定性があり抵抗力の低い効率的な動作をもたらす。さらに、図1 4に示すように、乗り手12の下の正味重量中心120の位置により、スキー1 0は、先行技術ではウォータクラフトの後部に立っている乗り手には必要なもの であったように乗り手が体重を前方に傾けてクラフトの水面滑走を安定化させる 必要なく、スピードを増す。図4に示される平らなセンターキール17は、ビー ム182の前方から後方へ延在し、図6で最もよく示されるようにポンプの入口 グレート(格子)148の前方の点から始まり後部に進んで「ミニサーフボード 」形状となる平らなハイドロステップ182と混じり合う。平らなセンターキー ル17は、スキー10が水中で水面を 滑走することを防止する助けとなる。 ハル58の独自の設計は、サイドレール190Aおよび190Bならびに乗り 手の下に位置決めされた低い正味重心12と組合さって、後ろに乗って始める乗 り手に対し独自の安定性をもたらす。たとえば、未経験の乗り手が滑走中に偶然 にも左または右に傾いても、不安定に左右に急に傾いたり、またはハル20の左 または右に不安定に滑ってバランスを失いおそらくは乗り手がスキーから落下す るようなことはない。クラフトは水上滑走面180から側部の「V」表面195 Aおよび195Bを通しレール190Aまたは190Bへと滑らかに変化し、緩 やかに滑るようなスキーのターンが乗り手12の制御のもとでうまく行なわれる 。 ハルボトムとサイドレール構造とのこの新規の組合せが、正味重心の位置およ び推力の適切な適用と組合さって、乗り手が以降で説明するように正確にクラフ トを制御することができるようにする。 安定性をもたらすのはまた、ターンにおいて水上スキー10が横滑りするのを 最小にするフィン44A、44B、46A、46Bおよび149である。図15 で最もよく示されるように、フィン44A、44B、46A、46Bおよび14 9は、それぞれスロット204A、204B、206A、206Bおよび208 内に配置され、図示しないが、フィン44A、44B、46A、46Bおよび1 49 が安全特性として後部コンパートメント76内に引込められて水上スキー10で ランプジャンピングをすることを可能にするために、旋回するように装着される かまたはばねが装着されてもよい。 モータ水上スキーの動作方法 クラフト10の高性能動作は、構造的な特徴の独自の組合せを適用することに 直接関連する。これらの特徴は、推力、エンジンパワー、浮力、正確に位置付け られたクラフトの重心、ハルボトムの設計、およびサイドレールの設計を含む。 所要の高速性能を得るために、本発明における軸流ウォータジェットポンプ10 0は、十分な推力を与えてクラフト10を急加速し、好ましくは時速30マイル (ほぼ50km/h)から時速40マイル(ほぼ64km/h)を超える速度を 維持せねばならない。クラフト10に作用する水の抵抗ならびに乗り手およびク ラフト10に当たる空気の抵抗両方を克服するには、この範囲の速度を達成する のに必要な推力は、130ポンド(ほぼ580ニュートン)ないし約330ポン ド(ほぼ1468.5ニュートン)の範囲であると計算された。本発明の好まし い実施例では、時速32ないし35マイル(ほぼ51ないし56km/h)とい うクラフトの速度は、波のない水の上で、約240ないし265ポンド(ほぼ1 068ないし1179ニュートン)と測定されたポンプの推力で測定された。 エンジン108は十分なパワーを有して上記の所望の速 度範囲でクラフト10および乗り手を前進させねばならない。所要のエンジンパ ワーは、乗り手プラスクラフト10の質量を水の中で所望の速度で動かすのに消 費される1秒あたりのエネルギ次第である。このパワーは、クラフト10および 乗り手の運動エネルギプラス空気と水とからの抵抗力を克服する際になされる仕 事、ならびにジェット駆動ポンプシステムの効率の関数である。所望の速度範囲 、および最小約250ポンド(ほぼ1112ニュートン)ないし最大約400ポ ンド(ほぼ1780ニュートン)である乗り手プラスクラフト10の重量の適用 可能な範囲に対しては、14HP(ほぼ10.4KW)ないし約55HP(ほぼ 41KW)のエンジンパワーが必要である。 本発明のある好ましい実施例では、総重量約350ポンド(ほぼ1560ニュ ートン)のクラフト10プラス乗り手が、出力パワーが25HP(ほぼ18.6 KW)であるエンジン108を用いて、時速32ないし35マイル(ほぼ51な いし56km/h)を超える一定速度を測定することに成功した。クラフト10 の総重量の30%ないし50%の範囲である所要のハイパワーエンジン108の 重量は比較的重いため、ハル内にエンジン108を注意深く設置して、後部に乗 る乗り手がクラフト10を旋回させ、操舵メカニズムを用いずに安定したターン を行なうことを可能にする必要がある。 クラフト10の浮力は約250ポンド(ほぼ1112ニ ュートン)までの乗り手を中立的に支え、一方同時にエンジンコンパートメント フード28の最上部を潜水させることなく、さらにクラフト10の構造および機 械的構成部品の90ないし150ポンド(ほぼ400ないし667.5ニュート ン)の重量を支えるように設計される。これは、クラフト10の体積、重量およ びクラフト10の重心121の場所に関連する浮力の中心を正確に計算すること で達成される。一旦水上滑走に達すると、自然な(静的な)浮力の重要性は減少 し、推力および速度が制御する、クラフト10の後部の垂直の流体力学要素が優 勢となる。 クラフト10の重心121は、性能、安定性、および後部に乗る乗り手がター ンメカニズムを使用することなく制御された低速および高速ターン(図1aおよ び1b)を開始しうまく行なう能力にとって重要なものである。クラフト10の 重心121を、クラフト10の縦のセンターライン144上で乗り手の前方に、 およびバウからの水平方向の距離を約50%ないし75%の範囲として位置決め することにより、後部デッキに乗る乗り手がこのような制御を行なうことができ る。 乗り手の典型的な重量は、クラフト10の重量の1.0ないし1.75倍の範 囲である。典型的な乗り手12が後部デッキ22の上で斜めの姿勢をとって立つ とき乗り手プラスクラフト10の正味の重心120は、クラフト10の縦の中央 面上の好ましい位置に移動する。正味の重心12 0の縦および横の座標軸は、典型的には、乗り手の下でかつ乗り手の前足と後ろ 足との間の位置の領域内で位置付けられる。この場合、乗り手が体をわずかに動 かしたりまたは体重を移動させるだけで、簡単に正味の重心120を前方、後方 、左または右に移動させてクラフト10を制御することができるため、正味の重 心120は「インテリジェントCG」と称される。 たとえば発進の間、乗り手は立っている位置で前傾するかまたは胸をエンジン 108の丁度後ろに乗せてクラフト10の上に横たわって正味の重心120を機 械的な重心121の場所に向けて前方に移動させ、推力を与え、クラフト10が 水上滑走状態に急速に移ることを容易にする。次に、乗り手はもし立っているな らば体を後ろに傾けて(またはもし寝ているのであれば立上がり)高速で安定し た直線動作を行なうために足近くの意図する領域に正味の重心120を移す。乗 り手は、自分の重量分布または後ろ足の位置を一般的には前方に、かつ横方向で はクラフトの縦軸144を所望のターンの方向にわずかに調整することにより、 クラフト10をターンさせる。こうして正味の重心120をわずかに前に、かつ 所望のターンの方向(左または右)に移動させ、選択されたレール194Aまた は194Bの内側の旋回点を乗り手の領域内に配置し、安定したターンを生み出 す。乗り手は、乗り手が体重を後方におよび縦のセンターライン144の左また は右にシフトする程度 により、ターンの角度を調節できる。乗り手12は、以降で述べるように、高速 、g−力の大きなターンおよび低速ターン両方を行なうことができる。 クラフト10の重心121およびクラフト10プラス乗り手12の正味の重心 120を正確に位置付けることが、本発明の重要な要素である。好ましい実施例 を成功させるには、ハルの構造、機械的構成部品の配置、および乗り手12の位 置に関する数多くの計算および実験が必要であった。これらの計算および実験で は、空のハル16の構造の重量および重量分布、クラフト10内の機械的構成部 品の重量および位置、ならびに乗り手12の重量範囲および位置を考慮した。 操舵メカニズムを持たない先行技術によるクラフト10と異なり、本発明には 非常に大きなパワーおよび推力が必要であるため、エンジン108アセンブリ、 ジェットポンプアセンブリ100および燃料タンク114を含む機械的構成部品 の総重量は一般的に、クラフト10構造の重量に等しいかまたはそれよりも大き い。これを意図するモデルの範囲および1つの特定的な好ましい実施例に対し以 下に示す。先行技術と異なり、ハイパワーエンジン108は、機械的構成部品の 重量を左右し、乗り手の前方にエンジンを配置すること、3つの互いに直交する 方向各々に対して行なわれる、(個々の質量)×(基準点からの距離の積の総和 )÷(質量の総和)の計算により決定する、クラフト 10の重心121の計算を左右する。表Iはクラフト10のさまざまな構成部品 の重量の典型的な値を、特定的な好ましい実施例に対する値とともに示す。 クラフト10の重い構成部品の位置をわずかに変化させても、クラフト10の 重心の位置に大いに影響を及ぼす。構成部品の位置をわずかに変化させることは また、クラフト10の性能および操作に多大な影響を及ぼす。本発明の1つの好 ましい実施例では、ほぼ59ポンド(ほぼ263ニュートン)、25HP(ほぼ 18.6KW)のエンジンアセンブリおよび機械的構成部品は、後ろに乗る典型 的な大人の体重の乗り手が直線の高速での滑走に対して典型的な位置にいるとき 、バウから全体の長さの62.5%の距離、約1.5ft.(ほぼ0.45m) の所で、クラフト10の重心121が正味重心120の前に位置付けられるよう に、クラフト10内で位置決めされる。前述したよう に、所望の操縦特性を獲得し、後ろに乗る乗り手に対し安定性およびスピードを もたらすためには、クラフト10の重心121が、クラフト10の縦軸上でバウ から測定してクラフト10の全長の50%ないし75%の範囲内にあり、かつト ップシェル52とボトムシェル50との間の垂直軸の中間におよそ位置すること が必要であることを実験が示した。 本発明におけるハルボトム58およびサイドレール190Aおよび190Bの 調和のとれた設計は、いかなるターンメカニズムまたは方向可変のジェットを用 いなくても、高速の、制御されたg−力の大きなターンおよび低速ターンに成功 するには重要である。ハル16は、横方向に「V」形状の表面195Aおよび1 95Bを通して外側の湾曲した断面のレール190Aおよび190Bへと変化す る、スターン20近くの平らな水上滑走面180の独自の組合せを特徴とする。 このハルーレールの設計が、クラフト10と乗り手との正味重心120と関連し て働き、低速での始動から高速での直線滑走への安定した遷移が可能となり、か つ滑らかで制御可能な高速および低速ターンを容易に開始することができる。ハ ルボトム58およびレール190A、190Bの独自の組合せという設計の特徴 は、乗り手に種々のモードでの動作に対し最適な選択を提供する。始動の間、水 上滑走面180に接する急なハイドロステップ183A、183Bは、推力を加 えるときに水から離れる ことを容易にし、その結果、濡れたハル表面と結果として抵抗力が最小となる安 定した高速水上滑走へと急速に移る。ハイドロステップ183Aおよび183B は、ターンまたは操作中の所望の応答性次第で、前部の水上滑走面180の始ま る点でのわずかな高さから、1ないし4インチ(ほぼ2.5cmないし10.0 cm)の高さである、スターン20での最大の高さへと変化する。 水上滑走面180は一般的に、ミニチュアのサーフボードのような形状である 。水上滑走面180は、ポンプの取入口148の丁度前で始まり、いかなるロッ カー(または垂直のカーブ)も伴わずに後部に延びるキール17の中心と一緒に なり、高速動作の間抵抗力を小さくし、クラフト10を安定化させる一方で、ク ラフト10が垂直に水上滑走するのに抵抗するように作用する。水上滑走面18 0の側方の「V」表面195Aおよび195Bは、水上滑走面180のベースを 、外側のレールと接続する。「V」形の表面195Aおよび195Bと水上滑走 面180との中間のラインは、ジェットポンプ取入口148の前方で滑らかに交 じり合い、ポンプ100への通気を最小限とする。ハイドロステップにおける鋭 いエッジ183Aおよび183Bは、ジェットポンプの取入口148の前部エッ ジで始まり、後部に延び、そうして鋭いエッジからの水の流体力学的な放出を促 進し、抵抗を小さくする。水上滑走面180の前方の「V」形状のハルの部分1 94Aおよび194B は、乗り手が最小の努力で急速なジグザグターン操作を開始する助けをする。 乗り手が体重を左または右に移動させてフルターンを開始するとき、クラフト 10は平らな水上滑走面180から、近接し、バウ18に向けて角度が増大する 「V」表面195Aおよび195Bへと揺れ、乗り手12にテコの作用を与え、 デッキ22の上での乗り手の体重移動により湾曲したレール190Aおよび19 0Bを潜水させ、ターンを開始する。乗り手12は次に、選択されたレール19 0Aまたは190Bの上を滑り、高速でのターンのためにはレールのスターン部 分から中央部分へと進み、クラフト10の方向の変更に推力を用いる低速ターン では、レール59Aおよび59Bのスターンのロッカー部分上に留まる。レール の潜水した部分における流体力学的な抵抗力は、正味重心120の位置および予 め規定された乗り手12の下の旋回点と合わさって、急に動いて乗り手12を不 安定にすることなく、制御された滑らかな高速および低速ターンを生み出す。ス ターン20近くで垂直方向に上向きに湾曲するサイドレールロッカー59A、5 9Bは、乗り手12が体重の移動を利用してターンの間のクラフト10の応答の スピードを制御できるようにする。高速ターンでは、複雑に湾曲する断面のレー ル表面57Aおよび57Bは、ターンの最終的な角度および方向を設定する際の オートバイのタイヤのような作用をする。フィン44A、44B、46A、 46Bおよび149は、ハルが過度に回転することを防止し、かつ低速および高 速ターン両方の間の滑りを防止する。所要の性能特性次第で、1ないし5個の適 切に配置されたフィンを用いてもよい。その代わりとして、側面が低く、引き込 めることが可能な「盆栽」型のフィンを用いることができる。 図1Bに示すような、時速5ないし10マイル(ほぼ8ないし16km/h) という速度の、低速で半径の短いターンの間、乗り手12は正味重心120を、 後部に、かつ所望のターンの方向に移動させる。こうするとレール59A、59 Bの後部ロッカーの端部が沈み、乗り手12は同時にウォータジェットの大きな 推力の突発を利用して、非常に安定した状態で、典型的には半径が3ないし4フ ィート(ほぼ0.9ないし1.2m)の範囲である、半径の小さなターンの間の 加速を行なう。このタイプのターンにおいては、クラフトは、先行技術に必要で あった操舵メカニズムまたは操作可能なジェットを用いずに、正味重心120を 中心として旋回する。図1Cに示すようなより極端なスピン操作をまた達成する ことができ、その場合クラフトの主要な部分は、乗り手12が、後ろに体を傾け 、200lb.(ほぼ890ニュートン)よりも大きな最大推力を与え、スター ン20に向かってさらに後部に正味重心120および体重を移動させることによ り、水から持上げられる。このことが結果として、クラフト10および乗り手1 2を旋回させつつクラフト10の殆どを水から持上げる、垂直方向の推力の重要 な構成要素となる。 大きな推力、クラフトの重心121の正確な位置決め、およびハルボトム/レ ールの構成の独自の組合せにより、クラフト10および後ろで立っている乗り手 12には、方向性のない推力を利用して立って後ろに乗るパーソナルウォータク ラフトでは決して達成できなかった、安定し制御された高速ターンが可能になる 。乗り手12は、このようなターンの間、表IIで列挙された本発明の1つの好ま しい実施例に対し測定されたように、重力の3倍から6倍の間のピークの力を経 験する。 求心力が大きいことにより、乗り手12は、抗力の上向きの垂直成分、および 体重の垂直に下向きの力に対向して作用する、デッキ22の上の乗り手の足の摩 擦力両方により安定化されるため、乗り手の体の軸と水面との角度がほぼ15な いし20°の高速ターンを行なうことができる。たとえば、200ポンドの乗り 手12は、体重の200ポンドの垂直方向に下向きの力に対向するように作用す る力を以下に示すように経験し、そうして高速ターンを行なう 際にクラフト10から落下したり滑り落ちたりすることが防止される。表IIIは 、本発明に従うウォータクラフトのターンの間の、乗り手の体と水との間の2つ の異なる角度に対して、乗り手12にかかる力を示す。 後ろで立っている乗り手12が、本発明を用いて、能動的な機械的操舵メカニ ズムなしで行なうことができる、制御され安定したg−力の大きいターンは、ボ ートおよびスキーヤーの腕に接続されるロープの緊張がスキーヤーを不安定化さ せる力を与えるような、パーソナルウォータクラフトまたは水上スキーでは決し て達成されないものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AU,BR,CA,JP,K R,NZ 【要約の続き】 ッキ(22)上での姿勢をシフトさせることによりモー タ水上スキー(10)をターンできるようにするため に、平均的な重量の乗り手がデッキ(22)の上に立っ ているとき、モータ水上スキー(10)および乗り手 (12)の合成の重心(120)がデッキ(22)の下 となるように重心を規定する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.低速でも高速でも後ろで立って乗る乗り手(12)に対し安定性および操 作性をもたらすモータ水上スキー(10)であって、 バウ(18)、スターン(20)、立っている乗り手(12)に対応する大き さのデッキ(22)、水面上を滑走する際に乗り手(12)および高速モータ水 上スキー(10)の重量を支える、ハル(16)上に形成される水上滑走面(1 80)、ならびにバウ(18)からスターン(20)に延在する縦軸(144) を有するハル(16)と、 推進させる水の流れを、一般的にはモータ水上スキー(10)の縦軸(144 )と平行に固定された方向に、スターン(20)から外向きに生じさせるための 、スターン(20)内に固着されたジェットポンプ(100)と、 ジェットポンプ(100)を駆動するための、ハル(16)内に配置されたモ ータ(108)とを含み、モータ(108)は、デッキ(22)の前部でハル( 16)内に装着され、さらに、 モータ(108)およびジェットポンプ(100)は、モータ水上スキー(1 0)が、デッキ(22)の下でモータ(108)の後部に配置されるエンベロー プ内にある乗り手のいない重心(121)、ならびに乗り手(12)の体の領域 にある、モータ水上スキーおよびデッキ(22) の上に立っている乗り手(12)の正味の重心を有し、デッキ(22)上に位置 する乗り手(12)が位置および重量分布を調節して正味の重心を移動させるこ とにより、高速モータ水上スキー(10)を操作し、かつターンさせる、モータ 水上スキー。 2.ハル(16)上に形成された1対の湾曲したサイドレール(190Aおよ び190B)をさらに含む、請求項1に記載のモータ水上スキー(10)。 3.バウ(18)に近接してハル(16)に装着されたアームポール(26) と、可撓性のアームポール(26)に接続されたハンドグリップ(132)とを さらに含み、アームポール(26)およびハンドグリップ(132)は、乗り手 (12)がデッキ部分(22)の上に立ち、片手でハンドグリップ(132)を 握り、ハンドグリップ(132)およびアームポール(26)を利用して高速モ ータ水上スキー(10)のさらなる安定性および操作性を得ることができるよう に構成される、請求項1に記載の高速モータ水上スキー(10)。 4.ハンドグリップは、片手での操作のために構成された自在片手右/左ハン ドグリップ(132)である、請求項3に記載のモータ水上スキー。 5.モータ水上スキー(10)の乗り手のいない重心(121)は、ハル(1 6)の長さのバウ(18)から50%よりも長い所に配置される、請求項1に記 載のモータ 水上スキー(10)。 6.モータ水上スキー(10)の乗り手のいない重心(121)は、ハル(1 6)の長さのスターン(20)から25%よりも長い所に配置される、請求項1 に記載のモータ水上スキー(10)。 7.空気をエンジン(108)に取入れるために、アームポール(26)内に 形成された空気取入口(160)をさらに含み、空気取入口(160)は、バウ (18)から間隔を置かれ、引上げられたポイントでアームポール(26)内に 配置される、請求項1に記載のモータ水上スキー(10)。 8.ハンドグリップ(132)内に親指始動スロットル(170A)、スター タ(170B)、およびストップスイッチ(170C)をさらに含み、親指始動 スロットル(170A)、スタータ(170B)、およびストップスイッチ(1 70C)は、乗り手(12)が、親指のみで親指始動スロットル(170A)、 スタータ(170B)、およびストップスイッチ(170C)を作動させて、乗 り手がハンドグリップ(132)を握っている間に高速モータ水上スキー(10 )の加速がさらにスロットルを開けないようにして、乗り手(12)がモータ( 108)の始動およびモータ(108)のスピードを好都合にかつ安全に制御で きるように位置付けられる、請求項3に記載の高速モータ水上スキー(10)。 9.乗り手(12)が水からスターン(20)を超えてモータ水上スキー(1 0)に乗るときに乗り手(12)の胸を収容するために、スターン(20)の近 くでデッキ(22)に形成される胸の凹み(23)をさらに含む、請求項1に記 載のモータ水上スキー(10)。 10.平らなキール(17)へと後部に推移し、次に水上滑走面(180)と 湾曲したサイドレール(190A、190B)との間のV−形状部分(195A 、195B)へと推移し、正味の重心(120)を乗り手が移動させることと協 働して始動から高速の水上滑走へとスムーズに推移することならびに高速および 低速ターンの簡単な開始および実行を可能にする、ハル(16)の幅が最大のビ ーム部分(182A、182B)の前方のV−形状部分(194A、194B) を有するハルボトム(58)をさらに含む、請求項2に記載のモータ水上スキー (10)。 11.サイドレール(190A、190B)は、ハル(16)の全長に延在し 、複雑に湾曲した断面部分(57A、57B)、バウ(18)近くに垂直方向に 上向きの湾曲部分(55A、55B)、および後ろに乗る乗り手(12)が、乗 り手が好むターンの角度および鋭さに従い、高速または低速でモータ水上スキー (10)をターンさせることができるようにする、スターン(20)近くの垂直 方向に上向きの湾曲部分(57A、57B)を有する、請求項11に記載のモー タ水上スキー(10)。 12.ハルボトム(58)上の水上滑走面(180)は、 水がジェットポンプ(100)に入ることを可能にするための取入れグレート (148)と、 滑らかに一体となって「V」形状表面(195A、195B)となり、レール (190A、190B)に接続してポンプ(100)に浸入する水の通気を最小 にする、取入れグレート(148)の前方のハルボトム部分と、 ハル(16)が水上滑走モードに遷移する際に水の効率的な放出を助け、ハル (16)に安定性および減少された水の抵抗をもたらす、取入れグレート(14 8)の後部の、1対の鋭く規定されたハイドロステップ(183A、183B) とを含む、請求項11に記載のモータ水上スキー(10)。 13.ハイドロステップ(183A、183B)のいずれかの側にある「V」 形状表面(195A、195B)は、乗り手(12)にテコの作用を与えて、直 線走行からターンモードへの、高速水上スキー(10)の遷移を容易にする、請 求項12に記載のモータ水上スキー(10)。 14.ハル(16)は、高速モータ水上スキー(10)および乗り手(12) の正味の重心(120)が、乗り手がバンクターンを通して高速モータ水上スキ ー(10)を操縦するときに、サイドレール(190A、190B)の間になる ように形成される、請求項11に記載のモータ水上スキー(10)。 15.モータからハルへの構造上の負荷経路である安定したエンジンプラット ホームを提供し、エンジン(108)とドライブシャフト(104)とジェット ポンプ(100)との整列を維持するエンジンポッド(110)と、 エンジンポッド(110)と協働してモータ(108)に対し防水の囲いを形 成するエンジンポッドカバー(150)とをさらに含む、請求項1に記載のモー タ水上スキー(10)。
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