JPH08504689A - 耐火性の熱可塑性複合構造物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 第１層は熱可塑性発泡体を含み、第２層は熱可塑性物質を含みかつ複合構造物の難燃性を高めるだけの量の臭素化難燃剤を含有し、第１および第２層が隣接して、交互に並ぶ同時押出の耐火性複合構造物が開示される。熱可塑性物質層中に難燃剤を包含させると、臭素化難燃剤および水の両方を同一発泡体構造物中に包含する場合に遭遇する重大な腐食問題を回避しながら、第１層に発泡剤として水を用いて耐火性発泡体構造物をつくることができる、さらに、前記複合構造物の製造法も開示させる。その上前記複合構造物中で膨張可能な複合流動融成物が開示される。

Description

【発明の詳細な説明】 耐火性の熱可塑性複合構造物 この発明は、臭素化難燃剤を包含する１つ以上の層を有する難燃性の発泡体複 合構造物に関する。 臭素化化合物は、難燃性を高めるために、一般に熱可塑性発泡体、とくにポリ スチレン発泡体添加される。臭素化化合物は、典型的に、高レベルの熱または炎 に触れると分解して、臭素含有ガスを発生することによって消化させる。 臭素化難燃剤は、熱可塑性樹脂の発泡工程で遭遇するような高温に触れると、 酸性の分解生成物を生成する傾向がある。この酸性分解生成物は、熱可塑性樹脂 が発泡する以前の溶融した樹脂の加工中に水と接触しなければ、通常問題ではな い。この問題が生じる場合の１つの例は、主発泡剤または補助発泡剤として水を 使用するときである。溶融した膨張可能な熱可塑性樹脂中で、酸性分解生成物と 水発泡剤とが接触すると樹脂は酸性となって腐食性になり、膨張可能な該熱可塑 性樹脂を製造し、加工するには、この腐食性のために高価な耐酸性の設備を使う 必要がある。 この発泡体の腐食性問題を避ける１つの解決策は、単純に、発泡剤として水を 用いないことである。しかし、水は安価であり、環境的にも好ましいので、水を 使用することが望ましい。別の解決策は、臭素化化合物のように酸性分解生成物 を生成しない難燃剤を用いることと思われる。しかし、臭素化化合物は、熱可塑 性発泡体に難燃剤とした用いるのが極めて効果的であるばかりでなく経済的でも あることがわかっているので、臭素化化合物を置き換えるのは望ましいことでは ない。 熱可塑性発泡体には、難燃剤として臭素化化合物を用い、また発泡剤として水 を使用するのが好ましいので、両者を使用できるように耐火性発泡体をつくるこ とが望ましいと思われる。さらに、特殊な製造設備を用いずに加工でき、また比 較的簡単でしかも経済的に製造できる発泡体を得ることが好ましいであろう。 この発明によれば、同時押出の耐火性複合構造物において、ａ）水を含む発泡 剤を有し、かつ臭素化難燃剤を実質的に含まない熱可塑性発泡体の第１層、およ び、ｂ）複合構造物の引火性を適正な防火規則の基準まで低下させるだけの量の 臭素化難燃剤を有する熱可塑性物質の第２層を特徴とする構造物がある。難燃剤 を第２層中に包含させると、複合構造物は十分な所望の難燃性が得られるのに、 第１の熱可塑性発泡体層は難燃剤をほとんどまったく含まない。第１および第２ 層は互いに隣接し、相互にたいして凝集性がある。第２層は実質的に無気泡質ま たは非発泡質が好ましく、フィルム状を呈するのがもっとも好ましい。複合構造 物は複数の第１および第２層が交互に並んで構成されるのが好ましい。複合構造 物の外層は難燃剤を包含する熱可塑性物質の第２層を含む。 この発明によれば、同時押出の複合発泡体構造物内で膨張させるのに適する複 合熱可塑性流動融成物において、ａ）熱可塑性物質の流動融成物の第１流動層お よび、ｂ）熱可塑性物質の流動融成物の第２流動層を特徴とする融成物がある。 第１流動層は水を含む発泡剤を有して、臭素化樹脂族難燃剤を実質的に含まない 。第２流動層は水を実質的に含まず、かつ複合流動融成物から成る複合構造物の 引火性を低下させるだけの量の臭素化難燃剤を有している。水発泡剤を含まない 流動層（第２流動層）中に難燃剤を加えると、加工および製造設備に腐食を与え ずに難燃剤を複合流動融成物中に包含させることができる。第１および第２流動 層は相互に隣接している。複合流動融成物は実質的に交互に並んだ複数の第１お よび第２流動層を含むのが好ましい。 この発明によれば、耐火性複合構造物の製造方法において、 ａ）第１の熱可塑性融成物流の膨張を阻止するだけの高圧の水を含む発泡剤を 包含した該第１流を用意し、ｂ）臭素化難燃剤を包含して、水を実質的に含まな い第２の熱可塑性融成物流を用意し、ｃ）該第１および第２流を一体化して、複 合融成物流とし、さらに ｄ）該複合流をダイから低圧帯域に押出して、熱可塑 性発泡体の第１層および熱可塑性物質の第２層を含む安定な複合構造物を形成す ることを特徴とする製造方法がある。 この同時押出しの耐火性複合構造物は、少なくとも１つの熱可塑性発泡体の第 １層および少なくとも１つの熱可塑性物質の第２層より成る。この複合構造物は 、主発泡剤または補助発泡剤として水を用い、かつ普通の臭素化脂肪族難燃剤を 使 用してつくることができるので好都合である。第１層は臭素化難燃剤が無いとき に、水発泡剤によって完全にまたは部分的に発泡する。臭素化難燃剤は第１層と 同時押出される水を含まない第２層中に包含される。したがって、水発泡剤のみ ならず臭素化難燃剤をも有する膨張可能な熱可塑性融成物を加工する際に遭遇す る腐食問題なしに有効な複合発泡体構造物をつくることができる。 第１および第２層の総数は少なくとも２、好ましくは少なくとも３、もっとも 好ましくは１０ないし１，０００である。第１および第２層は、通常、互いに平 行で、堆積関係にある。第１および第２層は、層の堆積全体にわたって逐次交互 に並ぶのが好ましいが、堆積内で、ときには第１層同士または第２層同士が隣接 することがあるという点で、第１および第２層はたぶんほぼ交互に連続し並ぶと 思われる。複合構造物の外層（堆積の最上部および最下部）は、構造物の難燃性 をさらに高めるために臭素化脂肪族難燃剤を包含した第２層が好ましい。第１層 は、容積および重量の双方に基づき、複合構造物の大部分を占めるのがさらに好 ましい。 第１および第２層は典型的には、相互に熱融着されるが、また、エチレン−酢 酸ビニルコポリマー、エチレン−アクリル酸コポリマー、エチレン−プロピレン コポリマー、ウレタンのような粘着性のプラスチックより成る中間層によって相 互に付着させることもできる。第１および第２層は、同時押出構造物という点か ら予想されるように相互に熱融着させるのが好ましい。第１および第２層が相互 に隣接して凝集性があるというときには、互いに融着している層または粘着性中 間層によって付着している層もこの中に含む。 第２層はフィルム状を呈し、かつ実質的に無気泡質または非発泡質であるのが 好ましい。フィルム層の厚さは重要ではないが、１ミクロンないし２マイクロメ ートルが好ましく、３ミクロンないし１ミクロンがさらに好ましい。フィルム層 は、また薄いシート状を呈しても差支えないことを理解されたい。もしくは第２ 層は、該層の密度を下げるために発泡体の形を取ることができる。 第１および第２層は、同一または異なる熱可塑性物質より成ることができる。 適当な熱可塑性物質は、フィルムに成形可能なものか、または発泡体に発泡させ ることができるものから選ぶことができる。適当な熱可塑性樹脂には、ポリエチ レンおよびポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリスチ レン、セルロース系ポリマー、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリア ミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、およびポリメチルメタクリレートが ある。適当なポリオレフィンには、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリブ チレンがある。この発明はフィルムにもまた発泡体にも成形可能なポリスチレン より成る複合構造物の場合にとくに有用である。そのわけは、ポリスチレン発泡 体では通常、臭素化難燃剤が用いられるからである。 この複合構造物に有効な難燃剤には、もしも熱可塑性樹脂および発泡体組成物 中に難燃剤としてこれまで用いられていた臭素化脂肪族化合物（１）が、少なく とも１個の臭素原子を含有する炭素原子に隣接する炭素原子に少なくとも１個の 水素原子を結合させていさえすれば、該化合物が含まれる。代表的な臭素化脂肪 族化合物には、これに限るものではないが、ヘキサブロモシクロドデカン；トリ ス（２，３−ジブロモプロピル）ホスフェート；テトラブロモービニルシクロヘ キセン；テトラブロモシクロオクタン：ペンタブロモークロロシクロヘキサン； （１，２−ジブロモーメチル）シクロヘキサン：ヘキサブロモ−２−ブテン；お よび１，１，１，３−テトラブロモノナンがある。とくに好ましい臭素化脂肪族 難燃剤化合物にはヘキサブロモシクロドデカンおよびその異性体、ペンタブロモ シクロヘキサンおよびその異性体がある。他の適当な臭素化難燃剤化合物にはト リブロモジフェニルエーテル、テトラブロモジフェニルエーテル、ペンタブロモ ジフェニルエーテル、ヘキサブロモジフェニルエーテル、トリブロモクロロジフ ェニルエーテル、トリブロモジクロロジフェニルエーテル、トリクロロジフェニ ルエーテル、テトラブロモジクロロジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニ ルエーテル、デカブロモジフェニノレエーテル、トリブロモフェニル、トリブロ モクロロフェニル、トリブロモジクロロフェニル、テトラブロモビスフェノール Ａの２−エチルヘキシル、ｎ−オクチル、ノニル、ブチル、ドデシルおよび２， ３−ジオキシプロピルエーテル類、テトラブロモフタル酸ジオクチルエステルが ある。難燃剤は１種類以上の臭素化難燃剤の混合物を含むことができる。 臭素化難燃剤は、複合構造物中の熱可塑性物質の重量に対して、好ましくは０ ．２ないし３．０重量パーセント、より好ましくは０．６ないし２．５重量パー セントの元素状臭素を含む。 第２層がフィルムまたは発泡体の形状を呈するときには、第２層は、複合構造 物の難燃性を高め、かつ少量の臭素化難燃剤を用いて、同一レベルの難燃性が得 られるようにするメルトフロー調節剤を含有するのがさらに好ましい。適当なメ ルトフロー調節剤には、これに限るものではないが、２，３−ジメチル−２，３ −ジフェニルブタン；ビス（アルファフェニルエーテル）スルホン；１，１−ジ フェニルビシクロヘキシル；２，２’−ジメチル−２，２’−アゾブタン（１９ ６９４−１２−３）；２，２’−ジクロロ−２，２’−アゾブタン（５２４０６ −４８−１）；２，２’−ジブロモ−２，２’−アゾブタン（５６３７５−３６ −１）；２，２−ジメチル−２，２’−アゾブタン−３，３’，４，４’−テト ラカルボン酸（５８６５７−６７−３）；１，１’−ジフェニルビシクロペンチ ル；２，５−ビス（トリブロモメチル）−１，３，４−チアジアゾール；ジオク チルスズマレエート；ジブチルスズマレエート；およびビスフェノールＡまたは テトラブロモビスフェノールＡのビスアリルエーテル類がある。 この構造物は、顔料、充填剤、酸化防止剤、核形成剤、安定剤、帯電防止剤、 酸捕捉剤等のような補助的添加剤を含有することができる。 この複合構造物は３，２ないし３２０キログラム／立方メートル（ｋｇ／ｍ³ ）、より好ましくは１５．１ないし１５０キログラム／立方メートルの総合密度 を有することができる。 この発明の複合構造物の製造法は、通常、第１の熱可塑性融成物流を用意し、 臭素化難燃剤を包含する第２の熱可塑性融成物流を用意し、該第１および第２流 を一体化して、複合流を形成させ、複合流をダイから低圧帯域に押出して、複合 構造物を形成させることを含む。 第１の熱可塑性融成物流は、概して、熱可塑性物質を溶融し、その中に、部分 的または完全に水より成る発泡剤を包含させることによって形成される。発泡剤 は、押出機、ミキサー、ブレンダー等のような技術上公知の手段によって熱可塑 性融成物中に添加または配合することができる。発泡剤の配合に先だち、熱可塑 性物質をそのガラス転移点以上の温度、好ましくはその融点を上回る温度に加熱 する。発泡剤は、融成物の実質的な膨張または融成物中の発泡剤の概ね均一な分 散の喪失を阻止するだけの高圧で熱可塑性融成物に混合する。該圧力は典型的に は少なくとも３４５キロパスカル（ゲージ）を上回り、より好ましくは６９００ キロパスカル（ゲージ）を上回る。発泡剤は、第１の熱可塑性融成物流中に、膨 張させる熱可塑性物質１００部当たり１ないし３０部、好ましくは５ないし１５ 部の重量比で包含させる。 この複合構造物の第１層をつくるために、場合により第１熱可塑性融成物中に 水とともに包含させることができる発泡剤は後述する。この構造物の第２層が無 気泡質又は非発泡質が望ましい場合には、発泡剤が水を含みもせず、また生成も しない限り、下記の発泡剤を第２の熱可塑性融成物中に包含させることができる 。水以外の有効な発泡剤にはガス状物質、揮発性液体、および分解してガスや他 の副生物になる薬剤がある。適当な発泡剤には、これに限らないけれども、窒素 、二酸化炭素、空気、アルゴン、塩化メチル、塩化エチル、ブタン、イソブタン 、ペンタン、イソペンタン、ペルフルオロメタン、１，１−ジフルオロエタン、 １，１−ジクロロ２，２−ジフルオロエタン、１，１，１，２−テトラフルオロ エタン、クロロ−トリフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロ フルオロメタン、ペルフルオロエタン、１−クロロ−１，１−ジフルオロエタン 、クロロペンタフルオロエタン、ジクロロテトラフルオロエタン、トリクロロト リフルオロエタン、ペルフルオロプロパン、クロロヘプタフルオロプロパン、ジ クロロヘキサフルオロプロパン、ペルフルオロブタン、クロロノナフルオロブタ ン、ペルフルオロシクロブタン、アゾジカルボンアミド、アゾジイソブチロニト リル、ベンゼンスルホンヒドラジド、４，４−オキシベンゼンスルホニル−セミ カルバジド、ｐ−トルエンスルホニルセミカルバジド、アゾジカルボン酸バリウ ム、Ｎ，Ｎ’−ジメチル−Ｎ，Ｎ’−ジニトロソテレフタルアミド、およびトリ ヒドラジノトリアジンがある。発泡剤は２種類以上の発泡剤の混合物を含むこと ができる。 押出してフィルムとするのに適当な第２の熱可塑性融成物流の形成は、さきに 第１流の場合に述べたように熱可塑性物質を溶融し、その中に臭素化脂肪族難燃 剤を包含させることによって行われる。臭素化難燃剤は熱可塑性樹脂とドライブ レンドし、次に溶融して相互に混合するか、または熱可塑性融成物と混合するこ とができる。熱可塑性樹脂および臭素化難燃剤は押出機、ミキサー、ブレンダー 等のような技術上公知の手段によって混合することができる。第２の熱可塑性融 成物流は、他の発泡剤を包含するしないに関係なく、実質的に水を含まず、また 水を完全に含まないのが好ましい。 第１の融成物流中に水を含む発泡剤を包含させ、第２の融成物流中に臭素化難 燃剤を包含させた後に、２つの流れを一体化して複合流を形成させる。複合流は 、つぎに、ダイから低圧帯域に押出して、この発明の安定な複合構造物を形成さ せる。ダイの下流の低圧帯域は、第１流または第２流（発泡剤を含有する場合） が膨張し、または発泡剤を失うのを阻止するように、該流が受けていた圧力より も低圧である。安定な複合構造物は相互に融着されたかまたは他の方法で相互に 付着された第１の熱可塑性発泡体層および第２の熱可塑性発泡体または非発泡体 （フィルム）層より成る。 第１および第２流は技術上周知の同時押出すなわち並列押出によって共に一体 化して押出される。同時押出の方法および装置は米国特許第３，５６５，９８５ 号、同第３，５５７，２６５号、および同第３，８８４，６０６号に開示されて いる。該方法および装置は最大数百層の複合構造物をつくるのに用いることがで きる。同時押出中に、第１および第２融成物流は、共に複数の第１および第２融 成物支流に分割される。複数の支流は、次に、第１および第２支流層が実質的に 交互に並んだ複合流動融成物の堆積を形成するように配列され一体化される。つ ぎに複合流動融成物はダイから低圧領域に押出されてプラスチック物質の発泡体 の第１サブ層およびプラスチック物質の第２サブ層より成り、両サブ層が相互に 融着するかまたは他の方法で相互に付着した複合構造物を形成する。第２サブ層 は、第２融成物支流中の発泡剤の存在如何により、発泡することも、しないこと もある。便宜上、第１および第２支流層をここでは第１および第２流動層と呼び 、第１および第２サブ層をここでは第１および第２層と呼ぶ。この複合構造物の 好 ましい製造法および装置が１９９０年９月５日出願の米国特許出願第５７７，７ ２３号に示されている。 非同時押出のこの発明の複合構造物が従来のラミネーション法またはコーティ ング法によって製造可能なことは理解されよう。たとえば、臭素化難燃剤を実質 的に含まない同時押出または成形ビードプラスチック発泡体は、臭素化難燃剤を 含有する他のプラスチック発泡体またはフィルムと積層させることができるかも しれない。同様に、臭素化難燃剤を含有する樹脂または融成物を、臭素化難燃剤 を実質的に含まないプラスチック発泡体基質上に塗布かたは散布できるかもしれ ない。 以下の実施例は、この発明を説明するために示すものであって、限定するもの と解してはならない。 ５つのフィルム層と４つの発泡体層を有し、フィルム層と発泡体層を交互に並 べフィルムを外層にした９層のフィルム／発泡体複合構造物をこの発明によって 調製した。フィルムおよび発泡体層はいずれも、重量平均分子量が２００，００ ０でメルトインデックスが１１．４グラム（ｇ）／１０分（ｍｉｎ）（２３０℃ において５００ｇ）のＳＴＹＲＯＮ ６８０という商標のポリスチレン（Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏｍｐａｎｙ製）から調製した。発泡体形成融成物流は 、ポリスチレン；発泡剤として１−クロロ−１，１−ジフルオロエタン（ＣＦＣ −１４２６）；核形成剤としてタルク；および青色着色剤フタロシアニンブルを 、１．１４キログラム／時（ｋｇ／ｈｒ）で作動する３３．３センチメートル（ ｃｍ）のＫｉｌｌｏｎ押出機内で溶融、混合して調製した。発泡剤は押出機下流 のミキサー内で添加した。発泡体形成融成物流中のＣＦＣ−１４２６およびタル クの比率はポリスチレンの重量に対して、それぞれ１００部当り１０部（１０ｐ ｐｈ）および１ｐｐｂであった。Ｋｉｌｌｏｎ押出機および後の加工設備におけ る温度ならびに絶対圧力の操作条件は次の通りであった。第１ゾーン１７０℃、 第２ゾーン１８０℃、第３ゾーン２００℃、第４ゾーン２００℃および１０，３ ４０キロパスカル（ＫＰａ），ギヤポンプ２００℃および１７２４０ＫＰａ，ミ キサー２００℃および１７２４０ＫＰａ、ならびにクーラー１４０℃および１３ ， ３９０ＫＰａ，フィルム形成融成物流は、ポリスチレンおよび試料によって比率 の異なるヘキサブロモシクロドデカン（ＨＢＣＤ）を３．２ｃｍのＹｅｌｌｏｗ Ｊａｃｋｅｔ押出機内で溶融、混合して調製した。Ｙｅｌｌｏｗ Ｊａｃｋｅ ｔ押出機は１．１４ｋｇ／ｈｒで作動し、操作条件は、第１ゾーン１７０℃、第 ２ゾーン１８０℃、第３ゾーン２００℃、ならびに第４ゾーン２００℃および２ ０，７００ＫＰａであった。押出機の後にあるクーラーの操作条件は１７０℃お よび１３，３９０ＫＰａであった。表の試料４ないし６は臭素量の異なる複合構 造物を示す。発泡体形成融成物流およびフィルム形成融成物流はそれぞれ支流に 分割され、交互の順序で一体化され、さらに９層ダイから同時に押出されて９層 の構造物を形成する。ダイの条件は１３３℃および１２，４００ＫＰａであった 。 ９層の発泡体層を有して、フィルム層を含まない対照構造物を、フィルム形成 融成物流中に、重量当り１０ｐｐｈのＣＦＣ−１４２ｂおよび１ｐｐｈのタルク を包含させた以外は、上記複合構造物とほとんど同じ条件で調製した。対照構造 物は表中に試料１ないし３として示す。 フィルム／発泡体複合構造物は、ダイから出るときに成形ロッドアセンブリー および引張ロールを用いて成形した。試料４ないし６および対照発泡体は毎分２ ．８メートル（ｍ／ｍｉｎ）の引張ロール速度；試料７は５．５ｍ／ｍｉｎの引 張ロール速度、試料８は８．２ｍ／ｍｉｎの引張ロール速度を与えた。引張速度 の増大によって複合構造物の厚さ１インチ当りの層数が増加した。 複合構造物および対照構造物の両方について耐発火試験を行った。この試験は 実際の火事の場合における構造物の難燃性を必ずしも示すものではないが、一定 の試験環境における発泡体の難燃性を比較するには有効である。試験は、水平に 置いた１５．２ｃｍｘ２．５ｃｍｘ０．６４ｃｍの試料に３秒間１端にミクロバ ーナーの火炎を当てることより成るものであった。バーナーを取り去ったときに タイマーが自動的に動き始めて消炎時間を記録する。記録値は各試料ごとに試験 した６個の試験片の平均値である。５秒未満の平均消炎時間が合格とみなされる 。 発火試験には２枚の試験片を一緒に合せて使用した。ＢＲ（臭素）の総重量％ はフィルム層および発砲体層の総重量に対する元素状臭素の重量パーセントを示 す。 この発明の複合構造物の態様を特定の細目について示したけれども、なお明ら かに、ここに示す新規な教示および原理の範囲内にありながら、製造方法および 製造業者の意向によって、この発明を種々の変形に修正できることは理解されよ う。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ Ｂ２９Ｌ 9:00 Ｃ０８Ｌ 101:00

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．第１の熱可塑性融成物流の膨張を阻止するだけの高圧のもとで水含有発泡 剤を含有させ、かつ臭素化脂肪族難燃剤を含まない該第１流を用意し、 第２の熱可塑性融成物流を用意し、 該第１および第２流を一体化して複合融成物流とし、 該複合流をダイから低圧帯域に押出して、熱可塑性発泡体の第１層および熱可 塑性物質の第２層を有する安定な複合構造物を形成させることを含む同時押出の 耐火性複合物の製造方法において、 該方法は、第２融成物流が複合構造物の引火性を低下させるだけの量の臭素化 脂肪族難燃剤を包含し、さらに水を含まないことを特徴とする方法。 ２．第１および第２流がそれぞれ複数の第１および第２流に分割され、次に交 互の順序で一体化されて、複数の第１および第２流が交互に並ぶ複合融成物流を 形成し、さらにダイから該複合融成物流を押出して、複数の第１および第２層が 交互に並ぶ複合構造物を形成することを特徴とする請求項１の方法。 ３．外層が第２層出あることを特徴とする請求項２の方法。 ４．臭素化難燃剤が構造物中の熱可塑性物質の重量に対して０．２ないし３． ０重量パーセントの量で存在することを特徴とする請求項１、請求項２または請 求項３のいずれか１つの項の方法。 ５．臭素化難燃剤がヘキサブロモシクロドデカンであることを特徴とする請求 項１、請求項２または請求項３のいずれか１つの項の方法。 ６ 熱可塑性物質がポリスチレンであることを特徴とする請求項１、請求項２ または請求項３の方法。 ７．第２層がフィルム状であることを特徴とする請求項１、請求項２または請 求項３のいずれか１つの項の方法。 ８．耐火性複合構造物の製造方法において、該方法が下記、 第１の熱可塑性融成物流の膨張を阻止するだけの高圧もとで水含有発泡剤を含 有させ、かつ臭素化難燃剤を含まない該第１流を用意し、 複合構造物の引火性を低下させるだけの量の臭素化脂肪族難燃剤を包含し、か つ水を含まない第２の熱可塑性融成物流を用意し、 第１の熱可塑性融成物流を膨張させて、熱可塑性発泡体の第１層を形成させ、 次に第２の熱可塑性融成物流を熱可塑性発泡体の第１層に適用し、第１層に隣接 する熱可塑性物質の第２層を生成させて、複合構造物を形成させる諸工程を特徴 とする方法。 ９．請求項１、請求項２または請求項３または請求項８のいずれか１つの項の 方法によってつくった耐火性構造物。