JPH08504908A - 鉄道レール固定用絶縁パッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 鉄道レール固定用絶縁パッドである。このパッドは、レールのフランジと係合する前部（１）、枕木（Ｔ）の対応するハウジング（Ｌ）を収容するベース（２）、クリップ（Ａ）の後端の支持手段を備える前記クリップ（Ａ）を支持する頂部（３）、固定具（Ｘ）を収容する中央貫通孔（３４）、及び枕木（Ｔ）のハウジング（Ｌ）の後壁に係合するくさび面４０を備える後部（４）からなる。頂部（３）は中央窪み（３３）を有し、中央窪み（３３）の底部（３３０）は前方から後方に向けて下方に傾斜し、底部（３３０）の両側にはクリップ（Ａ）の支持手段（３６）が後方の境界となる補強リブ（３１、３２）が備えられている。

Description

【発明の詳細な説明】 鉄道レール固定用絶縁パッド 本発明は鉄道レール固定用の絶縁パッド（または板）に関する。 多くの鉄道網は情報を伝送する技術を取り入れている。このため、信号、特に レールの伝導性により電流がレールに沿って流れる。 この技術はレールが広範囲にわたって良好な電気的絶縁性を有することを必要 とする。かかる電気的絶縁性は、レールを枕木に固定するためのシステムのクリ ップと結合される側面パッドによって実現される。 絶縁用側面パッドは、それが一部を構成する固定システムによって非常に多種 の形状のものが使用されている。絶縁用側面パッドは、一般には、機械的特性と 電気的特性とを適切に妥協させることができるプラスチック材料から作られる。 公知の絶縁パッドは、レールのフランジと係合する前部、枕木の対応するハウ ジングに収容されるベース、クリップ後縁を支持する手段を備えたクリップ支持 頂部、留め具を収容する中央貫通孔、及び枕木内のハウジングの後壁と係合する くさび面を備えた後部から構成される。 しかしながら、かかるパッドは重くて大きく、熱収縮現象に起因する内部応力 や空洞が生ずるため、プラスティック材料から射出成形により作ることは困難で ある。 本発明の目的は、上述の如き技術的課題を、パッドの頂部に、底部が前方から 後方に向けて下降し、底部の両側には、後方がクリップ支持手段により境界とな る２つの対称な補強リブが設けられた中央凹部を設けることにより解決すること にある。 好都合な特徴は、中央貫通孔が円筒部によって上方へ延長されるので、中央貫 通孔がリブの上面より上方で開口することである。 もう一つの特徴は、傾斜した底部がその後部において、クリップ支持手段を貫 通して設けられ後部に開口する溝と連通することである。 さらにもう一つの特徴は、各補強リブはその外縁によって側方翼に接続されて いることである。 好ましい具体例においては、クリップ後端の前記押圧手段が、リブの後縁に各 々横断方向に接続された２つの対称な架台から構成され、これら２つの架台は前 記溝の両側にリブの上面と同じ高さに配置される。 別の具体例においては、ベースは、前記凹部の底面に対応して２つの凹型側方 段部の間に配置される中央傾斜面を有する。段部の底端と傾斜面の底端は、クリ ップの後端から枕木へ圧力を伝達する横断支持面により接続される。横断支持面 は、実質上鉛直に、架台にほぼ垂直な平面内に広がる後方くさび面に接続される 。 さらに、円筒部の壁部の厚さは、円筒部がクリップの板ばねに押圧される迫持 台となり、それにより固定具全体としての曲げ変形が規制されることによりクリ ップの過度のたわみが防止されるように定められる。 さらに、前記ベース上に形成され、所定のたわみ力を越えた場合には枕木内の ハウジングの上面に押圧されるように設計された、少なくとも１つの突起により 、クリップの装着作業中にはパッドにたわみが生ずるように構成される。 クリップ固定具が過度に締め付けられると、パッドのたわみが許容値を越えて 、クラックの発生やさらには破損さえも招くかもしれない。 べースの突起によって、かかる現象を防止することができる。 本発明のパッドは従来のパッドに比して小型軽量でありながら、レールからの 横方向の力により生ずる圧縮に対して強い抵抗力を有している。かかる機能は、 頂部、ベース、後部、及び前部間の境界 部の特別な形状によって実現されている。 さらに、迫持台は大型の部位を有しておらず、従って、最終製品の品質や有効 性を損なう収縮現象や空気の混入現象を生ずることなく、射出成形によって容易 に製造することができる。 本発明は以下の説明及び添付される図面を読むことによってより良く理解され るであろう。 図１はレール固定システムと共に用いられる本発明に係わるパッドの斜視図で ある。 図２は図１のパッドの平面図である。 図３は図１のパッドの底面図である。 図４は図３のパッドとは別の例の底面図である。 図５は本発明に係わるパッドを含むレール固定システムの分解図である。 図１から図５に示すパッドＢは、レールＲのフランジに係合する前部１、枕木 Ｔ内の対応するハウジングに収納されるベース２、板ばねよりなるクリップＡを 支持する頂部３、及び枕木Ｔ内のハウジングＬの後壁と係合するくさび面４０を 有する後部４から構成されている。 前部１はレールＲのフランジの側縁と係合する互いに垂直な２つの面１１及び １２を有している（図３及び図５を参照）。 頂部３にはクリップＡの後端の支持手段３６と、枕木Ｔに固定される留め具Ｘ の軸部を収容する中央貫通孔３４とが備えられている（図２及び図５を参照）。 図１及び図２において、頂部３は、底面３３０がパッドの前方から後方へ向け て下方に傾斜する中央凹部３３をも有している。凹部３３の両側には２つの補強 リブ３１、３２が対称に配置されている。また、窪み３３の後方はクリップＡの 支持手段３６によって境界となっている。 凹部３３は前方に向けて緩やかに上昇し、クリップＡの前部が係 合する周縁面３０の高さに達している。 傾斜底部３３０は底部後端において溝３５と連通している。溝３５は後部４の 真下に位置する枕木Ｔに向けて開口しており、浸入する水を全て排出する機能を 有している。また、溝３５はクリップＡの支持手段３６を貫通して設けられてい る。これにより、溝３５は前記支持手段を２つの対称な部位に分割している。 補強リブ３１及び３２の上面は周縁面３０の高さよりもわずかに低く位置して いる。 リブ３１及び３２は、外縁が圧縮時の安定性を補強する側方翼３１０及び３２ ０にそれぞれ結合されている。 中央孔３４は円筒部３７によって上方に延長され、リブ３１及び３２の上面よ りも高い位置で凹部３３内へ開口している。 こうして円筒壁３７の上縁はクリップＡの中央部に対する迫持台を構成してい る。円箇３７の壁面の厚みはクリップＡに過度のたわみが生じないよいうに設計 されている。 クリップＡの後端の支持手段３６は、溝３５の両側に配置された架台３６１及 び３６２よりなり、それぞれ対応するリブ３１及び３２の後端に横断的に結合さ れている。 架台３６１及び３６２の底面はこれら架台の前縁と同じ高さのリブ３１及び３ ２の上面よりも低く位置している。 架台３６１及び３６２の側方は鉛直壁３６０により閉じられている。 図１及び図３において、パッドＢのベース２は凹部３３の底面に対応した中央 傾斜面２２を有している。中央傾斜面２２は底面３３０と同じ角度で傾斜してい る。また、中央貫通孔３４は中央傾斜面２２を貫通して開口している。 面２２はその全長にわたって、２つの対称に配置された凹状の側方段部２３及 び２４の間に配置されている。 段部２３及び２４の下端及び傾斜面２２の下端はベース２の最下 点に相当し、これらはクリップＡの後端から枕木Ｔに対して押圧力を伝える横断 支持面２１によって接続されている。 横断支持面２１は後方に向けて頂部３の平均面に対して上方へ緩く傾斜してい る。 横断支持面２１は後部４の後方くさび面４０に接続され、実質上鉛直に、架台 ３６１及び３６２にほぼ垂直な面内に広がっている。 後方面４０は枕木Ｔ内のハウジングＬの後部内壁と係合する。 枕木Ｔより上方に位置する頂部３の幅は枕木Ｔに収容されるべース２の幅より も大きいため、側方翼３１０及び３２０の底面は通常は枕木Ｔの上面に支持され 、一方、段部２３及び２４の側面はハウジングＬの内部側壁と接触する（図５を 参照）。 後部４のくさび面４０は枕木Ｔの上面に着座する面４１を経て水平方向に広が っている。これにより、支持面２１と同様に、クリップＡの後端からの力の一部 を伝える。 水平面４１にはその全長にわたって溝４２が設けられており、溝４２において 水平面４１とくさび面４０とが接続されている。 図４に示すパッドは、ベース２が更に少なくとも１つ、好ましくは２つの、中 央傾斜面２２の両側に対称に配置される先細の突起すなわちスタッド２５１及び ２５２を有している点を除いて、図１から図３に示すパッドと同じものである。 これらの突起は、所定の締め付け力によってパッドがたわんだ時に、枕木Ｔ内 のハウジングＬの上面に押圧されるように設計されている。これにより、これら の突起２５１及び２５２はパッドのたわみ変形を規制し、変形現象や破損現象が 生ずることを防止している。 好都合なことに、突起２５１及び２５２は段部２３及び２４内の前部及び後部 の押圧部位の中間部、すなわちたわみが最大となる領域に設けられている。 固定具を締め付ける前の無変形時には、突起２５１及び２５２の底端とハウジ ングＬの上面との間隔は０．５ｍｍから３ｍｍの間で ある。締め付け後にもわずかな間隔が残らなければならない。過度に締め付けら れると、これらの突起はハウジングＬの上面に対する迫持台となって、パッドの たわみを規制する。 かかる付加的な押し付け力は、用途によっては好ましくないかもしれない。こ のため、材料のクリープ特性あるいは応力緩和特性に応じて、突起の形状を適切 に選択することにより、締め付け力が経時的に急速に減少してほとんどゼロとな るようにすることができる。 これにより、締め付け力はそれが有用な時、すなわち留め具が締め付けられて いる時に限り有効となる。 好都合な具体例においては、突起は円錐台形のスタッド状に設けられる。各ス タッドの底部締め付け面の断面は円形であり、その面積は、例えば２ｃｍ²以下 である。また、半球状の突起を用いても同様の結果が得られる。突起２５１及び ２５２は射出成形によって直接、パッドと一体に形成される。 図４に示すパッドはまた、傾斜面２２上に、ハウジングＬに設けられた対応す る溝と係合する、鉛直のくさび状把手２６を有している。 別の具体例（図示しない）では、突起はベース２上に設けられ、中央孔３４を 囲む円筒形に形成される。 この場合、パッドに曲げが生じた際に、ハウジングＬの上面に当接するのは円 筒の壁部の底部環状断面である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＢＲ，ＪＰ，ＫＲ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． レールのフランジ部と係合する前部（１）と、枕木（Ｔ）内の対応するハ ウジング（Ｌ）に収容されるベース（２）と、クリップ（Ａ）の後部の支持手段 （３６）を備えたクリップ支持頂部（３）と、留め具（Ｘ）を受容する中央貫通 孔（３４）と、枕木のハウジング（Ｌ）の後壁と係合するくさび面（４０）を備 えた後部（４）とよりなる鉄道レール固定用絶縁パッドであって、 前記頂部（３）は、底部（３３０）が前方から後方に向けて下方に傾斜し、前 記底部（３３０）の両側には後部が前記クリップ（Ａ）の保持手段（３６）によ り境界となる２つの対称な補強リブ（３１、３２）が設けられた中央窪み（３３ ）を有することを特徴とする鉄道レール固定パッド。 ２． 前記中央貫通孔（３４）は円筒部（３７）により上方へ延長されることに より前記リブ（３１、３２）の上面より上方で開口することを特徴とする、請求 項１記載の鉄道レール固定パッド。 ３． 傾斜する前記底部（３３０）がその後部において、クリップ（Ａ）の支持 手段（３６）を貫通して形成され、後部（４）を貫いて枕木（Ｔ）に向けて開口 する溝（３５）に連通することを特徴とする請求項１又は２記載の鉄道レール固 定パッド。 ４． 前記各補強リブ（３１、３２）は、その外縁によって側方翼（３１０、３ ２０）に接続されることを特徴とする請求項１乃至３のうちいずれか１項記載の 鉄道レール固定パッド。 ５． クリップ（Ａ）の後端の前記押圧手段（３６）は前記リブ（３１、３２） の後端にそれぞれ横断方向に接続される２つの対称 な架台（３６１、３６２）からなることを特徴とする請求項１乃至４のうちいず れか１項記載の鉄道レール固定パッド。 ６． 前記２つの架台（３６１、３６２）は前記溝（３５）の両側に前記リブ（ ３１、３２）の上面と同じ高さに設けられることを特徴とする請求項３乃至５の うちいずれか１項記載の鉄道レール固定パッド。 ７． 前記ベース（２）は前記凹部（３３）の底面に対応して２つの凹形側方段 部（２３、２４）の間に配置される中央傾斜面（２２）を有することを特徴とす る請求項１乃至６のうちいずれか１項記載の鉄道レール固定パッド。 ８． 前記頂部（３）の幅は前記ベース（２）の幅よりも大きいことを特徴とす る請求項１乃至７のうちいずれか１項記載の鉄道レール固定パッド。 ９． 前記段部（２３、２４）の底端と傾斜面（２２）の底端は、前記クリップ （Ａ）の後端からの圧力を前記枕木（Ｔ）に伝達する横断支持面（２１）により 接続されることを特徴とする請求項１乃至８のうちいずれか１項記載の鉄道レー ル固定パッド。 １０． 前記横断支持面（２１）は、実質上鉛直に前記架台（３６１、３６２） にほぼ垂直な平面内に広がる後部エッジ面（４０）に接続されることを特徴とす る請求項５乃至９のうちいずれか１項記載の鉄道レール固定パッド。 １１． 円箇部（３４）の壁部の厚さは、迫持台となることにより前記クリップ （Ａ）の過度のたわみを防止するように定められるこ とを特徴とする請求項２記載の鉄道レール固定パッド。 １２． 前記ベース（２）は所定のたわみ力を越えた場合に枕木（Ｔ）内の前記 ハウジング（Ｌ）の上面に押圧される少なくとも１つの突起（２５１）を有する ことを特徴とする請求項１乃至１１のうちいずれか１項記載の鉄道レール固定パ ッド。 １３． 前記ベース（２）は前記中央傾斜面（２２）の両側に対称に配置された ２つの突起（２５１、２５２）を有することを特徴とする請求項７乃至１２のう ちいずれか１項記載の鉄道レール固定パッド。 １４． 前記突起（２５１、２５２）は円錐台形であることを特徴とする請求項 １２または１３記載の鉄道レール固定パッド。 １５． 前記突起（２５１、２５２）は半球形あることを特徴とする請求項１２ または１３記載の鉄道レール固定パッド。 １６． 前記突起（２５１、２５２）の底部押圧面の面積は２ｃｍ²を越えない ことを特徴とする請求項１２乃至１５のうちいずれか１項記載の鉄道レール固定 パッド。 １７． 無変形時には前記突起（２５１、２５２）の底部押圧面と前記ハウジン グ（Ｌ）の上面との間に０．５ｍｍから３ｍｍの範囲の間隙が存在することを特 徴とする請求項１２乃至１６のうちいずれか１項記載の鉄道レール固定パッド。