JPH08509964A - 肉におけるオス豚臭の軽減 - Google Patents
肉におけるオス豚臭の軽減Info
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、飼育されたオス豚の肉におけるオス豚臭の発生を除去または軽減する方法であって、かかるオス豚にオス豚・4−エン−5−α−レダクターゼ阻害化合物を投与することからなる方法に関する。さらに本発明は、オス豚における5−α−アンドロスト−16−エン−3−オンの生成を防止する方法であって、かかるオス豚にオス豚・4−エン−5−α−レダクターゼ阻害化合物を投与することからなる方法に関する。オス豚・4−エン−5−α−レダクターゼ阻害化合物をさらなる活性成分と共投与することからなる、飼育されたオス豚の肉におけるオス豚臭の発生を除去または軽減する方法も本発明に包含される。
Description
【発明の詳細な説明】
肉におけるオス豚臭の軽減
本発明は、飼育されたオス豚の肉におけるオス豚臭(boar odor)の発生を除
去または軽減する方法であって、かかるオス豚にオス豚・4−エン−5−α−レ
ダクターゼ阻害化合物を投与することからなる方法に関する。
発明の背景
オス豚肉に対する消費者の許容度は、去勢されていないオス豚の加熱された肉
脂における不快臭により妨げられている。去勢されていないオス豚は早く成長し
、エサを有効に利用し、赤身肉を生じるという事実にもかかわらず、豚肉におけ
る「オス豚臭(boar odor)」、「オス豚香(boar taint)」または「オス臭(m
ale sex odor)」と言われる望ましくない匂いを除去するために、食肉生産用に
成長させられるオス豚の去勢が商慣行として用いられてきた。
5−α−C19−16−エンステロイドの族(特に、5−α−アンドロストー1
6−エン−3α−オールおよび5−α−アンドロスト−16−エン−3β−オー
ル)は不快なオス豚臭の原因であるということが、当該分野において認められて
いる。
5−α−C19−16−エンステロイド類は、下図1に示す代謝経路により、オ
ス豚の睾丸で合成される(ブルックス(Brooks)ら,ジャーナル・オブ・アニマ
ル・サイエンス(J.Anim.Sci.)第62巻(1986年)632〜645頁)。
さらに、豚の腸内細菌によるトリプトファンの分解の間に生じる代謝物である
スカトールも、5−α−アンドロスト−16−エン−3−オンの不快臭を相乗的
に増強することが見いだされている(ルンドストロム(Lundstrom)ら,プロシ
ーディングス・オブ・ヨーロピアン・ミート・リサーチ・ワーク(Proc.Europea
n Meat.Res.Work)第26巻:300頁(1980年))。
去勢の必要なく、豚肉におけるオス臭を防止する、成体オス豚における5−α
−C19−16−エンステロイド類の生成を防止するための方法は、飼育環境およ
び5−α−C19−16−エンステロイド類に対する若いオス豚の自己免疫に集中
していた(ブルックス(Brooks)ら,ジャーナル・オブ・アニマル・サイエンス
(J.Anim.Sci.)第62巻:632〜645頁(1986年))。かくして、こ
れらの方法は、ごくわずかの成功しか得られなかった。バージニアマイシン(vi
rginiamycin)のごとき抗生物質は、スカトールのレベルを低下させることによ
り、オス臭のレベルを減じることにいくらかの効果を示した(ガッド(Gadd),
ピッグスーミセット(Pigs-Misset)5月/6月号(1992年)17頁)。
去勢以外に、成体オス豚におけるオス臭防止の信頼できる方法は、現在のとこ
ろ使用することができない。
現在に至るまで実質的に注意を引いていない1つのオス臭抑制方法は、5−α
−C19−16−エンステロイド類の生成をブロックする化学薬剤の開発である。
ブロフィー(Brophy)およびガウワー(Gower)(バイオケミ・バイオフィジ
・アクタ(Biochem.Biophys.Acta)第360巻:252頁)は、5−α−プレグ
ナン−3,20−ジオンが、プレグネノロンの5,16−アンドロスタジエン−3
β−オールへの変換の原因であるアンジエン−β合成系を阻害することを見いだ
した。しかしながら、5−α−C19−16エンステロイド生成に対する阻害剤と
しての5−α−プレグナン−3,20−ジオンの実際的な使用は、それが、オス
豚におけるステロイドホルモンの生合成系におけるアンドロゲンおよびステロイ
ドホルモンの生成をも同時に阻害するという理由で、うまく行っていない。ラッ
ト、イヌおよびヒトにおけるステロイド5−α−レダクターゼ活性の阻害により
17β−ヒドロキシ−3−オキソアンドロスト−4−エンの17β−ヒドロキシ
−5
−α−アンドロスト−3−オンへの変換を防止する化学薬剤の使用が試験された
(リアング(Liang)ら,エンドクリノロジー(Endocrinilogy)第117巻第2
号,571〜579頁(1985年)(以後、リアングらという))。リアング
は、5−α−レダクターゼの形態は、ラット、イヌおよびヒトの間で有意な差異
があり、それにより、種間におけるこの酵素に対する阻害剤の類推適用が不可能
であることが強調されると結論した。現在に至るまで、インビボにおいて4,1
6−アンドロスタジエン−3−オンの5−α−アンドロスト−16−エン−3−
オンへの変換を阻害する、オス豚の4−エン−5−α−レダクターゼ酵素を化学
的に阻害する方法は報告されていない。
4−エンアンドロゲンおよびエストロゲン性ホルモンの生成を阻害することな
く、オス豚の5−α−C19−16−エンステロイド類の生成を防止するための適
当な化学ブロッキング剤の開発は、きわめて価値がある。好ましくは、かかる化
学ブロッキング剤は、5−α−アンドロスト−16−エン−3−オンの生成を防
止しするものであり、その結果、それ以降のα−オールおよびβ−オールへの還
元も防止される。
発明の概要
本発明は、飼育されたオス豚の肉におけるオス豚臭の発生を除去または軽減す
る方法であって、かかるオス豚に有効量のオス豚・4−エン−5−α−レダクタ
ーゼ阻害化合物を投与することからなる方法に関する。
本発明はさらに、オス豚における5−α−アンドロスト−16−エン−3−オ
ンの生成を防止するための方法であって、かかるオス豚にオス豚・4−エン−5
−α−レダクターゼ阻害化合物を投与することからなる方法に関する。
オス豚・4−エン−5−α−レダクターゼ阻害化合物をさらなる活性成分とと
もに共投与することからなる、飼育されたオス豚肉におけるオス豚臭の発生を除
去または軽減するための方法は、本発明に包含される。
発明の詳細な説明
本明細書に用いる「バージニアマイシン」なる語は、スチレプトミセス・ビル
ギニアエ(Streptomyces virginiae)から得られる抗生物質をいう。バージニア
マイシンは、豚の赤痢の治療および抑制、ならびに成長およびエサ利用効率の改
善のために市販されている。
本発明方法に使用される好ましい化合物は、17β−(N−t−ブチルカルボ
キシアミド)−アンドロスト−3,5−ジエン−3−カルボン酸であり、該化合
物の合成方法は、米国特許第5,017,568号に開示および権利請求されてお
り、参照により、その全開示を本明細書に取り入れる。
本発明方法に使用される好ましい化合物は、17β−(N−t−ブチルカルボ
キシアミド)−エストロ−1,3,5(10)トリエン−3−カルボン酸であり、
該化合物の合成方法は、米国特許第4,954,446号に開示および権利請求さ
れており、参照により、その全開示を本明細書に取り入れる。
本発明方法に使用される好ましい化合物は、17β−(N−t−ブチルカルバ
モイル)−4−アザ−5−α−アンドロスト−1−エン−3−オンであり、該化
合物の合成方法は、米国特許第4,760,071号に開示および権利請求されて
おり、参照により、その全開示を本明細書に取り入れる。
引用された特許においては、上で参照した化合物または該特許に開示されたい
かなる化合物も、飼育されたオス豚肉におけるオス豚臭の発生を除去または軽減
することにおいて有用であることは開示または示唆されていない。
4,16−アンドロスタジエン−3−オンの5−α−アンドロスト−16−エ
ン−3−オン(引き続き、オス豚において3α−オールおよび3β−オール形態
へと還元される)への変換の原因であるオス豚・4−エン−5−α−レダクター
ゼ酵素が、本発明の範囲内の化合物により阻害されうることが、初めて見いださ
れたのである。
本発明の好ましい化合物(すなわち、17β−(N−t−ブチルカルボキシア
ミド)−アンドロスト−3,5−ジエン−3−カルボン酸、17β−(N−t−
ブチルカルボキシアミド)−エストロ−1,3,5(10)トリエン−3−カルボ
ン酸および17β−(N−t−ブチルカルバモイル)−4−アザ−5−α−アン
ドロスト−1−エン−3−オン)を、下記方法を用いて、オス豚・4−エン−5
−
α−レダクターゼ酵素に対する阻害能について試験した。
リアングらによりヒト・前立腺ミクロソームの5−α−レダクターゼに関して
記載されたプロトコールにより、オス豚・唾液腺由来のミクロソーム標品を調製
した。酵素活性および阻害能についてのアッセイ
エタノール中の一定量の[14C]テストステロン(50ないし55mCi/ミ
リモル)およびエタノール中の種々の量のα−阻害剤である可能性のある物質(
または阻害剤でない物質、すなわち対照)を試験管に取り、減圧乾燥した。
50mMリン酸緩衝液,pH7.5または50mMクエン酸緩衝液,pH5.0中
のオス豚・唾液腺5−α−レダクターゼの試料を用いて、オス豚・ステロイド5
α−レダクターゼ酵素のアッセイを行った。各試験管に、緩衝液、オス豚・唾液
腺由来のミクロソーム標品(以後、オス豚・唾液腺ステロイド5−α−レダクタ
ーゼという)および20μlの20mM NADPHを添加して最終体積0.5
mLとした。
溶液を37℃で30分インキュベーションした後、4mLの酢酸エチルおよび
それぞれ0.25μmolのテストステロン、5α−ヒドロキシテストステロン
、アンドロスタンジオールならびにアンドロスタンジオンを担体として添加する
ことにより、反応を停止した。有機層を2本目の試験管に取り、スピードバク(
Speed Vac)で蒸発乾固させた。残渣を40μlのクロロホルムに溶解し、前以
てレーンがついている20x20cmシリカゲルTLCプレート(Si 250FPA,ベ
イカー・ケミカル(Baker Chemical)製)のそれぞれのレーンにスポットし、ア
セトン:クロロホルム(1:9)で2回展開した。基質および生成物のバンド中
の放射化学量を、BIOSCANイメージング・スキャナー(BIOSCAN Imaging
Scanner)(ワシントンDCのバイオスキャン・インコーポレイテッド(Bioscan
Inc.)製)を用いて測定した。生成物に変換され記録された放射標識のパーセ
ントを計算し、その値から、酵素活性を決定した。わずか20%の基質(テスト
ステロン)が消費されるように、すべてのインキュベーションを行った。
上記方法に従うことにより、阻害剤不存在下(すなわち対照)において、5−
α−ジヒドロテストステロンおよびアンドロスタンジオールの有意な生成が起こ
り、オス豚の唾液腺から調製されたミクロソームにおける高レベルの4−エン−
5−α−レダクターゼの存在が示された。
対照的に、500nMの17β−(N−t−ブチルカルバモイル)−4−アザ
−5−α−アンドロスト−1−エン−3−オンおよび500nMの17β−(N
−t−ブチルカルボキシアミド)−アンドロスト−3,5−ジエン−3−カルボ
ン酸は、それぞれ、pH5において、オス豚・5−α−レダクターゼ酵素を30
ないし40%阻害(対照に対して)し、pH7.5において、オス豚・5−α−
レダクターゼ酵素を50%阻害(対照に対して)した。500nMの17β−(
N−t−ブチルカルボキシアミド)−エストロ−1,3,5(10)トリエン−3
−カルボン酸は、pH5において、オス豚・5−α−レダクターゼ酵素を約65
%阻害(対照に対して)し、pH7.5において、オス豚・5−α−レダクター
ゼ酵素を80%阻害(対照に対して)した。
17β−(N−t−ブチルカルバモイル)−4−アザ−5−α−アンドロスト
−1−エン−3−オン、17β−(N−t−ブチルカルボキシアミド)−アンド
ロスト−3,5−ジエン−3−カルボン酸および17β−(N−t−ブチルカル
ボキシアミド)−エストロ−1,3,5(10)トリエン−3−カルボン酸以外の
化合物であって、オス豚・4−エン−5−α−レダクターゼ酵素の有効な阻害剤
として有用な化合物は、上記アッセイにおいて阻害効果を示すであろう。すべて
のかかる化合物は、本明細書に用いる「オス豚・4−エン−5−α−レダクター
ゼ阻害化合物」なる語に包含され、本発明方法の範囲内に包含される。
本発明範囲内の化合物はオス豚・4−エン−5−α−レダクターゼ酵素を阻害
するので、それらは、飼育されたオス豚における5−α−アンドロスト−16−
エン−3−オンの生成の防止に有用である。5−α−アンドロスト−16−エン
−3−オン(引き続き、インビボにおいて、対応する3α−オールおよび3β−
オール形態に還元される)の存在はオス豚香に関連があるので、本発明範囲内の
化合物は、オス豚香の発生の除去または軽減に有用である。本発明方法は、オス
豚・4−エン−5−α−レダクターゼ酵素を阻害することによっても、4−エン
アンドロゲンおよびエストロゲン性ホルモンの生成が影響を受けないということ
において、特に有用である。
さらに本発明は、オス豚香の発生を除去または軽減することに使用する医薬の
製造におけるオス豚・4−エン−5−α−レダクターゼ阻害化合物の使用を提供
する。
さらに本発明は、オス豚・4−エン−5−α−レダクターゼ阻害化合物および
医薬上許容される担体からなる、オス豚香の発生の除去または軽減に使用する医
薬または家畜用組成物を提供する。
本明細書に用いる「有効量」なる語は、オス豚における5−α−C19−16−
エンステロイド類の蓄積を許容できるレベルにまで減少させるに十分な量で、オ
ス豚・4−エン−5−α−レダクターゼ阻害化合物(活性化合物)が投与される
ことを意味する。該許容されるレベルは、そのように処理されたオス豚肉からの
オス臭の発生を除去または軽減するに十分なものである。
オス豚・4−エン−5−α−レダクターゼ阻害化合物が単独で投与されること
は可能であるが、該化合物が、標品中に塩、水和物、溶媒和物として、あるいは
混合物として存在することが好ましい。
好ましくは、本発明の範囲内の化合物を、カプセル、移植物、錠剤、注射可能
な標品または飼料混合物のごとき便利な剤型中に入れる。固体または液体医薬担
体を使用することができる。固体担体は、澱粉、乳糖、硫酸カルシウム二水和物
、白陶土、蔗糖、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、ステアリ
ン酸マグネシウム、およびステアリン酸を包含する。液体担体は、糖蜜、ピーナ
ッツ油、オリーブ油、セイライン、および水を包含する。同様に、担体または希
釈剤が、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリルグリセリルのみ、ある
いはロウと混合されたモノステアリン酸グリセリルまたはジステアリルグリセリ
ルのごとき何らかの除放物質を含有していてもよい。固体担体量を大幅に変更す
ることができるが、好ましくは、剤型あたり約25mgないし約1gであろう。
液体担体を使用する場合には、好ましくは、標品は、シロップ、エリキシル、軟
ゼ
ラチンカプセル、アンプルのごとき滅菌済み注射可能液体、または水性もしくは
非水性懸濁液の形態であろう。
錠剤形態が必要な場合には、混合、顆粒化、および打錠、あるいは適宜、成分
の混合、充填および溶解をはじめとする慣用的な方法により、混合物および標品
を製造して所望の経口用または非経口用製品を得る。
本発明範囲内の化合物の用量は、有効かつ無毒の量であり、好ましくは、0.
1〜2500mg/kgの範囲の活性化合物、好ましくは、1〜250mg/k
gの範囲から選択する。選択した用量を、屠殺前に、オス豚に、好ましくは1日
1〜6回、経口的または非経口的に投与する。非経口投与の好ましい形態は、局
所、移植、経皮および注射によるものを包含する。好ましくは、経口投与を、飼
料添加物として行う。活性化合物は、飼料中に、25〜2500mg/kgのレ
ベルで含有されるであろう。好ましくは、オス豚への投与剤型は、1ないし10
000mgの活性化合物を含有する。
本発明範囲内の化合物は、アンドロゲンおよびエストロゲン性ホルモンの生成
を阻害することなく、オス豚において5−α−C19−16−エンステロイド類の
生成を防止するので、オス豚・4−エン−5−α−レダクターゼ阻害化合物(本
明細書記載)の投与を、性的成熟前の若いオス豚において開始して5−α−C19
−16−エンステロイド類の生成を防止することができ、あるいは性的に成熟し
たオス豚において開始して、屠殺前に、5−α−C19−16−エンステロイド類
のレベルを匂いを発生するレベルよりも低下させることもできる。
屠殺後の変質したオス豚肉中のスカトールの迅速同定法が当該分野において知
られている(ガッド(Gadd),ピッグス・ミスド(Pigs Missed)5月/6月号
(1992年)17頁)。アンドロステロンにより引き起こされる臭気を、ボノ
ー(Bonneau)ら,ライブストック・プロダクション・サイエンス(Livestock P
roduction Science)第32巻(1992年)63〜80頁の66頁に記載され
たようにして測定することができる。かくして、オス豚における5−α−C19−
16−エンステロイド類の蓄積がオス豚香の発生を除去または軽減するレベルの
ものであることを確認するのに必要なオス豚・4−エン−5−α−レダクターゼ
阻害化合物の最適量および最適投与間隔を、慣用的方法を用いて常用される試験
により決定することができる。
本発明で使用されるように、オス豚・4−エン−5−α−レダクターゼ阻害化
合物とさらなる活性成分とを組み合わせて使用することができ、該さらなる活性
成分と該阻害剤とを共投与することができる。
本明細書に用いる「共投与」および「その誘導体」なる語は、オス豚・4−エ
ン−5−α−レダクターゼ阻害化合物と、飼育されたオス豚の肉におけるオス豚
臭の発生を除去または軽減することが知られているようなさらなる活性成分との
同時投与または別々に逐次投与する何らかのやり方を意味する。本発明に使用さ
れるさらなる活性成分の例は、抗生物質および抗体での免疫化を包含する。オス
豚香の除去に使用するには、オス豚・4−エン−5−α−レダクターゼの阻害剤
とバージニアマイシンとの組み合わせが特に好ましい。同時投与を単一組成物の
形態で行ってもよい。好ましくは、投与が同時でない場合には、2つの化合物を
互いに短時間のうちに投与する。そのうえ、化合物が両方とも同じ剤型中に入れ
られて投与されるかどうかは問題とならない。例えば、1の化合物を注射により
投与し、他の化合物を経口的に投与してもよい。
さらに本発明は、本発明方法を用いて処理されたオス豚の肉に関し、その肉は
、オス豚臭を欠くため、ヒトが食べるのに適している。
本発明化合物を本発明に従って投与した場合、許容されない毒物学的効果は予
想されない。
さらなる苦労をせずに、当業者は、上記説明を用いて本発明を最大限に利用で
きると確信する。それゆえ、以下の実施例は単に説明的であって、本発明の範囲
を何ら限定するものではない。
実施例1−カプセル組成物
下表Iに示す割合の成分を標準的な2片硬ゼラチンカプセルに充填することに
より、オス豚・4−エン−5−α−レダクターゼ阻害化合物を投与するための経
口剤型を製造する。
実施例2−注射可能な非経口組成物
オス豚・4−エン−5−α−レダクターゼ阻害化合物を投与するための注射可
能な形態を、水中10重量%のプロピレングリコール中の1.5重量%のN−t
−ブチル−エストロ−1,3,5(10)−トリエン−17β−カルボキシアミド
−3−カルボン酸を攪拌することにより製造する。
実施例3−飼料添加物
下表IIに示す蔗糖、硫酸カルシウム二水和物およびオス豚・4−エン−5−α
−レダクターゼ阻害化合物を混合し、10%ゼラチン溶液とともに示された割合
で顆粒化する。湿顆粒をふるいにかけ、乾燥し、澱粉、タルクおよびステアリン
酸と混合し、ふるいにかけ、次いで、錠剤に打錠する。
実施例4−飼料添加物
オス豚用エサに0.0025重量%のN−t−ブチル−エストロ−1,3,5(
10)−トリエン−17β−カルボキシアミド−3−カルボン酸を混合すること
によりオス豚・4−エン−5−α−レダクターゼ阻害化合物投与用飼料添加物を
製造する。
実施例5−飼料添加物
バージニアマイシンおよびN−t−ブチル−エストロ−1,3,5(10)−ト
リエン−17β−カルボキシアミド−3−カルボン酸を使用前混合物の形態とす
る。次いで、農場主または飼料供給コンピューターにより混合することにより、
使用前混合物を添加して完全な飼料混合物を作る。該使用前混合物を、飼料10
00kgあたり1000グラムの割合で混合する。
上記説明および実施例は、十分に本発明およびその好ましい具体例を説明する
が、本発明は、以下の請求の範囲に属する特定の開示された具体例に限定されな
い。
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フロントページの続き
(72)発明者 ヘッデ,リチャード・ドーン
アメリカ合衆国ペンシルベニア州19382、
ウエスト・チェスター、ローカスト・グロ
ーブ・ドライブ799番
(72)発明者 レヴィ,マーク・アラン
アメリカ合衆国ペンシルベニア州19087、
ウェイン、リバリー・ロード115番
(72)発明者 リンゼイ,トーマス・オーエン
アメリカ合衆国ペンシルベニア州19320、
コーテスビル、クランベリー・レーン2211
番
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.飼育されたオス豚の肉における「オス豚臭」の発生を除去または軽減する 方法であって、かかるオス豚にオス豚・4−エン−5−α−レダクターゼ阻害化 合物を投与することからなる方法。 2.オス豚・4−エン−5−α−レダクターゼ阻害化合物が非経口的に投与さ れる請求項1記載の方法。 3.1日あたり約0.1mg/kgないし約2500mg/kgの化合物が投 与される請求項2記載の方法。 4.オス豚・4−エン−5−α−レダクターゼ阻害化合物が経口的に投与され る請求項1記載の方法。 5.1日あたり約0.1mg/kgないし約2500mg/kgの化合物が投 与される請求項4記載の方法。 6.オス豚・4−エン−5−α−レダクターゼ阻害化合物が、 17β−(N−t−ブチルカルボキシアミド)−アンドロスト−3,5−ジエン −3−カルボン酸、 17β−(N−t−ブチルカルボキシアミド)−エストロ−1,3,5(10)ト リエン−3−カルボン酸または 17β−(N−t−ブチルカルバモイル)−4−アザ−5−α−アンドロストー 1−エン−3−オン である請求項1記載の方法。 7.オス豚における5−α−アンドロスト−16−エン−3−オンの生成を防 止する方法であって、かかるオス豚にオス豚・4−エン−5−α−レダクターゼ 阻害化合物を投与することからなる方法。 8.オス豚・4−エン−5−α−レダクターゼ阻害化合物が非経口的に投与さ れる請求項7記載の方法。 9.1日あたり約0.1mg/kgないし約2500mg/kgの化合物が投 与される請求項8記載の方法。 10.オス豚・4−エン−5−α−レダクターゼ阻害化合物が経口的に投与さ れる請求項7記載の方法。 11.1日あたり約0.1mg/kgないし約2500mg/kgの化合物が 投与される請求項10記載の方法。 12.オス豚・4−エン−5−α−レダクターゼ阻害化合物が、17β−(N −t−ブチルカルボキシアミド)−アンドロスト−3,5−ジエン−3−カルボ ン酸、17β−(N−t−ブチルカルボキシアミド)−エストロ−1,3,5(1 0)トリエン−3−カルボン酸または17β−(N−t−ブチルカルバモイル) −4−アザ−5−α−アンドロスト−1−エン−3−オンである請求項7記載の 方法。 13.オス豚・4−エン−5−α−レダクターゼおよびさらなる活性成分を別 々に逐次投与することまたは同時投与することからなる、飼育されたオス豚の肉 における「オス豚臭」の発生を除去または軽減する方法。 14.さらなる活性成分がバージニアマイシンである請求項13記載の方法。 15.オス豚・4−エン−5−α−レダクターゼ阻害化合物およびさらなる活 性成分を含有している組成物。 16.オス豚・4−エン−5−α−レダクターゼ阻害化合物が17β−(N− t−ブチルカルボキシアミド)−エストロ−1,3,5(10)トリエン−3−カ ルボン酸であり、さらなる活性成分がバージニアマイシンである請求項15記載 の組成物。 17.請求項1ないし16のいずれか1項により処理したオス豚を屠殺するこ とにより得られる肉。 18.オス豚香の発生の除去または軽減に使用する医薬の製造におけるオス豚 ・4−エン−5−α−レダクターゼ阻害化合物の使用。 19.オス豚・4−エン−5−α−レダクターゼ阻害化合物および医薬上許容 される担体からなる、オス豚香の発生の除去または軽減に使用する医薬組成物ま たは家畜用組成物。
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