JPH08509874A - 麻酔剤気化器の充填システム - Google Patents

麻酔剤気化器の充填システム

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、手術室内で麻酔剤の容器を開けることなしに麻酔剤の容器と気化器との接続および分離を迅速かつ効率的に行うためのシステムを提供するものである。本発明によれば、たわみ性、耐よじれ性の管の両端に連結手段が設けられる。管の気化器端には、麻酔剤気化器と係合する気化器アダプタも設ける。管のクロージャ端には麻酔剤容器上のクロージャに係合するクロージャ・アダプタを設ける。クロージャは手術室で使用する前に供給容器に接続するのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】 麻酔剤気化器の充填システム [発明の分野] 本発明は手術室内で麻酔剤を安全に取り扱うために使用する装置に関する。本 発明は麻酔剤の容器から気化器への転送を可能にし、蒸気または液体の大気中へ の漏れを最小限にする密閉システムを提供するものである。 [発明の背景] 麻酔剤は概して沸点が比較的低く、蒸気圧の高い高揮発性物質である。一般に 、液体および蒸気の両方の状態において、可燃性および爆発性の高い物質である 。さらに、麻酔剤を使用する人員がそれらを吸入すると眠気を催すことがある。 したがって、手術室内で麻酔剤を使用する場合は、火事または爆発の危険を最小 限に抑えるだけではなく、医療人員による吸入の危険を最小限に抑えるために安 全に取り扱う必要がある。麻酔剤は、通常の医療手順中のどの取扱段階において も、大気を汚染することがないように使用すべきである。 今までは、麻酔剤を供給容器から気化器へ移すのに使用されていた装置は、麻 酔剤気体の大気中への漏れがない密閉システ ムではなかった。概して、準備手順中に、麻酔剤の供給容器を手術室内で開け、 気化器に通じているフィード・ラインに取り付けるので、その時間中開いた麻酔 剤の容器は大気中に露出することになる。同様に、容器を気化器から取り外す際 、フィード・ラインを処分のため供給容器から分離するので、フィード・ライン 中の麻酔剤および開いた容器中の麻酔剤が大気中に露出することになる。 米国特許第5144991号は、温度感知スイッチング部材を有する麻酔剤気 化器用の充填装置を開示している。米国特許第4867212号は、装置の気化 器端に接続片を有する、麻酔剤気化器を充填したり空にしたりする安全装置を開 示している。これらの装置の問題点には、供給容器を開いてから気化器に接続し なければならず、したがって麻酔剤が大気中へ漏れるということがある。 [発明の概要] 本発明は、手術室内で麻酔剤容器を開けることなしに容器と気化器との接続お よび分離を迅速かつ効率的に行うシステムを提供するものである。 本発明によれば、コネクタ管の両端にアダプタが設けられる。 管はたわみ性がありかつ耐よじれ性のあるものが好ましい。管の気化器端には麻 酔剤気化器に係合する気化器アダプタを設ける。麻酔剤容器に取り付けるための 管の端には、麻酔剤容器上のクロージャに係合するクロージャ・アダプタを設け る。クロージャは手術室で使用する前に供給容器に接続するのが好ましい。クロ ージャには、クロージャ・アダプタ内で穿孔手段によって穿孔されるようになさ れたフランジブル・シールも設ける。穿孔手段によってフランジブル・シールを 穿孔した後も、クロージャ・アダプタ及びクロージャは係止されたままであり、 麻酔剤は管を通って供給容器と気化器の間を移動することができる。本システム は、組立手順または分解手順の間中、大気に対して閉じられたままである。 本発明はまた、内表面の清浄度を維持し、かつ管内の麻酔剤が使用後に漏れて 、大気を汚染するのを防ぐのに役立つようにダスト・カバーを備えているのが好 ましい。 本発明は使い捨て可能な安価な、プラスチック製の部品で構成するのが好まし い。 [図面の簡単な説明] 第1図は、本発明によるコネクタ管、および管に嵌合するよ うになされたクロージャを有する麻酔剤容器の透視図である。 第2図は、本発明のコネクタ管の断面図である。 第3図は、麻酔剤瓶のクロージャに嵌合するコネクタ管の端部および麻酔剤瓶 のクロージャの、第2図よりも縮尺の大きい断面図である。 [発明の好ましい実施例] 第1図はコネクタ管12および麻酔剤供給容器14を使用して、従来の形式の 麻酔剤気化器(図示せず)を充填するためのシステムを示す。管12には気化器 アダプタ16およびクロージャ・アダプタ18が設けられている。 第3図にさらに詳細に示すように、クロージャ20が供給容器14上に取り付 けられており、カラー22がクロージャ20を容器14上に保持している。カラ ー22は容器14の上部フランジ24にスナップ嵌合するように設計されている 。あるいは、クロージャ20を金属クリンプ(図示せず)によって容器14上に 保持することが可能である。クロージャ20の下部21は容器14の開口首部内 に着座している。カラー22からの下向きの圧力は供給容器14の内容物を大気 から効果的に密閉している。 第2図にもっともよく示すように、コネクタ管12内には、容器14を気化器 に接続するように設計されている2本の管が収容されている。図示の実施例の場 合、これらは充填部材26およびベント部材28であり、どちらもカバー部材5 8の内部に配置されている。しかしながら、カバー部材58が充填管か又はベン ト管の役目を果たすことも本発明の範囲内に入る。その場合、カバー部材58内 には管が1本しかなく、カバー部材58は他方の管の役目を果たすように、気化 器アダプタ16およびクロージャ・アダプタ18に適切に接続されている。充填 部材26およびベント部材28は、これらの管のよじれまたはねじれの可能性を 少なくするために、クロージャ・アダプタ18と気化器アダプタ16の間で互い に交差するのが好ましい(図示せず)。また、波形たわみ領域30をカバー管5 8上に設け、カバー管がよじれたりまたはねじれたりせず、その領域において曲 がるようにたわみ性をもたせるのが好ましい。これにより充填管26およびベン ト管28がよじれる可能性が少なくなり、全体としてコネクタ管にたわみ性を与 えることができる。充填管およびベント管の材料は、麻酔剤蒸気による浸透に対 して不活性であり、耐性があるため、ポリテトラフルオロ エチレンが好ましい。カバー管58は、たわみ性および波形たわみ領域30の成 形しやすさの点でポリ塩化ビニルが好ましい。 気化器アダプタ16を、カバー部材58の一端に取り付け、気化器に嵌合する ような標準構成とする。第1図および第2図では、直線的な中実のように見える が、気化器上のコネクタの特定の形状に嵌合するような形状にされている。気化 器は、麻酔剤容器を取り付ける際のエラーの可能性を最小限にするために、特定 の形状のコネクタを用いて設計することが多い。したがって、コネクタ管12に は使用する気化器専用の専用気化器アダプタを設ける場合がある。気化器アダプ タ16は一端から延びている円筒部位38を有する。特定の実施例では、隅角縁 部の1つに沿った凹形溝(図示せず)も設けられており、これにより使用する特 定の気化器の対応するコネクタ部位内における配向が正確になるような非対称形 状とすることができる。気化器アダプタ16は、カバー管58に外部からかしめ られ、かつカバー管58を気化器アダプタ16の円筒部位38のまわりに締め付 けている金属片36によってカバー管58に嵌合して取り付けられている。気化 器アダプタ16には、それぞれ充填部材26およびベント部材28に直接連絡す る充填チャネル 32およびベント・チャネル34も設けられている。充填部材26は充填チャネ ル32内に圧力ばめされており、ベント部材28はベント・チャネル34内に圧 力ばめされている。充填チャネル32の吐出し口40およびベント・チャネル3 4の吐出し口42は、それぞれ気化器の充填する部位、および空気を排出する気 化器の部位に連絡するように、本発明に使用する気化器に対して標準的な向きに 配置されている。 本システムの使用前および使用後に吐出し口40および42を閉塞するための 、スタブ48および50を有するブロック・キャップ46が設けられている。ス タブ48および50をそれぞれ吐出し口40および42内に挿入し、それらを閉 塞することが可能である。保持ひも52は、管12とブロック・キャップ46の 間に延びており、ブロック・キャップ46を気化器アダプタ16から取り外す際 に、ブロック・キャップ46が管12から分離するのを防ぐために設けられてい る。 クロージャ・アダプタ18は一般に、一端から延びている円筒部位54(第2 図)と同じ形の卵形円筒である。円筒部位54は管58内に嵌合し、かつカバー 管58上に外部からしめられ、カバー管58をクロージャ・アダプタ18の円筒 部 位54のまわりに締め付けている金属片56によって管58に嵌合するような大 きさにされている。クロージャ・アダプタ18には、充填部材26と直接連絡す る充填チャネル61、およびクロージャ・アダプタ18を通してベント部材28 と直接連絡するベント・チャネル63が設けられている。充填部材26およびベ ント部材28はそれぞれ、充填チャネル60およびベント・チャネル62内に圧 力ばめされている。 充填チャネル61およびベント・チャネル63はそれぞれ穿孔部材72および 74において終端している。穿孔部材72および74は中空の、針に似た部材で あり、金属製の挿入物または望むのであれば硬化プラスチックでもよいが、クロ ージャ・アダプタ18の一部として形成するのが好ましい。 クロージャ・アダプタ18は、クロージャ20の対応する形状に嵌合するよう に一般的な卵形のもの71を選択するが、麻酔剤の容器は、容器が間違った気化 器に接続される事故を防止するために、特定の形状のクロージャを有する場合が あることが理解されよう。 2つのシール60および62はクロージャ20の上部表面からわずかに凹んで いる。2つのシール60および62は一般に 円形のフランジブル・ディスクで、クロージャ20により一体的に形成されてい る。もし望むのであれば、液体がベント・チャネル76を通ってベント管28に 流れ込まないように、逆止弁80をベント・チャネル76内に圧力ばめする場合 がある。 またクロージャ20およびクロージャ・アダプタ18上にはそれぞれ係止手段 68および70がある。クロージャ係止手段68はクロージャ20の外表面上に あり、一般に外部に向かって突き出ているくさびの形状をしている。クロージャ ・アダプタ係止手段70はクロージャ・アダプタ18上の対応する位置にあり、 一般に凹縁の形状をしている。くさびが前記凹縁に係合し、コネクタ管12がク ロージャ20から分離するのを防ぐ。 クロージャ20がクロージャ・アダプタ18に係合するのに望ましくなるまで 内面の清浄度を維持するために、それぞれクロージャ20およびクロージャ・ア ダプタ18の開放端を覆うダスト・キャップ64および66が設けられている。 手術室内において、麻酔士は、それぞれクロージャ20、逆止弁80、および ダスト・キャップ64と適合した種々の供給容器から、投与に適した麻酔剤を選 択する。選択した麻酔剤 の特定のクロージャ20に適合するクロージャ・アダプタを有するコネクタ12 をそのパッケージがら取り外す。ダスト・キャップ64および66を取り外し、 係止手段68と70が係合するように、クロージャ・アダプタ18をクロージャ 20上に挿入する。係合動作により穿孔手段72および74がそれぞれシール6 0および62に係合し、それにより前記シールの穿孔が生じる。ブロック・キャ ップ46を取り外し、気化器アダプタ16を気化器内に挿入する。気化器(図示 せず)に取り付けられたひもを気化器のまわりに通し、気化器との接続がはずれ ないように固定することにより、取外し可能なように適所に係止することができ るのが適切である。次いで麻酔剤を前記容器14と気化器の間に転送する。 手術に使用中、麻酔士は他の麻酔剤を選択して投与する場合もある。麻酔剤を 交換する際、気化器アダプタ16を気化器から取り外し、ブロック・キャップ4 6を吐出し口40および42に再度挿入する。その後、コネクタ12(コネクタ は同じ気化器に適合するようにつくられた気化器アダプタ16を有する)および 麻酔剤容器14からなる第2のシステムを使用して、別の麻酔剤を投与すること ができる。 本システムを分解するには、以下のようにする。気化器アダプタ16を気化器 から取り外し、ブロック・キャップ46を吐出し口40および42に再度挿入す る。次いで麻酔剤容器を含むシステム全体をそれ以上分解せずに廃棄する。 特定の好ましい実施例を参照して本発明を開示し記述したが、当分野の技術者 には、本発明の範囲および精神から逸脱することなく修正を行うことが可能であ ることが理解されるであろう。したがって本発明は、図示した特定の実施例によ って限定されるものとして解釈されるべきではなく、付記の特許請求の範囲の正 当に構成された範囲によって解釈されるべきものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ハム,ハンス カナダ国、エル・オー・エル・2・エル・ オー、オンタリオ、シヤンテイ・ベイ、パ イレイ・コート・1 (72)発明者 ジエンガ,ロドルフオ イタリア国、00144、ローマ、ビア・アグ リ・16 (72)発明者 デ・ルベイス,フアビオ イタリア国、00042、アンジオ(ローマ)、 ビア・アルデアテイナ・128

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.麻酔剤気化器を麻酔剤容器に接続し、それらの間の麻酔剤の転送を可能にす るシステムであって、麻酔剤容器の開放端に係合して密封するための、少なくと も2つの穿孔シールを有するクロージャと、 前記シールを穿孔するための穿孔手段をそれぞれ有し、前記クロージャと係合 して密封する少なくとも2つの担持部材であって、気化器に連結するための連結 手段も有する前記部材とを備えており、 それにより前記クロージャの前記部材との係合が、前記穿孔手段による前記シ ールの穿孔を引き起し、前記麻酔剤容器、前記部材および前記気化器の間の麻酔 剤の転送を可能にすることを特徴とするシステム。 2.麻酔剤気化器を麻酔剤容器に接続し、それらの間の麻酔剤の転送を可能にす る装置であって、少なくとも2つの穿孔シールを有する麻酔剤容器に係合して密 封する少なくとも2つの担持部材であって、それぞれ前記シールを穿孔するため の穿孔手段を有し、麻酔剤気化器に連結するための連結手段も有する担 持部材を備えており、 それにより前記部材の前記麻酔剤容器との係合が前記穿孔手段による前記シー ルの穿孔を引き起し、前記麻酔剤容器、前記部材および前記気化器の間の麻酔剤 の転送を可能にすることを特徴とする装置。 3.麻酔剤容器上に取り付けるための麻酔剤容器クロージャであって、麻酔剤容 器の開放端に係合し密封するためのクロージャを備えており、該クロージャが少 なくとも2つの穿孔シールを備えていることを特徴とする麻酔剤容器クロージャ 。 4.前記穿孔シールの少なくとも1つと協働する逆止弁をさらに備えていること を特徴とする、請求の範囲第3項に記載のクロージャ。 5.前記穿孔手段がクロージャ・アダプタ内で一体化されていることを特徴とす る、請求の範囲第1項に記載のシステム。 6.前記連結手段が気化器アダプタ内で一体化されていることを特徴とする、請 求の範囲第1項に記載のシステム。 7.前記クロージャが麻酔剤容器の上部フランジに対してスナップ嵌合して密封 するようになされていることを特徴とする、請求の範囲第1項に記載のシステム 。 8.前記クロージャ・アダプタおよび前記クロージャが、係合後に、前記クロー ジャ・アダプタが前記クロージャから分離するのを防ぐ係止手段を備えているこ とを特徴とする、請求の範囲第2項に記載のシステム。 9.前記クロージャが、該クロージャ内で凹められた少なくとも2つのシールを 有しており、前記クロージャ・アダプタが前記クロージャの周囲で前記クロージ ャと係合するようになされていることを特徴とする、請求の範囲第5項に記載の システム。 10.前記穿孔手段が中空の、切頭の円筒を含んでおり、前記シールがフランジ ブル・ディスクを含んでいることを特徴とする、請求の範囲第1項に記載のシス テム。 11.前記部材が耐よじれ性の一体手段を有することを特徴とする、請求の範囲 第1項に記載のシステム。 12.前記クロージャおよび前記クロージャ・アダプタが正確な接続配向にキー 止めされていることを特徴とする、請求の範囲第2項に記載のシステム。 13.前記システムの使用前および使用後に前記気化器アダプタを密封するため のブロック・キャップをさらに含んでいることを特徴とする、請求の範囲第1項 に記載のシステム。 14.麻酔剤気化器を麻酔剤容器に接続し、それらの間の麻酔剤の転送を可能に するシステムであって、2つの一体フランジブル・ディスク及び前記フランジブ ル・ディスクのうちの1つと協働する逆止弁を有しており、麻酔剤容器の上部フ ランジを密封しかつロックするためのクロージャと、 耐よじれ性を有しかつ2つの一体担持部材を有する管とを備えており、前記管 が前記クロージャと緊密に係合、密封、係止するためのクロージャ・アダプタを 有し、前記クロージャ・アダプタが、前記クロージャ・アダプタが前記管と係合 する際に前記フランジブル・ディスクを穿孔するための2つの穿孔円筒を有し、 前記管が麻酔剤気化器と緊密に係合して密封するための連結手段を有しており、 それにより前記クロージャ・アダプタの前記クロージャとの係合が、前記穿孔 円筒による前記フランジブル・ディスクの穿孔を引き起し、前記麻酔剤容器、前 記部材および前記気化器の間の麻酔剤の転送を可能にすることを特徴とするシス テム。
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