JPH08502374A - 信号処理方法及び装置 - Google Patents

信号処理方法及び装置

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Abstract

(57)【要約】 信号処理方法及び装置であって、例えば、自然言語の単語または他の要素単位を表現する入力信号で、複数の異なるカテゴリに分かれる信号を処理する。各入力信号のカテゴリが決定され、カテゴリに基づくサーチデータが格納され、以前の信号に応じて格納されたサーチデータが、新しい信号に応じて検索される。検索は新しい信号のカテゴリに基づいて行なわれ、入力信号と検索結果に基づいて出力信号が提供される。自然言語が処理される時、出力信号はこのようにして、入力単語または他の要素単位のグループの意味に基づいており、さらに行なわれる処理に好都合な形式で提供される。コンピュータ制御のスイッチシステムにおける本発明の1つの応用例では、操作者がスイッチ命令を自然言語で入力することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 信号処理方法及び装置 本発明は信号処理方法及び装置に関するものである。特に、以下に限られるも のではないが、入力信号をある言語、とりわけ自然言語の個々の単語もしくは他 の要素を表す形態から、その言語のいくつかの単語あるいは要素からなるグルー プの意味を表現する形態の出力信号へと変換することに適用可能である。この変 換後の形態は、例えば、自然言語入力に基づいて引き続き行う処理あるいは装置 を制御する制御信号を提供するため等の更なる処理に適している。 現時点のコンピュータシステムは、生産プロセスの制御や、データベースの作 成や検索における情報の蓄積やサーチ等、様々に応用され広く業務に使用されて いる。しかし、現時点のシステムでは、命令や情報が、使用者の自然言語ではな く、そのシステムのために叙述された形式で入力されることが必要である。 自然言語で入力された情報や命令に対して、必要に応じて応答できるコンピュ ータシステムに必要とされるのは、自然言語の個々の単語や他の要素を表す形態 の入力信号を、いくつかの単語あるいは要素からなるグループの意味を表し且つ 処理可能な形態の出力信号へと変換できる能率的な信号処理方法である。このよ うなことは、情報あるいは命令が、入力した言語を他の言語に翻訳する等の目的 で、その入力した言語の意味に基づいた制御信号を生 成するときに必要となる。この分野に関しては相当な量の研究が行なわれており 、先行技術では、パーザとして知られるシステムが提案されている。しかし、こ のシステムは上述の要求を満たすものではなかった。 本発明の目的は効率的な信号処理方法及び装置を提供することである。この信 号処理方法及び装置は、特に上述の目的に適用可能であるが、それらに限定され ることはない。 発明の一様態では、本発明は入力信号に基づいて出力信号を生成する方法及び 装置である。入力信号は、例えばある自然言語の単語や他の要素ユニットを表し 、異なる複数のカテゴリに属するような信号である。出力信号は、入力信号から 生じた第一の要素と、カテゴリから生じ、カテゴリ間の関係に基づいた第二の要 素から成っている。 他の様態では、本発明は入力信号を処理する方法及び装置である。入力信号は 、例えば、ある自然言語の単語や他の要素ユニットを表し、複数の異なるカテゴ リに属するものである。各入力信号のカテゴリが決定され、前記カテゴリに基づ きサーチデータが格納され、サーチデータは以前の信号に応じて格納され、入力 信号とサーチ結果に基づいた出力信号が供給される。 入力信号がある自然言語の単語や他の要素を示す場合には、カテゴリは辞書的 な分類(語彙範疇)でとなるであろう。 従って、本発明によれば、自然言語の単語列内の単語しか表さない入力信号を 、その単語列の意味に基づく形の出力信号へ変換できる。 本発明は幅広く応用が可能であるが、発明が実際に使用される様子を示すため に、スイッチ制御システムにおける一つの比較的単純な実施例を説明する。しか しながら、本発明がより複雑なシステムにも適用可能であることは理解されるで あろう。 さらに、本発明は、例として以下の添付図面を参照して説明される。 図1は、建物の中の複数の異なる装置をオンオフ切り替えするための制御装置 を示すブロック図である。この制御装置は操作者が切り替え命令を自然言語で入 力できる発明の好適な実施例を具体化したものである。 図2は図1のシステムに含まれるコンピュータメモリの内容を示すブロック図 であって、入力された自然言語より生じた信号を処理してその意味を表す信号を 提供し、その信号より出力制御信号を生成するためのものである。 図3〜15は本実施例の処理の理解に供される図であり、この処理では、複数 の異なるカテゴリの単語から生じた信号を処理している。 本発明の好適な実施例は、発明の一応用例を説明するために図1の切り替え制 御装置の一部として説明される。しかし、発明の理解を促すために比較的単純な 切り替え制御装置が示されるのであって、本発明は、強力な、迅速かつ効率的な 信号処理技術を提供して、様々に応用可能な、より大規模でより複雑なシステム の一部を成すことも可能である。 実施例の概略 図1の制御装置は、コンピュータシステム100を備えており、コンピュータ システム100はインタフェース102とネットワーク104を介して層を成す スイッチ106と接続している。これらのスイッチ106により、装置群108 をオンオフ切り替えする。本実施例では、装置群108は、ある3階建の建物の 各階に設置されたテレビカメラ、メインライト、バックアップライト、赤外線セ ンサ、動きセンサ、フロントドアロック及びリアドアロックである。スイッチ1 06は21個のスイッチから成り、それぞれX1〜X21として識別される。ス イッチX1〜X3はそれぞれ1〜3階の各階のテレビカメラC1〜C3を制御す る。スイッチX4〜X6は各階のメインライトL1〜L3を制御する。スイッチ X7〜X9は各階のバックアップライトL4〜L6を制御する。スイッチX10 〜X12は各階の赤外線センサS1〜S3を制御する。スイッチX13〜X15 は各階の動きセンサS4〜S6を制御する。スイッチX16〜X18は各階のフ ロントドアロックD1〜D3を制御する。スイッチX19〜X21は各階のリア ドアロックD4〜D6を制御する。 コンピュータシステム100は、処理部112と、システム動作を制御するプ ログラムやデータを格納し且つワークスペースを提供するメモリ114と、命令 や情報を入力するための従来のキーボード116と、処理部112が出力する情 報を表示したり印刷するための表示部(visual display unit)118やプリン タ120とを備えている。表示部118はテレビカメラC1〜C3より受信した 画像を表示するようにしてもよいし、あるいは、別 のモニタ(図示せず)をこの目的のために設けてもよい。必要であれば、表示部 118(もしくは設置されればモニタ)に複数のカメラからの画像を同時に表示 するために、そうした設備供給をすることが可能である。 コンピュータシステム100は、システムの操作者がキーボード116を使用 して、装置群108の操作命令を(この実施例では英語で)操作者自身が選択し た自然言語の言葉で入力できるようになっている。メモリ114には処理部11 2のためのデータやプログラム格納されている。それらのデータやプログラムは 、処理部112に、キーボード116から入力した命令を表す信号を処理させて アドレスX1〜X21の形式の出力信号を生成するもので、この信号はアドレス されたスイッチがオンされるのかオフされるのかを示す。コンピュータシステム 100が生成する出力信号は、ここでは、Xn:onまたはXn:offの形で表現さ れ、nはアドレス指定される単数あるいは複数のスイッチの香号を示している。 これらの出力信号はインタフェース102に供給され、スイッチ106のアドレ ス指定されたスイッチを検出して応答するためにネットワーク104上に流され る。 このシステムでは、操作者が自分の選択した言葉での命令の入力を可能とする ために、同じ操作を実行させる命令でも複数の異なる形で入力することができる 。例えば、3階のカメラC3をオンにする結果を生じる命令を、操作者は以下の いずれによっても入力することができる。 (1)“Activate thc camera on the third floor”(3階の カメラをオンにせよ) (2)”Obscrvc the third floor”(3階を監視せよ) (3)”Watch the people on the third floor”(3階の人を監視せよ) 所望の結果を得るためには、コンピュータシステム100は、これら3つの異 なる形の命令を表すところのキーボード116からの信号の異なる組み合わせを 処理して、同一の出力信号X3:onを生成し、インタフェース102及びネット ワーク104に出力しなければならない。実際には、以下に明らかになるように 、この実施例では単語”obscrve”(監視する)と”watch”(監視する)とは対 応する階のカメラをオンするばかりではなく、メインライトをもオンするように なっている。結果として、命令(2)、(3)の場合、コンピュータシステム1 00から出力される信号はX3:onとX6:onである。 キーボード106からの命令信号の処理において、コンピュータシステム10 0は次の2つの処理を行う。 1) 第1の処理では1セットの信号が生成される。この信号は、第1には入力 された単語に基き、第2には使用された言語の文法に関して単語間に存在する関 係あるいはリンク(link、関連)に基づく。この1セットの信号は、入力された 単語に起因する多義性にも基づくものであり、この結果、入力された単語からは 異なる複数の解釈が可能となる。例えば、 ”activate the camera on the third floor”(3階のカメラを始動させよ)で は、”camera”(カメラ)は”activate” (始動させる)によって始動させるべきカメラとして規定されている。また、始 動させるべきカメラは他の階のカメラではなく3階のカメラなので、”third fl oor”(3階)も”camera”を規定している。図1の実施例の文脈では、命令”a ctivate the camera on the third floor”の意図は、完全に明瞭であるが、言 語学的分析を行なえば、この文では2つの別々の解釈が成立する。従って、この 文は多義的である。この多義性は、句”on the third floor”が”camera”を規 定する節”which is on the third floor”(3階にある)の縮約形とも取れた り、副詞句として動詞”activate”を修飾しているとも取れることから生じてい る。従って、この文の1つの可能な解釈は、始動させるべきカメラは、始動動作 が何処で行なわれようと、3階のカメラである、というものになる。もう1つの 可能な解釈は、始動動作は3階で行なわれるべきである、つまり、カメラの位置 は規定されていないが、そのカメラをオンにするために3階のスイッチが入れら れるべきである、というものである。上記に示すように、この時点で、コンピュ ータシステム100は、入力された文の単語間の関係あるいはリンクを確立する 際、多義的な文の異なる解釈を規定し保持する1セットの信号を提供するよう動 作している。 2) 第2の処理では、第1の処理で得られた1セットの信号がスイッチ群10 6及び装置群108に関するデータを有する知識ベースを参照して処理され、入 力信号が表す命令が有効な命令かどうか、有効であればどのスイッチをオンにす るか が決定される。入力した文中に多義性が存在すれば、異なる解釈を表す異なるセ ットの信号が生成される。そうした各セットは知識ベースに照らして処理され、 いずれのセットが(従って入力された命令のいずれの可能な解釈が)有効である かが決定される。有効な信号のセットが見つかれば、適当な単数あるいは複数の 出力信号が生成されてネットワーク104上に流される。 図2は、上述の2つの処理を実行するために、メモリ114内に含まれるとこ ろの、ブロック形式のプログラムモジュールとテーブル状のデータ構造とを示す ブロック図である。この図では、これらは、第1の処理を実行する入力信号処理 部122と、第2の処理を実行する出力信号発生部124と、入力信号処理部1 22と出力信号発生部124間のインタフェース126とに分かれている。まず 、入力信号処理部122とインタフェース126を説明し、次に出力信号発生部 124を説明する。 入力信号処理部122 入力信号処理部122は、解析プログラムモジュール128を備えている。解 析プログラムモジュール128は、入力バッファから各単語を順に入力して、最 初にルックアップテーブル132を参照する。ここではテーブル132は辞書( lexicon語彙目録)と称される。ルックアップテーブル(辞書)132はキーボ ード116を介して入力する際に処理される全ての単語のリストを有し、それら の単語の文法的なカテゴリを規定する。つまり、それらの単語が名詞、前置詞、 他動詞等のいずれであるかを規定する。 本実施例では、辞書の語彙数は比較的少なく、少数のカテゴリの単語を使用する に過ぎない。しかし、入力信号処理部122は、多数の異なる用途に使用される 汎用システムであることが望ましい。この目的のために、辞書は、好ましくは次 のようなカテゴリの単語を含んでいる。 名詞(Nouns) 前置詞(prepositions) 助動詞(Auxiliary verbs) 否定詞(Negation) 他動詞(Transitive verbs) 自動詞(Intransitive verbs) 限定詞(Determiners) 所有限定詞(Possessive determiners) 形容詞(Adjectives) 副詞(Adverbs) 強調詞(Intensifiers) 補助詞(Complementisers) ”To”(不定的小辞)は不定詞の一部として使われる。この不定詞のカテゴ リとしては不定補助動詞となるが、ここではこれを”To動詞”(To verbs)と 称する。To動詞はすなわち不定的補語節(例えば”I want to...”)を取る動 詞のことである。 ”Whose”は、カテゴリ自体としては正確には、”所有格の関係代名詞” (possessive relative pronoun)である。 上記のカテゴリは多くの応用が可能である。しかし、必要であ れば他のカテゴリも適用することができる。 辞書132は、処理しようとする入力単語のカテゴリを示す情報(表示)を含 むと共に、加えてその入力単語の各々の意味を示す情報(表現)も含む。各表現 は、単数または複数の引数を有する述語形式を取り、引数の数は入力された単語 のカテゴリに基づく。述語は、入力された単語自体の意味を出力信号発生部12 4に認識可能な形で表している。上記引数は、入力された単語間の関係または接 続に基づく表現を引き出すための手段を提供する。 例えば、辞書132の内容は表1に示すようなものである。 表1から明らかになるように、テーブルの左の欄は、キーボード116より入 力されシステム100により処理される単語のリストであり、中央の欄は各単語 のカテゴリ、右の欄は入力された単語の意味が格納されている。辞書の語数は比 較的少ないものであるが、図1のスイッチシステムを制御する操作者が通常は使 用しないような単語もいくつか含まれている。辞書がこうした単語を含んでいる のは、本発明による信号処理部の汎用性を示すためである。このように、本発明 によれば、もし都合がよければ語数の多い辞書を提供して、発明の特定の実施例 を複数の異なる応用例で使用し、応用例の各々では共通の辞書の異なる部分を使 用するよようにできる。 出力信号発生部124は辞書の第3欄に格納されている意味の表現を認識する 。表1における意味の表現のいくつかの述語の名前が入力された単語と一致して いるが、それは重要なことではなく、単に記述上の都合によるものである。この ように、記述上便利な意味表現が実際に使用される。 また、入力された単語のいくつかは同じ意味表現で表されている。例えば、入 力された単語”show”、”view”、”inspcct”は皆”show(1,2,3)”として表 現されている。これは本実施例では、異なる入力の単語に同一の意味を割り当て 、出力信号発生部124において同一の効果を持たせるのに好都合な方法である からである。 英語には上述のカテゴリに加えて、さらに他のカテゴリがある。 例えば、表1には代名詞は示されていない。しかし、表1を参照 すれば、本実施例で処理する代名詞は名詞として分類されていることがわかる。 他の実施例において、上述のカテゴリの内いくつかだけを使用してもよいし、既 に示されたように、上述した以上のカテゴリを使用してもよい。 入力された単語は各々入力バッファ130より解析モジュール128へ出力さ れ、解析モジュール128は表1の左欄の単語を検索して同一の単語があるかど うか調べる。同一の単語があれば、対応する意味を第3欄より得て、その引数に 固有の値を割当て、そして、その意味を引数に割り当てた上述の値と共にメモリ エリア136のセクション134へ挿入する。セクション134は最初は空白と なっており、上述のようにして、意味のリストを構築して行く。上述の引数の値 は、1つの単語から次の単語へと、連続した数として割当られる。本実施例では 、値は“901”より始まっている。ある最初の単語が名詞であるとすると、カ テゴリはその意味において2つの引数を持つことになり、その単語の意味には9 01、902の値が割当られる。次の単語が他動詞であれば、カテゴリは3つの 値を必要とするので、その単語の意味には903、904、905の値が割当ら れる。その次の単語が限定詞の時は、カテゴリは2つの値を必要とするので、そ の単語の意味には906、907が割り当てられる。 表1より、”activate the camcra on thc third floor”がキーボード116 より入力された場合、テーブルXとしてのセクション134には次のように意味 が格納されることがわかる。 activate(901,902,903) the(904,905) camcra(906,907) on(908,909,910) change-on(911,912) the(913,914) third(915,916) floor(917,918) ”on”が辞書132において2つの意味をもつことから、”on(908,909,910 )”という意味と”change-on(911,912)”という意味とが生じる。従ってこれ らの可能な意味は各々処理が必要である。 上述の例では、辞書より得られた各単語の意味は、単一の述語を有している。 しかしながら、表1によれば、入力された単語の内いくつかは2つ以上の述語を 有し、述語は夫々引数を伴っている。複数の述語を持つ単語が処理される時、そ れら述語の全てがテーブルXの現時点の意味セクション134に格納される。引 数の値は、特定の入力単語に関するもののうち最後の述語を参照することによっ て定められ、連続値(それが存在するのであれば)における次の2つまたは3つ の数を割当て、その入力単語に関連する他の述語の引数の値としては1または2 等の数字で示される、当該入力単語に関するそれら以外の述語の引数と同一の値 が与えられる。 このことは、”the machine turned his video on”(その機械は彼の(その )ビデオのスイッチを入れたという単語列)を検 討すると理解できる。辞書の意味の欄において、各引数の割り当てられた値を伴 う入力項目は次のように表示される。下記の左側は入力された単語であり、右側 は意味及び引数である。 いずれの言語でも、互いに修飾できる様々なカテゴリと、必要な意味を伝える ために話されたり書かれたりする言葉の語順とが、その言語の文法によって規定 されている。例えば、英語では、形容詞は修飾先の名詞に先行する。副詞は、そ の副詞を修飾する動詞に先行したり後続したりする。名詞はそれを修飾する動詞 の主語または目的語となる。名詞が他動詞の主語である場合、名詞は通常その動 詞に先行する。名詞が他動詞の目的語である場合、その他動詞は通常その名詞に 先行する。このようにして、他動詞は、主語となる先行する名詞と、目的語とな る後続の名詞とを修飾する。形容詞により修飾され、他動詞の主語または目的語 になる名詞は、その形容詞と他動詞の両方と接続している。このように、ある句 、節、あるいは文が話されたり書かれたりすると、新しく 登場する単語の各々は先行する単数または複数の単語を修飾したり、あるいはそ れらの先行する単語に修飾されたりする。また、新しく登場した各単語には未来 の単語、あるいはまだ書かれたり話されたりしていない単語を修飾したりそれら に修飾されたりする可能性もある。 一つの単語が他の単語を修飾したりその単語に修飾されたりする場合、2つの 単語は、互いに接続している若しくは拘束されている、と称される。そして、1 つの単語が別の単語を修飾し若しくは別の単語に修飾されているという状態を規 定するところのデータあるいは信号は、リンク(link)あるいはバインディング (binding)として称される。本実施例では、これらのバインディングは等式の 形で格納される。等式は、現時点の単語の意味として選択された引数の値と、そ の単語と修飾または被修飾関係にあるところの、先に入力された単語の意味とし て選択された引数の値とを一致させるものである。その現時点の単語が先行する 単語を修飾している場合、現時点の単語の意味を示す選択された値は等式の左側 に置かれ、先行する単語の意味を示す選択された値は等式の右側に置かれる。そ の現時点の単語が先行する単語に修飾されている場合は、現単語の意味を示す選 択された値は等式の右側に置かれ、その先行単語の意味を示す選択された値は左 側に置かれる。こうして、”the camera”を例に取ると、 905=906 というバインディングが成立する。これは、限定詞”the”が名詞”camcra”を 修飾しているからである。他の例として、”camera on”では、 909=907 というバインディングが成立する。これは、前置詞”on”が名詞”camcra”を修 飾しているからである。 入力信号処理部122はテーブル138を備えている。テーブル138は、現 時点の単語と先行する単語のカテゴリ及びその言語の文法に基づいて現時点の単 数または複数の単語の意味と先行する単数または複数の単語間の関係あるいはバ インディングを確立するための命令を格納している。この処理は次のような手順 を含んでいる。 a)現時点の単語のカテゴリに基づくサーチコードをメモリエリア136のサー チスペース140に格納する。そして、各サーチコードと共に、現時点の単語の 意味を示す選択された引数の値も格納する。 b)先行して格納されている単語または複数のサーチコードについて、1つもし くは2つの検索の成立するサーチコード(以下単に出現と称する)があるかどう か、サーチスペース140の検索を実行する。その検索は現時点の単語のカテゴ リに基づいて行なわれる。 c)検索が成功すると、検索で見つかった先行して格納されたサーチコードと共 に格納された値と、現時点の単語の意味を示す選択された引数に割り当てられた 値とを用いて、バインディングを規定し、メモリエリア136のセクション14 2に格納する。 d)単語がいくつかの特定のカテゴリに属する場合、先行して格納されたいくつ かのサーチコードをサーチスペース140から削除して、以降のサーチでこれら のサーチコードを検出しないようにする。 表2はテーブル138に格納された命令を示している。 表2の第1欄にはカテゴリが格納されている。第2欄には第1欄のカテゴリの 単語を処理する際に検索の対象となる、先行して格納されたサーチコードが格納 されている。第3欄は検索が成功した場合にバインディングを形成するのに使用 されるところの現時点の単語の意味の引数を示している。第4欄は、その引数が 、バインディングを形成する等式の右側あるいは左側のどちらへ置かれるかを示 している。これは、上述したように、現時点の処理対象の単語が、検索されたサ ーチコードに該当する先行の単語に修飾されているか、または先行の単語を修飾 しているかどうかに基づくものである。第5欄には、現時点の単語を処理する際 にサーチスペース140に格納されるサーチコードと、そのサーチコードと共に 値が格納されている単語の引数とがリストされている。第6欄は、先行して格納 されたサーチコードのうち、これらは現時点の単語の処理に応じて検索を行なっ た際にそのサーチコードが見つかった時にサーチスペースから削除すべきものを 示している。第5欄に示すサーチコードと引数の格納は第2欄を参照して述べた 検索および第6欄を参照して述べた削除の後で実行される。検索は最も新しく格 納されたサーチコードから始まって古いものへと遡って行なわれる。現時点の単 語を修飾するカテゴリに属する先行単語に対応して格納されたコードを検索する 場合、そのサーチコードについて最初の出現が見つかった時点で、その検索は終 了する。こうして、表2の第4欄の”R”は、バインディングがどちら側に記録 されるかを表すだけではなく、そのコードの最初の出現が(つまり最後に格納さ れた出現が)見つかった時点で検 索が終了することも示している。現時点の単語があるカテゴリの先行する単語を 修飾しており、その先行する単語に対応して格納されたコードを検索する場合、 現在サーチスペース140内にある、そのコードの全出現を見つける。こうして 、表2の第4欄の”L”は、バインディングを形成する方向に加えて、そのコー ドの全出現を検索すべきであることと、コードの各出現が見つかる毎にバインデ ィングが行なわれるべきであるということとを示している。 各カテゴリの処理を表2と図3〜15を参照して説明する。これにより、異な るカテゴリの単語が表2の命令に従って処理され、バインディングが確立される 様子が理解されるであろう。各図において、太枠のブロックは現在処理している 単語のカテゴリを示し、その下のブロックは現時点の単語を修飾または現時点の 単語に修飾されている、以前に入力された単語のカテゴリを示している。その上 のブロックは、現時点のカテゴリの単語を修飾するあるいは現時点の単語に修飾 される、未来の単語のカテゴリを示している。また、ブロックの数字1、2、3 はそれぞれのカテゴリに属する単語の意味の引数を示している。矢印はどの引数 がバインディングを規定するのに用いられるかを示し、矢印の方向は現時点の単 語が他のカテゴリの単語によって修飾されているか、またはそれらの単語を修飾 しているかを示している。現時点の単語のカテゴリを指している矢印は、現時点 の単語が他の単語によって修飾されていることを示している。現時点の単語のカ テゴリから伸びている矢印は、現時点の単語が他の単語を修飾しているこ とを示している。 図3〜15より、現時点の単語が他のカテゴリの単語によって修飾されている 場合(実施例の文法における小辞としての”to”、限定詞、所有限定詞、強調詞 、のいずれも他のどのカテゴリの単語にも修飾されておらず、従って第1の引数 が使用されない場合を除いて)に、全てのカテゴリの単語の意味の第1の引数が 他のカテゴリとのバインディング生成に使用されることがわかる。さらに、いず れのカテゴリの単語の場合でも、現時点の単語が他の単語を修飾していることを 示すバインディングを形成するのに、その意味の第1の引数が使用されることは ない。本実施例の文法では他のカテゴリの単語に修飾されるのみで修飾をしない 名詞を除いては、現時点の単語の意味の2番目及び3番目の引数が、現時点の単 語が他の単語を修飾していることを示すバインディングを形成するのに使用され る。図示の実施例では、前置詞、他動詞、あるいは”to動詞”が修飾されている 場合は、その意味の第1の引数を使用してバインディングを形成し、その単語が 先行あるいは後続の単数または複数の単語を修飾している場合は、2番目及び第 3の引数を使用して独立したバインディングを形成する。各カテゴリの引数の数 は、現時点の単語とそれが修飾している単語の間に独立したバインディングを設 ける必要性を考慮して選択される。 上述より、さらに、図3〜15における、現時点の単語カテゴリと先行単語カ テゴリ間の矢印の方向は、該当する特定のコードの検索を、そのコードについて の最初の出現が見つかった時点で 終了すべきか、そのコードについての全出現が見つかるよう継続すべきかを示し ていることが理解されるであろう。現時点のカテゴリから以前のカテゴリを指し ている矢印は、現時点の単語がその先行する単語を修飾していることを示し、こ うして検索が該当するコードの全出現が見つかるよう続けられることも示してい る。以前の単語のカテゴリから現時点の単語のカテゴリを指している矢印は、現 時点の単語がその先行する単語に修飾されていることを示し、該当するコードに ついての最初の出現が(つまり最新に格納された出現が)見つかった時点で検索 が終了することも示している。図3〜15には、矢印が示している、バインディ ングを形成するために検索されるサーチコードが記されている。図中の各コード の記入位置は引数を示し、引数の値は各コードと共にサーチスペース140に格 納されている。 名詞(nouns)−図3 本実施例の文法においては、名詞は、先行する限定詞、所有限定詞、形容詞、 前置詞や他動詞によって修飾されるものである。このように、図3では、ブロッ ク200は名詞の意味とその引数とを示し、限定詞、所有限定詞、形容詞、前置 詞、他動詞の意味をそれぞれ表すブロック202、204、206、208の上 位に位置している。表2の第5欄に示すように、限定詞または所有限定詞を処理 すると、コードはサーチスペース140へ格納される意味の第2の引数を伴った ”dn”となる。形容詞を処理すると、コードはサーチスペース140へ格納され る意味の第2の引数を伴った”an”となる。前置詞または他動詞を処理すると、 コードは サーチスペース140へ格納される前置詞または他動詞の意味の第3の引数を伴 った”obj”となる。こうして、ある名詞が処理されてその意味の1〜第3の引 数に値を割当てると、表2の第2欄に格納された名詞に関する命令に示すように 、サーチスペース140においてコード”dn”、”an”、obj”の検索が行なわ れる。 コード”dn”の検索が成功すると、表2の第3欄に示すような、名詞の意味の 第1の引数を形成する変数と、サーチコード”dn”と共に格納されている変数と の間にバインディングが形成される。後者の変数は、その名詞に先行して処理さ れた限定詞あるいは所有限定詞の意味の第2の引数を形成する変数である。その 名詞は限定詞または所有限定詞を修飾しているというより、むしろその限定詞に 修飾されているため、表2の第4欄は名詞の意味の第1の引数を形成する変数が バインディングを表す等式の右側に位置すべきであることを示している。このこ とは図3の対応するバインディングを表す矢印210の方向によっても示されて いる。サーチスペース140にコードdnが複数個格納されている場合、検索は 最初の出現が見つかった時点で終了する。既に説明したように、サーチスペース 140に格納されたコードは、最後に挿入されたコードから古いものへと遡って 行なわれ、いずれのサーチコードも複数個存在している場合には、最新に格納さ れた出現を用いてバインディングを形成する。 名詞の処理ではコード”an”に対する2度目の検索が行なわれる。図3の矢印 212と、表2の第3〜4欄の命令に示すように、検索が成功すると、名詞の意 味の第2の引数を形成する変数と、コ ード”an”と関係する変数との間にバインディングが形成される。後者の変数は 、形容詞の意味の第2の引数を形成する変数である。ここでも、矢印212の方 向と表2の第4欄の”R”によって、名詞が形容詞によって修飾されており、検 索がこの時点で終了することが示されている。 図3の矢印214は、名詞の処理で行なわれる3度目の検索、つまりコード” obj”の検索の結果形成されるバインディングを示している。図示のように、こ のコードは前置詞や他動詞の処理に対応してサーチスペース140に格納されて いる。しかし、この検索はサーチスペース140でコード”obj”についての最 新の出現が見つかった時点で終了する。 このように、図3の下部から次のことが明らかである。つまり、名詞の処理で は、3つまでのバインディングがメモリスペース136のセクション142に格 納され、バインディングの1つは名詞の意味の第1の引数に割り当てられた変数 と最後に入力された限定詞または所有限定詞(いずれが最後に入力された場合で も)の意味の第2の引数に割り当てられた変数との間に確立されたものである。 バインディングの他の1つは、名詞の意味の第2の引数に与えられた変数と最後 に入力された形容詞の意味の第2の引数に与えられた変数との間に確立されたも のである。バインディングの残りの1つは、名詞の意味の第2の引数に与えられ た変数と、最後に入力された前置詞あるいは最後に入力された他動詞のいずれか 最後の方の単語の意味の第3の引数に与えられた変数との間に確立されたもので ある。 表2の第5欄は、名詞の処理においては、サーチコード”n”が、名詞の意味 の第2の引数に割り当てられた変数と共に、サーチスペース140に格納される ことを示している。表2の第2欄に示すように、コード”n”は前置詞、他動詞 、”To動詞”、自動詞の処理において検索される。このように、処理の未来の段 階で前置詞が入力された場合には、前置詞に対応して行なわれる検索でコード” n”が見つかり、従って、前置詞の意味の第2の引数に割り当てられた変数と、 名詞の意味の第2の引数に割り当てられた変数との間にバインディングが形成さ れる。同様に、未来の他動詞、”To動詞”、あるいは自動詞の意味の第2の引数 と、名詞の意味の第2の引数との間にバインディングが形成される。図3の上部 はこのことを示している。符号216、218、220)222はそれぞれ未来 で処理される前置詞、自動詞、”To動詞”、他動詞を表すブロックを示している 。矢印224はそうした未来の前置詞の意味の第2の引数と名詞の意味の第2の 引数との間のバインディングを表し、前置詞が名詞を修飾しているということも 表している。矢印226は、名詞200の意味の第2の引数と、未来の自動詞の 意味の第2の引数、未来の”To動詞”の意味の第2の引数、未来の他動詞の意味 の第2の引数の、いずれか最初に入力されたものとの間に形成されたバインディ ングを示している。これらの動詞カテゴリの内、複数のカテゴリとバインディン グが形成されることはあり得ない。それは、表2の第6欄に示すように、各動詞 カテゴリにおいて、コード”n”が見つかった時点でこのコードはサーチスペー ス140から削除され、将来、コード ”n”を用いたバインディングを形成することが禁止されるからである。このよ うに、例えばある名詞の意味と未来の前置詞の意味との間及び同じ名詞の意味と 未来の他動詞との間にバインディングが形成可能になるのは、前置詞がその他動 詞より先に処理される場合であって、他動詞、”To動詞”、あるいは自動詞が前 置詞より先に処理されると、名詞の意味と未来の前置詞の意味の間にバインディ ングを形成することは不可能であるということが理解できる。 これは、それらの動詞カテゴリでサーチスペースからコード”n”が削除され ても、前置詞ではコード”n”の削除は行なわれないからである。 尚、図3は名詞と先に入力された単語カテゴリ間に形成されるバインディング に加えて、名詞の意味と未来の単語カテゴリ間のバインディングも示しているが 、本発明の実施例では先行する単語の処理に応じて格納されたコードの検索のみ を行なっている。 前置詞(Prepositions)−図4 実施例の文法に従って、前置詞は先行する前置詞、助動詞、否定詞、他動詞、 ”To動詞”、自動詞、名詞を修飾する。表1に示すように、前置詞の意味の引数 は3個で、前置詞に対応してコード”p”、”v”、”n”の検索が行なわれる 。表2の第5欄から明らかなように、コード”p”は先行する前置詞の処理に応 じて、その意味の第1の引数に割り当てられた変数と共にスペース140に格納 される。コード”v”は、先行する助動詞、否定詞、他動詞、”To動詞”、自動 詞のいずれかの処理に応じて、意味の第1の引 数に割り当てられた変数と共に格納される。コード”n”は先行して処理された いずれかの名詞に応じて、その意味の第2の引数に割り当てられた変数と共に格 納される。 矢印228は、現時点の前置詞の意味の第2の引数に割り当てられた変数と先 行する前置詞の意味の第1の引数に割り当てられた変数とを用いて、現時点の前 置詞が先行する前置詞を修飾していることを示すバインディングを規定すること を示す。そうしたバインディングは現時点の前置詞の処理におけるコード”p” の検索の結果として確立されたものである。矢印230は、前置詞の意味の第2 の引数に割り当てられた変数が、先行する助動詞、否定詞、他動詞、”To動詞” 、自動詞のいずれかの意味の第1の引数と共に、それらのカテゴリの意味とのバ インディングを規定するのに用いられることを示す。矢印232は、現在処理中 の前置詞の意味の第2の引数に割り当てられた変数が、先行する名詞の意味の第 2の引数に割り当てられた変数とのバインディングを規定するために用いられる ことを示している。 上述から明らかなように、前置詞の処理において、サーチスペースにおいてコ ード”p”、”v”、”n”の全出現が見つかるように、これらのコードの検索 が行なわれ、それらの全部とのバインディングが形成される。 後述される例1を検討するとよりよく理解されるように、矢印228、230 、232に表されるバインディングは、もし2つ以上同時に成立すれば、多義性 を表すことになる。 表2の第2欄における前置詞に関する命令に示されるように、 前置詞の処理においてコード”dn”の検索も行なわれる。しかし、サーチコード が検出された場合でも、バインディングは形成されない。ただし、表2の第6欄 に示されるように、コード”dn”は削除される。これにより、名詞と先行する 限定詞との間に前置詞が存在する場合に、名詞と限定詞の変数の間にバインディ ングが形成されることを避けている。 表2の第5欄における前置詞の処理のための命令に示されるように、前置詞が 処理される時、現時点の前置詞の意味の第1の引数に割り当てられた値を伴うコ ード”p”と、現時点の前置詞の第3の引数に割り当てられた値を伴うコード” obj”とがサーチスペース140へ格納される。図4の矢印234は、未来の名 詞の処理に応じて行なわれる検索で、コード”obj”が見つかり、前置詞の意味 の第3の引数に割り当てられた値と未来の名詞の意味の第2の引数に割り当てら れた値との間にバインディングが形成されることを示している。矢印234はこ のように図3の矢印214と一致する。 図4の矢印236は、ある未来の前置詞に応じた検索に対応する検索でコード ”p”が見つかった場合、現時点の前置詞の意味の第1の引数に割り当てられた 変数と、未来の前置詞の意味の第2の引数に割り当てられた変数との間にバイン ディングが形成されることを示している。矢印234はその前置詞が未来の名詞 を修飾することを表している。矢印236は、現時点の前置詞が未来の前置詞に よって修飾されることを表している。矢印236も図4の矢印228に一致して いる。 表2と図3〜4とを参照して、名詞と前置詞の処理を詳細に述べてきたので、 他のカテゴリの単語の処理は表2と図5〜15を考慮すれば直ちに理解されるで あろう。従って、残りのカテゴリの処理に関しては簡単に説明する。 助動詞(Auxili Vcrbs)−図5 図5および表2からわかるように、助動詞の処理ではコード”auxv”の検索が 始められる。サーチスペース140にこのコードが格納されている単語の唯一の カテゴリが助動詞である。矢印240は、現時点の助動詞の処理で開始した検索 で、このコードが見つかった場合、先行する助動詞の意味の第2の引数と現時点 の助動詞の意味の第1の引数との間にバインディングが形成されること、また、 現時点の助動詞が先行の助動詞によって修飾されていることを表している。検索 は、”auxv”の最初の出現が見つかった時点で(最後に格納された出現が見つか った時点で)終了する。 表2の第6欄からわかるように、助動詞の処理においては、サーチスペースか らサーチコードが削除されることはない。 助動詞の処理においては、それぞれ第1、第2の意味の引数を持つコード”v ”と”auxv”がサーチスペース140に格納される。 副詞、単語”to”、否定詞、前置詞の処理では、いずれもコード”v”の検索 が行なわれる。図5の矢印242、244、246、248は、未来の副詞、” to”、否定詞、前置詞の意味の第2の引数と現時点の助動詞の第1の引数との間 にバインディングが形成されることを示している。図5のこれらの矢印の方向は 現時点の 助動詞がそうした未来の単語によって修飾されることを示している。 図5の矢印250、252、254、256は、未来のコード”auxv”の検索 の結果、現時点の助動詞の意味の第2の引数と未来の自動詞、”To動詞”、他動 詞、助動詞の第1の引数との間にバインディングが形成されることを示している 。バインディングに使用される未来の単語カテゴリの意味の引数は表2及び図5 から明らかになるであろう。 242〜256の8本の矢印は8個のバインディングの可能性を示しているが 、実際には、例えば現時点の助動詞に、それを修飾する、またはその助動詞に修 飾されるいくつかのカテゴリの単語が続いたとしても、ほんの1つか、あるいは 少数のバインディングしか成立しないことが理解されるであろう。形成されるバ インディングの数は、未来の単語の順序や、それらの単語に対応した検索が、該 当するサーチコードが見つかった時点で直ちに終了するかどうか、さらに、そう した未来の単語の処理において該当するコードが削除されるかどうかに依存して いる。 例えば、未来の助動詞が現時点の助動詞に直接続いているか、ある位置で後続 している場合は、現時点の助動詞の処理に応じて格納されるコード”auxv”が、 後続の助動詞の処理に応じて削除され、2番目の助動詞に続く他動詞、”To動詞 ”、自動詞のいずれの処理においても、バインディングが最初の助動詞とではな く、2番目の助動詞との間に形成されるようにする。 否定詞(negation)−図6 否定詞の処理では、サーチスペース140においてコード”v”の検索だけが 行なわれる。このコードは、助動詞、否定詞、他動詞、”To動詞”、自動詞の処 理に応じて格納される。図6の矢印258は現時点の否定詞の処理に応じて形成 されるバインディングの可能性を示している。検索はこのコードの全出現が見つ かるように続けられ、それらに相当するバインディングが形成される。 否定詞の処理ではコード”v”が(意味の第1の引数と共に)サーチスペース 140に格納される。前置詞、否定詞、”to”、副詞の処理においてコード”v ”の検索が行なわれる。図6では、矢印260、262、264、266が、否 定詞の処理の後で形成される未来のバインディングを示している。既に示したよ うに、矢印258〜266の方向は修飾されている単語カテゴリを示している。 ”To”(不定詞の小辞Infinitival Particle)−図7 単語”to”(前置詞ではなく、不定詞の小辞)の処理では、コード”v”の検 索が行なわれる。このコードを格納している単語カテゴリは、図6の説明の中で 示した通りである。図7では、矢印268はコード”v”の全出現が見つかるよ うに検索が続けられ、それに対応するバインディングが形成されることを示して いる。”to”処理に応じて何らかのコードがサーチスペース140に格納される ことはない。 他動詞(Transitive Verbs)−図8 矢印270は、現時点の他動詞の処理に応じて行なわれるコード”av”の検索 結果として、先行する副詞の意味と現時点の他動詞 との間に形成されるバインディングを示している。コード”av”の検索は該当コ ードの最新の出現が見つかった時点で終了する。矢印272は、コード”auxv” の検索結果として先行する助動詞と現時点の他動詞との間に形成されるバインデ ィングを示している。コード”auxv”の検索は該当コードの最新の出現が見つか った時点で終了する。矢印274は、現時点の他動詞の処理に応じて行なわれる コード”n”の検索の結果として、先行する名詞あるいは先行する”To動詞”と の間に形成されるバインディングを示している。コード”n”の検索は該当コー ドの全出現が見つかるまで続き、適当なバインディングが形成される。各該当コ ード”n”は見つかる毎にサーチスペース140より削除される。 矢印276は、未来の名詞の処理において行なわれるコード”n”の検索結果 として、現時点の他動詞の意味と未来の名詞の意味との間に形成され得る未来の バインディングを示している。矢印278、280、282、284は、他動詞 の処理に応じて格納されるコード”v”に対して未来の前置詞、否定詞、”to” 、副詞の処理で行なわれる検索の結果として、これらの単語の意味と現時点の他 動詞の意味との間に形成されるバインディングを示している。上述の説明で明ら かなように、複数のバインディングが形成されるかどうかは、未来の単語カテゴ リの順序に依存している。 ”To動詞”(To Verbs)−図9 矢印284、286はそれぞれ、現時点の”To動詞”の処理と、それに応じた コード”av”、”auxv”の検索の結果として形成されるバインディングを示して いる。コード”av”の検索は該当コード の最新の出現が見つかった時点で終了する。コード”auxv”の検索も同様に終了 する。矢印288は現時点の”To動詞”の処理に応じて行なわれるコード”n” の検索結果として形成されるバインディングを示している。コード”n”の検索 は該当コードの全出現が見つかるまで継続され、適当なバインディングが形成さ れる。見つかった各コード”n”は削除される。 ”To動詞”の処理によりコード”v”、”n”がサーチスペース140に格納 される。矢印290、292、294、296は、前置詞、否定詞、”to”、副 詞の処理に応じたコード”v”の検索結果として将来形成されるバインディング を示している。矢印298、300、302は未来の他動詞、”To動詞”、ある いは自動詞が処理される際のコード”n”の検索結果として将来形成されるバイ ンディングを示している。 自動詞(Intransitive Verbs)−図10 矢印304、306、308は、現時点の自動詞の処理と対応するコード”av ”、”auxv”、”n”の検索の結果、形成されるバインディングをそれぞれ示し ている。これらのコードの検索は他動詞及び”To動詞”の処理に関する検索で説 明されたのと同様に行なわれる。また、同様にコード”n”の削除も行なわれる 。 自動詞の処理によりコード”v”がサーチスペース140に格納される。矢印 310、312、314、316は、前置詞、否定詞、”To”、副詞の処理に応 じて行なわれるコード”v”の検索の結果として将来形成されるバインディング を示している。 限定詞(Determiners)−図11 図11において、点線枠のブロック318は、限定詞が処理される際にはサー チスペース140の検索は行なわれないこと、従って先行する単語の意味とのバ インディングは形成されず、いずれのサーチコードもサーチスペース140から 削除されないということを表している。 限定詞の処理によりコード”dn”がサーチスペース140に格納される。図1 1の矢印320は、名詞の処理の際に行なわれるこのコードの検索結果に形成さ れる可能性のあるバインディングを示している。 所有限定詞(Possesive Determiners)−図12 所有限定詞は本実施例では限定詞と同様に処理される。従って、図12の符号 318,320は図11のそれと同じバインディングを示している。 形容詞(Adjectives)−図13 矢印322は、形容詞の処理の際に行なわれるコード”aa”の検索の結果とし て、現時点の形容詞の意味と先行する強調詞の意味との間に形成されるバインデ ィングを示している。表2から明らかなように、検索が成功した場合、その後コ ード”aa”はサーチスペースから削除されて、さらに未来の形容詞または未来の 副詞が処理されたとしても、このコードとのバインディングが形成されないよう にする。検索はコード”aa”の最新の出現が見つかった時点で終了する。形容詞 の処理によりコード”an”がサーチスペース140に格納される。図13の矢印 324は、現在に形容詞の意味と、将来処理される名詞の意味との間に形成され る可能性のあ るバインディングを示している。 副詞(Adverbs)−図14 図14の矢印326、328は、現時点の副詞の処理に応じて行なわれるコー ド”aa”、”v”の検索結果として現時点の副詞の意味と先行する単語の意味と の間に形成されるバインディングを示している。コード”aa”の検索が成功する と、表2に示すように、このコードは削除される。検索はコード”aa”の最新の 出現が見つかった時点で終了する。コード”v”の検索は全該当コードが検出さ れ、バインディングが形成されるまで続けられる。コード”v”が見つかっても 、このコードがサーチスペースから削除されることはない。 副詞の処理によりコード”av”がサーチスペース140に格納される。矢印3 30、332、334は、未来の異なるカテゴリの単語の処理で行なわれるこの コードの検索の結果で形成される可能性のあるバインディングを示している。 強調詞(Intensifiers)−図15 点線枠のブロック336は、強調詞が処理される際はサーチスペース140の 検索は行なわれずに、いずれのコードもサーチスペース140から削除されない ことを示している。強調詞の処理ではコード”aa”がサーチスペース140に格 納される。図15の矢印338、340は、未来の形容詞または副詞の処理の際 に形成される可能性のあるバインディングを示している。既に述べたように、こ れらのカテゴリの処理のいずれにおいても、コード”aa”が見つかると削除され 、1個のバインディングのみが形成さ れるようになっている。 複数の述語を有した意味 表2と、図3〜15を参照して述べてきた説明では、意味が複数の述語を有し ている単語については扱われなかった。そうした意味の処理方法は、各図の太枠 のブロックを参照して理解されるであろう。こうしたブロックはは該当する意味 の複数の述語のなかの最後の1つを表している。このように、例えば表1に示す ように、単語”turned”の意味は次の通りである。 past(,1) turn(1,2,3) ”turned”は他動詞”turn”の過去形である。”turned”の意味に対する述語 の最後の1つは”turn(1,2,3)”であり、表2及び図8に示す他動詞の引数 の数は述語”turn(1,2,3)の引数に適用されていると見なされるべきである 。辞書の説明で前述した通り、述語”past(,1)”の第2の引数に”1”が 挿入されることにより、この引数に割り当てられた値が述語”turn(1,2,3) ”の第1の引数に割り当てられた値と等しくなることを示している。これは複数 の述語の意味を持つ他のカテゴリの単語にもあてはまる。 多義性 本発明の実施例は多義性に対処することができる。ここで扱われる多義性とは 、文、節、句の中に、文法により、他の複数の単語と関係していると見られる単 語が含まれており、複数のの解釈が生じる場合に生じるものを指している。いく つかのケースでは、多義性のリンクは文、節、句のうち、特定の単語と複数の先 行す る単語との間に見られる。他のケースでは、文、節、句のうち、特定の単語と複 数の後続の単語との間に多義性のリンクが見られる。前述の命令”activate the camera on the third floor”の説明が前者の多義性の例に相当する。つまり、 ”on”が”activate”あるいは”camera”と多義的にリンクされるのである。後 者の多義性の例として”activate the third camera switc”が考えられる。こ の文は、”third”が名詞”switch”を修飾していると見なして、その結果”act ivate the third switch of the camcra”(カメラの第3スイッチをオンにせよ )と読むことが可能である。あるいは、形容詞”third”が”camcra”と接続し ているか、”camcra”を修飾していると見なすことも可能である。この場合は” activate the switch of the third camera”(第3カメラのスイッチをオンに せよ)という解釈が可能である。このように、文や、文の1部を成す節、句にお いて、ある単語が先行する単語を多義的に修飾したり、ある単語が後続の単語を 多義的に修飾するのである。さらに、複数の単語と明白にリンクされる単語も存 在する。例えば、”thc switch controls the camera”(スイツチはカメラを制 御する)という文では、明らかに他動詞”controls”が動詞の主語である名詞” switch”と、動詞の目的語である名詞”camera”の両方を修飾している。 上述のバインディングは許容される多義性を規定するために用いられるもので ある。特に、”activate the camera on the third floor”と表2の考察から、 次のバインディングが他動詞 ”activate”の意味と前置詞”on”との間のリンクを規定していることがわかる 。 909=901 また、次のバインディングが名詞”camera”の意味と前置詞”on”の意味との 間のリンクを規定していることもわかる。 909=907 このように、これらの2つのバインディングは多義性を表している。”on”に 属する数値909が、一方では”activate”に属する数値901と、他方では” camcra”に属する数値907と等式で結ばれているからである。説明の都合上、 多義的なリンクを参照するバインディングを次のように表す。 909=907,901 いくつかの単語は他の複数の単語を多義的に修飾することができるので、多義 的バインディングと多義的でない(unambiguos)バインディングとを区別する必 要がある。実施例では、この区別を、多義性から生じる複数のバインディングの 共通の引数をバインディングの左側へ記録し、その一方で、バインディングの右 側の共通引数(存在した場合は)が多義性がないことを表すようにすることによ り、行なっている。上述の2つのバインディング909=901と909=907がこのルー ル(convention)の例である。本発明に従ってシステムを考案すると、使用する 文法においてどのカテゴリの単語が他のカテゴリの単語と修飾または被修飾関係 にあるかを決定し、適当な数の引数を単語の意味に割当て、テーブル138の命 令を形成することができる。テーブルでは、不都 合な多義性は排除され、望ましい多義性が保持され、規定されている。 例1 以下は解析プログラムモジュール128とテーブルXの動作をより詳細に説明 する例である。 この例では、辞書は表1に示す通りであり、テーブル138は添付の表2に示 すデータを有していることを前提とする。入力される単語に当てられる識別番号 は901から始まるものとする。次の入力された文 ”activate the camera on the third floor” の処理方法は、入力バッファ130と、テーブルXのセクション134、140 、142が予めクリアされていることを前提として説明される。また、コンピュ ータ100では、キーボード116を介して入力された文字が入力バッファ13 0へ格納されており、解析モジュール128による単語の解析はキーボード上の 通常のスペースバーを打つことにより起動されるものとする。 単語はキーボード116より、”activate”から始まり”floor”で終わる文 の形で入力される。スペースバーが押されると、解析モジュール128は最初の 単語”activate”を取り出し、辞書132にアクセスし、相当する意味を現時点 の意味を格納するためのセクション134へ”activate(901,902,903)”の 形で格納する。 解析モジュール128はテーブル138にもアクセスしてその他動詞を処理す るための命令を得る。表2の第3欄はサーチスペース140で検索が3度行なわ れることを示している。つまり、 サーチコード”av”、”auxv”、”n”による3度の検索である。しかし、サー チスペース140が空白であるため、動詞”activate”は最初に入力された単語 となる。表2の第4欄は、サーチコード”v”が他動詞の意味の第1の引数に割 り当てられた値と関連付けられ、サーチコード”obj”が他動詞の意味の第3の 引数に関連付けられること、そして、前述のサーチが行なわれた後でこれらのサ ーチコード及び関連付けられた値がサーチスペース140に格納されることを示 している。こうして、検索が完了すると、解析モジュール128はデータ”v/1 901”と”obj/903”とをサーチスペース140へ格納する。表2の第5欄は、サ ーチコード”obj”が見つかると、その時点で見つかったサーチコードおよび関 連する値がサーチスペース140から削除されることを示している。この時のテ ーブルXの内容は次の通りである。 現時点の意味: activate(901,902,903) サーチスペース: v/901 obj/903 バインディング: NIL ”activate”に関する上述のステップが完了すると、次に解析モジュール12 8は”the”を処理する。辞書132がアクセスされて意味が得られる。表1よ り、限定詞には2つ引数があり、解析モジュール128は、これらの引数に次の 2つの香号904、905を連続する値として割当てることがわかる。このよう に、データ”the(904,905)”がテーブルXの現時点の意味のセクション13 4に挿入される。 また、解析モジュール128はテーブル138(表2)にもアクセスする。表 2は、限定詞の処理の際に先行するサーチコードの検索がサーチスペース140 で行なわれないことを示している。しかし、表2の第4欄は、サーチコード”dn ”が限定詞”the”の意味の第2の引数に割り当てられた値と共に、サーチスペ ース140に格納されるべきであることを示している。こうして、解析モジュー ル128はデータ”dn/905”をサーチスペース140に格納する。表2の第5欄 に限定詞に関するコードが存在しないのは、限定詞が入力されてもいずれのコー ドもサーチスペース140から削除されないことを意味している。この時のテー ブルXの内容は次の通りである。 現時点の意味: activate(901,902,903) the(904,905) サーチスペース:dn/905 v/901 obj/903 バインディング:NIL 解析モジュール128は次に”camera”を処理する。辞書132がアクセスさ れ、”camera”の意味が得られる。辞書132は”camera”が名詞であることと 、名詞の意味には2つの引数が有ることを示している。従って解析モジュール1 28は次の2つの識別香号906、907を”camera”の意味の第1)第2の引 数にそれぞれ割当て、データ”camera(906,907)”をテーブルXの現時点の意 味のセクション134へ格納する。表2の第2欄は名 詞の処理の際にサーチスペース140の検索が3度行なわれることを示している 。最初の検索はコード”dn”に対するものである。限定詞”the”の処理の際に データ”dn/905”がサーチスペース140に挿入されているので、この検索は、 解析モジュール128が、結果として”thc”の意味と”camcra”の意味とのリ ンクが規定され得るためのコードを突き止めることができる。 このリンクは、テーブルXのセクション142にバインディング905=906を格納 することにより規定される。表2のデータに示すように、このバインディングは 、限定詞の意味の第2の引数の値(905)を、名詞の意味の第1の引数の値(906 )と等式で結ぶことにより形成される。Rは名詞の意味の引数がバインディング を形成する等式の右側に置かれることを意味している。コード”dn”が見つかっ た検索はここで終了し、他に先行するコード”dn”が見つかったとしても、それ に基づく処理が行なわれないようにする。 名詞”camera”の入力に伴う2度目のサーチスペース140の検索はサーチコ ード”an”に対して行なわれる。この例では、サーチスペース140にはこのコ ードが以前に挿入されていないので、これ以上の処理へは進まない。 名詞”camcra”に関する3度目のサーチスペースの検索はサーチコード”obj ”に対して行なわれる。他動詞”activate”が入力された時、データ”obj/903 ”がサーチスペース140に挿入されているので、このコードが見つかる。解析 モジュール128はバインディング903=907をテーブルXのセクション142に 挿入す る。検索はここで終了する。 従って、この時のテーブルXの内容は次のようになっている。 現時点の意味: activate(901,902,903) the(904,905) camcra(906,907) サーチスペース: n/907 dn/905 v/901 obj/903 バインディング 905=906 903=907 次に処理される単語は”on”である。解析モジュール128は辞書132にア クセスする。辞書には”on”の意味は2通りあり、この2通りの意味が処理され る。解析モジュール128は、辞書に複数存在する意味の単語を逆の順序で処理 するようになっている。 辞書で2番目に現われる”on”は前置詞としてのもので、その意味は”on(1 ,2,3)”として現わされている。解析モジュール128はデータ”on(908,9 09,910)”をテーブルXの現時点の意味のセクション134へ格納する。 次に、解析モジュール128は表2の前置詞に対する4度の検索の内の最初の 1回を行う。つまり、サーチスペース140におけるサーチコード”p”の検索 である。この例では、このサーチコードは、先行するいずれの単語の処理の結果 としてもサーチスペース140に挿入されてはいない。 従って、2度目の検索がサーチコード”v”に対して行なわれる。他動詞”ac tivate”の処理の際にデータ”v/901”がサーチスペース140に挿入されてい るので、サーチコード”v”が見つかる。解析モジュール128は、テーブルX のセクション142にバインディング909=901を挿入することにより、他動詞” activate”の意味と”on”の意味の間にリンクを規定する。”on”が前置詞であ る場合に行なわれるサーチスペース140の3度目の検索はサーチコード”n” に対して行なわれる。この検索では、名詞”camera”の処理の時にサーチスペー スに挿入されたデータ”n/907”が見つかる。解析モジュール128は、”on” が”camera”と”activate”のどちらかを修飾していると認識する。既に説明し たように、言語学的解析では、処理されている文は1つの多義性を含んでいるの で、言語学的には、これらの可能性のどちらも正しい修飾関係である。こうして 、この時点で、先に挿入されたバインディング909=901が909=907,901に修正さ れて、将来の処理で解決される多義性が保持される。 4度目の検索がコード”dn”に対して行なわれる。この検索ではデータ”dn/9 05”が見つかる。しかし、表2には、バインディングが形成されないようにする 意味で、”x”と表された命令が格納されている。”x”は、処理の間、引数に 割り当てられるどの値とも異なるものであり、表2は、データ”dn/905”がこの 時点ではサーチスペースから削除されるべきであることを示している。従って、 この時のテーブルXの内容は次の通りとなる。 現時点の意味: activate(901,902,903) thc(904,905) camera(906、907) on(908,909,910) サーチスペース: obj/910 p/908 n/907 v/901 obj/903 バインディング: 905=906 903=907 909=907,901 上述の”on”の処理はこの単語が前置詞であるという辞書の項目に基づいてい る。解析モジュール128は上述の処理を完了してから、次に、”on”の別の登 録、即ち副詞としての”on”の処理を行う。 前述のテーブルを考慮し且つ解析モジュール128の動作の説明から、”on” を副詞とした場合の処理が完了すると、テーブルXの内容は次のようになってい ると推定できる。 現時点の意味: activate(901,902,903) the(904,905) camera(906,907) on(908,909,910) change-on(911,912) サーチスペース: av/912 obj/910 p/908 n/907 v/901 obj/l903 バインディング: 905=906 903=907 909=907,901 912=901 このように、この時点までの処理では、前置詞としての”on”が”camera”を 修飾していると読むか”activate”を修飾していると読むかで生じる多義性を記 録し保持するばかりでなく、”on”が前置詞ではなく、”activate”のみを修飾 する副詞であるという事実も記録する。本発明の重要な特徴は、多量のメモリス ペースを必要とすることなく、こうした可能性の全てがこの段階で保持されてい るという点にある。 上述のように”on”が処理されると、次の”the”が処理される。上述の説明 やテーブルから、”the”の処理が完了すると、テーブルXの内容は次のように なっていると推定できる。 現時点の意味: activate(901,902,903) the(904,905) camcra(906,907) on(908,909,910) change-on(911,912) the(913,914) サーチスペース: dn/914 av/912 obj/910 p/908 n/907 v/901 obj/903 バインディング: 905=906 903=907 909=907,901 912=901 これにより、“thc”の処理の結果データ“dn/914”がサーチスペースに追加 されても、新しいバインディングは格納されていないことがわかる。これは、既 に説明したように、限定詞の処理ではサーチスペースの検索が行なわれないから である。 “third”の処理では、上述の説明とテーブルから推定できるように、テーブ ルXの内容は次のようになっている。 現時点の意味: activate(901,902,903) the(904,905) camera(906,907) on(908,909,910) change-on(911,912) the(913,914) third(915,916) サーチスペース: an/916 dn/914 av/912 obj/910 p/908 n/907 v/901 obj/903 バインディング: 905=906 903=907 909=907,901 912=901 “third”はこの文法では形容詞として扱われているので、ここでも検索はおこ なわれず、バインディングのリストに変化はない。しかし、形容詞の処理では、 サーチスペースに適当な値を伴ったサーチコードが挿入される。 文の最後の単語“floor”を処理すると、テーブルXの内容は次のようになる 。 完成したテーブルX 現時点の意味: activate(901,902,903) the(904,905) camera(906,907) on(908,909,910) change-on(911,912) the(913,914) third(915,916) floor(917,918) サーチスペース: n/918 an/916 dn/914 av/912 obj/910 p/908 n/907 v/901 obj/903 バインディング: 905=906 903=907 909=907,901 912=901 914=917 916=918 910=918 これより、”floor”を処理した結果、スペース136のバインディング用セ クション148には3つのバインディングが追加されたことがわかる。これで、 文”activate the camera on thethird floor”に関するテーブルX形成が完了 する。 バインディングのリストにおけるバインディングの発生を要約すると次のよう になる。 1) バインディング905=906が、入力された文中で最初に登場する限定詞”the ”と名詞”camera”の間の文法的なリンクの結果として定義された。 2) バインディング903=907が、入力された文中の他動詞 ”activate”と名 詞”camera”との間の文法的なリンクの結果として定義された。 3) 多義性を表すバインディング909=906,901が、入力された文中の、前置詞 と考えた場合の”on”と、”camera”とのリンク並びに”activate”とのリンク という多義的なリンクの結果として定義された。 4) バインディング912=901が、入力された文中の、副詞と考えた場合の”on ”と他動詞”activate”との、文法的に可能なリンクの結果として定義された。 5) バインディング914=917が、入力された文で2度目に登 場する限定詞”t he”と名詞”floor”との文法的なリンクの結果として定義された。 6) バインディング916=918が、入力された文中の形容詞 ”third”と名詞” floor”との間の文法的なリンクの結果として定義された。 7) バインディング910=918が、入力された文中の前置詞と考えた場合の”on ”と名詞”floor”との文法的なリンクの結果として定義された。 バインディングの実行 このステップの目的は、テーブルXに形成されたデータを、これまで示して来 たように単語の意味(引数を含む)が、意味間のリンクを規定するバインディン グとは別にリストにされた形式から、意味の引数がリンクを示し、しかも多義性 を確実に保持している形式へと変換することである。この目的を達成するために 、解析モジュール128は各バインディングを順に取り出し、バインディングが 多義性を示していない場合は、先ず、現時点の意味のセクション134内の対応 する値を単一化する。これは、そのバインディングの右辺に存する現時点の意味 のリストにそのバインディングの左辺の値と同じ値を持たせることによって行な われる。さらに、解析モジュール128は、現在実行中のバインディングの右側 の値と同じ値を持つバインディングが有るかどうか、セクション142の残りの バインディングを検索して、そうしたバインディングの値を現在実行中のバイン ディングの左側の値と同じ値に変える。言い換えると、例えばバインディング a=b が実行されている場合、現時点の意味のセクション134における全ての値”b ”と残りのバインディングが値”a”に変えられる。 解析モジュール128は、多義性を示すバインディングを除いては同一の方法 で残りのバインディングを1つずつ実行する。この過程は上述の例1のバインデ ィングの実行を考慮すれば十分に理解されるであろう。 このように、テーブルXが前述のようにして完成された時点か ら例1の説明を続けると、バインディングを実行するために、解折モジュール1 28は、セクション142から最初のバインディングを取り出す。これは上述の 例では905=906である。解析モジュール128は、現時点の意味のセクション1 34における値”906”のいかなるものも値”905”に変更する。このように、上 述の例では、現時点の意味セクションはデータ ”camera(906,907)”を含んでいるが、このデータは ”camera(905,907)”に変更される。 さらに、解析モジュール128はバインディングのリストの残りを検索する( この例ではバインディング903=907から始まってリストの末尾まで行なわれる) 。バインディングにはもはや値906は出て来ないので、この段階ではリストに変 更はない。リストの最初のバインディングの処理が完了すると、そのバインディ ングは放棄される。こうして、この時点におけるテーブルXの現点の意味のセク ション134とバインディングのセクション142の内容は次のようになってい る。 現時点の意味: activate(901,902,903) the(904,905) camera(905,907) on(908,909,910) change-on(911,912) the(913,914) third(915,916) floor(917,918) バインディング: 903=907 909=907,901 912=901 914=917 916=918 910=918 このような方法でリストの最初のバインディングを処理した後、解析モジュー ル128は次のバインディング903=907を同じ方法で処理する。この処理では、 最初に現時点の意味のセクション134内のデータ”camera(905,907)”が”c amera(905,903)”に変更される。現時点の意味のセクション134には他の バインディング907は出ないので、解析モジュール128は未処理のバインディ ングにおける値907と値903の単一化を行う。つまり、バインディング909=907,9 01から処理を始めるが、この値は909=903,901に変更される。2番目のバインデ ィングの処理の後、このバインディングは放棄される。テーブルXの現時点の意 味のセクションとバインディングのセクションの内容は次のようになる。 現時点の意味: activate(901,902,903) thc(904,905) camera(905,907) on(908,909,910) change-on(911,912) the(913,914) third(915,916) floor(917,918) バインディング: 909=903,901 912=901 914=917 916=918 910=918 リストの次のバインディングは909=903,901(処理前のバインディングリスト では909=907,901)で、このバインディングは多義性を表している。多義性を表 すバインディングは処理されず、リスト中に保持されるのみであり、リストの後 続のバインディングの実行から生じる新たな単一化の対象となる。 従って解析モジュール128はリストの次のバインディング912=901を取り出 して、上述のように現時点の意味リストとバインディングリストの両方の単一化 を行う。そして、このバインディングをバインディングリストから削除する。こ の結果、テーブルXの現時点の意味のセクションとバインディングのセクション は次のようになる。 現時点の意味: activate(912,902,903) the(904,905) camera(905,903) on(908,909,910) change-on(911,912) the(913,914) third(915,916) floor(917,918) バインディング: 909=903,912 914=917 916=918 910=918 残りの3つのバインディング914=917、916=918、910=918を上述のように順に 処理した後、テーブルXの現時点の意味のセクションとバインディングのセクシ ョンは次のようになる。 現時点の意味: activate(912,902,903) the(904,905) camera(905,903) on(908,909,910) change-on(911,912) thc(913,914) third(915,916) floor(917,918) バインディング: 909=903,912 この時点でバインディングの実行が完了し、テーブルXのバインディングのセ クションと現時点の意味のセクションの内容がテーブルAへ転送される。このテ ーブルは、リンクを規定するように単一化された識別香号を持つ現時点の意味と 、多義性を示すバインディングによって表される多義性のリストとを、次のよう に有することになる。 テーブルA 現時点の意味: activate(912,902,903) the(904,905) camera(905,903) on(908,909,910) change-on(911,912) the(913,914) third(915,910) floor(914,910) 多義性: 909=903,912 処理の補足的な変更(Incrementality) 上記の説明から、処理を始める前に句、節、文等といったグループの単語が全 て入力されるのを待たねばならないということなく、各単語が入力されるそばか ら解析モジュール128により処理されることが理解できる。この時点までは、 上述の説明は、各単語はスペースバーの押下に応じて入力バッファ130より読 み出されるという前提に基づいていた。また、この時点までは、処理は、最初は 現時点の意味セクション134に意味のリストを形成し、メモリエリア136の セクション142にバインディングのリストを形成し、次に、バインディングを 実行するという前提に基づいて説明されてきた。また、これらの2つの処理が完 了するまでは後続の処理は行なわれないことを前提にしていた。本発明では、こ の実施例をこうした方法で行うようにするのが実際的 である、インタフェース126に含まれるダイアログマネージャ160は、スペ ースバーの押下に応じて、解析モジュール128に入力バッファ130よりの次 の単語を得させる手段であることが好ましい。また、ダイアログマネージャ16 0はリターンキー及び/またはフルストップ(ピリオド)キーに応じて、意味や 多義性をメモリエリア136からテーブル144へ転送し、この後で新たな単語 のグループの処理に備えてメモリエリア136がクリアされるようにしてもよい 。 上述の説明では、バインディングは、現時点の単語のグループにおける全ての バインディングが形成された後で実行されるという前提に基づくものであったが 、最高の処理速度を達成するためには、この前提においても他のケースにおいて も、バインディングが形成される毎に実行され、それまでに処理されたバインデ ィングを伴う現時点の意味の処理も、所属グループの単語の全てが入力され処理 されるのを待つことなく次の処理へ進められるようにすることが望ましい。この 処理が採用されると、いつの時点でも、その時点までの現時点の意味に基づいて 、後続の処理が行なわれる。しかしさらに他の単語が処理される時にこの処理を 変更してもよい。このように、処理を補足的に変更(incrementaloperation)で きる点は本発明の重要な利点である。 テーブル138の操作 上述の説明では、一般的な意味でも例1のような特定の例によっても、テーブ ルXのセクション142に格納されたバインディングを入力された言語の文法に 基づいて引き出すために、テーブル 138のデータがどのように利用され、そしてキーボードを通じてシステムに入 力された単語から生じた信号の処理が制御されたかが明らかにされた。テーブル 138のデータは、他の文法を考慮に入れ、そして/あるいは発明の別の用途で 生じる必要性に答えるように操作することが可能である。 例えば、表2に示すデータでは、現時点の単語が前置詞である場合に多義性が 規定されるようになっている。これらの多義性が規定されるのは、上記の表2に 示すように、現時点の単語が前置詞の場合、 a)先行する複数の単語カテゴリに応じて格納されたサーチコードの検索が行な われるからである。特に先行する前置詞、先行する助動詞、否定詞、他動詞、” To動詞”、自動詞に応じて格納されたサーチコードの検索、先行する名詞に応じ て格納されたサーチコードの検索が全て行なわれる。 b)表2の第3〜4欄の文字2とLは、最初に、前置詞の意味の第2の引数が検 索の結果として全てのバイディングに用いられること、次に、説明したように、 前置詞の第2の引数の値が多義性を示すバインディングの左側に置かれることを 示しているからである。 発明のいずれの特定の用途においても、前置詞と、先行する動詞または先行す る前置詞との間のリンクの結果としてのバインディングの規定を禁止し、現時点 の前置詞と先行する名詞の間のリンクの結果としてのみバインディングの形成を 許すことが必要とされた場合、検索命令pとvを表2の第2欄の前置詞に関係す る項目 から省略することができる。そうした場合、前置詞が処理される時、サーチコー ド”n”の検索だけが行なわれる。あるいは、発明の特定の用途においていくつ かの理由により、前置詞の意味と異なるカテゴリの複数の先行する単語との間に 明瞭なバインディングを規定する必要があれば、表2の命令は適当に修正するこ とができる。そうした可能性のある修正の1つは、前置詞の意味の複数の異なる 引数が、異なるカテゴリの先行する単語の意味とのリンクを規定するバインディ ングに用いられるようにすることである。別の可能な修正は、現時点の前置詞の 意味の同一の引数を2つ以上の異なるカテゴリの先行する単語の意味とのバイン ディングの規定に使用して、テーブルの”L”、”R”指定を変更することであ る。 このように、上述の説明から、表2のデータが操作(manipulate)されて、必 要に応じてあるカテゴリの現時点の単語の意味と先行する単語の意味との間の多 義的なバインディングを提供または防止できることが理解されるであろう。 表2のデータは、必要に応じてある単語と2つ以上の未来の単語との間の多義 的なリンクを規定するバインディングの可能性も提供または防止するよう操作す ることができる。例えば、表2のデータは、形容詞と2つ以上の未来の名詞との 多義的なバインディングの規定を許すが、これはそうしたデータが処理される際 、いずれかの先行する形容詞の処理の結果としてサーチスペース140に格納さ れたサーチコード”an”の検索が行なわれるからである。こうした多義的なリ ンクを防ぐために、表2の第5欄の名詞に関 係した行に命令an/2を挿入することによって表2を修正することができる。この ように、ある名詞が処理されて先行する形容詞のサーチコードが見つかった場合 、そのサーチコードは無効とされ、その先行の形容詞に関してはいずれの未来の 新しい名詞(または、いずれの他のカテゴリの未来の単語でも、それが入力され ると先行の形容詞のサーチコードの検索が開始されるもの)とのバインディング も形成されないようにする。 ここまで説明されなかった多義性の形は、正確に2つの単語間、例えば名詞と 先行する形容詞との間に生じるものである。例えば、”good historian”(良い 歴史家)という句は、人柄の良い歴史家、または歴史に詳しい人物という意味に なる。表2をこうした多義性の規定に備えて操作してもよい。サーチコード”a n”が見つかった場合、名詞の意味の第2の引数とのみバインディングが形成さ れる代わりに、第1の引数と第2の引数の両方と形成されることにより、こうし た規定が達成される。この結果、格納されたサーチコード”an”に関する値は 2つのバインディングの左側におかれる。バインディングの1つは名詞の意味の 第1の引数の値と等式で結ばれ、もう1つは名詞の意味の第2の引数の値と等式 で結ばれており、多義性は上述のルール(convention)に従って規定される。 このように、表2のデータはいずれの言語の文法も考慮するように操作するこ とが可能である。それにも関わらず、発明の実施例で使用される文法を検討する と、英語の完全な文法は利用されておらず、むしろ英文法の簡略化したものが用 いられていること がわかる。実際英語等の言語の完全な文法は極端に複雑であり、従って本発明を 実施する場合、完全な文法に起こる複雑性の全てを考慮するのは主要なことでは なく、実際には実施例で示したような簡略化した文法を用いる方がはるかに有益 であるということが理解されるべきである。それでもなお、様々な異なる可能性 を試みた後、必要であれば、表2の操作により、より完全な英文法のような、よ り複雑な文法に従って言語を処理する実施例も達成可能である。 出力信号発生部 出力信号発生部124は次の3つのステップを行う推論モジュール146を有 している。 1) テーブル144に格納されたデータで表される解釈を得るか、または入力 された文に多義性が含まれる場合は、文の異なる解釈の各々を得て、それらの解 釈をテーブル148に格納するステップ。 2) 知識ベース152のテーブル150に格納されたルールとテーブル148 に格納された解釈を用いて証明されるべきゴール(goal)を発生し、そのゴール をテーブル154へ格納するステップ。 3) 知識ベース152のテーブル156に含まれる事実を用いてゴールの証明 を試みて、ゴールが証明できる場合、適当な出力信号Xn:onまたはXn:offを出力 信号記憶部158へ提供するステップ。 推論モジュール146はインタフェース126に設けられたダ イアログマネージャ160により呼び出される。インタフェース126は解析モ ジュール128とも通信して、必要に応じて解析モジュール128と推論モジュ ール146の動作を調整する。 推論モジュールが実行する上述の3つのステップを順に説明する。 推論モジュール146−ステップ1 上述したように、推論モジュール146が実行するステップ1では、入力した 命令の解釈がテーブル144から得られて、後続の処理のためにテーブル148 へ格納される。もし解釈が1つ、すなわち多義性が存在していなければ、この動 作はテーブル144からテーブル148への単純なデータ転送となる。 多義性が存在した場合、推論モジュール146は、可能な異なる解釈を別々に 順に扱うことになる。最初の解釈は、その多義性を表すバインディングからそれ らの可能な等式(equalities)の1つを取り出し、テーブル144に格納された 引数の識別香号の単一化に対応させ、それからその結果の解釈をテーブル148 に格納する。こうして、上記のテーブルA(144)に示すような例1のデータ を取ると、その多義性によって表される同一性: 909=903,912 は、 909=912 となり、そして、現時点の意味の引数における識別番号912のいずれも識別番号9 09に置き換えることにより、単一化が行なわれる。このように、例1では、テー ブル148に書かれたデータは テーブルB(1)に示すようになる。このデータは、テーブル144に格納され た多義性によって表される次の解釈を選択する前に処理される。再びテーブルA を参照すると、その多義性によって表される等式: 909=903,912 は 909=903 となる。 この等式に表される解釈が処理される時、現時点の意味の引数における識別香 号903のいずれも識別番号909に置き換えることにより単一化が行なわれる。こう して、例1では、テーブル148に書かれたデータはテーブルB(2)では次の ようになる。 既に示したように、本実施例では、テーブルB(2)に示すデータによって表 される解釈は、テーブルB(1)のデータによって表される解釈の処理が完了す るまでは処理されない。しかしながら、説明の都合上、ここで両方の解釈がなさ れたことにする。 より容易に理解するために、上述のように出力信号発生部124が実行するス テップ2〜3については、これらを詳細に説明する前に概要から説明することに する。 ステップ2−概略的な説明 ステップ2では、推論モジュール146は現在テーブル148にある解釈を取 り出してテーブル150より得たルールをこれに適用する。そして解釈をゴール に変換して、後にそのゴールが前述したように証明されるようにテーブル154 へ格納する。従ってテーブル150はルックアップテーブルの形を取り、辞書1 32に格納されている意味の内、実施例と関係した項目の各々に対応する項目を 含んでいる。テーブル150のこうした項目の各々に関しては、テーブルは各項 目に関してテーブル148の解釈をテーブル154へ格納されるゴールの形に変 換するための処理を示すデータも含んでいる。 本実施例では、実行される動作はスイッチのオンオフ切り替え動作である。ど のスイッチが入れられるかは、入力文より生じる解釈によって決定される。 本実施例のテーブル150の内容は次の表3に示す通りである。 表3の左欄は、表1の辞書の右欄からの意味に関係する意味を示している。中 央の欄はこれらの意味に対応するゴールを示し、テーブル150の第3欄は実行 される動作がスイッチのオンまたはオフであることを示している。 推論モジュール146は、テーブル148の現時点の解釈からの各項目に、表 3の左欄のデータを順に適用して、中央の欄より相当するゴールを得る。そして 、必要な場合には、右欄より実行される動作がスイッチオンか、それともスイッ チオフであるかの指示を得る。テーブル148の項目がテーブル150に適用さ れる順序としては実施例の動作に対し不適切ではあるが、理解をより容易にする ために、動詞の意味の処理から先に説明することにする。 表3から明らかになるように、左欄の各動詞の意味は、中央欄の”Action”の ラベルが付いたゴールと、さらに”Switch”のラベルが付いたゴールと結び付い ている。さらに、複数の動詞の意味は他の複数のゴールとも結び付いている。” Action”のラベルのゴールは実行される動作を規定する、つまり、スイッチオン 、スイッチオフのどちらの動作であるかを規定するのに用いられる。”Switch” のラベルのゴールはスイッチX1〜X21の内操作されるスイッチを識別するの に用いられる。テーブル154に供給されて、テーブル150のルールに照らし た処理の後で証明されるべきゴールは、ここでは次のどちらかのルールの形を取 ると考えられる。 action(Sn:on)if... あるいは action(Xn:off)if... ルールの右側には入力信号処理部122による処理の間に形成されるバインデ ィングに依存した形で相互に結びついたサブゴール(sub-goal)のセットが置か れる。これらのサブゴールは表3の中央欄の適切な動詞の意味と結び付いたサブ ゴールと、テーブルBの動詞以外の意味を表3に適用することから生じたサブゴ ールから成る。表3を用いてルールとサブゴールを生成すると、後述する変数の 具体的な例示も行なわれる。ルールの右側を形成するサブゴールが知識ベース1 52のテーブル156に含まれる事実に対して証明可能な場合(その証明動作は 後述するさらなる例示を含んでいる)、適切な信号Xn:onあるいはXn:offが生成 される。いずれかのサブゴールが証明できない場合は、出力信号は生成されない 。サブゴールの証明ができないと、処理中の解釈は、その知識ベースにより表さ れる状況に対して入力された命令を間違って解釈したことを示す。 ステップ3−概略的な説明 本実施例では、知識ベース152のテーブル156に格納された事実は次の表 4に示す通りである。 説明の都合上、表4のデータは3つのセクションに分かれている。第1のセク ションは、スイッチX1〜X21とスイッチが制御する装置にそれぞれ関係した 24グループのデータである。第2のセクションは、3つの階に関するデータで ある。第3のセクションは時間に関するデータである。これらのデータが述語及 びその引数として表されている。 表4の第2のセクションから、3つの階に関する述語の引数はF1、F2、F 3として与えられていることがわかる。このことから、例えば、カメラC3に関 する第1のセクションのデータのグループより、そのカメラが値C3によって規 定されており、その位置は値F3(3階)により規定されていること、そしてカ メラが値X3(スイッチX3)によって識別されるスイッチにより制御されてい ることがわかる。 さらに、テーブル154に格納されているルールがテーブル156に次のよう な形で格納されている事実に対して証明された場合、 action(X3:on)if: camera(C3) location(C3,F3) switch(C3,X3) floor(F3) third(F3) それで、出力信号X3:onが生成される。 推論モジュール146によって実行されるステップ2〜3の詳細な説明より明 らかになるように、例1において、命令 ”activate the camera on the third floor”の解釈が”switchon the switch of the camera on the third floor”(3階のカメラのスイッチをオンにせよ) とされた場合、ルールはこの形で証明される。しかし、この命令が”switch on the switch,which is on the third floor,of the camerat”(3階にあるス イッチで、カメラのスイッチをオンにせよ)であると解釈された場合は、スイッ チ信号は出力されない。それは、このルールが知識ベースの事実に対して証明で きないからである。 テーブル154に格納されたルールが各解釈のために生成され、これらのルー ルがテーブル156の事実に対して証明される様子を、例として詳細に説明する 。 テーブルB(1)のデータを表3のデータ適用して推論モジュール146によ って処理すると、テーブルB(1)のデータは下記のテーブルC(1)に示す形 に変換される。 このテーブルC(1)のデータは、前述の説明から既に明らかであるが、テー ブル154へ挿入されて次のようなデータとなる。まず、テーブルB(1)の項 目”activate(909,902,903)がルックアップ表3に適用される。左欄におい て項目 ”activate(e,x,y)”に一致するデータが検出される。表3の項目”activat e(e,x,y)”の引数”e,x,y”はテーブルB(1)から処理されたデータの 引数”(909,902,903)”で例示される。こうして、eは909と等式で結ばれ、 Xは902と、yは903と等式でむすばれる。表3の中央欄よりの対応するゴール、 つまり”action(e)”と”switch(y,s)”が抽出されてその変数が可能な限 り上記のc、x、yの値で例示される。こうして、表3の中央欄より抽出された データは次の通りである。 action(909) switch(903,s) また、項目”activate(e,x,y)”に関する表3の第3欄のデータ、つまり ”e=s:on”も抽出されて例示が次のように行なわれる。 e=s:on は 909=s:on 中央欄より抽出されたデータはさらに、上記データで例示される。 action(s:on) switch(903,s) になる。 テーブルB(1)のデータにさらに変数909が出ると、システ ムは変数909が処理される際に同様の例示を行なう。これにより、テーブルB( 1)の最初の項目の処理が完了してテーブル154へ格納される。 テーブルB(1)の次の項目は”the(904,905)”である。実施例では、限 定詞の意味はこの時点では無視されるので、表3に対応する項目は存在しない。 テーブルB(1)の次の項目は”camera(905,903)”である。これはルック アップ表3に適用されて項目”camera(x,y)”が検出される。対応するゴール ”camera(y)”が表3の中央欄より抽出される。表3の左欄の述語cameraの引 数x、yは、表3の中央欄から抽出したこのデータの変数x、y(もし存在すれ ば)がそれぞれテーブルB(1)の処理中の項目の第1、第2の変数で例示され るということを意味している。表3の中央欄から抽出したデータは”camera(y )”なので、このデータは camera(903) に変換されてテーブル154へ格納される。こうして、この時点におけるテーブ ル154の内容は次のようになる。 action(s:on) switch(903,s) camera(903) テーブルB(1)の次の項目が取り出されて表3の第1欄に適用される。それ は”on(908,909,910)”で、表3の左欄の項目”on(e,x,y)と一致してい る。対応するデータ”location(x,y)”が表3より抽出されて、そのデータの 変数x、yとテーブルB(1) の処理中の項目の第2第3の変数との間で例示が行なわれる。こうして、xは90 9と、yは910と等式で結ばれる。しかし、前述したように、テーブルB(1)か らの最初の項目が処理された時909はs:onで例示されているので、表3より抽出 されたデータ”location(x,y)は次のように変換される。 location(s:on,910) このデータはテーブル154に追加されて、テーブル154の内容は次のよう になる。 action(s:on) switch(903,s) camera(903) location(s:on,910) テーブルB(1)の次の項目”change-on(911,909)”が処理される。これ は表3の左欄の項目”change-on(x,e)と一致しているが、表3に示すように 、中央欄にはこのデータに対応した抽出すべきデータが存在しない。しかしなが ら、第3欄に示される例示は次の通りである。 e=s:on この例示の後、次のようになる。 909=s:on これは先の909の例示と同一の例示であるが、これによってこの例が影響され ることはない。しかしながら、他の例ではこのことに影響される可能性もある。 そうした影響が現われる1つの例を後述する。 テーブルB(1)の次の項目は2度目に登場した”the”である。前述したよ うに、このデータを表3の左欄の項目と一致させようという試みは不成功に終わ っているので、この例において、この限定詞の意味は再び無視される。 テーブルB(1)の次の項目は”third(915,910)”である。これは表3の 左欄の項目”third(x,y)”と一致するので、対応するデータ”third(y)が 中央欄より抽出されて、値”y”は処理中の項目”third(915,910)”の第2の 変数で例示される。こうして、データ”third(910)”がテーブル154の内容 に追加される。 action(s:on) switch(903,s) camera(903) location(s:on,910) third(910) テーブルB(1)の最後の項目は”floor(914,910)”である。これは表3 の左欄の項目”floor(x,y)”と 一致するので、中央欄よりデータ”floor( y)”が抽出されて変数”y”とテーブルB(1)の処理中の項目の第2の引数の 間で例示が行なわれる。この結果、データ”floor(910)”がテーブル154に 追加される。テーブルCに示すテーブルの内容は次のようになる。 action(s:on) switch(903,s) camera(903) location(s:on,910) third(910) floor(910) テーブル154に挿入されたデータはテーブル156の事実に対して証明され るゴールとして扱われるということは既に説明されてきた。こうして、テーブル C(1)のデータは次のように書き直されると考えられる。 action(s:on)if:switch(903,s) camera(903) location(s:on,910) third(910) floor(910) その後、このルールの右側のサブゴールを知識ベース152のテーブル156 の事実に順に適用して、対応する事実が見つかった場合、適切な例示を行なって 、これらのサブゴールを証明する試みがなされる。 最初にサブゴール”switch(903,s)”が処理されるとすると、表4にはこの サブゴールが一致する項目が24個存在することがわかる。既に述べた通り、見 つかった最初の一致項目で例示を行なって証明を試みられ、それから適当な例示 を行なって残りのゴールを証明する試みがなされる。知識ベースの事実において ある一致項目を検出してある例示が行なわれると、関係する全ての変数が証明す べきゴールにおいて同じ方法で例示されることは、当業者には理解されるであろ う。説明の都合上、最初あるいはある時点で、サブゴール”switch(903,s)” が表4の項目 ”switch(C3,X3)”と一致していると想定する。この一致を見つけると証明対 象のサブゴールの変数”(903,s)”はテーブル154に現在格納されているデ ータの定数”(C3,X3)”で、以下のように(ルールとして)例示される。 action(X3:on)if: switch(C3,X3) camera(C3) location(X3:on,910) third(910) floor(910) 上記のルールからわかるよに、例示は可能な項目全てに渡って行なわれた。 次に、このように修正されたテーブル154の内容から得たゴール”camera( C3)”が表4の事実に適用されて証明が試みられる。このゴールは項目”camcra (C3)”と一致することが明らかであるので、例示を行なわずに証明される。 次に証明すべきサブゴールは、前述の例示で修正されたテーブル154より得 た”location(X3:on,910)”である。表4から明らかであるように、サブゴ ール”location(X3:on,910)”と一致する項目は存在しない。それは、前述の 例示によって引数”X3:on”がもはや変数ではなく定数になっているからである 。従ってこの時点では、証明は失敗して出力信号は生成されない。前述の説明か ら明らかであるように、テーブルB(1)の解釈は、命令”activate the camer a on the third floor”の誤った解釈であるから、これは勿論正しいのである。 推論モジュール146はこのようにしてテーブルB(2)の解釈を処理して行 く。テーブルB(2)のデータと、テーブル154の内容がテーブル150の内 容に対して処理することにより生成された様子を示す前述の説明を考慮すると、 処理テーブルB(2)の処理が完了すると、推論モジュール146はテーブル1 54へ次のテーブルC(2)に示すようなデータを挿入していることが推察され る。 既に示したように、これは次のようにルールとして扱われる。 action(s:on)if:switch(909,s) camera(909) location(909,910) third(910) floor(910) 表4の事実に対して最初に処理されるサブゴールが”switch(909,s)だとし て、ある地点で、事実”switch(C3,X3)との一致が見つかったとすると、変数 ”909”は”C3”に変更され、変数”S”は”X3”に変更される。こうしてテーブ ル154の内容全てに渡って例示が(ルールとして)行なわれる。 action(s:on)if: switch(C3,X3) camera(C3) location(C3,910) third(910) floor(910) 次に処理されるサブゴールは上述の例示で修正されたテーブル154の内容か ら得た”camera(C3)”である。表4からわかるように、このサブゴールはテー ブルの対応する項目”camcra(C3)”との一致により証明され、例示は行なわれ ない。従ってテーブル154の内容はここでは変更されない。 次に処理されるゴールは”location(C3,910)”である。ある地点でこのサ ブゴールと項目”location(C3,F3)”との一致が見つかったとすると、変数” 910と定数”F3”との例示が行なわれる。これはテーブル154の内容全てに渡 って行なわれて、テーブル154は次のように(ルールとして)示される。 action(s:on)if: switch(C3,X3) camera(C3) location(C3,F3) third(F3) floor(F3) それから、残りの2つのゴールすなわち”third(F3)”、”floor(F3)” が知識ベース156の情報に対して順に証明される。これらは対応する項目とそ れぞれ一致するので、この例では、ゴール action(x3:on) が証明されて、推論モジュール146は出力信号記憶部158へ信号”X3:on” を提供する。これにより、信号がインタフェース102を介してネットワーク1 04へ伝えられて、スイッチX3に受信される。スイッチX3は3階のカメラC 3をオンにする。 上述の説明から、次のことが理解できる。つまり、図示の実施例では、入力さ れた文の単数または複数の解釈を表1〜2を用いて作成する時に、表3へアクセ スする際に行なわれる例示が辞書の意味の異なる引数と正確に関連付けられるよ うに、表2、3、4がセットアップされていることが必要である。従って図示の 発明の実施例に基づいてシステムを構成する場合には、特定の用途のための表2 の内容を、表3の命令と事実と表4に示すその引数が互いに一致しするように決 定することが必要である。そうした一致により、テーブルB(1)の解釈では出 力信号生成が失敗するのに対し、テーブルB(2)の解釈では出力信号生成が成 功する。以下の、出力信号発生部によるこれらの解釈の処理を示す表サマリは、 そうした一致を明らかにしている。 既に明らかであるように、上記の2つの表サマリに表されている2つの異なる 処理の形は、入力した命令における前置詞”on”が他動詞”activatc”あるいは 名詞”camera”のどちらを修飾しているかに関する多義性から生じている。表2 により規定されている処理はこのタイプの多義性の可能性を考慮したものである 。図4からわかるように、前置詞の意味の第2の引数は他動詞の意味の第1の引 数あるいは名詞の意味の第2の引数とバインディングを形成する。表サマリの” テーブルB(1)より”とラベルの付いた第1欄において、述語”activate”の 第1の引数と述語”on”の第2の引数における値909はその解釈では、入力さ れた命令における前置詞on”は他動詞”activate”を修飾していると見なされて いることを表している。表サマリIに示す後続の処理では、その解釈が知識ベー スのデータと不一致であることを示している。 表サマリIIと図4について同様に検討すると、述語”camera”の第2の引数 と述語”on”の第3の引数の値909が、入力した命令のうち、前置詞”on”が 先行する名詞”camera”を修飾していることを表している。表サマリIIの残り と知識ベースに格納された事実を検討すると、この解釈が知識ベースの事実と一 致しており、従って出力信号が生成されることがわかる。 本発明に従って入力信号処理部により生成される出力信号を処理するための信 号発生部を構成する時には、入力信号からの信号が、所望の結果が得られるよう に解釈され処理されるように、その出力信号発生部を構成する必要がある。 命令の他の形 例1は命令”activate the camera on the third floor”の処理に基づいてい たが、同様に3階のカメラを始動させる結果を生じることになる別な形の命令は 、”observe the third floor”(3階を監視せよ)と”watch the peoplc on t he thirdfloor”(3階の人を監視せよ)である。 入力信号処理部122による命令”obscrve the thirdfloor”の処理により次 のテーブル144(テーブルAに対応する)のデータ(例1の記述を用いたもの )が生成される。 show(901,902,903) the(904,908) third(906,903) floor(908,903) ここには多義性は含まれていないため、推論モジュール146は、テーブル1 44の単一の解釈をテーブル148(テーブルBに対応)へ転送するのみである 。そして、このデータとテーブル150よりテーブル154へ挿入される証明す べきゴールを得て、知識ベース156の事実に対してサブゴールを処理する。こ れらの処理は以下の表サマリIIIに要約されている。 命令”watch the people on the third floor”はより多くの処理を要する。 それは、入力信号処理部122がテーブル144へ提供する出力データは複数の 多義性を表しているからである。 show(914,902,903) the(904,905) several(906,905) person(905,909) on(910,911,912) change-on(913,914) the(915,916) third(917,912) floor(916,912) 911=903,914 次の表サマリIVは命令”watch the people on the thirdfloor”を表し、出 力信号を生成する結果となる解釈を表すように選択されているものである。この 命令では出力信号を生成する結果とはならない他の多くの解釈も可能である。そ うした他の解釈は前述の説明を参考にこの例を検討することにより考慮できる。 選択及び変形例 上述の発明には多数の変形例が可能であり、幅広い応用が可能である。詳細な 説明ではないが、いくつかの可能な変形例と選択的な応用例を以下に示すことに する。 図示した実施例は、1セットの事実を持つ知識ベースを有しており、表4に示 すこれらの事実は装置の動作中は変化しないものとして説明されたが、システム が操作される時、知識ベースの事実が変化するようなシステムに、本発明を適用 することも可能である。上述のような演鐸法による証明の代わり発送的推論(あ るいは適応的な 推論abductive reasoner)による証明を行なってもよい。ある いは、変化する状況を考慮して知識ベースを修正する手段を設けることも可能で ある。例えば、図示の実施例では、スイッチX1〜X21をオンオフ切り替えす る信号は、適切な入力命令に応じて、スイッチの現時点の状況には関係なく生成 される。そこで、スイッチの状態が変化する度に、スイッチの現時点の状況を示 す事実を知識ベースに挿入して、既に切り替えられた状態のスイッチに対して同 じ切り替えの指示の信号を送ることを禁止する手段を設けることが可能である。 これは、知識ベースに各スイッチXnに関して、次の事実のうちのどちらかを格 納することにより達成できる。 currently(Xn:off) currently(Xn:on) この変形例では、推論モジュール146は、ゴール”action(Xn:on)”また は”action(Xn:off)”の証明の後で出力信 号を生成する前に、知識ベースをチェックして、切り替え対象のスイッチが、現 在指示された状態の反対の状態にある場合のみ、出力信号を生成する。 上に詳細に述べたように、表1に示す辞書では、第1欄は実施例で処理する、 入力された単語を全て含み、第3欄はこれらの単語の意味を示している。さらに 、表3の第1、第2欄はテーブルより生じた複数の意味を、複数のゴールまたは サブゴールへ翻訳するように構成されている。例えば、表1より得た意味 ”activate(1,2,3)”と”switch(y,s)”、意味”extinguish”は”actio n(e),light(y),switch(y,ls)”に翻訳される。発明の範囲内で、この 翻訳の一部(some)あるいは全部を辞書により行うようにすることが可能である 。これにより、表1の第3欄における意味の適切な拡大あるいは修正が行なわれ ることになる。例えば、上述の構成の表3は以下の単語の翻訳を含んでいる。 しかし、表1にこれらの翻訳を配して、表3においてこれらを証明する必要性 を無くすことも可能である。 詳細に説明した実施例では辞書にはテーブル132と138が別々に設けられ 、入力した各単語に関してカテゴリと意味を示しており、表2は各カテゴリを処 理する命令を示している。しかし、 発明の範囲内で、2つのテーブルのデータを結合して1つのテーブルに示すこと も可能である。この場合は、表1の中央の欄は表2の命令と置き換えられる。 発明の図示の都合上、建物の中のスイッチを制御するという、実施例としては 比較的単純な応用例を説明したが、実際には本発明は幅広い応用が可能であり、 より複雑な動作に有効である。発明は例えば、コンピュータ制御による生産プロ セスなどあらゆる種類のスイッチ制御にも利用できる。また、例えばデータベー スの検索や自然言語から他の言語への翻訳など、コンピュータシステム自体の制 御命令を扱うことにも利用できる。このように、自然言語または他の言語による 命令や情報を受け取って、さらに行なわれる処理に有益な形で出力信号を生成す る、本発明に従った信号処理は、自然言語または他の言語の入力から生じた入力 信号に応じて制御信号を生成することを必要とする、あらゆる状況に適用するこ とが可能である。こうして、出力信号発生部を、入力信号処理部からの信号に応 じて有益な出力信号を生成し、他の装置、システム、機器またはプログラムモジ ュールに供給するための装置またはシステムに替えることもできる。そうした出 力信号は、ここては”制御”信号と称されているが、この表現は広い範囲を持つ ように意図されたものであるということが理解されるべきである。このように、 本発明による信号処理装置は様々なシステムの要素を形成することが可能である 。 図示の実施例では入力される命令に英語を使用しているが、本発明の実施例は このような単語(words as such)が使用され ない他の言語でも動作するよう構成されている。そうした言語の例は漢字または 仮名で書かれた日本語である。 本発明は、例えば言語PROLOGを利用して、ソフトウェアにより実現する ことができる。また、他の言語を用いて本発明を実現することもできる。さらに 、本発明はハードウェア及び/またはファームウェアによって部分的にあるいは 全体的に実現することも可能である。例えば、表1、2の内容を、ソフトウェア により実現する代わりに、ROMに格納したり、あるいは、システムはより複雑 化するけれども、ハードウェアのディジタル回路により実現することができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.複数の異なるカテゴリに属する連続した複数の異なる所定信号を処理して 、その入力信号と前記カテゴリ間の所定の関係とに応じた出力信号を生成する信 号処理装置であって、 異なる前記所定信号を処理する際に、処理中の信号のカテゴリに依存する異な るサーチコードを格納する手段と、 以前に処理された前記所定信号に応じて格納されたサーチコードの中から、処 理中の所定信号のカテゴリに基づく異なる前記サーチコードを検索する手段と、 前記サーチ結果に基づいて、前記処理された所定信号間の関係を規定する手段 と、 処理された所定の入力信号と前記定義された関係とに基づいて、出力信号を形 成する手段を備えることを特徴とする信号処理装置。 2.前記異なるカテゴリに属する複数の異なる入力信号を、前記所定信号に変 換する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。 3.前記変換手段は、自然言語の単語または他の単位を表す入力信号を前記所 定信号に変換し、そして前記カテゴリは語彙葉範疇であることを特徴とする請求 項2に記載の信号処理装置。 4.前記所定の関係は前記自然言語の文法に従った異なる語彙範疇間の関係に 基づいていることを特徴とする請求項3に記載の信号処理装置。 5.各々の所定信号は、入力信号によって表される単語または他の単位の意味 の表現を有することを特徴とする請求項3または 4に記載の信号処理装置。 6.前記変換手段は、前記意味を表すために、入力信号の少なくともいくつか の対応する複数の前記所定信号を処理しながら、前記いくつかの入力信号を対応 する複数の前記所定信号へ変換することを特徴とする請求項5に記載の信号処理 装置。 7.前記入力信号のいくつかは各単一の所定信号へ変換され、前記入力信号の うちのその他の信号は処理されながら各々対応する複数の所定信号へ変換される ことを特徴とする請求項5に記載の信号処理装置。 8.前記変換手段は、ルックアップテーブルと、前記テーブルにアクセスして 入力信号と前記所定信号の両方のカテゴリを得る手段とを備えることを特徴とす る請求項2から7のいずれかに記載の信号処理装置。 9.少なくとも1つの前記カテゴリの処理に応じて、いずれのサーチコードも 格納されないことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の信号処理装置。 10.少なくとも1つの前記カテゴリの処理に応じて、1つのサーチコードの み格納されることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の信号処理装置。 11.少なくとも1つの前記カテゴリの処理に応じて、複数の異なるサーチコ ードが格納されることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の信号処理 装置。 12.少なくとも1つの前記カテゴリの処理に応じて、サーチコードの検索は 行なわれないことを特徴とする請求項1〜11の いずれかに記載の信号処理装置。 13.少なくとも1つの前記カテゴリに属する所定信号の処理に応じて、1つ のサーチコードの検索のみ行なわれることを特徴とする請求項1〜12のいずれ かに記載の信号処理装置。 14.少なくとも1つの前記カテゴリの処理に応じて、複数の異なるサーチコ ードの検索が行なわれることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の信 号処理装置。 15.異なるサーチコードを格納する前記手段と、以前に格納されたサーチコ ードを検索する前記手段とは、前記カテゴリを格納し検索するための命令を含む ルックアップテーブルを備えていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか に記載の信号処理装置。 16.少なくとも1つの前記カテゴリの処理で行なわれた検索で、以前に格納 された所定のサーチコードが見つかった場合、少なくとも1つの前記カテゴリに 対し、そのサーチコードは削除されることを特徴とする請求項1〜15のいずれ かに記載の信号処理装置。 17.前記ルックアップテーブルは前記削除の実行のための命令を含むことを 特徴とする請求項15に従属する請求項16に記載の信号処理装置。 18.前記所定信号の各々は、前記信号を識別する第1の部分と、前記関係を 規定する第2の部分とを備え、前記関係規定手段は、前記所定信号の前記第2部 分を利用して前記関係を規定することを特徴とする請求項1〜17のいずれかに 記載の信号処理装 置。 19.前記関係規定手段は前記所定信号の第2部分に値を割り当て、前記検索 の結果に基づいて異なる所定信号の異なる値を互いに関係付けることにより、前 記関係を規定することを特徴とする請求項18に記載の信号処理装置。 20.前記所定信号は引数を持つ述語の形を取り、前記信号の第1部分は述語 の名前を有し、第2部分は引数を有することを特徴とする請求項18または19 に記載の信号処理装置。 21.前記関係規定手段は連続する前記所定信号が処理される際に連続する値 を前記引数に割り当て、前記検索の結果に応じて異なる前記所定信号の引数に割 り当てられた値を互いに等式化することによって前記関係を規定することを特徴 とする請求項20に記載の信号処理装置。 22.前記出力信号形成手段は、前記関係規定手段により形成された等式化さ れた値に基づいて、前記引数における値を例示することを特徴とする請求項21 に記載の信号処理装置。 23.第1のグループの語彙範疇に対応する前記所定信号には、少なくとも2 つの引数が与えられ、第2のグループの語彙範疇に対応する前記所定信号には、 少なくとも3つの引数が与えらることを特徴とする請求項3〜7のいずれか、あ るいは請求項3〜7のいずれかに直接または間接に従属する、そして請求項20 〜22のいずれかに記載の信号処理装置。 24.前記第1のグループの前記語彙範疇は、名詞、助動詞、否定詞、不定的 小辞の”To”、自動詞、限定詞、形容詞、副詞、 強調詞の内の少なくとも1つのカテゴリを含むことを特徴とする請求項23に記 載の信号処理装置。 25.前記第2のグループの前記語彙範疇は、前置詞、他動詞、”To動詞” の内の少なくとも1つのカテゴリを含むことを特徴とする請求項23または24 に記載の信号処理装置。 26.前記関係規定手段は、前記第1のグループの語彙範疇の単語または他の 単位より生じた現時点の前記所定信号の処理の際に、第1の引数を用いて、現時 点の所定信号と、単数または複数の単語、あるいはその単数または複数の単語を 修飾する単数または複数の他の単位、あるいは前記現時点の所定信号が生じた他 の単位から生じる他の単数または複数の所定信号との間の関係を規定し、 また、前記第2の引数を用いて、前記現時点の所定信号と、単語またはその単 語に修飾される他の単位、あるいは現時点の所定信号が生じた他の単位から生じ る所定信号との間の関係を規定すことを特徴とする請求項24に記載の信号処理 装置。 27.前記関係規定手段は、前記第1のグループの語彙範疇の単語または他の 単位より生じた現時点の前記所定信号の処理の際に、第1の引数を用いて、現時 点の所定信号と、単数または複数の単語、あるいはその単数または複数の単語を 修飾する単数または複数の他の単位、あるいは前記現時点の所定信号が生じた他 の単位から生じる、他の単数または複数の所定信号との間の関係を規定し、 また、前記第2及び第3の引数を用いて、前記現時点の所定信 号と、複数の単語から生じる所定信号、またはその単語あるいは現時点の所定信 号が生じた他の単位に修飾される単位から生じる所定信号との間の関係を規定す ることを特徴とする請求項23〜26のいずれかに記載の信号処理装置。 28.前記関係規定手段は、現時点の前記所定信号を処理する際に、前記検索 の所定の結果に応じて、前記の所定信号と複数の以前に処理された前記所定信号 間の複数の関係を規定するように動作し、 前記複数の関係は現時点の所定信号の同一の引数を用いて規定され、 前記出力信号形成手段は、前記複数の定義された関係の各々に対して異なる各 出力信号を規定するように動作することを特徴とする請求項20〜27のいずれ かに記載の信号処理装置。 29.前記関係規定手段は、前記検索の所定の結果に応じて、複数の前記所定 信号の各々を一方とし、共通の以前に処理された前記所定信号を他方とした間の 関係を規定し、前記以前に処理された所定信号の同一の引数を用いて前記関係の 各々を規定するように動作し、 前記出力信号を形成する手段は、前記複数の関係の各々に対応する異なる前記 出力信号を規定することを特徴とする請求項20〜28のいずれかに記載の信号 処理装置。 30.前記関係規定手段は第1の前記所定信号と第2の前記所定信号間の第1 及び第2の前記関係を規定し、 前記関係の1つは、前記所定信号の内の1つの信号の1つの引 数と、前記所定信号の他のものの1つの引数とを用いて規定され、 前記所定の関係の他の1つは、前記1つの所定信号の同一の引数と、前記他の 所定信号の別の引数とを用いて規定され、 前記出力信号を形成する手段は、前記関係の各々対して異なる前記出力信号を 規定することを特徴とする請求項20〜29のいずれかに記載の信号処理装置。 31.前記検索手段は、先行する単数または複数の単語あるいは他の単数また は複数の単位を修飾する単語または他の単位より生じる、現時点の前記所定信号 を処理する際に、前記前記先行する単数または複数の単語あるいは他の単数また は複数の単位より生じた所定信号の以前の処理に応じて格納されたサーチコード の全出現を検索し、 前記関係規定手段は見つかった各出現に関して前記関係を規定することを特徴 とする請求項3あるいは請求項3に直接または間接に従属するいずれかの請求項 に記載の信号処理装置。 32.前記検索手段は、先行する単語または他の単位に修飾される単語または 他の単位より生じた前記所定信号を処理する際に、前記先行する単語または他の 単位より生じた前記所定信号の処理に応じて格納されたサーチコードのうち、最 新に格納されたコードの出現が見つかった時点で、検索を終了し、 前記関係規定手段は、前記見つかった出現に対して前記関係を規定することを 特徴とする請求項3あるいは請求項3に直接または間接に従属するいずれかの請 求項に記載の信号処理装置。 33.前記サーチコードの格納は、前記所定信号の各々を処理 する際に、前記検索に続いて行なわれることを特徴とする請求項1〜32のいず れかに記載の信号処理装置。 34.後続の所定信号の受信を待つことなく、各所定信号の処理を行うことを 特徴とする請求項1〜33のいずれかに記載の信号処理装置。 35.前記出力信号に応じて出力信号に基づく制御信号を生成する手段を含む ことを特徴とする請求項1〜34のいずれかに記載の信号処理装置。 36.前記制御信号生成手段は、前記所定信号に関する知識ベースと、前記知 識ベースに対して出力信号を処理して、前記制御信号を生成する手段とを含むこ とを特徴とする請求項35に記載の信号処理装置。 37.複数のプログラムを有するディジタルコンピュータを備え、前記プログ ラムは前記手段の各々を構成することを特徴とする請求項1〜36のいずれかに 記載の信号処理装置。 38.複数のスイッチを備えるスイッチング装置及び前記スイッチを制御する 信号処理装置であって、前記信号処理装置は前記スイッチを始動するための命令 を受信し、前記命令を前記所定信号に変換し、前記命令に応じて前記スイッチを 始動することを特徴とする請求項1〜37のいずれかに記載のスイッチング装置 及び信号処理装置。 39.自然言語の単語または他の単位を表す、連続した入力信号を処理する信 号処理装置であって、前記単語または他の単位は複数の異なる語彙範疇に属し、 前記装置は、前記入力信号と前記 語彙範疇の間の所定の関係とに基づいて出力信号を生成する装置であって、 前記入力信号を、各々が、単語または他の単位の意味を表現する述語と前記関 係を規定するための引数とを備え、その引数の数が対応する入力信号が属する語 彙範疇に依存しているところの、所定信号に変換する手段と、 異なる前記所定信号の各々の異なる引数の各々に、固有の値を割り当てる手段 と、 各入力信号が属す語彙範疇を決定する手段と、 前記決定手段に応じて、各異なる語彙範疇の入力信号に対応する所定信号を処 理する際に、異なるサーチコードを格納する手段と、 以前に処理された入力信号に応じて格納された異なるサーチコードを検索する 手段であって、前記決定手段に応じて、処理中の入力信号の語彙範疇に基づいて 異なるコードの検索を行ない、前記語彙範疇に従って前記所定信号間の許容可能 な関係を確立する手段と、 異なる前記所定信号の引数に割り当てられた値を互いに等式化することにより 、前記関係を規定する手段と、 前記引数の値を例示する手段であって、入力信号と前記関係の両方に基づいて 出力信号を提供する例示手段とを備えることを特徴とする信号処理装置。 40.1組の所定の信号エレメントを規定する手段と、 処理可能な1組の入力信号を規定する手段であって、各入力信 号は前記信号エレメントの順序立った組み合わせを有している、規定手段と、 前記入力信号に対して複数の異なるカテゴリを規定する手段と、処理すべき入 力信号を受信する入力手段と、 前記入力手段により受信された各入力信号のカテゴリを規定する手段と、 前記入力信号のカテゴリと、その入力信号が配列されている順序に従って、前 記入力手段により受信された入力信号間にリンクを確立する手段と、 入力信号と信号間のリンクとに基づいて出力信号を生成する手段とを備えるこ とを特徴とする信号処理装置。 41.1組の所定の信号エレメントを規定する手段と、 各入力信号が前記信号エレメントの順序立った組み合わせを有するところの、 1組の処理すべき入力信号を規定する手段と、 前記入力信号に対して複数の異なるカテゴリを規定する手段と、 入力信号のカテゴリと前記入力信号の順序とに基づいて入力信号間に許容可能 なリンクを規定する手段と、 処理すべき入力信号を受信する手段と、 各入力信号を順に処理して各信号のカテゴリを決定する手段であって、以前に 処理された入力信号のカテゴリと受信された入力信号の順序とに基づいて、各入 力信号と以前に入力されたいずれかの信号との許容可能なリンクを規定する手段 と、 入力信号と入力信号間で定義されたリンクとに基づいて出力信号を生成する手 段とを備えることを特徴とする信号処理装置。 42.信号処理装置であって、 この装置に処理可能な複数の異なる入力信号を規定する手段であって、その異 なる入力信号が夫々自然言語の異なる単語または他の単位に関係するように規定 する手段と、 各入力単語または他の単位に応じて、サーチコードを割り当てて、そのサーチ コードをメモリエリアに格納する手段と、 各単語または他の単語入力に応じて、前記メモリエリアに以前に格納された所 定のサーチコードを検索する手段と、 前記所定のサーチコードの検索における位置に応じて、現時点の信号と以前の 信号との間にリンクを規定する手段とを備えることを特徴とする信号処理装置。 43.入力信号を、自然言語の個々の単語または他の単位を表す入力形式から 、前記自然言語の単語または他の単位のグループの意味を表す出力形式へ変換す る信号処理装置であって、 前記システムによって処理可能な、前記自然言語の単語または他の単位を規定 する、格納手段と、 異なるカテゴリの入力単語または他の単位に応じて異なるサーチコードを割り 当て、この割り当てられたサーチコードを格納する手段と、 前記入力単語または他の単位に応じて、前記格納されたサーチコードの中から 、所定のカテゴリの入力単語または他の単位に応じて割り当てられたところの、 所定の互換性のあるサーチコードの検索を行う手段と、 現在割り当てられたサーチコードと互換性のあるサーチコード の前記検索における位置に応じて、リンクを規定する手段とを備えることを特徴 とする信号処理装置。 44.自然言語の個々の単語または他の単位を表す形式の入力信号を、その自 然言語の単語または他の単位のグループの意味を表す形式の出力信号へ変換する 信号処理装置であって、 前記自然言語の複数の単語または他の単位を、これらが異なるカテゴリに属す るように規定する手段と、 複数の異なるサーチコードを規定する手段と、 少なくともいくつかの前記カテゴリの単語または他の単位を表す入力信号に応 じて所定の前記サーチコードを選択する手段であって、異なる前記サーチコード は異なる前記カテゴリの単語または他の単位を表す入力信号に応じて選択される ところの、選択手段と、 選択されたサーチコードを格納する手段と、 後続の前記入力信号に応じて前記格納されたサーチコードの検索を行う手段で あって、異なる前記カテゴリの単語または他のユニットを表すところの前記後続 の入力信号に応じて異なる所定のサーチコードを検索する検索手段と、 前記検索で見つかった前記所定のサーチコード間のリンクを規定する手段と、 複数の前記入力信号から生じた信号と、前記リンクから生じた信号とを組み合 わせて意味を表す前記出力信号を出力する手段とを備えることを特徴とする信号 処理装置。 45.複数の異なるカテゴリに属する連続した複数の異なる所定 信号を処理して、その入力信号と前記カテゴリ間の所定の関係とに応じた出力信 号を生成する信号処理方法であって、 異なる前記所定信号を処理する際に、処理中の信号のカテゴリに依存する異なる サーチコードを格納する手段と、 以前に処理された前記所定信号に応じて格納されたサーチコードの中から、処理 中の所定信号のカテゴリに基づく異なる前記サーチコードを検索する手段と、 前記サーチ結果に基づいて、前記処理された所定信号間の関係を規定する手段と 、 処理された所定の入力信号と前記定義された関係とに基づいて、出力信号を形成 する手段を備えることを特徴とする信号処理 46.前記異なるカテゴリに属する複数の異なる入力信号を、前記所定信号に変 換する手段を含むことを特徴とする請求項45に記載の信号処理方法。 47.前記入力信号は自然言語の単語または他の単位を表し、そして前記カテゴ リは語彙範疇であることを特徴とする請求項46に記載の信号処理方法。 48.前記所定の関係は前記自然言語の文法に従った異なる語彙範疇間の関係に 基づいていることを特徴とする請求項47に記載の信号処理方法。 49.各々の所定信号は、入力信号によって表される単語または他の単位の意味 の表現を有することを特徴とする請求項47または48に記載の信号処理方法。 50.前記意味を表すために、入力信号の少なくともいくつかの 対応する複数の前記所定信号を処理しながら、前記いくつかの入力信号は対応す る複数の前記所定信号へ変換されるることを特徴とする請求項49に記載の信号 処理方法。 51.前記入力信号のいくつかは各単一の所定信号へ変換され、前記入力信号の うちのその他の信号は処理されながら各々対応する複数の所定信号へ変換される ことを特徴とする請求項49に記載の信号処理方法。 52.ルックアップテーブルがアクセスされて、入力信号と前記所定信号の両方 のカテゴリを得ることを特徴とする請求項46〜51のいずれかに記載の信号処 理方法。 53.少なくとも1つの前記カテゴリの処理に応じて、いずれのサーチコードも 格納されないことを特徴とする請求項45〜52のいずれかに記載の信号処理方 法。 54.少なくとも1つの前記カテゴリの処理に応じて、1つのサーチコードのみ 格納されることを特徴とする請求項45〜53のいずれかに記載の信号処理方法 。 55.少なくとも1つの前記カテゴリの処理に応じて、複数の異なるサーチコー ドが格納されることを特徴とする請求項45〜54のいずれかに記載の信号処理 方法。 56.少なくとも1つの前記カテゴリの処理に応じて、サーチコードの検索は行 なわれないことを特徴とする請求項45〜55のいずれかに記載の信号処理方法 。 57.少なくとも1つの前記カテゴリに属する所定信号の処理に応じて、1つの サーチコードの検索のみ行なわれることを特徴と する請求項45〜56のいずれかに記載の信号処理方法。 58.少なくとも1つの前記カテゴリの処理に応じて、複数の異なるサーチコー ドの検索が行なわれることを特徴とする請求項45〜57のいずれかに記載の信 号処理方法。 59.ルックアップテーブルがアクセスされて、前記カテゴリを格納し検索する ための命令をそのルックアップテーブから得ることを特徴とする請求項45〜5 8のいずれかに記載の信号処理方法。 60.少なくとも1つの前記カテゴリの処理で行なわれた検索で、以前に格納さ れた所定のサーチコードが見つかった場合、少なくとも1つの前記カテゴリに対 し、そのサーチコードは削除されることを特徴とする請求項45〜59のいずれ かに記載の信号処理方法。 61.前記ルックアップテーブルは前記削除の実行のための命令を含むことを特 徴とする請求項59に従属する請求項60に記載の信号処理方法。 62.前記所定信号の各々は、前記信号を識別する第1の部分と、前記関係を規 定する第2の部分とを備え、前記関係規定手段は、前記所定信号の前記第2部分 を利用して前記関係を規定することを特徴とする請求項45〜61のいずれかに 記載の信号処理方法。 63.前記関係は、前記検索の結果に応じて互いに異なる所定信号の異なる値に よって規定されることを特徴とする請求項62に記載の信号処理方法。 64.前記所定信号は引数を持つ述語の形を取り、前記信号の第 1部分は述語の名前を有し、第2部分は引数を有することを特徴とする請求項6 2または63に記載の信号処理方法。 65.前記連続する値は連続する前記所定信号が処理される際に前記引数に割り 当てられ、前記検索の結果に応じて異なる前記所定信号の引数に割り当てられた 値を互いに等式化することによって前記関係が規定されることを特徴とする請求 項64に記載の信号処理方法。 66.前記出力信号を形成するために、前記関係規定手段により形成された等式 化された値に基づいて、前記引数における値が例示されることを特徴とする請求 項65に記載の信号処理方法。 67.第1のグループの語彙範疇に対応する前記所定信号には、少なくとも2つ の引数が与えられ、第2のグループの語彙範疇に対応する前記所定信号には、少 なくとも3つの引数が与えらることを特徴とする請求項47〜51のいずれか、 あるいは請求項47〜51のいずれかに直接または間接に従属する、そして請求 項52〜63のいずれかに記載の信号処理方法。 68.前記第1のグループの前記語彙範疇は、名詞、助動詞、否定詞、不定的小 辞の”To”、自動詞、限定詞、形容詞、副詞、強調詞の内の少なくとも1つの カテゴリを含むことを特徴とする請求項67に記載の信号処理方法。 69.前記第2のグループの前記語彙範疇は、前置詞、他動詞、”To動詞”の 内の少なくとも1つのカテゴリを含むことを特徴とする請求項67または68に 記載の信号処理方法。 70.前記第1のグループの語彙範疇の単語または他の単位より 生じた現時点の前記所定信号の処理の際に、現時点の所定信号と、単数または複 数の単語、あるいはその単数または複数の単語を修飾する単数または複数の他の 単位、あるいは前記現時点の所定信号が生じた他の単位から生じる他の単数また は複数の所定信号との間の関係を規定するために、第1の引数が用いられ、 また、前記現時点の所定信号と、単語またはその単語に修飾される他の単位、あ るいは現時点の所定信号が生じた他の単位から生じる所定信号との間の関係を規 定するために、前記第2の引数が用いられることを特徴とする請求項68に記載 の信号処理方法。 71.前記第1のグループの語彙範疇の単語または他の単位より生じた現時点の 前記所定信号の処理の際に、現時点の所定信号と、単数または複数の単語、ある いはその単数または複数の単語を修飾する単数または複数の他の単位、あるいは 前記現時点の所定信号が生じた他の単位から生じる、他の単数または複数の所定 信号との間の関係を規定するために、第1の引数が用いられ、 また、前記現時点の所定信号と、複数の単語から生じる所定信号、またはその単 語あるいは現時点の所定信号が生じた他の単位に修飾される単位から生じる所定 信号との間の関係を規定するために、第2と第3の引数が用いられることを特徴 とする請求項67〜70のいずれかに記載の信号処理方法。 72.現時点の前記所定信号を処理する際に、前記検索の所定の結果に応じて、 前記の所定信号と複数の以前に処理された前記所定信号間の複数の関係が規定さ れ、 前記複数の関係は現時点の所定信号の同一の引数を用いて規定さ れ、 前記複数の定義された関係の各々に対して異なる各出力信号が規定されることを 特徴とする請求項64〜71のいずれかに記載の信号処理方法。 73.前記検索の所定の結果に応じて、複数の前記所定信号の各々を一方とし、 共通の以前に処理された前記所定信号を他方とした間の関係が規定され、前記以 前に処理された所定信号の同一の引数を用いて前記関係の各々が規定され、 前記複数の関係の各々に対応する異なる前記出力信号が規定されることを特徴と する請求項64〜72のいずれかに記載の信号処理方法。 74.第1及び第2の前記関係が第1の前記所定信号と第2の前記所定信号間で 規定され、 前記関係の1つは、前記所定信号の内の1つの信号の1つの引数と、前記所定信 号の他のものの1つの引数とを用いて規定され、前記所定の関係の他の1つは、 前記1つの所定信号の同一の引数と、前記他の所定信号の別の引数とを用いて規 定され、 前記関係の各々対して異なる前記出力信号が規定されることを特徴とする請求項 64〜73のいずれかに記載の信号処理方法。 75.先行する単数または複数の単語あるいは他の単数または複数の単位を修飾 する単語または他の単位より生じる、現時点の前記所定信号を処理する際に、前 記前記先行する単数または複数の単語あるいは他の単数または複数の単位より生 じた所定信号の以前の処理に応じて格納されたサーチコードの全出現を検索し、 見つかった各出現に関して前記関係が規定されることを特徴とする請求項47あ るいは請求項47に直接または間接に従属するいずれかの請求項に記載の信号処 理方法。 76.先行する単語または他の単位に修飾される単語または他の単位より生じた 前記所定信号を処理する際に、前記先行する単語または他の単位より生じた前記 所定信号の処理に応じて格納されたサーチコードのうち、最新に格納されたコー ドの出現が見つかった時点で、検索が終了し、 前記見つかった出現に対して前記関係が規定されることを特徴とする請求項47 あるいは請求項47に直接または間接に従属するいずれかの請求項に記載の信号 処理方法。 77.前記サーチコードの格納は、前記所定信号の各々を処理する際に、前記検 索に続いて行なわれることを特徴とする請求項45〜76のいずれかに記載の信 号処理方法。 78.後続の所定信号の受信を待つことなく、各所定信号の処理を行うことを特 徴とする請求項45〜77のいずれかに記載の信号処理方法。 79.前記出力信号に応じて出力信号に基づく制御信号を生成する工程を含むこ とを特徴とする請求項45〜78のいずれかに記載の信号処理方法。 80.前記出力信号が、前記制御信号を生成するために知識ベースを参照して処 理されることを特徴とする請求項36に記載の信号処理方法。 81.プログラム化されたディジタルコンピュータによって実行 されることを特徴とする請求項45〜80のいずれかに記載の信号処理方法。 82.自然言語の単語または他の単位を表す、連続した入力信号を処理する信号 処理方法であって、前記単語または他の単位は複数の異なる語彙範疇に属し、前 記方法は、前記入力信号と前記語彙範疇の間の所定の関係とに基づいて出力信号 を生成する方法であって、 前記入力信号を、各々が、単語または他の単位の意味を表現する述語と前記関係 を規定するための引数とを備え、その引数の数が対応する入力信号が属する語彙 範疇に依存しているところの、所定信号に変換し、 異なる前記所定信号の各々の異なる引数の各々に、固有の値を割り当て、 各入力信号が属す語彙範疇を決定し、 前記決定手段に応じて、各異なる語彙範疇の入力信号に対応する所定信号を処理 する際に、異なるサーチコードを格納し、 以前に処理された入力信号に応じて格納された異なるサーチコードを検索するた めに、処理中の入力信号の語彙範疇に基づいて異なるコードの検索を行ない、前 記語彙範疇に従って前記所定信号間の許容可能な関係を確立し、 異なる前記所定信号の引数に割り当てられた値を互いに等式化することにより、 前記関係を規定し、 入力信号と前記関係の両方に基づいて出力信号を提供するために、前期比奇数の 値を例示することを特徴とする信号処理方法。 83.1組の所定の信号エレメントを規定し、 処理可能な1組の入力信号を規定するために、各入力信号を、前記信号エレメン トの順序立った組み合わせを有するように規定し、前記入力信号に対して複数の 異なるカテゴリを規定し、 処理すべき入力信号を受信し、 受信された各入力信号のカテゴリを規定し、 前記入力信号のカテゴリと、その入力信号が配列されている順序に従って、受信 された入力信号間にリンクを確立し、 入力信号と信号間のリンクとに基づいて出力信号を生成することを特徴とする信 号処理方法。 84.1組の所定の信号エレメントを規定し、 1組の処理すべき入力信号を、その各入力信号が前記信号エレメントの順序立っ た組み合わせを有するように規定し、 前記入力信号に対して複数の異なるカテゴリを規定し、 入力信号のカテゴリと前記入力信号の順序とに基づいて入力信号間に許容可能な リンクを規定し、 処理すべき入力信号を受信し、 各入力信号を順に処理して各信号のカテゴリを決定するために、以前に処理され た入力信号のカテゴリと受信された入力信号の順序とに基づいて、各入力信号と 以前に入力されたいずれかの信号との許容可能なリンクを規定し、 入力信号と入力信号間で定義されたリンクとに基づいて出力信号を生成すること を特徴とする信号処理方法。 85.信号処理方法であって、 この方法に処理可能な複数の異なる入力信号を、その異なる入力信号が夫々自然 言語の異なる単語または他の単位に関係するように規定し、 各入力単語または他の単位に応じて、サーチコードを割り当てて、そのサーチコ ードをメモリエリアに格納し、 各単語または他の単語入力に応じて、前記メモリエリアに以前に格納された所定 のサーチコードを検索し、 前記所定のサーチコードの検索における位置に応じて、現時点の信号と以前の信 号との間にリンクを規定することを特徴とする信号処理方法。 86.入力信号を、自然言語の個々の単語または他の単位を表す入力形式から、 前記自然言語の単語または他の単位のグループの意味を表す出力形式へ変換する 信号処理方法であって、 前記システムによって処理可能な、前記自然言語の単語または他の単位を規定す る信号を格納し、 異なるカテゴリの入力単語または他の単位に応じて異なるサーチコードを割り当 て、この割り当てられたサーチコードを格納し、前記入力単語または他の単位に 応じて、前記格納されたサーチコードの中から、所定のカテゴリの入力単語また は他の単位に応じて割り当てられたところの、所定の互換性のあるサーチコード の検索を行い、 現在割り当てられたサーチコードと互換性のあるサーチコードの前記検索におけ る位置に応じて、リンクを規定することを特徴とする信号処理方法。 87.自然言語の個々の単語または他の単位を表す形式の入力信号を、その自然 言語の単語または他の単位のグループの意味を表す形式の出力信号へ変換する信 号処理方法であって、 前記自然言語の複数の単語または他の単位を、これらが異なるカテゴリに属する ように規定し、 複数の異なるサーチコードを規定し、 少なくともいくつかの前記カテゴリの単語または他の単位を表す入力信号に応じ て所定の前記サーチコードを、選択するために、異なる前記サーチコードを、異 なる前記カテゴリの単語または他の単位を表す入力信号に応じて選択し、 選択されたサーチコードを格納し、 後続の前記入力信号に応じて前記格納されたサーチコードの検索を行うために、 異なる前記カテゴリの単語または他のユニットを表すところの前記後続の入力信 号に応じて異なる所定のサーチコードを検索し、 前記検索で見つかった前記所定のサーチコード間のリンクを規定し、 複数の前記入力信号から生じた信号と、前記リンクから生じた信号とを組み合わ せて意味を表す前記出力信号を出力することを特徴とする信号処理方法。 88.請求項45〜80及び請求項82〜87のいずれかに記載の信号処理方法 を実行するための命令を備えたコンピュータプログラムが格納された格納媒体あ るいは装置。 89.実質的に、添付図面の図2で符号122により識別された 部分及び、図3〜15を参照して記述された信号処理装置。 90.実質的に、添付図面の図2で符号122により識別された部分及び、図3 〜15を参照して記述された信号処理方法。 91.実質的に、添付図面の図2〜15を参照して記述されたように動作可能な 、スイッチ制御装置。 92.実質的に、添付図面の図2〜15を参照して記述されたスイッチ制御方法 。 93.実質的に、添付図面の図2〜15を参照して記述されたスイッチ制御装置 。
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