JPH08508408A - 低カロリースプレッドの製造方法 - Google Patents
低カロリースプレッドの製造方法Info
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- JPH08508408A JPH08508408A JP6522439A JP52243994A JPH08508408A JP H08508408 A JPH08508408 A JP H08508408A JP 6522439 A JP6522439 A JP 6522439A JP 52243994 A JP52243994 A JP 52243994A JP H08508408 A JPH08508408 A JP H08508408A
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- A23D—EDIBLE OILS OR FATS, e.g. MARGARINES, SHORTENINGS, COOKING OILS
- A23D7/00—Edible oil or fat compositions containing an aqueous phase, e.g. margarines
- A23D7/015—Reducing calorie content; Reducing fat content, e.g. "halvarines"
Abstract
(57)【要約】
約80重量%より少ない脂肪含有量で、室温でマーガリンと近似のコンシステンシーを有する、実質的にゲル化剤を含まない油中水エマルジョンである食用マーガリン様スプレッド組成物の製造方法であって、次の工程を含む。(a)実質的に硬質脂肪と液体軟質脂肪の混合物を含む、水相と液体脂肪相の液体分散体であって、実質的にゲル化剤を含まない液体分散体を形成する工程、(b)該液体分散体を、熱交換器で、充分な温度まで冷却し、硬質脂肪の実質的に完全な固化を効果的ならしめ、熱交換器は、充分な乱流を起して、固化する脂肪が熱交換器内で、明らかに板状化しない様にする工程、(c)該冷却分散体を、剪断装置で充分な剪断力に掛けて、分散した水相の最大小滴サイズが500μ未満である油中水エマルジョンを製造する工程、そして(d)該油中水エマルジョンを排出して、約80重量%より少ない脂肪含有量で、室温でマーガリンと近似のコンシステンシーを有する、実質的にゲル化剤を含まない食用マーガリン様スプレッド組成物を得る工程。
Description
【発明の詳細な説明】
低カロリースプレッドの製造方法
発明の分野
本発明は、食用スプレッドの製造に関し、特にカロリー性含有物を少なくした
マーガリン代替物として有用な食用スプレッドに関する。
発明の背景
近年、マーガリン類似の、脂肪とカロリー性含有物を少なくした食用スプレッ
ドを供給する事に相当の関心が払われてきている。米国政府規制によれば、「マ
ーガリン」製品は、少なくとも80重量%の脂肪を含まなければならない。マー
ガリンは、乳化された水相と油相とから成る。マーガリンは、一般に油中水エマ
ルジョン形態である。マーガリンと低脂肪食用スプレッドの味は、殆どが、水溶
性の香料、油溶性の香料、及び水相に含まれる塩に依存する。封入している油相
から水溶性の香料及び塩が抜けると、その製品に関して常習的に一瞬の香り(a
burst of flavor)を消費者に与える。消費者が知覚する一瞬の香りの量は、主
に封入された水相の小滴サイズの関数である。 比較的小さな水相小滴サイズの
非常に密な油中水エマルジョンは、一瞬の香りは少ないが、大きな封入水相小滴
サイズのあまり密でないエマルジョンは、強い一瞬の香りを与える。従来の低カ
ロリースプレッドでは、「機能」成分が、小滴サイズの調整の為に添加される。
この様に、乳製品からのタンパク質、例えばホエー或いは脱脂乾燥ミルク固体
は、エマルジョンを不安定にし、添加した乳化剤の効果を妨げ、水相の小滴サイ
ズを増加し、一瞬の香りを増加する為に一般に使用される。更に、マーガリン類
似の低脂肪食用スプレッドの従来の製造方法は、マーガリン製造と同じ装置で、
多重掻き取り表面熱交換器(multiple scrape-surface heat exchangers)とピ
ン作動装置(pin-working units)から成る装置(Bailey's Industrial Oil and
FAT Products,第3版、344-349頁参照)を一般に使用している。この種の装置
は、その投資設備費用が極めて高く、滞留時間が相対的に長く、実質的に動力及
び/又は操業費用が掛かる。
それ故、本発明の主たる目的は、経済的方法で製造する事の出来る、外観、テ
クスチャー及び口当たりがマーガリンと極めて似通った改良された低カロリース
プレッドを提供する事である。
本発明のもう一つの目的は、簡単な方法で、マーガリンよりも著しく低脂肪含
有量のマーガリン類似の粘弾性、テクスチャー及び芳香放出特性を持つ低カロリ
ースプレッドを製造する事である。
発明の要旨
本発明は、第1の主な実施態様として、脂肪含有量が約80重量%よりも少な
く、室温においてマーガリンに近似のコンシステンシーを有する食用マーガリン
様スプレッド組成物の製造方法を提供する。この製造方法は、(a)水相と、溶
融した固体又は硬質脂肪と液体脂肪の混合物を含む脂肪相を含む食用液体分散体
を形成する工程、(b)前記液体分散体を充分な温度まで冷却し、硬質脂肪の実
質的固化を効果的に行う工程、(c)次いで、冷却した分散体に充分な剪断力を
掛け、油中水エマルジョンを製造する工程、そして(d)油中水エマルジョンを
剪断力作用から解き放ち、室温においてマーガリンに近似のコンシステンシーを
有する食用油中水エマルジョンとする工程を含む。
第2の主たる実施態様では、本発明は、約80重量%より少ない脂肪含有量で
、室温でマーガリンに近似のコンシステンシーを有する食用マーガリン様スプレ
ッド組成物である油中水エマルジョンの製造方法を提供する。この製造方法は、
(a)約0.5〜30重量%のハイドロコロイドを含む水相を形成する工程、
(b)実質的に硬質な脂肪と液体軟質脂肪を含む液体脂肪相を形成する工程、
(c)液体脂肪相を冷却し、部分的結晶化脂肪相を形成する工程、(d)水相と
部分的結晶化脂肪相とを混合し、部分的結晶化脂肪相から結晶化した脂肪相が、
実質的に結晶化して残る様な液体分散体を形成する工程、(e)液体分散体を充
分な剪断力に掛け、分散した水相の最大小滴サイズが約400μより小さい油中
水エマルジョンを製造する工程、そして、(f)油中水エマルジョンを排出し、
約80重量%より少ない脂肪含有量で、室温でマーガリンに近似のコンシステン
シーを有する食用マーガリン様スプレッド組成物を与える工程を含む。
本発明の組成物における比較的高水準のハイドロコロイド(即ち、約0.1重
量%より大きい水準)の導入は、分散した水相小滴サイズの調整を容易とし、よ
り大きな水相小滴の形成を容易とし、ハイドロコロイドなしで、類似の製造条件
下で調製された類似組成物に比べて、より多くの知覚される一瞬の香りを持つ。
以下更に詳細に説明されるが、本発明の組成物中への比較的高水準のハイドロ
コロイドの導入は、或る程度の工程変更を必要とする。
好適な実施態様の説明
本発明の第1の主たる実施態様は、ハイドロコロイドを充分な量含まない(即
ち、約0.05重量%より少ない)、食用、油中水、マーガリン様組成物の製造
方法を含む。本発明の第2の実施態様は、ハイドロコロイドを充分な量含む、食
用、油中水、マーガリン様組成物の製造方法を含む。それぞれの主たる実施態様
は、以下に述べられる。
本発明に係るスプレッドを形成するのに使用される分散体の脂肪成分は、約3
2.2℃〜48.8℃(90°F−120°F)の範囲のワイリー融点(WileyM
elting Point)を有する固体又は硬質脂肪と、約0℃(32°F)より低いワイ
リー融点を有する液体脂肪との混合物である。混合物での硬質脂肪と液体脂肪と
の割合は広範囲に変える事が出来る。周知の通り、固体脂肪指数(Solid Fat In
dex)(SFI)は、液体脂肪に対する硬質脂肪の比であり、脂肪混合物を分類する
のに使用するのに充分受入れ可能な方法であり、アメリカ油化学協会(American
Oil Chemistry Society)のCD-10-57の方法である。好ましい脂肪混合物は、全
脂肪重量当たり、約55〜約85のヨード価(IV)と約32.2℃〜48.8℃
(90°F〜120°F)の範囲のワイリー融点を有する硬質脂肪を約10〜約
45重量%と、約115〜約150のヨード価と約0℃(32°F)より低いワ
イリー融点を有する液体脂肪を約55〜約90重量%を含む。
本発明により製造されるスプレッド用の脂肪は、様々な食用脂質トリグセリド
、例えば大豆油、綿実油、ピーナッツ油、オリーブ油、パーム油、コーン油、ナ
タネ油、ヒマワリ油、ゴマ油、サフラワー油、イワシ油、ラード及び獣脂、或い
はそれらの混合物から作られる。植物油は、獣油及び素早い固化が他の油より好
まれる油より好ましい。大豆油は、固体或いは液体でも、硬質脂肪及び液体脂肪
を用意するのには、特に好ましい脂肪である。
本発明の1つの好ましい実施態様によれば、水相及び適当な脂肪混合物を含む
分散体は、その脂肪混合物のSFIがゼロ、即ちその脂肪が完全に液体状態にある
温度で形成される。好ましくは、水と脂肪ブレンド分散体は、SFIがゼロである
温度より上で、16.5℃(30°F)より多くない温度で形成される。水相は
、製品の約25%〜85重量%の量で使用され、脂肪相は、製品の15%〜75
重量%含む。
少量の任意成分は、望ましい芳香にする為と、貯蔵中の最終製品の微生物崩壊
を遅延させ為に、組成物中の水相に含有させる事が出来る。
水相に導入する事の出来る一般的任意成分は、
塩(NaCl) 0.5〜3.0重量%
香料(水溶性) 0.01〜0.03重量%
カリウム収着質 0.0005〜0.002重量%
EDTA 50〜100ppm
乳製品タンパク質 0〜0.1重量%
又、組成物の脂肪又は油相は、組成物の0.1%〜0.2重量%程度の少量の
公知の油溶性香料及び、約0.005重量%の量のベータカロチンの様な着色剤
を含む事が出来る。
公知の乳化剤、例えばモノグリセリド、レシチンは、組成物の約0.25%〜
1.0重量%の量で一般に組成物に使用される。乳化剤は、水及び油混合物に添
加されるのが好ましいが、油相に対しては僅かに高い濃度で添加する事もできる
。
水と脂肪混合物の分散体は、それを回分方式の混合タンクに添加する事により
形成する事が出来るし、或いは水と脂肪混合物は、連続方法で、混合タンクに別
々に計量して入れる事も出来る。いずれの場合においても、水−脂肪混合物分散
体は、次いで初期混合温度(通常48.8℃〜65.5℃(120°F〜150
°F))から、硬質脂肪が固化する温度以下の温度まで冷却される。好ましくは
、分散体は1.6℃〜7.2℃(35°F〜45°F)の範囲の温度に冷却され
る。好ましい冷却速度は、0.5℃/秒〜4.4℃/秒(1°F/秒〜8°F/
秒)の範囲である。
種々の装置が水−脂肪分散体を冷却するのに使用出来るが、使用される従来型
の管状熱交換器は、固化する脂肪が熱交換器の表面上で板状になり、最終製品の
組成を変える事のないように、充分な乱流を生起する事が極めて望ましく且つ好
ましい。冷却された分散体は、硬質脂肪(即ち、高融点脂肪)が固化するまでの
間の期間、所定の温度に維持されるのが好ましい。然しながら、この保持工程を
使用する事は必ずしも必要ではない。この様に、保持工程は0から5分が効果的
であるが、管状熱交換器に取り付けた保持管の中で、0.5〜2分間、分散体を
維持する事によって更に効果的となる。保持管を通過する平均流速は、普通、約
60.96cm/秒〜約182.88cm/秒(2ft/秒〜6ft/秒)の範
囲である。
冷却し、保持した後、そして硬質脂肪が実質的に固化されると、分散体は、機
械的剪断に掛けられ、これによって分散体は油中水エマルジョンに乳化される。
乳化した生成物は、機械的剪断に掛けられた後、21.1℃〜26.6℃(70
°F〜80°F)の温度範囲で4〜24時間の熟成期間の間保持されるのが好ま
しく、室温で桶マーガリンのコンシステンシーを有する安定な、乳化した可塑性
固体である。
液体に機械的剪断を与える為の様々な従来装置は、油中水エマルジョンを形成
するのに使用出来る。例えば、分散機、剪断ポンプ、乳化機、コロイドミル、高
速湿潤ミル、ジェット、強カミキサー等がある。剪断装置は、剪断装置に供給さ
れる分散体の小滴サイズに比べて大きな混合容量を有すべきで、それにより最終
生成物の一定した油対水比及び二相間の均質な液-液相互反応を確保する。油対
水比は、工程に供給される水相と油相の割合で決められる。
分散体の機械的剪断は、最大に固定した分散した水相小滴サイズを、光学顕微
鏡で決められる500μ(0.5mm)以下に下げる為に、或る時間、或る速度
で行われるべきであり、これにより界面現象が、静的条件下での乳化した水小滴
の凝結を阻害する。小滴サイズは、400μ未満で100μより大きいことが好
ましい。
一般に、剪断装置に供給される分散体は、約5〜約25cpsの粘度を有し、
乳化した生成物は、10,000〜10,000,000cpsの降伏粘度を有
する。降伏粘度は、プラスチック固体材料の降伏点における粘度と定義される。
二相間の界面の表面積が増加するにつれて、降伏粘度及び応力が増加することは
、
文献でも良く知られている所である。小滴サイズの減少は、界面の表面積の減少
となるから、小滴サイズが減少するにつれて、降伏粘度及び応力は増加する。こ
の相関関係は、或る特定の組成物に対して適用できる。降伏応力は約0.000
2〜約0.0096kg/cm2(20Pa〜950Pa)の間、好ましくは約0.000
6〜約0.0071kg/cm2(60Pa〜700Pa)の間にあるべきである。
機械的剪断中に、剪断を受けている材料の温度は、摩擦的/粘性的相互反応に
よって増加する。剪断中の液体の温度上昇は、降伏粘度及び降伏応力と相関関係
にあり、それ故、与えられている乳化した生成物中に分散した水の小滴サイズで
は、温度は硬質脂肪の主成分の融点以上には上昇しない。乳化した生成物中の水
を比較的小さな小滴サイズとする為に、機械的剪断は行われ、それによって剪断
を受けている液体混合物の温度上昇を、27.7℃(50°F)より低く抑える
。好ましくは、温度上昇は、2.75〜11℃(5°〜20°F)の範囲に維持
される。
第2の主たる実施態様では、本発明は、上述の成分に加えて、比較的高水準の
ハイドロコロイド(即ち、約0.1重量%より多い水準)を含む類似組成物の調
製に関する。ハイドロコロイドの添加は、一般に大きな分散水相小滴の生成を可
能とする。このような大きな分散水相小滴は、一般に、ハイドロコロイドを含ま
ない類似組成物に比較して一層の知覚される一瞬の香りを与える。
上述の第1の主たる実施態様又は方法(即ち、乳化前に、硬質脂肪を固化又は
結晶化する為に、硬質及び軟質脂肪の両方を含む液体分散体を冷却する方法)で
水相又は油相に比較的高水準でハイドロコロイドを簡単に添加する試みは、一般
的に、期待した程には成功していない。比較的高水準でのハイドロコロイドの導
入は、冷却工程中での脂肪の結晶化を抑制する事は明らかである。本発明の組成
物での硬質脂肪の結晶化は、油中水エマルジョンを安定化するのに必要である。
比較的高水準のハイドロコロイドを含む安定な油中水エマルジョンの容易な形
成を可能とする上述の基本的方法に対しては、変更が加えられた。一般に、この
基本的方法は、実質的に硬質の脂肪と液体軟質脂肪を含む液体硬質脂肪相が、ハ
イドロコロイドを含む水相と混合する前に脂肪相を少なくとも部分的に結晶化す
る為に冷却される様に変更される。部分的結晶化脂肪相とハイドロコロイドを含
む水相との混合は、部分的結晶化脂肪相から結晶化した脂肪が実質的に結晶化し
て残る様に行なわれる。この方法では、脂肪の結晶化で添加されたハイドロコロ
イドの抑制効果が避けられる(か少なくとも最少化される)が、これは脂肪が、
添加されたハイドロコロイドと接触する前に結晶化されるからである。勿論、更
に先の工程中で、脂肪は結晶した状態で残らなければならず、或いはハイドロコ
ロイドの抑制効果自身を再行使出来る。
一般に、本発明の第1の主たる実施態様での上述の同じ成分と任意成分(相対
量も同様)は有用であり、ハイドロコロイドを比較的高水準に含む組成物でも受
入れ可能である。本発明の組成物及び方法で使用されるハイドロコロイドは、勿
論、食物組成物でも受入れ可能である。適当なハイドロコロイドとしては、水溶
性タンパク、ゴム、ゼラチン、デンプン等が挙げられる。好ましいハイドロコロ
イドとしては、天然産タンパクとしてのカゼイン、ホエー及び脱脂肪ミルク固体
が挙げられる。特に好ましいハイドロコロイドとしては、カゼインカルシウム、
カゼインナトリウム、ホエー、脱脂乾燥ミルク、マルトデキストリン及び常温硬
化ゼラチンが挙げられる。必要ならば、ハイドロコロイドの混合物が使用出来る
。
一般に、ハイドロコロイドは、水相中に、約0.5〜30重量%で存在し、好
ましくは約1〜10重量%で存在する。得られる油中水エマルジョンは、それ故
、一般には約0.1〜25重量%のハイドロコロイド、好ましくは約0.25〜
8重量%のハイドロコロイドを含む。
比較的高水準のハイドロコロイドを含む組成物を調製する為の本発明方法は、
第1に、約0.5〜30重量%、好ましくは約1〜10重量%のハイドロコロイ
ドを含む分離する水相と、実質的に硬質脂肪と液体軟質脂肪を含む分離する液体
脂肪相を形成する事からなる。この第2の実施態様での水相は、ハイドロコロイ
ドに加えて、上述の第1の主たる実施態様での水相におけるのと同じ成分と組成
分を含んでもよい。そして、液体脂肪相は、上述の第1の主たる実施態様での液
体脂肪相におけるのと同じ成分と組成分を含んでいてもよい。
硬質脂肪/軟質脂肪の好ましい比は、液体脂肪相においては約0.1〜0.8
の範囲である。好ましい硬質脂肪は、約55〜85のヨード価と、約32.2℃
〜48.8℃(90°F〜120°F)のワイリー融点を有し、軟質脂肪は、約
115〜150のヨード価と、0℃(32°F)未満のワイリー融点を有する。
液体脂肪相は、硬質脂肪と軟質脂肪の混合物を、約37.7℃〜65.5℃(1
00°F〜150°F)の温度に加熱する事により形成されるのが好ましい。
液体脂肪相は、次に部分的結晶化脂肪相を形成するに充分な温度に冷却される
。「部分的結晶化脂肪相」とは、この相中の硬質脂肪の約60重量%、好ましく
は約80重量%より多くが固化又は結晶化される事を意味する。
液体脂肪相は、その中の脂肪の結晶化を効果的に行わせしめ且つ部分的結晶化
脂肪相を形成する為に、約−12.2℃〜10℃(10°F〜50°F)に冷却
されるのが好ましい。
好ましくは、液体脂肪相は、掻き取り表面熱交換器を使用して冷却される。よ
り好ましくは、掻き取り表面熱交換器或いは他の装置からの部分的結晶化脂肪相
は、保持或いは再結晶化管中で約−9.4℃〜12.7℃(15°F〜55°F
)の温度で、更に結晶化される。一般に、保持或いは再結晶化管での更なる結晶
化は、約5分未満、好ましくは0.5〜2分間、冷却管を通過させる事によって
効果的に行う事が出来る。
部分的結晶化脂肪相は、次いで水相と混合され、部分的結晶化脂肪相の結晶化
脂肪が実質的に結晶化して残る様な方法で液体分散体を形成する。好ましくは、
水相の温度は、混合工程前で、約−1.1℃〜10℃(30°F〜50°F)で
ある。水相は、部分的結晶化脂肪相と混合する前に、好ましくは平板低温殺菌器
/冷却器を通す事が出来る。液体分散体の温度は、結晶化形態での硬質脂肪の著
しい損失を防ぐ為に、充分に低くなければならない。一般には、液体分散体に対
する温度は、約−1.1℃〜10℃(30°F〜50°F)の範囲を採る事が出
来る。
混合工程後、結晶化脂肪を含む液体分散体は、機械的剪断に掛けられ、これに
よって分散体は、油中水エマルジョンを形成する為に乳化される。乳化工程は、
ハイドロコロイドの特定水準を持たないエマルジョンの調製の為の上述と同様の
方法で実質的に行われる。上述の様な種々の高剪断装置が、ブレンドした混合物
から油中水エマルジョンを形成する為に使用出来る。ブレンドした混合物及び得
られたエマルジョンの温度は、結晶化脂肪が結晶化したままで残る様に維持され
るべきである。適当な温度範囲は、勿論、使用される特定の硬質脂肪又は硬質脂
肪によって変える事が出来る。乳化装置中に存在しているエマルジョンの温度は
(1)ブレンドされた混合物の初期温度よりも高く、(2)約4.4℃〜21.
1℃(40°F〜70°F)の範囲である。必要であれば、ブレンドされた混合
物は、受入れ可能な範囲に温度を保つ為に、乳化中に冷却出来る。形成されたエ
マルジョンは、所望ならば、約21.1℃〜26.6℃(70°F〜80°F)
で、約4〜24時間熟成出来る。
比較的高水準のハイドロコロイドを含む油中水エマルジョンは、ハイドロコロ
イドを極少量か全く含まずしかも類似の処理条件の下で調製される類似の組成物
に比べて大きな水相小滴を一般に示す。大きな水相小滴は、大いに知覚される一
瞬の香りの生成物となる。一般に、比較的高水準のハイドロコロイドを含む組成
物は、約100〜400μの範囲の最大水相小滴サイズを有する。好ましくは、
これらの組成物中の水相小滴サイズは、約100〜350μの範囲である。
以下の実施例は、本発明並びにその利点を更に例示するものである。
実施例1
調製された組成物は、約60重量%の水相と約40%の油相から成り、次の成
分を含む。水相
水 58.0重量%
塩(NaCl) 2.0重量%
香料(水溶性模造バター) 0.02重量%
カリウム収着物 0.001重量%
EDTA 75ppm油相
液体大豆油 29.3重量%
固体大豆油 10.0重量%
香料(油溶性模造バター) 0.15重量%
ベータカロチン 0.004重量%
乳化剤〔蒸留したモノグリセリド 0.5重量%
(<10%ジグリセリド)〕
固体大豆油は、38.8℃〜42.2℃(102°F〜108°F)の範囲の
ワイリー融点と、65〜73の範囲のヨード価及び次に示す固体脂肪指数(SFI
)を有する。
固体大豆油
温度 SFI
10℃(50°F) 54-58
21.l℃(70°F) 40-44
26.6℃(80°F) 35-39
33.3℃(92°F) 15-19
40℃(104°F) 最大4.0
上記成分の分散体は、水相成分をタンクに添加し、次いで油相成分の添加を行
い、その後乳化剤を添加して調製した。ブレンドタンク中の混合物は、48.8
℃(120°F)で平衡に保たれた。平衡が保たれた後、油水分散体は、管状熱
交換器を通してブレンドタンクから汲み出され、分散体は管状熱交換器で、2.
75℃(5°F)/秒の冷却速度で、4.4℃(40°F)まで冷却された。分
散体を熱交換器の保持管又は冷却部に30秒間通し、次いで機械的剪断装置に導
入した。
機械的剪断装置は、一方が他方に対して回転している2つの円板の表面上に垂
直に取り付けられた、3.17mm(1/8″)の間隔の近接空間でかみ合った
2セットのピンから成り、分散体はその静止円板の中心から入り、その円板の周
囲から出て行く。冷却された分散体の試料は、剪断装置の中で、4500/秒〜
11000/秒の間の4つの最大剪断速度で乳化した。ここで、最大剪断速度と
は、ピン間の距離、3.17mm(1/8″)で区切られたピンの一番外側のピ
ンの相対線速度と定義される。集められた4つの試料の各々は、990kg(2
200lb)/時間で凡そ2秒の剪断装置内滞留時間を有し、試料中の温度上昇
は1.1℃〜8.2℃(2°−15°F)の範囲であった。剪断乳化された
生成物は、0.45kg(1lb)の桶に詰められ、23.8℃(75°F)で
、12時間熟成し、最後に冷凍温度まで冷却した。測定結果を以下に示す。
降伏応力及び降伏粘度は、降伏点を決定する為のプログラム化された剪断速度
アクセラレーターを備えたハック同軸円筒粘度計(Haak concentric cylindervi
scometer)を使用して測定した。上記の結果は、剪断速度と分散した小滴サイズ
との間の相関関係を示す。剪断速度が増加するにつれて、試料の降伏応力及び降
伏粘度は増加し、剪断を受けている試料中の温度上昇も同様に増加した。剪断速
度が遅いと温度上昇は少なく、油中水エマルジョンの分散水相の大きな小滴サイ
スを示している。剪断速度が4,500/秒未満では、エマルジョンは、直ぐにエマル
ジョンを構成するそれぞれの相に分離した。更に、4,500/秒の試料1についての
、出力450での光顕微鏡で、50μ(0.05mm)刻みの測定レチクルを使用しての目
視観察では、凡そ350μ(0.35mm)の最大一致小滴サイズが生成した。11,000/秒
の試料4は、100μ(0.lmm)の値で同様の測定結果を示した。
植物油を48%有する市販の低脂肪スプレッド製品に対する同様のレオロジー結
果は、降伏応力で0.0029kg/cm2(293Pa)、降伏粘度は、23.8℃(75°F)で2,35
0,000cpsであった。この市販品の目視観察では、凡そ100μ(0.lmm)の最大一致
小
滴サイズが生成した。例示の動力入力測定は、990kg(2,200lb)/時間の生産能
力の剪断装置による全エネルギー入力を示す。従来の操業データによれば、同じ
生産能力での従来方法に必要とされる動力は、凡そ20kwである。それ故、本発明
方法は、エネルギー消費で著しい減少効果を提供する。
採取された試料間の一瞬の香りを比較すると、知覚可能な相違は、最大剪断速
度が増加するにつれて得られる小さな一瞬の香りで明らかであった。試料のテク
スチャー及び風味特性は、市販製品に類似のものとみなされた。
実施例2
調製された組成物は、約40重量%の水相と約60%の油相から成り、次の成
分を含む。水相
水 38.0重量%
塩(NaCl) 2.0重量%
香料(水溶性模造バター) 0.02重量%
カリウム収着物 0.001重量%
EDTA 75ppm油相
液体大豆油 47.3重量%
固体大豆油 12.0重量%
香料(油溶性模造バター) 0.15重量%
べータカロチン 0.004重量%
乳化剤〔蒸留したモノグリセリド 0.5重量%
(<10%ジグリセリド)〕
固体大豆油は、実施例1のものと同じものであった。この成分の分散体は、実
施例1と同様に調製し、48.8℃(120°F)で平衡に保たれ、次いで2.
75℃(5°F)/秒の冷却速度で、7.2℃(45°F)まで冷却した。分散
体を、実施例1の機械的剪断装置に導入する前に、熱交換器の保持管又は冷却部
に30秒間保持した。冷却した分散体試料を、2100/秒〜11,000
/秒の間の5つの最大剪断速度で、機械的剪断装置内で乳化した。5つの試料は
、990kg(2200lb)/時間で凡そ2秒の剪断装置内滞留時間を有し、
試料中の温度上昇は0.5℃〜9.3℃(1°−17°F)の範囲であった。剪
断乳化された試料は、実施例1と同様に処理された。測定結果を以下に示す。
実施例1と実施例2とのレオロジー測定の比較は、組成物中の水含有量が減少
するにつれて、降伏応力及び降伏粘度は減少する事を示す。組成物中の水が少な
いと、固い大豆油の濃度が増加しても、柔らかい油中水エマルジョンが得られる
。これらの試料は、市販マーガリン様製品と同様であると判定された。
実施例3
調製された組成物は、約80重量%の水相と約20%の油相から成り、次の成
分を含む。水相
水 78.0重量%
塩(NaC1) 2.0重量%
香料(水溶性模造バター) 0.02重量%
カリウム収着物 0.001重量%
EDTA 75ppm油相
液体大豆油 12.8重量%
固体大豆油 16.5重量%
香料(油溶性模造バター) 0.15重量%
ベータカロチン 0.004重量%
乳化剤〔蒸留したモノグリセリド 0.5重量%
(<10%ジグリセリド)〕
固体大豆油は、実施例1のものと同じものであった。この成分の分散体は、実
施例1及び2と同様に調製し、54.4℃(130°F)で平衡に保たれ、次い
で3.35℃(6°F)/秒の冷却速度で、4.4℃(40°F)まで冷却した
。
分散体を、実施例1の機械的剪断装置に導入する前に、熱交換器の保持管又は
冷却部に30秒間保持した。冷却した分散体試料を、5,550/秒〜11,0
00/秒の間の5つの最大剪断速度で、機械的剪断装置内で乳化した。試料は、
990kg(22001b)/時間で凡そ2秒の剪断装置内滞留時間を有し、試
料中の温度上昇は1.1℃〜7.7℃(2°−14°F)の範囲であった。剪断
乳化された試料は、実施例1と同様に処理された。測定結果を以下に示す。
これらの試料は、市販の食事スプレッド製品に比較出来るものであった。従っ
て、本発明方法は、低い投資要件で実施でき、実質的に必要な動力を減少でき、
市販品に競合できる製品を提供する事のできる食用スプレッドの製造方法を提供
する。
実施例4
この実施例は、比較的高水準のハイドロコロイド(即ち、約1.0重量%のカ
ゼインナトリウム)を含有する乳化生成物の調製を例示する。組成物は、約60
重量%の水相と約40%の油相から成る。分離相は次の成分を含有する(表示の
パーセントは、最終ブレンド組成物(60/40)の全重量当りの割合である)
。水相
水 57.0重量%
塩(NaCl) 2.0重量%
カゼインナトリウム 1.0重量%
香料(水溶性模造バター) 0.02重量%
カリウム収着物 0.001重量%
EDTA 75PPm
油相
液体大豆油 29.4重量%
固体大豆油 10.0重量%
香料(油溶性模造バター) 0.16重量%
ベータカロチン 0.002重量%
乳化剤〔蒸留したモノグリセリド 0.5重量%
(<10%ジグリセリド)〕
固体大豆油は、実施例1と同じものであった。
油相タンクに、濃度が下がって行く順番に油相成分を入れ、43.3℃(11
0°F)で平衡とした。全ての油は完全に液体状態であった。水相タンクに、濃
度が下がって行く順番に水相成分を入れ、48.8℃(120°F)で平衡とし
た。水相の計量速度は、20.25kg(45lb)/分に設定し、油相の計量速度
は、13.50kg(30lb)/分に設定し、必要とする60/40の水相/油相
噴射比とした。平衡に達したバッチタンクと設定した計量速度で、油相は、直径
152.4mm(6inch)、長さ1219.2mm(48inch)の掻き取り表面熱交換器サーミュテ
ーター648DE(Thermutator 648DE)を通して計量し、油相を、硬質又は固体大豆
油の核及び部分結晶化の為に−6.6℃(20°F)まで冷却した。過冷却した
油相を、2分、保持管の中に計量して更に結晶化した。保持管の末端で採取した
試料は、可塑性の固体ペースト状物質のコンシステンシーを有していた。保持管
出口での部分結晶化油相は、−3.8℃(25°F)であった。
水相は、平板型熱交換器を通して計量した。温度は、装置の出口温度で1.6
℃(35°F)であった。2相(即ち、水相と部分的結晶化油相)は、一緒に計
量(即ち、ブレンドされて)され、実施例1の高剪断装置に1.6℃(35°F
)で噴射した。剪断速度は8400/秒であった。混合機ヘッドでの平均滞留時
間は、約1秒であった。混合機出口での乳化生成物は6.6℃(44°F)であ
った。生成物試料は、0.45kg桶(1lb)に詰められ、冷凍温度で貯蔵した
。乳化生成物中へのハイドロコロイドの導入は、実質的に同じ方法でハイドロコ
ロイドを添加しないで調製した類似の生成物に比べて、大きな水相小滴サイズと
大
いに知覚される一瞬の香りとなった。増加した一瞬の香りを除いて、製品のテク
スチャー及び風味特性は、実際の市販品に類似のものとみなされた。
従って、本発明方法は、低い投資要件で実施でき、実質的に必要な動力を減少
でき、市販品に競合できる製品を提供する事のできる食用スプレッドの製造方法
を提供する。本発明は、又低い投資要件で実施でき、実質的に必要な動力を減少
でき、市販品に競合できる製品を提供する事のできる、比較的高水準のハイドロ
コロイドを含む食用スプレッドの製造方法を提供する。
新規であると信ずる本発明の種々の構成要件は、次の請求の範囲に示される。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY,
CA,CH,CN,CZ,DE,DK,ES,FI,G
B,GE,HU,JP,KG,KP,KR,KZ,LK
,LU,LV,MD,MG,MN,MW,NL,NO,
NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SI,S
K,TJ,UA,UZ,VN
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.次の工程を含む、約80重量%より少ない脂肪含有量で、室温でマーガリン と近似のコンシステンシーを有する、実質的にゲル化剤を含まない油中水エマル ジョンである食用マーガリン様スプレッド組成物の製造方法。 (a)水相と、実質的に硬質脂肪と液体軟質脂肪の混合物を含む液体脂肪相の 液体分散体であって、実質的にゲル化剤を含まない液体分散体を形成する工程、 (b)該液体分散体を、熱交換器で、充分な温度まで冷却し、硬質脂肪を実質 的に完全に固化せしめ、熱交換器は、充分な乱流を起して、固化する脂肪が熱交 換器内で、明らかに板状化しない様にする工程、 (c)該冷却分散体を、高剪断装置で充分な剪断力に掛けて、分散した水相の 最大小滴サイズが500μ未満である油中水エマルジョンを製造する工程、そし て (d)該油中水エマルジョンを排出して、約80重量%より少ない脂肪含有量 で、室温でマーガリンと近似のコンシステンシーを有する、実質的にゲル化剤を 含まない食用マーガリン様スプレッド組成物を得る工程。 2.水相が、液体分散体の約25重量%〜約85重量%であり、油相が、液体分 散体の約15重量%〜約75重量%であり、硬質脂肪/軟質脂肪比が、約0.1 〜約0.8であり、熱交換器が管状熱交換器である、請求の範囲1記載の製造方 法。 3.硬質脂肪が、約55〜約85のヨード価と、約32.2℃〜48.8℃(9 0°F〜120°F)のワイリー融点を有し、軟質脂肪が、約115〜約150 のヨード価と、0℃未満(32°F)のワイリー融点を有する、請求の範囲2記 載の製造方法。 4.液体分散体を、硬質脂肪の固体脂肪指数がゼロである点まで加熱する、請求 の範囲1記載の製造方法。 5.液体分散体を、硬質脂肪の固体脂肪指数がゼロである温度より16.5℃( 30°F)上迄加熱する、請求の範囲4記載の製造方法。 6.冷却された分散体を、剪断力に掛ける前に0〜5分間保持し、剪断中に、約 0.5℃〜4.4℃(1°F〜8°F)/秒の速度で約1.6℃〜7.2℃ (35°F〜45°F)の温度に冷却する、請求の範囲1記載の製造方法。 7.排出されたエマルジョンを、約21.1〜約26.6℃(70°F〜80° F)の温度で、約4時間〜約24時間熟成する、請求の範囲1記載の製造方法。 8.降伏粘度が約10,000cps〜約10,000,000cpsで、降伏 応力が約0.0002kg/cm2〜約0.0096kg/cm2(20〜950 Pa)を有する油中水エマルジョンを得るのに充分な剪断力である、請求の範囲 1記載の製造方法。 9.冷却された分散体を、約1.6℃〜7.2℃(35°F〜45°F)の温度 に冷却し、剪断力に掛ける前に、約60.96cm〜約182.88cm(2f t〜6ft)/秒の速度で保持管を通す、請求の範囲1記載の製造方法。 10.剪断応力による温度上昇が、27.5℃(50°F)未満であり、冷却され た分散体が、約2秒間剪断力に掛けられる、請求の範囲1記載の製造方法。 11.次の工程を含む、約80重量%より少ない脂肪含有量で、室温でマーガリン と近似のコンシステンシーを有する食用マーガリン様スプレッド組成物である油 中水エマルジョンの製造方法。 (a)約0.5〜30重量%のハイドロコロイドを含む水相を形成する工程、 (b)実質的に硬質脂肪と液体軟質脂肪を含む液体脂肪相を形成する工程、 (c)該液体脂肪相を冷却し、部分的結晶化脂肪相を形成する工程、 (d)水相と部分的結晶化脂肪相とを混合して、部分的結晶化脂肪相から結晶 化した脂肪相が、実質的に結晶化して残る様な液体分散体を形成する工程、 (e)該液体分散体を充分な剪断力に掛け、分散した水相の最大小滴サイズが 約400μ未満の油中水エマルジョンを製造する工程、そして、 (f)該油中水エマルジョンを排出して、約80重量%より少ない脂肪含有量 で、室温でマーガリンと近似のコンシステンシーを有する食用マーガリン様スプ レッド組成物を得る工程。 12.液体分散体が、約25〜90重量%の水相と約10〜75重量%の部分結晶 化脂肪相を含む、請求の範囲11記載の製造方法。 13.液体分散体が、約50〜90重量%の水相と約10〜50重量%の部分結晶 化脂 肪相を含む、請求の範囲12記載の製造方法。 14.硬質脂肪/軟質脂肪の比が、液体脂肪相で約0.1〜0.8であり、硬質脂 肪が、約55〜約85のヨード価と、約32.2℃〜48.8℃(90°F〜1 20°F)のワイリー融点を有し、軟質脂肪が、約115〜約150のヨード価 と、0℃未満(32°F)のワイリー融点を有する、請求の範囲12記載の製造 方法。 15.水相が、約1〜10重量%のハイドロコロイドを含み、ハイドロコロイドが 、カゼインカルシウム、カゼインナトリウム、ホエー、脱脂肪乾燥ミルク、マル トデキストリン及び常温硬化ゼラチンから成る群から選ばれる、請求の範囲18 記載の製造方法。 16.液体脂肪相を、約37.7〜65.5℃(100°F〜150°F)の温度 で形成し、次いで該液体脂肪相を、掻き取り表面熱交換器で、−12.2℃〜1 0℃(10°F〜50°F)の温度に冷却して部分結晶化脂肪相を形成する、請 求の範囲11記載の製造方法。 17.掻き取り表面熱交換器からの部分結晶化脂肪相を、保持又は再結晶化管で、 −9.4℃〜12.7℃(15°F〜55°F)の温度で更に結晶化する、請求 の範囲16記載の製造方法。 18.ブレンドされた水相と部分結晶化脂肪相の初期温度が、剪断力に掛けられる 時に約−1.1℃〜10℃(30°F〜50°F)であり、剪断力によって製造 される油中水エマルジョンの温度が、(1)ブレンドされた水相と部分結晶化脂 肪相の初期温度より高く、そして(2)約4.4℃〜21.1℃(40°F〜7 0°F)である、請求の範囲16記載の製造方法。 19.ブレンドされた水相と部分結晶化脂肪相の初期温度が、約−1.1℃〜10 ℃(30°F〜50°F)であり、ブレンドされた水相と部分結晶化脂肪相が、 剪断中に冷却される、請求の範囲16記載の製造方法。 20.排出された油中水エマルジョンを、約21.1〜26.6℃(70°F〜8 0°F)の温度で、約4時間〜約24時間熟成する、請求の範囲12記載の製造方 法。 21.降伏粘度が約10,000cps〜約10,000,000cpsで、降伏 応力が約0.0002kg/cm2〜約0.0096kg/cm2 (20〜95 0Pa)を有する油中水エマルジョンを得るのに充分な剪断力である、請求の範 囲12記載の製造方法。 22.油中水エマルジョンの形成中の温度上昇が、約27.5℃(50°F)未満 である、請求の範囲12記載の製造方法。 23.約80重量%より少ない脂肪含有量で、室温でマーガリンと近似のコンシス テンシーを有する食用マーガリン様スプレッド組成物である油中水エマルジョン の製造方法であって、次の工程を含む。 (a)約0.5〜30重量%のハイドロコロイドを含む水相を形成する工程、 (b)実質的硬質脂肪/液体軟質脂肪の比が、約0.1〜0.8であり、実質 的硬質脂肪が、約55〜約85のヨード価と、約32.2℃〜48.8℃(90 °F〜120°F)のワイリー融点を有し、液体軟質脂肪が、約115〜約15 0のヨード価と、0℃未満(32°F)のワイリー融点を有する実質的硬質脂肪 と液体軟質脂肪を含む液体脂肪相を形成する工程、 (c)該液体脂肪相を冷却して部分的結晶化脂肪相を形成する工程、 (d)水相と部分的結晶化脂肪相とを混合して、部分的結晶化脂肪相から結晶 化した脂肪相が、実質的に結晶化して残る様な液体分散体を形成する工程、 (e)該液体分散体を充分な剪断力に掛け、分散した水相の最大小滴サイズが 約100μ〜400μである油中水エマルジョンを製造する工程、そして、 (f)該油中水エマルジョンを排出して、約80重量%より少ない脂肪含有量 で、室温でマーガリンと近似のコンシステンシーを有する食用マーガリン様スプ レッド組成物を得る工程。 24.ハイドロコロイドが、カゼインカルシウム、カゼインナトリウム、ホエー、 脱脂肪乾燥ミルク、マルトデキストリン及び常温硬化ゼラチンから成る群から選 ばれ、液体脂肪相が、約37.7〜65.5℃(100°F〜150°F)の温 度で形成され、次いで該液体脂肪相を、掻き取り表面熱交換器で、−12.2℃ 〜10℃(10°F〜50°F)の温度に冷却して部分結晶化脂肪相を形成し、 掻き取り表面熱交換器からの部分結晶化脂肪相を、保持又は再結晶化管で、−9 .4℃〜12.7℃(15°F〜55°F)の温度で更に結 晶化する、油中水エマルジョン中に分散された水相の最大小滴サイズが約100 μ〜350μである、請求の範囲23記載の製造方法。
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