JPH08506592A - 3−o−脱アシル化モノホスホリル脂質A含有のインフルエンザワクチン組成物 - Google Patents

3−o−脱アシル化モノホスホリル脂質A含有のインフルエンザワクチン組成物

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JPH08506592A
JPH08506592A JP6518456A JP51845694A JPH08506592A JP H08506592 A JPH08506592 A JP H08506592A JP 6518456 A JP6518456 A JP 6518456A JP 51845694 A JP51845694 A JP 51845694A JP H08506592 A JPH08506592 A JP H08506592A
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ディロン,スーザン
ニシカワ,ヒロトシ
モンテ,ポール・ダル
ジュリック,ロバート・ジェイ
ギャルソン−ジョンソン,ナタリー・マリー−ジョセフ・クロード
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(57)【要約】 本発明は選択されたインフルエンザ抗原に対する防御応答の強化能を有するワクチン組成物であって、少なくとも抗原および3D−MPLを含有するワクチン組成物を、およびこれらの組成物を用いるインフルエンザに対する免疫応答の強化方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 3−o−脱アシル化モノホスホリル脂質A含有のインフルエンザワクチン組成物他の出願に対する相互参照 本出願は1993年2月19日に出願した係属中の米国特許出願第02153 5号の一部継続出願である。発明の分野 本発明はヒトにおけるインフルエンザ感染の予防に有用なワクチンに関する。発明の背景 インフルエンザウイルス感染症はヒト、ウマおよびニワトリにおいて急性呼吸 器疾患を、場合によっては汎発性的割合で起こす。インフルエンザウイルスはR NAウイルスのオルトミクソウイルス科に属し、したがって、2個の外部糖タン パクスパイク、赤血球凝集素(HA)およびノイラミニダーゼ(NA)、および 5個の内部タンパク質、核タンパク質、マトリックスタンパク質および3個のポ リメラーゼを有する直径80〜120ナノメーターの被殻で包まれたビリオンを 有する。インフルエンザウイルスRNAはまた感染細胞において産生されるが、 感染ビリオン中に結合しない非構造タンパク質(NS1およびNS2)をコード する。 3種のインフルエンザウイルス、A型、B型およびC型がヒトに感染する。A 型ウイルスは近代におけるヒト流行病の大部分の原因であるが、B型感染症の散 在的発生もある。公知のブタ、ウマおよびニワトリウイルスもほとんどA型であ るが、C型ウイルスもブタから単離されている。 ウイルスのうち、表面タンパク質HAおよびNAにおける遺伝的変化により、 H1N1、H2N2、およびH3N2で表わされる3種の重要な亜型がある。A 型において、亜型H1(「ブタインフルエンザ」)、H2(「アジアインフルエ ンザ」)およびH3(「ホンコンインフルエンザ」)がヒト感染症において主要 なものである。 インフルエンザウイルスは連続してその表面糖タンパク質が遺伝的に変化して おり、これが抗原性変化に影響をおよぼす。これは、A型ウイルスにおいてもっ ともよく現れ、この場合、HAまたはNAタンパク質におけるおもな遺伝的変化 はすでに起こっている(抗原不連続変異)。これらの新しいウイルス亜型の出現 により、伝染病が汎発性的に広がり、その結果著しい死亡率または罹患率となる 。例えば、1957年以前流行していたH1N1ウイルス亜型は、H2N2ウイ ルス亜型に取って代わられ、これは1968年まで優勢であったが、こんどはH 3N2亜型に取って代わられた。現在、H3N2株が流行しているが、1977 年からはH1N1ウイルスが再出現した。特定の亜型のHAも毎年または1年お きに(抗原連続変異)小さな抗原性変化が起こっている(点変異)。これらはH A1におけるシアル酸結合部位の周りに集まる抗原決定基にほとんど限られてお り、その結果新しいウイルス株が出現する。この抗原連続変異は抗原不連続変異 により引き起こされるような程度まで重大な死亡率を引き起こさないが、毎年の インフルエンザ流行の原因である。 インフルエンザワクチンは、3つの型、ホールビリオン、スプリットおよびサ ブユニットに分類される。ホールビリオンワクチンは、完全なウイルス粒子ベー スであって、一般により免疫原性であるが、より反応原性である傾向にあり、し たがって種々の化学試薬での処理によりウイルスを破壊した後に得られる精製ウ イルス成分から調製されたスプリットおよびサブユニットワクチンに置き代えら れている。スプリットおよびサブユニットワクチンの違いは、サブユニットワク チンがほとんど排他的にウイルスの表面抗原である赤血球凝集素およびノイラミ ニダーゼを含有し、一方スプリットワクチンがさらに種々の量のリボ核タンパク およびマトリックスタンパクなどのウイルスの内部成分を含有することにある。 現在入手可能な市販のインフルエンザワクチンはHAまたはNAに対する抗体 が防御を与えるという原則に基づく。これらは、胚を含有する鶏卵で増殖したウ イルスを用いた非アジュバント添加、不活化、ホールまたはスプリットウイルス 製品からなる。すべてのインフルエンザワクチンは現在H1N1、H3N2、お よびB型ウイルス株からの調製物を含有する。年々の抗原性の違いにより、特定 のウイルス株が、流行しているウイルス株の疫学的監視に基づくWHOの推薦に したがった年々の基準により更新される。 「普遍的」インフルエンザウイルスワクチン、即ち非株特異性ワクチンは存在 しない。最近、このような、普遍的、あるいは半普遍的ワクチンを、異なる株の 交差により調製した再配列ウイルスから調製する試みがなされてきた。近年、こ のような試みは、主にHAタンパクに焦点を合わせた組み換えDNA技術を用い る。 インフルエンザワクチンは、有効性に関する疑い、副作用のおそれ、毎年再接 種する必要性、および供給者の関心の欠如を包含する種々の理由のもとに利用さ れている。現在のワクチンは、ワクチンにおいて用いられるウイルス株に抗原的 に非常に関連したインフルエンザウイルスでの感染に関しておよそ60〜80% の範囲の有効性が示されている。この防御効率の割合は流行しているHA株のH A抗原が、ワクチン株から「ドリフト」した場合に減少する傾向にあり、亜型に おける「シフト」が起こった場合には0になる。さらに、防御は療養院の高齢者 などのある種の免疫抵抗性減弱群においては減少するようである。 このように、現在入手可能なワクチンの主な欠点は、頻繁な抗原連続変異の結 果、成分ウイルス株を毎年変える必要があり、個人は再接種を受けなければなら ないことである。 当業界においては、広範囲におよぶ病原体に関して動物において防御応答を誘 起できるワクチン処方物および組成物が必要とされている。発明の要約 一態様において、本発明は、インフルエンザに対して予防接種した動物におい て向上した免疫性および防御応答の剌激能を有するワクチン組成物であって、選 択されたインフルエンザ抗原または抗原性ポリペプチドおよび有効量の3−o− 脱アシル化モノホスホリル脂質A(3D−MPL)からなる組成物を提供する。 別の態様において、本発明は、選択されたインフルエンザ抗原または抗原性ポ リペプチド、有効量の3D−MPLおよびリポソーム調製物からなるワクチン組 成物を提供する。リポソーム調製物は本明細書において定義し、さらに担体とし て作用するほかに、アジュバントとして作用し、重要な製造および処方利点を提 供する。 さらに別の態様において、本発明は被接種者の選択されたインフルエンザ抗原 に対する免疫応答を向上させる方法を提供する。この方法は、哺乳動物、好まし くはヒトに、前記ワクチン組成物を投与することからなる。 本発明の他の態様および利点は以下の好ましい具体例の詳細な記載においてさ らに記載する。図面の簡単な記載 図1は、実施例18において記載するようにアルミニウム+3D−MPL中F lu Dタンパク質(SK&F106160)で免疫したマウスにおけるH1N 1およびH2N2亜型インフルエンザウイルスに関する交差防御を表わす棒グラ フである。 図2Aは、flu D処方物で予防接種したマウスおよび対照における攻撃前 の脾臓増殖応答を表わす棒グラフである。実施例20参照。 図2Bは、flu D処方物で予防接種したマウスおよび対照における攻撃後 の脾臓増殖応答を表わす棒グラフである。実施例20参照。 図3Aは、20μgアルミニウム中flu D(白抜き)またはアルミニウム および3D−MPL中flu D(斜線)で予防接種したマウスの4日目に得ら れるリンパ節増殖応答を表わす棒グラフである。実施例21参照。 図3Bは、5μgアルミニウム中flu D(白抜き)またはアルミニウムお よび3D−MPL中flu D(斜線)で予防接種したマウスの4日目に得られ るリンパ節増殖応答を表わす棒グラフである。実施例21参照。 図3Cは、1μgアルミニウム中flu D(白抜き)またはアルミニウムお よび3D−MPL中flu D(斜線)で予防接種したマウスの4日目に得られ るリンパ節増殖応答を表わす棒グラフである。実施例21参照。 図4Aは、1μgのDタンパクワクチン処方物で免疫したマウスにおける免疫 リンパ節による第2日目の増殖を表わす棒グラフである。実施例21参照。 図4Bは、1μgのDタンパクワクチン処方物で免疫したマウスにおける免疫 リンパ節による第3日目の増殖を表わす棒グラフである。実施例21参照。 図4Cは、1μgのDタンパクワクチン処方物で免疫したマウスにおける免疫 リンパ節による第4日目の増殖を表わす棒グラフである。実施例21参照。 図4Dは、1μgのDタンパクワクチン処方物で免疫したマウスにおける免疫 リンパ節による第2日目のIL−2産生を表わす棒グラフである。実施例21参 照。 図4Eは、1μgのDタンパクワクチン処方物で免疫したマウスにおける免疫 リンパ節による第3日目のIL−2産生を表わす棒グラフである。実施例21参 照。 図4Fは、1μgのDタンパクワクチン処方物で免疫したマウスにおける免疫 リンパ節による第4日目のIL−2産生を表わす棒グラフである。実施例21参 照。 図5Aは、以下の実施例24に記載したように免疫したマウスからの抗原−刺 激培養物中のインターフェロンレベルを表わすグラフである。 図5Bは、以下の実施例24に記載したように免疫したマウスからの抗原−刺 激培養物中のIL−2レベルを表わすグラフである。実施例21参照。 図6Aは、アラム(alum)および3D−MPLを含有する対照(−−□−−) 、アジュバントを含まないA/PR/8株を含有するインフルエンザ1価スプリ ットワクチン(−−▲−−)、および3D−MPLをアジュバントとして添加し たA/PR/8株(−−●−−)について攻撃後1、3、5、7および9日のM DCKミクロアッセイ(1群5匹のマウス)による鼻において測定されたウイル ス力価を表わすグラフである。実施例28参照。 図6Bは、アラムおよび3D−MPLを含有する対照(−−□−−)、アジュ バントを含まないシンガポール株を含有するインフルエンザ1価スプリットワク チン(−−▲−−)、および3D−MPLをアジュバントとして添加したシンガ ポール株(−−●−−)に関する攻撃後1、3、5、7および9日のMDCKミ クロアッセイ(1群5匹のマウス)による鼻において測定されたウイルス力価を 表わすグラフである。実施例28参照。 図6Cは、図6Aと同様の3つのワクチン処方物に関する攻撃後1、3、5、 7および9日のMDCKミクロアッセイ(1群5匹のマウス)による気管におい て測定されたウイルス力価を表わすグラフである。 図6Dは、図6Bと同様の3つのワクチン処方物に関する攻撃後1、3、5、 7および9日のMDCKミクロアッセイ(1群5匹のマウス)による気管におい て測定されたウイルス力価を表わすグラフである。 図6Eは、図6Aと同様の3つのワクチン処方物に関する攻撃後1、3、5、 7および9日のMDCKミクロアッセイ(1群5匹のマウス)による肺において 測定されたウイルス力価を表わすグラフである。 図6Fは、図6Bと同様の3つのワクチン処方物に関する攻撃後1、3、5、 7および9日のMDCKミクロアッセイ(1群5匹のマウス)による肺において 測定されたウイルス力価を表わすグラフである。発明の詳細な記載 本発明は、ヒトを含む予防接種した宿主において、向上した免疫応答を惹起で きるワクチン組成物、ならびにこのようなワクチン組成物の製法および使用法を 提供する。本発明のワクチン組成物は、有効量の選択されたインフルエンザ抗原 または抗原性ポリペプチドおよび3−o−脱アシル化モノホスホリル脂質A(3 D−MPL)を含有することを特徴とする。所望により、リポソーム調製物もま た、本発明のワクチン組成物の一成分とすることができる。 本発明者らは、3D−MPLおよびある種のインフルエンザ抗原の組合せが、 インフルエンザ抗原単独では達成できないインフルエンザに対する防御応答を達 成するのに有効であることを見いだした。例えば、以下に記載するFlu Dと して公知の抗原性ポリペプチドに関して、この応答は、精製Flu Dおよび動 物に対して毒性である公知の強力なアジュバントである完全フロインドアジュバ ント(CFA)で達成されるのと同じ結果を得るのにより少量の抗原を必要とす るものである。 さらに、選択された抗原および3D−MPLを本明細書に記載したようにリポ ソーム中に取り込んだ場合、抗原および他のアジュバントの組合せにより達成さ れるものを越える防御応答が得られる。 本明細書において用いる「向上した免疫応答」なる語により、予防接種した宿 主が本発明のワクチン組成物に対して、アジュバントを添加ていない場合、また は内部投与に適した他の通常のアジュバントを添加た場合、選択された抗原に対 する応答において宿主により産生されるより強力な細胞免疫応答(防御Tリンパ 球産生)を産生することを意味する。増加した抗体(B細胞)応答もこの向上し た応答により期待できる。 本明細書において用いる「免疫学的有効量」または「有効量」なる語は、防御 免疫応答を誘起する抗原の量を意味する。 本明細書において用いる「選択された抗原」、「抗原性ポリペプチドまたはタ ンパク質」または「免疫原」なる語は完全または不活化病原体、病原体からの免 疫原性タンパク質、ペプチドまたはフラグメントであって、所望により同種また は異種起源の他のペプチドまたはタンパク質と融合していてもよいものを意味す る。これらの用語は以下に定義するスプリットウイルスも包含する。これらの用 語は、病原体からの非タンパク性生物学的物質も包含する。病原体は好ましくは ヒトに感染する病気を引き起こす生物であるが、獣医学的目的に望ましい場合に は動物の病原体もこれらのワクチンに採用することができる。これらの用語は、 全病原体、スプリットウイルス、ペプチドまたは融合タンパクの、予防接種した 宿主における防御免疫応答を惹起できる能力を意味する。 「1価ワクチン」なる語は、単一の、例えばA型、B型およびC型のH1N1 、H2N2、H3N2のインフルエンザウイルスの型または亜型からの抗原を含 有するワクチンを意味する。 「多価ワクチン」なる語は、1種以上の型または亜型のインフルエンザウイル スからの抗原を含有するワクチンを意味し、即ち、3価ワクチンは、例えばA型 、B型およびC型のH1N1、H2N2、H3N2の3つのインフルエンザの型 または亜型からの抗原を含有してもよい。 「スプリットウイルス」なる語は、部分的に精製および濃縮されたシードロッ ト物質を接種した胚含有鶏卵から得られたインフルエンザウイルス懸濁液を意味 する。濃縮されたウイルス懸濁液を界面活性剤、例えばデオキシコール酸ナトリ ウムで処理して、ウイルス粒子を破壊する。この分離プロセス中にウイルスリン 脂質を除去することにより、反応原性ポテンシャルを大きく減少させる不活化イ ンフルエンザ抗原が産生される。スプリットウイルス懸濁液は界面活性剤および ホルムアルデヒドの効果により完全に不活化される。 以下の本発明の組成物および方法の開示により、インフルエンザウイルスに対 する予防的用途に用いるワクチン組成物を記載する。 本発明の好ましい一具体例において、インフルエンザウイルスでの感染に対し て向上した免疫防御応答の惹起能を有するワクチン組成物は、少なくとも、3D −MPLをアジュバントとして用いた、選択されたインフルエンザ抗原性ポリペ プチド、例えばNS11-81HA265-222(本明細書において、Flu D、Dタ ンパク質またはFlu Dタンパク質と称する)を含有する。 現在、flu Dタンパク質は、赤血球凝集素領域のHA2タンパク質の完全 カルボキシ末端領域を含有するインフルエンザ融合タンパク質のもっとも容易に 精製されたものであるので、本発明のワクチン組成物において用いるのに好まし いインフルエンザ抗原性ポリペプチドの1つである。Dタンパク質は切断された HA2サブユニット(アミノ酸65〜222)のアミノ酸65と融合したNS1 の最初の81個のアミノ酸を含む。所望により、本明細書において開示する他の NS1−HA2融合タンパク質の場合、リンカー配列を2個の融合配列間に挿入 してもよい。 現在好ましい具体例において、flu Dタンパク質についてのDNAコーデ ィング配列は、EP0366238号に記載されているように、HA2コーディ ング配列をPvuIIで制限し、NS1コーディング配列における81および8 2アミノ酸間にNcoI部位のC末端領域を合成オリゴヌクレオチドリンカーに より結紮することにより調製する。このリンカー配列は、グルタミン−イソロイ シン−プロリンをコードする。90〜95%の純度が達成されているDタンパク 質に関しては、宿主細胞(E.coli)タンパク質および他の汚染物質を実質的に除 去するためには本明細書において記載する製法を適用することが必要である。 flu Dタンパク質およびその組み換え発現および精製は、係属中の米国特 許出願第07/751899号およびその対応する欧州特許出願第366238 号(1990年5月2日公開)および米国特許出願第07/387558号およ び欧州特許出願第366239号(1990年5月2日公開)に詳細に開示され ている。これらの出願を出典明示により本明細書の一部とし、本発明のタンパク 質について記載の目的、その発現および精製を達成する。 flu Dに加えて、欧州特許出願第366238号およびEP第36623 9号(共に1990年5月2日公開)および係属中の米国特許出願第07/75 1898号、07/751896号および07/837773号に記載されてい るものを含む、他の適当なインフルエンザ抗原性ポリペプチドを、本発明のワク チン組成物に用いてもよい。このようなタンパク質は、△M、△M+、A、C、 C13、C13ショートおよび△Dを包含する。他の適当なものとしてはシス− レスD、HA266−222およびNS1H3A2構築物、例えば係属中の米国 特許出願第07/751898号、07/751896号、および07/837 773号およびWO93/15763号(出典明示により本明細書の一部とする )に記載されているものを包含する。特に、前記引例のH3HA2構築物が望ま しい。本発明者らの最近の研究はNS1−H1HA2およびNS1−H3HA2 融合タンパクの両方を含有する「カクテル」で免疫したマウスは、H1およびH 3−ウイルス亜型の両方での致死攻撃から防御されることが明らかにされた。 HA2、NS1およびインフルエンザウイルスの他のウイルスタンパク質のコ ーディング配列は合成的に調製することができるか、または公知の技術によりウ イルスRNA、または前記引例の公開欧州出願に記載されているような入手可能 なcDNA含有プラスミドから誘導できる。例えば、前記文献のほかに、A/日 本/305/57株からのHAのDNAコーディング配列は、クローンされ、配 列決定され、ゲシング(Gething)ら、ネイチャー(Nature),287:301 −306(1980)により報告されている;A/NT/60/68株のHAコ ーディング配列は、スレイ(S1eigh)らおよびボス(Both)ら、共にデベロプメ ンツ・イン・セル・バイオロジー(Developments in Cell Biology),Elsevier Science Publishing Co.,p69−79および81−89(1980)により報 告されている様にクローンされている;A/WSN/33株のHAコーディング 配列は、デイビス(Davis)ら、ジーン(Gene),10:205−218(19 80);およびヒチ(Hiti)ら、バイアロジー(Viroloogy),111:113 −124(1981)により報告されている様にクローンされている。ニワトリ ペストウイルスのHAコーディング配列は、ポーター(Porter)らおよびエンテ ージ(Emtage)ら、共にデベロプメンツ・イン・セル・バイオロジー(Developm ents in Cell Biology)、前掲、p39−49および157−168)により報 告されている様にクローンされている。 例えば、イー・コリ(E.coli)、バシラス(Bacillus)、ストレプトマイセス (Streptomyces)、サッカロミセス(Saccharomyces)、哺乳動物および昆虫細 胞を包含する種々の微生物および細胞においてワクチンポリペプチドをクローン および発現する系は公知であり、私立および公立研究所および受託所ならびに商 業的販売者から入手できる。 Dタンパク質は以下の実施例13に記載するプロセスにより精製できる。種々 の通常の方法を本発明の組成物のタンパク質の精製に関連して採用できるが、こ のような他の方法は、高度に精製された医薬グレードの製品を得るのにかならず しも必要ではない。このような方法は、前記プロセス中、その前または後に採用 できる。このような任意の工程の一つとして、透析濾過があり、これは多くの緩 衝液交換を行うのに非常に有効な連続的透析の形態である。透析濾過は好ましく はセルロース膜または限外フィルターを通して行う。適当な膜/フィルターは、 約1000分子量(MW)カットオフを有するものから、直径2.4μmまでの 孔径を有するものまでである。10Kアミコン二元螺旋系カートリッジシステム (Amicon dual spiral cartridge system)などの透析濾過に適用可能な多くの 異なる系が市販されている。本発明のプロセスにおいて、本発明のワクチン組成 物に用いられるポリペプチドの精製およびその後の濃縮において20mM Tris 緩衝液(約pH8)を用いた透析濾過が有効に採用できる。 別の好ましい具体例において、本発明のワクチン組成物において用いる抗原は 、 完全不活化病原体、例えば実施例25において詳細に記載するスプリットウイル スである。1個のスプリットウイルスを含有する1価スプリットインフルエンザ ワクチンまたは1個以上のスプリットウイルスを含有する多価(例えば3価)ス プリットインフルエンザワクチンに3D−MPLをアジュバントとして添加して もよい。一処方物において、ワクチンは、近年、通常のインフルエンザワクチン に用いられているシンガポール/6/86[ドイツ、ドレスデン、Sachsisches Serumwerkl GmbH(SSW)および英国、ロンドン、the National Institute fo r Biological Standards and Control(NIBSC)]のようなH1N1株から 調製したスプリットウイルスを含有する。別法として、他のH1N1スプリット ウイルスをティー・フランシス、プロシーディングズ・オブ・ザ・ソサイエティ ・フォア・エクスペリメンタル・バイオロジー・アンド・メジシン(T.Francis, Proc.Soc.Exp.Biol.Med.),32:1172(1935)に記載され、米国、メ リーランド洲、ロックビルのアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション( American Type Culture Collection)からATCCNo.VR−95で入手可能 なA/PR/8/34(A/PR/8とも称する)より調製してもよい。1価ワ クチンはインフルエンザ型ウイルスの1株由来の抗原を含有する。また、ワクチ ンは、1種以上のインフルエンザ型ウイルスに対する反応性を増加させるために 多価で、1種以上のインフルエンザ抗原、例えば2または3個のスプリットウイ ルスを含有してもよい。3価ワクチンの一例は、例えばH1N1シンガポール/ 6/86株、H3N2株ペキン/32/92[ドイツ、ドレスデン、SSW]お よびB型株、パナマ/45/90[ドイツ、ドレスデン、SSW]を包含する。 実施例25に記載したように公知の手段によりスプリットウイルスとして調製 できるインフルエンザウイルスは、あらゆる株、亜型および型、特にWHOによ り推薦されるものを包含し、これらの多くは臨床的試料および公立受託所、例え ば米国、メリーランド州、ロックビル、パークラウン・ドライブ12301番、 アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Coll ection)(ATCC)およびNIBSCから入手できる。例えば、他の適当なH 3N2ウイルス株は、制限されるものではなく、フィアズ(Fiers)ら、セ ル(Cell),19:683−696(1980)に記載されているA/ビクトリ ア/H3/75;シー・ジェイ・レイ(C.J.Lai)ら、プロシーディングズ・オ ブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ(Proc.Natl.Acad.Sci.), USA,77:210−214(1980);パリーズおよびシュルマン(Pale seおよびSchulman)、バイアロジー(Virol.),57:227−237(197 4)に記載されているA/ウドーン(Udorn);WHOウィークリー・エピド・ レコード(WHO Weekly Epid.Record)vol.43:401(1968)に記 載され、ATCCからNo.VR−544で入手可能なA/HK/8/68なら びにペキン/32/92を包含する。他の適当なB型株は、制限されるものでは なく、クリスタル(Krystal)ら、プロシーディングズ・オブ・ナショナル・ア カデミー・オブ・サイエンシズ(Proc.Natl.Acad.Sci.),USA,79:48 04−4900(1982)に記載されているB/リー/40およびATCCか らNo.VR−295として入手可能なB/タイワン、パナマ/45/90、およ びB/ヤマガタ(Yamaghta)株を包含する。H2N2ウイルスもこれらのワクチ ンにおいて有用である。 他のインフルエンザウイルスまたは不活化ウイルス調製物に加えて、他の病原 体由来の他の抗原性物質を、本明細書に記載の技法にしたがって、例示した抗原 に加えて用いることが期待できる。 本発明のワクチン組成物の他の成分は、アジュバント、3D−MPLである。 3D−MPLは出典明示により本明細書の一部とした米国特許第4,912,09 4号に記載されており、モンタナ州、ハミルトンのRIBI Immunochem Resea rch Inc.より市販されている。簡単には、3D−MPLは内毒素、モノ−ホスホ リル脂質A(MPL)、サルモネラ・ミネソタ(Salmonella minnesota)などの グラム陰性菌のヘプトース欠失RE変異株の誘導体から単離された脂質A類似体 である。MPLはグルコサミンのC−1位にリン酸基がない。グルコサミンの3 位のアシル鎖を除去するためのMPL分子の処理により3D−MPLが得られる 。3D−MPLは、他の腸内細菌のリポ多糖と対照的に非毒性であるが、親内毒 素の抗原性活性を保持する。この分子はグラム−陰性敗血症および内毒素 血症の予防において有用である。 3D−MPLを水中に溶解して脂質二層膜からなると考えられる小胞凝集物の 溶液を得ることができる。このように、3D−MPLは免疫系により個々の分子 としてみられることはないが、細胞表面および小胞表面を含む膜−膜接触により 相互作用するようである。 好ましい具体例において、MPLの粒度は「小さく」、一般に、120nmを 越えない。 一般に120nmを越えない小さな粒度の3−脱アシル化モノホスホリル脂質 Aを得るためには、GB2220211号に記載された方法を用い(あるいはよ り大きな粒子の市販のMPLをRibi Immunochem.から購入してもよい)、ついで 懸濁液が透明になるまで生成物を超音波処理する。粒子の大きさは、以下に記載 するような動的光散乱を用いて評価する。 好ましくは、粒子の大きさは60〜120nmの範囲である。 もっとも有利には、粒子の大きさは100nm未満である。 本発明にしたがって、本発明者らは、インフルエンザ抗原性ポリペプチド、例 えばflu Dタンパクが、高度に精製された場合、アジュバントの非存在下で 免疫原性でも防御的でもないことを証明した。しかし、本明細書で記載し、以下 の実施例14〜24に例示するように3D−MPLでアジュバント処理した場合 、タンパク質はインフルエンザ感染に対して防御を誘起することができる。選択 された抗原が1価または3価組成物のスプリットウイルスである場合、本発明の 組成物は免疫原性および交差反応性において増加を示す。 さらに本発明者らはインフルエンザ抗原性ポリペプチド、例えばflu Dタ ンパク質に3D−MPLをアジュバントとして添加した場合、アルミニウムアジ ュバントのみをタンパク質のアジュントとした場合と同程度の免疫応答を得るの に要するflu Dタンパク質量が少なくてすむことを見いだした。選択された 抗原が1価または3価組成物におけるスプリットインフルエンザウイルスである 場合、組成物の反応原性は本発明の具体例において用いる抗原が少ないほど減少 すると考えられる。 また、別のアジュバントを本発明のワクチン組成物中に配合してもよい。一の 望ましい別のアジュバントは、アルム、または水酸化アルミニウムまたはリン酸 アルミニウムがある。flu Dタンパク質をアルミニウムおよび3D−MPL の組合せでアジュバントに付した場合、効力のレベルはT細胞応答を支持する伝 統的アジュバントであるが、ヒトに内部投与するには適当でない完全フロインド アジュバント(CFA)と同程度になると見られる。 抗原性ポリペプチド、例えばflu Dタンパク質および3D−MPLを含有 する本発明の好ましい組成物を調製するためには、望ましい量のflu Dタン パク質を以下により詳細に記載するように適当量の3D−MPLと混合する。所 望により、凍結乾燥脂質Aを抗原より先に以下に詳細に記載するプレリポソーム ゲルと混合する。もっとも好ましくは、ホスファチドの脂質Aに対するモル比は 66:1である。しかし、薬剤の濃度は所望のレベルに対して変化する。 ワクチン組成物に添加する他の適当な試薬は、例えば、IL−2、QS21[ シー・アール・ケンシル(C.R.Kensil)ら、ジャーナル・オブ・イムノロジー( J.Immunol.),146(2):431−437(1991)]およびムラミルジ ペプチド(MDP)を包含する。加えて、前記の他の水溶性または不溶性化合物 または薬剤および/またはアジュバントを本発明のワクチン組成物中に配合でき る。例えば、ムラミルジペプチドも前記と同様の比で、または所望により用いる ことができる。本発明のワクチンを形成する他の薬剤としては、被接種者に投与 した場合に1またはそれ以上のその機能が変化するもの、例えば薬局方に記載さ れているもの、または感染の治療または予防に用いられる物質がある。 本発明のワクチン組成物はさらにワクチン業界で周知の適当な担体を含有して もよく、これは容易に選択できる。例示的担体は、滅菌セイライン、ラクトース 、スクロース、リン酸カルシウム、ゼラチン、デキストリン、寒天、ペクチン、 ピーナッツ油、オリーブ油、ゴマ油、スクアレンおよび水を包含する。加えて、 担体または希釈剤は遅延物質、例えばグリセリルモノステアラートまたはグリセ リルジステアラート単独またはワックスと組合せて含んでもよい。所望により、 適当な化学的安定化剤を用いて医薬調製物の安定性を向上させてもよい。適当な 化 学的安定化剤は当業界で公知のものであり、例えば、クエン酸および他のpHを 調節する試薬、キレート化剤または金属イオン封鎖剤、および酸化防止剤を包含 する。また、リポソーム送達系がワクチン組成物の一部である場合、担体は必要 ではない。 本発明の他の好ましいワクチン組成物は、選択された抗原、例えば、前記のf lu Dタンパク質、および3D−MPLからなり、該成分はリポソーム調製物 中に封入または挿入される。所望により、リポソーム、flu Dタンパク質、 および3D−MPLを含有するワクチン組成物はまた1またはそれ以上の他のイ ンフルエンザ抗原または他の抗原または前記のような所望のアジュバントおよび 試薬を含有してもよい。好ましい1処方において、ワクチンは担体リポソーム中 の抗原性ポリペプチド゛Flu Dタンパク質および3D−MPLを含有する。 別の処方において、ワクチンは同様に担体リポソームで包まれた1価または3価 インフルエンザ抗原を含有する。 本発明者らは、本明細書に記載したリポソーム調製物が、担体としてだけでな くアジュバントとしても機能し、非常に有利であることを見いだした。これらの 調製には有機溶剤または高剪断場が必要でなくなるからで、これはタンパク薬剤 にとって大きな利点であり、リポソームの全成分は内部投与に関して安全である と考えられる。調製法の簡便性および汎用性の為に、これらのリポソーム調製物 は大規模の製造に適している。 本発明者らは、また、3D−MPLがインフルエンザ抗原と組合せて本明細書 において記載するリポソーム構造物中に容易に配合でき、インフルエンザ抗原を 公知の通常のアジュバントと組合せた場合よりも優れた結果を得ることができる ことも見いだした。特に、3D−MPL中Dタンパク質およびリポソーム処方を 含有するワクチン組成物はCFA中Dタンパク質よりも優れた効力を有する。例 えば、以下の実施例20および22参照のこと。 本発明のワクチン組成物および方法において有用なリポソーム調製物は、係属 中米国特許出願第07/714984号(US5230899号)に記載され、 これを出典明示により本明細書の一部とする。一般に、「リポソーム」なる語は 、 合成オリゴラメラ脂質小胞を記述するのに科学文献で用いられる用語として提案 され、容認されてきた用語である。このような小胞は通常内部水性相を囲む1ま たはそれ以上の同心性天然または合成脂質二層を含む。 本明細書中に詳細に定義されているように、また引例にしたがうと、本発明の ワクチン組成物において有用なリポソーム調製物は、長鎖脂肪族または芳香族を 基礎とする酸またはアミンを含むリポソーム形成物質;前記酸またはアミンと反 対の電荷の水和剤であって、該酸またはアミンに対して1:20から1:0.0 5のモル比で存在するもの;および固体に対して300モルまでの量の水を含む 組成物をリポソームを調製するのに適当な方法で水性媒体中に分散することによ り調製する。 本発明において有用なリポソームアジュバント担体の調製は以下のとおりであ る。リポソーム形成物質の例は、ケン化性おび非ケン化性脂質、例えばアシルグ リセロール、ホスホグリセリド、スフィンゴ脂質、糖脂質などを包含する。脂肪 酸は、飽和または不飽和アルキル(C8〜C24)カルボン酸、C4〜C10ジカルボ ン酸のモノアルキル(C8〜C27)エステル(例えば、コレステロールヘミコハ ク酸およびアミノ酸の脂肪酸誘導体で、N−アシルカルボン酸も含むもの(例え ば、N−オレイルトレオニン、N−リノレオイルセリンなど))を包含する。モ ノ−またはジ−アルキル(C8〜C24)スルホン酸エステルおよびモノ−または ジ−アルキル(C8〜C24)リン酸エステルは脂肪酸と置換できる。さらに、リ ン酸のモノ−またはジ−アシル(C8〜C24)グリセロール誘導体および硫酸の モノ−またはジ−アシル(C8〜C24)グリセロール誘導体を脂肪酸の代わりに 用いることができる。 さらに、脂肪酸はまた、アミン(例えば、C8〜C24NH2)、アミンのC8〜 C24脂肪酸誘導体(例えば、C8〜C24CONH〜NH2)、アミノ酸のC8〜C2 4 脂肪アルコール誘導体(例えば、C8〜C24OOC〜NH2)、およびアミンの C8〜C24脂肪酸エステル(例えば、C8〜C24COO〜NH2)と置換できる。 光重合可能な脂質および/または脂肪酸(またはアミン)(例えば、ジアセチ レン脂肪酸)も含まれ、これにより、重合の光開始により交差結合した膜二分子 層でシールされたリポソームが得られる。 長鎖脂肪族および/または芳香族を基礎とする酸またはアミンは、開鎖構造を 有し、パラフィン、オレフィンおよびアセチレン炭化水素およびその誘導体から なる酸またはアミンを包含する。即ち飽和および不飽和炭化水素またはこのよう な鎖の骨格は芳香族置換基を含有する。このような酸およびアミンは1またはそ れ以上のこのような官能基を有する。「長鎖」なる語は酸またはアミンの脂肪鎖 の骨格が10またはそれ以上の炭素原子を有することを意味する。鎖が芳香族基 、例えばフェニルを含有する場合、該鎖は該芳香族基と結合した少なくとも5個 の炭素骨格を含む。骨格を含む炭素原子鎖は飽和または不飽和脂肪族または芳香 族官能基でいろいろに置換されてもよい。 「酸」または「アミン」なる語は、慣用的に定義された化学官能基である。例 えば、酸基はカルボン酸、またはリンまたはイオウ由来の酸基、例えば燐酸塩、 亜燐酸塩、またはピロ燐酸塩または硫酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、または同様 に構築されたリンまたはイオウベースの酸である。アミンはイオン化可能な水素 を有するかまたは所望の水和錯体形成能を有するようなイオン化定数を有する第 4級塩形成能を有するように十分な塩基性でなければならない。 ワクチン組成物中で用いられるように、またリポソーム組成物中で用いられる 水の量に対して、「固体」なる語は、封入されるリポソーム形成物質および酸ま たはアミン成分、水和剤、3D−MPL、アルム、および選択された抗原性物質 を意味する。 本発明の目的に関して、水和剤は、少なくとも2個のイオン化可能な基(好ま しくは反対の電荷を有し、そのうちの一つが容易に解離するイオン塩を形成でき 、この塩はリポソーム形成物質中の酸またはアミンのイオン性官能基と錯体を形 成する)を有する化合物を意味する。水和剤はそれ自体リポソームを形成しない 。このような試薬は、また生理学的に許容できる。即ち、本発明の使用にしたが って投与される宿主に不都合なまたは有害な生理学的影響を与えない。 好ましい水和剤は、イオン化可能なオメガ置換基、例えばカルボン酸塩、アミ ノ、およびグアニジノ基を有するアルファアミノ酸および式: X−(CH2)n−Y I [式中、 XはH2N−C(NH)−NH−、H2N−、ZO3S−、Z23P−またはZO2 C−であり(ここに、ZはHまたは無機または有機カチオンである); Yは−CH(NH2)−CO2H、−NH2、−NH−C(NH)−NH2−COOH 、CH(NH2)SO3ZまたはZH(NH2)PO32であり(ここに、Zは前記定 義のとおりである); nは1〜10の整数を意味する] で示される化合物またはその医薬上許容される塩である。好ましい化合物に含ま れるものとしては、N,N’−ジアルキル置換アルギニン化合物およびアルキル 鎖の長さが違う同様の化合物がある。 より好ましい水和剤は、オメガ置換、アルファアミノ酸、例えばアルギニン、 そのN−アシル誘導体、ホモアルギニン、ガンマ−アミノ酪酸、アスパラギン、 リジン、オルニチン、グルタミン酸、アスパラギン酸または以下の式で表わされ る化合物: H2NC(NH)−NH−(CH2)n−CH(NH2)COOH II H2N−(CH2)n-CH(NH2)COOH III H2N−(CH2)n−NH2 IV H2NC(NH)−NH−(CH2)n−NH−CH(NH)−NH2 V HOOC−(CH2)n−CH(NH2)COOH VI HOOC−(CH2)n−COOH VII HO3S−(CH2)n−CH(NH2)COOH VIII H23S−(CH2)n−CH(NH2)COOH IX HO3S−(CH2)n−CH(NH2)SO3H X H23S−(CH2)n−CH(NH2)PO32 XI (nは2〜4)である。 最も好ましい化合物は、アルギニン、ホモアルギニン、ガンマ−アミノ酪酸、 リジン、オルニチン、グルタミン酸またはアスパラギン酸である。本発明の水和 剤は、単独または混合物として用いることができる。これらの水和物質の混合物 の使用においてはなんら制限はない。 本発明の水和剤は、多くの化学工程便覧に列挙されており、このような通常の 製法で製造できるか、または当業界で公知の手段により製造できる。アルギニン 、ホモアルギニン、リジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、および他の天然に 存在するアミノ酸は、タンパク質の加水分解および個々のアミノ酸の分離、また は細菌源から得られる。 式IIの化合物は、アイゼル・ケイ(Eise1e,K.)らの、ジャスタスリービッグ ス・アン・ケム(Justusliebigs.Ann.Chem.),P.2033(1975)により 調製できる。これらの化合物の代表的数例に関するさらに詳細な情報は、以下の 各ケミカルアブストラクトサービス番号から入手可能である:ノンアルギニン、 CAS#14191−90−3;アルギニン、CAS#74−79−3;および ホモアルギニン、CAS#151−86−5。式IIIの化合物の代表例に関して は、2,4−ジアミノブトン酸CAS#305−62−4;リジンに関してはC AS#56−87−1参照。式IVの代表的化合物の調製法は、ケミカルアブスト ラクトから以下のように入手可能である:エタンジアミン、CAS#305−6 2−4;プロパンジアミン−54618−94−9;1,4−ジアミノブタン、 CAS #52165−57−8。特に、ジョンソン、ティー・ビー(Johnson, T.B.)、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(J.Am.Che m.Soc.),38:1854(1916)参照のこと。 式VIの化合物のうち、グルタミン酸は当業界で周知であり、多くの商業的供給 源から入手可能である。他の代表的化合物の調製に関する記載は文献にある。例 えば、2−アミノヘキサンジオン酸−CAS#62787−49−9;および2 −アミノヘプタンジオン酸−CAS#32224−51−0。nが2である式VI Iの化合物であるグルタミン酸は当業界で周知であり、マリエルおよびテューレ イ(MaryelおよびTuley)、オーガニック・シンセシス(0rg.Syn.),5:69 (1925))の方法により調製できる。このグループの他の代表的化合物は以 下のCAS番号で照会できる技術にしたがって調製できる:ヘキサジオン酸、 CAS#123−04−9およびヘプタジオン酸、CAS#111−16−0。 ホモシステン酸は当業界で公知であり、CAS番号56892−03−6で照会 される。化合物3−スルホバリンはCAS#23405−34−2で照会される 文献において記載されている。 水和剤、リポソーム形成物質および種々の量の水の混合物により、ゲル状塊が 形成される。このゲル形態において、水和剤および酸またはアミンは、すべての リポソーム形成物質とともに、高度に配向した液晶である「水和錯体」に配列す る。水和錯体とは、水和剤およびリポソーム形成物質中の酸またははアミン間に 形成される錯体を意味する。この意味での錯体形成は、1つの官能基がリポソー ム形成物質のイオン性官能基と会合し、他の官能基が得られた錯体に水溶性を付 与する親水性を有する解離可能なイオン塩を意味する。水和錯体の液晶構造はp Hおよび水和剤の量により変わるが、液晶構造は保持される。NMR分光分析に より、この結晶構造が、互いに交互に積み重なったマルチラメラ脂質二分子層お よび親水性層であることが確認される。31P−NMRスペクトルは異方性ピーク を示し、これはマルチラメラ二分子層の存在を確認するものである。 これらのリポソームの主要成分は脂質、リン脂質、他の脂肪酸であるが、リポ ソームの透過性を修飾するために種々の他の成分、例えば、非イオン性脂質成分 、例えばポリオキシアルコール化合物、ポリグリセラル化合物またはポリオール のエステル、ポリオキシアルコリノール化アルコール;ポリオールのエステルお よび合成リポ脂質、例えばセレブロシドを添加してもよい。他の物質、例えば長 鎖アルコールおよびジオール、ステロール、長鎖アミンおよびその4級アンモニ ウム誘導体;ポリオキシエチレン化脂肪アミン、長鎖アミノアルコールのエステ ルおよびその塩および4級アンモニウム誘導体;脂肪アルコールのリン酸エステ ル、ポリペプチドおよびタンパク質を添加してもよい。リポソームの組成物は、 種々の脂質、脂肪酸、アルキルアミンなどの1成分以上、および水和剤から調製 できる。 脂質成分それ自体または抗原性物質および封入されるワクチン組成物に添加さ れる他の物質が前記性質を有する場合、脂質組成物は脂肪酸(またはアミン)ま たは「プレリポソームゲル」またはリポソームを形成するための水和剤を含有す る必要がない。例えば、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)およ びジステアロイルホスファチジルエタノールアミンの混合物は水性グルタミン酸 溶液と「プレリポソームゲル」またはリポソームを形成し、DPPCおよびオレ イン酸の混合物と水性エピネフリン溶液は「プレリポソームゲル」およびリポソ ームを形成する。 ワクチン組成物においてアジュバント物質として用いる場合、リポソーム調製 物は好ましくは、リン脂質、オレイン酸(またはホスファチジル−エタノールア ミン)およびアルギニンまたはリジン(またはグルタミン酸および/またはアス パラギン酸)を含む。 リポソーム形成物質に対して約1:20モル比の水和剤により、約1:0.0 5の上限で本発明の有益な効果が得られる。水和剤の好ましい濃度範囲は、リポ ソーム形成物質に対する水和剤のモル比が1:2から1:0.5の間である。 実際の場合、リポソームを長鎖脂肪族または芳香族ベースの酸を用いて調製す る場合、少なくとも1個のイオン化可能な窒素を含む水和剤、例えばアルギニン 、ホモアルギニン、リジン、オルニチンなどを用いるのが好ましい。反対に、リ ポソームを形成するのに用いる両親媒性物質が長鎖脂肪族または芳香族を基礎と するアミンを含有する場合、グルタミン酸、アスパラギン酸などの二酸、アルキ ル二酸、例えば単純な二酸、例えば吉草酸、カプリル酸、カプロン酸、カプリン 酸など;または2個のリン酸塩、または硫酸塩基を有する二酸;または−COO H/−SO3Hまたは−COOH/−PO32官能基の混合物を有する二酸を用 いるのが好ましい。 ある種の脂肪族および芳香族を基礎とする酸およびアミンが本発明の実施にお いて好ましい。このような化合物は、例えば2またはそれ以上の酸またはアミン 基またはその組合せを有する複数の官能基を有することができる。例えば、二酸 、ジアミンまたは酸またはアミン官能基を有する化合物を用いることができる。 好ましい化合物は1または2個の酸またはアミン官能基を有する化合物である。 10〜20個の炭素を有する飽和および不飽和脂肪酸がより好ましい。10〜2 0 個の炭素原子を有するアルキルおよびアルケニル酸、特にオレイン酸が最も好ま しい。 リポソーム形成物質、長鎖脂肪族または芳香族を基礎とする酸またはアミン、 1またはそれ以上の水和剤および全固体に対して300モルまでの水、選択され た量の抗原性物質を含むまたは含まない混合物は、水溶液の添加で直接リポソー ムを形成するゲルを生成する。このゲルはその構造特性が基本的にリポソームと 同じであり、ゲルが水溶液で希釈した場合にリポソームに変化するのが容易であ るので、プレリポソームゲルとする。約300モル当量過剰の水溶液によりリポ ソーム形成が始まる。 このゲルの構造は光学的に透明な溶液を形成する高度に配向した液晶である。 液晶のX、Y、およびZ次元は、一定のpHでの水和剤の濃度および溶液のpH によって変わる。一定pHでの水和剤濃度を変えるかまたは水和剤のパーセンテ ージを保持しながらpHを変えることにより、得られるリポソーム小胞の脂質二 分子層のラメラ構造の大きさおよび数を調節できる。 ゲル構造それ自体はゲル構造の安定性を損なうことなく固体1モルにつき約3 00モルの水まで含有できる。プロトン核磁気共鳴(NMR)分光学により決定 されるゲルの構造は、マルチラメラ脂質二分子層および親水性層が交互に積み重 なったものである。同じゲルの31P−NMRスペクトルは異方性ピークを示し、 これはさらにゲルがマルチラメラ二分子層からなることを確認するものである。 このゲルは簡便な滅菌手段であるオートクレーブに付すことができる。さらに、 ゲルは変色を示さず、高圧滅菌後、室温で少なくとも1年間透明のままである。 所望により可能ならば、ゲルを所望によりさらに適当な滅菌フィルターを通して 滅菌してもよい。ゲルを水性溶液中に分散させると、リポソームが効率的に、か つ自発的に産生される。 プレリポソームゲルを、封入されるべき3D−MPLおよび抗原性物質と共に またはなしで脱水し(例えば凍結乾燥)、粉末を再水和すると、長期の保存後で あっても、自発的にリポソームが形成される。この能力は、長期の使用前貯蔵期 間が必要な水過敏性抗原性物質を投与する場合に特に有用であるワクチン組成物 を提供する。 プレリポソームゲルは以下のようにして調製する。プレリポソームゲルと称す る半固体液晶性ゲルを、3つの基本成分:リン脂質、脂肪酸、および水和剤を水 中合することにより調製する。所望の脂質組成により、ゲル−液体転移温度(T m)の範囲の種々のリン脂質またはその混合物を用いてもよい。脂肪酸は飽和の 程度または鎖長に基づいて選択でき、通常リン脂質と混合して濃厚なペーストに する。コレステロールを脂質混合物に添加して、二分子層特性を調節してもよい 。(ある場合、コレステロールが膜のTmを上昇させ、これにより取り込んだ試 薬の透過性に影響する)。 水和剤、好ましくはアルファアミノ酸、例えばアルギニンを水中溶液として脂 質混合物に、均質なペーストが得られるまでゆっくりした速度で添加する。望ま しい処方物の一例は、1:1.2モル比の卵ホスファチジルコリン:オレイン酸 を用いる。アルギニンを水中約1:1.2のリン脂質のアルギニンに対するモル 比で添加する。 L−アルギニンのゲルの水性相成分中の濃度が最終的に形成される安定なリポ ソーム粒子の直径を決定する。粒子の大きさは投与経路およびマクロファージ細 胞を目標にするのが望ましいかどうかによる。例えば、経口投与に関しては、約 1から約5マイクロメーター間の大きさのリポソーム粒子が望ましい。リンパ球 を目標にするためには、約200から500nm間の粒度が好ましい。貯留槽効 果に関しては、約5から約10マイクロメーター間のリポソーム粒子の大きさが 望ましい。当業者は種々の大きさの粒子を容易に試験でき、選択できる。 最終的なプレリポソームゲルは約65から約70重量%までの水を含有でき、 軟膏の濃度を有し、偏光顕微鏡で観察した場合、典型的な液晶の外観を呈する。 プレリポソームゲルは不活性雰囲気下で貯蔵できるかまたは凍結乾燥して長期保 存用の乾燥粉末にできる。 本発明のワクチン組成物の形成において、リポソーム調製の同様の工程を行い 、続いて免疫学的に有効量の選択された抗原、例えば抗原性ポリペプチド、特に flu Dタンパク質、および3D−MPLを添加し、所望により、1またはそ れ以上の免疫原性タンパク質、ペプチドまたはリポソーム調製物と混合した選択 された病原体からのフラグメントを追加してもよい。このようなワクチン組成物 を調製するためには、選択された抗原をリポソーム調製物と混合することにより その中に封入または挿入する。 3D−MPLおよび選択された抗原をリポソーム中に配合して本発明のワクチ ン組成物を調製するのに2種類の方法がある。一の方法はプレリポソームゲルの 水和によりリポソームと抗原を配合するかまたは水和凍結乾燥粉末を抗原の適当 な緩衝液中溶液と混合することからなる。別の方法は、プレリポソームゲルを抗 原の凍結乾燥調製物と物理的に混合することからなる。この混合物を続いて水和 すると自発的にリポソームが形成される。 選択された方法は、最大レベルの抗原−リポソームの会合をもたらし、未会合 フラクションとしての抗原の損失が最小の方法であり、脂質の存在下での抗原の 物理化学的性質に依存するものである。しかし、一般には、このようなワクチン 混合物中の成分の割合は、抗原性タンパク質20mg:3D−MPL2mg:リ ポソームゲル300mgである。例えば、抗原がflu Dである場合、抗原が 著しい疎水性を有し、水溶性が低いので、第2法を用い、以下に記載するように 、本発明のflu D組成物を形成するためには300mgのリポソームゲルを 20〜30mgのflu−Dタンパク質および0.5〜2mgの3D−MPLと 混合する。 本明細書の教示に従って当業者であれば容易に本発明を実施するにおいて用い る抗原性物質の量を決定できると考えられる。 所望により、他の薬剤をリポソーム組成物中の選択された抗原、例えばflu Dタンパクおよび3D−MPLに添加できる。適当な他の抗原は前記のもので ある。 一旦リポソームが3D−MPL、選択された抗原、および任意の他の成分の存 在下で形成されると、未会合の抗原を種々の手段により除去することができる。 典型的には、リポソームを約100,000xgで連続して遠心分離し、上清を 捨てる。最終的なリポソームペレットを所望の脂質または抗原濃度での注射用に 、 許容される液体、例えば5%デキストロース、セイライン、または緩衝溶液で復 元する。当業者に公知の他の方法、例えばゲル濾過または透析を、会合していな い抗原の除去に用いてもよい。 選択された抗原、3D−MPLおよびリポソーム処方物の記載は、Flu D の代わりまたはこれに加えて本明細書において記載したスプリットウイルスの使 用も包含する。 本発明はまた、ヒトまたは他の哺乳動物におけるワクチン組成物中の選択され た抗原に対する免疫応答、特にT細胞応答を向上する方法も提供する。この方法 は、ヒトまたは他の哺乳動物に3D−MPLおよび選択された抗原を含む本発明 のワクチン組成物を投与することからなる。所望により、リポソーム調製物が前 記の組成物に含まれてもよい。この方法は、本明細書に例示した特定の抗原に限 定されない。好ましい具体例において、該方法はインフルエンザ感染に対して効 果的な向上した防御を惹起するのに有用である。このような具体例において、ワ クチン組成物は前記のように有効量のflu Dおよび3D−MPLを含む。他 の具体例において、ワクチン組成物は前記のように有効量の1またはそれ以上の スプリットインフルエンザウイルスおよび3D−MPLからなる。他のワクチン を調製し、有効量を同様に投与してもよい。 実施例、特に実施例25〜30に示すように、3D−MPLでアジュバント処 理に付したスプリットウイルスを用いたワクチン組成物は、特に肺において優れ たウイルス清掃率を示し、高い中和抗体力価の刺激を示し、中和活性の非存在下 で、ヘテロ亜型(H11)交差反応性を起こし、上部から下部気道(気管を経由 )の病気の進行を変化させる 用量および投与法はこれらのワクチン組成物に関して標準的な接種実施例にし たがって最適化できる。典型的には、ワクチンを筋肉内投与するが、皮下、結腸 、経口、肺、皮内、腹腔内、または静脈内経路などの他の投与経路も用いること もできる。経路は所望の免疫応答の型により選択される。例えば、皮下経路によ り、伝統的な「貯留槽効果」、すなわち他よりも長い刺激が得られる。特定の投 与経路により細胞応答よりも強い抗体応答が得られ、またその逆の場合もある。 例え ば、経口投与経路により、局所免疫に関して有用な向上されたIgA応答が得ら れる。 他のポリペプチドワクチンに関する公知の事項に基づいて、インフルエンザ抗 原性ポリペプチドワクチン、例えば本発明のflu Dタンパク含有ワクチンの 平均的ヒト成人に関する有用な単一投与量は、適当量の3D−MPLアジュバン トとの混合物中Dタンパク質約1〜約1000マイクログラム、好ましくは、約 50〜約500マイクログラム、最も好ましくは約100μgである。これらの 用量のflu Dタンパクを用いた場合、ワクチン組成物中の3D−MPLの量 は、約1〜約500マイクログラム3D−MPL/μgウイルスタンパク質、よ り好ましくは約10〜約50μg3D−MPL/μgウイルスタンパク質、最も 好ましくは約50μg3D−MPLである。 flu Dおよび3D−MPLを本明細書において記載したリポソーム担体を 介して投与した場合、ワクチン組成物中の好ましいDタンパク質の量は約50か ら約500μgであり、3D−MPLの量は約10から約50pgの間である。 このような3D−MPLをアジュバントとしたflu Dワクチン組成物は、約 0.2mgの抗原性タンパク質あたり約1〜約10mg、好ましくは約3mgの リポソーム物質を含有する。 flu Dおよび3D−MPLワクチン処方が所望によりアルミニウムまたは 水酸化アルミニウムなどの別のアジュバントを含有する場合、Dタンパク質の好 ましい用量は、約10〜約500μgのタンパク質であり、アルミニウムまたは 水酸化アルミニウムの好ましい量は約10〜約500μgの間である。 同様に、他のスプリットウイルスワクチンに関する公知の事項に基づいて、本 明細書において記載したような、インフルエンザの1価または多価スプリットウ イルスワクチンの平均的ヒト成人に対する有用な単一投与量は、1株当たり約1 5マイクログラムの赤血球凝集素(HA)で、適当な量の3D−MPLアジュバ ントとの混合物中、全タンパク質は約80〜300μg/mlである。これらの 量のスプリットウイルスを用いた場合、ワクチン組成物中の3D−MPLの量は 好ましくは用量当たり3D−MPL約50マイクログラムである。もちろん、当 業者はウイルスタンパク質および3D−MPLの量を変更してもよい。 1またはそれ以上のスプリットウイルスおよび3D−MPLを本明細書におい て記載したようにリポソーム担体により投与した場合、ワクチン組成物中の各ス プリットウイルスの好ましい量は約15μgHA/株であり、3D−MPLの量 は約10〜約50μgの間である。このような3D−MPLをアジュバントとし たインフルエンザスプリットウイルスワクチン組成物は、約0.2mgのウイル スタンパク質当たり約1〜約10mg、好ましくは約3mgのリポソーム物質を 含有する。 スプリットウイルスおよび3D−MPLワクチン処方物がアルミニウムまたは 水酸化アルミニウムなどの他のアジュバントを含有する場合、ワクチン組成物中 の各スプリットウイルスの好ましい用量は以下のようにして調節する。好ましい アルミニウムまたは水酸化アルミニウムの量は、抗原性ポリペプチドに関してす でに記載したのと同様である。 本発明により記載されたワクチンは、晩夏または初秋にまず投与し(好ましく は0.5ml投与単位)、2〜6週間後に再投与することができる。あるいは、 所望により、免疫が弱ると定期的に、例えば2〜5年毎に投与してもよい。 以下の実施例は、本発明のワクチン組成物の好ましい調製法を例示するもので ある。これらの実施例は例示的であって、本発明の範囲をなんら制限するもので はない。実施例1−ゲル調製物 ジパルミトイルホスファチジルコリン(3.0g)を50mlのビーカー中に 秤取する。オレイン酸(1.2g)を添加し、混合して均質なペーストを形成す る。 蒸留脱イオン水(30ml)中アルギニン(0.72g)をジパルミトイルホ スファチジルコリンオレイン酸ペーストに添加し、45℃に加熱する。手で混合 すると、混合物は透明で安定なゲルになる。ゲルを貯蔵し、ゲルを燐酸緩衝塩溶 液で希釈するとリポソームが形成される。実施例2−リポソームの調製 ジパルミトイルホスファチジルコリン(120mg)およびオレイン酸(24 mg)を一緒に添加し、白色の均質なペーストが観察されるまでよく混合する。 次に20mgのアルギニンを60mlの燐酸緩衝塩溶液(イオン強度=0.1 5、pH=7.4)中に溶解する。アルギニン−塩溶液をペーストに添加し、4 0℃に半時間、または少し濁った溶液が観察されるまで加熱する。実施例3−大規模なゲルおよびリポソーム調製 i)ゲル製造:50gの卵ホスファチド粉末20型(アサヒケミカルズ(Asahi Chemicals))に20gのオレイン酸N.F.を添加する。撹拌すると白色ペース トが得られ、これを4℃に冷却し、粉砕して微粉末にする。この粉末を20gの アルギニンおよび500gの蒸留脱イオン化水を含有する水溶液に添加する。混 合物をスパチュラで混合しながら、溶液を約35℃に加熱してリン脂質の水和を 助ける。均質な淡黄色ゲルが形成される。このゲルを高圧滅菌し、4℃で保存す るかまたは凍結して後に復元する。 ii)リポソームの製造: 前項で調製したゲルを冷貯蔵所から取り出し、室温に戻す。次に2リットルの 燐酸緩衝塩溶液(pH7.4)と混合する。白色不透明リポソーム溶液が形成され る。実施例4−ゲルからのリポソームの形成 1.0gのジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)および400m gのオレイン酸の均質ペーストを形成する。300mgのアルギニンを10mL の燐酸緩衝塩溶液と混合し、45℃に加熱し、DPPC/オレイン酸ペーストに 添加して、リポソームを形成する。実施例5−プレリポソームゲル 1gのジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)および400mgの オレイン酸と混合して、均質ペーストを形成する。300mgのアルギニンを2 mlの水と45℃で溶解するまで混合する。アルギニン溶液をDPPC/オレイ ン酸ペーストと約45℃で混合して、粘稠なゲルを得る。このゲルを燐酸緩衝塩 溶液で希釈するとリポソームが形成される。実施例6−種々のリポソーム処方 A.コレステロール含有リポソーム コレステロール(15mg)を100mgのジパルミトイルホスファチジルコ リン(DPPC)と混合して、均質な粉末を形成する。次に23mgのオレイン 酸を粉末に添加し、よく混合して均質なペーストを形成する。リポソームを得る ために、30mgのアルギニンを10mlの燐酸緩衝塩溶液に添加し、40℃に 加熱し、DPPC/コレステロール/オレイン酸ペーストに添加する。混合物を 40℃で混合して、リポソームを得る。 B.パルミチン酸含有リポソーム ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)(250mg)を25mg のパルミチン酸と混合して、均質な粉末を形成する。次に80mgのオレイン酸 をこの粉末と混合し、均質なペーストが形成されるまで一定して撹拌しながら4 5℃に加熱する。アルギニン(100mg)を25mlの蒸留脱イオン化水中に 溶解し、45℃に加熱する。このアルギニン溶液を45℃でペーストに添加し、 均質なゲルが形成されるまで混合する。ゲルを燐酸緩衝塩溶液で10倍に希釈し てリポソームを形成する。 C.イソステアリン酸含有リポソーム ジパルミトイルホスファチジルコリン(100mg)を50mgのイソステア リン酸と混合して、均質なペーストを形成する。50mgのアルギニンの2.0 ml蒸留脱イオン化水中溶液を調製し、イソステアリン酸ペーストに添加し、4 5℃に加熱する。この混合物を透明なゲルが形成されるまで混合する。燐酸緩衝 塩溶液で希釈するとリポソームが形成される。 D.オレイルトレオニン酸含有リポソーム ジパルミトイルホスファチジルコリン(125mg)および75mgのオイル トレオニンを一緒に添加し、40℃に加熱して、ペーストを形成する。ついで2 mlの蒸留脱イオン化水溶液を40℃で一定して撹拌しながら添加する。透明な ゲルが形成され、これをpH5の燐酸緩衝塩溶液で希釈するとリポソームが形成 する。 E.ミリスチルアミン含有リポソーム ジパルミトイルホスファチジルコリン(192mg)を72mgのミリスチル アミンに添加し、均質なペーストが形成されるまで、一定して混合しながら加熱 する。65mgのグルタミン酸の5ml蒸留脱イオン化水中溶液をペーストに添 加し、ゲルが形成されるまで加熱する。燐酸緩衝塩溶液をゲルに添加するとリポ ソームが形成する。 F.DLPC含有リポソーム ジラウリルホスファチジルコリン(DLPC)(50mg)を20mgのオレ イン酸と混合して、均質なペーストを形成する。20mgのアルギニンを10m lの燐酸緩衝塩溶液に添加し、ペーストに添加し、濁ったリポソーム溶液が形成 されるまで手で混合する。 G.ホスファチジルエタノールアミン−グルタミン酸リポソーム L−グルタミン酸(32mg)を2.0mlの蒸留脱イオン化水中に溶解し、 pHを1.0N水酸化ナトリウムで5.2に調節する。この溶液を60℃に加熱し 、100mgのホスファチジルエタノールアミンを添加する。溶液を一定して混 合しながら均質粘稠ゲルが観察されるまで60℃に保つ。 ホスファチジルエタノールアミン−グルタミン酸ゲルを燐酸緩衝塩溶液で1/ 10に希釈する。小胞様構造が位相差顕微鏡下で観察される。実施例7−アルギニン濃度のリポソームの大きさに対する影響 502mgのジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)に10マイク ロリットルの(2−パルミトイル−1−C14)(0.1mCi/ml)ジパルミ トイルホスファチジルコリンを添加する。クロロホルムを添加し、放射活性を完 全に混合し、次に蒸発させる。オレイン酸(OA)(195mg)を次に脂質中 に混合してペーストを形成する。119mgのアルギニンを含有する5mlの蒸 留水を添加し、45℃で混合して、透明ゲルを形成する。 1gのゲルを4個の別個のバイアル中に秤取し、以下の第1表に示すようにア ルギニンを添加する。 1.5gの各溶液を50mlの燐酸緩衝塩溶液(pH7.8)中に希釈する。 推定平均直径を14C−同位体標識DPPCを用いたセファクリルS−1000 カラムクロマトグラフィー分析により得る(即ち、直径を光子相関分光分析(P CS)を用いた分散の強度に基づいて測定する)。効果を以下の第2表に示す。 実施例8−小胞の大きさに対するpHの影響 さらに、小胞の大きさは水性緩衝溶液のpHの変化により変わる。 100mgのジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)に25マイク ロリットルの(2−パルミトイル−1−C14)(0.1mCi/ml)ジパルミ トイルホスファチジルコリンを添加する。クロロホルムを添加し放射活性を完全 に混合し、次に蒸発させる。オレイン酸(OA)(40.1mg)を次に脂質中 に混合してペーストを形成する。24mg/mlの水中アルギニンを含有する1 mlの溶液を添加し、脂質混合物を45℃で混合して、透明ゲルを形成する。 このゲルのアリコート(100mg×2)を、それぞれpH9.0および7.4 の燐酸緩衝液(10ml)中に希釈する。 再び、推定平均直径を14C−同位体標識ジパルミトイルホスファチジルコリン を用いたセファクリルS−1000カラムクロマトグラフィー分析により得る。 結果を以下の第3表に示す。 このように、アルギニン濃度または水性緩衝溶液のpHを変えることにより、 望ましい大きさのリポソーム小胞を調製することができる。実施例9−リポソーム安定性 滅菌リポソームを熱滅菌プレリポソームゲルから調製する。別法として、リポ ソームゲルまたはリポソームを適当な滅菌フィルターを通して滅菌濾過する。 pH8.0のDPPC:OA:Arg(1:1:2)から調製したリポソーム を熱滅菌し、抗菌剤または酸化防止剤を添加せずに室温で約1年間貯蔵する。細 菌 の増殖、変色および沈殿は観察されない。1年目のリポソームの陰影電子顕微鏡 観察により、リポソーム小胞は安定であることがわかる。実施例10−シュークロース潜伏 封入したシュークロースの潜伏をpH7.8の水性燐酸緩衝溶液中DPPC: OA:Arg(1:1:1)リポソーム系で封入したC14−シュークロースを用 いて測定する。結果を以下の第4表に示す。 このように、本発明のリポソーム系は薬剤デリバリーに関して優れた潜伏性を 有する。実施例11−凍結乾燥リポソーム オレイン酸(30.0g)およびコレステロールU.S.P.(7.5g)を調製 する。次に75.0gのホスファチド20型粉末(アサヒケミカル)をオレイン 酸/コレステロール混合物と均質なペーストが形成されるまで混合する。 次に、15.0gのアルギニン(遊離塩基)を183gの蒸留脱イオン水中に 溶解する。このアルギニン溶液をゆっくり脂質ペーストと混合して、均質ゲルを 形成する。ゲルのpHを5.0N HClを用いて7.4に調節する。 このプレリポソームゲルの10.0gアリコートを10mlバイアル中に移し 、凍結乾燥する。得られた粉末を5mlの燐酸緩衝塩溶液で希釈するとリポソー ムが形成される。実施例12−Flu D発現プラスミドの構築 プラスミドpAPR701はM1およびM2インフルエンザウイルスタンパク 質(A/PR/8/34)に関するコーディンク領域を有するpBR322由来 のクローニングベクターである。これはヤング(Young)ら、ジ・オリジン・オ ブ・パンデミック・インフルエンザ・バイラシズ(The Origin of Pandemic Inf luenza Viruses),1983,ダブリュ・ジー・ラバー(W.G.Laver)編、エル セバイヤー・サイエンス・パブリッシング・コーポレーション(Elsevier Scien ce Publishing Co.)により記載されている。 プラスミドpAPR801はNS1コーディング領域(A/PR/8/34) を有するpBR322由来のクローニングベクターである。これは前記ヤングら により記載されている。 プラスミドpAS1はPLプロモーター、N利用部位(N蛋白質の存在下での 転写極性を軽減する)およびcII翻訳開始コドンとその直後のBamHI部位を 含むcIIリボソーム結合部位を含有するpBR322由来の発現ベクターであ る。これはローゼンベルグ(Rosenberg)ら、メソッド・エンザイモール(Metho ds Enzymol.),101:123−138(1983)により記載されている。 プラスミドpAS1デルタEHは、pAS1からのpBR32起源の非必須E coRI−HindIII領域を欠失することにより調製する。ウイルス起源の86 1塩基対中NS1コーディング領域およびpBR322起源の375塩基対を含 有する1236塩基対のpAPR801のBamHIフラグメントをpAS1デル タEHのBamHI部位に挿入する。得られたプラスミドpAS1デルタEH/8 01は真のNS1(230アミノ酸)を発現する。このプラスミドは、アミノ酸 81および82についてのコドンとNS配列に対するNruI部位3’の間にNco I部位を有する。アミノ酸1および2間のBamHI部位は保持される。 プラスミドpAS1△EH/801をBglIIで切断し、DNAポリメラーゼ I(DNApolI;クレノー(Klenow))で末端を埋める。得られたpBGl− をNcoIで消化し、DNApolI(クレノー)で末端を埋め、BglIIリンカー と結紮する。得られたプラスミドpB4はNS1コーディング領域中にBglII 部位を含む。プラスミドpB4をBglIIで消化し、合成DNAリンカーとEP 0366238号の実施例4に記載したようにして結紮する。 得られたプラスミドpB4+により、全3個のリーディングフレーム中の終止 コドンの前のNS1の最初の81個のアミノ酸に関するコーディング領域の後の リンカー中にDNAフラグメントが挿入される。プラスミドpB4+をXmaIで 消化し(リンカー中で切断する)、末端を埋め(クレノー)、520塩基対のH A2コーディング領域由来の末端を埋めたフラグメントであるPvuIII/Hind IIIに結紮する。得られたプラスミドpDは、欧州公開特許出願第36623 8号の第2図に示すように、NS1の最初の81個のアミノ酸を含むタンパク質 、合成DNAリンカー由来の3個のアミノ酸(Gln−Ile−Pro)、その あとのHA2のアミノ酸65〜222をコードする。 生産発酵におけるプラスミドの選択を促進するために、組み換えflu Dタ ンパク質をコードするpD発現プラスミド由来のBamHIフラグメントを、選択 するためのTn903由来のカナマイシン耐性遺伝子を含むpAS1プラスミド 誘導体のBamHI部位中に結紮する[バーグ(Berg)ら、マイクロバイオロジー (Microbiology)、ディー・シュレジンガー(D.Schlessinger)編、pp.13 −15、アメリカン・ソサイエティー・フォー・マイクロバイオロジー(Americ an Society for Microbiology)(ワシントンDC 1978);ノムラ(Nomur a)ら、ザ・シングル・ストランデッド・ディーエヌエー・ファージズ(The Sin gle-Stranded DNA Phages)、ディー・デンハート(D.Denhardt)ら編、pp.4 67−472、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring Harbor Laboratory)(ニューヨーク 1978);カステラッチ(Castellazzi )ら、モレキュラー・アンド・ジェネラル・ジネティックス(Molecul.Gen.Gene t.)、117:211−218(1982)]。この結果、ベターpC13(H65 -222 )Knが得られる。 シャッツマンおよびローゼンベルグ(ShatzmanおよびRosenberg)、メソッド ・エンザイモール(Meth.Enzymol.),152:661−673(1987)に 記 載されているように、pOTS207はTn903由来のカナマイシン耐性遺伝 子を有するpAS由来のクローニングベクターである[バーグ(Berg)、前掲; ノムラ(Nomura)、前掲;カステラッチ(Castellazzi)、前掲]。これはプラ スミドpUC8[ヤニッシュ−ペロン(Yanisch−Perron)ら、ジーン(Gene) ,33:103−119(1985)]をBamHIて消化し、Tn903由来の カナマイシン耐性遺伝子を含むBclIフラグメントと結紮することにより構築す る。得られたプラスミドpUC8−KanをEcoRIおよびPstIで消化し、カ ナマイシン遺伝子を含有するフラグメントをpOTSVのEcoRIおよびPstI 部位間に挿入する[シャッツマンおよびローゼンベルグ(ShatzmanおよびRosenb erg)、前掲]。得られたプラスミドはpOTS207である。 HA2コーディング配列をコードする520bpのフラグメントはpJZ10 2から単離され[完全HAタンパク質のコーディング領域(A/PR/8/34 )を有するpBR322由来クローニングベクター][ヤング(Young)ら、ジ ・オリジン・オブ・パンデミック・インフルエンザ・バイラシズ(The Origin o f Pandemic Influenza Viruses)、ダブリュ・ジー・ラバー(W.G.Laver)編、 エルセバイヤー・サイエンス・パブリッシング・コーポレーション(E1sevier S cience Publicshing Co.)(1983))により記載]、XmaIで切断し、末端 を埋めたpB4+中に挿入する。得られたプラスミドpC1365-222をBamHI で消化し、このフラグメントから単離されたflu Dタンパク質をコードする フラグメントをpOTS207のBamHI部位中に結紮して、プラスミドpC13 (H65-222)Kn[スミスクライン・ビーチャム(SmithKline Beecham)]を産 生する。 カナマイシン耐性C13(H65−222)Knプラスミドの配列を以下よう に誘導する:ヌクレオチド位置1−31、3136−3964、4021−43 43、4533−7166はpBR322より誘導[ヤングら、前掲];ヌクレ オチド位置32−1879、4344−4532はラムダファージより誘導、ヌ クレオチド位置1880−2122、2682−3135はNS1遺伝子より誘 導、ヌクレオチド位置2123−2132、2660−2681は合成リンカー より誘導、ヌクレオチド位置2133−2659はHA2遺伝子より誘導、ヌク レオチド位置3965−4020はpCV1ポリリンカーより誘導、およびヌク レオチド位置7167−8601はpUCKan12(Tn903:Knr)よ り誘導する。flu Dタンパク質誘導体のコーディング領域のDNA配列を配 列決定DNAのジデオキシ鎖終止法により確認する[ザンガー(Sanger)ら、プ ロシーディングズ・オブ・ジ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ( Proc.Natl.Acad.Sci).USA,74:5463−5467(1977)]。 このpC13(H65-222)Knプラスミドは、β−ラクタムマーカーを除去し、 カナマイシンマーカーと置換しておく以外は、係属中の米国特許出願第07/3 87200、その対応する公開EPA第366238号、および係属中米国特許 出願第07/387558、その対応する公開EPA第366239号に記載さ れているプラスミドと本質的に同じである。前記出願は、他の適当なベクターの 記述のため、出典明示により本明細書の一部とする。 pC13(H65-222)Knプラスミドをイ−・コリ発現株AR58[スミスクラ イン・ビーチャム]中に形質転換し;flu Dタンパクの産生をイムノブロッ ト分析により確認し[トービン(Towbin)ら、プロシーディングズ・オブ・ザ・ ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ(Proc.Natl.Acad.Sci.)USA ,76:4350(1979))]、これにより、27.7kDの推定分子量の 主な免疫反応性種が明らかになる。実施例13−Dタンパク質の精製 NS11-81−HA265-222またはDタンパク質(MW27.7kD)を、米国 特許出願第07/387558号に対応する公開欧州特許出願第366239号 に詳細に記載されているように精製する。 実施例12に記載するpC13(H65-222)Kn系を用いてイー・コリ宿主株 AR58[スミスクライン・ビーチャム]によりDタンパク質の合成を誘導した 後、細菌細胞を遠心分離により集め、使用するまで−70℃で凍結する。このペ レットを解凍し、50mM トリス、2mM EDTA、0.1mMジチオトレイ トール(DTT)、5%グリセロール(pH8)中に再懸濁する。得られた懸濁 液をリソチーム(最終濃度少なくとも約0.2mg/ml)で約1時間、外界条 件下で処理する。 この懸濁液を次にマントン・ガウリン(Manton Gaulin)ホモジナイザー[エ イ・ピー・ブイ・ガウリン・インコーポレイテッド(APV Gau1in,Inc.),マサ チューセッツ州、エヴェレット]で2つの経路で8000psiで溶解する。得 られた懸濁液をトリトン(Triton)X−100(最終濃度1%)およびデオキシ コレート(DOC;最終濃度0.1%)で処理する。Dタンパク質を含有するペ レットを2mM EDTAおよび5%グリセロールを含有するpH10.5の50 mM Gly−NaOH緩衝液でターラックス(Turrax)ホモジナイザーを用い て処理する。トリトンX−100(最終濃度1%)を添加した後の得られた懸濁 液を約1時間4℃の冷所で撹拌し、次に遠心分離する。Dタンパク質を含有する ペレットを8M尿素および50mMトリス(pH8.0)中に4℃で一夜溶解す る。上清はDタンパク質を含有する。 DTT(最終濃度50mM)を添加した後、この上清を外界条件下で約1時間 撹拌し、次に8M尿素および50mMトリス緩衝液(pH8)で平衡化したDE AEファーストフローセファロース[ファーマシア(Pharmacia)]カラムにか ける。Dタンパク質を平衡緩衝液中0〜0.3M NaCl勾配(5カラム容積以 上)で溶出する。 Dタンパク質を含有するフラクションをミニセッツ(Minisette)タンジエン トフロー装置[ファーマシア]で濃縮し、10mg SDS/mgタンパク質、 DTT[シグマ(Sigma)](最終濃度50mM)で処理し、外界温度で約1.5 時間撹拌する。 得られた溶液を1%SDSを含有する25mMトリス−グリシン緩衝液(pH 8.6)で平衡化したセファロース−12カラム[ファーマシア]に充填する。 Dタンパク質を平衡緩衝液のイソクラティックグラジエント中推定モノマー分子 量で溶出する。適当な純度のDタンパク質を含有するフラクションをプールし、 濃縮し、10mgSDS/mgタンパク質およびDTT(最終濃度50mM)で 処理し、直前に記載したのと同じ条件下で次にセファロース−12カラム上クロ マトグラフィーに付す。 最高純度のDタンパク質を含有するフラクションをプールし、濃縮し、8M尿 素を含有する50mMトリス緩衝液(pH8.0)で平衡化したG25セファデ クスファインカラム[ファーマシア]に付す。Dタンパク質を平衡緩衝液でイソ クラティック溶出し、SDSを含まないDタンパク質を含むフラクションをプー ルし、濃縮する。この高純度のDタンパク質のサンプルを次に濃縮し、20mM トリス、1mM EDTA(pH8.0)に対して透析し、滅菌濾過する。実施例14−Flu Dワクチン組成物の評価 Dタンパク質、およびin vitroT細胞分析および防御研究に用いられる方法の 詳細な記載はエス・ビー・ディロン(S.B.Dillon)ら、バクシン(Vaccine)、 10:309(1992)(出典明示により本明細書中の一部とする)に記載さ れている。 CTLおよび増殖分析をすでに記載されているようにして行う[エス・ビー・ ディロン(S.B.Dillon)ら、前掲]。 CTLおよび増殖分析をすでに記載されているようにして行う[エス・ビー・ ディロンら、前掲]。IL−2をIL−2依存性CTL直線(CTLL)上で測 定し、IFNガンマを市販のELISAキットにより測定する。 水酸化アルミニウムアジュバント中スーパーローズ精製Dタンパク質(実施例 13)を含有し、3D−MPLを含むかまたは含まない本発明のワクチン組成物 を以下のようにして調製する:3D−MPL(RIBI Immunochemical,モン タナ州、ハミルトン)を注射用滅菌水中復元して1mg/mlの濃度にする。こ のストック溶液を30分間超音波処理し、続いて5%デキストロース中で希釈し て、前記[エス・ビー・ディロンら、バクシン,10(5):309−318( 1992)]したように調製した水酸化アルミニウム中Dタンパク質の混合物に 添加する前に、さらに10分間超音波処理する。 抗原用量を0.01、0.1、1.0、10、20〜100μg/注射用量から 滴定する;3D−MPL用量を0.025、0.25、2.5、25〜50μg/ 注射用量から滴定する。3D−MPL:抗原の比率を100μg用量を除いてす べての抗原量に関して2.5:1(w/w)に維持する。水酸化アルミニウムは すべての場合において100μg/用量である。対照ワクチン組成物は、エス・ ビー・ディロンら、バクシン,10(5):309−318(1992)に記載 されているようにCFAと混合した抗原20μgを含有する。最終注射容積はマ ウス1匹当たり0.2mlである。 これらの防御研究に関して、マウス(CB6F1;H−2dxb)に選択されたワ クチン用量を、0および3週に皮下注射し、7週に、2〜5LD50量のA/プエ ルトリコ/8/23[A/PR/8/34(A型インフルエンザ、H1N1)] ウイルスを鼻腔内から投与する(メトファン麻酔下)。 防御研究に用いた方法の詳細な記載は、、エス・ビー・ディロンら、バクシン ,10(5):309−318(1992)(出典明示により本明細書の一部と する)に記載されている。攻撃後の生存率(%)をフィッシャーの確率試験によ り群間で比較する。 第5表の結果は、致死攻撃からの重大な防御に必要なflu D抗原の最小量 は10μg(アルミニウムのみ)からワクチン組成物中に3D−MPLが含まれ る場合1μgまで減少することを示す。また、マウスの攻撃の生存率(%)は2 0μg(p≦0.01)、10μg(p≧0.05;NS)および1μg(p≦0 .01)の抗原量をワクチン組成物中3D−MPLならびにアルミニウムととも に投与した場合、アルミニウムのみの場合よりも増加する。CFA対照群中の2 0μgの抗原量での生存率はこの実験においては73%である。実施例15−Flu Dワクチン組成物の評価 この実験は、3D−MPLの用量を滴定し、単独、最小有効量のflu D抗 原(1μg)およびアルミニウムアジュバント(100μg)と共に、またはf lu D抗原(10μg)およびアルミニウムアジュバント(100μg)と共 に投与する以外は、基本的に実施例14に記載したようにして行う。第6表に示 した結果より、2μg3D−MPLが最小有効量である。 実施例16−Flu Dワクチン組成物の評価 この実験において、2、10または50LD50量のウイルスを投与した後に 見られる防御レベルを測定することにより、リポソーム+3D−MPLの効力を 3D−MPLを含まないリポソーム(Lipo)[Ribi Immunochem]およびAl( OH)またはCFAと比較する。用いたワクチンは以下の第9表におけるのと同 じである。 マウスに0および3週に注射し、7週にA/PR/8/34を投与する。以下 の第7表に21日の生存率を示す。 結果から、リポソーム/3D−MPL処方で50LD50攻撃に対して著しい防 御が見られるが、試験した他のアジュバントでは見られない(第7表)。すべて の処方に関して、2LD50攻撃に対して著しい防御が見られ、アルミニウム以外 のすべての処方は10LD50攻撃量に対して防御的である。したがって、3D− MPL/リポソーム処方中のDタンパク質はT細胞応答を支持する伝統的なアジ ュバントであるが、ヒトにおける使用には適していないCFAにおけるDタンパ ク質よりも強い効力のワクチンを構成する。実施例17−Flu Dワクチン組成物の評価 この実験において、flu Dタンパク質、3D−MPL、およびリポソーム を含有する本発明のワクチン組成物を、flu D、3D−MPLおよびアルミ ニウムアジュバントを含有するワクチン組成物と比較して評価する。リポソーム 中に配合されている実際の3D−MPLの量を測定する。 全タンパク質濃度2.49mg/MLの25mMトリス/1mM EDTA(p H8)中flu Dタンパク質(スーパーローズ精製)を20mM炭酸水素アン モニウム(pH8)に対して透析し、凍結乾燥して、20mgずつの粉末に分け る。 卵ホスファチド(アサヒ5型)およびオレイン酸(シグマ(Sigma))を約1 :1.2モル比で混合する。L−アルギニン(遊離塩基)(0.38M水中溶液) をホスファチド/脂肪酸混合物に添加し(1:1(モル比)ホスファチド:アル ギニン)、混合物を滑らかで均質なゲルが形成されるまで混合する。このゲルは プレリポソームゲルである。 凍結乾燥したタンパク質をプレリポソームゲルと合し(0.06〜0.08タン パク質/ゲル(w/w)比)、室温で均質なペーストが形成されるまで混合する 。モノホスホリル脂質A(リビ・イムノケム(Ribi Immunochem))をホスファ チド66μモルに対して脂質A1μモルの比で添加する。これは凝集した3D− MPLモノマーのナノ粒子(直径サブミクロン)構造からなる無色透明な系であ る。得られたリポソーム懸濁液をさらに25mMトリス/1mMEDTA(pH 8.0)緩衝液で希釈して、均質化する。リポソーム調製物を次に連続して遠心 分離し(3回)、未配合タンパク質および3D−MPLを除去する。毎回ペレッ トを トリス/EDTA緩衝液で再懸濁する。最終リポソーム懸濁液を分析し、使用し ない場合、N2下、5℃で保存する。 リポソームを続いて分析して変更したローリー比色検定により、タンパク質含 量を測定し、バーレット検定によりリン脂質濃度を測定し[バートレット・ジー ・アール(Bartlett,G.R.)、ジャーナル・オブ・バイオロジー・アンド・ケミ ストリー(J.Biol.Chem.)234:466−468(1959)]、リポソーム の大きさを光子相関分光分析[マルバーン(Marvern)4700型]により測定 する。すべての検定を標準的技術により行う。リポソームは、脂質A含量に関し ては分析しないが、脂質Aのすべては、最終リポソームフラクション中に保持さ れることが多い。 以下の第8表において、Dタンパク質LAおよび対照LA−Iを、固体脂質A を脂質相中に配合することにより調製する。対照LA−11は配合する脂質Aの 溶液で水和することにより調製する。 マウスを0.2mlの抗原/担体/3D−MPL処方て、0および3週に皮下 で免疫化し、7週目に5LD50のA/PR/8/34ウイルスで鼻腔内から攻撃 する。「担体」は水酸化アルミニウム(Al)またはリポソーム(Lipo)のいず れかである。生存率を21日間モニターする。これらの結果を以下の第9表に示 す。特記しない限り、p値は3D−MPL対照に対する測定値である。 このデータは担体としてリポソームを用いることにより、3D−MPLの必要 量(0.005〜0.05μg)はアルミニウムに関して必要な量(約2μg)に 対して大幅にに減少させることができることを示す(第6表も参照)。実施例18−ワクチン組成物の評価 CB6F1マウス(1群12匹)に0および3週にアルミニウム(100μg )+3D−MPL(10μg)中flu D100μgを含むワクチン組成物を 皮下注射する。7週に、マウスに3〜5LD50量の第1図に示すウイルスで攻撃 する。攻撃後21日間,生存率をモニターする。 第1図の結果は、ワクチンの抗原特異性がA1+3アジュバントに関してすでに 示されているものと等価であることを示す[エス・ビー・ディロン(S.B.Dillon )ら、前掲](即ち、H1およびH2亜型の両方に関して交差反応性であるが、 H3またはB型に対して効力を欠く)。生存率も異種のH1N1ウイルス、A/ タイ/86で攻撃した予防接種群において大きいが、結果は有意ではなかった( p<0.09)(第1図参照)。実施例19−Flu Dワクチン組成物の評価 CB6F1マウスに0および3週にアルミニウム(100μg)中+3D−M PL(2.5μg)Dタンパク質1μgまたはアルミニウムのみを含むワクチン 組成物を皮下(sc)注射する。7週目に、18匹のマウスを5LD50量のA/ PR/8/34ウイルスで攻撃する。5匹のマウスを攻撃の7日後に肺力価測定 のために屠殺する。(7日の対照群における死亡率は、Al/3D−MPLに関 して60%、CFAに関して40%であった)。脾臓を増殖およびシサイトカイ ン検定(以下の第15表)のために、攻撃前、1群当たり2匹のマウスから摘出 し、攻撃の6日後、1群当たり3匹のマウスから摘出する。第10表に5LD50 攻撃後の生存率(n=10/群)および肺ウイルス清掃率(n=5/群)を示す 。肺ウイルス力価を7日目に記録し、第10表の第4行目に示す。 第10表の結果は、5LD50攻撃を受けたマウスにおける肺ウイルス力価の減 少は3D−MPL対CFAよりも大きい(2.4常用対数対0.9常用対数)が、 生存率はこれらの群において等しいことを示す。 実施例20−Flu Dワクチン組成物の評価 脾臓T細胞の増殖を測定するために、λIFN産生を防御と相関させ、これら の応答をAl対Al/3D−MPL(2.5ng3D−MPL)アジュバント( 第10表に示した研究から)中1μgDタンパク質で免疫化したマウスの脾臓に おいて攻撃の前後にてモニターする。7週に、ウイルス攻撃後6日に2匹のマウ スを屠殺する。脾臓をDタンパク質と共に培養し、3日に3H−チミジンでパル ス処理に付す。培養上清を8時間後に収穫する。 全体として、脾臓増殖応答はAlまたはAl/3D−MPL処方中のDタンパ ク質のいずれかで予防接種した群(未剌激の培養物中の最大cpmは2750c pmである)について、攻撃の前vs.後で似ている(第3図)。増殖応答の大 きさも、各アジュバント群について似ており、最大刺激指数は同様に3.0以下 である(第2図)。抗原刺激培養上清中の攻撃前のガンマーインターフェロンレ ベルは少し(およそ2倍)上昇するだけで、2つのアジュバント群は第11表に 示すように等しい。 しかし、対照的に、ガンマーインターフェロン産生は、抗原刺激培養物におい てAl/3D−MPL群から攻撃後に7倍以上に増加するが、攻撃後のレベルは Al3+のみで予防接種した群においては上昇しない(第11表)。これらの結果 は、したがって、インターフェロン−ガンマ産生は攻撃後の減少した肺力価およ び生存率と相関することがわかり、さらに、T細胞増殖それ自体は2つのアジュ バント群間の違いを反映しないことがわかる。 実施例21−Flu Dワクチン組成物の評価 CD4+細胞の役割をさらに調べるために、抗原−特異性増殖およびサイトカ イン産生をflu Dおよびアルミニウムアジュバント(Al)を含有するワク チン組成物対flu DおよびAl/3D−MPLを含有するワクチン組成物で 予防接種したマウスにおいて比較する。 7日前に1、5または20μgのAl/3D−MPLまたはAl+アジュバン ト(100μg)中Dタンパク質(3D−MPL:抗原の比率は2.5:1w/ w)を1回注射したマウスからのリンパ節を0〜30μg/ml精製Dタンパク 質と共に培養する。 結果を第3図および第4図に示す。増殖はAl/3D−MPLを受けた群にお いて明らかに増加し、最低のin vivo抗原量(1μg)で違いが最大である。第 3図において、未剌激の培養物における最大cpmは1368cpmである。第 4図において未刺激の培養物における最大cpmは1600cpmであり;未刺 激培養物からの上清とともに培養したCTLL(IL−2依存性CTL株)細胞 の最大cpmは195cpmである。最大(48時間)IL−2活性は、Al/ 3D−MPL処方で予防接種した群において大きいが、そのレベルはすべての培 養物において一般に低い(第4図)。 第12表は、同じ抗原−刺激培養物からの上清中のインターフェロン−ガンマ の分析の結果を示す。アジュバント対照培養物からの上清中のインターフェロン レベルはすべて<1ng/mlである。インターフェロン−ガンマをギブコ−B RL・エライザ(Gibco-BRL ELISA)キットを用いて測定する。このサイトカイ ンは培養の第4日で最高であり、Al/3D−MPL群よりも5倍まで大きい。 第11表および第12表からの結果はあわせて、MPLアジュバントの作用機 序におけるインターフェロンガンマの役割を支持するものである。実施例22−Flu Dワクチン組成物の評価 前記実施例は、3D−MPLがワクチンの効力を向上することを示すので、追 加抗原注射が防御にとって必要であるかどうかを決める研究を行う。マウスに5 0μgのDを1回皮下注射して予防接種し、7週間後に2LD50A/PR/8/ 34で攻撃する。あるいは、第2群に同じ抗原量を3週に追加抗原注射する。3 D−MPL量は125μgである。flu Dは水酸化アルミニウム、アルミニ ウム+3D−MPLまたはCFAをアジュバントとする。各アジュバントについ て対照実験を行う。 以下の第13表の結果(実施例23に示す)は、ワクチン組成物中に、50μ gの抗原と共に3D−MPL(125μg)を配合すると、同じ量のアルミニウ ムに吸着させたワクチンタンパク質と比較した場合、1または2回の注射のいず れかを受けたマウスにおける生存率が著しく増加する。また、Al/MPL群に おける生存率はCFAにおいてみられる生存率に匹敵する。実施例23−細胞毒性Tリンパ球検定 in vitro T細胞検定に用いる方法の詳細な記載は、エス・ディロンら(前掲 )に記載されている。記憶CTLを検出するための検定を、前記されているよう にウイルスでの2回目のin vitro刺激の後で行う[エフ・エニス(F.Ennis)ら 、ランセット(Lnacet),II:887−891(1981);ヤマダ(Yamada )ら、ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メジシン(J.Exp.Med.)162 :663−674(1985);およびケイ・クワノ(K.Kuwano)ら、ジャーナ ル・オブ・エクスペリメンタル・メジシン(J.Exp.Med.)169:1361−1 371(1989)参照]。簡単には、免疫または対照マウスからの脾臓または リンパ節細胞を6:1の比でインフルエンザウイルス感染同系脾臓細胞と共に5 日間培養する。培地は10%ウシ胎児血清[ハイクローン・ラボラトリース(Hy clone Laboratories)、ユタ州、ロガン]、2mMグルタミン、5×10-5M2 −ME、10mM HEPES、ペニシリンおよびストレプトマイシンを補足し たRPMI1640である。 50μgのDタンパク質の注射を1または2回(0および3週)受けたマウス からの脾臓を7週に摘出し、前記のようにしてin vitroで再刺激する。1溶解単 位(LU35)を35%溶解に必要なクロム放出検定(回帰分析により決定)にお けるエフェクター細胞の数と定義する。第13表は、水酸化アルミニウムおよび 3D−MPL中SK&F106160(Dタンパク質)で免疫化したマウスのこ れらの脾臓におけるH1N1−特異性CTL活性の結果を示す。 この実施例の実験において、3D−MPLは第13表に示すように水酸化アル ミニウム(Al+3で示す)で生じる応答に関してクラスI制限メモリーCD8+ CTLを活性化しない。加えて、第13表の結果は、脾臓CTLを皮下注射を1 回施したマウス対2回施したマウスにおいて比較すると、防御は2回目の注射を 受けたマウスにおいて明らかに向上した。 このように、CD8+CTL以外の機序は、抗原性ペプチドおよびアルミニウ ムアジュバントを含有するワクチン組成物中に3D−MPLが配合された場合ま たはマウスに追加抗原注射を施した場合に見られる向上した免疫性の原因である と考えられる。実施例24−瀉血研究 どのT細胞サブセットが3D−MPLアジュバントの活性ともっとも相関して いるかを調べるために、抗−CD−4または抗−CD−8単クローン抗体(Mab )に関して瀉血試験を行う。最初の研究は以下のようにして、T細胞サブセット 瀉血に関する予防接種後の方法を用いて行う。マウス(1群15匹)に50μg のAl/3D−MPL中flu D(SK&F106160)を0および21日 に2回皮下注射して免疫化し、5LD50量のA/PR/8/34で42日に攻撃 する。抗体(300μg/マウス)を攻撃前、予防接種後32、33、34、3 9、40および41日、攻撃後43、48および53日に腹腔内投与する。別の 研究において、マウスをMabで処置して、−3、−2、−1日にワクチンの初回 注射(予防接種前の方法)の前にT細胞サブセットを瀉血する。0日に予防接種 後、マウスを7、14、18、19および20日にMabでさらに処置し、次に2 1日にワクチンで追加刺激する。マウスをさらに42日にウイルス攻撃する前に 、28、35、39、40および41日にMabで処置する。マウスをさらに攻撃 後43、49および54日にMabで処置する。これらのT細胞サブセット瀉血実 験の結果を以下の第14表に示す。結果から、予防接種の有効性により、マウス をCD4+またはCD8+T細胞サブセットのいずれかの瀉血をした場合に減少 し、効果はMab処置を予防接種前に始めた場合に著しいことがわかる。したが って、これらの結果は、Al/MPL処方中flu Dワクチンの作用機序がT 細胞媒介性であり、両方のT細胞サブセットが活性のために必要であることを明 確に示す ものである。 ガンマインターフェロンの産生は防御と相関するので(第11表)、予防接種 したマウスにおけるこのサイトカインの産生に関与するT細胞の表現型を調べる 研究を行う。マウスを抗−CD4または抗−CD8Mabを毎日3日間腹腔内注 射(300μg/注射)することによりCD4+またはCD8+T細胞サブセット を瀉血する。最後のMab注射の4日後に、マウスを20μg水酸化アルミニウム (100μg)および3D−MPL(20μg)中flu D処方で免疫化し、 7日後にリンパ節を摘出する。リンパ節細胞をin vitroで0、1または10μg /mlのDタンパク質で再剌激し、上清をインターフェロンおよびIL−2検定 用に1〜4日に集める。第5図の結果は、IL−2産生が抗−CD4処理により 完全になくなり、抗−CD−8−処置マウスにおいては部分的に減少することを 示す(第5B図)。最大IFNγ産生(4日上清)は抗−CD4または抗−CD 8処置マウスにおいて約50%まで減少する(第5C図)。したがって、CD4+ およびCD8+のT細胞サブセットは共にIL−2およびIFNγを産生する。 前記実施例はアルミニウム+3D−MPLを配合した組み換えインフルエンザ H1N1ワクチンはウイルス清掃率および生存率を促進し、致死攻撃に対して著 しい防御を得るのに必要な抗原量を減少させ、CFAに関してみられるのと等し い効力レベルにする。今まで集めたデータはこの組み換えインフルエンザワクチ ンの活性を向上させるように3D−MPLが作用する機序がCD4+T細胞応答 の選択的有効化により、IL−2およびIFNγを産生するTH1型細胞に限定 される証拠を示す。実施例25−スプリットウイルスの調製 サクシスケス・セルムベルクル株式会社(Sachsishes Serumwerkl GmbH)(S SW)(ドイツ、ドレスデン)により製造されているようなスプリットウイルス を公知の方法、例えば、欧州薬局方PA/PH/Exp3(1992);DAB1 0「ワクチン・インフルエンザ・イーエッスク・ヴィロラム・フラグメンティス ・プラエパラタム(Vaccines Influenzae ex virorum fragmentis praeparatum )」、および世界保健機構のインフルエンザワクチン(不活化)に関する改正要 件議案(1990)に記載されているような方法により調製する。このようなス プリットウイルスをWHOおよびEECにより推薦される1またはそれ以上のイ ンフルエンザウイルス株、例えば、A/シンガポール/6/86、A/ペキン/ 32/92およびB/パナマ/45/90を用いて調製する。これらの株は、特 定の年数に応じて変化する。 他により詳細に記載されているように、インフルエンザウイルスはシードロッ ト物質を接種した胚含有鶏卵から得られる。これらのウイルス懸濁液を部分的に 精製し、濃縮する。濃縮したウイルス懸濁液を界面活性剤、デスオキシコール酸 ナトリウムで処理して、ウイルス粒子を破壊(または「スプリット」)する。ウ イルスリン脂質をスプリットプロセス中に除去した後、反応原性は大きく減少す る。スプリットウイルス懸濁液を界面活性剤およびホルムアルデヒドの効果によ り完全に不活化する。 より詳細には、本発明のスプリットウイルスの製造法は以下のとおりである。 A.1価完全ウイルス接種物の調製 胚含有卵の接種の日、インフルエンザワーキングシードロットを0.5mg/ mlの硫酸ゲンタマイシンおよび25μg/mlのヒドロコルチゾンを含有する リン酸緩衝液と混合することにより新しい接種物を調製する。ウイルス接種物を 2〜8℃に維持する。 9〜11日の胚含有卵をウイルス複製に用いる。製造工場に到着する前に卵を 農場で暖め、殻の浄化後、生産室にいれる。卵に0.2mlウイルス接種物を自 動卵接種装置により接種する。接種物を±0.03MPaの圧力で注射する。接 種した卵を適当な温度(ウイルス株に依存)で50〜96時間郷化させる。郷化 期間の終わりに、卵を冷却し、2〜8℃で12〜60時間保存することにより胚 を殺す。 冷却卵からの尿膜腔液を適当な卵収穫機により回収する。通常、卵1個あたり 8〜10mlの粗尿膜腔液が得られる。粗1価ウイルスバルクに0.100mg /mlのチオメルサールを添加する。 収穫した尿膜腔液を100〜200L/時の容積および10〜17000gの 遠心力で遠心分離することにより清澄化する。この清澄化前液体はさらに6〜8 μm膜フィルター上で清澄化できる。 清澄化ウイルスプール中CaHPO4ゲルを得るために、0.5M Na2HPO4 および0.5MCaCl2溶液を添加して、CaHPO4の最終濃度をウイルス株 に応じて1.5g〜3.5gCaHPO4/リットルにする。少なくとも10時間 沈降させた後、上清を除去し、0.26MEDTA溶液を添加することによりイ ンフルエンザウイルスを含有する沈殿をを再溶解する。EDTAの濃度は元の収 穫容積1リットル当たり4.5〜10gの間である。 再懸濁沈殿を6〜8μmフィルター膜上を濾過する。 インフルエンザウイルスを直線シュークロース勾配(0〜55%)、9000 0gで等密度遠心分離により濃縮する。流量は8〜12リットル/時である。遠 心分離の終わりに、ローターの内容物を4つの異なるフラクションを回収する( シュークロースを屈折計で測定する): −フラクション1:55〜52%シュークロース −フラクション2:52〜38%シュークロース −フラクション3:38〜20%シュークロース −フラクション4:20〜0%シュークロース さらにワクチンを調製するために、フラクション2および3のみを用いる。フ ラクション3を希釈して、スクロース含量を約6%に減少させる。この希釈フラ クション中に存在するインフルエンザウイルスを53,000gでペレット化し て、可溶性汚染物質を除去する。ペレットを再懸濁し、よく混合して均質な懸濁 液を得る。フラクション2およびフラクション3の再懸濁したペレットをプール し、燐酸緩衝液を添加して、容積を30リットルにする。この段階で、生成物を 「1価完全ウイルス濃縮物」と称する。 B.スプリットウイルス1価バルク 選択されたインフルエンザウイルス、好ましくは、前項Aの1価完全ウイルス 濃縮物を70,000gで1,2〜1,5%のデスオキシコール酸ナトリウムの直 線的分布を含むNadoc直線シュークロース勾配により破壊する。ツィーン80は 勾配中0.1%で存在する。ウイルス濃縮物を5リットル/時の速度で供給する 。遠心分離の終わりに、ローターの内容物を3つの異なるフラクションにより回 収する: フラクション1:55〜40%シュークロース フラクション2:40〜13%シュークロース フラクション3:13〜0%シュークロース 赤血球凝集素をフラクション2中に濃縮する。チオメルサールを0.01%、 ツィーン80を0.01%で含有するリン酸緩衝液を添加して、フラクションを 4倍に希釈する(±5リットル)。 希釈したフラクション2を最後が0.2μm膜の複数のフィルター膜上で濾過 する。濾過の最後に、フィルターを0.01%チオメルサールおよび0.01%ツ ィーン80を含有する燐酸緩衝液で洗浄する。その結果、濾過されたフラクショ ン2の最終容積は、元のフラクション容積の5倍である。ウイルス株に応じて、 スプリットウイルス物質の短時間超音波処理を導入して滅菌濾過を促進できる。 濾過した1価スプリット物質を22±2℃で少なくとも84時間培養して、デ スオキシコール酸ナトリウムの効果によりウイルスおよびマイコプラズマの不活 化を行う。この培養時間の後、全タンパク質含量を最大250μg/mlに下げ るために0.01%チオメルサールおよび0.01%ツィーン80を含有するリン 酸緩衝液を添加する。ホルムアルデヒドを50μg/mlの割合で添加すると、 4℃±2℃で少なくとも72時間不活化が起こる。 不活化スプリットウイルス物質を平均孔径が20000ダルトンの膜上限外濾 過する。限外濾過中、ホルムアルデヒド、NaDOCおよびサッカロースの含量 は大きく減少する。限外濾過(透析濾過)中、0.01%チオメルサールおよび 0.01%ツィーンを含有するリン酸緩衝液の添加により、容積は一定に保たれ る。 限外濾過スプリット物質を最後に0.2μmの膜上濾過に付す。ウイルス株に 応じて最終濾過膜は0.8μmであってもよい。この段階で、生成物を「1価最 終バルク」と称する。1価最終バルクを2〜8℃で最大18箇月間貯蔵する。実施例26−スプリットウイルスワクチン組成物 (a)粒径が60〜120nmのMPLの調製 注射用水を凍結乾燥した3脱アシル化モノホスホリル脂質A(MPL)(リビ ・イムノケム(Ribi Immunochem)、モンタナ州より入手)を入れたバイアル中 に注射器を用いて注入し、1〜2mg/mlの濃度にする。撹拌機を用いて混合 することにより予備懸濁液を得る。バイアルの内容物を次に25ml丸底コレッ クス(Corex)管(懸濁液10ml/管)に移し、懸濁液を水浴音波処理器を用 いて超音波処理する。懸濁液が透明になったら、粒子の大きさを動的光散乱を用 いて評価する(マルバーン・ゼタサイザー(Malvern Zetasizer)3)。MPL 粒 子の大きさが60〜120nmの範囲、好ましくは100nm未満になるまで処 理を続ける。 懸濁液は、ある場合には、5箇月まで著しく凝集することなく4℃で貯蔵でき る。等張NaCl(0.15M)または等張NaCl+10mM燐酸塩により、 迅速な凝集が誘起される(大きさ>3〜5μm)。 (b)本発明のスプリットウイルスワクチン組成物を以下のように調製する。 最終バルク緩衝液を、注射用水に濃縮塩溶液:NaCl4mg;Na2HPO4 0.52mg;KH2PO40.19mg;KCl0.1mg;MgCl20.05m gおよびチオメルサール50μgを添加することにより調製する。得られた溶液 を使用する前に15分間撹拌する。 ついで、1価スプリットウイルスバルク(15μg HA)を、3D−MPL 50μgと混合し、得られた混合物を室温(または周囲温度)で約1時間撹拌す る。 緩衝混合物およびウイルスバルク混合物を次に一緒に混合する。30分室温で 撹拌した後、pHを7.15±0.1にする。得られた最終ワクチンを+2〜+8 ℃で保存する。 多価スプリットウイルスワクチン、例えば3価ワクチンを調製するために、前 記のようにして調製した選択された株の一価スプリットウイルス貯蔵物を混合し て最終多価ワクチンを構築する。得られたプール物質を室温で30分間撹拌する (pH7.15±0.1)。得られた最終ワクチンを約2℃から約8℃の間の温度 で保存してもよい。ワクチンは無色半乳白色の精製スプリットインフルエンザウ イルスの水性懸濁液である。 以下の実施例の試験における比較のために、ワクチン調製物をアジュバントな しで調製する。この対照ワクチンについて、注射用水に濃縮塩溶液:NaCl4 mg;Na2HPO40.52mg;KH2PO40.19mg;KCl0.1mg; MgCl20.05mg;およびチオメルサール50μgを添加して最終1価バル ク緩衝液を調製する。得られた溶液を使用前に15分間撹拌する。混合物を室温 で15分間撹拌する。1価バルク(15μgHA)を添加し、続いて30分間 室温で撹拌する(pH7.15±0.1)。得られた最終ワクチンを室温で+2℃ 〜+8℃の間の温度で貯蔵する。 本発明の2つの1価ワクチン組成物および1価対照ワクチンを、次の実施例に 用いるために、3D−MPL50μg(実施例26(a)から得られる粒径<1 00nm)と混合したH1N1株、A/PR/8およびシンガポールを用いて調 製する。 実施例27−マウスにおける致死攻撃 本発明の1価ワクチン組成物の免疫原性を評価し、1価非アジュバント化処方 の免疫原性および抗原なしのアジュバント3D−MPLと、マウスにおける致死 インフルエンザ攻撃に関して比較する。 各ワクチンに関して、CB6F1マウス(1群30匹)を5μgの示した株± 5μgの3D−MPLを含有する調製物を3週間間隔で2回皮下注射して免疫化 する。初回注射の7週間後、マウスをメトファン麻酔下、5LD50のA/PR/ 8で鼻腔内から攻撃する。生存率および病気の臨床的兆候を攻撃後3週間まで1 5匹のマウスについてモニターする。肺ウイルス力価を残りの動物(1群5匹) についてMDCKミクロアッセイにより測定する[エイ・エル・フランク(A.L. Frank)ら、ジャーナル・オブ・クリニカル・マイクロバイオロジー(J.Clin.Mi crobiol.)12:426−432(1980)]。 結果を以下の第15表に示す。 2株(A/PR/8およびシンガポール)はある程度のレベルの防御を誘起す る。両群に関する生存率は、抗原を含まない対照調製物(Alum+3D−MP L)よりも著しく高く、肺ウイルス清掃率も早い。当然ながら、A/PR/8− 接種群(攻撃に関して相同性)はシンガポール接種群(攻撃に関して異種)より も優れている。さらに、3D−MPLを補足した両株は100%生存率を誘起し 、実際肺ウイルス力価はなく、臨床的症状もない。明らかに、本発明の3D−M PLをアジュバントとしたワクチンは下部気道感染およびウイルス性肺炎などの 重度の臨床的兆候に対して優れた防御を誘起する。この実験から、3D−MPL をアジュバントとして添加することにより、スプリットワクチンのホモ亜型およ びヘテロ亜型活性が向上し、したがって抗原性シフトおよびドリフトに対して、 非アジュバント化ワクチンよりも広範囲の防御が得られることが予想できる。実施例28−マウスにおける非致死攻撃 マウスを鼻腔内攻撃の前に麻酔しない以外は前記実施例25と同様の方法であ る。気道におけるウイルス滴定、ウイルス中和検定および気管の走査電子顕微鏡 検査を行う。 A/PR/8ウイルスに対するウイルス中和滴定を攻撃後1、5および9日に 行う(第16表)。 両方のA/PR/8群は3D−MPLの存在下で力価が常に高い中和抗体を産 生する。対照的に、シンガポールでの予防接種は3D−MPLを添加しても中和 抗体を誘起しない。これは、先にシンガポールおよび3D−MPLで観察された ヘテロ亜型活性は抗体によるものでなく、細胞免疫によるものであることを示す ものである。 気管の走査電子顕微鏡写真(SEM)を3および5日に収穫したサンプルに関 して行う。組織を気管、特に剥離片中にある重度の繊毛を有する上皮細胞におけ る組織病理学的変化に関して評価する。これらの変化は、進行中のインフルエン ザ感染の程度または感染からの回復度を示す(以下の第17表参照)。 SEMの結果は、A/PR/8またはシンガポール株単独での予防接種により 防御が得られ、両方の場合、正の効果が3D−MPLの添加により向上し、それ により、アジュバントを添加したスプリットワクチンはインフルエンザの進行を 変えることを示す。 ウイルス力価を鼻、気管および肺において攻撃後1、3、5、7および9日に MDCKミクロアッセイにより測定する(1群5匹)。結果を以下の第6Aから 6F図に示す。当然ながら、鼻力価は気管または肺力価よりも高い。しかし、す べての試験した治療は鼻または気管力価における明らかな違いを示さない。対照 的に、肺力価は区別される:A/PR/8+3D−MPLおよびシンガポール+ 3D−MPL力価は常に抗原単独、または3D−MPL単独の値以下である(第 6A図から6F図)。これは、3D−MPLアジュバント化により、マウスにお いて優れた肺防御が得られることを示す。 マウス実験の両組(致死および非致死攻撃)は2つのH11の亜型(シンガポ ールまたはA/PR/8)およびそれに続くホモタイプ攻撃は本発明のアジュバ ントとしての本発明の3D−MPLの配合により向上することを示す。実施例29−ワクチンの免疫原性 各ワクチンに関して、CB6F1マウス(1群15匹)を通常の非アジュバン ト化シンガポール1価スプリットワクチンまたはシンガポール株および3D−M PLを含有する本発明のワクチン組成物のヒト用量の1/10を含む調製物を3 週間間隔で2回皮下注射して免疫化する。ヒト用量は、各ウイルス株の15μg HAを含有する注射0.5mlと定義する。本発明において用いる処方は赤血球 凝集素(HA)の3D−MPLに対する比が1.5μgHA/5μg3D−MP Lないし5μgHA/5μg3D−MPLの成分を含む。2回目の注射の3週間 後、マウスを採血し、血清抗体をそれぞれ赤血球凝集の阻害により検定する。力 価を校正基準に対して計算する。マウスは抗体力価がカットオフ値よりも大きい 場合応答動物と考えられる。 結果を第18表に示す。両方の型の処方はすべての動物において抗赤血球凝集 抗体を誘起し、血清応答率が最大である。しかし、免疫応答は、シンガポール株 のみを含有するワクチンよりも5倍大きい幾何平均価で示されるように、本発明 の3D−MPLを含有するワクチン処方により著しく向上する。 この実験は、マウスにおける抗体応答が、本発明の3D−MPLアジュバント 化ワクチンの使用により向上することを示す。実施例30−モルモットにおける過敏性研究 3D−MPL(粒度<100nm、実施例26)の3価スプリットワクチンへ の添加が過敏性を修飾するかどうかを調べるために過敏性研究をモルモットにお いて行う。3価インフルスプリットで表わす3価ワクチンを実施例25に記載し たようにして調製し、これはH1N1株シンガポール/6/86、H3N2株ペ キン/353/84およびB型株、B/ヤマガタ/16/88を含有する。 増感薬[尿膜腔液0.5または2.5mg±3D−MPL50μg;1ヒト用量 (インフルエンザウイルスのこれらの株それぞれに関して15μgHAを含有す る0.5ml注射)3価インフルスプリット±3D−MPL50μg]を0、3 、5、7、10および12日に6回腹腔内注射により投与する。モルモットを4 週間休ませ、次に麻酔下で攻撃剤(尿膜腔液0.45mg;1ヒト用量3価イン フルスプリット±3D−MPL50μg)で静脈内攻撃する。動物を攻撃後30 分観察し、さらに2または3時間観察する。観察される症状(創傷、呼吸障害、 けいれん、死亡)を記録する。1回目の攻撃から症状が起こらない場合、動物を 尿膜腔液(1.3mg)で24時間後に再攻撃する。 この試験の結果を以下の第19A表および第19B表に示す。 1〜3群(負の対照)に関して効果がないことは、過敏性は腹腔内感作を必要 とすることを示す。5群において過敏性がないことは、インフルスプリットが尿 膜腔液を感作できないことを示す。6群からも同様の結論が引き出せる(尿膜腔 液およびインフルスプリットを用いた攻撃に対する感作)。実際、5および6群 の結果もワクチンが尿膜腔液タンパク質の残渣を含有しないことを示す。増感剤 (7および8群)または攻撃剤(9群)のいずれかへの3D−MPLの添加は応 答を変えない(7対4群、8対5群、9対6群の比較)。 この実験は、3D−MPLと共にまたは単独で攻撃剤として投与された3価イ ンフルスプリットワクチンは予め尿膜腔液で過感作された動物において過敏性反 応を引き起こすことができず、実験条件内で、3D−MPLは過感作反応に対し て著しい影響を及ぼさない。したがって、本発明のワクチン組成物は哺乳動物へ の投与に関して安全である。本発明の種々の修正および変更は前記明細書に含ま れ、当業者には自明であると考えられる。このような本発明の組成物およびプロ セスの修正および変更は特許請求の範囲内に含まれると考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CZ,DE,DK,ES,FI,G B,GE,HU,JP,KG,KP,KR,KZ,LK ,LU,LV,MD,MG,MN,MW,NL,NO, NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SK,T J,UA,US,UZ,VN (72)発明者 ディロン,スーザン アメリカ合衆国ペンシルベニア州19317、 チャッズ・フォード、レイベン・ドライブ 17番 (72)発明者 ニシカワ,ヒロトシ アメリカ合衆国ペンシルベニア州19041、 ハバーフォード、カーナボン・レーン31番 (72)発明者 モンテ,ポール・ダル アメリカ合衆国ペンシルベニア州19341、 イクストン、アバーデア・レーン106番 (72)発明者 ジュリック,ロバート・ジェイ アメリカ合衆国ニューハンプシャー州 03833、エクセター、アシュブルック・ロ ード12番 (72)発明者 ギャルソン−ジョンソン,ナタリー・マリ ー−ジョセフ・クロード ベルギー国ベー―1330リクセンザルト、リ ュ・デュ・ランスティテュート89番スミス クライン・ビーチャム・バイオロジカルス (ソシエテ・アノニム)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.インフルエンザ抗原に対して向上した免疫応答惹起能を有するワクチン組 成物であって、有効量の該インフルエンザ抗原および3D−MPLからなるワク チン組成物。 2.該インフルエンザ抗原が抗原性ポリペプチドである請求項1記載のワクチ ン組成物。 3.該抗原性ポリペプチドが、Dタンパク質のNS11-81HA265-222、NS 11-81HA21-222、HA266-222、△M、△M+、A、C、C13、C13シ ョートおよび△D、シス−レスD、HA266-222、およびNS1H3A2構築物 からなる群より選択される請求項1記載のワクチン組成物。 4.該組成物が少なくとも1個のスプリットインフルエンザウイルスからなる 請求項1記載のワクチン組成物。 5.該組成物が少なくとも3株のインフルエンザウイルスに対して反応性を有 する3種のスプリットウイルスからなる請求項4記載のワクチン組成物。 6.該株が、H1N1、H3N2、H2N2、およびB型インフルエンザ株か ら選択される請求項4記載のワクチン組成物。 7.該スプリットウイルスが、A/PR/8、A/シンガポール、A/ウドー ン(Udorn)、A/ビクトリア、A/テキサス、A/ペキン、A/プエルトリコ 、B/パナマ、B/ヤマガタ(Yamaghta)、B/リー/40およびB/タイワン からなるインフルエンザ株の群に由来する請求項6記載のワクチン組成物。 8.さらにアルミニウム含有アジュバントからなる請求項1記載のワクチン組 成物。 9.該アジュバントが水酸化アルミニウムまたはリン酸アルミニウムである請 求項8記載のワクチン組成物。 10.インフルエンザ抗原がNS111-81HA265-222、Dタンパク質である 請求項9記載のワクチン組成物。 11.約1μg〜約1000μgのDタンパク質および約1μg〜約50μg の3D−MPLからなる請求項10記載のワクチン組成物。 12.Dタンパク質の量が約2μgであり、3D−MPLの量が約20μgで ある請求項11記載のワクチン組成物。 13.該抗原がDタンパク質であり、該組成物が約50μg〜約500μgの Dタンパク質、約10μg〜約50μgの3D−MPLおよび約100μg〜約 500μgのアルミニウムアジュバントからなる請求項3記載のワクチン組成物 。 14.さらにリポソーム調製物からなり、該リポソーム調製物が、長鎖脂肪族 または芳香族を基礎とする酸またはアミンを含むリポソーム形成物質と、該酸ま たはアミンの電荷と反対の電荷の水和剤であって、該酸またはアミンに対して1 :20〜1:0.05のモル比で存在する水和剤と、組成物中に存在する固体に 対して300モルまでの量の水とからなる請求項1〜13のいずれかに記載のワ クチン組成物。 15.約50μg〜約500μgのDタンパク質と、約10μg〜約50μg の3D−MPLと、約1mg〜約10mgのリポソーム調製物とからなる請求項 14記載のワクチン組成物。 16.該抗原がfluDであり、約50μg〜約500μgのDタンパク質、 約10μg〜約50μgの3D−MPL、約1mg〜約10mgのリポソーム調 製物および約100μg〜約500μgのアルミニウムアジュバントからなる請 求項14記載のワクチン組成物。 17.水和剤が、カルボキシレート、アミノまたはグアニド基であるオメガ置 換基を有するアルファアミノ酸あるいはその医薬上許容される塩であるか、また は式: X−(CH2)n−Y I [式中、 XはH2N−C(NH)−NH−、H2N−、ZO3S−、Z23P−またはZO2 C−であり(ここに、ZはHまたは無機または有機カチオンである); Yは−CH(NH2)−CO2H、−NH2、−NH−C(NH)−NH2−COOH 、CH(NH2)SO3ZまたはZH(NH2)PO32であり(ここに、Zは前記と 同 意義である); nは1〜10の整数を意味する] で示される化合物またはその医薬上許容される塩であり、酸またはアミンが炭素 数10〜20のアルキルまたはアルケニル酸またはアミンである請求項14〜1 6のいずれかに記載のワクチン組成物。 18.該水和剤が、アルギニン、ホモアルギニン、そのN−アシル誘導体、ガ ンマ−アミノ酪酸、アスパラギン、リジン、オルニチン、グルタミン酸、アスパ ラギン酸、または式: H2NC(NH)−NH−(CH2)n−CH(NH2)COOH II H2N−(CH2)n−CH(NH2)COOH III H2N−(CH2)n−NH2 IV H2NC(NH)−NH−(CH2)n−NH−CH(NH)−NH2 V HOOC−(CH2)n−CH(NH2)COOH VI HOOC−(CH2)n−COOH VII HO3S−(CH2)n−CH(NH2)COOH VIII H23S−(CH2)n−CH(NH2)COOH IX HO3S−(CH2)n−CH(NH2)SO3H Xまたは H23S−(CH2)n−CH(NH2)PO32 XI (式中、nは2〜4は意味する) で示される化合物またはその医薬上許容される塩である請求項17記載のワクチ ン組成物。 19.3D−MPLの粒径が120nmを越えない請求項1〜18のいずれか に記載のワクチン組成物。 20.該粒径が60〜120nmの範囲にある請求項19記載のワクチン組成 物。 21.該粒径が100nm未満である請求項19または20記載のワクチン組 成物。 22.請求項1のワクチン組成物を哺乳動物に内部投与する工程からなるイン フルエンザ抗原に対する免疫応答の強化方法。 23.インフルエンザ抗原に対する免疫応答を向上させる医薬の製造における 請求項1に記載のワクチン組成物の使用。 24.該抗原および3D−MPLを混合することからなる請求項1に記載のワ クチン組成物の製法。
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