JPH08507946A - 筋肉刺激移植体を最適に位置決めするための方法及び装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 筋肉刺激電極を移植するための最適の位置を決定するための方法及び装置である。筋肉組織の種々の位置に電流を与え、選択された筋肉組織の位置の比較閾値の計測値を決定し、筋肉刺激電極を移植するための最適の位置を決定するための試験プローブを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 筋肉刺激移植体を最適に位置決めするための方法及び装置 発明の背景 １．発明の分野 本発明は、心臓再建手術を含む種々の用途で使用する、筋肉を電気的に刺激す るための方法及び装置に関し、更に詳細には、筋肉を長期に亘って刺激する移植 体の電極の機能を改善するための方法及び装置に関する。 ２．関連技術 従来技術の筋肉刺激技術の多くは、心筋に適用されたが、器官の性能を改良す るために身体の一つの領域から別の領域に移植した筋肉を含む、種類の異なる筋 肉もまた使用された。心筋を補助するための筋肉刺激装置の一つの形態が、１９ ８８年４月８日にジュアンＣ．チャチケス等に賦与され、メドトロニック社（本 願の譲受人でもある）に譲渡された米国特許第４，７３５，２０５号に開示され ている。 上掲の米国特許第４，７３５，２０５号には、多くの関連米国特許文献及び他 の刊行物が記載されており、これは、筋肉刺激技術の背景を詳細に亘って明らか にする。本発明を実施する上で適当な方針決定情報を提供するため、これらの文 献について触れたことにより、これらの文献に開示されている内容は本明細書中 に組み入れたものとする。 従来技術の筋肉刺激方法と関連した問題点は、筋肉刺激電極を配置する上で適 当な位置を決定することである。この位置は、神経及び従って筋肉の興奮を良好 に高めるように枝神経に近いが、神経に対する損傷が起こらないように近過ぎて はならない。 発明の概要 本発明は、筋間電極を選択された筋肉に配置し移植してその筋肉を最も効率的 に刺激するための最適の位置を決定するための方法及び装置に関する。刺激され るべき筋肉は、心筋代用物又は心臓又はその他の器官のいずれかの周りの別の選 択された筋肉である。無菌域の外側のパルス発生器が、計測された電流を試験電 極即ちプローブに提供し、これによって、試験電極を通して筋肉の選択された領 域に供給された電流に対する最大の筋肉反応を決定するため、閾値の計測を無菌 域の外側で行うことができる。これにより、電極を永久的に移植するための最適 の位置を決定するための比較的閾値計測値を発生する。 更に特定的には、本発明は、試験プローブを筋肉組織の多くの領域と係合させ て比較的閾値計測値を提供することによって筋肉刺激電極の最良の移植位置を決 定するための方法を含む。即ちパルス発生器は、身体内の無菌域の外側に配置で き、一時的導線で縫合針のような試験プローブに接続できる。筋肉の多くの領域 を試験し、最適の反応位置を見つける。この最適の位置を見つけた後、試験導線 を鋏等で切断する。その後、いつでも使用可能な刺激移植電極を、刺激されるべ き筋肉組織の決定された最適の位置に挿入できる。 刺激電極を筋肉に挿入するための十分な方法が、上掲の米国特許第４，７３５ ，２０５号に記載されている。 本発明を具体化する装置は、一時的導線が接続された湾曲した縫合針の形態で あるのがよい試験電極を使用することを含む。一時的導線は、試験電極を無菌域 の外側に配置された発生器に接続する。これは、試験電極で発生した電流を計測 するための手段を提供し、試験電極によって収縮される筋肉の多くの試験領域の 最大感度閾値を決定できる。最大感度領域を決定した後、一時的導線を切断し、 筋肉に長期に亘って刺激を加える筋間電極を、最適の効果的な位置で筋肉組織に 挿入する。 本発明によれば、少なくとも、 刺激電極と、 刺激電極に接続された試験プローブと、 試験プローブに電気的に接続された導電性リード線とを有する、刺激装置が提 供される。 図面の詳細な説明 第１図は、米国特許第４，７３５，２０５号に開示された従来技術の筋間リー ド線の概略図である。 第２図は、本発明を具体化した応答試験プローブを示す概略図である。 本発明の最良の態様の詳細な説明 従来技術の米国特許第４，７３５，２０５号の第７コラム及び第８コラムには 、筋肉を電気的に刺激するための適当な装置が開示されている。必要な背景情報 を以下に提供するため、前記従来技術の特許の第４図を本開示の第１図とした。 パルス発生器が筋間リード線３０に接続されており、このリード線は、移植が 行われるべき筋肉を通して引っ張られるようになった縫合針３２のアッセンブリ を含む。コイル３４及びリード線本体３６及びコネクタ３８を持つ不導性のライ ン３３が、絶縁された導線３６の一部に亘って設けられた摺動自在の絶縁チュー ブ即ちシース４２及び露呈された電極４４とともに設けられている。電極４４は 、筋肉に通される縫合針３２に取り付けられた不導性のライン３３で筋肉内に引 き込むことによって、筋肉内に移植される。コネクタ３８は、電極４４を筋肉組 織（図示せず）の適当な位置に移植した後、パルス発生器の出力端子の一つに接 続されるようになっている。 本発明の開示 電極４４を上述のように埋め込む前に、本発明によれば、最適の移植位置を決 定できる。筋肉移植電極の最適の位置を決定するため、多くの試験位置で閾値を 計測する。位置を評価する上での一つの配慮は、その位置が筋肉を収縮させるの に低い刺激信号（及び従ってエネルギ消費が低い）しか必要としないかどうかで あり、閾値が最も小さい位置が好ましい位置である。位置を評価する上での別の 配慮は、その位置での刺激が筋肉を大きく変位／収縮させるかどうかであり、筋 肉を最も大きく変位させる位置が好ましい位置である。最適の位置を決定するた め、各位置を評価するときにこれらの二つの配慮を考量する。 これらの計測は、外科用針３２のような試験電極プローブの先端を筋肉の表面 上の多くの試験位置と接触した状態に位置決めすることによって行うことができ る。試験電流を試験プローブ３２に供給するため、一時的導線１０が設けられて いる。鋭い尖端を持つ縫合針３２を使用すると、筋肉表面との所望の電気的接触 が得られるということがわかっており、或いは、変形例では、所望であれば、こ のような鋭い尖端を持つプローブ要素を使用することにより、針３２の鋭い尖端 を筋肉に僅かに挿入することもできる。プローブ針３２は、有望移植電極位置の 試験中に外科医が把持しなければならないため、針３２の鋭い筋肉接触プローブ 端から間隔を隔てられたその基端把持部分の外面に、針３２からの漏電を阻止す るポリウレタン接着剤のような適当な絶縁コーティング３２ａが施されていなけ ればならない。プローブの先端３２ｂは、試験される筋肉組織と電気的に接触し なければならず、従って、絶縁されていない。針３２は、必ずしも機能を持つよ うにコーティングが施されていなくてもよいということは、当業者には明らかで あろう。 針の絶縁された表面３２ａを把持し、絶縁されていない接触点領域３２ｂを筋 肉組織の選択された試験領域と電気的に接触した状態に保持することによって、 針３２を筋肉組織領域の試験刺激に使用する。針３２の尖端３２ｂが筋肉の表面 を穿通する場合には、組織が局部的に損傷する危険があり、従って、針の尖端を 筋肉の組織に挿入するのでなく、穿通を伴わずに接触するのが好ましいというこ とがわかった。 多くの有望移植位置を試験し、最適の位置を決定した後、一時的導線１０を針 へのその取り付け箇所の近くで切断し、次いで外科医が針３２を使用して筋肉に 通し、筋肉刺激移植体の電極４４を、上掲の米国特許第４，７３５，２０５号に 記載されているように、周期的に刺激を加えるのに最適の位置に引き込むことが できるようにする。 好ましい実施例では、不導性のライン３３は、吸収性（即ち生体吸収性）縫合 材料でできており、そのため、移植後に筋肉組織に吸収される。このような材料 は、デクソン（Dexon）、ヴィクリル（Vicryl）、マクソン（Maxon）、及びＰＤ Ｓ等の登録商標で当業者に周知である。 本発明の変形例の開示 上述の方法に対する変形例では、不導性のライン３３を一時的導線１０と同様 の外絶縁コーティングを備えた細い導線に代える。コネクタ３８のピンは、パル ス発生器に接続されている。最適の電極配置位置を上述のように決定した後、電 極４４を筋肉に挿入し、これに続いて一時的導線１０を縫合針３２と近接した端 （筋肉の外側）で切る。 電極４４のような移植電極は、多くの種々の筋肉移植位置で使用でき、本発明 は、心筋形成術（cardiomyoplasty）についての使用に限定されないということ は、当業者には明らかであろう。例えば、本発明は、大便失禁や尿失禁を矯正す るための臀筋又は薄股筋の移植体（図示せず）について使用できる。更に、本発 明は、膀胱筋形成術又は心筋形成術用の直腸筋移植体についても使用できる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．刺激電極の最適な筋肉組織挿入位置を決定するための刺激電極位置決定方 法において、 試験プローブを筋肉組織の刺激されるように選択された部分に電気的に接触さ せる工程と、 導電性リード線を前記試験プローブに接続する工程と、 幾つかの位置に対して、前記導電性リード線を通して閾値計測電流を前記試験 プローブに加え、前記筋肉組織に刺激を加える工程と、 前記位置の各々について、前記筋肉組織が前記刺激に反応する閾値電流の計測 を行う工程と、 前記幾つかの位置のうち、最適の筋肉閾値反応を示す位置を決定し、この位置 を、前記刺激電極を永久的に移植するための最適の位置と同定する工程と、 を有する、刺激電極位置決定方法。 ２．前記試験プローブは、前記刺激電極の移植を容易にするため、前記刺激電 極の先端に連結された縫合針で構成されている、請求項１に記載の方法。 ３．前記試験プローブは、前記筋肉組織の表面に対し、この表面を完全に穿通 することなく、導電関係で適用される、請求項１に記載の方法。 ４．前記試験プローブは、前記筋肉組織の表面を完全に穿通する、請求項１に 記載の方法。 ５．更に、前記試験プローブに接続された導線を切断する工程と、決定された 最適の位置で移植電極を前記筋肉組織に挿入する工程とを有する、請求項１に記 載の方法。 ６．前記試験プローブは、前記筋肉組織の表面に対し、この表面を完全に穿通 することなく、導電関係で適用される、請求項２に記載の方法。 ７．前記試験プローブは、前記筋肉組織の表面を完全に穿通する、請求項２に 記載の方法。 ８．更に、前記試験プローブに接続された導線を切断する工程と、決定された 最適の位置で移植電極を前記筋肉組織に挿入する工程とを有する、請求項２に記 載の方法。 ９．刺激電極の最適の筋肉組織挿入位置を決定するための刺激電極位置決定装 置において、 筋肉組織の刺激されるべき選択された部分に電気的に接触する試験プローブを と、 前記試験プローブに接続された導電性リード線と、 前記導電性リード線を通して閾値計測電流を前記試験プローブに加え、前記筋 肉組織を幾つかの位置で刺激するための手段と、 前記位置の各々で、前記筋肉組織が前記刺激に反応する閾値電流の計測を行う ための手段とを有し、 移植者は前記幾つかの位置のうち最適の筋肉閾値反応を示す位置を決定でき、 この位置を前記刺激電極を永久的に移植するための最適の位置と同定するように 構成された、刺激電極位置決定装置。 １０．前記試験プローブは、前記刺激電極の移植を容易にするため、前記刺激電 極の先端に連結された縫合針である、請求項９に記載の装置。 １１．前記縫合針は、電流を変化させずに針を把持するため、その外面に絶縁コ ーティングを有し、前記絶縁コーティングは、針の鋭い先端部分に対して間隔を おいた関係で終端する、請求項１０に記載の装置。 １２．前記絶縁コーティングはポリウレタン接着剤からなる、請求項１１に記載 の装置。 １３．更に、前記試験プローブと前記刺激電極との間に連結された吸収性材料で できた縫糸を有する、請求項９に記載の装置。 １４．更に、前記縫合針と前記刺激電極との間に連結された吸収性材料でできた 縫糸を有する、請求項１０に記載の装置。 １５．前記縫合針は、電流を変化させずに針を把持するため、その外面に絶縁コ ーティングを有し、前記絶縁コーティングは、針の鋭い先端部分に対して間隔を おいた関係で終端する、請求項１４に記載の装置。 １６．前記絶縁コーティングはポリウレタン接着剤からなる、請求項１５に記載 の装置。 １７．刺激電極と、 前記刺激電極に接続された試験プローブと、 前記試験プローブに電気的に接続された導電性リード線と、 を有する刺激装置。 １８．前記試験プローブは前記刺激電極の先端に連結された縫合針である、請求 項１７に記載の刺激装置。 １９．前記縫合針はその外面に絶縁コーティングを有し、前記絶縁コーティング は針の鋭い先端部分に対して間隔をおいた関係で終端する、請求項１８に記載の 刺激装置。 ２０．前記絶縁コーティングはポリウレタン接着剤からなる、請求項１９に記載 の刺激装置。 ２１．更に、前記試験プローブと前記刺激電極との間に連結された吸収性材料で できた縫糸を有する、請求項１７に記載の刺激装置。 ２２．更に、前記縫合針と前記刺激電極との間に連結された吸収性材料でできた 縫糸を有する、請求項１８に記載の刺激装置。 ２３．前記縫合針はその外面に絶縁コーティングを有し、前記絶縁コーティング は針の鋭い先端部分に対して間隔をおいた関係で終端する、請求項２２に記載の 刺激装置。 ２４．前記絶縁コーティングはポリウレタン接着剤からなる、請求項２３に記載 の刺激装置。