JPH08507283A - 弗化水素の回収方法 - Google Patents
弗化水素の回収方法Info
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Abstract
(57)【要約】
弗化水素(HF)をHFと水及び/又は有機化合物(例えば134a、125又は133a)との混合物、好ましくは共沸混合物から回収する方法であって、前記混合物を弗化リチウム又はアルカリ土類金属弗化物と接触させて金属弗化物と弗化水素とから成る化合物すなわち金属弗化物−弗化水素・化合物(例えば、二弗化リチウムLiHF2)を生成させ、該化合物を分離し、次いで該化合物を分解させて該化合物から弗化水素を遊離させることからなる弗化水素を回収する方法。この方法は共沸混合物又は共沸混合物様混合物からHFを回収するのに有用である。
Description
【発明の詳細な説明】
弗化水素の回収方法
本発明は弗化水素の回収方法に関するものであり、特に弗化水素と水及び/又
は有機化合物との混合物から、特に弗化水素と水及び/又は有機化合物との共沸
混合物又は共沸混合物様混合物(near azeotropic mixture)から弗化水素を回
収(又は分離)する方法に関するものである。
工業においては、弗化水素と水との混合物が高腐食性であることや、多くの化
学プロセスにおける反応剤として湿潤弗化水素は一般に不適当であることから、
かかる弗化水素と水との混合物から実質的に無水の弗化水素を回収する必要があ
る。しかしながら、水に対する弗化水素の強い親和性や、室温及び周囲圧力(at
mospheric pressure)において多量の弗化水素例えば約38重量%の弗化水素を含
有する共沸混合物又は共沸混合物様混合物(azeotropic-like mixture)を形成
することから、弗化水素を乾燥すること、すなわち弗化水素と水との混合物から
実質的に無水の弗化水素を回収することは極めて困難である。
また、工業においては、弗化水素と有機化合物との混合物から、例えば弗化水
素又は他の弗素化剤を使用する含弗素化合物の製造方法に由来する製品流、副生
物流及び再循環流から弗化水素を分離し、回収する必要がある。有機化合物の沸
点が弗化水素の沸点に近い場合及び/又は有機化合物が弗化水素と共沸混合物又
は共沸混合物様混合物を形成する場合には、かかる分離は困難であり得る。上記
の問題の例は、1,1,1,2-テトラフルオロエタンすなわちHFA 134aから該化合
物の精製中に弗化水素を除去し、回収することである。HFA 134aは弗化水素と25
℃、周囲圧力(1.0バール)において弗化水素/HFA 134aがモル比1:3の組成
をもつ共沸混合物を形成する。分離の問題を有する共沸混合物の別の例は、25℃
、1バールにおい
てモル比1:9の弗化水素/ペンタフルオロエタン(HFA 125)及び25℃、1バ
ールにおいてモル比1.7:1の弗化水素/クロロ-1,1,1-トリフルオロエタン
(HCFC 133a)である。
本発明によれば、弗化水素と水及び/又は有機化合物との混合物から弗化水素
を回収する方法であって、前記混合物を弗化リチウム及びアルカリ土類金属弗化
物の中から選択される本質的に不溶性の金属弗化物と接触させ、生成した金属弗
化物と弗化水素からなる化合物すなわち金属弗化物−弗化水素・化合物(a meta
l fluoride−hydrogen fluoride compound)を弗化水素が減少した(depleted i
n hydrogen fluoride)水性相又は有機相から分離し、次いで得られた金属弗化
物−弗化水素・化合物を分解させて該化合物から弗化水素を遊離させることから
なる、弗化水素と水及び/又は有機化合物との混合物から弗化水素を回収する方
法が提供される。
前記の弗化水素と水及び/又は有機化合物との混合物は、通常は共沸混合物又
は共沸混合物様混合物である。
前記の金属弗化物は前記混合物又はその各成分に本質的に不溶性であるべきで
ある。前記混合物が水を含有する場合には、金属弗化物は本質的に水不溶性であ
るべきである。
前記の金属弗化物−弗化水素・化合物の分解は多くの方法で行い得、例えば該
化合物を弗化水素の遊離と本発明の方法で再使用される出発原料である前記金属
弗化物の(再)形成とを伴いながら熱分解を生じる温度に加熱することによって
行い得る。前記の金属弗化物−弗化水素・化合物は一般に熱不安定性物質であっ
て、低い温度(すなわち100℃未満)で一般的にきわめて遅いとはいえ(albeit
generally only slowly)弗化水素を遊離しながら分解する物質である。特定の
温度における分解の速度は、減圧下で操作することによって及び/又は弗化水素
が遊離されるのに従って前記化合物の近傍から弗化水素を除去することによって
(例えば、前記化合物上にキ
ャリアガスを通送するか、あるいは水又は弗化水素が溶解する別の媒体に前記化
合物を加えることによって)増大させ得るが、本発明者らは前記化合物を加熱し
て分解の速度を実際に許容し得る速度まで増大させる方を好む。前記の化合物を
加熱する温度は、使用する特定の金属弗化物に左右されるが、100℃よりも高い
温度、特には120℃よりも高い温度であるのが好ましい。しかしながら、特定の
金属弗化物−弗化水素・化合物に適した温度は簡単な常用実験によって容易に決
定される。
前記化合物を100℃よりも高い温度に加熱して熱分解を行うことが好ましいこ
とから、前記化合物を加熱する前に該化合物を乾燥すること及び/又は有機化合
物の1種又は複数を除去することを必要としないものであり得る。弗化水素を該
化合物から遊離させる前に、初期の加熱工程中に前記化合物から蒸発する水及び
/又は有機化合物を集め別々に除去し得る。所望ならば、加熱工程は2つの別々
の工程、すなわち第一の工程であって比較的低い温度の主として乾燥工程と、第
二の工程であって第一の工程よりも高い温度の主として分解工程とから構成し得
る。
前記の金属弗化物−弗化水素・化合物の分解を行う別の方法は、少なくとも金
属弗化物が弗化リチウム(LiF)である(且つ前記の金属弗化物−弗化水素・化
合物が二弗化リチウムすなわちLiHF2である)場合には、該化合物を弗化水素と
水及び/又は有機化合物との混合物に該化合物が前記混合物中で生成する温度よ
りも高い温度で接触させることからなる。
例えば、分離される前記混合物が水性弗化水素である場合には、前記の金属弗
化物−弗化水素・化合物は該化合物を分離される水性混合物の新しい試料、すな
わち水性弗化水素に、該化合物が水性弗化水素中で形成される温度よりも高い温
度で接触させることによって分解し得る。同様に、分離される前記混合物が弗化
水素と有機化
合物とからなる場合には、分離される混合物の新しい試料とのさらに高い温度に
おける接触を使用して該化合物の分解を行い得る。金属弗化物−弗化水素・化合
物の分解中に使用される混合物は、該化合物を生成する混合物と同じである必要
はないが、実用上は前記混合物は同じ混合物であるのが通常である。
本発明の方法のこの態様は液状弗化水素/水の混合物を処理するのに特に有用
であり、しかもこの場合には、(a)弗化水素と水との混合物を第一の温度で金
属弗化物と接触させ、(b)生成した金属弗化物−弗化水素・混合物を弗化水素
が減少した液相から分離し、(c)分離した金属弗化物−弗化水素・化合物を弗
化水素と水との混合物と第一の温度よりも高い第二の温度で接触させて該化合物
を分解させ且つ弗化水素を遊離させ、次いで(d)生成した金属弗化物を弗化水
素に富んだ液相から分離することからなる。
前記の態様の工程(a)と工程(c)の両方で使用される弗化水素と水との混合
物は、共沸混合物又は共沸混合物様混合物であるのが好ましい。このようにして
、工程(b)で分離される液相は共沸混合物に比べて弗化水素が少なくなってお
り、工程(d)で分離される液相は共沸混合物に比べて弗化水素に富んでいる。
工程(b)由来のHFの少ない混合物(HF-deficient mixture)の単蒸留は共沸混
合物の形成と遊離の水(free water)の除去とをもたらすが、これに対して、工
程(d)由来のHFに富む混合物の蒸留は共沸混合物の形成と遊離の弗化水素の除
去とをもたらす。従って、本発明の方法の総体的な効果は水と弗化水素の分離、
すなわち共沸混合物から弗化水素を回収することである。前記の蒸留工程で形成
された共沸混合物は本発明の方法に再循環させ得る。
前記混合物を金属弗化物と接触させて前記化合物を形成させる温度は、金属弗
化物−弗化水素・混合物の分解よりもむしろこの化合物の形成に好ましいような
温度であり、一般的には約35℃よりも低
いものである。一般に、この温度を下げると、前記化合物を形成する傾向が大き
くなるが、少なくとも水性混合物の場合には、該温度が低下するのにつれてこれ
はさらに低い質量拡散効果(mass difusional effects)と該化合物の形成速度
とに釣り合わせることを必要とする。金属弗化物−弗化水素・化合物を形成させ
るために示される温度指針は該化合物の分解に用いられる方法には関係がないこ
とが理解されるであろう。
金属弗化物と接触させる混合物は、接触が行われる温度及び圧力において該混
合物の標準的な相(normal phase)に応じて液相又は気相の状態にあり得る。一
般に、低い方の温度は金属弗化物−弗化水素・化合物の形成に都合が良く、これ
に対して高い方の温度は該化合物の分解に都合が良いことから、接触は水性弗化
水素混合物が液相状態にあるのが通常であり、これに対して低沸点有機化合物と
弗化水素との混合物が気相状態にあるような低い温度で行われる。しかしながら
、前記混合物の相(phase)は臨界的ではない。その理由は、金属弗化物が液相
又は気相から弗化水素を除去するからである。
工程(c)で金属弗化物−弗化水素・化合物を分解させる温度は、約35℃より
も高い温度であるのが好ましく、特に80℃よりも高い温度である、すなわち分解
が行われる液相の沸点までの温度である。所望ならば、工程(c)は還流条件下
で行ってもよく、それによって工程(c)と工程(d)とを組合わせ、しかも別の
(separate)蒸留工程(d)が不要になる。
本発明の方法又はその工程は周囲圧力で、あるいは減圧又は過圧(superatmos
pheric pressure)で操作し得る。
金属弗化物は弗化リチウム及びアルカリ土類金属弗化物の中から選択される。
金属弗化物はそれが前記混合物(例えば水)と接触する全ての温度において、具
体的には特に前記混合物が水を含有する場合には0℃から100℃までの温度にお
いて前記混合物に(例えば
水に)本質的に不溶性である。理想的には、金属弗化物は前記混合物に完全に不
溶性であるべきではあるが、若干の溶解性が許容し得、例えば最大で約5重量%
まで許容し得ることが理解されるべきである。また、金属弗化物−弗化水素・化
合物も前記混合物に完全に不溶性であることが好ましいが、これもまた若干の溶
解性が許容し得る。
金属弗化物との一回の接触で前記混合物から抽出される弗化水素の割合は、用
いられる特定の金属弗化物と、該金属弗化物の量と、前記混合物を金属弗化物と
接触状態に維持する時間とにb左右される。一般的に、金属弗化物の量を増やし
且つ接触時間を長くすると、両者は前記混合物から抽出される弗化水素の割合を
増大させるであろう。しかしながら、実用上は、接触当たり弗化水素回収率と、
使用する金属弗化物の量と、接触時間との間に歩み寄りを得る(strike a compr
omise)必要があり得、しかも本発明の方法は通常は理論的に達成し得る接触当
たり弗化水素回収率よりも小さい接触当たり弗化水素回収率を達成するべく操作
されるであろう。前記混合物中に残存する弗化水素すなわち抽出されない弗化水
素が本発明の方法に再循環し得るので弗化水素の実質的に全部の回収が結局は達
成されることから、この状況が許容し得ることが理解されるであろう。
前記の理由(consideration)に照らして且つ指針として、金属弗化物の量の
みは処理される混合物中の弗化水素に基づいてほぼ当モルであるのが通常であり
、しかも接触時間は通常は約5分〜約2時間である。
本発明の方法は、弗化水素と種々様々な有機化合物との混合物から弗化水素を
回収/分離するのに有用であるが、有機化合物が弗化水素と共沸混合物又は共沸
混合物様混合物を形成する場合には特に有用である。通常は、前記混合物は弗素
化方法、例えば弗素化剤として弗化水素を用いて弗素原子を1個又はそれ以上含
有する製品を
製造する方法に由来する製品流、副生成物流又は再循環流である。有機化合物は
通常は弗素原子を1個又はそれ以上含有し、しかもその他にさらに別のハロゲン
原子、特に塩素原子を1個又はそれ以上含有していてもよい。本発明の方法によ
って弗化水素を回収/分離し得る有機化合物の例は1,1,1,2-テトラフルオロ
エタン(HFA 134a)、1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFA 134)、ペンタ
フルオロエタン(HFA 125)及びクロロ-1,1,1-トリフルオロエタン(HCFC 13
3a)である。
下記の実施例により本発明を例証するがそれにによって限定されるものではな
い。
実施例1
弗化水素と水との共沸混合物〔0.57モルの弗化水素を含有する38重量(w/w)
%混合物〕を、当モル量の弗化リチウム超純粋粉末(0.57モル)に撹拌しながら
0℃で加えた。何回も時間を置いて水性相の試料を採取し、分析してその弗化水
素濃度を測定した。
時間(分) HF濃度(重量%)
0 38
20 35
45 33
120 33
これらの結果は、弗化水素が水性相から抽出され、水性相が水に富むようにな
り、しかも弗化水素が蒸留されて遊離水を除去し得たことが示される。
次いで、別量の共沸混合物(0.28モルの弗化水素を含有する)を前記混合物に
加えた。255分後には、水性相中の弗化水素の濃度は28.2重量%と測定された。
実施例2
実施例1の弗化リチウム粉末(15.1g)を弗化水素と水との38重量%共沸混合
物(30g)に加え、この混合物を室温(約23℃)で48時間撹拌した。次いでこの
混合物を0℃まで冷却し、0℃で50分間保持した。水性相中の弗化水素の濃度は
33.5重量%と測定された。
次いで、混合物を55℃に加温し、55℃で4時間保持した。
水性相中の弗化水素の濃度は37.5重量%と測定された。
これらの結果は、0℃で弗化リチウムにより共沸混合物から弗化水素が抽出さ
れたこと及び混合物を55℃に加熱すると0℃で抽出されてしまった弗化水素の大
部分が再生されることを示している。
実施例3
実施例1の弗化リチウム粉末(7.8g)を弗化水素酸(15ml)に加え、得られた
スラリーを50分間撹拌した。以下に示した時間間隔でスラリーを沈降させ、上澄
み母液の試料を分析のために取り出し、その後に撹拌を開始した。分析の結果を
以下に示す。
時間(分) HF濃度(重量%)
0 43.4
10 37.0
25 35.8
50 35.8
実施例4
弗化リチウムによるHF抽出に対する温度変化の影響を調べた。弗化リチウム粉
末(4.3g)を38重量%のHFと水との共沸混合物(22.5g)に加え、所定の温度で1
80分間撹拌した。得られた混合物を濾過した後に水性相の濃度を測定した。
実験は0℃、22℃、48℃及び80℃で行った。最終的HF濃度をHF転化率%と共に
以下に示した。
これらの結果は、温度が高ければ高いほど、LiFによって抽出されるHFの量が
少ないことを例証している。温度に対するHF転化率%のグラフの外挿法によれば
112℃では正味のHFの取り込みが全くない、すなわち転化率0%であることを示
しており−これは交差(crossover)温度として知られており、その温度よりも
低い温度では弗化リチウムによるHFの正味の取り込みがあり、且つその温度より
も高い温度では二弗化リチウムからHFの正味の遊離がある温度として定義し得る
。
実施例5
本実施例はHFに対するLiFのモル比を変化させることによる弗化リチウム(LiF
)転化率とHF転化率とに対する影響を例証するものである。HFと水との共沸混合
物(22.5g)に所定量のLiFを加え、次いで室温(約22℃)で少なくとも12時間撹
拌して平衡が系内で達成されるのを確実にした。得られた結果を以下の表に示し
、表には平衡HF濃度の変化も示した。得られた結果から、系内に到達すべき極限
値を可能にするのに十分な量のHFが系内に存在すると、所定の温度では平衡HF濃
度は最終的に極限値(室温で32.2重量%)に達すると結論を下し得る。
実施例6
本実施例は、HFとLiFとに関連する予備反応から得られる二弗化リチウムからH
Fを回収できることを例証するものである。使用した水性HFの濃度は33.5重量%
であった。予備実験では、出発HF濃度を下げることによって、温度であってそれ
よりも高い温度ではHFを回収できる温度が低下することが明らかにされた。
33.5重量%のHF/水・混合物(55.78g)にLiF(10.1g)を加え、0℃で180分
間撹拌した。混合物を濾過した後に、濾液中のHF濃度が30.2重量%(HFが10%ロ
ス)であることが認められた。残留物を33.5%HFで洗浄した(3×10ml)。33.5
重量%のHF/水・混合物(27.88g)に湿潤弗化リチウム/二弗化リチウムの混合
物の一部(10.5g)を加え、80℃で180分間撹拌した。濾過後に、濾液は39.7重量
(%)のHF濃度(HFが7%増量)を有することが認められた。
実施例7
本実施例は、HFと1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)との混合物から
HFの分離を例証するものである。室温で固体LiF10gの中にガス状HF/134aの5:
4(モル比)の混合物を通し、出口ガスをKOH溶液で洗浄した。−10℃に維持し
たHF容器の上部空間に134aを20ml/分で通送することによって混合物を生成させ
、それをLiFに25分間通送した。スクラバー母液の分析により、上記混合物中のH
FがHF/134aのモル比1:5まで83%減少した〔これは共沸混合物の組成(25℃
、1.0バールでHF/134aが1:3)よりも著しく低い〕ことが
示された。すなわち、実験はLiFを使用して共沸混合物を分け(split)得ること
を例証している。
前記の反応で生成した二弗化リチウムを200℃に加熱すると、吸着されたHF全
部の回収が可能になった。
実施例8
本実施例はHFとペンタフルオロエタン(125)との混合物からのHFの分離を例
証するものである。
実施例7に記載の方法を使用して、18ml/分の125流量と−20℃のHF温度とを
使用してHF/125が1:5(モル比)の混合物を製造した。得られた1:5の混合
物を14.2ml/分の流量で反応管中のLiF7gに室温で7時間通送した。得られたス
クラバー母液を分析すると、LiF反応器からの出口ガス中のHF/125モル比は1:2
5であり、85%のHFの減少に相当すると測定された。LiFはこの混合物のHF含有量
を共沸混合物(HF/125モル比が1:9)のHF含有量より少ない含有量まで低下さ
せた。
実施例9
本実施例はHFとクロロ-1,1,1-トリフルオロエタン(133a)との混合物から
のHFの分離を例証するものである。
実施例7に記載の方法を使用して、8ml/分の133a流量と10℃のHF温度とを使
用してHF/133aが1.8:1(モル比)の混合物を製造した。得られた1.8:1の混
合物を反応管中のLiF 4.8gに室温で40分間通送した。得られたスクラバー母液を
分析すると、LiF反応器からの出口ガス中のHF/133aモル比が1:8を示し、93
%のHFの減少に相当することが示された。LiFはこの混合物のHF含有量を共沸混
合物(HF/133aモル比が1.7:1)のHF含有量より少ない含有量まで低下させた
。
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フロントページの続き
(72)発明者 アレン,ジヨン,グラーム
イギリス国 ウオリングトン ダブリユエ
イ4 6ユージイ.ムーア,リンドフイー
ルド クロス,49
(72)発明者 シヨエルゼル,ヘレン,マリー
イギリス国 ランカシヤー ダブリユエヌ
7 4ユーエツチ.ライ.ミツチエル ス
トリート 17
(72)発明者 パイロツテイ,マシミノ,ユーゴー
イギリス国 チエシヤー ダブリユエイ7
9ビイエヌ.ウイドネス,ヒルビユー
13
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.弗化水素と水及び/又は有機化合物との混合物から弗化水素を回収する方 法であって、前記混合物を弗化リチウム及びアルカリ土類金属弗化物の中から選 択される本質的に不溶性の金属弗化物と接触させて金属弗化物と弗化水素とから 成る化合物すなわち金属弗化物−弗化水素・化合物を形成させ、生成した金属弗 化物−弗化水素・化合物を弗化水素が減少した水性相又は有機相から分離し、次 いで得られた金属弗化物−弗化水素・化合物を分解させて該化合物から弗化水素 を遊離させることからなる、弗化水素と水及び/又は有機化合物との混合物から 弗化水素を回収する方法。 2.弗化水素と水及び/又は有機化合物との混合物が共沸混合物又は共沸混合 物様混合物である請求項1に記載の方法。 3.前記混合物が弗化水素と水との混合物である請求項1又は請求項2に記載 の方法。 4.前記の金属弗化物が本質的に水不溶性のものである請求項3に記載の方法 。 5.前記の金属弗化物が弗化リチウム(LiF)であり、前記の金属弗化物−弗 化水素・化合物が二弗化リチウム(LiHF2)である請求項1〜4のいずれか1項 に記載の方法。 6.前記混合物が弗化水素と水とから成るものであり且つ液相中で前記金属弗 化物と接触するものである前記請求項のいずれか1項に記載の方法。 7.前記混合物を35℃よりも低い温度で金属弗化物と接触させる前記請求項の いずれか1項に記載の方法。 8.前記の金属弗化物−弗化水素・化合物を加熱することによって分解させて 該化合物から弗化水素を遊離させる前記請求項のいずれか1項に記載の方法。 9.前記化合物を100℃よりも高い温度で加熱する請求項8に記 載の方法。 10.前記化合物を加熱して弗化水素と水及び/又は有機化合物との混合物中で 弗化水素を遊離させる請求項8又は請求項9に記載の方法。 11.前記混合物であってその中で前記化合物が加熱される混合物が共沸混合物 又は共沸混合物様混合物である請求項10に記載の方法。 12.前記の得られたHFに富む混合物を蒸留して該混合物から弗化水素を遊離さ せる請求項11記載の方法。 13.金属弗化物と接触させた結果として弗化水素が減少した混合物を蒸留して 水及び/又は有機化合物を遊離させる前記請求項のいずれか1項に記載の方法。 14.前記混合物の弗化水素含有量に基づいて当モル量の金属弗化物を用いる前 記請求項のいずれか1項に記載の方法。 15.前記混合物が水性混合物であり、(a)該混合物を金属弗化物と第一の温 度で接触させ、(b)生成した金属弗化物−弗化水素・混合物を弗化水素が減少 した液相から分離し、(c)分離した化合物を弗化水素と水との混合物と前記第 一の温度よりも高い第二の温度で接触させて該化合物を分解させ且つ該化合物か ら弗化水素を遊離させ、次いで(d)生成した金属弗化物を弗化水素に富んだ液 相から分離することからなる請求項10に記載の方法。 16.前記混合物が弗化水素と水との共沸混合物又は共沸混合物様混合物であり 且つ還流条件下で(c)工程において前記混合物を加熱することによって(c)工 程と(d)工程とを組み合わせる請求項15に記載の方法。 17.前記混合物が弗素原子を1個又はそれ以上含有する有機化合物を含有して なるものである請求項1、2、5及び7〜14のいずれか1項に記載の方法。 18.前記有機化合物が1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、ペ ンタフルオロエタン(125)及びクロロ-1,1,1-トリフルオロエタン(133a) の中から選択されるものである請求項17に記載の方法。 19.前記混合物を金属弗化物と気相中で接触させる請求項17又は請求項18に記 載の方法。
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