JPH08501927A - 液体媒体中に溶解したガスの濃度の調節方法 - Google Patents

液体媒体中に溶解したガスの濃度の調節方法

Info

Publication number
JPH08501927A
JPH08501927A JP50308693A JP50308693A JPH08501927A JP H08501927 A JPH08501927 A JP H08501927A JP 50308693 A JP50308693 A JP 50308693A JP 50308693 A JP50308693 A JP 50308693A JP H08501927 A JPH08501927 A JP H08501927A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
gas
organic fluid
organic
medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP50308693A
Other languages
English (en)
Inventor
カー,ロバート・ジェフリー・ゲデス
ティンズレー,アン
Original Assignee
パプリック・ヘルス・ラボラトリー・サーヴィス・ボード
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by パプリック・ヘルス・ラボラトリー・サーヴィス・ボード filed Critical パプリック・ヘルス・ラボラトリー・サーヴィス・ボード
Publication of JPH08501927A publication Critical patent/JPH08501927A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N5/00Undifferentiated human, animal or plant cells, e.g. cell lines; Tissues; Cultivation or maintenance thereof; Culture media therefor
    • C12N5/0018Culture media for cell or tissue culture
    • C12N5/0025Culture media for plant cell or plant tissue culture
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F3/00Biological treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F3/02Aerobic processes
    • C02F3/025Biological purification using sources of oxygen other than air, oxygen or ozone
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M41/00Means for regulation, monitoring, measurement or control, e.g. flow regulation
    • C12M41/12Means for regulation, monitoring, measurement or control, e.g. flow regulation of temperature
    • C12M41/14Incubators; Climatic chambers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M41/00Means for regulation, monitoring, measurement or control, e.g. flow regulation
    • C12M41/30Means for regulation, monitoring, measurement or control, e.g. flow regulation of concentration
    • C12M41/32Means for regulation, monitoring, measurement or control, e.g. flow regulation of concentration of substances in solution
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2500/00Specific components of cell culture medium
    • C12N2500/02Atmosphere, e.g. low oxygen conditions
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biodiversity & Conservation Biology (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Botany (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Hydrology & Water Resources (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Water Supply & Treatment (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Treating Waste Gases (AREA)

Abstract

(57)【要約】 液体媒体、特に、例えば、細胞用の水性培地のような生物学的材料や、微生物の存在を特徴とする汚染水及び下水のような廃棄物に関連する液体媒体、中に溶解したガスの濃度を調節する方法を提供する。この方法は、液体移動媒体を利用し、所望の調節を行い、この液体移送媒体の物理特性およびこの移送媒体をガスの移動を容易にするように操作方法を選択する。移送媒体(132)を、異なる温度で操作する領域(112,114)間を移動させ、これらの領域中で、移送媒体は各々液状およびガス状で存在し、移送媒体が液状である領域(114)中の移送媒体中にガスは溶解し、そして、移送媒体からガスの分離が分離領域(112)中で起こる。

Description

【発明の詳細な説明】 液体媒体中に溶解したガスの濃度の調節方法 本発明は、液体媒体、特に生物学的物質、例えば、細胞のための水性培地、お よび微生物が存在することを特徴とする汚染水や下水等の廃棄物に関連した液体 媒体中の溶解ガスの濃度を調節する方法に関する。 多くの生化学的、化学的、および物理的プロセスでは、通常はガス状の物質を 液体媒体中に溶解させる必要がある。同様に、液体媒体から溶解ガスを除去する 必要のある多くのプロセスも存在する。実際、溶解ガス成分の濃度を制御された 仕方で調節することは困難であることが多い。例えば、ガスを溶解させることの できる速度は、制御するのが困難なファクター〔例えば、バブルの大きさと滞留 時間、撹拌条件、および液体媒体の特性(表面張力や粘度など)〕によって異な ってくる。 本発明は、所望の調節を果たすための液体移送媒体(liquid transfer medium )を使用することによって、また液体移送媒体の物理的特性、およびガスの移送 を容易にするよう液体移送媒体を操作する方法を選択することによって、このよ うな問題点を解消する。 さらに特定の態様においては、本発明は、水性増殖培地中で細胞を培養する方 法に関する。さらに詳細には本発明は、増殖培地からの、また増殖培地へのガス の移送を促進させるのに水と混和しない有機液体が使用される、という方法に関 する。 本明細書で言う“細胞を培養する方法”とは、原核細胞または真核細胞がイン ビトロにて増殖もしくは維持されるようないかなる方法も含むものとする。これ らの方法は、単細胞生物、あるいは細胞が菌糸体の形で増殖する生物の、定常状 態の条件下での増殖もしくは維持を含む。これらの方法はさらに、多細胞生物か ら誘導される細胞の、定常状態の条件下での増殖もしくは維持も含む。“細胞を 培養する方法”という文言により包含される方法としてはさらに、細胞を生存可 能な状態にて維持するのに適した好気性条件および嫌気性条件下で行われる方法 、ならびに、細胞が遅延期もしくは定常期に入り、老化し、そしてついには死ぬ よ うな方法、がある。 したがって本発明の方法は、細胞が好気性もしくは嫌気性の条件下にて増殖さ れ、このとき細胞の増殖が起こって細胞数および/または細胞マスが増大する、 という方法も含む。本発明の方法はさらに、細胞数および/または細胞マスの実 質的な増大が起こらないような条件下で細胞が維持される、という方法も含む。 後者の方法は、一次代謝または二次代謝の生成物を生成させる目的で細胞が培養 される、という方法を含む。 細胞が好気性条件下で培養される場合、一般には、必要な代謝速度を維持する に足る充分に高い速度で酸素が確実に培地に移送されなければならない。通常、 これは、培地を酸素含有ガス(例えば空気)と接触させ、そして酸素含有ガスか ら培地への酸素の効率的な移送を促進する方策をとることによって達成される。 したがって例えば、容器の底部に配置されたスパージャーを介して導入される 微細バブルの形で、酸素含有ガスを培養容器中に導入するのが通常のやり方であ る。バブルの表面積が大きいと、培地への高速の酸素移送が確実に行われる。こ の他の方策としては、培地と酸素含有ガスとの接触を高めるために、例えば、ア ジテーター、インペラー、およびこれに関連した構造物(例えばバッフル)を培 養容器内に設置することによって撹拌を行うという方策がある。さらに他の方策 としては、振盪容器を使用するというもの、そして培養された動物細胞の場合に は、培地の移動薄膜が連続的に再生されるローラーボトルを使用するというもの がある。 培地から代謝のガス状生成物を除去するのが必要な状況においては、高速のガ ス移送を達成することが重要である。好気的に操作されるプロセスの場合、この ような代謝生成物は一般に二酸化炭素を含む。嫌気性代謝の他のガス状生成物と しては、水素や硫化水素がある。したがって、嫌気性条件下で操作する場合、特 に、水素や硫化水素のようなガス状副生物を嫌気性代謝の生成物として生成する 微生物の場合、これらの副生物を培地から取り除くために不活性ガスの流れを使 用するのが通常のやり方である。 最近、水性増殖培地と混和しない有機液体が、培地に対するガスの移送を促進 するための有望な物質として検討されいる。したがって例えば、過フルオロ化合 物(PFC)がガス交換用媒体として広く研究されている。多量の酸素と二酸化 炭素を溶解することのできるPFCが開発されてきており、また現在、それらの “血液代替物(blood substitute)”としての使用が増大しつつある(例えば、 Lowe,1987を参照)。同様に、動物および微生物の細胞培養において、PFCを 酸素キャリヤーとして適用することに関して多大の関心がもたれており、またか なりの研究がなされている(Kingら,1989を参照)。 しかしながら、有機液体をガス移送用媒体として使用することは、このような 液体の有用な特性によって提供される有望な使用可能性にもかかわらず、これま でのところは殆どもしくは全く実際的ではないことがわかっている。したがって PFCは例えば、酸素化されたPFC液体(oxygenated PFC liquid)を細胞培 養組織中もしくは細胞培養組織上に噴霧することによって、酸素を水性培地に移 送するのに使用されている。酸素化PFCの液滴は重いので発酵槽容器の底部に 沈降し、これにより酸素化PFCが降下されるにつれて酸素が培地に移送される 。酸素化PFCが容器の底部に堆積し、そこからこれを回収し、再び酸素化し、 そして頂部にスプレーとしてポンプ送りすることができ、したがってサイクルが 継続される。しかしながら、液滴のサイズが大きめであることと、その場での液 滴の滞留時間が比較的短いことにより、酸素を培地に移送することのできる速度 と効率は厳しく制限される。 こうした欠点を解消すべく、PFCと水性増殖培地との効率的なガス交換を達 成するために、発酵システムにおいてPFCを、界面活性剤により安定化された 微細分散ミクロエマルジョンの形で使用するための検討がなされている。しかし ながら、PFCをミクロエマルジョンの形で使用すると、特に以下のようないく つかの問題が生じる: i) 発酵槽においてPFCエマルジョンを物理的に取り扱うことは問題が 多い; ii) 発酵が終了した後に有価のPFCを回収することは、主として有機相 と水相との分離につきものの問題の結果(しばしば、安定化されたエマルジョ ンの遠心分離を必要とする)、種々の困難が生じることがある; iii) PFCを含有した流体混合物のある特定の成分が、細胞集団に悪影 響を及ぼすことがある(具体的には、エマルジョンの安定性を保持するのに必要 な界面活性剤);および iv) 発酵全体を通じて連続的に加える必要のあるPFCの量が多量である ことから、工程のコストアップにつながる。 本発明者らは、有機流体、特にPFCを使用して、液体媒体中の溶解ガスの濃 度を調節することのできる新規な方法を開発した。この方法は広い適用可能性を 有しているが、好気性方法および嫌気性方法の両方において高効率のガス交換を 果たすのに特に有用である。また従来技術の方法に付きものの問題点が解消され 、したがって細胞増殖の収率の増大が可能となる。本明細書に説明されている新 規な方法においては、ガス交換を促進するのに使用される有機流体を連続的に再 循環することができ、そして発酵の終了時に有機流体を容易に回収することがで きる(これはユーザーにとって極めて重要なことである)。 本発明の1つの態様によれば、液体状態のときに液体媒体と混和せず、ガスを 溶解させることのできるような有機流体を使用することによって、液体媒体への 又は液体媒体からのガスの移送を促進させるという、液体媒体中の溶解ガスの濃 度を調節する方法が提供され、このとき前記方法は、前記有機流体が液体状態お よびガス状態にてそれぞれ存在する異なった温度で操作されるゾーン間に前記有 機流体が移送され、前記有機流体が液体状態になっているゾーンにおいてガスが 前記有機流体中に溶解し、そして前記有機流体からのガスの分離が別個のゾーン において行われることを特徴とする。 例えば、分離は、有機流体が液体状態からガス状態に転化されるゾーンにおい て行うことができ、この場合、有機流体が液体状態からガス状態に変わるときに ガスを発生させることができる。 本発明の他の態様によれば、液体状態のときに液体媒体と混和せず、ガスを溶 解させることのできるような移送用流体と有機媒体とを接触させることを含む、 ガスを液体媒体へ又は液体媒体から移送する方法が提供され、このとき前記方法 は、前記移送用流体が液体状態およびガス状態にてそれぞれ存在する異なった温 度で操作されるゾーン間に前記移送用流体が移送され、前記有機流体が液体状態 になっているゾーンにおいてガスが前記移送用流体中に溶解し、そして前記移送 用流体からのガスの分離が別個のゾーンにおいて行われることを特徴とする。 したがって、本発明の好ましい態様によれば、液体状態のときに液体媒体と混 和せず、ガスを溶解させることのできるような有機流体を使用することによって 、液体媒体への又は液体媒体からのガスの移送を促進させるという、液体媒体中 の溶解ガスの濃度を調節する方法が提供され、このとき前記方法は、前記有機化 合物が液体状態およびガス状態にてそれぞれに存在する異なった温度で操作され るゾーン間に前記有機化合物が移送され、これによって前記有機流体が液体状態 になっているゾーンにおいてガスが前記有機流体中に溶解し、そして前記有機流 体が液体状態からガス状態に変わるときにガスが発生されることを特徴とする。 これとは別に、有機流体からのガスの分離は、溶解ガスを含有している有機流 体が液体媒体と接触するゾーンにおいて行うこともできる。本実施態様において は、ガスを有機流体から液体媒体に直接移送することができ、あるいはさらに好 ましくは、有機流体が液体媒体に接触するときに、有機流体が液体状態からガス 状態に転化され、次いでこの生成されたガスが液体媒体中への溶解に利用される 。 したがってこの操作態様において本発明はさらに、液体状態のときに液体媒体 と混和せず、ガスを溶解させることのできるような有機流体を使用することによ って、液体媒体への又は液体媒体からのガスの移送を促進させるという、液体媒 体中の溶解ガスの濃度を調節する方法が提供され、このとき前記方法は、前記有 機化合物が液体状態およびガス状態にてそれぞれ存在する異なった温度で操作さ れるゾーン間に前記有機化合物が移送され、これによって前記有機流体が液体状 態になっているゾーンにおいてガスが前記有機流体中に溶解し、そして前記有機 流体が、前記液体媒体と接触しながら液体状態とガス状態との間で状態変化を受 けることを特徴とする。 さらに詳細に言えば、本発明の方法を実施する上で、液体状態であって且つ溶 解ガス(例えば酸素)を含有している有機流体を液体媒体と接触させることがで き、また有機液体をガス状態に転化させることなく、溶解ガスを液体媒体に移送 することができる。 しかしながら、この接触時においては、有機流体をガス状態に転化させ、溶解 していたガスをガスとして生成させ、そしてこの生成したガスを液体媒体中に溶 解するのが有利である。これを達成するためには通常、液体媒体が有機流体の沸 点より高い温度となっていることが必要である。この操作モードにおいては、液 体状態の有機流体を液体媒体と接触させることができ、有機流体を、液体媒体と 接触させながらガス状態に転化させることができ、そして次にガス状態の有機流 体と液体媒体とを互いに分離することができる。 生成したガス状態の有機化合物を凝縮させ、これを利用してさらなる量のガス を溶解させ、そして溶解ガスを放出させるために液体媒体に再循環させるのが好 ましい。 したがってこの操作モードにおいては、本発明にしたがって、液体状態のとき に液体媒体と混和せず、ガスを溶解させることのできるような有機流体を使用す ることによって、液体媒体へのガス(特に酸素)の移送を促進させるという、液 体媒体中の溶解ガスの濃度を調節する方法が提供され、このとき前記方法は、 (i) 液体状態の有機化合物を、有機化合物の沸点より低い温度にて操作 される第1のゾーンにおいてガスと接触させて、ガスの有機液体溶液を形成させ る; (ii) 工程(i)からの溶液が、有機液体の沸点より高い温度にて操作さ れる第2のゾーンに移送され、このとき有機流体は、ガスの生成を伴って液体状 態からガス状態へと変化する; (iii) 工程(ii)において生成したガスが液体媒体と接触し、その中に 溶解する; (iv) 工程(ii)からのガス状態の有機流体が液体媒体から分離される; (v) 工程(iv)からのガス状態の分離有機流体が凝縮される;および (v) 工程(i)におけるガスを溶解させるのに、工程(iv)からの液体 状態の有機流体が使用される; ことを特徴とする。 液体媒体中に溶解したガス物質の濃度を低下させるのが求められる場合、この 操作に特に適している本発明にしたがった別の操作モードにおいては、液体状態 の有機流体が液体媒体と接触され、液体増殖培地中に含まれた溶解ガスが有機液 体に移送される。次いで、溶解ガスを含有した有機液体が液体媒体から分離され 、そして必要に応じて、溶解ガスをストリッピングした後に、再使用のために再 循環される。 この操作モードにおいては、ガス状態の有機流体が液体媒体と接触され、有機 流体が、液体媒体と接触しながら液体状態に転化され、そして液体状態の有機流 体と液体媒体が互いに分離される。 したがって、液体状態で且つ溶解ガスを含有した有機流体が液体媒体から分離 され、別個のゾーンに移送されて、そこで有機流体がガス状態に転化され、そし て溶解していたガスが生成され、有機流体から分離される。本実施態様において は、液体媒体は、有機流体の沸点より低い温度を有する。 さらに詳細には、液体状態のときに液体媒体と混和せず、ガスを溶解させるこ とのできるような有機流体を使用することによって、液体媒体からのガスの除去 を促進させるという、液体媒体中の溶解ガスの濃度を調節する方法が提供され、 このとき前記方法は、 (i) 液体状態の有機化合物が、有機化合物の沸点より低い温度にて操作 される第1のゾーンにおいて液体媒体と接触され、これにより液体媒体中に溶解 していたガスが有機流体に移送されて、ガスの有機液体溶液が形成される; (ii) 工程(i)からの溶液が、有機液体の沸点より高い温度にて操作さ れる第2のゾーンに移送され、このとき有機流体は、ガスの生成を伴って液体状 態からガス状態へと変化する; (iii) 工程(iii)において生成したガスが有機流体から分離される; (iv) 工程(ii)からのガス状態の有機流体が凝縮される;および (v) 工程(iv)からの液体状態の有機流体が工程(i)の状態にある; ことを特徴とする。 本発明の方法は、水性媒体、特に生物学的物質のための水性増殖培地として使 用される水性媒体中のガスの濃度を調節することに対して、特に適用可能である 。 したがって、本発明の方法は例えば、下記のような生物学的手順のうちの一つ のある工程において溶解ガスの濃度を調節するのに使用することができる。 (i) 原核細胞または真核細胞の増殖; (ii) 原核細胞または真核細胞を、所望の代謝産物の生成が行われる条件 下に維持すること; (iii) 原核細胞または真核細胞を、望ましくない物質の除去が行われる 培養条件下に維持すること; (iv) 原核細胞または真核細胞を、培地に加えられた物質の化学的に変性 された形への転化が行われる培養条件下に維持すること; (v) 原核細胞および/または真核細胞の混合集団を、該集団の選択的な 生存、増殖、阻害、または死滅が行われる培養条件下に維持すること; (vi) 廃棄物質の分解; (vii) 廃棄物質の処理; (viii) 重金属の金属イオン封鎖。 細胞の培養を目的とした場合の、さらに特定の態様においては、本発明は、液 体状態のときに水性増殖培地と混和せず、ガスを溶解させることのできるような 有機流体を使用することによって、水性増殖培地への又は水性増殖培地からのガ スの移送を促進させるという、水性増殖培地中にて細胞を培養する方法を提供し 、このとき前記方法は、前記有機流体が液体状態およびガス状態にてそれぞれ存 在する異なった温度で操作されるゾーン間に前記有機流体が移送され、前記有機 流体が液体状態になっているゾーンにおいてガスが前記有機流体中に溶解し、そ して前記有機流体からのガスの分離が別のゾーンにおいて行われることを特徴と する。 例えば、分離は、有機流体が液体状態からガス状態に転化されるゾーン において行うことができ、この場合ガスは、有機流体が液体状態からガス状態へ と変化するときに生成させることができる。 したがって、本発明の好ましい態様によれば、液体状態のときに水性増殖培地 と混和せず、ガスを溶解させることのできるような有機流体を使用することによ って、水性増殖培地への又は水性増殖培地からのガスの移送を促進させるという 、水性増殖培地中にて細胞を培養する方法が提供され、このとき前記方法は、前 記有機化合物が液体状態およびガス状態にてそれぞれ存在する異なった温度で操 作されるゾーン間に前記有機化合物が移送され、これによって前記有機流体が液 体状態になっているゾーンにおいてガスが前記有機流体中に溶解し、そして前記 有機流体が液体状態からガス状態へと変化するときにガスが生成されることを特 徴とする。 これとは別に、有機流体からのガスの分離は、溶解ガスを含有している有機流 体が水性増殖培地と接触されるゾーンにおいて行うこともできる。本実施態様に おいては、ガスを有機流体から水性増殖培地に直接移送することができ、あるい はさらに好ましくは、有機流体が水性増殖培地と接触するときに、有機流体が液 体状態からガス状態に転化され、次いでこの生成したガスが水性増殖培地中への 溶解に利用される。 したがって、この操作モードにおいては、本発明はさらに、液体状態のときに 水性増殖培地と混和せず、ガスを溶解させることのできるような有機流体を使用 することによって、水性増殖培地への又は水性増殖培地からのガスの移送を促進 させるという、水性増殖培地中にて細胞を培養する方法が提供され、このとき前 記方法は、前記有機化合物が液体状態およびガス状態にてそれぞれ存在する異な った温度で操作されるゾーン間に前記有機化合物が移送され、これによって前記 有機流体が液体状態になっているゾーンにおいてガスが前記有機流体中に溶解し 、そして前記有機流体が、前記水性増殖培地と接触しながら液体状態とガス状態 との間で状態変化を受けることを特徴とする。 さらに詳細に言えば、本発明の方法を実施する上で、液体状態であって且つ溶 解ガス(例えば酸素)を含有している有機流体を水性増殖培地と接触させること ができ、また有機液体をガス状態に転化させることなく、溶解ガスを水性増殖培 地に移送することができる。 しかしながら、この接触時においては、有機流体をガス状態に転化させ、溶解 していたガスをガスとして生成させ、そしてこの生成したガスを水性増殖培地中 に溶解するのが有利である。これを達成するためには通常、水性増殖培地が有機 流体の沸点より高い温度となっていることが必要である。この操作モードにおい ては、液体状態の有機流体を水性増殖培地と接触させることができ、有機流体を 、水性増殖培地と接触させながらガス状態に転化させることができ、そして次に ガス状態の有機流体と水性増殖培地とを互いに分離することができる。 生成したガス状態の有機化合物を凝縮させ、これを利用してさらなる量のガス を溶解させ、そして溶解ガスを放出させるために水性増殖培地に再循環させるの が好ましい。 したがってこの操作モードにおいては、本発明にしたがって、液体状態のとき に水性増殖培地と混和せず、ガスを溶解させることのできるような有機流体を使 用することによって、水性増殖培地へのガス(特に酸素)の移送を促進させると いう、水性増殖培地中にて細胞を培養する方法が提供され、このとき前記方法は 、 (i) 液体状態の有機化合物を、有機化合物の沸点より低い温度にて操作 される第1のゾーンにおいてガスと接触させて、ガスの有機液体溶液を形成させ る; (ii) 工程(i)からの溶液が、有機液体の沸点より高い温度にて操作さ れる第2のゾーンに移送され、このとき有機流体は、ガスの生成を伴って液体状 態からガス状態へと変化する; (iii) 工程(ii)において生成したガスが水性増殖培地と接触し、その 中に溶解する; (iv) 工程(ii)からのガス状態の有機流体が水性増殖培地から分離され る; (v) 工程(iv)からのガス状態の分離有機流体が凝縮される;および (v) 工程(i)におけるガスを溶解させるのに、工程(iv)からの液体 状態の有機流体が使用される; ことを特徴とする。 嫌気性操作に特に適している本発明にしたがった別の操作方法においては、液 体状態の有機流体が水性増殖培地と接触され、水性増殖培地中に含有された溶解 ガスが有機液体に移送される。次いで、溶解ガスを含有した有機液体が水性増殖 培地から分離され、そして必要に応じて、溶解ガスをストリッピングした後に、 再使用のために再循環される。 この操作モードにおいては、ガス状態の有機流体が水性増殖培地と接触され、 有機流体が、水性増殖培地と接触しながら液体状態に転化され、そして液体状態 の有機流体と水性増殖培地が互いに分離される。 したがって、液体状態で且つ溶解ガスを含有した有機流体が水性増殖培地から 分離され、別個のゾーンに移送されて、そこで有機流体がガス状態に転化され、 そして溶解していたガスが生成され、有機流体から分離される。本実施態様にお いては、水性増殖培地は、有機流体の沸点より低い温度を有する。 さらに詳細には、液体状態のときに水性増殖培地と混和せず、ガスを溶解させ ることのできるような有機流体を使用することによって、水性増殖培地からのガ スの除去を促進させるという、水性増殖培地中において細胞を培養する方法が提 供され、このとき前記方法は、 (i) 液体状態の有機化合物が、有機化合物の沸点より低い温度にて操作 される第1のゾーンにおいて水性増殖培地と接触され、これにより水性増殖培地 中に溶解していたガスが有機流体に移送されて、ガスの有機液体溶液が形成され る; (ii) 工程(i)からの溶液が、有機液体の沸点より高い温度にて操作さ れる第2のゾーンに移送され、このとき有機流体は、ガスの生成を伴って液体状 態からガス状態へと変化する; (iii) 工程(iii)において生成したガスが有機流体から分離される; (iv) 工程(ii)からのガス状態の有機流体が凝縮される;および (v) 工程(iv)からの液体状態の有機流体が工程(i)の状態にある; ことを特徴とする。 本発明の方法において使用される有機流体は、単一の化合物であっても、化合 物の混合物であってもよい。 PFCまたはPFCの混合物を使用するのが最も好ましい。本明細書では、P FCは“過フルオロ化合物”に対する略語として使用されている。したがって、 “過フルオロ化合物”は、式 Cn2n+2n2nn2n-2n2n-4 ・ ・ ・ Cn2n-x (I) (式中、nは1〜30の正の整数であり、好ましくは4〜20である)で示され る化合物を含むが、これらに限定されない。上記式のうちの一般式(式I)にお いて、xはマイナス2(最初の式)、ゼロ(2番目の式)、あるいは2〜20の 正の偶数であり、好ましくは2〜15、最も好ましくは2〜10である。 ここで言う“PFC”とはさらに、炭素原子やフッ素原子の他に、窒素原子、 酸素原子、およびイオウ原子を含有した化合物も含む。 このような化合物は、一般式 Cnm(2n-x+m) (II) Cnm(2n-x) (III) Cnm(2n-x) (IV) (式中、nとxは上記にて規定したとおりであり、mは1〜6、好ましくは1〜 3、そして最も好ましくは1である)によって表すことができる。 特定の例としては、過フルオロアルカン、過フルオロシクロアルカン、および 過フルオロアルキルテトラヒドロフランがある。 I,II,およびIIIの範疇に含まれるPFCのさらなる例が、「有機フッ素化 合物の合成、性質、および工業的応用」(Ed R.E.Banks,1982,Ellis Horwood )と題する本における第2章の、D.S.L.SlinnとS.W.Greenによる“エレクト ロニクス工業に使用するためのフルオロカーボン流体”に記載されている。 これらのPFCとしては、 過フルオロペンタン(C512); 過フルオロヘキサン(C614); 過フルオロ(メチルシクロヘキサン)(C714); 過フルオロ(メチル/ジメチルシクロヘキサン)(C714/C816); 過フルオロデカリン(シス-及びトランス-C1018); 過フルオロ(デカリン/メチルデカリン)(シス-及びトランス-C1018/ C1120) などがある。 さらに、完全にフッ化された(すなわち過フッ化)アルカン類、エーテル類、 第三アミン類、過フルオロ(2−n−ブチルテトラヒドロフラン)、過フルオロ (2−n−プロピルテトラヒドロフラン)、過フルオロ・トリ−n−ブチルアミ ン、および低分子量の過フッ化ポリエーテル類なども記載されている。 これらのPFC流体は、ISCケミカルズ社からフルテック(FlutecR)、3 M社からフルオリナート(FluorinertR)、そしてモンテジソンSpAからガル デン(GaldenR)の各商標名で市販されている。 この他の例としては、過フルオロデカリン、過フルオロトリプロピルアミン、 および過フルオロトリブチルアミンなどがある。 さて、実施例により、とりわけ下記添付図面についてこの発明を詳細に説明し よう。 図1は好気性条件下での細胞の成育に用いられるこの発明による装置を示し、 図2は嫌気性条件下での細胞の成育に用いられるこの発明による装置を示す。 図1について説明すると、発酵システム110はPFCを循環させる系に接続 された発酵槽112より成る。 循環系には導管116を経て発酵槽112のヘッドスペース118に接続され た凝縮器114がある。凝縮器の上部は、導管116を経て凝縮器に入るPFC 蒸気を凝縮させる冷却コイル120を備えている。凝縮器の下部には、管路12 4を経て導入される酸素含有ガスとPFC蒸気の凝縮によって生じたPFC液体 とのガス交換を行わせる接触装置122が設けてある。 ガス交換を行わせるには、通常の気/液接触装置を用いることができる。たと えば、酸素含有ガス、たとえば空気を、単一または多段気/液バブラーまたはス プレーチャンバー内でPFC液中に吹込むことができる。酸素をPFC液体に溶 解させる以外に、導管116を経て発酵槽112を出る排ガスから二酸化炭素を 除くために、凝縮器120および関連接触装置122を使用することもできる。 凝縮器の出口は、導管126、ポンプ128および導管130を経て発酵槽1 12の水溜め132に接続される。貯槽134は、PFCの補給量をシステムに 導入するため計量弁136を経て管路130に接続する。 発酵槽112にはインペラー138および温度調節コイル140を含む通常の 内部装備品が取付けてある。 図示の装置を使用する場合には、適当に殺菌した培地の投入量を発酵槽に入れ て、成育させる細胞のスターター培養菌を接種する。培地の温度は、熱交換媒体 を熱交換コイル140内に循環させることによって成育に適した温度に保つ。 循環系には、発酵槽内の水性成育媒体の温度よりも低い沸点を有する選定され たPFC流体を充填する。凝縮器114およびさらに下流の関連装置(導管12 6、ポンプ128、計量弁13および管路130)の温度は、少なくともPFC 流体が発酵槽112に入るかまたは入ろうとするまで、PFC流体を液状に保つ ようにPFC流体の沸点よりも低い温度に保たれる。該有機流体は装置122内 で、酸素で飽和されて、液状で導管126およびポンプ128を経て発酵槽11 2の水溜めに導びかれる。 PFCは発酵槽の水溜め内で沸騰して、溶解していた酸素ガスを発生させる。 気体状のPFCの泡142および発生した酸素ガスの泡は発酵槽内を上昇し、酸 素は水性成育媒体に溶解する。 気体状PFCは発酵槽のヘッドスペースに集まり、導管116を経て凝縮器1 14に移行し、そこで冷却され、凝縮して液状となる。 図面の図1に関連してさきに述べた発酵システム110は、発酵槽に酸素を導 入させるキャリヤーガスとして水と混らない有機流体を用いて、好気性条件下で 細胞を成育させるのにとくに適している。したがって、たとえば、37℃に保っ た好気性発酵媒体で好気性条件下で動物細胞を成育させるのに発酵槽112を用 いる場合には、酸素を搬送するのに用いられるPFC流体は37℃よりも低い沸 点を有するように選びたい。有機流体は20−37℃の範囲内の沸点を有するの が好ましいと思われる。したがって、発酵槽の水溜め132の中に約25℃の液 状で投入すると、有機流体の温度は上昇して、ついには発酵槽内で沸騰して、蓄 積された酸素を放出するであろう。この酸素は水性発酵媒体に溶解して、成育し つつある動物細胞に役立つようになると思われる。 この発明の方法は、さらに嫌気性条件下の細胞の成育に適用可能であり、この 場合には、水性成育媒体からガス状の代謝生成物を除くのに、通常、水と混り合 わない有機流体が用いられるであろう。 さて、図2に関連して、嫌気性の用途に適する装置を説明しよう。 図2について説明すると、発酵システム210は、PFCを循環させる系に接 続された発酵槽212より成る。 循環系には、管路230を経て容器212の水溜め232に接続され、かつ導 管226を経て蒸発器214に通じるポンプ238がある。貯槽234はPFC の補給量をシステム内に導入するために、計量弁236を経て管路230に連結 する。 蒸発器214の下部は、管路226を経て蒸発器に導入されたPFCを蒸発さ せるための加熱コイル220を備えている。蒸発器214の上部には蒸発器の下 部で蒸発したPFC蒸気を、管路224から導入したスクラビング液でガス洗浄 するための接触装置222が備えられている。 蒸発器の出口は導管216を経て発酵槽212のヘッドスペースに接続されて いる。 発酵槽212にはインペラー238および温度調節コイル240を含む通常の 内部装備品が取付けてある。 図2に示す装置を用いる場合には、適当に殺菌された培地の投入量を発酵槽に 入れて、生育させる細胞のスターター培養菌を接種する。培地の温度は熱交換媒 体を熱交換コイル240中に循環ささせることによって生育に適する温度に保た れる。 循環系には、発酵槽内の水性成育媒体の温度を上回る沸点を有する選択された PFC流体を充填する。蒸発器214および管路216の温度は、PFC流体が 少なくとも発酵槽212に入るかまたは入ろうとするまでPFC流体を気体状に 保つように、PFC流体の沸点を上回る温度に保たれる。 有機流体を蒸発器214で蒸発させ、さらに接触装置222でガス洗浄した後 、PFC蒸気を導管216を経て発酵槽のヘッドスペースに導く。PFC蒸気は 発酵槽内で凝縮し、凝縮したPFCの小滴は、凝縮液体PFCの「雨」242と なって発酵槽内を落下する。凝縮したPFCは水性成育媒体を洗い流し、ガス状 の代謝生成物は凝縮したPFCに溶解する。溶解された代謝生成物を含有するP FCは発酵槽の水溜め232に集まり、そこから導管230およびポンプ238 を経て蒸発器232に移送される。 導管216を経て蒸発器214を出るPFC蒸気は冷却され、凝縮して、PF C液体となり、前記の水性成育媒体からガス状代謝生成物を洗い落すのに用いら れる。PFC蒸気の凝縮は、発酵容器218外の別の凝縮器(図示せず)で行わ せるか、または蒸気を直接発酵容器218に導き、そこで蒸気の温度を沸点以下 に下げて、凝縮を行わせる。 図2に示す装置は、嫌気性条件で高温微生物を生育させるのに用いることがで きる。したがって、たとえば、図2の装置は極高温細菌Pyrococcus furiosus を生育させるのに用いることができる。 Pfuriosusは厳密に嫌気性の有機栄養生物であり、発酵形式の代謝に よって生育する。二酸化炭素および水素の生成を伴う単純ならびに複雑な炭水化 物を利用することができる。生育媒体中に電子受容体として元素状硫黄(S0) が存在すれば、CO2およびH2SのほかにH2Sが生成する。このような嫌気性 他家栄養体の効果的な成育は培地からH2やH2Sのようなガス状代謝生成物を 除去することによる。 このような極高温細菌を培養する場合に、水性培地は通常、高温、たとえば約 90℃に保たれるであろうし、また水素または硫化水素が代謝副生物として培地 に集まりやすいと思われる。 この発明に従って、PFC液体を用いると次のような数々の有利な特徴が得ら れる。 1.培養の無細胞分裂通気は、十分に確められた酸素搬送能力を有するPFC 液体を用いることによって改善させることができる。 2.培地へのO2の輸送速度は、相応する経費節減を伴う少量のPFC液体の 迅速なリサイクルを可能にするPFC液体の急速な沸とうに伴う不純物の除去を 行うことによって早めることができる。 3.エネルギー源を用いる(たとえば超音波処理による)特定サイズのPFC 液体の水中ミクロエマルションの個体群の生産に対する従来の必要性(最適の酸 素輸送性に対して)を無くすことができる。 さらに、安定なミクロエマルションの生成に必要な界面活性剤薬品(たと えばPluronic F−68)の毒性の影響を避けることができる(動物細 胞の生育にとってとりわけ重要な特徴)。 4.発酵槽へ再凝縮させたPFC液体を再導入させる速度を変えて、発酵全体 にわたりガス交換速度(たとえば通気)に関するきめの細かい調節を行うことが できる。 5.発酵終了時のPFC液体の回収は複雑な相分離装置や遠心分離を必要とせ ずに行われる。発酵ごとのPFCの費用は成育を接続させるのに必要な容積分率 によるが、通常の媒体の費用を上回りそうにはなく、いずれにせよ、大部分のP FC流体は回収して再使用することができる。 6.使用されるPFC液体に物理的および化学的安定性があれば、システム全 体(発酵槽およびPFC液体再凝縮器のループ)を化学的にか、または水蒸気に よって予備殺菌することができる。 図1について述べた態様に関連するか、または図2について述べた態様に関連 して操作を行うのに適当な沸点を有する適切なPFC液体を選ぶことによって、 下記を含むいろいろな場合の中温性培養菌に、この発明の方法を適用できること も理解されよう。 ・加速/強制廃水および廃液(都市/農場スラリー)処理 ・汚泥消化 ・生物量からの生物燃料(バイオガス等の高効率で安全な捕集) この発明によるPFCの使用の別の利点は、PFC流体の蒸発および凝縮熱の 値が極めて小さいという事実から生れる。たとえば典型的なPFC(FC87、 沸点30℃)の蒸発潜熱はわずか24cal/gであり、またFC77の場合に は20cal/gである(比較:水の蒸発潜熱540cal/g)。 このように200lの動物細胞発酵容器を用い、PFCの容積分率を10%( 20l)と仮定して、図1に示す装置で行った典型的な適用では、37℃のPF C蒸気を凝縮させて、20℃の液体とするのに要するエネルギーは2728kc alである。これはPFC流体の容量サイクル当りのPFCによる容器の媒体の わずか1.68℃という正味の冷却に相当する。 同様に、図2に示す装置で行われた高熱発酵においては、120℃のFC77 PFC蒸気(沸点110℃)を導入し、それを容器の操業温度、たとえば90℃ まで下げて凝縮させる(10%容積分率において)容器の加熱効果は僅か4℃の 容器温度の上昇を示すにすぎない(所要エネルギー量6,559kcal)。 それゆえ、これら温度変化は容器の熱量の小部分にすぎないと考えることがで き、既存の容器加熱器/冷却器システムによって容易に補われるであろう。 この発明の方法を行うのに必要な外面的PFC蒸発/沸とうおよび凝縮装置は 資本費または操業費の点で高価ではありそうもなく、商業的冷蔵装置に見られる よりもおそらく極くわずかに大きい一般的な冷媒モーターシステムを用いること ができよう。 動物細胞生産の場合に生じる別の利点は動物細胞の酸素要求量に関するもので ある。 回分モードで操業する動物細胞培養は2−3×105細胞個数/mlから始ま り、日々に2倍から4日で2百万個/mlになり7日後に低下する。環流培養は 50−200×106細胞個数/mlで働き、典型的には40−80日間続く。 ほとんどの細胞の酸素要求量は細胞1個当り毎時2−10×1012グラムの酸 素量の範囲に入る(6個の平均)。(単クローン細胞系統は他種の細胞よりもO2 要求量が少ない(30%))。したがって、1リットル当りの毎時の典型的な 最大O2要求量は(O2 5.33mlを7.6mgとして)培養1リットル当り 毎時酸素8.4mlである。 PFC液体が40%(容量/容量)の酸素を搬送すると仮定すると、細胞培養 1リットル毎に21mlのPFC液体で支持されるであろう。ただしPFC液体 を沸とうさせると培地の水相に100%有効なO2の移行があると仮定する。 O2の移行効率が25%という任意の値をとり、1時間というPFC液体のリ サイクル速度を用いると、1lの培養を支持するのに必要なPFC液体の平均容 量は約100ml/l(10%)となろう。さらに、リサイクル速度は1時間よ りもはるかに短かそうであり、PFC液体の支持容量はかなり小さく、たとえば ml PFC/1培養に減少する。 高熱系の場合には、極高温細菌(最適には90℃で成育)Archeobac teria のほとんどは、サルフェート代謝生成物であって、生育媒体中に元素 状硫黄の供給を要するものが多く、該硫黄によって、概して、設備に対して毒性 があるばかりでなく腐食性もあるH2Sの生成がもたらされる。培地からこのガ スを間断なく除去することは現在では極めて困難である。 別のさらに広範に研究された種は、プロテアーゼ、アミラーゼ、プルラナーゼ およびアルファグルコシダーゼを含む一連の酵素の生産用に研究されているPy rococcus furiosus である。酵素はすべて商業的に極めて重要 なものであり、酵素を得る方法を、これら細菌から商業的に実行可能な量に高め ることは極めて興味のあることである。該生物は95℃という最適成育温度を有 して、硫黄なしに生育することができるが、生物にとって毒となり、生育収率を 制約する水素を生成し、結果として生じる低細胞収率が該発酵の工業的スケール アップを商業的に実現不可能なものとする。水素除去の現在最適の方法は容器を 嫌気性ガス(たとえばアルゴン)でフラッシュすることである。 毒性があって成育を阻害する副生物を除くためにPFC液体を用いる機会は、 現在のところ、これら新規で、ことによると重要な微生物の利用にとって重要な 限定要因である生物量の収率をかなり向上させるかもしれない。 この発明の方法は、代謝において主要な役割を演ずるガス(たとえば、好気性 発酵の場合の酸素)の水性成育媒体への移行に適用可能であるばかりでなく、ま た、媒体内に適当な濃度の望ましいかまたは必要なガスもしくはガス混合物をも たらすかまたは支持するのにも用いることができる(たとえば、微好気性条件の きめ細かい調節を行うために)。 この発明は、また発酵によって生じたガス、たとえば「バイオガス」、CH4 、H2、NH3、H2S、SO3、CO2等の「採取」にも適用することができる。 他の適用分野には光合成細胞生育がある。 要約すると、この発明の方法は生物学的分野ならびに非生物学的分野のいずれ にも広範な適用性がある。 揮発性PFCのガス交換能力は次のような細胞質のものを改善するのに適用可 能のように思われる。 1.動物性 2.微生物性(真菌類および酵母を含む) 3.植物性 さらにPFCは下記を意図するプロセスを改善するのに用いることができる。 (a)細胞自体の生産(生物量、細胞ペースト、動物細胞系統等) (b)細胞代謝生成物の生産(二次生成物、たとえばアルコール類、抗生物質 、等) (c)特定の「材料/物質」を変更するために細胞を使用することで、細胞は 物質として用いることができるか、または「材料」があるときには細胞の成育に よって変更させることもできる。この変更という用語には次のものが含まれると 思われる。 分解(廃棄物の) 処理(廃棄物の) 金属イオン封鎖(たとえば重金属) 破壊(たとえばpcb等のやっかいなものの) 同化作用 消化 即ち、PFCは、プロセスに役立つような特定のガスを加えるか、またはプロ セスを阻害する可能性のある任意の種類のガスを除去することによってプロセス を改善するために用いることもできる。 上記でいう「材料/物質」は、下記の種々の源から由来するものを含む。 (i)生物学的(たとえば、下水廃液、食品(および食品製造から得られる廃 棄物) (ii)化学的 無機的(バイオ採鉱における(重)金属イオン封鎖、金属含有廃棄物 、核物質等)、および 有機的(医薬品、石油化学、農薬製造、染料、食品、宇宙生命工学等 で用いられる薬品/ポリマー)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C02F 3/34 Z 9345−4D C12M 1/04 7417−4B 3/02 7417−4B C12N 5/04

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.液状のときには液体媒体と混り合わず、かつガスを溶解することができる 有機流体を用いて、液体媒体へ、または液体媒体からのガスの移動を促進させる 、液体媒体中に溶解したガスの濃度の調節方法において、該有機流体が、それぞ れ液状および気体状で存在する異なる温度で操作される帯域間を該有機流体を移 動させ、有機流体が液状にある帯域ではガスが有機流体に溶解し、かつ別の帯域 では有機流体からのガスの分離が行われることを特徴とする方法。 2.有機流体を液状から気体状に転化させる帯域で、有機流体からのガスの分 離が行われることを特徴とする請求項1の方法。 3.有機流体が液状から気体状に移行するときに、ガスを発生させることを特 徴とする請求項2の方法。 4.液状のときには液体媒体と混り合わず、かつガスを溶解することができる 有機流体を用いて、液体媒体へ、または液体媒体からのガスの移動を促進させる 、液体媒体中に溶解したガスの濃度の調節方法において、該有機化合物が、それ ぞれ液状および気体状で存在する異なる温度で操作される帯域間を、該有機化合 物を移動させ、それによって該有機流体が液状にある帯域では有機流体中にガス が溶解し、有機流体が液状から気体状に移行するときガスを発生させることを特 徴とする方法。 5.液状にあり、かつ溶解したガスを含有する有機流体を、液体媒体と接触さ せて、溶解したガスを液体媒体に移行させることを特徴とする前記請求項中いず れか1つの項の方法。 6.液状にあり、かつ溶解したガスを含有する有機流体を、液体媒体と接触さ せ、それによって有機流体を気体状に転化させ、溶解したガスを発生させ、発生 したガスを液体媒体に溶解させることを特徴とする前記請求項中いずれか1つの 項の方法。 7.液状にある有機流体を液体媒体と接触させ、液体媒体と接触している間に 有機流体を気体状に転化させ、かつ気体状の有機流体と液体媒体とを相互に分離 させることを特徴とする前記請求項中いずれか1つの項の方法。 8.液体媒体が有機流体の沸点を上回る温度にあることを特徴とする請求項中 いずれか1つの項の方法。 9.液状にあるときには液体媒体と混り合わず、かつガスを溶解することがで きる有機流体を用いて、液体媒体へのガスの移動を促進させる、液体媒体中に溶 解したガスの濃度の調節方法において、 (i)該有機化合物の沸点よりも低い温度で操作される第1帯域で液状の該有 機化合物をガスと接触させて、ガスの有機液体溶液を生成させ、 (ii)工程(i)で得た溶液を、有機液体の沸点を上回る温度で操作される第 2帯域に移行させ、そこで有機流体が液状から気体状に転移して、ガスを発生さ せ、 (iii)工程(ii)で発生したガスが液体媒体と接触して、その中に溶解し、 (iv)工程(ii)で得た気体状の有機流体を液体媒体から分離し、 (v)工程(iv)で分離した気体状の有機流体を凝縮させ、さらに (vi)工程(iv)で得た液状の有機流体を用いて、工程(i)のガスを溶解さ せることを特徴とする方法。 10.ガスが酸素であることを特徴とする前記請求項中のいずれか1つの項の 方法。 11.液状の有機流体を液体媒体と接触させ、液体媒体が含有する溶解したガ スを有機液体に移行させることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか 1つの項の方法。 12.気体状の有機流体を液体媒体と接触させ、液体媒体と接触している間に 有機流体を液状に転化させ、かつ液状の有機流体と液体媒体とを相互に分離させ ることを特徴とする請求項11の方法。 13.液状にあって、溶解したガスを含有する有機流体を液体媒体から分離し て、別の帯域に移行させ、そこで有機流体を気体状に転化させ、かつ溶解したガ スを発生させて、有機流体から分離することを特徴とする請求項11または請求 項12の方法。 14.液体媒体が、有機流体の沸点よりも低い温度にあることを特徴とする請 求項11ないし請求項13のいずれか1つの項の方法。 15.液状にあるときには液体媒体と混り合わず、かつガスを溶解することが できる有機流体を用いて、液体媒体からのガスの除去を促進させる、液体媒体中 に溶解したガスの濃度の調節方法において、 (i)該有機化合物の沸点よりも低い温度で操作される第1帯域で、液状の該 有機化合物を液体媒体と接触させ、それによって液体媒体中に溶解していたガス を該有機液体に移行させて、ガスの有機液体溶液を生成させ、 (ii)工程(i)で得た溶液を、有機液体の沸点を上回る温度で操作される第 2帯域に移行させ、そこで有機流体が液状から気体状に転移して、ガスを発生さ せ、 (iii)工程(iii)で発生したガスを有機流体から分離し、 (iv)工程(ii)で得た気体状の有機流体を凝縮させ、さらに (v)工程(iv)で得た液状の有機流体を工程(i)の液体媒体と接触させる ことを特徴とする方法。 16.液状にあるときには液体媒体と混り合わず、かつガスを溶解することが できる有機流体を用いて、液体媒体へ、または液体媒体からのガスの移動を促進 させる、液体媒体中に溶解したガスの濃度の調節方法において、該有機化合物が それぞれ液状および気体状で存在する異なる温度で操作される帯域間を該有機化 合物を移動させ、それによって有機流体が液状にある帯域ではガスが有機流体に 溶解し、さらに液体媒体と接触している間に、有機流体が液状と気体状との間で 相転換を行うことを特徴とする方法。 17.液体媒体と接触している間に、有機流体を液状から気体状に転化させる ことを特徴とする請求項16の方法。 18.液体媒体と接触している間に、有機流体を気体状から液状に転化させる ことを特徴とする請求項16の方法。 19.液体媒体が水性媒体であることを特徴とする前記請求項中いずれか1つ の項の方法。 20.液体媒体が生体用水性成育媒体であることを特徴とする請求項19の方 法。 21.溶解したガスの濃度の調節が下記生物学的方法: (i)原核または真核細胞の成育、 (ii)所望の代謝物質の生成をもたらす培養条件下での原核または真核細胞の 支持、 (iii)好ましくない物質の排除をもたらす培養条件下での原核または真核細 胞の支持、 (iv)培地に加えた物質を化学的に改良された形態への転化をもたらす培養条 件での原核または真核細胞の支持、 (v)全個体群中1員以上の選択的生存、増殖、活動制止、または死滅をもた らす培養条件下での原核および/または真核細胞の混合個体群の支持、 (vi)廃棄物の分解、 (vii)廃棄物の処理、 (viii)重金属イオン封鎖 の中の1つの工程を含むことを特徴とする前記請求項中いずれか1つの項の方法 。 22.液状にあるときには水性成育媒体と混り合わず、かつガスを溶解するこ とができる有機流体を用いて、該媒体へ、または該媒体からのガスの移動を促進 させる、水性成育媒体中で細胞を培養する方法において、該有機流体が、それぞ れ、液状および気体状で存在する異なった温度で操作される帯域間を有機流体を 移動させ、有機流体が液状にある帯域でガスが有機流体に溶解し、別の帯域で有 機流体からのガスの分離が行われることを特徴とする方法。 23.有機流体を液状から気体状に転化させる帯域で有機流体からのガスの分 離が行われることを特徴とする請求項22の方法。 24.有機流体が液状から気体状に転移するときにガスを発生させることを特 徴とする請求項23の方法。 25.液状にあるときには水性成育媒体とは混り合わず、かつガスを溶解する ことができる有機流体を用いて、該媒体へ、または該媒体からのガスの移動を促 進させる、水性成育媒体中で細胞を培養する方法において、該有機化合物がそれ ぞれ液状および気体状で存在する異なる温度で操作される帯域間を、有機化合物 を移動させ、それによって有機流体が液状にある帯域でガスが有機流体に溶解し 、有機流体が液状から気体状に転移するときにガスを発生させることを特徴とす る方法。 26.液状にあって、溶解したガスを含有する有機流体を水性成育媒体と接触 させて、溶解したガスを水性成育媒体に移行させることを特徴とする請求項22 ないし請求項25のいずれか1つの項の方法。 27.液状にあって、溶解したガスを含有する有機流体を水性成育媒体と接触 させ、それにより有機流体を気体状に転化させて、溶解したガスを発生させ、発 生したガスを水性成育媒体に溶解させることを特徴とする請求項22ないし請求 項26のいずれか1つの項の方法。 28.液状にある有機流体を水性成育媒体と接触させ、水性成育媒体と接触し ている間に有機流体を気体状に転化させ、気体状の有機流体と水性成育媒体とを 相互に分離させることを特徴とする請求項22ないし請求項27のいずれか1つ の項の方法。 29.水性成育媒体が有機流体の沸点を上回る温度にあることを特徴とする請 求項22ないし請求項28のいずれか1つの項の方法。 30.液状にあるときには水性成育媒体と混り合わず、かつガスを吸収するこ とができる有機流体を用いて、該媒体へのガスの移動を促進させる、水性成育媒 体中で細胞を培養する方法において、 (i)該有機化合物の沸点よりも低い温度で操作される第1帯域で、液状の該 有機化合物をガスと接触させて、ガスの有機液体溶液を生成させ、 (ii)工程(i)で得た溶液を該有機液体の沸点を上回る温度で操作される第 2帯域に移行させ、そこで有機流体が液状から気体状に転移して、ガスを発生さ せ、 (iii)工程(ii)で発生したガスが水性成育媒体と接触して、その中に溶解 し、 (iv)工程(ii)で得た気体状の有機流体を水性成育媒体から分離させ、 (v)工程(iv)で分離させた気体状の有機流体を凝縮させ、さらに (vi)工程(iv)で得た液状の有機流体を用いて、工程(i)のガスを溶解さ せることを特徴とする方法。 31.ガスが酸素であることを特徴とする請求項22ないし請求項30のいず れか1つの項の方法。 32.液状の有機流体を水性成育媒体と接触させ、水性成育媒体中に含まれる 溶解したガスを該有機液体に移行させることを特徴とする請求項22ないし請求 項25のいずれか1つの項の方法。 33.気体状の有機液体を水性成育媒体と接触させ、水性成育媒体と接触して いる間に、有機流体を液状に転化させ、液状の有機流体と水性成育媒体とを相互 に分離させることを特徴とする請求項32の方法。 34.液状にあって、溶解したガスを含有する有機流体と水性成育媒体から分 離して、別の帯域に移行させ、そこで有機流体を気体状に変え、溶解したガスを 発生させて、有機流体から分離することを特徴とする請求項32または請求項3 3の方法。 35.水性成育媒体が有機流体の沸点よりも低い温度にあることを特徴とする 請求項32ないし請求項34のいずれか1つの項の方法。 36.液状にあるときには水性成育媒体と混り合わず、かつガスを溶解するこ とができる有機流体を用いて、該媒体からのガスの除去を促進させる、水性成育 媒体中で細胞を培養する方法において、 (i)該有機化合物の沸点よりも低い温度で作動される第1帯域で、液状の該 有機化合物を水性成育媒体と接触させ、それにより水性成育媒体中に溶解したガ スを該有機流体に移行させて、ガスの有機液体溶液を生成させ、 (ii)工程(i)で得た溶液を、有機液体の沸点を上回る温度で操作される第 2帯域に移行させ、そこで有機流体が液状から気体状に転移して、ガスを発生さ せ、 (iii)工程(iii)で発生したガスを有機流体から分離し、 (iv)工程(ii)で得た気体状の有機流体を凝縮させ、さらに (v)工程(iv)で得た液状の有機流体を工程(i)の水性成育媒体と接触さ せることを特徴とする方法。 37.液状にあるときは水性成育媒体と混り合わず、かつガスを溶解すること ができる有機流体を用いて、該媒体へ、または該媒体からのガスの移動を促進さ せる、水性成育媒体中で細胞を培養する方法において、該有機化合物が、それぞ れ液状および気体状で存在する、異なる温度で操作される帯域間を該有機化合物 を移動させ、それによって、有機流体が液状にある帯域で、ガスが有機流体に溶 解し、水性成育媒体と接触している間に、有機流体が液状と気体状との間で相転 換を行うことを特徴とする方法。 38.水性成育媒体と接触している間に、有機流体を液状から気体状に転化さ せることを特徴とする請求項37の方法。 39.水性成育媒体と接触している間に、有機流体を気体状から液状に転化さ せることを特徴とする請求項37の方法。 40.有機流体がペルフルオロ化学物質(PFC)を含むことを特徴とする前 記請求項中いずれか1つの項の方法。 41.有機流体がペルフルオロ化学物質(PFC)を含むことを特徴とする前 記請求項中いずれか1つの項の方法。 42.PFCが式 Cn2n-x (I) (式中、nは1から30の正の整数、xは−2、0または2から20の正の偶数 )を有するペルフルオロカーボンであることを特徴とする請求項41の方法。 43.PFCが一般式 Cnm(2n-x+m) (II) Cnm(2n-x)、または (III) Cnm(2n-x) (IV) (式中、nは1から30の正の整数、xは−2、0または2から20の正の偶数 、mは1から6)によって表わされる化合物であることを特徴とする請求項41 の方法。 44.PFCがペルフルオロアルカン、ペルフルオロシクロアルカンまたはペ ルフルオロアルキルテトラヒドロフランであることを特徴とする請求項41の方 法。 45.PFCが下記(および下記の混合物を含む): ペルフルオロペンタン類(C512); ペルフルオロヘキサン類(C614); ペルフルオロ(メチルシクロヘキサン)(C714); ペルフルオロ(ジメチルシクロヘキサン)(C816); ペルフルオロデカリン(シス−および/またはトランス−C1018); および ペルフルオロ(メチルデカリン)(シス−および/またはトランス−C1120) から選ばれることを特徴とする請求項41の方法。 46.PFCがペルフルオロ化アルカン、エーテルまたは第三級アミンである ことを特徴とする請求項41の方法。 47.PFCがペルフルオロ(2−n−ブチルテトラヒドロフラン)、ペルフ ルオロ(2−n−プロピルテトラヒドロフラン)またはペルフルオロトリ−n− ブチルアミンであることを特徴とする請求項41の方法。
JP50308693A 1992-07-07 1993-07-02 液体媒体中に溶解したガスの濃度の調節方法 Pending JPH08501927A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB9214379A GB9214379D0 (en) 1992-07-07 1992-07-07 Process for culturing cells
GB9214379.1 1992-07-07
PCT/GB1993/001392 WO1994001530A1 (en) 1992-07-07 1993-07-02 Process for modulating the concentration of dissolved gases in liquid media

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08501927A true JPH08501927A (ja) 1996-03-05

Family

ID=10718314

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP50308693A Pending JPH08501927A (ja) 1992-07-07 1993-07-02 液体媒体中に溶解したガスの濃度の調節方法

Country Status (6)

Country Link
EP (1) EP0650519A1 (ja)
JP (1) JPH08501927A (ja)
AU (1) AU4508793A (ja)
CA (1) CA2139762A1 (ja)
GB (2) GB9214379D0 (ja)
WO (1) WO1994001530A1 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010162463A (ja) * 2009-01-14 2010-07-29 Kurita Water Ind Ltd 嫌気処理方法及び装置
JP2010530747A (ja) * 2007-06-20 2010-09-16 ナーガルジュナ エナジー プライベート リミテッド 発酵による生成物の回収プロセス
JP2013520299A (ja) * 2010-02-22 2013-06-06 ハイクローン ラボラトリーズ インコーポレイテッド 凝縮器付き混合システム
US9457306B2 (en) 2014-10-07 2016-10-04 Life Technologies Corporation Regulated vacuum off-gassing of gas filter for fluid processing system and related methods
US10005005B2 (en) 2014-03-21 2018-06-26 Life Technologies Corporation Condenser systems for fluid processing systems
US10688429B2 (en) 2014-03-21 2020-06-23 Life Technologies Corporation Gas filter systems for fluid processing systems
US11268056B2 (en) 2015-12-29 2022-03-08 Life Technologies Corporation Flexible bioprocessing container with partial dividing partition

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2422230C (en) * 2000-09-13 2011-03-15 Csir Bio-reactor device
DE102009005962A1 (de) * 2009-01-23 2010-07-29 Bayer Technology Services Gmbh Begasungssystem

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS50908B2 (ja) * 1972-03-23 1975-01-13
US4177246A (en) * 1978-02-24 1979-12-04 Stoddard Xerxes T Wet oxidation of materials
EP0164813B1 (en) * 1984-06-14 1991-10-09 Teijin Limited Method of cultivating animal or plant cells

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010530747A (ja) * 2007-06-20 2010-09-16 ナーガルジュナ エナジー プライベート リミテッド 発酵による生成物の回収プロセス
JP2010162463A (ja) * 2009-01-14 2010-07-29 Kurita Water Ind Ltd 嫌気処理方法及び装置
US10711233B2 (en) 2010-02-22 2020-07-14 Life Technologies Corporation Heat exchanger system with flexible bag
JP2013520299A (ja) * 2010-02-22 2013-06-06 ハイクローン ラボラトリーズ インコーポレイテッド 凝縮器付き混合システム
US9127246B2 (en) 2010-02-22 2015-09-08 Life Technologies Corporation Methods for condensing a humid gas
US9284524B2 (en) 2010-02-22 2016-03-15 Life Technologies Corporation Heat exchanger system with flexible bag
US12012579B2 (en) 2010-02-22 2024-06-18 Life Technologies Corporation Heat exchanger system with flexible bag
US9528083B2 (en) 2010-02-22 2016-12-27 Life Technologies Corporation Heat exchanger system with flexible bag
US11492582B2 (en) 2010-02-22 2022-11-08 Life Technologies Corporation Heat exchanger system with flexible bag
US11229855B2 (en) 2014-03-21 2022-01-25 Life Technologies Corporation Condenser systems for processing a fluid
US10688429B2 (en) 2014-03-21 2020-06-23 Life Technologies Corporation Gas filter systems for fluid processing systems
US10005005B2 (en) 2014-03-21 2018-06-26 Life Technologies Corporation Condenser systems for fluid processing systems
US11554335B2 (en) 2014-03-21 2023-01-17 Life Technologies Corporation Methods for gas filteration in fluid processing systems
US11717768B2 (en) 2014-03-21 2023-08-08 Life Technologies Corporation Condenser bag for processing a fluid
US10822582B2 (en) 2014-10-07 2020-11-03 Life Technologies Corporation Regulated vacuum off-gassing of gas filter for fluid processing system and related methods
US10059916B2 (en) 2014-10-07 2018-08-28 Life Technologies Corporation Regulated vacuum off-gassing of gas filter for fluid processing system and related methods
US11685886B2 (en) 2014-10-07 2023-06-27 Life Technologies Corporation Regulated vacuum off-gassing of gas filter for fluid processing system and related methods
US9457306B2 (en) 2014-10-07 2016-10-04 Life Technologies Corporation Regulated vacuum off-gassing of gas filter for fluid processing system and related methods
US11268056B2 (en) 2015-12-29 2022-03-08 Life Technologies Corporation Flexible bioprocessing container with partial dividing partition

Also Published As

Publication number Publication date
WO1994001530A1 (en) 1994-01-20
AU4508793A (en) 1994-01-31
GB2284216A (en) 1995-05-31
GB2284216B (en) 1996-04-17
GB9500282D0 (en) 1995-03-08
EP0650519A1 (en) 1995-05-03
GB9214379D0 (en) 1992-08-19
CA2139762A1 (en) 1994-01-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1228048A (en) Separation of volatiles from aqueous solutions by gas stripping
CN1226273C (zh) 生产乙酸的微生物方法以及从发酵液中萃取乙酸的溶剂
US7201884B2 (en) Process and apparatus for performing a gas-sparged reaction
JPH08501927A (ja) 液体媒体中に溶解したガスの濃度の調節方法
Lee et al. Lipopeptide production from Bacillus sp. GB16 using a novel oxygenation method
Nasirpour et al. Biodegradation potential of hydrocarbons in petroleum refinery effluents using a continuous anaerobic-aerobic hybrid system
Chtioui et al. Selective fengycin production in a modified rotating discs bioreactor
Lee et al. Simultaneous biodegradation of toluene and p‐xylene in a novel bioreactor: experimental results and mathematical analysis
EP1123896A1 (en) Method for producing high concentration carbon dioxide product
JP2014100678A (ja) 嫌気性排水処理方法
Giridhar et al. Productivity enhancement in L-sorbose fermentation using oxygen vector
Honeycutt A technique for harvesting unicellular algae using colloidal gas aphrons
Palabikyan et al. Scale-up of biomass production by Methanococcus maripaludis
Jassal et al. In‐situ extraction and purification of ethanol using commercial oleic acid
JPH09290249A (ja) 有機性廃液の処理方法
JP2006217829A (ja) 微生物を用いる水素生産装置、およびそれを用いる燃料電池システム
Richard et al. C1-Proteins Prospect for Production of Industrial Proteins and Protein-Based Materials from Methane
JP3781216B2 (ja) 嫌気性消化汚泥中の難分解有機物の再消化を可能とする嫌気性汚泥消化法及び装置
JP2003251312A (ja) 水素発酵装置
TWI306842B (en) Organic pollutant treatment device and the method thereof
Qasim Biodegradation of hexavalent chromium (Cr+ 6) in wastewater using Pseudomonas sp. and Bacillus sp. bacterial strains
Dahlan et al. Analysis of a simple biodegradation process for the removal of volatile organic chemicals from wastewater based on a gas stripping principle
JP6993266B2 (ja) 水処理方法および水処理装置
CN206666223U (zh) 一种变速厌氧反应器
JP3156054B2 (ja) 高収率で高温細菌を生産する方法