JPH085021A - 液体燃料燃焼装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 バーナ本体の熱がバーナケースに伝わるのを
抑制しつつ、固定金具によりバーナ本体とバーナケース
との間からの空気の漏れを効率よく防止する。 【構成】 バーナ本体１１と、このバーナ本体１１の外
周に設けられた有底筒状のバーナケース７とを備え、前
記バーナ本体１１下面には環状の突起３０を設けたこと
により、バーナ本体１１とバーナケース７とがバーナ本
体１１下面に設けられた環状の突起３０にて接触するた
め、バーナ本体の熱がバーナケースに伝わりにくくなる
とともに、別途にシール材を用いなくて済み、部品点数
の低減を図りつつ、コストを低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、強制給排気式石油温風
暖房機等に使用される気化式の液体燃料燃焼装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】この種の液体燃料燃焼装置としては、例
えば、特公平３ー６４７６８号公報に記載されているよ
うに、バーナ本体と、このバーナ本体の外周に設けられ
た有底筒状のバーナケースと、バーナケース上部に連設
した燃焼筒とを備え、燃料ノズルから供給された液体燃
料を、回転霧化器の遠心力を利用してバーナ本体の気化
筒内部に飛散させて気化し、この気化ガスを気化筒内部
で燃焼空気と予混合させた後、バーナヘッドの炎孔から
噴出させて燃焼させるロータリーガス化式の液体燃料燃
焼装置が知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この種のロータリーガ
ス化式の液体燃料燃焼装置では、バーナ本体下面に燃料
パイプと燃焼用空気を導入するための開口が設けられて
おり、燃焼用空気が、バーナ本体とバーナケースとの間
に漏れるのを防止するため、バーナ本体下面の開口周囲
とバーナケースとをシール材を介してネジ等で固定する
必要があり、構造が大変複雑となり、コストがかかるば
かりでなく、生産工程が複雑になる欠点があった。

【０００４】本発明は、上述した事実に鑑みて成された
ものであり、部品点数の低減を図ることでコストを低減
させ、製造工程の単純化を図るとともに、バーナ本体の
シール性を向上することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明では、気化式のバ
ーナ本体と、このバーナ本体の外周に設けられた有底筒
状のバーナケースとを備え、前記バーナ本体下面には環
状の突起を設けた構成である。

【０００６】また、本発明では、下面に環状の突起を設
けた気化式のバーナ本体と、このバーナ本体の外周に設
けられた有底筒状のバーナケースと、バーナケース上部
に連設した燃焼筒と、一端が前記バーナ本体の上部に係
止されると共に、他端が前記バーナケースと燃焼筒との
連設部に挟持される固定金具とを備え、この固定金具に
よって前記バーナ本体下面の環状の突起がバーナケース
底部に圧着されている構成である。

【０００７】

【作用】請求項１に係る発明では、気化式のバーナ本体
とバーナケースとを、バーナ本体下面に設けられた環状
の突起を利用して接触させているため、バーナ本体の熱
がバーナケースに伝わりにくくしつつ、バーナ本体下面
に開口がある場合でも、別途シール材を用いなくてもシ
ール性が損われることがないようにでき、部品点数の低
減を図りつつ、コストを低減できる。

【０００８】また、請求項２に係る発明では、バーナ本
体をバーナケースに組み付ける際に、バーナケースとバ
ーナ本体との結合部に固定金具の一端を挟持させ係止し
つつ、この固定金具の他の一端をバーナ本体の上部に係
止させることで、バーナ本体下面に設けられた環状の突
起をバーナケース底壁に圧着できるため、バーナ本体を
バーナケース内に固定する際に、ネジ等の部品が不要に
なる。これにより、バーナ本体の熱がバーナケースに伝
わりにくくしつつ、バーナ本体下面に開口がある場合で
も、空気の漏れを効率よく防止でき、コストを低減でき
るとともに、製造工程の単純化が図れる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１の図面に基づ
いて説明する。図１乃至図３において、１は送風機であ
り、この送風機１は送風ファンとしてのターボファン２
と、このターボファン２を駆動するモータ３と、ターボ
ファン２を収容した扁平状のケーシング４を備えてい
る。また、ケーシング４上面の略中央部には空気供給口
５が設けられており、さらにケーシング４上面の外周部
には複数の通気穴６、６…が環状に配列して設けられて
いる。

【００１０】前記ケーシング４の上面には、深絞り加工
によって有底円筒状に形成されたバーナケース７がシー
ル材４Ａを介して連結され、このバーナケース７の上に
は耐熱ゴム製の環状パッキンからなるシール材８を介し
て燃焼筒９が連結され、この燃焼筒９の先端部には熱交
換器（図示せず）が連結されている。また、前記バーナ
ケース７の底壁７Ａの外周部には、前記ケーシング４上
面に設けられた複数の通気穴６、６…にそれぞれ対応す
るように複数の空気供給口１０、１０…が設けられてお
り、バーナケース７の底壁７Ａの略中央部には空気穴７
Ｂが設けられている。

【００１１】前記バーナケース７内の下部中央には、外
周をバーナケース７で取り囲むように有底円筒状に形成
されたアルミダイカスト製のバーナ本体１１が収容固定
されている。このバーナ本体１１は、内部に液体燃料を
気化する気化室１２を有する気化筒１３と、この気化筒
１３周壁に埋設されたシーズヒータ等の気化用電気ヒー
タ１４とを有し、この気化室１２内部には燃焼空気（一
次空気）を導入供給するための空気導入口１５が気化筒
１３下面の略中央部に設けられている。１６は回転霧化
器であり、この回転霧化器１６は前記空気導入口１５を
貫通し気化室１２内に臨ませたモータシャフト３Ａに取
付けられている。１７は燃料ポンプ（図示せず）から送
られた液体燃料（灯油）を前記回転霧化器１６に噴出す
るように先端を回転霧化器１６の付近に位置させた燃料
ノズルであり、この燃料ノズル１７は前記気化筒１３内
部に臨ませている。１８は空気導入口１５よりも上方の
気化筒１３内部に装着した絞り板、１９は絞り板１８に
開口する絞り口、２０は気化筒１３の上部開口を覆うよ
うに設けた円板状のバーナプレートであり、このバーナ
プレート２０は、ヒートショックに強く、かつ、耐衝撃
性に優れたペタライト等のファインセラミックスによっ
て作られており、その外周部には孔径が約１〜１．５ｍ
ｍの多数の炎孔２３、２３を周方向に複数列並べて設け
ている。

【００１２】２４は前記気化筒１３の上部とバーナケー
ス７の内周壁との間に設けられたリング状の二次空気噴
出板（固定金具）であり、この二次空気噴出板２４は内
周縁に筒状部２４Ａを有し、この筒状部２４Ａを気化筒
１３上部の段部に係止させている。また、気化筒１３近
くの内周部に内向き傾斜面２４Ｂを有し、この内向き傾
斜面２４Ｂには複数の二次空気孔２５、２５を環状に配
列して設けている。また、この二次空気噴出板２４の外
周縁には、バーナケース７内の上部に内嵌めされる筒状
壁２６を一体に立ち上げて設けており、この筒状壁２６
の上フランジ部２６Ａをバーナケース７の上端に形成さ
れた上フランジ７Ｃとシール材８とで挟持し、さらにシ
ール材８に燃焼筒９の下フランジ９Ａを嵌合させ、これ
らをネジ２１、２１…にてネジ止めすることにより、二
次空気噴出板２４はバーナケース７内に固定されるもの
である。

【００１３】こうして、二次空気噴出板２４の下方のバ
ーナケース７内には、送風機１からの燃焼空気が通気穴
６、６…及び空気供給口１０、１０…を介して供給され
るドーナツ状の蓄気室Ｘが形成されることになる。ま
た、３０は気化筒１３の下面に設けられた幅が約２ｍｍ
の環状の突起である。

【００１４】また、バーナ本体１１を図２に基ずいて詳
細に説明すると、３１、３１は気化筒１３の下面の環状
の突起３０の内側に対向して設けられた一対の脚、３２
は脚３１に設けられた突起、３３はバーナケース７の底
壁７Ａに前記突起３２と同数設けられた嵌入穴であり、
前記気化筒１３をバーナケース７に組み付ける際に、突
起３２、３２…を嵌入穴３３、３３…に嵌入することに
より位置決めができるものであり、この時、気化筒１３
の下面に設けられた環状の突起３０がバーナケース７底
壁７Ａに圧着するため、前記環状の突起３０にて蓄気室
Ｘと気化筒１３内部とを遮断できるものである。

【００１５】以上の構成において、気化用電気ヒータ１
４への通電により、気化筒１３が液体燃料の気化温度ま
で上昇すると、送風機１のモータ３と燃料ポンプ（図示
せず）が作動し、液体燃料が燃料ノズル１７から回転す
る回転霧化器１６に噴出され、回転霧化器１６の遠心力
を利用してバーナ本体１内の気化筒１３内部に飛散さ
れ、気化筒１３の内周面と接触して気化されると共に、
送風機１からの燃焼空気が空気供給口５、空気穴７Ｂを
介して空気導入口１５より一次空気として気化筒１３内
部に供給される。

【００１６】そして、気化ガスと一次空気との混合ガス
は、絞り板１８を通過する際に均一な混合状態となり、
バーナプレート２０の各炎孔２３、２３から上方に噴出
し、この噴出した混合ガスは、点火器（図示せず）の火
花放電により着火され、バーナプレート２０上に火炎を
形成して燃焼を開始する。

【００１７】一方、通気穴６及び空気供給口１０を通っ
て蓄気室Ｘに供給された送風機１からの燃焼空気は、各
二次空気孔２５、２５…を通り、二次空気として火炎の
上部に供給され、二次燃焼を促進する。

【００１８】また、バーナプレート２０上に形成された
火炎によって気化筒１３の上部が加熱され、この熱は気
化筒１３の下部に伝導して気化部を気化可能温度に維持
するため、燃焼開始から所定時間経過した時点で、気化
用電気ヒータ１２への通電を停止しても、気化燃焼を継
続させることができる。

【００１９】本実施例によれば、バーナ本体１１とバー
ナケース７とを、バーナ本体下面に設けられた環状の突
起３０を利用して接触させているため、気化筒１３とバ
ーナケース７との接触面積が小さくなり、気化筒１３の
熱がバーナケース７に伝わりにくくしつつ、環状の突起
３０にてバーナ本体１１とバーナケース７との間をシー
ルし、空気漏れを防止することができ、気化筒１３をバ
ーナケース７に組み付ける際に用いていた断熱性を有す
るシール材８Ｂ等の部品を不要にできる。

【００２０】また、本実施例によれば、気化筒１３の上
部とバーナケース７との間に、リング状の二次空気噴出
板２０を設け、この二次空気噴出板２０の下端筒状部２
４Ａを気化筒１３の上部の段部に係止させるとともに、
二次空気噴出板２０の上部に設けられた筒状壁２４の上
フランジ部２６Ａをバーナケース７の上端に形成された
上フランジ７Ａと燃焼筒の下フランジ９Ａとでシール材
８を介在して挟持することにより、バーナケース７と燃
焼筒９を結合する際に二次空気噴出板２０に均一に圧力
を加えることができる。これにより、バーナ本体１１の
下面に設けられた環状の突起３０がバーナケース７の底
壁７Ａに圧着されることになり、蓄気室Ｘとバーナ本体
１１の気化筒１３内部とが遮断され、空気漏れを防止で
きるばかりでなく、バーナ本体１１をバーナケース７底
壁７Ａに固定する際に、ネジ等の固定部品を不要にでき
る。

【００２１】

【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で、気化式のバーナ本体とバーナケースとをバーナ本体
下面に設けられた環状の突起を利用して接触させている
ため、バーナ本体とバーナケースとの接触面積を小さく
できる。このため、バーナ本体の熱がバーナケースに伝
わりにくくしつつ、バーナ本体下面に開口がある場合で
も、環状の突起にてバーナ本体とバーナケースの間をシ
ールして空気漏れを防止することができ、バーナ本体を
バーナケースに組み付ける際に用いていた断熱性を有す
るシール材等の部品が不要になり、部品点数の低減を図
りつつ、コストを低減できる。

【００２２】また、請求項２に記載したものでは、気化
式のバーナ本体をバーナケースに組み付ける際に、一端
が前記バーナ本体の上部に係止されると共に、他端が前
記バーナケースと燃焼筒との連設部に挟持される固定金
具を用いることにより、この固定金具によってバーナ本
体下面に設けられた環状の突起をバーナケース底壁に圧
着できる。このため、バーナケースとバーナ本体との間
のシール性を一層向上できるばかりでなく、バーナ本体
をバーナケース内に固定する際に用いていたシール材及
びネジ等の部品を不要にできる。これにより、バーナ本
体の熱がバーナケースに伝わりにくくしつつ、バーナ本
体下面に開口がある場合でも、空気漏れを効率よく防止
でき、コストを低減できるとともに、製造工程の単純化
が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における液体燃料燃焼装置の
断面図である。

【図２】同じく液体燃料燃焼装置の拡大断面図である。

【符号の説明】

７ バーナケース ９ 燃焼筒 １１ バーナ本体 １３ 気化筒 ２４ 二次空気噴出板（固定金具） ３０ 環状の突起

フロントページの続き (72)発明者 斉藤 尚 大阪府守口市京阪本通２丁目５番５号 三 洋電機株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 気化式のバーナ本体と、このバーナ本体
   の外周に設けられた有底筒状のバーナケースとを備え、
   前記バーナ本体下面には環状の突起を設けたことを特徴
   とする液体燃料燃焼装置。
2. 【請求項２】 下面に環状の突起を設けた気化式のバー
   ナ本体と、このバーナ本体の外周に設けられた有底筒状
   のバーナケースと、バーナケース上部に連設した燃焼筒
   と、一端が前記バーナ本体の上部に係止されると共に、
   他端が前記バーナケースと燃焼筒との連設部に挟持され
   る固定金具とを備え、この固定金具によって前記バーナ
   本体下面の環状の突起がバーナケース底部に圧着されて
   いることを特徴とする液体燃料燃焼装置。