JPH08509289A - 無症候性患者における糖尿病可能性評価方法 - Google Patents

無症候性患者における糖尿病可能性評価方法

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Abstract

(57)【要約】 ヒト患者がインスリン依存性真性糖尿病を発病する危険性を評価するための方法であって、当該方法は、患者の血清サンプル中の膵臓β細胞中に存在する38kDの自己抗原に対する自己抗体の検出に基づくものである。この特定の自己抗原に対する自己抗体は、糖尿病前症患者の多くの亜集団において臨床的発症のかなり前に産生されることが判明している。38kDの自己抗原に対する自己抗体の検出と、IDDMの他の既知のマーカー例えば64kDの自己抗原(グルタミン酸デカルボキシラーゼ)とを組み合わせることによって有用なアッセイとなる場合が多いであろう。

Description

【発明の詳細な説明】 無症候性患者における糖尿病可能性評価方法 発明の背景 本発明は合衆国国立衛生研究所の登録番号DK41822−01−04による 合衆国政府の援助を受けてなされたものである。合衆国政府は本発明における一 定の権利を有する。 1.発明の分野 本発明は一般的にはインスリン依存性真性糖尿病(IDDM)を発病する危険 性のある患者を同定するための方法に関する。さらに詳しくは、本発明はこの疾 患の臨床的発症前の患者の血清中の糖尿病に関係する約38kDの自己抗体の検 出に関わるものである。 インスリン依存性真性糖尿病(IDDM)は主として若年者が罹患する。治療 用にインスリンを入手することは可能ではあるが、この疾患の罹患率および死亡 率は数倍も高いために早期の診断および予防法の開発が急がれている。IDDM の臨床的発症に先行する膵臓β細胞の破壊は自己免疫機構が介在して起こる。こ の疾患に関する自己免疫異常で最も広範に研究されているのは、診断時に高頻度 に見られる循環性β細胞特異性自己抗体である。家族歴調査によれば特定の膵臓 β細胞自己抗原に対する自己抗体はIDDMが明白となる何年も前に現われるこ とが示されており、このことは臨床的症状が現われる前に、体液性自己免疫の長 い前兆期間があることを示唆している。家族歴調査ではまた、診断前の何年かに わたって静脈内グルコースに対するインスリン応答性が徐々に、進行しながら消 失することも記録されている。糖尿病前症の期間におけるβ細胞特異性自己抗体 の存在は、最終的に致命的なβ細胞枯渇とインスリン依存性に到達することにな る自己免疫ブロセスが進行していることを反映しているものと考えられる。臨床 発症時には全β細胞量の僅か10%だけが残っていると推測されている。 したがって、発症可能性を有する患者を早期かつ正確に同定する方法が必要と されている。β細胞破壊を伴う初期の体液自己免疫に関わる自己抗体を検定する ことができるアッセイが特に望まれる。膵島細胞自己抗体(ICA)を検出する 古典的な方法は、凍結膵臓切片を免疫組織学的に用いるものである。しかしなが ら家族歴調査によれば、この方法で測定されるβ細胞の細胞質自己抗体は感受性 検知のための単一マーカーとして供するには特異性が不充分であることが判明し ている。その上、ICAは標準化するのが非常に困難で、染色切片の解釈は観察 者の主観に委ねられている。したがって、何が“陽性”の標本であるかを規定す る方法がない。より特異的なマーカーを単独で、あるいはICCAと併用するこ とによって、一層正確なアッセイを確立することが可能となるであろう。他のマ ーカーとしては約64kDの自己抗原に対する自己抗体、インスリン自己抗体、 およびMHCクラスIIDR/DQβハプロタイプがある。 64kD自己抗原はIDDM用の診断マーカーとして特に可能性を有するもの である。64kD自己抗原に対する自己抗体の出現率は、この疾患の臨床的発症 および糖尿病前症期間の両方で、約70%から80%の範囲にある。自己抗体の 存在は、明白なIDDMより数年も先行することが家族歴調査によって示されて いる。最近、本発明者らは別の研究グループとともに、IDDMに関与する膵臓 β細胞の64kD自己抗原が中枢神経系(CNS)の中のGABA分泌ニューロ ンに豊富なタンパク質であるグルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD)(E. C.4.1.1.15)であることを発見した。この発見に基づいて、患者のス クリーニング用として64kD自己抗原(GAD)に対する自己抗体を検出する のに、従来の多くのアッセイ方式を利用することができることとなった。 しかしながら、64kD自己抗原に対する自己抗体の同定は、IDDMを発症 する危険性のある患者を同定するためのスクリーニングテストとしてはそれ自体 不充分なものである。上述のように、64kD自己抗原に対する自己抗体は、後 でIDDMを発症する患者のうち70%から80%に存在するだけであり、可能 性のあるかなり多くの患者を同定することができないことになる。したがって、 64kD自己抗原に対する抗体を産生しない患者の少なくとも一部に、IDDM 発症可能性を予知することができる別の代替マーカーを提供することが望ましい 。そうしたマーカーはIDDMの臨床的発症に先立つβ細胞破壊の初期の段階か ら 存在し、そうした初期の段階から臨床的発症の時点までずっと検出可能に維持さ れなければならない。このマーカーは患者の血清中で検出可能であり、それによ ってスクリーニングが容易にできるようなものであるべきであり、また64kD 自己抗原に対する自己抗体の検出と適合性のあるものであることが望ましい。 2.背景技術の説明 ヒトの膵島に存在する38kD抗原に対する抗体は、インスリン依存性真性糖 尿病に罹患している患者の血清との免疫沈降反応により検出されている。ベッケ スコフ(Baekkeskov)ら、(1982)Nature、298;167−169および アーンストゥート(Aanstoot)ら、(1991)アブストラクト、898、Diab etes、40巻、補遺1、225A頁、225A頁。38kD膵島細胞タンパク質 はインスリン依存性真性糖尿病の動物モデルであるBB−ラットで報告されてい る。コー(Ko)ら、(1991)Diabetologia、34:548−554。約38 kDのインスリノーマタンパク質に対するT細胞反応性は、新たに糖尿病と診断 された患者において検出されている。ロープ(Roep)ら、(1990)Nature、 345:632−634およびLancet(1991)337:1439−1441 。 グルタミン酸デカルボキシラーゼ酵素の65kDアイソフォーム(GAD65) に対する抗体は、β細胞破壊およびインスリン依存性真性糖尿病を起こしている 患者の70%から80%において検出されている。ベッケスコフら、(1990 )Nature、347;151−156およびWO92/04632。凍結膵臓片の 免疫蛍光法により検出された膵島細胞抗体(ICA)を保有する患者のうち何人 かはGAD65に対する抗体を有していない。サイスラー(Seissler)ら、(19 91)Diabetologia、34:548−554。 発明の概要 本発明は無症候性の患者におけるインスリン依存性真性糖尿病(IDDM)の 発病の危険性を評価するための方法を包含する。この方法は5.6から6.1の 範囲のpI(等電点)を有する38kDの両媒性の膜結合膵島細胞タンパク質に 対する自己抗体の存在を検出することに基づくものである。38kD自己抗原に 対する自己抗体は、後にIDDMを発症する患者の多くの亜集団(サブグループ )において見られるもので、この疾患の臨床的発症のかなり前、通常では臨床的 発症の1年以上前、しばしば臨床的発症の2年あるいはそれ以上前から現われる ことが見出されている。また38kD自己抗原に対する自己抗体は、64kD自 己抗原(GAD65)に対する自己抗体を示さない多くの患者に存在することも発 見されている。したがって、本発明によるアッセイは、38kD自己抗原および 64kD自己抗原(GAD65)の両自己抗体の存在がIDDMを予知させるもの であるという観点から、この両者に対する自己抗体の検出に基づくものであるこ とが好ましい。 本発明の特性および利点についての理解は、本明細書の残りの部分および図面 を参照することによってさらに深まるであろう。 図面の簡単な説明 図1Aは、新たに糖尿病と診断された患者の血清I1−I16(レーン1−18 )、スティフマン症候群の血清(レーン19)および健常対照者の血清C1−C 3(レーン20−22)を用いた35S−メチオニン標識化膵島細胞タンパク質の 膜およびサイトゾル分画の免疫沈降を示したSDS−ポリアミドアクリルゲル( PAGE)蛍光間接像である。αおよびβの2つのバンドに分かれるGAD65は 、患者I16(レーン16および18)からの血清による膜分画およびサイトゾル 分画の両方の免疫沈降物中に認められるのに対し、38kDタンパク質は患者I15 およびI16からの血清による膜分画の免疫沈降物中においてのみ検出されてい る(レーン15−16とレーン17−18を比較されたい)。 図1Bは、新たに糖尿病と診断された患者からの血清I15およびI62−I80( レーン3−21)と健常対照者C1およびC31−C38からの血清とを用いた35S −メチオニン標識化膵島細胞タンパク質の膜分画の免疫沈降を示したものである 。糖尿病患者の血清は38kDタンパク質のみ、GAD65のみ、両方のタンパク 質または非特異性のタンパク質のいずれかを認識する。 図2は、抗−38kDタンパク質抗体および抗−GAD65抗体に対して陽性の 血清を用いた35S−メチオニン標識化ラット膵島の連続免疫沈降を示すSDS− PAGEの蛍光間接像である。レーン1および4は抗−GAD65抗体陽性のステ ィフマン症候群の血清4(レーン1)および糖尿病患者の血清I5(レーン4)に よる免疫沈降を示す。免疫沈降後の上澄みは次に、抗−38kD抗体陽性の糖尿 病患者の血清I15およびI4(レーン2および5)による二次免疫沈降に付した 。レーン2の免疫沈降後の上澄みは次に、抗−38kDおよび抗−GAD65抗体 陽性の血清I16(レーン3)による三次免疫沈降に付した。GAD65および38 kDタンパク質は互いの免疫沈降に影響を及ぼさないことが判明した。 具体的実施態様の説明 本発明は、膵臓β細胞(ランゲルハンス島のインスリン分泌細胞)の特定の3 8kDタンパク質に対する自己抗体が、糖尿病前症のヒト患者の多くの亜集団の 血清中に放出されるという発見に基づいたものである。特に、そのような抗体は 糖尿病前症患者の少なくとも約10%の血清中に、β細胞破壊の初期の段階で検 知可能な自己抗体レベルとなり、通常はインスリン依存性真性糖尿病(IDDM )の臨床的発症の少なくとも1年以上前、あるいはしばしばこの疾患の発症の2 年あるいはそれ以上前から現われることが判明している。したがって38kD自 己抗原に対する自己抗体の存在は、後にIDDMを発病する可能性のある無症候 性の患者をも検知するための有用なマーカーとして使用できるものである。特に 、38kD自己抗原に対する血清自己抗体は、その他の血清マーカー、特に64 kD膵臓β細胞自己抗原(GAD65)に対する自己抗体の検出と併用した場合に 糖尿病のスクリーニングに有用である。 38kD自己抗原は、ヒトやラットのような哺乳類の膵臓中の島あるいはβ細 胞に存在する膜結合性の両親媒性タンパク質であり、約5.4から6.1の範囲 のpI(等電点)により特徴付けられる。これらの名目的な分子量およびpIの 範囲は本明細書の実験の節に記述したように、既知のタンパク質との比較に基づ いたものである。こうして決定された分子量およびpIの範囲には実験誤差があ り、本発明は当然、こうしたタンパク質の名目的な特性に制限されるものではな いことは、勿論、理解されることであろう。むしろ本発明は、以下の実験の節で 述べるように、図1および2で単離、同定された自己抗原に対する自己抗体の検 出に関するものである。タンパク質自己抗原の正確な物性が問題ではなく、これ らの自己抗体が患者の血清中に存在するという発見そのものが本発明にとって決 定的に重要なことなのである。 実験の節で報告されている実施例は、界面活性剤(デタージェント)中で35S −メチオニン標識のラット膵島細胞タンパク質を強力に抽出することに基づいた ものである。本発明の38kD自己抗原タンパク質は水性媒体に比較的不溶で、 従来は免疫沈降実験用に適する細胞抽出物を得ることは困難であった。しかしな がら実験の節で教示している特別な抽出方法は、38kD自己抗原に対する自己 抗体の存在を検出するための信頼できる基盤を提供するものである。効果的に可 溶化した膵島細胞タンパク質を使用することによって、免疫蛍光法により膵島細 胞抗体(ICA)陽性である糖尿病前症患者に、64kD自己抗原(GAD65) に対する自己抗体に対して認められる場合とは異なる分布で、この自己抗原に対 する自己抗体が存在することが判明した。したがって、血清中の38kD自己抗 原に対する自己抗体の検出がIDDMを発病する危険性のある無症候性患者に対 する予知マーカーとして有用であることが示されたものである。 本発明の方法は無症候性患者が糖尿病前症、すなわち、将来IDDMを発病す る危険性のある患者であるかどうかについて選別するために使用することができ る。“無症候性”という用語は、患者に糖尿病の臨床症状がなく、IDDMと臨 床的に認定されるほど大きなインスリン産生β細胞に対するダメージを、まだ受 けていない患者を意味する。“糖尿病前症”という用語は、38kD自己抗原の ような膵臓β細胞における自己抗原に対する循環性自己抗体が検知できるレベル に達している患者で、かつ将来IDDMを発病する顕著な危険性がある患者を意 味する。IDDMの臨床的発症は医学文献にも詳しく説明されているような従来 の各種臨床指標によって決定される。 本発明の原理によれば、38kD自己抗原に対する自己抗体を検出するために は非常に多くの適当なアッセイ方式がある。以下の実験の節に詳細を説明してい るように、患者血清中の自己抗体の存在は、標識化38kD自己抗体を用いた免 疫沈降により決定することができる。標識化自己抗原は、ラットやヒト膵島のよ うな適当な哺乳類の膵島細胞を、35S−メチオニンのような標識化アミノ酸前駆 体の存在下で成育させることによって得ることができる。得られた標識化38k D抗原は、次に実験の節に記述したプロトコール、あるいは比較的不溶性の自己 抗原を可溶化させる他の同等に強力な方法を使用することによって抽出すること ができる。抽出された自己抗原を次いで患者の血清と反応させ、得られた反応生 成物をSDS−PAGEなどのような従来の技法を用いて分離する。このような 免疫沈降プロトコールは38kD自己抗原を精製する必要がなく、また64kD 自己抗原(GAD65)に対する自己抗体の同定も同時に行うことができるという 利点がある。 しかしながら、一般的には免疫学的アッセイ(イムノアッセイ)、酵素アッセ イなどのような、より簡便なアッセイ方式を使用することが望ましい。そのよう なイムノアッセイや酵素アッセイは、典型的には、精製した38kD自己抗原、 または38kD自己抗原に対する自己抗体に結合可能なリガンドを血清サンプル に曝露させ、リガンドと血清中に存在するであろう38kD自己抗原に対する自 己抗体との特異結合を検出することに基づくものである。自己抗体と38kD自 己抗原あるいは等価なリガンドとの間の結合は、自己抗体が血清サンプル中に存 在することを示し、またこの疾患の臨床的発症前の無症候性患者の糖尿病前症状 態の診断指標となることを示している。 特定のアッセイプロトコールの選択そのものは重要なことではなく、そのアッ セイが自己抗体の閾値レベルを検知するのに充分な感度を持っていることが必要 なだけである。そのような閾値レベルは可能なかぎり低いものであるべきだが、 唯一の下限といえは38kD自己抗原に対する自己抗体が存在しない陰性の血清 を、存在する場合と判別できなければならないことである。β細胞破壊のかなり 初期の段階において極く低いレベルの自己抗体が存在し得るということを考慮し ておかねばならない。このように、陰性バックグラウンドまたは対照レベル以上 の全ての自己抗体の存在は糖尿病前症状態の診断指標となり得る。 適当なアッセイ方式としては固体相(異種)および非固体相(同種)両方のプ ロトコールがある。アッセイは競合方式または非競合方式を利用し、ラジオアイ ソトープ、酵素、蛍光物質、化学的発光物、スピン標識など広範な種の標識を使 用して行うことができる。適当なアッセイの多くは異種プロトコールに準拠した もので、血清サンプル中に自己抗体が存在する場合に形成されるリガンド−自己 抗体複合物を分離するために用いた固体相にリガンドを結合させる方式である。 精製したリガンドを使用する場合の特別な利点は、アッセイに使用する固体相の 調製を容易にすることである。つまり、リガンドを浸漬棒(ディップスティック )、粒状体、微小球体、磁性粒体、試験管、マイクロタイターウェルなど種々の 固体相に固定化することが簡単にできる。 固体相を血清サンブルに曝露すると、もし存在すれば自己抗体がリガンドに捕 捉される。その後固体相を血清サンプルから取り出すことによって、捕捉された 自己抗体を血清サンプル中の結合されなかった自己抗体やその他の夾雑物から取 り出すことができる。そして捕捉された自己抗体を非競合性の“サンドイッチ” 技法を用いて検出することができ、ここで自己抗体のための標識化リガンドは、 洗浄済固体相に曝露される。また、競合性のアッセイは、血清サンプルへ溶解性 の標識化自己抗体を予め投入しておき、標識化物と非標識化物の固体相への結合 を競合させ得ることに基づく。こうしたアッセイ技法については特許文献や科学 文献の双方に詳細な記述がある。血清中の自己抗体を検知するのに適当なイムノ アッセイの例としては、米国特許第3,791,932;3,817,837; 3,839,153;3,850,752;3,850,578;3,853, 987;3,867,517;3,879,262;3,901,654;3, 935,074;3,984,533;3,996,345;4,034,07 4;および4,098,876号に記載されているものがあり、これらの開示を 援用して本願明細書の一部とする。 特に好ましい方法は高感度な固体相酵素免疫測定法(ELISA)で、その詳 細は米国特許第3,791,932;3,839,153;3,850,752 :3,879,262;および4,034,074号に記載されている。このよ うなELISA検定法は非常に低力価の自己抗体の測定に適用できるものである 。 好ましいELISA技法では、精製したリガンドを共有的ないしは非共有的に 固体表面に結合させる。この固体表面を血清サンプルに曝露すると、もしサンプ ル中に自己抗体が存在すれば捕捉されて固体相表面に結合する。通常、固体相上 のリガンドは過剰に存在するので自己抗体は全量が結合し得る。固体相を分離し てその表面を洗浄した後は、捕捉した自己抗体に特異的に結合可能な標識化試薬 に固体相を曝露することができる。この標識化試薬は、標識化精製リガンド、あ るいは自己抗体と結合可能なその他のリガンド、たとえば標識化抗−ヒト抗体、 とし得る。このようにして、標識は血清中に自己抗体がある場合にのみ固体相に 結合する。酵素標識は従来の視覚化手法、たとえば着色染料、化学的発光、蛍光 などによって検出することができる。 第二の好ましい実施態様は、上述のようにして調製した固体相を用いて行うラ ジオイムノアッセイ(RIA)を包含するものである。固定化されたリガンドへ の結合に関して競合することのできる放射性標識化自己抗体の存在下で、固体相 を血清サンプルに曝露させる。このようにすると、固体相に結合される放射性標 識の量は血清サンプル中に最初から存在する自己抗体の量に反比例することにな る。固体相を分離した後、非特異的に結合した放射性標識は洗浄によって除去す ることができ、固体相に結合した放射性標識の量が決定できる。結合した放射性 標識の量は、結局、サンプル中に当初から存在する自己抗体の量に相関し得る。 本発明による方法では、38kD自己抗原に対する自己抗体の検出と、他の既 知のIDDMマーカー例えば、その他のβ細胞自己抗原に対する自己抗体、特に 64kD自己抗原(GAD65)に対する自己抗体およびインスリン自己抗体の検 出を併用するのが望ましく、とりわけ64kD自己抗原(GAD65)に対する自 己抗体の併用が望ましい。38kD自己抗原に対する自己抗体の存在は、糖尿病 前症患者の血清中において64kD自己抗原に対する自己抗体の存在とオーバー ラップするが、同一の範囲で重なり合うものではないことが判明している。した がって、38kD自己抗原および64kD自己抗原(GAD65)のいずれか、ま たは両方に対する自己抗体の存在は糖尿病前症状態の診断指標となる。 患者の血清中の64kD自己抗原(GAD65)に対する自己抗体の検出に適し た方法および組成物については、同時係属出願第07/756,207(これは PCT出願WO92/04632として発行されているものに相当する)および 07/984,935に詳しく記述されており、それらの開示をすべてここで援 用して本明細書の一部とする。64kD自己抗原(特に、GAD65のαおよびβ 型)に対する自己抗体の免疫沈降による検出については、以下の実験の節で説明 している。 以下の実施例は、発明を制限するものではなく、説明のために供するものであ る。 実験方法 新生児ラットの膵島を単離し、ベッケスコフら、(1989)Diabetes、38 、1133−1141に記述されているように、35S−メチオニンで標識化した 。膵島は氷の上で10分間、HEMAP緩衝液(10mM Hepes、pH7 .4、1mM MgCl2、1mM EGTA、1mM アミノエチル−イソチ オルニウムブロマイドハイドロブロマイド、および0.2mM ピリドキサルリ ン酸)中で膨潤させ、ガラス製ホモジナイザー中で20ストロークで均質化した 。この均質化物を100,000gで1時間遠心分離してサイトゾルおよび粒状 の膜分画を得た。2%トライトンX−114を加えたHEMAP緩衝液中で2時 間、屈曲ピペットチップを通して繰り返し分散させることによって特定の膜分画 を抽出し、破砕片を取り除くために100,000gで遠心分離した。サイトゾ ル分画および膜抽出物両方の中の両親媒性タンパク質を温度誘発によるTX−1 14相分離により精製した。ベッケスコフら、(1990)Nature、347:1 51−156参照。この膜またはサイトゾル分画のデタージェント相を、前掲の ベッケスコフら(1989)の記述のように、指定の血清による免疫沈降の前に 正常なヒト血清で事前処理(プレクリア)した。1回の免疫沈降に250匹のラ ットの膵島抽出物(図1Aおよび1B)および500匹のラットの膵島抽出物( 図2)を使用した。免疫沈降物はベッケスコフら、(1989)前掲、に記載の 通り15%ゲルを使用したSDS−PAGEで分析し、フルオログラフィーのた めに処理した。38kDタンパク質はpI5.4−6.1の両親媒性β細胞膜タンパク質である サイトゾルおよび粒状の各膵島細胞分画中における不溶性38kDタンパク質 の分布を分析し、また38kDタンパク質の両親媒性を評価するためにサイトゾ ルおよび膜タンパク質をトライトンX−114相分離に付した(図2)。クリス トガウ(Christgau)ら、(1992)J.Cell Biol.、118:309−320 およびクリストガウら、(1991)J.Biol.Chem.、266:21257−21 264に記載されているように、可溶親水性、可溶両親媒性、および膜結合両親 媒性の形で認められるGAD自己抗原と対照的に(図1Aのレーン16と18を 比較されたい)、38kDタンパク質はデタージェント相に区画されている粒状 分画においてのみ検出された(図1A、レーン15および16)。したがって、 38kDタンパク質は両親媒性の膜タンパク質である。 38kDタンパク質はSDS−ゲルのフルオログラフィーにおいて広いバンド として検出されており(図1および2)、そのサイズおよび/または電荷におけ る異質性が示唆されている。前掲のベッケスコフら(1989)に記述されてい るように、一次元に等電点分離、二次元にSDS−PAGEを使用した二次元ゲ ル電気泳動によって類似した7つの比分子量点が認められた。対応するpI5. 4−6.1は、カルバミン化クレアチンホスホキナーゼの電荷鎖のマーカーおよ び既知のHeLa細胞タンパク質を用いた同時電気泳動により決定した。 神経内分泌細胞系および非内分泌細胞系の分析において、エフラット(Efrat )ら、Proc.Natl.Acad.Sci.、(1988)85:9037−9041に記述さ れている通り、38kD抗原はトランスジェニックマウスβ細胞腫瘍由来βTC 3細胞の免疫沈降物にのみ検出されたのに対し、パワーズ(Powers)ら、(19 90)Diabetes、39:406−414に記述されているようにグルカゴン産生 αTC細胞、およびその他この研究で試験したすべての細胞は陰性であった(表 1)。したがって、38kDタンパク質の発現は膵臓β細胞に拘束されると考え られる。 38kDタンパク質はGADのフラグメントではない タイプ1の糖尿病患者由来の血清中の自己抗体は、クリスティー(Christie) ら、(1990)J.Exp.Med.、172:789−794およびクリスティーら、 (1992)Diabetes、41:782−878に記述の通り、GAD65の37k Dトリプシンフラグメントを認識する。そのような血清は未変性GAD分子の全 長を常に認識するわけではなく、トリプシン処理によって分離されたエピトープ が露 出することを示唆している。この報告に関し、われわれは38kDタンパク質が GADの断片か、さもなければGADに関係するものかという疑問を追究した。 膵島細胞膜抽出物を抗−GAD65または抗−38kD抗体を含む血清を用いて 連続免疫沈降を行った。免疫反応性のGAD65を除いた上清はなお38kDタン パク質に対して陽性であった(図2)。同様に免疫反応性の38kDタンパク質 を除いた上清にはなおGAD65分子が含まれていた。このように、未変性38k Dタンパク質および未変性GAD65分子は免疫学的交叉反応を示さない。次にわ れわれは、抗−38kD血清がいずれかのタンパク質の弱トリプシン消化で生成 するGAD65の37/40kDフラグメントを認識するかどうかを解析した。い くつかの抗−GAD血清は37/40kDのGAD65トリプシンフラグメントを 認識するが、試験をした唯一の抗−38kD抗体陽性血清は陰性であった。最後 に2つの37kD抗体陽性血清は38kD抗原を免疫沈降させなかった。これら の結果は38kDタンパク質がGADとは別物であることを示している。38kD抗原に対する自己抗体は糖尿病前症および糖尿病患者の1つの亜集団( サブグループ)に存在し、GAD自己抗体を補完するものである 38kD抗体の出現率を解析し、次の3グループにおけるGAD抗体およびI CAの保有率と比較した(図1および表2):(i)糖尿病を発病している5才 以下の子供37人および同年令グループの対照群38人、(ii)糖尿病を発病し ている5才を越えた49人および同年令グループの対照群25人、(iii)タイ プ1糖尿病の臨床的発症の前に各々の血清が入手されていた44人(臨床発症時 の年令2.6−49.9才)。 3グループで得られた結果を表2に示す。糖尿病前症期間あるいは糖尿病の臨 床的発症のいずれかと診断された患者合計130人において、抗−GAD65抗体 陽性の100人(77%)に対し、抗−38kD抗体陽性は22人(17%)で あった。6人の患者は抗−38kD抗体のみに陽性であったが、16人は抗−3 8kD抗体および抗−GAD65抗体の両方を有していた。したがって、106人 (82%)はこれらの抗原のいずれかまたは両方に対する抗体が陽性であった。 抗−38kD抗体ならびに抗−GAD65抗体は、それぞれ年令1.3才および0 . 8才の子供がタイプ1糖尿病を臨床発症した時点で検出された。こうした非常に 幼い子供のβ細胞の自己免疫性の持続期間は非常に短いので、この両方のタンパ ク質はおそらくヒトの疾患におけるβ細胞に向けられた二次自己免疫プロセスで はなく一次自己免疫プロセスの標的になっているのであろう。この状態は両方の 抗原に対する抗体が、タイプ1糖尿病の臨床的発症の数年前に現われることによ って裏付けられている。したがって糖尿病前症グループの抗−38kD抗体陽性 の6人はその非常に初期のサンプル(それぞれ臨床的発症の3、9、25、33 、53、および74か月前)においてすべて陽性であり、3/6の患者の糖尿病 前症期間から得られたその後の追跡サンプルでも抗体は持続していた。同様に、 抗−GAD65抗体も臨床的発症前3−85か月に得られたサンプルにおいて検出 され、この結果は、ベッケスコフら、J.Clin.Invest.、79(3)、926−9 34(1987)、およびアトキンソン(Atkinson)ら、Lancet、335:13 57−1360(1990)に記述されている通り、われわれの以前の研究とも 一致している。したがって、抗−38kD抗体ならびに抗−GAD65抗体の両方 を臨床的発症の数年前から血清中において検出することができ、このことはこれ らが初期のβ細胞破壊のマーカーであることを示している。 ヒト膵臓の凍結切片の免疫蛍光法によるICAの検出率は75%(98/13 0)であった。3つのグループにおいて、抗−38kDおよび/または抗−GA D65免疫沈降アッセイによって、免疫蛍光法ではICA陰性であった人合計18 人を検出しており、これはこれらの抗原に対する抗体の検出において免疫蛍光法 は低感度であることを示している。ブロッキング実験によりICA応答は、何人 かの患者で糖尿病前症期間にGAD拘束から非GAD拘束に進行することが明ら かとなっており、アトキンソンら、(1993)J.Clin.Invest.、91:350 −356に記述されているように、このことは長期間のβ細胞破壊期間中に抗原 反応性が広がることを示唆している。興味深いことに糖尿病前症グループのすべ てのICA陽性患者は抗−38kD抗体および抗−GAD65抗体のいずれか、ま たは両方に陽性であった。これに対し、新たに糖尿病と診断された若年および高 齢者グループのそれぞれ4人および6人のICA陽性患者は、抗−38kD抗体 および抗−GAD65抗体の両方に対して陰性であり、これはこれらの患者の体液 自己免疫応答には臨床的発症の時点でその他の標的分子を含み得ることを示唆し ている。免疫沈降ではこれらの血清によって特異的に認識される膵島細胞タンパ ク質は明らかにならなかった(結果は表示していない)。これらの抗−38kD 抗体ならびに抗−GAD65抗体陰性の血清におけるICA反応性は、ナヤック( Nayak)ら、(1985)Diabetes、34:617−619に記述されているよ うに、ガングリオシドのような非タンパク質分子に向けられるのであろうと考え られる。最後に、糖尿病前症グループの8人、および新たに糖尿病と診断された 若年および高齢者グループのそれぞれ2人および3人は、この3つの試験すべて において抗体陰性であった。 この研究で解析された抗−38kD抗体はその標的を未変性状態では認識しな かったが天然(未処理)状態で認識し、これは抗−GAD65抗体はもちろんのこ と抗−38kD抗体は主として立体配座のエピトープに向けられていることを示 唆している。β細胞の破壊は抗体や補体によるものではなくて基本的にT細胞の 介在によるものと考えられているが、β細胞破壊の早期の段階に存在する膵島細 胞抗体は、病原性T細胞と同じ抗原に向けられているように考えられる。われわ れはタイプI糖尿病の自己抗体によって特異的に認識される別の膵島細胞タンパ ク質を検出するべく、糖尿病血清および対照群血清を用いた35S−メチオニン標 識化膵島のデタージェント溶解物の免疫沈降物を、一次元および二次元ゲル電気 泳動により幅広く解析した。厳格な免疫沈降条件においては、抗体は(1)Ig Gアイソタイプであること(プロテインA−セファロース(登録商標)への結合 のため)、(2)他の膵島細胞タンパク質が豊富な中でその標的タンパク質を認 識するために充分な親和性と特異性を備えていること、が要求される。我々はこ のアッセイを用いて、GADおよび38kDタンパク質以外に糖尿病の血清の大 多数によって定常的かつ特異的に認識されるタンパク質を検出することはできな かった。特に、パーマー(Palmer)ら、(1983)Science、222:133 7−1339およびカルハライネン(Karjalainen)ら、(1992)N.Eng.J.M ed.、327:302−307に記述されているような、糖尿病血清中の抗体の 標的になると各所で報告されているインスリン、およびウシ血清アルブミンと相 同性のある69kDタンパク質は免疫沈降では検出されなかった(ベッケスコフ ら、(1989)前掲)。したがって、タンパク質抗原に対する強いIgG応答 はヒトの疾患においてGAD65および38kD分子に限られたものであろう。高 力価の抗−GAD65および抗−38kD IgG抗体がβ細胞自己免疫性の早い 段階で検出されることから、これらの分子各々を認識する活性化されたCD4+ ヘルパーT細胞が存在するであろうとわれわれは推測する。事実、GADおよび 38kDβ細胞タンパク質に対する反応性は両方とも、アトキンソンら、(19 92)Lancet、339:458−459;ディアズ(Diaz)ら、(1992)Di abetes、41:118−121;ロープら、(1990)Nature、345:63 2−634;ロープら、(1991)Lancet、337:1439−1441に記 述されているように、新たに糖尿病と診断された患者のT細胞株を使って示され ている。ここで述べてきた38kD抗原と38kD T細胞剌激性タンパク質( ロープら、(1990)前掲、およびロープら、(1991)前掲)の関係の解 明は今後に残された課題である。 本発明を読者が明確に理解出来るよう、例示によってある程度詳細に説明して きたが、添付の請求の範囲内である程度の変更や修正が可能であることはいうま でもない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アーンストゥート、ヘンク−ジャン アメリカ合衆国 94122 カリフォルニア 州 サンフランシスコ ナンバー 3 テ ンス アベニュ 1428

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.無症候性のヒト患者におけるインスリン依存性真性糖尿病(IDDM)の 発病の危険性評価方法であって、 患者の血清サンプル中の38kD自己抗原に対する自己抗体の存在を検出する ことを含み、ここで該38kD自己抗原は5.6から6.1の範囲のpIを有す る両親媒性の膜結合膵島細胞タンパク質であり、 該自己抗体の存在が患者のIDDM発病の可能性を示すものである方法。 2.前記自己抗体を標識化自己抗原を用いた免疫沈降によって検出する請求項 1に記載の方法。 3.前記自己抗体を、固体相上に固定化された自己抗原との反応、血清サンプ ルからの該固体相の分離、および該固体相に結合した自己抗体の検出によって検 出する請求項1に記載の方法。 4.無症候性のヒト患者におけるインスリン依存性真性糖尿病(IDDM)の 発病の危険性評価方法であって、 患者からの血清サンプル中の38kD自己抗原に対する自己抗体を、該自己抗 体に結合するリガンドに接触させること、ここで、該38kD自己抗原は5.6 から6.1の範囲のpIを有する両親媒性の膜結合膵島細胞タンパク質であるこ と、 血清サンブル中の65kD自己抗原に対する自己抗体を、該自己抗体に結合す るリガンドに接触させること、ここで、該65kD自己抗原はグルタミン酸デカ ルボキシラーゼであること、 前記38kD自己抗原に対する自己抗体を検出すること、ならびに、 前記65kD自己抗原に対する自己抗体を検出することを含み、 ここで、これらのいずれかまたは両方の自己抗体の存在がインスリン依存性真 性糖尿病を発病する可能性を示すものである方法。 5.前記38kD自己抗原に対する自己抗体を標識化38kD自己抗原を用い た免疫沈降によって検出する請求項4に記載の方法。 6.前記65kD GADに対する自己抗体を標識化65kD GADを用い た免疫沈降によって検出する請求項5に記載の方法。 7.前記38kD自己抗原に対する自己抗体を、固体相上に固定化された38 kD自己抗原との反応、血清サンプルからの該固体相の分離、および該固体相に 結合した自己抗体の検出によって検出する請求項4に記載の方法。 8.前記65kD GADに対する自己抗体を、固体相上に固定化された65 kD GADとの反応、血清サンプルからの該固体相の分離、および該固体相に 結合した自己抗体の検出によって検出する請求項7に記載の方法。 9.無症候性のヒト患者におけるインスリン依存性真性糖尿病(IDDM)の 発病の危険性評価方法であって、 患者から血清サンプルを採取すること、 その血清サンプルを、5.6から6.1の範囲のpIを有する38kD膜結合 膵島細胞タンパク質に対する自己抗体と特異的に結合する第1のリガンドに曝露 すること、並びに、 該リガンドと自己抗体との結合を検出することを包み、 ここでこの結合が患者のIDDM発病の可能性を示すものである方法。 10.請求項9に記載の方法であって、その血清サンプルを65kD GAD 自己抗原に対する自己抗体と特異的に結合する第2のリガンドに曝露することを 更に含む方法。 11.前記38kDタンパク質に対する自己抗体に結合する第1のリガンドが 38kDタンパク質を包含する、請求項10に記載の方法。 12.前記65kD GADに対する自己抗体に結合する第2のリガンドが6 5kD GADを包含する、請求項11に記載の方法。 13.前記第1および第2の物質がそれぞれ検出可能な標識に結合され、かつ 前記検出が免疫沈降を包含する、請求項12に記載の方法。 14.前記第1および第2の物質がそれぞれ固体相に結合されており、該固体 相を血清サンプルから分離すること、および固体相に結合した自己抗体を検出す ることを更に含む請求項12に記載の方法。 15.前記検出のステップを疾患の臨床的発症の少なくとも1年前に行う請求 項1に記載の方法。 16.前記検出のステップを疾患の臨床的発症の少なくとも2年前に行う請求 項1に記載の方法。
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