JPH08503595A - モノポール・ワイヤプレートアンテナ - Google Patents

モノポール・ワイヤプレートアンテナ

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JPH08503595A JP7508486A JP50848695A JPH08503595A JP H08503595 A JPH08503595 A JP H08503595A JP 7508486 A JP7508486 A JP 7508486A JP 50848695 A JP50848695 A JP 50848695A JP H08503595 A JPH08503595 A JP H08503595A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、モノポール・ワイヤプレートアンテナに関し、このアンテナは、接地プレーン10と、発信器に接続される容量天板11,12としての第1の放射素子と、容量天板を接地プレーンに接続する導電体ワイヤ14,14’,15,15’としての第2の放射素子とからなる。本アンテナは、上記放射素子の少なくとも一方を複数個有する。

Description

【発明の詳細な説明】 モノポール・ワイヤプレートアンテナ 本発明は、接地プレーン(ground plane)と、給電ワイヤ(feed wire)により発 信器(generator)または受信器(receivcr)に接続される容量天板(capacity top p late)である第1の放射素子と、この容量天板を接地プレーンに接続する放射導 電体ワイヤである第2の放射素子とからなる型のモノポール・ワイヤプレートア ンテナに関する。 この種のアンテナはフランス国特許A−2,668,859号により知られて いる。 このアンテナは、誘電性基板の両而に配置した2つの金属面により構成される 。両金属面の一方(一般に大きい方)は接地プレーンを構成し、他方は容量天板 を構成する。このアンテナには給電ワイヤを介して給電される。給電ワイヤは、 接地プレーンおよび前記基板を貫通して容量天板に接続される同軸プローブによ り形成される。 このアンテナの特徴は、同軸給電プローブに並行して、接地プレーンを容量天 板に接続するアクティブ放射ワイヤを有することである。このワイヤは、接地へ の帰路(return)を形成する。このようなアンテナは、2つの共振現象の座(seat) を提供し、このことからダブル共振アンテナ(doublcrcsonant antcnna)と呼ばれ ることがある。 このアンテナの物理的パラメータ、すなわち、電気的基板の誘電率、その厚さ 、給電ワイヤの半径、放射ワイヤの半径、2本のワイヤ間の距離、ならびに、容 量天板および接地プレーンの形状および寸法は、論理的には、任意の値をとりう る。しかし、このアンテナが適切に動作するか否かはこれらのパラメータの関係 に依存し、これによって、可能性が制限され、場 合によっては、技術的な観点から満足するには困難な制約が課せられる。 よって、このアンテナの適切な整合(マッチング)を得るためには、好ましく は、誘電率が非常に小さいこと(εr<2)、同軸プローブと放射ワイヤとの間 の間隔が放射波長に比べて非常に小さいこと (d<λ0/50)、および同軸 プローブの半径が少なくとも放射ワイヤの半径の5分の1以下であることが必要 である。一方、容量天板の形状は実際上任意であり、ただその表面積のみが重要 である。さらに、空中線(acrial)の整合の観点からは、その高さは比較的高く 、但しλ0/18を越えないことが望ましい。接地プレーンの表面が容量天板の それより少なくとも10倍以上であれば、接地プレーンの形状および寸法を変更 したとき、アンテナの整合はわずかにしか変化しないが、すべてのモノポール放 射アンテナと同様に、放射パターンは相当変化する可能性がある。 このアンテナの動作は、主として、空洞共振の生じない、給電プローブと放射 ワイヤとの間の結合(coupling)の現象から生じる。 後述する条件下で放射ワイヤを追加することにより、抑止アンテナ(suppress ed antenna)の共振の従来モードの周波数よりはるかに低い周波数で並列共振( parallel resonance)を発生する。アンテナの物理的パラメータを適切に選択す ることにより、一方では、アンテナを従来の発信器および受信器に適切に整合さ せることができる、換言すれば、アンテナのインピーダンスの虚部が相殺される ときその実部が所定の値(一般には50オーム)を有する。他方、典型的なモノ ポールの放射特性を有するいわゆるモノポール形放射を得ることができる。その 特性とは、 ・回転対称のローブ(lobe)、 ・接地プレーン(これが非常に大なるとき)に平行な方向に最大の放射、お よび、ワイヤの軸方向にゼロの放射、 ・アンテナに垂直な面における電界の直線的ポラリゼーシヨン(lencar polarization)、である。 したがって、上記フランス特許は従来アンテナに対して次のような優位性を有 する。すなわち、設計および構造が比較的簡単でかつ使用波長に比べて小さい寸 法を有し、所定のゲインで適正な整合が行える。また、従来の抑止アンテナより 広い通過帯域を有し、かつ、周波数の関数としてのモノポール形の安定な放射を 有する。さらに、ネットワーク内に使用可能である。しかし、次のような欠点を 有する。 特に、このアンテナをモノポール放射の条件下におくと、各ワイヤの寸法およ び両ワイヤ間の距離が、信号波長λより十分に小さくなければならない。このこ とは、特にマイクロ波の領域において、技術的な困難性および脆弱性の原因とな る。さらに、低周波数において使用する場合には、既に波長より十分小さい寸法 ではあるが、移動体通信の用途においてはなお大きすぎることになる。その上、 使用基板の誘電率が1から大きくずれているとき、アンテナの整合を行うことが 困難であり、その通過帯域は比較的狭くなる。今一つの問題は、例えば、より大 きい最大ゲインを得るため、あるいは、より大きい空間的カバー範囲を得るため 、モノポール放射の形状を調整することが容易ではない、ということである。 本発明は、これらの問題点を解決しようとするものである。 この目的のため、本発明のモノポール・ワイヤプレートアンテナは、接地プレ ーンと、給電ワイヤにより発信器または受信器に接続される容量天板としての第 1の放射素子と、この容量天板を接地プレーンに接続する放射導電体ワイヤとし ての第2の放射素子とを備え、このアンテナは、モノポール放射として動作する よう、上記放射素子の少なくとも一方を複数有することを特徴とする。 このような構成により前述した間題を解決することができることが、以下の説 明から理解されよう。 なお、「ワイヤ」という用語は、円形断面を有する導電体のみならず、任意の 断面、例えばリボンのような断面を有するものをも含むと理解されたい。同様に 、接地「プレーン」および容量天板または天板は、特に、特別な形状(例えば大 きな最大ゲインを有する狭い形状、あるいは所定の扇形のイルミネーシヨン(ill umination)を有する広い形状)のモノポール放射を得るためには、互いに平行で ない湾曲した表面を有するものでもよい。 特定の1動作モードにおいて、本アンテナの特性、特に、容量天板の形状を選 定することにより、同一周波数または幾つかの近接周波数において、モノポール モードと従来のダイポールモードの両モードで動作するアンテナが得られる。 また、特定の一実施例において、本発明のアンテナは、複数の導電体ワイヤを 有する。 特に、本発明のアンテナによれば、従来技術に比べて、より簡単に、かつ、よ り緩やかな技術的な条件の下でモノポール放射および良好な整合を得ることがで きる。 さらに具体的には、放射ワイヤは給電ワイヤに対して対称に配置してもよい。 他の特定の実施例において、本発明のアンテナは複数の容量天板を有し、かつ 、そのうちの少なくとも1つが発信器に接続されるよう構成される。 この後者の場合、本発明のアンテナには、接地プレーンを貫通する同軸プロー ブにより給電することができる。その給電ワイヤは1つの容量天板に接続され、 その外側導体は、給電ワイヤに接続された当該容量天板と接地プレーンとの間に 位置するもう1つの容量天板を接地プレーンヘ接続する。 複数の容量天板を有する本発明によるアンテナは、広い通過帯域を提 供するよう、もしくは複数の共振周波数を提供するよう、または、与えられたテ ンプレートに近いモノポール放射パターンを提供するよう構成することができる 。 特定の実施例において、容量天板はほぼ長方形の形状をしており、放射ワイヤ はその長方形の短辺近傍に接続される。 この構成によれば、接地プレーンに対して、容量天板の面積および高さを低減 することができる。この動作条件は、アンテナの寸法が重要である低周波数アン テナ(典型的にはラジオ(radio)アンテナ)の場合、きわめて重要となる。 給電ワイヤおよび放射ワイヤは、そのワイヤに沿って配置されまたは広がった 回路素子を装着することができる。 これらの回路素子は、受動線形素子(抵抗、誘導コイル、キャパシタ、任意の インピーダンス)または能動線形素子のみならず、非線形素子であってもよい。 これらを適切に選択することにより、例えば、アンテナの寸法を小さくし、もし くは、信号周波数を変更し、または、幾つかの信号周波数を切り替えることが可 能になる。 本発明の特定の実施例について、以下、添付の図面を参照しながら説明するが 、これは例示のためであって、本発明を制限するものではない。 図1,2a,2bは、本発明の3つの実施例の3つの斜視図であり、 図3a,3b,3cは、それぞれ、図1に示した実施例によるアンテナの等価 インピーダンスZ(f)、反射係数S11(f)の実部および虚部を示し、 図4a、4bは、それぞれ、同アンテナについてのワイヤのプレーン内および これの直交プレーン内で得られるゲインを示し、 図5a,5b,5cは、それ ぞれ、図2の実施例によるアンテナのインピーダンスZ(f)の実部および虚部 、反射係数S11(f)を示し、 図6a,6bは、同アンテナについての、異なる周波数においてワイヤのプレ ーン内で得られるゲインを示す。 図1のアンテナは、誘電体基板1からなる。その表面の一面2は、その全面を 金属化して接地プレーンを構成し、他而3は、部分的に金属化して容量天板を構 成している。同軸給電プローブ4は、接地プレーン2および基板1を貫通し、容 量天板3に接続されている。放射導電体ワイヤ5も基板1を貫通して接地プレー ン2を容量天板3に接続している。 放射ワイヤ5は、理論的には、アンテナの容量天板3の下部のどこにでも配置 することができるが、その位置に依存して、このアンテナ動作に対する影響が重 大であったり、なかったりする。さらに、使用する放射ワイヤの個数が多すぎる (4を越える)場合には、二重共振現象を減衰させ、かつ、この空中線をマイク ロ波発信器に整合させる観点からはこのアンテナを使用できなくなる。 さらに、アンテナの接地プレーン2および天板3が設けられた誘電体基板1は 、必ずしも単一の誘電体材料で形成する必要はなく、任意の複数の誘電定数の層 を積層したものであってもよい。基板1の形状および寸法は任意であるが、概し て言えば、実用上の理由により、その寸法は、接地プレーン2の寸法を超えない 。 放射ワイヤを追加する毎に、アンテナの物理的なパラメータが新たに発生する 。すなわち、それらのパラメータは、追加された放射ワイヤの半径、同軸給電プ ローブからの距離、他の放射ワイヤからの距離である。これらの新たな物理的パ ラメータは、アンテナの物理的パラメータ相互間の関係を複雑にするが、実際に は、問題を簡略化し、モノポール・ワイヤプレートアンテナの動作を得るために 必要な制約を軽減する。 すなわち、給電プローブ4のワイヤは、もはや、その直径が放射ワイヤの直径 より十分小さくなければならない必要はなく、同等またはより大 きい半径を有してもよい。また、ワイヤ5は、もはや、同軸給電プローブ4に十 分接近させる必要はなくなり、好ましくは、アンテナの天板の端の方に位置すべ きである。ワイヤ5の半径は、好ましくは、給電プローブの半径より小さい。ワ イヤ5の本数が多いほど、あるいは給電プローブヘ近づくほど、ワイヤ5の半径 は小さくなければならない。 単一本の放射ワイヤを有する二重共振アンテナと比べて、幾つかの放射ワイヤ を有する本アンテナは、同じ周波数で動作するには、概して、より大きな天板と 僅かに高い高さを有する。しかし、誘電体媒体の使用あるいは積層した異なる誘 電体媒体の使用により、これらの寸法を低減することができる。しかも、単一本 の放射ワイヤを有する二重共振アンテナが、極めて小さい誘電率(εr≦1.2 )の基板に対してのみ適正に50オームに整合するのに対し、放射ワイヤを追加 することにより、任意の基板または基板の組み合わせ上に形成したあらゆるモノ ポール・ワイヤプレートアンテナの整合を極めて容易に行うことができる。 さらに、実際的な見地から、場合によっては、例えば同軸給電プローブ4をア ンテナの容量天板3の中心に位置させることにより、同軸給電プローブ4に対し てワイヤ5を対称に配置することが好ましい。 幾つかの放射ワイヤを有する二重共振アンテナの動作原理は、1本のワイヤの みを有する二重共振アンテナの動作原理と同様である。新たなワイヤを追加して も、各放射ワイヤに関連した並列共振は生じないが、1本の放射ワイヤにより生 じた共振に変化を与える。 実際、第1の近似では、二重共振の現象は、アンテナの容量を短絡する、複数 のワイヤ5全体に対応する”インダクタ等価物(inductorequivalent)”により生 成される。このインダクタは、各ワイヤ5に関連するインダクタを並列に配置す るという観点から、より小さくなる。このことから、共振周波数が高周波数側へ シフトすることの理由、および、この 共振がより低い質係数(quality coefficient)を有することの理由が説明され る。大きな誘電率の誘電体基板を用いて、主としてワイヤ間の相互インダクタン スを変化させることにより、再び共振周波数を低減し、質係数を増大させること ができる。 二重共振の質係数を減少させることは、空中線をマイクロ波発信器に整合させ るという観点からは非常に有利であると思われる。なぜなら、それによって、よ り広い周波数帯域にわたり、そのインピーダンスの実部を50オームに維持する とともに虚部を0に維持することができ、その結果、通過帯域の拡大が図れるか らである。 これらの性質は概略的なものであり、任意の動作周波数においてはやはりアン テナパラメータの選定は非常に困難である。また、使用する周波数の選択はユー ザに任せられる。 したがって、与えられた周波数に対する適正な整合を得るには、次のような手 順を採る。 ・適切な動作周波数を与える天板3の表面積、基板1の高さ、および放射ワイ ヤの本数の選定、 ・周波数調整ならびにインピーダンスの実部および虚部の調整を可能とし、よ ってアンテナの整合の最適化を可能とするワイヤ5の位置、それらの半径、およ びそれらの間の距離の選定、 ・放射パターンを決定する接地プレーン2の寸法の選定。 幾つかの放射ワイヤを有するモノポール・ワイヤプレートアンテナは、単一本 放射ワイヤを有する二重共振アンテナと同様の放射特性、すなわち、給電ワイヤ および放射ワイヤを介して生じるモノポール形の放射、を有する。 ワイヤ5の本数を増加させれば、アンテナの中心に配置した給電プローブ4に 対してワイヤ群5を対称に配置することにより、その放射を完全 に対称にすることが可能になる。 接地プレーン2の寸法、および基板1の寸法(これの寄与の程度は小さいが) により、任意のモノポール放射アンテナの場合と同様、放射パターンを変形する ことができる。 以下、2本のワイヤ5と直径1.27mmの同軸給電プローブ4を有する図1 に示した形のアンテナの特性について説明する。この2本のワイヤ5は、プロー ブ4に対して対称に配置されている。また、ワイヤ5の各々の軸はプローブ4の 軸から3.3mm離れている。誘電体基板1は、寸法72mm×72mm)厚さ 10mm)誘電率約2.5のメチルポリメタクリレートのプレートで構成されて いる。接地プレーン2は、プレート1の一面全体を被覆し、その反対面上の中心 に寸法20m×20mmの容量天板3が位置している。 図3〜図6は、実線で測定値を示し、破線で理論値を示している。図3a,3 bは、それぞれ、アンテナの入カインピーダンスの実部および虚部を示しており 、図3はこれから生じる反射係数を示している。 同様に図4a,4bは、それぞれ、アンテナの全周囲にわたって求められた、 ワイヤのプレーン内で得られるゲインと、ワイヤプレーンに直交するプレーン内 で得られるゲインを示している。 これらの結果から、アンテナの優れた整合(図3)および、接地プレーンのエ ッジの回折効果により変形されたモノポール放射の典型的な形状(図4)が検証 される。このアンテナは、1.77GHzの周波数で、−20dB(入射パワー のほんの1%が反射される)のオーダーの反射係数S11(f)を有する。 図4において、この同じ周波数1.77GHzで得られたゲインは、すべての 損失(ミス整合、抵抗性および誘導性損失)を反映して、45度で約2.5dB の最大値に達している。これは、接地プレーンの寸法に依 存した放射パターンの変形による。 単一放射ワイヤを有する二重共振アンテナが従来のアンテナに比べて有する利 点、および、幾つかの放射ワイヤを有する二重共振アンテナが有する利点に加え て、この種のアンテナにさらに放射ワイヤを追加することにより、新たな利点が 生じる。 実際、新たな放射ワイヤを追加することにより、アンテナの物理的パラメータ に関して格段に自由度が高まる。すなわち、 ・空中線の整合が容易になる、 ・大きい誘電率の基板を使用可能となる、 ・通過帯域の拡大:SWRが2のとき帯域の8%、SWRが5.8のとき帯域 の20%(−3dBの[S11])、 ・必ずしも独特ではなく、容易に調整されるアンテナの物理構造、 ・全空間にわたって放射パターンを完全に対称にできる。 適正な動作を得るために物理的パラメータに課せられた制約がより緩やかにな るので、空中線の技術的な製造は容易になると考えられる。 製造の観点からは、次のような効果が得られる。 ・放射ワイヤの追加および大きい直径の同軸プローブの使用により、アンテナ の強度を増加させることができる、 ・天板をワイヤアセンブリで支持することにより、誘電体基板を用いずにアン テナを製造できる、 ・アンテナの製造を容易にするとともに剛性を増強する誘電体基板を用いるこ とができる。 図2aの実施例では、その誘電体は周囲の空気である。接地プレーン10の上 には第1の容量天板11が装着され、さらにこの上に第2の容量天板12が装着 されている。接地プレーン10を貫通して発信器に接続された同軸給電プローブ 13に対して、第1の容量天板11のみが接続され ている。 第1の容量天板11は、さらに、2本の導電体ワイヤ14,14’により接地 プレーン10に接続されている。両ワイヤ14,14’は、図1の実施例のワイ ヤ5と同様に、プローブ13に対して配置されている。第2の容量天板12は、 2本の放射ワイヤ15,15’により第1の容量天板11に接触して接続されて いる。その接続箇所は、天板11の裏面のプローブ13の接触点とワイヤ14, 14’の両接触点との間に位置する2点である。 以下、このようなデバイスにより、2つの共振周波数が生じることを説明する 。 図2bの実施例において、プローブ13のアセンブリは接地プレーン10を貫 通する。その管状外側導体13”は、接地プレーン10を第1の容量天板11に 電気的に接続する一方、中心導体13’ は上側の容量天板12に接続される。 この場合、天板12は、細長い長方形の形状をしている。放射ワイヤ15,1 5’は、天板12の短辺12’に近い箇所において天板12に接続される。 ワイヤ15,15’は、この場合、適当なインピーダンスを有する回路20, 20’(能動または受動)を装着している。勿論、図2a,2bの実施例におい て、より多数の天板の使用、および、放射ワイヤの異なる配置も考えられる。 以上から、天板の形状は実際上任意であり、その表面の面積のみが重要である ことが理解されよう。実用上の理由および簡略化のため、最小表面を有する天板 10を、接地プレーン10上の最上部へ位置させ、大きい方の天板11を接地プ レーン上の中間部に位置させることができる。給電プローブは、接地プレーンを 貫通して大きい方の天板11にのみ接続され る。 したがって、主として最も低い共振(the lowest resonance)に関して機能 するのは、低い方のステージ(段)に関連する物理的パラメータであり、最も高 い共振(the highest resonance)は、一方で上位ステージに関連する物理的パラ メータにより定められるとともに同軸給電プローブ13を含む底部ステージの物 理的パラメータによって定められる。 このように、底部ステージに関連する物理的パラメータに課せられるべき条件 は、図1を参照して前述した説明から既知であるが、最も高い共振に過度の条件 を課さないようにそれらのパラメータを変更する必要がある。実際、50オーム への整合の見地から、次の各事項に対する処置の組み合わせにより、第2の二重 共振を活用できるようにすることが必要である。その各事項は、まず、第1のス テージに関連するすべての物理的パラメータ、次に、第2のステージに関連し、 両共振に影響を与える物理的パラメータ(すなわち、上側天板12の寸法、第2 ステージの誘電体基板の誘電率の値およびその厚さ)、さらに、第1の共振とは 独立に第2の共振にのみ作用する物理的パラメータ (すなわち、上側放射ワイ ヤ15,15’および両ワイヤ間の距離)である。 全体として、同軸給電プローブ13は大きな直径を有し、底部ステージの放射 ワイヤ14,14’は同軸給電プローブ13から離間しその半径の3分の1また は4分の1以下の半径を有し、上側ステージの放射ワイヤ15,15’は給電プ ローブの直径と同じかそれ以上の直径を有するとともにワイヤ14,14’がプ ローブ13から離間していると同じ様に互いに離間することが好ましいと考えら れる。さらに、両天板の下側のワイヤの位置は任意であり、両ワイヤの間隔のみ が重要である。但し、中心から対称に配置することにより、放射パターンを対称 にすることができる。各アンテナのそれぞれの高さは、好ましくは、放出される 波長に対して同じオーダーの大きさであり、λ0/15を越えない。 各天板の面積は、越えてはならない最大の大きさと思われる面積について、比 率1.4の2つの近い共振を保持したい場合には、過度に異なってはならない。 誘電体基板に関しては、誘電体基板によって、両共振を一致させたり、離間させ たり、さらには、共振の質係数を変更したりすることもできる。 本デバイスの動作原理は、アンテナの各天板についての二重共振アンテナの動 作原理と同じであるが、上側の天板に対して接地プレーンとして作用しうる下側 の天板の存在によって、現象が複雑になる。しかも、同一ステージの両ワイヤ間 だけでなく、異なるステージのワイヤ間でも結合現象が生じる。よって、給電プ ローブを含む第1のステージに関する二重共振現象は、実際上、上側のステージ による共振とは独立であるが、上側のステージによる各共振は下側のステージに 関連する共振に強く依存する。 この場合、等価回路の確立は困難に思われるが、従来の印刷アンテナの空洞共 振モードよりはるかに低く位置する並列共振は、常に、放射ワイャ(および多分 、天板および下側放射ワイヤ)を介した短絡により、本デバイスの各天板により 与えられる容量のレベルで出現する。 これらの性質は概略的なものであり、任意の信号周波数によりアンテナ物理的 パラメータは大きく異なる。 放射素子を増加させた二重共振アンテナは、次の2つの異なる態様で採用でき る。すなわち、本アンテナは、まず、広通過帯域のデバイスとして用いられる。 この場合、各重畳素子(superposed element)の特性は、50オーム広帯域への整 合を実現するために、各アンテナの動作周波数帯がオーバーラップするものでな ければならない。あるいは、この種の空中線は、複数の共振周波数を有すると共 に同一の放射パターンを有するデバイスとして用いられる。この場合、各動作周 波数帯域は隣接する帯域と異なる必要がある。 しかし、本デバイスの望まれる使用態様が何であれ、本デバイスの適正な動作 は、以下のようにして得られる。設定すべき多数の物理的パラメータがあり、か つ、特定のパラメータはすべての共振を変化させるという事実を考慮すると、ス テージ毎に、かつ、大きな影響力をもつ物理的パラメータの設定から始めること が重要である。よって、まず、給電プローブを含む下側ステージに関連するパラ メータの選択を行うことが必要であり、次に、本デバイスの50オームへの整合 を最適化するために、ステージ毎に、主として各共振に関わる物理的パラメータ を選択する。 したがって、次の手順を実行する。 ・適正な動作周波数を与える各天板の寸法、高さ、基板、各ステージにおける 放射ワイヤの本数を選定する。 ・1本または複数本の同軸給電プローブが位置するステージに関するワイヤの 位置、半径およびワイヤ間隔を選定する。これは、総ての共振に影響を与える他 のステージの物理的パラメータ(すなわち、天板の寸法、高さ、および基板の誘 電率の値)を再調整しながら行う。これによって、各共振周波数を調整する。こ のことは、給電プローブを含むステージに関する共振にのみ関係するインピーダ ンスの実部および虚部を厳密に設定することと関連する。その結果、本デバイス の第1の周波数に対する整合を最適化することができる。 その後、先のステージの真上のステージから始め、本デバイスの各天板形成部 分について、以下の手順を実行する。 ・そのようなステージに関連する共振のみを変更するようワイヤの位置、半径 およびワイヤ間隔、ならびに上側ステージに関連するそれらを選定し、よって、 当該共振周波数を調整し、かつこの周波数に対する本デバイスの整合を最適化す るためにインピーダンスの実部および虚部を調整する。上側の共振を変更するこ とはできるが、これは、上側の共振に関する パラメータを最適化した後に再度行う。 ・最後に、放射パターンを決定するために、接地プレーンの寸法を選定する。 本デバイスの放射は、実質的に、重畳された二重共振アンテナの各々のレベル に置かれたワイヤにより発生する。よって、本デバイスにより生成される放射は 、モノポールの放射と同じ特性を示す。 しかし、本デバイスは、”二重共振”現象が印刷アンテナの空洞共振モードよ りはるかに低い位置にあるので、周波数の関数としての放射パターンの格別の安 定性を示すことに留意されたい。 但し、接地プレーンのエッジによる回折により周波数が実質的に変化するとき には、放射パターンのわずかな変動が観察されうる。これは、すべてのモノポー ル放射アンテナの場合と同様、波長に依存して変化する。 図5及び図6は、図2に示した型のアンテナであって、接地プレーン10が9 9mm×99mm、下側容量天板11が39mm×39mm、上側容量天板12 が26mm×26mmの各寸法を有するものにより得られた結果を示す。容量天 板11は接地プレーン10から10mm離れ、2つの容量天板11,12も10 mm離れている。同軸給電ブローブ13および放射ワイヤ15,15’は、直径 1.27mmであり、放射ワイヤ14,14’の直径は0.4mmである。ワイ ヤ3と4は6.6mm離れ、ワイヤ14と14’は各々給電プローブ13から9 .9mm離れている。 2つの重畳されたアンテナの各々の基本的な共振空洞型モードの共振周波数は 、それぞれ、約3.8GHzおよび5.7GHzに位置する。ワイヤの位置は、 本アンテナが当該共振モードでも動作するように決定することができる。 図5、6において、理論的結果は実線で示し、実験結果は破線で示してある。 図5は、本アンテナの電気的特性、すなわち、入力インピーダンスの実部と虚 部(図5a,5b)、および50オームについて測定された反射係数(図5c) を示す。図6a,6bは、それぞれ、1.2GHzおよび2.1GHzの2つの 動作周波数における本アンテナの全周囲にわたって求められた、ワイヤのプレー ン内で得られたアンテナのゲインを示す。 本アンテナは、約1.1GHzおよび2GHzに位置する2つの”二重共振” を有する。アンテナの物理的パラメータの最適化が不完全である場合、1.2G Hzおよび2.1GHzにおいて−12dBのオーダーの2つの反射係数が得ら れる。高い共振周波数の決定のレベルで観察される誤差は、理論的に設計された アンテナを実際に具体化する際のわずかな誤差に起因するものである。 2つの動作周波数において、モノポール型の放射が観察される。この放射は、 接地プレーンによる回折によりわずかに変形している。最も大きく変形されてい るパターンは、最も高い周波数で求められたパターンであるが、アンテナの前方 放射(−90゜<0<90゜)は、0.9GHzだけ離れた(実験曲線)2つの 動作周波数においては、実際上、同一である、ということが分かる。 2つの動作周波数で得られたゲインの値、すなわち、f=1.2GHzで1. 4dB、f=21GHz(実験曲線)で1.9dBは、これらの周波数で得られ た−12dBの整合に関して予期された値と一致しており、50オームへの最適 化整合によって増加させることができる。 ワイヤのプレーンと直交するプレーン内で得られる放射についての同様の結果 (図示せず)が得られる。 この多ステージデバイスにより、多数の”二重共振”(互いに近接していよう がいまいが)を生成することができる。よって、このようなデバイスは、直ちに 、主として次のような2つの興味ある結果をもたらす。 ・重畳したアンテナの各々に関連する通過帯域のオーバーラップによって得ら れる、50オーム超広帯域への整合。−3dBの[S11]に対して通過帯域の7 5%は、たった2本の重畳アンテナによって得られた。 ・互いに近接したまたは離間した異なる周波数帯域でのマイクロ波発信器に対 する整合。 さらに、重畳二重共振アンテナの技術は、完全なデバイスが二重共振アンテナ の特性、特に、上述した利点、を余さず保持するようにすることができる。 さらに、周波数の関数として実用上安定であるモノポール型の放射が得られる 。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD),AM,AT, AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C Z,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR, LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,NL,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SI ,SK,TJ,TT,UA,US,UZ,VN (72)発明者 ジェコ、ベルナール フランス国、リモージュ セデックス エ フ・87060、アヴニュー アルベール・ト マ、123、アイ・アール・シー・オー・エ ム

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、モノポール・ワイヤプレートアンテナであって、接地プレーン(2,10 )と、給電ワイヤを介して発信器または受信器に接続される容量天板(3,11 ,12)としての第1の放射素子と、前記容量天板を前記接地プレーンに接続す る導電体ワイヤ(5,14,14’15,15’)としての第2の放射素子とを 備え、前記アンテナがモノポール放射を行うよう前記放射素子の少なくとも一方 を複数個有することを特徴とするモノポール・ワイヤプレートアンテナ。 2、請求項1記載のアンテナであって、複数の放射ワイヤを有するアンテナ。 3、請求項2記載のアンテナであって、前記放射ワイヤは前記給電ワイヤに対 して対称に配置されるアンテナ。 4、請求項1〜3のいずれかに記載のアンテナであって、複数の容量天板を有 し、該容量天板の少なくとも1つは、前記発信器に接続されるよう構成されるア ンテナ。 5、請求項4記載のアンテナであって、該アンテナは前記接地プレーンを貫通 する同軸プローブによって給電され、該同軸プローブの給電ワイヤは1つの容量 天板に接続され、前記同軸プローブの外側導体は、前記給電ワイヤに接続された 容量天板と前記接地プレーンとの間に位置するもう1つの容量天板に前記接地プ レーンを接続するアンテナ。 6、請求項1〜5のいずれかに記載のアンテナであって、少なくとも2つの容 量天板を有し、広通過帯域を有するよう構成されたアンテナ。 7、請求項1〜5のいずれかに記載のアンテナであって、複数の容量天板を有 し、複数の共振周波数を有するよう構成されたアンテナ。 8、請求項1〜7のいずれかに記載のアンテナであって、前記容量天板は、ほ ぼ長方形の形状を有し、前記放射ワイヤは該長方形の短辺の近傍に接続されるア ンテナ。 9、請求項1〜8のいずれかに記載のアンテナであって、前記ワイヤの少なく とも1つには回路素子が装着されたアンテナ。
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