JPH08505892A - 洗浄組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 支持体から望ましくない塗料、落書き又はその他の被覆物質を除去するための洗浄組成物は40乃至90重量％の、N-メチル-2-ピロリドンのような５員環ラクタム及び10乃至60重量％の、C1乃至C4の飽和脂肪族モノカルボン酸のグリセロールトリエステルを含む。その他に、組成物の25重量％以下のジエチルフタレート、ジイソプロピルアジペート及び／又はC1乃至C4の乳酸アルキルも存在し得る。又、その洗浄組成物を含浸した織った又は不織の薄葉紙で支持体を洗浄する方法も権利請求されている。

Description

【発明の詳細な説明】 洗浄組成物 本発明は、支持体から望ましくない塗料及び落書きを除去するための洗浄組成 物及び、支持体から望ましくない塗料、落書き及びその他の塗布物質を除去する 方法に関する。 建物等の表面に落書き及びその他の望ましくない塗料又は塗布物質が塗られる ことが、特に西部都市地域において非常に懸念されている。通常、落書きは種々 のタイプの表面にスプレー缶で塗られ、もしその洗浄が全く可能であるなら、そ の洗浄は非常に時間がかかり、費用がかかることであり、その支持体の修復でき ない損傷をもたらすことはよくあることである。 過去において、いくつかの除去組成物が提案されている。W0-A-88／08445［コ ロマン・インダストリース・インコーポレッド（Coroman Industries Inc．）］ に、有効量のN-メチル-2-ピロリドン及び界面活性剤も含む、ミネラルスピリッ ト、トルエン、グリコールエーテル、脂肪酸及び塩化炭化水素のような溶媒から 落書き除去組成物を製造することが提案されている。 しかし、そのような溶媒の引火性、揮発性そしてときには毒性でもあり、生物 分解性でない又は部分的でしか生物分解性でないために、それらの使用は非常に 望ましくない。それらの溶媒のいくつかは又、水と混和性でなく、従って、例え ば高圧水ジェット法には問題がある。 W0-A-88／06640（ＧＡＦ Corp．）に、塩素化炭化水素のような毒性有機溶媒 の使用を避けるために、10乃至50重量％のN-メチル-2-ピロリドン、30乃至65重 量％のアルキレングリコールエーテル及び５乃至35重量％のＣ₂乃至Ｃ₁₁の有機 カルボン酸（好ましくは蟻酸及び酢酸）の混合物を使用することが提案されてい る。その組成物は又、界面活性剤、腐蝕抑制剤及び増粘剤も含有する。それらの 組成物の毒性及び引火性は実に低減されているが、かなりの量の、腐蝕性でかな り攻撃的な酸を取り扱う不便がある。 最後に、米国特許第4,780,235号［Ｅ．Ｉ．ジュポン・デ・ネモアス・アンド ・ コーポレーション（E．I．Dupont de Nemours and Corp．）には、活性剤（塩基 の又は酸の）、増粘剤及び相溶性の界面活性剤とともに、１乃至80重量％の少な くとも１つの、N-メチル-2-ピロリドンのようなハロゲン非含有有機溶媒及び、2 0重量％以上の少なくとも１つのＣ₄乃至Ｃ₆の脂肪族二塩基酸のＣ₁乃至Ｃ₄のジ アルキルエステルから塗料除去剤を製造することが提案されている。 本発明は、望ましくない塗料、落書き又は他の塗布物質を支持体の表面から除 去する、非常に低い揮発性（低いＶ．Ｏ．Ｃ．）及び引火性であり、水混和性で あり生物分解性であり、支持体から除去すべき物質に対して非常に溶解力がある 洗浄組成物を提供する。広範な実験において、５員環ラクタム及びグリセロール トリアセテート（トリアセチン）を含む二成分の組成物はこれらの最適な洗浄特 性を示し、同時に、低揮発性、低引火性、低毒性、高生物分解性及び水混和性の 他の要件に合う事が見出だされた。特定のエステルを第三成分として存在させた 場合、その二成分組成物の作用はさらに改良され得る。 従って、本発明は、望ましくない塗料、落書き及びその他の塗布物質を支持体 から除去するための、 （１）一般式、 （式中、Ｒは水素原子又はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル又はビ ニル基を表わす）の５員環のラクタム及び （２）１乃至４の炭素原子を有する脂肪族の飽和モノカルボン酸のグリセロール トリエステル から成る洗浄組成物に関する。 好ましくは、５員環のラクタムは、例えば、95℃の引火点（開放式）を有する ジェネラル・アニリン・アンド・フィルム・コーポ（General Aniline and Film Corp）（米国）によりＭピロール（MPyrol）Ｓいう商標名で市販されてい るN-メチル-2-ピロリドンである。 Ｃ₁乃至Ｃ₄の脂肪族飽和モノカルボン酸のグリセロールトリエステルは、好ま しくは酢酸のグリセロールトリエステル（又はトリアセチン）である。グリセロ ールトリエステルは、１つより多いモノカルボン酸から誘導され、エステルの混 合物も用いられ得る。 ジエチルフタレート、ジイソプロピルアジペート及び／又は乳酸のエステル及 び、１乃至４の炭素原子を有する飽和脂肪族の１価アルコールを存在させた場合 にも２成分の混合物の作用がさらに増大する。 又、総組成物の10重量％以下の、好ましくは５重量％以下の、界面活性剤又は 湿潤剤（好ましくは非イオンタイプの）、増粘又はゲル化剤（シリカベンジリデ ンソルビトール又はセルロース誘導体のような）、腐蝕抑制剤、着色剤及び脱臭 剤のような機能添加剤及びそれらの混合物が添加され得る。 本発明の組成物をブラシで、スプレーで又は塗り付けて使用することができ、 煉瓦、コンクリート、金属、プレキシガラス、プラスチック（ＰＶＣ、ＰＥ等の ような）、木、セラミック物質等のようなすべてのタイプの支持体に用いること ができる。その支持体は又、少なくとも部分的に被覆され、塗布され、ラッカー を塗られた等のものでもよく、又、複合物質でもよい。 洗浄するのが小領域では、本発明による組成物は、スプレー缶又はエアゾール アプリケーターを用いて塗ることもできる。そのような場合は、好ましくは非毒 性であり、オゾン層を攻撃しない、例えば二酸化炭素のような噴射剤が必要であ る。 本発明による洗浄組成物の種々の成分の相対量は、５員環ラクタムが総組成物 の40重量％から90重量％まで、グリセロールＣ₁乃至Ｃ₄トリエステルが総組成物 の10重量％から60重量％まで変わる。エステル成分が存在する場合、その組成物 は25重量％以下のエステル成分を含有する。好ましくは、その組成物は、総組成 物の50乃至60重量％の５員環ラクタムと、総組成物の40乃至50重量％のグリセロ ールＣ₁乃至Ｃ₄トリエステルを含む。エステル成分は又、２つのエステルの混合 物であることができる。 本発明は又、除去すべき、望ましくない塗料、落書き又はその他の塗布物質が 塗られた支持体に有効量の本発明による組成物を、支持体から望ましくない物質 の有効な除去をもたらすのに十分な時間、接触させ、その後に、支持体からその 洗浄組成物を除去することを含む、望ましくない塗料、落書き又はその他の塗布 物質を支持体から除去する方法に関する。 一般的に、支持体の性質及び、除去すべき塗料の層の性質及び厚さにより洗浄 組成物を１乃至60分間の時間反応させる。 本発明は又、本発明による洗浄組成物をしみこませた織薄葉紙物質又は不織薄 葉紙物質に関する。 本発明を下記の実施例により例示する。実施例Ｉ アルキド系塗料又はアクリレート系塗料を１層以上のいくつかの支持体、すな わち、セメント及びブロック、ガラス、プラスチック、アルミニウム、木及び鉄 に塗った。又、同じ支持体上にマーキングペンで文字及び模様を書いた。 塗料又はマーキングを試験すべき表面につけ、その被覆をスプレー缶又はマー キングペンに決められた時間に１日たした時間で乾燥させた。 次に洗浄組成物を洗浄すべき領域にブラシでつけ、その洗浄組成物をマーキン グの塗料の層が溶解するか又は表面からふくれるまで他のものがさわらないよう にしておいた。その後に、塗料の層を支持体を硬いブラシでこすり又は湿らせた 布で拭い取った。最後に、支持体を水道水で濯いだ。 層の厚さのために、ある量の塗料又はインクが支持体上に残っている場合には、 記載した洗浄工程を繰り返した。 ブラシで被覆したコンクリート表面に塗られたアルキド系塗料の１層及び同じ く塗られたアクリレート系塗料の１層に、50重量％のN-メチル-2-ピロリドン（ ＮＭＰ）、40重量％のトリアセチン（ＴＡ）及び10重量％のジエチルフタレート の洗浄組成物をつけた。２分後、２つのタイプの塗料の各々のすべての落書き「 部分」は湿らせた布を用いることにより完全に取り除かれた。 支持体がタイルのときに同じ優れた結果が得られた。実施例II 異なる色を塗られたアルキド系塗料の４層を互いに接するようにコンクリート 支持体に塗り、同じく、４つの異なる色の層のアクリレート系塗料を塗った。 洗浄組成物にチキソトロピーを付与するために、総組成物に基づいて２重量％ のエアロシル（Aerosil ）200［ヒュームドシリカ（商標、デグッサ（ドイツ） から）を含有する、40重量％のN-メチル-2-ピロリドン、30重量％のトリアセチ ン及び30重量％のジイソプロピルアジペートの洗浄組成物をブラシに塗料の層に つけた。５分後、落書き部分を硬いブラシで払い取り、水道水で濯いだ。４つの 層のうちの３つの層が部分的に除去され、４つの層のうちの１つの層が完全に除 去された。 その操作を繰り返したときに、塗料の最後の層の小部分がなお支持体について した。エアロシル−2000の量を４重量％に増加させたときに、わずかにより良好 なチキソトロピーに達した。実施例III 実施例を繰り返したが、ここでは、50重量％のN-メチル-2-ピロリドン及び50 重量％のトリアセチンの洗浄組成物を用いた。２分後、すべての落書き箇所のほ とんどが除去された。実施例IV 実施例Ｉを繰り返したが、ここでは40重量％のN-メチル-2-ピロリドン、30重 量％のトリアセチン、15重量％のジ（イソプロピル）アジペート及び15重量％の ジエチルフタレートの洗浄組成物を用いた。３分後、すべての落書き部分は除去 された。実施例Ｖ 実施例Ｉを繰り返したが、ここでは、40重量％のN-メチル-2-ピロリドン、30 重量％のトリアセチン及び30重量％の乳酸エチルの洗浄組成物を用いた。アルキ ド系塗料で等しく着色された２層及びアクリレート系塗料で等しく着色された２ 層をアルミニウム上とガラス上の異なる箇所につけた。その層を３週間の間に硬 化させた。洗浄組成物をつけた後に、アルキド系塗料は５分後に除去され、アク リレーヨ系塗料は10分後に除去された。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ， ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，Ｇ Ｂ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＵ，ＬＶ ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ，ＮＬ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ， ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＫ，ＵＡ，ＵＳ，ＵＺ，Ｖ Ｎ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．（１）一般式、 （式中、Ｒは水素原子又はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル又は ビニル基を表わす）の５員環ラクタム及び （２）１乃至４の炭素原子を有する脂肪族の飽和モノカルボン酸のグリセロ ールトリエステル を含むことを特徴とする、望ましくない塗料、落書き又はその他の被覆物質を支 持体から除去するための洗浄組成物。 ２．５員環ラクタムがN-メチル-2-ピロリドンである、請求項１に記載の洗浄組 成物。 ３．グリセロールトリエステルがグリセロールトリアセテートである、請求項１ に記載の洗浄組成物。 ４．総組成物の40乃至90重量％の５員環ラクタム及び総組成物の10乃至60重量％ のグリセロールトリエステルを含む、請求項１乃至３のいずれか１請求項に記載 の洗浄組成物。 ５．総組成物の50乃至60重量％の５員環ラクタム及び総組成物の40乃至50重量％ のグリセロールトリエステルを含む、請求項１乃至３のいずれか１請求項に記載 の洗浄組成物。 ６．その他に総組成物の25重量％以下のジエチルフタレート、ジイソプロピルア ジペート及び／又は乳酸エステル及び、１乃至４の炭素原子を有する飽和の脂肪 族１価アルコールを含む、請求項１乃至５のいずれか１請求項に記載の洗浄組成 物。 ７．乳酸のエステルが乳酸エチル又は乳酸ブチルである、請求項６に記載の洗浄 組成物。 ８．総組成物の10重量％以下の、界面活性剤、増粘剤、腐蝕抑制剤、着色剤、脱 臭剤、湿潤剤、軟化剤、研磨剤及びそれらの混合物から成る群から選ばれる機能 添加剤を含む、請求項１乃至７のいずれか１請求項に記載の洗浄組成物。 ９．シリカ、ベンジリデンソルビトール、セルロース誘導体及びそれらの混合物 から成る群から選ばれる増粘剤を含むことを特徴とする、請求項１乃至７のいず れか１請求項に記載の洗浄組成物。 10．非イオン界面活性剤を含むことを特徴とする、請求項１乃至７のいずれか１ 請求項に記載の洗浄組成物。 11．請求項１乃至10のいずれか１請求項に記載の洗浄組成物で含浸されたことを 特徴とする、織薄葉紙物質又は不織薄葉紙物質。 12．請求項１乃至10のいずれか１請求項に記載の洗浄組成物を含有することを特 徴とする、スプレー缶又はエアロゾールアプリケーター。 13．（ａ）除去すべき、望ましくない塗料、落書き又はその他の塗布物質が塗ら れた支持体に有効量の、請求項１乃至10のいずれか１請求項に記載の洗浄組成物 を支持体から望ましくない物質の有効な除去をもたらすのに十分な時間、接触さ せるか又は、請求項11に記載の織薄葉紙物質又は不織薄葉紙物質でこする工程及 び （ｂ）支持体からその洗浄組成物を除去する工程 を含む、望ましくない塗料、落書き又はその他の塗布物質を支持体から除去する 方法。