JPH08506538A - 非等方性の円筒形製品の前処理方法 - Google Patents

非等方性の円筒形製品の前処理方法

Info

Publication number
JPH08506538A
JPH08506538A JP6518263A JP51826394A JPH08506538A JP H08506538 A JPH08506538 A JP H08506538A JP 6518263 A JP6518263 A JP 6518263A JP 51826394 A JP51826394 A JP 51826394A JP H08506538 A JPH08506538 A JP H08506538A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mandrel
cylindrical member
temperature
thermoplastic resin
high temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP6518263A
Other languages
English (en)
Inventor
リーチ,デイビッド・コリン
バーンズ,ジョン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fiberite Inc
Original Assignee
ICI Composites Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ICI Composites Inc filed Critical ICI Composites Inc
Publication of JPH08506538A publication Critical patent/JPH08506538A/ja
Ceased legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C43/00Compression moulding, i.e. applying external pressure to flow the moulding material; Apparatus therefor
    • B29C43/32Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C33/00Moulds or cores; Details thereof or accessories therefor
    • B29C33/76Cores
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C37/00Component parts, details, accessories or auxiliary operations, not covered by group B29C33/00 or B29C35/00
    • B29C37/0003Discharging moulded articles from the mould
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C55/00Shaping by stretching, e.g. drawing through a die; Apparatus therefor
    • B29C55/22Shaping by stretching, e.g. drawing through a die; Apparatus therefor of tubes
    • B29C55/24Shaping by stretching, e.g. drawing through a die; Apparatus therefor of tubes radial
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
    • B29K2105/00Condition, form or state of moulded material or of the material to be shaped
    • B29K2105/06Condition, form or state of moulded material or of the material to be shaped containing reinforcements, fillers or inserts
    • B29K2105/08Condition, form or state of moulded material or of the material to be shaped containing reinforcements, fillers or inserts of continuous length, e.g. cords, rovings, mats, fabrics, strands or yarns
    • B29K2105/10Cords, strands or rovings, e.g. oriented cords, strands or rovings
    • B29K2105/101Oriented

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 多くの熱可塑性ポリマーは高温で使用されると時間経過に伴う変形を行なう。本発明は、非等方性複合材からなる円筒部材(11)の予備処理方法に関する。この方法は円筒部材(11)をその内径(I.D.)よりも大きい外径を有する心棒に嵌合させ、前記円筒部材(11)と心棒を、その心棒が熱変形し、且つ、円箇部材(11)が不可逆的な変形するに十分な程度まで加熱する工程を含む。このような発明により、熱可塑性ポリマーを例えば従来の金属におきかえることを許容する。

Description

【発明の詳細な説明】 非等方性の円箇形製品の前処理方法 産業上の利用分野 本発明は、熱可塑性樹脂と補強ファイバとの複合材料から製造された円筒形部 材を前処理するための方法に係る。更に詳しくは、本発明は、円筒形の非等方性 熱可塑性部材が高温度で使用される時の「クリープ」又は他の時間依存性の変形 を回避するように、上記部材の前処理方法に係る。 従来の技術 従来、金属で製造されている構造部品の多くが、これらの構造部品に相当する ポリマー材料製の構造部品によって置き換えられつつある。例えば、一方向に強 化された黒鉛ファイバ/エポキシ複合材料は、航空宇宙分野の構造材として使用 されることが多い。ポリマー材料を使用することの主な利点は、複雑な部品の製 造が容易であることと、組立が容易であることと、仕上げ作業が僅かで済むこと とである。航空宇宙分野で使用する場合の更に別の主な利点は、金属に比べてポ リマー複合材料の密度が低いことであり、このことは、ポリマー複合材料が有す る高度の固有特性(即ち、材料1ポンド当たりの性能)に起因する。 航空機構造材料として熱可塑性マトリックス複合材料を使用することは、湿度 の影響に対する感受性の低減と衝撃性能の向上とを含む、従来のエポキシ複合材 料を上回る利点をもたらす。 極めて好ましい熱可塑性樹脂はPEEKである。ポリエーテルエーテルケトン樹脂 は、約60重量%のカーボンファイバで補強される時に、様々なアルミニウム合金 よりも丈夫で軽量な複合材料をもたらす。 従って、ポリエーテルエーテルケト ン(PEEK)樹脂/カーボンファイバ(CF)複合材料は、航空宇宙分野の応用装置 を含む耐摩耗性の応用装置に使用されている。連続ファイバで強化されたプリプ レグは管の形に加工されることが可能であり、この管を切断し、ポンプや遠心機 や圧 縮機や他の類似の装置で使用される軸受やワッシャや摩耗輪やブシュ等の形に機 械加工する可能である。上記PEEK/CFタイプの複合材料は、他の材料を上回る他 の利点をもたらし、こうした利点は、隙間を小さくしてポンプ作動の効率を向上 させる能力と、高温度においても良好な耐摩耗性と、腐食性環境に対する耐久性 と、乾燥した場合にも破局的破損を生じさせない能力とを含む。 熱可塑性ポリマーをより広範に従来の金属の代替物として使用することは、熱 可塑性ポリマーに関する幾つかの問題点よって妨げられている。ポリマー複合材 料の使用における主な問題点の1つは、ポリマー材料の時間依存性である。多く のポリマーでは室温においてさえ所謂「クリープ変形」が著しく生じ、僅かな温 度上昇によってこの変形が急速に促進される。室温を50℃超える温度上昇は、ポ リマー部品の寿命に対して破局的な影響を与える可能性があるが、こうしたポリ マー部品に相当する金属製の部品に対しては僅かしか影響を与えない。 更に、こうしたクリープ挙動は、ポリマーの物理的老化、即ち、上記ポリマー のガラス−ゴム転移温度(Tg)を下回る温度におけるポリマーの時間の推移に伴 う体積及びエンタルピーの緩和を示すという現象によって影響を受ける。 熱可塑性ポリマーの分子構造は、ポリマーの巨大分子が、金属における強力な 金属結合とは対照的に、より脆弱な二次結合によって相互に結合させられている という点で、金属のような従来の材料の分子構造とは異なっている。従って、そ の系の中に含まれた熱エネルギーの結果として、ポリマー分子の立体配位が連続 的に変化する。外部応力を被る場合には、局所的規模での再配位は極めて急速に 生じるが、より大きな規模での再配位は極めて緩慢に生じる。こうした長期的規 模の再配位が「クリープ」反応と呼ばれる。ポリマーの「クリープ」挙動が観察 される長期間にわたりポリマーの分子量が変化する。 ここで、「時間依存性」挙動は「クリープ」挙動と同じ意味で使用されること が多い。しかし、この術語は、より広範囲の意義を有し、ポリマーの「応力緩和 」挙動を表現するためにも使用される。 特定の状況下において、一定不変の圧力下に置かれる時に、熱可塑性複合材料 が永久的で不可逆的な変形を被ることが知られており、この現象も一般に「クリ ープ」と呼ばれている。この現象は多くの文献で論じられている。下記に例とし て示す文献を参照されたい。 A.Horoschenkoff,J.Brandt,J.Warnecke and O.S.Bruller,“CreepBeh aviour of Carbon Fibre Reinforced Polyetheretherketone and Epoxy Resin( カーボンファイバ強化ポリエーテルエーテルケトン及びエポキシ樹脂のクリープ 挙動)”,SAMPE Conference,Milan,“New Generation Materials and Proces ses”,339-349(1988)。 C.Hiel,“Creep and Creep Recovery of a Thermoplastic Resin and Compo site(熱可塑性樹脂及び複合材料のクリープ及びクリープ回復)”,Proc.AM.S oc.for Composites 3rd Technical Conf.,558-563,Technomic Publishing(1 988)。 D.H.Nguyen,S.F.Wang and A.A.Ogale,“Compressive and Flexural C reep Deformation in Thermoplastic Composites(熱可塑性複合材料における圧 縮及び曲げクリープ変形)”,34th International SAMPE Symposium,1275-128 2(1989)。 A.A.Ogale,“Creep Behaviour of Thermoplastic Composites(熱可塑性複 合材料のクリープ挙動)”,‘Thermoplastic Composite Materials ’,Ed.L .A.Carlsson; Elsevier(1991)。 これらの文献の全てが、その各々の内容全体において、本明細書に引例として 組み入れられている。 多くの応用例では、熱可塑性複合材料製の軸受又は他の円箇形部材を、所定位 置に保持するために、金属の軸の上に「締り嵌め」することが必要である。この 締り嵌めが、装置の作動温度の全般に亙って維持されなければならない。こうし た軸受又は他の円筒形部材の使用者は、例えば、PEEK/CF摩耗輪が室温において 軸上に締り嵌めされた後に450゜Fまでの温度で使用されると、その後で締り嵌 めが室温において無効化し、その結果としてポンプ内の圧力差によって上記摩耗 輪が軸に沿って移動し、従ってポンプ効率が低下するという問題を既に確認して いる。 しかし、熱可塑性複合材料の円箇形部材の内径の増大を引き起こすようなモー ドにおけるクリープ変形の存在は、想定されていない。熱可塑性材料における上 記現象に直接関係する従来技術は入手不可能であり、他の複合材料についてもこ のクリープ現象に関する情報は、仮に在ったとしても極めて少ない。 従って、従来技術において問題を生じさせている回復不可能な変形即ち「クリ ープ」を回避するために、軸上に締め嵌められた熱可塑性複合材料の円箇形部材 の前処理方法を提供することが望ましい。 発明の開示 本発明は、上記のクリープの問題を解決する。最低作動温度で締り嵌めを生じ るように、その円箇形の熱可塑性部材の内径よりも大きい外径を有する心棒(マ ンドレル)上に嵌合されることが可能な円箇形の熱可塑性複合材料部材の前処理 方法を開示する。この円筒形部材は、熱可塑性樹脂と補強ファイバとの非等方性 複合物から成る。上記心棒は、非等方性円筒形部材の半径方向の熱膨張係数(CT E)よりも高い半径方向熱膨張係数を有し、作動温度において、円筒形部材の内 径よりも大きい外径を有する。例えば、通常は心棒の外径よりも小さい内径を有 する円筒形部材が心棒上に嵌められるように心棒及び/又は円箇形部材を冷却す ることによって、円筒形部材が心棒上に嵌められる。その後で、心棒と円箇形部 材との熱変形を生じさせるのに十分な高温度に、心棒が加熱される。 心棒の熱膨張によって円筒形部材に加えられる圧力と、円筒形部材自体の熱膨 張による円筒形部材の直径の減少との結果として、円筒形部材内径の永久的な拡 大が起こり、冷却後と作動(高)温度状態時とにおいて心棒上での円箇形部材の 締り嵌め状態を維持する「アニーリングされた」円筒形部材を生じさせる。こう して「クリープ」現象が排除される。 本発明のこうした利点と他の利点とが、下記の好ましい実施例の詳細な説明か ら更に容易に明らかになるだろう。 図面の簡単な説明 本発明の好ましい実施例と本発明を実施するための好ましい方法とが、次の添 付図面に示されている。 図1は、従来技術の非等方性複合材料摩耗輪における、摩耗輪に対する加熱の サイクル数に応じた摩耗輪の内径の変化を示すグラフである。 図2は、従来技術の非等方性複合材料摩耗輪における、心棒の外側表面から輪 の内側表面までの距離に応じた、500゜Fで24時間経過後の、アルミニウム心棒 上の摩耗輪の厚さの変化を示すグラフである。 図3は、本発明の方法による鋼製心棒上での摩耗輪のアニーリングの後におい て、450゜Fでの連続均熱中に、典型的な羽根車上の摩耗輪の締り嵌めの度合い が時間の経過に応じて低下していく状態を示すグラフである。 図4は、円箇の軸線に対する補強ファイバ巻き付け形状を示す略同一縮尺の図 である。 図4Aは、図4の円筒の側面図である。 図5は、前処理なしの輪の内径の変化と本発明の方法によって前処理された輪 の内径の変化との比較を示すグラフである。 実施の態様 図1に示されるように、当該非等方性複合材料に何らかの限界変形があること が明確である。図1の材料はPEEK/CF摩耗輪(リング)を構成している。こうし た材料は、巻き付けファイバで補強される場合に、加熱に応じてその摩耗輪の内 径が縮小するという点で、幾分か異常な挙動を示す。この作用は、その材料の非 等方性の結果であり、この作用は、その複合材料のマトリックスの熱可塑性との 組合せによって、等方性の非熱可塑性材料では認められないクリープ現象を生じ させる可能性がある。 非等方性材料の限界変形から見て、図1に示される限界において観察される程 度と同じ程度に摩耗輪の内径の増大を生じさせる処理を行うことが可能なはずで ある。ここで、「アニーリング」と呼ばれるこの処理は、所定の直径になるよう に「予変形」されており且つより大きな直径に機械加工されることも可能な輪を 供給することによって、クリープの問題は克服される。 本発明のアニーリング処理を行うことを容易にするためには、心棒が、円筒形 部材又は輪の製造のために使用される心棒と同じものであることが有利であるが 、これは必ずしも常に必要とされるわけではない。 本発明の方法によって、摩耗輪や軸受やワッシャや管やブシュのような円箇形 熱可塑性部材が、最低作動温度において締り嵌めを生じさせるように、心棒又は 軸の上に嵌められる。これは、円箇形部材の(最低作動温度における)内径より も大きい(最低作動温度における)外径を有する心棒を供給することによって実 現される。心棒及び/又は円筒形部材は、最初に、心棒上を円箇形部材が滑動す ることを可能にする温度にまで円筒形部材が冷却され、心棒が最低作動温度に温 まると締り嵌めが得られる。円筒形部材と心棒は、最低作動温度において約0.01 ”(0.03 cm)以下の締り嵌めを生じさせるサイズであることが好ましい。 上記円筒形部材は、上記のように、熱可塑性樹脂と補強ファイバとから構成さ れる非等方性材料の複合物である。この熱可塑性樹脂は、ポリエーテルエーテル ケトン樹脂、ポリケトン、ポリイミド、ポリアミド、ポリスルホンから成るグル ープから選択されることが好ましい。 上記円筒形部材は、まず最初に、ファイバ強化熱可塑性樹脂の調製に関して多 くの文献で適切に言及されている公知の方法によって製造される。PEEK/CF複合 材料(「APC材料」)を作るためのプロセスは、米国特許第4,360,630号、同第4, 559,262号、同第4,549,920号、同第4,541,884号に適切に開示されており、これ らの開示内容全体が本明細書に引例として組み入れられている。こうした材料は 、カーボンファイバやガラスファイバやセラミックファイバ等といった様々なフ ァイバの何れかによって補強されることが可能である。典型的な複合材料は、約 40重量%の熱可塑性樹脂と約60重量%の補強ファイバとから構成される。 本発明の好ましい実施例では、円筒形部材の補強ファイバ10が、図4と図4Aと に示される通りに、円筒形部材11の軸線Aに対して±30゜〜90゜の間の角度θを なして、連続的に巻き付けられる。本発明の特に好ましい実施例では、補強ファ イバ10が複合材料の30重量%以上を構成する。 上記熱可塑性樹脂は半結晶性ポリマー又は非晶質ポリマーのどちらから成って もよい。後で説明するように、使用ポリマーのタイプにより、本発明の有利な結 果を得るための加熱温度を決定する。 熱可塑性樹脂と補強ファイバとから構成される円筒形部材を選択した後に、非 等方性複合材料の熱膨張係数(CTE)よりも高い熱膨張係数を有する心棒を選択 する。この心棒は、円筒形部材の内径よりも大きい外径を有する。前述のように 、例えば、心棒及び/又は円筒形部材を冷却することと、円筒形部材が心棒上を 滑動することを可能とすることとによって、円筒形部材が心棒上に嵌められる。 円筒形部材に生じる「クリープ」は、幾つかの要因によって影響される。即ち 、輪に対する心棒の相対的大きさと、その系が加熱される温度(この温度は、輪 の粘弾性挙動を調節する)と、前処理加熱段階の結果として輪の内側に生じさせ られる応力とによって影響される。この応力自体は、心棒の剛性と、輪の剛性と 、心棒の熱膨張係数と、輪の熱膨張係数とによって決まる。 上記心棒は、その心棒が加熱される時に円筒形部材の内径に対して大きな内圧 力を及ぼすことが可能な材料で作られることが好ましい。例えば、鉄、アルミニ ウム、マグネシウム、チタン、ニッケル、亜鉛、及び、これらの金属の合金から 成るグループから選択された金属で作られた心棒が使用されることが可能である 。当然のことながら、選択される心棒のタイプが、特定の温度においてその心棒 に生じる熱膨張の量を決定し、従って、本発明の処理方法におけるその心棒が加 熱される最高温度を決定する。熱膨張に加えて、心棒の最高連続使用温度も、本 発明の前処理方法における心棒が円筒形部材に加える圧力に影響を与える。 加えられる応力を最大にするために、むくの材料で心棒が作られることが好ま しい。最も重要なことは、心棒が輪の半径方向熱膨張係数よりも高い半径方向熱 膨張係数を持たなければならないという点と、後述される前処理時の高温度にお いて、輪の半径方向の剛性よりも高い半径方向の剛性を有するようにしなければ ばらない点である。 円箇形部材が心棒上に嵌められた後に、心棒の熱変形と円箇形部材のほぼ不可 逆的な熱変形とを引き起こすのに十分な高温度に、心棒と円筒形部材とが加熱さ れる。半結晶性ポリマーから成る熱可塑性樹脂の場合には、この高温度は、その 樹脂のガラスーゴム転移温度(Tg)よりも高く(PEEK Tg = 155℃)、且つ、そ の樹脂の溶融が始まる温度(PEEKの場合には310℃)よりも低くなければならな い。複合材料が固体状態である間に、しかし可能な限り高い温度で、上記輪にク リープを発生させることが必要である。温度が高ければ高いほど、クリープが早 く発生するが、しかし、ポリマーが溶融状態になると、輪全体が流動することに なるだろう。鋼製心棒上のPEEKポリマーの場合には、約582゜F(305℃)の温度 が、前処理温度の妥当な上限である。 非晶質ポリマーから成る熱可塑性樹脂(例えば、ポリエーテルスルホン Tg = 216 ℃、ポリエーテルイミド Tg = 210 ℃)の場合には、上記高温度が、その樹 脂のガラス−ゴム転移温度以下でなければならない。心棒と円箇形部材とが適切 な高温度に加熱されると、前処理プロセスが完了する。前処理された円箇形部材 を長時間に亙って上記高温度に保つことは、任意であり、必ずしも常に必要であ るわけではない。 上記心棒の加熱温度は、「クリープ」に影響を与える要因に関して上記で言及 したのと同じ要因によって決定される。PEEK複合材料を使用し、且つ、心棒が鋼 製心棒である場合には、5822゜F(305℃)の温度は、外界圧力下で310℃のPEEK ポリマーの溶融領域に入ることを回避するために好ましい上限である。 心棒にアルミニウムが使用される場合には、6061アルミニウムのような高強度 のアルミニウムが好ましい。アルミニウムの熱膨張係数が鋼のそれよりも高いの で、アルミニウム製心棒の場合の前処理高温度は、鋼製心棒の前処理高温度より も低く、約500゜F(260℃)であり、このことは、鋼製心棒の場合に必要とされ る温度よりも低い温度でさえ、嵌められた円箇形部材上に更に大きな応力が与え られることを可能にする。 PEEK/CF複合材料の場合には、前処理段階中に心棒 が加熱温度の好ましい下限は、約400゜F(204℃)である。 上記高温度を得るための方法は、本発明にとって重要ではない。再循環エアオ ーブン内に心棒と円筒形部材を置くことによって、十分な結果が得られている。 加熱段階の後に、心棒と円筒形部材とが、例えば上記オーブンの温度を室温に設 定することによって冷却され、前処理段階が完了する。 実験例 本明細書で説明したクリープ問題の特定の事例では、鋼製心棒上及びアルミニ ウム製心棒上の非等方性熱可塑性複合材料の円筒形部材の両方のアニーリングが 、エンドユーザにとって許容可能な程度にまで使用中のクリープの度合いを低減 させるのに十分なだけの変形を生じさせるとことが示された。図3は、本発明の 方法により鋼製心棒上でのアニーリングし、その後450゜F(232℃)での連続均 熱中における典型的な羽根車上の摩耗輪の締り嵌めの度合いの低下を示す。何れ の締り嵌め(即ち、ゼロより大きい)も適切であり、この事例における残留締め しろが適切であるということが確認できた。 アニーリング済の摩耗輪の内径から0.1”(0.3 cm)まで機械切削することに よって前処理効果が完全に取り除かれない場合、即ち、0.007”(0.018 cm)の 締めしろを伴う形で羽根車上に嵌められる場合には、450゜F(232℃)の温度に おける均熱の後でさえ、若干の(従って十分な)締めしろが残る。 問題は、軸から外れる程度まで摩耗輪又は他の円箇形部材の内径が使用中に増 大することを、防止することである。その原因を発見し、変形のメカニズムを更 に良く理解するために、次の3つの研究が行われた。 (1)有限要素法(FE)として知られる数値解析手法を使用して、摩耗輪の一 連のコンピュータモデルが作られ、加熱の結果としてのこれらのモデルの変形を 調査した。これらのモデルは、摩耗輪で使用されることか多いファイバ配向、即 ち、摩耗輪の軸線に対して±88゜の角度をなす連続巻線を有する複合材料の輪が 、加熱されるにつれてその内径が減少するという点で、かなり異常な形で挙動す るということを明らかにした。こののような効果は、等方性(又は近等方性)の 性 質を有し、従って加熱中に内径が増大することが多い「従来の」摩耗輪には認め られない。 従って、摩耗輪のような非等方性円箇形部材が、加熱されるにつれて全体的大 きさが増大する金属製羽根車上に置かれる時には、極度に大きい応力が発生させ られる可能性がある。こうした予測される応力の大きさは、入手可能な等方性の 解析対象物についての大きさの3倍以上である。例えば、本明細書にその内容全 体が組み入れられている(E.J.Hearn,“Mechanics of Materials,Volume 1 ”,Chs.9 & 10,Pergammon International,1977を参照されたい)。従って、 発生させられる応力場の大きさと方向とを知ることによって、可能性が最も高い 変形要因が確認されることが可能になり、この要因は系内部の半径方向応力であ ると考えられる。 熱膨張係数(CTE)における不整合が上記応力を引き起こすと仮定して、羽根 車のCTEと同じCTEを有する輪の製造は可能であるが経済的に見て好ましくなく、 この選択は行わなかった。 (2)実際の羽根車上の摩耗輪の大きさの増大の度合いを調べる検査を行なっ た。図1は、長期的実験の1つにおける、摩耗輪の内径の変化を示している。こ の事例では、摩耗輪が、0.01”(0.03 cm)の締り嵌めを伴って羽根車上に嵌め られた(即ち、軸の直径が摩耗輪の内径よりも0.01”(0.03 cm)大きいように 、金属ストリップを使用して軸を作った)。このアセンブリが加熱されて450゜ F(232℃)に3時間保たれ、その後で冷却され、摩耗輪の新たな内径が測定さ れた。この作業が何度か繰り返されたところ、図1から明らかであるように、最 後には内径の変化が止まった。これによって、このタイプのPEEK/CF輪に起こり うる変形の程度には限界があるという結論が得られた。図5は、本発明の前処理 方法の好適な結果を示す。この図に示されるように、前処理されていない従来技 術の輪は、450゜F(232℃)に加熱し3時間に亙って均熱した場合に、前処理後 に同様の450゜F(232℃)の均熱を施された本発明によって前処理された同一の 輪に比較して約2倍の量の内径変化を示した。 更に、試験後に行った摩耗輪の検査によって、羽根車に最も近い位置にある材 料が圧力を受けて外側に流れ、それによって、内径付近の輪が明らかに厚くなっ たことが明らかになった。典型的なグラフが図2に示されている。従って、圧力 によって生じた半径方向の横断方向流動が輪を変形させる原因であるという結論 が得られた。入手可能な文献中には加工中のPEEK/CFの横断方向の流動を詳細に 調査した一文献がある。 例えば、本明細書にその内容全体が引例として組み入れられているJ.A.Barn es and F.N.Cogswell、”Transverse Flow Process in Continuous Fibre Rei nforced Thermoplastics (連続ファイバ強化熱可塑性プラスチックにおける横 断方向流動プロセス)”,Composites 20,1,38-42(1989)を参照されたい。 尚、この文献は限界変形についても報告している。 内径が6.99”(17.75 cm)で肉厚が0.625”(1.588 cm)であるPEEK/CF摩耗輪 が、本明細書で開示した方法によって前処理された。室温において約0.01”の締 り嵌めを与えるように、上記内径が約0.02”(0.05 cm)だけ予め拡大した。室 温における0.01”(0.03 cm)以下の締り嵌めを与えるように摩耗輪を鋼製羽根 車上に装着し、450゜F(232℃)で連続使用することによって、上記摩耗輪を試 験した。図3に示される通りに、450゜F(232℃)における250時間の均熱の後 でさえゼロより大きい締り嵌めが維持されたことから明らかなように、上記連続 使用試験中にクリープは生じなかった。 上記において本発明を例示して詳細に説明したが、こうした詳細な説明は単に 例示のためのものであり、添付クレームによって定義される通りの本発明の思想 範囲とから逸脱することなしに、当業者によって変更を行なうことは可能である ということとを理解されたい。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1994年9月1日 【補正内容】 PCT34条補正 第4頁 多くの応用例では、熱可塑性複合材料製の軸受又は他の円筒形部材を、所定位 置に保持するために、金属の軸の上に「締り嵌め」することが必要である。この 締り嵌めが、装置の作動温度の全般に亙って維持されなければならない。こうし た軸受又は他の円筒形部材の使用者は、例えば、PEEK/CF摩耗輪が室温において 軸上に締り嵌めされた後に450゜Fまでの温度で使用されると、その後で締り嵌 めが室温において無効化し、その結果としてポンプ内の圧力差によって上記摩耗 輪が軸に沿って移動し、従ってポンプ効率が低下するという問題を既に確認して いる。 しかし、熱可塑性複合材料の円箇形部材の内径の増大を引き起こすようなモー ドにおけるクリープ変形の存在は、想定されていない。熱可塑性材料における上 記現象に直接関係する従来技術は入手不可能であり、他の複合材料についてもこ のクリープ現象に関する情報は、仮に在ったとしても極めて少ない。 従って、従来技術において問題を生じさせている回復不可能な変形即ち「クリ ープ」を回避するために、軸上に締め嵌められた熱可塑性複合材料の円筒形部材 の前処理方法を提供することが望ましい。 発明の開示 本発明は、上記のクリープの問題を解決する。最低作動温度で締り嵌めを生じ るように、その円筒形の熱可塑性部材の内径よりも大きい外径を有する心棒(マ ンドレル)上に嵌合されることが可能な円筒形の熱可塑性複合材料部材の前処理 方法を開示する。 第6頁 図1は、従来技術の非等方性複合材料摩耗輪における、摩耗輪に対する加熱の サイクル数に応じた摩耗輪の内径の変化を示すグラフである。 図2は、従来技術の非等方性複合材料摩耗輪における、心棒の外側表面から輪 の内側表面までの距離に応じた、500゜Fで24時間経過後の、アルミニウム心棒 上の摩耗輪の厚さの変化を示すグラフである。 図3は、本発明の方法による鋼製心棒上での摩耗輪のアニーリングの後におい て、450゜Fでの連続均熱中に、典型的な羽根車上の摩耗輪の締り嵌めの度合い が時間の経過に応じて低下していく状態を示すグラフである。 図4は、円筒の軸線に対する補強ファイバ巻き付け形状を示す略同一縮尺の図 である。 図4Aは、図4の円筒の側面図である。 図5は、前処理なしの輪の内径の変化と本発明の方法によって前処理された輪 の内径の変化との比較を示すグラフである。 実施の態様 図1はXC−2摩耗輪(リング)の内直径の変化を示す。 図1に示されるように、当該非等方性複合材料に何らかの限界変形かあること が明確である。図1の材料はPEEK/CF摩耗輪(リング)を構成している。こうし た材料は、巻き付けファイバで補強される場合に、加熱に応じてその摩耗輪の内 径が縮小するという点で、幾分か異常な挙動を示す。 第6A頁 この作用は、その材料の非等方性の結果であり、この作用は、その複合材料の マトリックスの熱可塑性との組合せによって、等方性の非熱可塑性材料では認め られないクリープ現象を生じさせる可能性がある。 第7頁 非等方性材料の限界変形から見て、図1に示される限界において観察される程 度と同じ程度に摩耗輪の内径の増大を生じさせる処理を行うことが可能なはずで ある。ここで、「アニーリング」と呼ばれるこの処理は、所定の直径になるよう に「予変形」されており且つより大きな直径に機械加工されることも可能な輪を 供給することによって、クリープの問題は克服される。 本発明のアニーリング処理を行うことを容易にするためには、心棒が、円筒形 部材又は輪の製造のために使用される心棒と同じものであることが有利であるが 、これは必ずしも常に必要とされるわけではない。 本発明の方法によって、摩耗輪や軸受やワッシャや管やブシュのような円筒形 熱可塑性部材が、最低作動温度において締り嵌めを生じさせるように、心棒又は 軸の上に嵌められる。これは、円箇形部材の(最低作動温度における)内径より も大きい(最低作動温度における)外径を有する心棒を供給することによって実 現される。心棒及び/又は円箇形部材は、最初に、心棒上を円箇形部材が滑動す ることを可能にする温度にまで円筒形部材が冷却され、心棒が最低作動温度に温 まると締り嵌めが得られる。円筒形部材と心棒は、最低作動温度において約0.01 ”(0.03 cm)以下の締り嵌めを生じさせるサイズであることが好ましい。 第10頁 熱膨張に加えて、心棒の最高連続使用温度も、本発明の前処理方法における心棒 が円筒形部材に加える圧力に影響を与える。 加えられる応力を最大にするために、むくの材料で心棒が作られることが好ま しい。最も重要なことは、心棒が輪の半径方向熱膨張係数よりも高い半径方向熱 膨張係数を持たなければならないという点と、後述される前処理時の高温度にお いて、輪の半径方向の剛性よりも高い半径方向の剛性を有するようにしなければ ばらない点である。 円箇形部材が心棒上に嵌められた後に、心棒の熱変形と円筒形部材のほぼ不可 逆的な熱変形とを引き起こすのに十分な高温度に、心棒と円筒形部材とが加熱さ れる。半結晶性ポリマーから成る熱可塑性樹脂の場合には、この高温度は、その 樹脂のガラス−ゴム転移温度(Tg)よりも高く(PEEK Tg = 155℃)、且つ、そ の樹脂の溶融が始まる温度(PEEKの場合には310 ℃)よりも低くなければならな い。複合材料が固体状態である間に、しかし可能な限り高い温度で、上記輪にク リープを発生させることが必要である。温度が高ければ高いほど、クリープが早 く発生するが、しかし、ポリマーが溶融状態になると、輪全体が流動することに なるだろう。鋼製心棒上のPEEKポリマーの場合には、約582゜F(305℃)の温度 が、前処理温度の妥当な上限である。 非晶質ポリマーから成る熱可塑性樹脂(例えば、ポリエーテルスルホン Tg = 216 ℃、ポリエーテルイミド Tg = 210 ℃)の場合には、上記高温度が、その樹 脂のガラス−ゴム転移温度以下でなければならない。 第11頁 心棒と円筒形部材とが適切な高温度に加熱されると、前処理プロセスが完了する 。前処理された円筒形部材を長時間に亙って上記高温度に保つことは、任意であ り、必ずしも常に必要であるわけではない。 上記心棒の加熱温度は、「クリープ」に影響を与える要因に関して上記で言及 したのと同じ要因によって決定される。PEEK複合材料を使用し、且つ、心棒が鋼 製心棒である場合には、5822゜F(305℃)の温度は、外界圧力下で310℃のPEEK ポリマーの溶融領域に入ることを回避するために好ましい上限である。 心棒にアルミニウムが使用される場合には、6061アルミニウムのような高強度 のアルミニウムが好ましい。アルミニウムの熱膨張係数が鋼のそれよりも高いの で、アルミニウム製心棒の場合の前処理高温度は、鋼製心棒の前処理高温度より も低く、約500゜F(260℃)であり、このことは、鋼製心棒の場合に必要とされ る温度よりも低い温度でさえ、嵌められた円筒形部材上に更に大きな応力が与え られることを可能にする。 PEEK/CF複合材料の場合には、前処理段階中に心棒 が加熱温度の好ましい下限は、約400゜F(204℃)である。 上記高温度を得るための方法は、本発明にとって重要ではない。再循環エアオ ーブン内に心棒と円箇形部材を置くことによって、十分な結果が得られている。 加熱段階の後に、心棒と円筒形部材とが、例えば上記オーブンの温度を室温に設 定することによって冷却され、前処理段階が完了する。 第14頁 (即ち、軸の直径が摩耗輪の内径よりも0.01”(0.03 cm)大きいように、金属 ストリップを使用して軸を作った)。このアセンブリが加熱されて450゜F(232 ℃)に3時間保たれ、その後で冷却され、摩耗輪の新たな内径が測定された。こ の作業が何度か繰り返されたところ、図1から明らかであるように、最後には内 径の変化が止まった。これによって、このタイプのPEEK/CF輪に起こりうる変形 の程度には限界があるという結論が得られた。図5は、本発明の前処理方法の好 適な結果を示す。図5はPEEK/ 炭素繊維の摩耗輪未処理及び処理された内直径の 変化を示す。この摩耗輪は内直径が6.99インチ(17.75cm)、肉厚が0.625 イン チ(1.588cm)であり、450゜F(232℃)に加熱され、各サイクルにおいて3時 間保持された。最初のサイクルのスタート時では締まり嵌めが0.01インチ(0.03 cm)であった。この図に示されるように、前処理されていない従来技術の輪は、 450゜F(232℃)に加熱し3時間に亙って均熱した場合に、前処理後に同様の45 0゜F(232℃)の均熱を施された本発明によって前処理された同一の輪に比較し て約2倍の量の内径変化を示した。 更に、試験後に行った摩耗輪の検査によって、羽根車に最も近い位置にある材 料が圧力を受けて外側に流れ、それによって、内径付近の輪が明らかに厚くなっ たことが明らかになった。典型的なグラフが図2に示されている。図2は、アル ミニウム心棒上において、500゜F(260℃)で24時間経過した後の摩耗輪6の厚 さの変化を示すものである。従って、圧力によって生じた半径方向の横断方向流 動が輪を変形させる原因であるという結論が得られた。 第14A頁 入手可能な文献中には加工中のPEEK/CF の横断方向の流動を詳細に調査した一 文献かある。例えば、本明細書にその内容全体が引例として組み入れられている J.A.Barnes and F.N.Cogswell、”Transverse Flow Process in Continuous Fibre Reinforced Thermoplastics(連続ファイバ強化熱可塑性プラスチックに おける横断方向流動プロセス)”,Composites 20,1,38-42(1989)を参照さ れたい。尚、この文献は限界変形についても報告している。 【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1995年2月21日 【補正内容】 第16頁 請求の範囲 1.最低作動温度において締り嵌めを生じるように、円筒形部材(11)の内径( I.D)よりも大きい外径を有する心棒上に嵌めることが可能な該円箇形部材(11 )の前処理の方法であり、下記の工程からなる: a)熱可塑性樹脂と補強ファイバ(10)とから構成された非等方性複合材料の 円筒形部材(11)を用意する工程と、 b)前記最低作動温度において前記円筒形部材(11)の内径(I.D)よりも大 きい直径を有する心棒を用意する工程と、 c)前記心棒及び/又は円筒形部材を冷却し、前記円筒形部材(11)を前記心 棒上に嵌める工程と、 d)前記非等方性複合材料の半径方向熱膨張係数と半径方向剛性とに比べて高 い半径方向熱膨張係数と半径方向剛性とを有する前記心棒と、これに嵌められた 前記円箇形部材(11)とを、前記心棒を十分熱変形させかつ前記円箇形部材(11 )のほぼ不可逆的な熱変形とを引き起こすのに十分な高温度に加熱する工程と、 e)前記心棒と前記円箇形部材(11)とを冷却する工程。 2.前記心棒を、前記前処理の前に前記円筒形部材(11)を作るために使用する 請求項1に記載の方法。 第17頁 3.前記円筒形部材(11)が、摩耗輪と軸受とワッシャと管とブシュとからなる グループから選択される製品である請求項1に記載の方法。 4.前記熱可塑性樹脂か、ポリケトン、ポリイミド、ポリアミド、ポリスルホン とから成るグループから選択される請求項1に記載の方法。 5.前記熱可塑性樹脂がPEEKである請求項1に記載の方法。 6.前記補強ファイバ(10)が、カーボンファイバ、ガラスファイバ、セラミッ クファイバとから成るグループから選択される請求項1に記載の方法。 7.前記非等方性複合材料か40重量%の前記熱可塑性樹脂と60重量%の前記補強 ファイバ(10)とから構成され、前記補強ファイバ(10)がカーボンファイバで ある請求項1に記載の方法。 8.前記工程(d)において、前記心棒を約400゜F(204℃)以上の高温度に加 熱する請求項1に記載の方法。 9.前記補強ファイバ(10)を、前記円筒形部材(11)の軸線(A)に対して± 約30 〜90゜の角度(0)で、連続的に巻きつける請求項1に記載の方法。 10.前記補強ファイバ(10)が前記複合材料の30重量%以上を構成する請求項1 に記載の方法。 11.前記高温度において前記円筒形部材(11)上に大きな内圧力を及ぼすことが 可能な材料で前記心棒を作る請求項1に記載の方法。 【図1】 【図2】 【図3】 【図4】 【図4A】 【図5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 バーンズ,ジョン イギリス国、サウス・ヨークシャー・デ ー・エヌ・10・6・エヌ・エイチ、ドンカ スター、ボートリイ、セント・マーチン ズ・アベニュー(番地なし)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.最低作動温度において締り嵌めを生じるように、円筒形部材(11)の内径( I.D)よりも大きい外径を有する心棒上に嵌めることが可能な該円筒形部材(11 )の前処理の方法であり、下記の工程からなる: a)熱可塑性樹脂と補強ファイバ(10)とから構成された非等方性複合材料の 円筒形部材(11)を用意する工程と、 b)前記最低作動温度において前記円筒形部材(11)の内径(I.D)よりも大 きい直径を有する心棒を用意する工程と、 c)前記円筒形部材(11)を前記心棒上に嵌める工程と、 d)前記非等方性複合材料の半径方向熱膨張係数と半径方向剛性とに比べて高 い半径方向熱膨張係数と半径方向剛性とを有する前記心棒と、これに嵌められた 前記円箇形部材(11)とを、前記心棒を十分熱変形させかつ前記円筒形部材(11 )のほぼ不可逆的な熱変形とを引き起こすのに十分な高温度に加熱する工程と、 e)前記心棒と前記円箇形部材(11)とを冷却する工程。 2.前記心棒を、前記前処理の前に前記円箇形部材(11)を作るために使用する 請求項1に記載の方法。 3.前記円箇形部材(11)が、摩耗輪と軸受とワッシャと管とブシュとからなる グループから選択される製品である請求項1に記載の方法。 4.前記熱可塑性樹脂が、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリケトン、ポリ イミド、ポリアミド、ポリスルホンとから成るグループから選択される請求項1 に記載の方法。 5.前記熱可塑性樹脂がPEEKである請求項1に記載の方法。 6.前記補強ファイバ(10)か、カーボンファイバ、ガラスファイバ、セラミッ クファイバとから成るグループから選択される請求項1に記載の方法。 7.前記非等方性複合材料が40重量%の前記熱可塑性樹脂と60重量%の前記補強 ファイバ(10)とから構成され、前記補強ファイバ(10)がカーボンファイバで ある請求項1に記載の方法。 8.前記工程(d)において、前記心棒を約400゜F(204℃)以上の高温度に加 熱 する請求項1に記載の方法。 9.前記補強ファイバ(10)を、前記円筒形部材(11)の中心軸(A)に対して ±約30 〜90゜の角度(θ)で、連続的に巻きつける請求項1に記載の方法。 10.前記補強ファイバ(10)が前記複合材料の30重量%以上を構成する請求項1 に記載の方法。 11.前記高温度において前記円筒形部材(11)上に大きな内圧力を及ぼすことが 可能な材料で前記心棒を作る請求項1に記載の方法。 12.前記心棒の材料が、鉄、アルミニウム、マグネシウム、チタン、ニッケル、 亜鉛及びこれらの金属の任意の合金とから成るグループから選択される材料であ る請求項11に記載の方法。 13.前記心棒が鋼で作られ、前記高温度が約582°F(306℃)以下である請求項 5に記載の方法。 14.前記心棒が高温アルミニウムで作られ、前記高温度が約500゜F(260℃)以 下である請求項5に記載の方法。 15.前記円筒形部材(11)と前記心棒とが、外界温度において約0.01インチ(0. 03cm)以下の締り嵌めを生じさせるサイズである請求項1に記載の方法。 16.前記円筒形部材(11)と前記心棒とを再循環エアオーブン内に置くことによ って前記高温度を得る請求項1に記載の方法。 17.前記熱可塑性樹脂が半結晶性ポリマーであり、前記高温度が、前記熱可塑性 樹脂のガラス−ゴム転移温度よりも高く、且つ、前記熱可塑性樹脂の溶融が始ま る温度よりも低い請求項1に記載の方法。 18.前記熱可塑性樹脂が非晶性ポリマーであり、前記高温度が、前記熱可塑性樹 脂のガラス−ゴム転移温度以下である請求項1に記載の方法。
JP6518263A 1993-02-05 1994-02-04 非等方性の円筒形製品の前処理方法 Ceased JPH08506538A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/014,187 US5439632A (en) 1993-02-05 1993-02-05 Process for pretreatment of non-isotropic cylindrical products
US08/014,187 1993-02-05
PCT/US1994/001318 WO1994017986A1 (en) 1993-02-05 1994-02-04 Process for pretreatment of non-isotropic cylindrical products

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08506538A true JPH08506538A (ja) 1996-07-16

Family

ID=21764015

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6518263A Ceased JPH08506538A (ja) 1993-02-05 1994-02-04 非等方性の円筒形製品の前処理方法

Country Status (8)

Country Link
US (1) US5439632A (ja)
EP (1) EP0682599B1 (ja)
JP (1) JPH08506538A (ja)
AT (1) ATE171105T1 (ja)
CA (1) CA2154367A1 (ja)
DE (1) DE69413386T2 (ja)
TW (1) TW257772B (ja)
WO (1) WO1994017986A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7547978B2 (en) * 2004-06-14 2009-06-16 Micron Technology, Inc. Underfill and encapsulation of semiconductor assemblies with materials having differing properties
CN103477020A (zh) 2011-04-12 2013-12-25 提克纳有限责任公司 用于海底应用的脐带
CA2832823C (en) 2011-04-12 2020-06-02 Ticona Llc Composite core for electrical transmission cables
WO2012142129A1 (en) 2011-04-12 2012-10-18 Daniel Allan Electrical transmission cables with composite cores
WO2012142107A1 (en) 2011-04-12 2012-10-18 Ticona Llc Continious fiber reinforced thermoplastic rod and pultrusion method for its manufacture
CN108509678B (zh) * 2018-02-28 2022-03-04 北京空间飞行器总体设计部 一种航天器桁架结构热稳定性优化设计方法和系统

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3862288A (en) * 1971-08-12 1975-01-21 Continental Can Co Creep stabilization of plastic articles
FR2291842A1 (fr) * 1974-11-21 1976-06-18 Carnaud Total Interplastic Procede de traitement de corps creux rigides en matiere thermoplastique amorphe et corps creux obtenus
JPH0788856B2 (ja) * 1986-10-07 1995-09-27 光洋精工株式会社 玉軸受の製作方法
US5061418A (en) * 1988-01-22 1991-10-29 Tertm, Inc. Thermal expansion resin transfer molding
DE3916137A1 (de) * 1989-05-18 1990-11-22 Basf Ag Dichtungselemente und gleitlager aus faserverstaerkten kunststoffen

Also Published As

Publication number Publication date
CA2154367A1 (en) 1994-08-18
TW257772B (ja) 1995-09-21
EP0682599A1 (en) 1995-11-22
DE69413386T2 (de) 1999-09-16
ATE171105T1 (de) 1998-10-15
DE69413386D1 (de) 1998-10-22
EP0682599B1 (en) 1998-09-16
US5439632A (en) 1995-08-08
WO1994017986A1 (en) 1994-08-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9469067B2 (en) Method and apparatus for fabricating a fibre reinforced thermoplastic composite structure
JPH10693A (ja) 繊維強化樹脂複合材製円筒部品およびその製造方法
JP3174326B2 (ja) 先端複合構造とその製品を準備するためのプロセス
Sergeev et al. Strength of the joint of an anisotropic composite and a cylindrical element of the exhaust system of road vehicles
Amijima et al. Static and fatigue tests of a woven glass fabric composite under biaxial tension-torsion loading
US20170268602A1 (en) Composite flywheel
NO129726B (ja)
JPH08506538A (ja) 非等方性の円筒形製品の前処理方法
Cantwell et al. The effect of cooling rate on deformation and fracture in IM6/PEEK composites
Pattar et al. Review on fabrication and mechanical characterization of shape memory alloy hybrid composites
Olivier et al. Optimisation of the co-curing of two different composites with the aim of minimising residual curing stress levels
CN108760476A (zh) 一种复合材料蠕变行为测试夹具及测试方法
Xing et al. Mechanical performance of a novel glass fiber reinforced maleic anhydride grafted polypropylene composite and its thermoplastic‐based fiber metal laminates
JPH06335973A (ja) 繊維強化樹脂積層体の製造方法
Ekanthappa et al. Fabrication & experimentation of the glass-epoxy helical spring reinforced with graphite powder
Ries et al. Design and manufacturing for a composite multi-ring flywheel
Berndt et al. Additive manufacturing of continuous carbon fiber tubes and experimental investigation of the energy absorption capability under quasi-static loading
Zhang et al. Effects of preheating temperature of the mould on the properties of rapid-curing carbon fibre composites fabricated by vacuum-assisted resin infusion moulding
De Boer Next generation fibre metal laminates
Shi et al. Effects of the Molding Process on Properties of Bamboo Fiber/Epoxy Resin Composites.
Bektas Elastic-plastic and residual stress analysis of a thermoplastic composite hollow disc under internal pressures
Sinha et al. Effect of fiber tension on physical and mechanical properties of filament wound carbon/epoxy composite specimen
Gonsalves et al. Leveraging the effectiveness of hybrid metal-fiber composites in high speed rotating machines
US11485829B1 (en) Radiation cured composite materials
US20240084707A1 (en) Fiber Reinforced Polymer Blade

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040928

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060328

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20060626

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20060814

A313 Final decision of rejection without a dissenting response from the applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A313

Effective date: 20061120

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070116