JPH08507621A - 二次的被覆ライン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 光ファイバ又は光ファイバ束（２）を供給する供給ロール（１）を備える供給装置と、標準よりも大きい二次的ジャケットをファイバ又はファイバ束（２）の周りで押し出す押出し機（３）と、押し出された二次的ジャケットを冷却する冷却装置（４）とを備え、該冷却装置が冷却を開始する箇所と押出し成形機（３）との間の距離が調節可能であり、二次的に被覆された完成ファイバ又はファイバ束（６）を巻取りロール（７）に巻き取る巻き取り装置（５）を備えることを特徴とする、二次的に被覆された光ファイバ又はファイバ束（６）を製造する二次的被覆ラインである。ライン速度が変化する場合でも、完成製品の高品質を保つため、本発明の二次的被覆ラインは、冷却装置（４）が冷却を開始する箇所を設定する手段（８）と、二次的に被覆された完成ファイバ又はファイバ束（６）の速度を設定する手段（９）と、二次的に被覆された完成ファイバ又はファイバ束（６）の速度に従って、冷却装置（４）が冷却を開始する箇所を調節する手段（１１、８）とを更に備えている。

Description

【発明の詳細な説明】 二次的被覆ライン 本発明は、光ファイバ又はファイバ束を供給する供給ロールを備える供給装置 と、標準よりも大きいファイバ又はファイバ束の周りで二次的ジャケットを押し 出す押出し機と、押し出された二次的ジャケットを冷却する冷却装置とを備え、 該冷却装置が冷却を開始する箇所と押出し機との間の距離が調節可能であり、ま た、二次的に被覆された完成ファイバ又はファイバ束を巻取りロールに巻き取る 巻き取り装置を備える、二次的に被覆された光ファイバ又はファイバ束を製造す る二次的被覆ラインに関する。 斯かる基本的構造の従来の二次的被覆ラインは、例えば、フィンランド国特許 第７５９３９号またはその対応の英国特願第２１４１５５７号の明細書から公知 である。従来、このような二次的被覆ラインの制御は、そのラインの始動及び加 速中に製造される製品が品質基準に適合しなくなるような方法で行われていた。 その理由は、ライン速度が変化すると、付与される二次的被覆の特徴も変化し、 又、二次的被覆は、通常の作動速度に達する迄、その所望の値とならないためで ある。このため、高価な光ファイバがかなり大量に無駄になっている。 また、光ファイバは、その製造速度に達する迄、二次的ジャケットにより提供 される管内に進まない。プラスチックの屑が発生したり、光ファイバが二次的ジ ャケット内に進むのに十分に遅い速度となるように、製造速度を調節しなければ ならなかった。 通常の運転速度よりも遅い速度で光ファイバを二次的ジャケット内に進めると き、少なくともその速度では冷却装置と押出し機との間の距離が不適当であると いうことを主たる理由として、製品の品質が低下する。実際には、プレスヘッド から出た溶融プラスチックは、そのプレスヘッドの後方に円錐形部分を形成し、 この円形部分にて、二次的ジャケット管を押し出して、その最終寸法にする。こ の円錐形部分で冷却装置内に伝達された水による冷却が開始されるならば、その 結果、弱い管、即ち、引張り試験における引張り強度が小さい管が形成される。 他方、プレスヘッドと水冷却部分との距離が長過ぎると、高温のプラスチックは 流れ出て、形状が不良となり、又、直径が変化する。ライン速度が増すに伴い、 プレスヘッドの後方の張力円錐形部分はより大きくなる。また、ライン速度を適 正に調節すれば、品質基準に適合した二次的ジャケットの寸法とすることが可能 となる。 また、二次的被覆において、二次的ジャケットを形成するプラスチックの種類 も考慮しなければならない。異なるプラスチックは、特徴が異なるから、これら プラスチックは押出し機内での挙動が異なり、このため、溶融プラスチックも異 なる挙動を呈し、所望の寸法とするためには、ラインの速度が適正でなければな らない。 本発明の目的は、使用するプラスチックの種類、ライン速度、又は製造工程中 に制御されるライン速度の変動に関係なく、二次的に被覆された光ファイバ又は ファイバ束の品質が保たれるようにする、新規な型式の二次的被覆ラインを提供 することである。これは、冷却装置が冷却を開始する箇所を設定する手段と、二 次的に被覆された完成ファイバ又はファイバ束の速度を設定する手段と、二次的 に被覆された完成ファイバ又はファイバ束の速度に従い冷却装置が冷却を開始す る箇所を調節する手段と、を備えることを特徴とする、本発明の二次的被覆ライ ンにより実現される。 このように、冷却が開始される箇所がライン速度に従って調節されるならば、 ライン速度に関係なく、常に品質基準に適合した完成製品となるということが本 発明の基本的な思想である。冷却装置が冷却を開始する箇所を調節する手段は、 二次的に被覆された完成ファイバ又はファイバ束の各種の速度にて冷却装置が冷 却工程を開始する所望の箇所に関する、二次的ジャケットに関する製品特有のデ ータを記憶する第一の記憶手段を備えることが有利である。また、試験運転中に 得られた情報に基づいて、使用されるプラスチックの種類、及び完成製品の所望 の寸法に基づいて、所望の特性の製品を得るための条件を設定することが可能と なる。故に、製品の仕様に基き、ラインの速度が既知であれば、冷却を開始すべ き箇所を設定することが可能となる。 製品の品質に影響を与える全ての可能な因子が制御可能であるように、本発明 の二次的被覆ラインは、また、押出し機の加圧スクリューの異なる回転速度にお ける押出し機の生産量に関する二次的ジャケットの製品特有のデータを記憶する 第二の記憶手段と、二次的に被覆された完成ファイバ又はファイバ束の各種の速 度にて所望の生産量の生産を行い得るように押出し機の加圧スクリューの回転速 度を調節する手段とを備えることが有利である。これにより、押出し機の非直線 状の作動状態を考慮に入れ、また、その作動状態の影響を解消することが可能と なる。 上記に従い、本発明の二次的被覆ラインは、製品の品質を損なうことなく、ラ イン速度を遅くし、また、速くすることが可能である。この特徴を最も良く利用 するため、該被覆ラインは二次的に被覆されて巻取りロールに巻かれた完成ファ イバ又はファイバ束の長さを設定する手段と、所望の長さが巻き取られたとき、 二次的に被覆された完成ファイバ又はファイバ束の速度をロールの交換速度まで 遅くすると共に、ロールの交換後、そのファイバ速度をその通常の速度まで加速 する手段とを更に備えている。 以下の説明において、本発明による二次的被覆ライン全体を概略図で示す添付 図面を参照しつつ、本発明の二次的被覆ラインについて更に詳細に説明する。 該図面は、本発明による二次的被覆ラインを示すが、簡略化のため、機能上重 要である、二次的被覆ラインの要素しか示していない。簡略化のため、選択的に 二次的被覆ラインに設けることの出来る要素は図示せず、第二のジャケットに所 望の引張り力を加える張力装置、又は押出し機を通じて二次的ジャケットにグリ ースを供給して該ジャケットに充填し得るように押出し機に接続された装置、又 は、例えば寸法を測定する各種の測定装置等は省略してある。この型式の従来の ライン要素は、例えば、上記フィンランド国特許第75,939号及びそれに対応する 英国特許出願第2,141,557号の明細書に開示されている。 図面に示した本発明の二次的被覆ラインは、主に、光ファイバ又はファイバ束 ２を供給する供給ロール１を備える供給装置と、標準よりも大きい二次的ジャッ ケットを光ファイバ又はファイバ束２の周りで押し出す押出し機３と、押し出し た二次的ジャケットを冷却する冷却装置４と、二次的に被覆された完成ファイバ 又はファイバ束６を巻取りロール７に巻き取る、巻き取り装置５とを備える。図 示するように、本発明による二次的被覆ラインは、記憶領域を含む制御コンピュ ータ１０と、各種の機能を果たすプロセッサとを更に備えている。制御コンピュ ータ１０は、各種のライン速度において、冷却装置４が冷却を開始する箇所が記 憶された、記憶領域１１を備える。制御コンピュータ１０のブロック１５は、例 えば、巻き取り装置５に接続されたホイール９から、ライン速度を示すデータを 入手する。勿論、この目的には、ライン速度を測定するあらゆる従来の機構が適 している。測定したライン速度及び記憶領域１１内の「製法特有の」データに基 づいて、制御コンピュータ１０のアクチュエータ８は、冷却装置４に接続された 冷却シュート１７を制御し、また、例えば、入り子式構造体を備え、冷却シュー ト１７と押出し機３との間の距離を所望通りに設定出来る。このように、押し出 した二次的ジャケットの張力円錐体の長さに関係なく、該二次的ジャケットの冷 却状態を一定に保つことが出来る一方、その長さは、完成製品の所望の寸法、二 次的ジャケットの材料及びライン速度に基づいて決まる。 冷却シュートの入り子式部分１７の位置を制御するためには、制御コンピュー タ１０は、当然、その入り子式部分の現在の位置、即ち、冷却が開始される箇所 に関する情報を必要とする。該制御コンピュータ１０は、アクチュエータ８に接 続された従来のセンサによりこの情報を入手する。冷却が開始される箇所及びラ イン速度の双方に基づいて、また各種のライン速度にて冷却装置の冷却作用が開 始される、二次的ジャケットの製品特有の箇所に関して記憶手段１１に記憶され たデータを使用して、制御コンピュータ１０は、アクチュエータ８に対し入り子 式部分１７を所望の方向に動かす信号を与えることが出来る。該アクチュエータ ８は、連続的な感知作用を行うため、制御コンピュータには不断に入り子式部分 の位置に関する情報が与えられ、従って、制御コンピュータは、そのライン速度 に従ってその入り子式部分の位置を不断に修正することが出来る。この修正は、 極めて迅速に行うことが出来るから、そのラインを極めて低速度で始動させるこ とが可能であり、また、この速度のときでも、製品に設定された品質基準に適合 することが出来、また、製品の品質を損なうことなく、所望の速度に達する迄、 ラインを加速することも可能である。 本発明の二次的被覆ラインにおいて、押出し機の作動は非直線状であることを 考慮することが可能である。従って、制御コンピュータ１０は、押出し機の加圧 スクリューの異なる回転速度における押出し機の生産量に関する製品特有の二次 的被覆のデータを記憶する、第二の記憶領域又は記憶手段１２を備えている。押 出し機３の生産量が異なるライン速度に適合するようにするため、制御コンピュ ータ１０は、ライン速度に関するデータを受け取った後、各種のライン速度のと き、この加圧スクリューの回転速度を所望の値に製品毎に設定する制御信号をア クチュエータ１３に提供し、このアクチュエータが押出し機の加圧スクリューの 回転速度を調節するようにする、適当なソフトウェアを備えている。この押出し 機の非直線性を矯正する結果、特に、ライン速度が比較的広い範囲で変化する状 況のとき、ラインの運転状態が更に向上される。 また、本発明による二次的被覆ラインの特徴、即ち、ライン速度に関係なく品 質基準に合った完成製品を製造することが出来るラインであることは、また、連 続的運転を可能にする点で有利である。ロールを交換するためにラインを停上す る必要がないから、従来の二重巻き取り装置に代えて、ラインには、この場合、 遥かに低廉な単一の巻き取り装置を設けることが出来る。従って、上述のライン の巻き取り装置５は、典型的に、巻取りロール７に巻き取った二次的被覆ライン の完成製品の長さを測定する独立的な製造ラインのアクチュエータである、アク チュエータ１４を備えている。巻き取り長さを表示するデータは、制御コンピュ ータのブロック１６に送られる。ブロック内に含めたプログラムにより、また、 所望の長さが巻き取られたとき、コンピュータ１０のその他の記憶領域及びプロ セッサを利用して、二次的被覆ラインの速度をロールの交換速度まで遅くし、ま た、ロールの交換後に通常の速度に加速することが出来る。本発明によれば、巻 取りロールに巻き取った製品の長さが所望の長さに達したとき、アキュムレータ が無い場合でも、所望であれば、制御コンピュータ１０のブロック１６は、巻取 りロール７を単一の巻き取り装置内で交換し得る速度までライン速度を遅くする ことが出来る。巻取りロールを交換したならば、ブロック１６は、ライン速度を 通常の運転速度迄、制御可能に加速する。ロールを交換するとき、又はこれに伴 い速度を変化させるとき、製造工程が妨害されたり、製品の品質が損なわれるこ とは無い。 本発明の二次的被覆ラインは、一例として且つ概ねの解決手段として説明した が、このラインは、必要に応じて多くの点で変更を加えることが可能であり、ま た、請求の範囲の記載内容から逸脱せずに追加の要素を加えることが可能である ことを理解すべきである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ)，ＡＭ， ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，Ｃ Ｎ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ， ＬＲ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ，Ｎ Ｌ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．二次的に被覆された光ファイバ又はファイバ束（６）を製造する二次的被 覆ラインにして、 光ファイバ又はファイバ束（２）を供給する供給ロール（１）を備える供給装 置と、 標準よりも大きい二次的ジャケットを前記ファイバ又はファイバ束（２）の周 囲に押し出す押出し機（３）と、 前記押し出された二次的ジャケットを冷却する冷却装置（４）とを備え、該冷 却装置が冷却を開始する箇所と前記押出し機（３）との間の距離が調節可能であ り、 二次的に被覆された完成ファイバ又はファイバ束（６）を巻き取りロール（７ ）に巻き取る巻き取り装置（５）を備え、 前記冷却装置（４）が冷却を開始する箇所を設定する手段（８）と、 二次的に被覆された完成ファイバ又はファイバ束（６）の速度を設定する手段 （９）と、 二次的に被覆された完成ファイバ又はファイバ束（６）の速度に従って、前記 冷却装置（４）が冷却を開始する箇所を調節する手段（１１、８）とを具備する ことを特徴とする二次的被覆ライン。 ２．請求の範囲第１項に記載の二次的被覆ラインにして、前記冷却装置が冷却 を開始する箇所を調節する前記手段が、 二次的に被覆された完成ファイバ又はファイバ束（６）の各種の速度にて前記 冷却装置（４）の冷却作用を開始する所望の箇所に関する、二次的ジャケットの 製品特有のデータを記憶する第一の記憶手段（１１）を備えることを特徴とする 二次的被覆ライン。 ３．請求の範囲第１項又は第２項に記載の二次的被覆ラインにして、前記押出 し機の加圧スクリューの異なる回転速度における前記押出し機（３）の生産量に 関する二次的ジャケットの製品特有のデータを記憶する第二の記憶手段（１２） と、 二次的に被覆された完成ファイバ又はファイバ束（６）の各種の速度にて所望 の生産量を実現し得るように前記押出し機の加圧スクリューの回転速度を調節す る手段（１２、１３）とを更に備えることを特徴とする二次的被覆ライン。 ４．請求の範囲第１項乃至第３項の何れかの項に記載の二次的被覆ラインにし て、二次的に被覆されて前記巻取りロールに巻かれた、完成ファイバ又はファイ バ束（６）の長さを設定する手段（１４）と、 所望の長さが巻き取られたとき、二次的に被覆された前記完成ファイバ又はフ ァイバ束（６）の速度をロール交換速度まで減速し、また、ロールの交換後、該 ファイバの速度を加速して通常の速度に戻す手段（１６、９）とを更に備えるこ とを特徴とする二次的被覆ライン。