JPH08501781A - 3−置換された2−スルホニルメチルプロピオン酸の立体選択的合成方法および中間体 - Google Patents

3−置換された2−スルホニルメチルプロピオン酸の立体選択的合成方法および中間体

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JPH08501781A JP6508713A JP50871394A JPH08501781A JP H08501781 A JPH08501781 A JP H08501781A JP 6508713 A JP6508713 A JP 6508713A JP 50871394 A JP50871394 A JP 50871394A JP H08501781 A JPH08501781 A JP H08501781A
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Abstract

(57)【要約】 3−置換された2−スルホニルメチルプロピオン酸の立体選択的合成方法および中間体式IIおよびIII の化合物から出発して複数の工程の方法で式I

Description

【発明の詳細な説明】 3-置換された2-スルホニルメチルプロピオン酸の立体選択的合成方法および中 間体 3-置換された2-スルホニルメチルプロピオン酸およびその誘導体、例えばエ ステルは、分子の構成単位としておよびアスパルチルプロテアーゼ阻害剤に対す るプレカーサーとして重要性が増大 Henning,Nachr.Chem.Techn.Lab.38(1990),460;J.R.Huff,J.Med.Ch em.34(1991),2305〕。 上述した化合物は、既に知られている。さらに、これらの化合物を製造する一 連の合成方法が文献に記載されている。 等、J.Med.Chem.31(1988),1839;T.Tsuji等、TetrahedronLett.30(19 89),6189;M.Nakano等、Tetrahedron Lett.31(1990),1569;M.Nakano 等、Chem.Lett.(1990),505;およびD.A.Evans等、J.Org.Chem.50(19 85),1830がある。 最初に述べた合成は、とりわけ、ホルムアルデヒドおよび(または)ホルムア ルデヒド誘導体の使用を必要とする。これらの化合物は、とりわけ形成される副 生成物のように、化合物のアルキル化の性質のために健康の見地から非常に望ま しくないものとみなされそして作業所の健康管理と安全性を包含する特別な安全 対策を必要とする〔Merck Index 11,4150〕。 さらに、光学的に純粋な化合物の製造は、ラセミ体の分割を必要とする。この 目的のために、ラセミ酸を、L-フェニルアラニノールを使用してジアステレオ マーアミドに変換し、これらのアミドを クロマトグラフィー処理により分離しそして相当するアミドの加水分解により所 望の異性体を得る。多数の工程、クロマトグラフィー処理に関連するラセミ体を 分割する根本的な不利点および規模拡大の問題は、この方法が比較的多量の製造 に対して魅力のあるものでないと思われることを意味する。 Tsuji等による合成は、ラセミ体を分割することはないけれども、同様な多数 の工程を使用して光学的に純粋な物質を与える。この合成は、保護基を導入およ び除去する多数の工程からなり、使用される若干の試薬は高価であり、そしてあ る場合においては、発癌性ホルムアルデヒド誘導体が合成の過程において使用ま たは生成される〔H.G.Neumann in "Allgemeine und spezielle Pharmakologie und Toxikologie" 〔General and Special Pharmacology andToxicology〕,4t h edition,W.Forth,Ed.,B.I.Wissenschaft-sverlag,Mannheim-Vienna-Zu rich,p.621 ff.(1983);Arch.Environ.Health 30(2),61〕。それ故に 、この合成方法は、多量の製造に対して経済的および生態学的に適切な代替方法 とはならない。 EvansおよびMathreによって記載されているチオールファンの合成に関連して 示されている2-メルカプトメチルジヒドロ桂皮酸の製造は、既に説明した二つ の合成に比較して簡単であり、良好な全収率で進行しそして高い光学純度の両エ ナンチオマーを具体的に製造することを可能にする。この合成における弱点は、 メルカプタン基の複雑な導入および結果として起るベンジルチオメチルブロマイ ドを使用する必要性である。この化合物は、健康の見地から望ましいものでなく そしてトリオキサン(ホルムアルデヒド源として)、ベ ンジルメルカプタン(またはベンジルチオメチルクロライド)およびHBrから製 造される〔H.G.Neumann in “Allgemein und speziellePharmakologie und Tox ikologie”〔General and Special Pharmaco-logy and Toxicology〕,4th edit ion,W.Forth,Ed.,B.I.Wissenschaftsverlag,Mannheim-Vienna-Zurich,p .621 ff.(1983);Arch.Environ.Health 30(2),61〕。 Nakano等は、化合物Iの炭素骨格を合成する二つの方法を記載している。第一 の合成は、マロン酸ジエチルから出発しそして6工程およびさらにジアステレオ マーのクロマトグラフィー分割を必要とする。 第二の方法は、キラル非-ラセミアリールプロピオニルオキサゾリジノンおよ びベンジルブロモメチルエーテルを使用したその立体選択的アルキル化〔M.W. Holladay等、J.Med.Chem.30(1987),374〕次いでクロマトグラフィー処理 を経て進行する。第一の方法の場合におけるように水素添加によりベンジル基を 除去した後、硫黄置換分を、遊離ヒドロキシル基のトシル化次いでDMF中におけ るNaSCH2CH3による置換により導入する。 これらの二つの合成ルートは、工程の多さ、発癌性および毒性を有する前駆体 または反応剤としてのホルムアルデヒド誘導体、ラセミ化を完全には避けること はできない硫黄置換分の複雑な導入、そして最後に述べるが決して軽んずべきで ないものとしての、不純物のクロマトグラフによる分離並びにジアステレオマー 化合物の分割によっても特徴付けられる。 本発明の目的は、 * 工程が少なく、 * 化学反応の保護基を必要としない、 * カラムクロマトグラフィー工程を必要としない、 * 立体選択的(stereoselective)でありそして選択的に式Iのエナンチオマ ー化合物を与える、 * ラセミ体の分割またはジアステレオマーの分割を必要としない、そして * 改善を示す、すなわち、健康、生態学および安全の見地から異議のない式I の化合物の合成方法を開発せんとするものである。 本発明は、 (I)塩基の存在下に、式II R−SH II (式中、R1は式Iに対して定義した通りである)のメルカプタンを式III (式中、Halは、沃素、臭素または塩素でありそしてR3は、1〜6個の炭素原 子を有する直鎖状または分枝鎖状のアルキル基である)の化合物と反応させて式 IV (式中、R1は式Iに対して定義した通りでありそしてR3は式IIIに対して定義し た通りである)の化合物を得、そして(II)式IVの化合物を式V R2ーCH=P(C6H5)3 V (式中、R2は式Iに対して定義した通りである)のイリドと反応させて式VI (式中、R1およびR2は式Iに対して定義した通りでありそしてR3は式IIIに対し て定義した通りである)の不飽和化合物を得、 (III)(A)式VIの化合物をアルカリ性加水分解に付して式VII (式中、R1およびR2は式Iに対して定義した通りである)の化合物を得、そして (a)エナンチオ選択的(enantioselective)水素添加によって、式VIIの化合物 を式X (式中、R1およびR2は式Iに対して定義した通りである)の化合物に変換し、そ して次の酸化によって式Xの化合物を式Iの化合物に変換するか、または (b)酸化によって、式VIIの化合物を反応させて式XI (式中、R1およびR2は式Iに対して定義した通りである)の化合物を得、そして 次の式XIの化合物のエナンチオ選択的水素添加によって式Iの化合物を得るか、 または (B)式VIの化合物を、キラル触媒を使用したエナンチオ選択的水素添加に付し て式VIII (式中、R1およびR2は式Iに対して定義した通りでありそしてR3は式IIIて定義 した通りである)の化合物を得、そして (a)アクリル性加水分解によって式VIIIの化合物を式X (式中、R1およびR2は式Iに対して定義した通りである)の化合物に変換しそし て次の式Xの化合物の酸化によって式Iの化合物を得るか、または (b)式VIIIの化合物の酸化によって式XII (式中、R1およびR2は式Iに対して定義した通りでありそしてR3は式IIIに対し て定義した通りである)の化合物を得、そしてその後、アクリル性加水分解によ って、式XIIの化合物を式Iの化合物に変換するか、または (C)式VIの化合物を酸化して式IX (式中、R1およびR2は式Iに対して定義した通りでありそしてR3は式IIIに対し て定義した通りである)を得、そして (a)式IXの化合物をアルカリ性加水分解して式XI (式中、R1およびR2は式Iに対して定義した通りである)の化合物を得、そして 次に式XIの化合物をエナンチオ選択的に水素添加して式Iの化合物を得るか、ま たは (b)式IXの化合物をエナンチオ選択的に水素添加して式XII (式中、R1およびR2は式Iに対して定義した通りでありそしてR3は式IIIに対し て定義した通りである)の化合物を得そして次に式XIIの化合物をアルカリ性加 水分解して式Iの化合物を得ることにより式IXの化合物を式Iの化合物に変換す る ことによって式VIの化合物を式Iの化合物に変換することからなる式I 〔式中、 R1はC1〜C6−アルキル、C3〜C6−シクロアルキル、(C6〜C12)−アリール−(C1 〜C4)−アルキルまたはC6〜C12−アリールまたは−ヘテロアリールまたは−ヘテ ロシクロアルキル(これらの基は、1、2または3個の同一または異なるヒドロ キシル、メトキシまたはトリアルキルシリルオキシ基により置換されていてもよ い)であり;そして R2は1、2または3個の同一または異なるメトキシ、ハロゲン、シアノ、メチ ル、トリフルオロメチル、イソプロピルまたはニトロ基により置換されていても よいC6〜C12−アリール、 1、2または3個の同一または異なるメトキシ、ハロゲン、シアノ、メチル、 トリフルオロメチル、イソプロピルまたはニトロ基により置換されていてもよい C3〜C9−ヘテロアリール、または 1、2または3個の同一または異なるメトキシ、ハロゲン、シアノ、メチル、 トリフルオロメチル、イソプロピルまたはニトロ基により置換されていてもよい C1〜C10−アルキル、アルケニルまたはアルキニルであり;そして式Iの化合物 はRまたはS形態で存在することができる〕の化合物の立体選択的製法である。 本発明の方法は、特に R1がC1〜C4−アルキル、C5〜C6−シクロアルキル、(C6〜C12)−アリール−(C1 〜C3)−アルキルまたはC6〜C12−アリールまたはヘテロアリール(これらの基は 、ヒドロキシル、メトキシまたはトリアルキルシリルオキシ基により置換されて いてもよい)であり;そして R2がメトキシ、ハロゲン、メチル、トリフルオロメチルまたはイソプロピル基 により置換されていてもよいC6〜C12−アリール;メトキシ、ハロゲン、メチル 、トリフルオロメチルまたはイソプロピル基により置換されていてもよいC3〜C6 −ヘテロアリールまたはC1〜C4−アルキル、−アルケニルまたは−アルキニルで ある式Iの化合物の製造に適している。 本発明による方法は、 R1がC1〜C4−アルキル、(C6〜C12)−アリール−(C1〜C3)−アルキルまたはC6 〜C12−アリールであり、そして R2がC6〜C12−アリール、C3〜C6−ヘテロアリールまたはC1〜C4−アルキル、 −アルケニルまたは−アルキニルである化合物の製造 に特に適している。 さらに、本発明は、 式IV (式中、R1またはR3は請求項1において定義した通りである)の化合物、 式VI (式中、R1、R2およびR3は請求項1において定義した通りである)の化合物、 式VII (式中、R1およびR2は請求項1において定義した通りである)の化合物、 式VIII (式中、R1、R2およびR3は請求項1において定義した通りである)の化合物、 式IX (式中、R1、R2およびR3は請求項1において定義した通りである)の化合物、 式X (式中、R1およびR2は請求項1において定義した通りである)の化合物、 式XI (式中、R1およびR2は請求項1において定義した通りである)の化合物、 式XII (式中、R1、R2およびR3は請求項1において定義した通りである)の化合物に関 する。 さらに、本発明は、上述した方法の工程による式IV、VI、VII、VIII、IX、X 、XIおよびXII(式中、置換分は請求項1において定義した通りである)の化合 物の製法である。 式I、VIII、XおよびXIIの化合物は、RまたはS形態において存在すること ができる。式VI、VII、IXおよびXIの化合物は、E(トランス)またはZ(シス )異性体として存在することができる。 本発明による方法において出発物質として使用される式IIのメルカプタンは、 商業的に入手(例えばFuluka,Aldrich)するかまたは文献〔例えばOrganikum, Verlag VEB Berlin 1964,p.176およびB.O.Isler等、Helv.Chim.Acta 108, 903 (1956)またはR.P.Valante,Tetrahedron Lett.22,3199(1981)〕から知 られている方法により製造することができる。式IIIの相当するピルビン酸誘導 体は、E.Cadis等、CA 193 (21):190763gの方法と同様な方法によってまたはN .F.Blau,I.Org.Chim.22,83(1957)によって製造することができるけれども 、また、商業的に入手(例えばFuluka)することもできる。 式IVの化合物を与える式IIIの化合物によるメルカプタンIIのS−アルキル化 は、例えばNaOH、KOH、NEt3、NaHおよびナトリウムエチレートのような塩基の存 在下において、好ましくはテトラヒドロフ ラン、アセトンまたはDMEのような有機溶剤中で0℃と+70℃との間の温度で1 〜6時間実施される。好ましい実施化は、塩基としてのNaHCO3および相転移触媒 の存在下において水/塩化メチレン中で二相触媒作用を使用することからなる。 式Vの燐イリドは、例えばNaH、K第3ブチレート、NaエチレートまたはNaOH のような塩基の存在下において、例えばテトラヒドロフラン、DMEまたはDMSOの ような溶剤中で−10℃〜+60℃の温度で相当するホスホニウム塩から反応系内で 製造される。 イリドVと式IVのケト化合物との反応は、例えば−10℃〜+80℃の温度でDMSO 、テトラヒドロフラン、DMEなどのような溶剤中でウィッティヒ反応〔大要:B. E.Maryanoff,A.B.Reitz Phosphorusand Sulfur 27,167(1986)およびChem. Rev.89,863(1989)〕によって実施される。 本発明によって式VIIの化合物を製造するためには、式VIの化合物を、好まし くは溶剤、例えばアルコール、DME/H2Oまたは双極性の非プロトン性溶剤、例え ばDMF、アセトニトリルおよびDMSOに溶解し、2または3以上の当量のK2CO3また はNaOHを加えそして混合物を、0℃〜+40℃の温度で1〜2時間加水分解に付す 。好ましい実施化は、出発化合物をメタノールまたはエタノールに溶解しそして 室温で炭酸カリウム2〜4当量を使用して2時間以上処理を実施することからな る。 式VIIIの化合物への式VIの化合物の変換は、エナンチオ選択的水素添加により 実施される。 原則として、酒石酸および臭化ナトリウムで変性されたラネーニッケル触媒上 で>90%eeのエナンチオマー過剰で不均一エナンチオ 選択的水素添加を達成し得ることは知られている〔T.Harada等、Chem.Lett.1 195(1978);A.Tai等、Chem.Lett.2083(1984)〕。しかしながら、ニッケルの 既知のアレルギー発現の可能性および方法の再現性が劣るために、このような不 均一触媒は、例えば医薬の合成に適当でない。それ故に、本発明によれば、光学 誘導は、水素添加触媒として溶解した光学的に純粋な有機金属複合体を使用する ことにより得られる。この触媒は、低濃度で反応混合物中に存在することだけが 必要である。変換される基質対使用される触媒のモル比は、一般に、触媒および 基質によって、100と約50,000との間、好ましくは100と5000との間にある。基質 /触媒比の上限は、本質的に、水素添加条件下で存在する“活性触媒”が一般に 急速にそして不可逆的に酸素により消費されるという事実によって決定される。 そのため必要とされる触媒の量は、本質的に、水素添加開始前に反応溶液を脱ガ スできる程度および水素添加が行われる間空気を排除することのできる程度に依 存する〔例えば、W.Vocke等、Chem.Techn.39,123(1987)〕。 一般に、触媒約0.1〜0.5モル%が十分である。好適に使用される複合体におい て、中心原子は、ロジウム(I)陽イオンまたはルテニウム(II)陽イオンであ る。 水素添加開始前に、適当な不活性溶剤または溶剤混合物中の基質、プレ触媒( precatalyst)および必要に応じて添加剤(例えばアミン)の溶液を反応容器に 入れることが好ましい。それから、脱ガスした溶液を、1〜500気圧、好ましく は1〜150気圧の水素ガス下で振盪または撹拌する。 水素ガスの代りに、水素源例えばギ酸/トリエチルアミンまたは イソプロパノールの存在下において転移水素添加を使用することもできる。 C=C二重結合のエナンチオ選択的転移水素添加の原理は、H.Brunner等〔J .Organomet.Chem.387,209(1990),Tetrahedron:Asymmetry 2,331(1991)〕 によって記載されている。 基質および触媒によって、水素添加は、例えば約−40℃〜+200℃の温度範囲 で実施することができる。水素添加の程度は、水素の消費を測定することによっ てまたはHPLC分析によって監視することができる。実験的に測定することのでき る基質の水素添加のエナンチオ選択性は、反応温度、水素圧、溶剤の性質、添加 剤の存在のようなパラメーターによって、しばしばかなり影響を受ける。例えば 、若干の光学的に活性なロジウム(I)ジホスフィン複合体のエナンチオ選択性 は、ある一定に制限された水素圧を超える場合は、著しく減少する〔H.Takahes hi,K.Achiwa,Chem.Lett.,1921(1987)参照〕。これに反して別な種類のジホ スフィンが存在する場合は、生成物のエナンチオマー過剰(ee)は影響を受けな い〔例えば、U.Nagel等、Chem.Ber.119,3326(1986)参照〕かまたは増加さえ する〔例えば、A.Chan,WO 90/15790,Monsanro参照〕。Chanは、広範囲な表で 種々なルテニウム−BINAP触媒を使用したα−アリール−プロピオン酸の不斉水 素添加の場合には、水素添加生成物の光学純度は、常に水素圧力の上昇および反 応温度の低下につれて増加することを証明している。一般に、水素添加の速度は 、水素圧が上昇するにつれて増加しそしてより少ない量の触媒が必要である。ま た、温度上昇は、一般に水素添加を加速するけれども、しばしば、エナンチオマ ー過剰の減少および短かい触媒寿命と関係がある。しかし ながら、多くの場合において、最適結果は、温度を上昇させそして水素添加時間 を減少することによって達成される〔例えば、K.Kitamura等、Tetrahedron Let t.29,1555(1988)参照〕。一定の基質/触媒対の水素添加のエナンチオ選択性 は、水素添加が長くなることを考慮に入れなければならないけれども、しばしば 、−20℃〜0℃に冷却することによって強化することができる。〔例えば、A.C han,同上文献〕。不斉水素添加のエナンチオ選択性に対する例えばトリエチル アミンまたは光学的に活性な1−フェニルエチルアミンのような添加物の作用は 、推定することが困難であるが、場合によっては重要である。例えば、BPPMのロ ジウム複合体によるフェニルイタコン酸の水素添加は、アミン1当量の存在下で 高いエナンチオマー過剰でベンジルコハク酸を与えるけれども、ある他の基質/ 触媒対においては、エナンチオマー過剰は影響を受けないかまたは少数の場合に おいては鋭く低下することさえある。 実験的に測定される他の因子は、一定の金属(RhIまたはRhII)および一定の 光学的に活性なジホスフィンに対する中性プレー触媒(precatalyst)と比較し た場合の陽イオン性プレ触媒(precatalyst)の作用である。大部分の場合にお いて、陽イオン性ロジウム(I)複合体は、相当する中性複合体よりも高い触媒 活性および大なるエナンチオ選択性を有している。しかしながら、場合によって は、この関係は逆転する。 不斉水素添加に対する適当な溶剤は、原則としてすべて、基質、触媒および加 えられる添加剤を溶解しそして反応条件下で不活性である液体である。これらの 必要条件は、とりわけ、非分枝鎖状および分枝鎖状のアルコールによって満足さ れる。これらの中で、真空 中で除去することのできる容易さのために、メタノール、エタノール、プロパノ ールまたはイソプロパノールが好ましい。しかしながら、若干の触媒は、溶剤極 性が低下するにつれて増大したエナンチオ選択性を示しそしてその結果、メタノ ールにおけるよりもイソプロパノールにおいて高いエナンチオマー過剰を有する 生成物を与える。このような場合において、アルコールと混和できる非極性の補 助溶剤を加えるかまたは水素添加を直接低極性の溶剤中で実施することが有利で ある。 既知のキラルジホスフィンおよびC=C二重結合の不斉水素添加に対するこれ らのロジウム(I)またはルテニウム(II)複合体の使用については、次の文献 に見出すことができる。 (a)K.E.Koenig in“Asymmetric Synthesis”,Vol.5,Ed.Morrison,J .D.Academic Press,Orlando 1985,71頁以下; (b)J.W.ApSimon等、Tetrahedron 42,5157(1986),5173〜5186頁; (c)H.Brunner,Top.Stereochem.18,129(1988); (d)I.Ojima等、Tetrahedron 45,6901(1989),6902〜6916頁; (e)R.Noyori,H. Takaya,Acc.Chem.Res.23,345(1990); (f)H.Takaya等、Pure & Appl.Chem.62,1135〜1138(1990); (g)M. J. Burk等、Tetrahedron:Asymmetry 2,269〜592(1991)。 また、上述した文献から明らかであるように、キラル水素添加触媒は、種々な 方法で、例えば無機固体(シリカゲル、活性炭など)に対する吸着または結合( 適当である場合はスペーサーを経た)によって変性するかまたは膨潤性樹脂〔重 合体、H. Brunner等、J.Organomet.Chem.384,223(1990)参照〕上に固定す ることができ る、または適当な高極性置換分によって水溶性触媒に変換することができる。固 定した触媒は、反応の終了後濾過によって反応混合物から除去することができ、 その結果、処理操作を簡易化することができる。しばしば、濾過により単離され た触媒は、活性またはエナンチオ選択性の喪失なしに、さらに、次の水素添加バ ッチに再び使用(再循環)することができる。水溶性触媒の使用は、環境的に有 利な且つ安価な溶剤としての水の使用を可能にしそして(または)非極性の溶剤 を使用した場合は、水素添加の終了後に、水による洗浄によって触媒を簡単に除 去することを可能にする。式Iの化合物のエナンチオ選択的合成に関連する不斉 水素添加におけるこのような変性された水素添加触媒の使用も、同様に、本発明 の目的とするところである。 ルテニウム触媒は、第一に、モルを基にしたこれらの化合物の価格は約1/5で ありそして第二に、必要な基質/触媒比はしばしば好都合であるために、ロジウ ム触媒より、より経済的である。水素添加溶液を処理した後のロジウムの回収に 対する全触媒の再循環に対する可能性は文献〔W.S.Karoles,Z.Chem.Educat ion 63,222(1986);W.Vocke等、Chem.Techn.39,123(1987);0. Cervi nka等、Czech CS 221,487,CA 105:9842 v〕に記載されている。 文献(a)〜(g)に記載されているように、多数の構造型のオレフィンが不 斉水素添加に付されているけれども、スルフィドカルボン酸VIIおよび(または )そのエステルVIおよびスルホンカルボン酸Mおよび(または)そのエステルIX の本発明に関連して実施されている不斉水素添加については、現在まで同等物は ない。文献から知られている硫黄原子を含有する基質の唯一の不斉水素添加は、 キラルロ ジウム(I)ジホスフィン複合体−接触水素添加 〔I.Ojima等、Tetrahedron 40, 255〜1268,1256頁(1984)〕である。 従来の技術は多数の点において本発明の基質VI、VII、IXおよびXIと異なって いる。 1)N−アセチル−デヒドロアミノ酸誘導休としての化合物XIIIは、キラルロ ジウム触媒を基にした不斉水素添加に対する“典型的な”もっともよく試みられ たオレフィン構造型である: a) K.E.Koenig in“ASymmetric Synthesis",VOl. 5. Ed.Morrison,J .D.Academic Press,Orlando 1985, 71頁以降; b) J.W.ApSimon等、Tetrahedron 42.(1986),5173〜5186; c)H.Brunner,Top.Stereochem.18,129(1988); d) I.Ojima等、Tetrahedron 45,6901(1989),6902〜6916 本発明の基質は、ホモアリル位にカルボニル基が欠けているということを考慮 に入れれば、これまでにロジウム触媒を使用して光学誘導を達成することができ なかったオレフィン構造型に属する。複合化することができる他の官能基を有し ていないα,β-不飽和カルボン酸は、ある場合においてはキラルルテニウム触 媒を使用して水素添加して高い光学誘導を得ることができるけれども、この場合 においては、このような触媒が硫黄−含有基質の不斉水素添加が許 容されるかどうかは未知である; e) R.Noyori,H.Takaya,Acc Chem.Res.23,345(1990); f)H.Takaya等、Pure & Appl. Chem.62,1135〜1138(1990)。 2)化合物XIIIにおいて、硫黄原子は、安定なロジウム(I)キレートの形成 (2個のカルボニル基の1個またはC=C二重結合と協力して)を可能にしない 位置にある。それ故に、XIIIは、本質的に硫黄官能基が存在しない場合におけ るように触媒に関して挙動する。しかしながら、原則として複合化することので きる本発明の基質IXおよびXIのスルホン基または本発明の基VIおよびVIIのスル フィド基は、正確に、典型的な基質が本質的なカルボニル基を有している位置に 位置している。それ故に、金属キレートの形成が原則として可能であるけれども 、水素添加の進行および光学誘導に対する作用は、予測されない。 3)基質XIIIは、すでに、ホモキラルである。それ故に、水素添加の立体選択 性は、キラル触媒によって決定されるエナンチオ選択性および基質により決定さ れる簡単なジアステレオ選択性からなる。本発明の基質VI、VII、IXおよびXIは 、すべてプロキラルでありそして水素添加から得られる光学誘導は、触媒の一つ の性質のみである。 硫黄官能基を有するアルケンの不斉水素添加に対するこれまでの文献の不足は 、明らかに、有機および無機硫黄化合物、特にスルフィドが(支持された)貴金 属触媒に対する高度に活性な触媒毒であることが知られているという事実にある 。したがって、キラルジホスフィン−ロジウムまたはジホスフィン−ルテニウム 複合体を使用して普通の温度および圧力の条件下で基質VI、VII、IXおよびXI( こ れらはすでに1H-NMRによって実質的に純粋である)の粗製生成物を使用した場合 は、水素添加は達成されないかまたは水素添加は非常に緩慢にそして不完全に進 行しそして非常に低い光学純度の生成物が得られる。もし水素圧および(または )温度が非常に増加された場合は、しばしば水素添加を行うことは可能であるが 、例外なしに、非常に低いエナンチオ選択性を伴う(実施例参照)。他方、もし 例えば多数回の再結晶によって十分に触媒毒を除去した基質を使用する場合は、 おだやかな条件下において、急速な定量的水素添加が達成されそして若干は良好 な光学誘導を示す(実施例参照)。 粗製の水素添加基質中の触媒毒による水素添加触媒の阻害を積極的に本発明の 実施に関連して利用することができる。ウィッティヒ反応により製造した場合、 式VIの化合物は、一般にE/Z混合物として得られる。E/Z比に対する影響を 制限するにはウィッティヒ反応の特定の条件を選定することによって行うことが でき、この影響は、再結晶のための適当な溶剤の選定(例えばVIIの場合におけ る)と一緒になって、ジアステレオマー的に純粋なE−アルケンの製造を可能に する(実施例参照)。 しかしながら、特にパイロットプラントにおいて容易に実施されるウィッティ ヒ反応条件下においては、VIは、1:1〜2:1のE/Z比をもって得られる。 再結晶による精製を行なわない場合には、また、相当するE/Z比を有する他の 水素添加基質VII、IXおよびXIが得られる。 不斉水素添加においては、一方の側だけの選択性がある、すなわち、キラル触 媒は、プロキラル二重結合の上部側と下部側との間を区別しそして水素をこれら の2つの側の一方の側に非常に選択的に 転移させる。すなわち、E−アルケンは、相当するZ−アルケンの水素添加生成 物の鏡像である水素添加生成物への転移をうける。理論的に達成することができ るにすぎないが、もしも触媒が最高の100%エナンチオマー選択性を有する場合 は、これはジアステレオマー的に純粋な基質アルケン(Eのみの配置またはZの みの配置)に対して100%eeの水素添加生成物を与える。他方において、もしも 同じ基質アルケンが1:1のE/Z混合物として存在する場合は、水素添加が完 全に進行したとき、ラセミ水素添加生成物(0%ee)を与える。可能な限り高い 光学純度を得るためには、ジアステレオマー純度が可能な限り高い水素添加基質 が必要であることは明らかである。驚くべきことには、本発明者は、初期に1: 1〜2:1のE/Z比を有するVI、VII、IXおよびXIの粗製水素添加基質は、20 〜300℃、好ましくは40〜150℃特に好ましくは60〜120℃の温度範囲において、 実験的不斉水素添加の条件下において、同時的水素添加なしに、実質的にZ→E 異性化をうけるということを見出した。すなわち、150気圧の水素下メタノール 中で120℃で20時間にわたって中性ロジウム(I)BPPM触媒を使用して、スルホ ン酸XIaの70:30E/Z混合物は、99%の収率でスルホンカルボン酸XIaの97.1 :2.9 E/Z混合物に変換される。同様に、スルフィドカルボン酸VIIaは、60 ℃でVIIaの97.5%E異性体に変換される。 この方法で得られたE異性体は、再結晶後、ジアステレオマーを含有していな い(E異性体>99.5%)。 式IXの化合物への式VIの化合物の酸化は、直接またはスルホキシドの前もって の単離後にも可能である。適当な酸化剤は、次の通りである。例えば、 0〜25℃での例えばCH2Cl2中におけるメタクロロ過安息香酸(mCPBA)、 室温での例えばH2O/K2CO3中における過マンガン酸カリウム(KMnO4)、 室温での水中におけるオキソン(2KHSO5・KHSO4・K2SO4)、 室温での水中におけるマグネシウムモノパーオキシフタレート(MMPP)、 酢酸およびポリ燐酸の存在下CH2Cl2中における室温での30%強度のH2O2。 H2O2が特に好ましい。 式XI、XIIおよびIの化合物を与える式VII、VIIIおよびXの化合物の酸化は直 接およびスルホキシドの前もっての単離後に可能である。適当な酸化手段の例は 、式IXの化合物を与える式VIの化合物の酸化に対して使用した試薬および条件で ある。 式X、XIおよびIの化合物を与える式VIII、IXおよびVIIの化合物のアルカリ 性加水分解は、式VIIの化合物を与える式VIの化合物の加水分解に対して記載し た条件と同様な条件下で実施される。 式X、XIIおよびIのキラル化合物は、式VIIIの化合物を与える式VIの化合物 のエナンチオ選択的水素添加に対して記載した条件と同様な条件下で式VII、IX およびXIの化合物をエナンチオ選択的水素添加することにより製造される。 個々の反応生成物が、次の工程に使用するのに十分な純粋な形態で得られない 場合は、結晶化、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィーまたは高 圧液体クロマトグラフィーによる精製が望ましい。 式IV、VIおよびVII〜VIIの化合物は、新規でありそして式Iの化合物を製造す るための価値ある中間体生成物を示す。それ故に、本発明は、また、これらの化 合物および上述したようなこれらの化合物の製法に関するものである。 備考: NMRスペクトルは、特にことわらない限り、内部標準としてTMSを使用してCDCl3 中で測定した。NMRシグナルの分類に、次の略号を使用した。 s=単一線、d=二重線、p=五重線、t=三重線、q=四重線。融点は、補 正しない。 以下の実施例は本発明をより詳細に説明するために記載するものである。 実施例 1a 3−第3ブチルチオ−2−オキソ−プロピオン酸エチルIVa(R1=t−Bu、R3=E t) メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(Hoechst AG)10.6g(25ミリモル )および第3ブチルチオメルカプタン45g(0.5モル)を、撹拌しながら室温で、 水250ml中の炭酸水素ナトリウム42g(0.5モル)の溶液に加える。塩化メチレン4 00ml中のブロモピルビン酸エチル(Fluka)97,5g(0.5モル)の溶液を、撹拌しなが ら、そして冷却しながら、最高30℃で1/2時間にわたって滴加する。次に、撹拌 を、20℃で21/2時間つづける。塩化メチレン相を分離し、MgSO4上で乾燥し、濾 過しそして真空中で濃縮する。 収量:98g(理論値の96%)、淡黄色の油。 Rf=0.67(シクロヘキサン/酢酸エチル=7:3) MS:C8H14SO3 m/e=204 NMR:(CDcl3):δ値(エノール形態、E/Z) 1.33(s,t-C4H9),1.36(t,OEt),1.45(s,t-C4H9) 3.68(s, SCH2), 4.30(q, 0Et), 4.38(q, 0Et) 5.83(d, -CH=), 6.53(d, -CH=), 1.48(s, OH) 実施例 2a 1−ナフチルメチルトリフェニルホスホニウムクロライド(R2=1−ナフチル) 1−クロロメチルナフタレン(Aldrich)340g(1.93モル)を、トリフェニルホ スフィン505.7g(1.93モル)と一緒に、アセトニトリル2lに溶解する。その後 、混合物を、撹拌しながら5時間沸騰還流する。約2時間後に、ホスホニウムク ロライドが沈澱しはじめる。混合物を、室温に冷却しそして結晶を吸引濾去する 。 収量:798g(理論値の93.9%)、白色の結晶、融点:308〜310℃。 分析値: 実測値:C=79.8 H=5.4 Cl=8.3 計算値:C=79.0 H=5.5 Cl=8.1 実施例 3a 1−第3ブチルチオメチル−1−エトキシカルボニル−2−(1−ナフチル)エ チレン(R=t-Bu、R2=1−ナフチル、R3=Et)VIa 無水のテトラヒドロフラン500ml中の水素化ナトリウム〔油中55%懸濁液(Flu ka)〕12.9g(0.27モル)の懸濁液を、アルゴン下で、四頸フラスコに入れる。 1−ナフチルメチルトリフェニルホスホニウムクロライド(実施例2a)129.1g (0.29モル)を、湿気を除きながら、撹拌下で1時間にわたって小量づつ加える 。添加を完了した ときに、撹拌を室温で1時間つづける。この期間中、イリドVa(R2=1−ナフ チル)が、形成されるにつれて反応混合物は暗赤色となる。それから、無水のテ トラヒドロフラン100ml中の3−第3ブチルチオ−2−オキソプロピオン酸エチ ルIVa(実施例1a)45.0g(0.22モル)を、イリド溶液に滴加する。室温で4 時間撹拌した後、反応混合物を撹拌しながら、水中の飽和塩化ナトリウム溶液50 0mlおよび酢酸エチル500mlの混合物に加える。有機相を分離しそして水性相を濾 過して沈澱したトリフェニルホスフィンオキシドを除去しそして酢酸エチル1× 300mlで抽出する。有機抽出液を合し、小量の活性炭およびMgSO4を加えそして混 合物を濾過しそして真空中で濃縮する。褐色〜赤色の油150g(理論値の>100% )が得られた。ジエチルエーテル500mlを、粗製生成物(150g)に加えそして混 合物を冷凍中で10℃で一夜貯蔵する。沈澱した結晶性のトリフェニルホスフィン オキシドを濾去しそして残留物を、シリカゲルの4cm厚い層を通して濾過する。 濾液を真空中で濃縮する。 収量:52g(理論値の71%)、淡黄色の油。 Rf=0.80(シクロヘキサン/酢酸エチル=7:3) MS:C19H22SO2 m/e=328 δ値0.74(t, 0Et); 1.42(t, 0Et);1.28および1.45(s, t-Bu);3.58および3.73(s,SCH2);3.90およ び4.48(q, 0Et); 7.25〜8.0(m,芳香族プロトン,-CH=);8.25(s, CH=) (1:1の比のE/Z混合物) 実施例 4a1 1−第3ブチルチオメチル−1−カルボキシ−2−(1−ナフチル)−エチレン (R1=t-Bu、R2=1−ナフチル、R3=H)VIIa 1−第3ブチルチオメチル−1−エチルオキシカルボニル−2− (1−ナフチル)エチレンVIa(実施例3a)20g(0.06モル)を、エタノール2 00mlに溶解する。それから、1N Na0H 120mlを加えそして混合物を1時間還流 下で加熱する。それから、それを冷却し、酢酸エチル200mlおよび水200mlを加え そしてpHを半−濃塩酸を使用して撹拌しながら3にする。有機相を分離しそして 水性相を酢酸エチル2×150mlで抽出する。合した有機抽出液を、MgSO4上で乾燥 し、濾過しそして真空中で濃縮する。収量:17.0g(理論値の92.8%)。 Rf=0.13(シクロヘキサン/酢酸エチル=7:3) MS:C17H18SO2 m/e300 NMR:(CDCl3)δ値:1.29および1.46(s, t-Bu); 3.58および3.75(s,SCH2 ):7.8〜7.95(m,芳香族プロトン);8.25および8.42(s,-CH=)(1:1 の比のE/Z混合物) 実施例 4a2 E/Z混合物の再結晶によるVIIaの純粋なジアステレオマーの製造 シクロヘキサン800mlを、実施例4a1からのE/Z混合物14.3gに加える。こ の混合物を、100℃に前もって加熱した油浴を使用して還流冷却器下で10分加熱 する。殆んど透明な溶液が形成される。この溶液を熱時濾過する。この濾過は、 深黄色の固体<100mgを除去する。0℃で2日間放置して濾液から淡黄色の固体 を形成させ、これを吸引濾去しそして高真空下で乾燥する。 この再結晶を、2回反復する。淡黄色の固体4.8g(理論値の67%)が得られ た。この物質は167〜168の融点を有しそしてHPLCによれば、ジアステレオマー< 0.5%を含有する。 NMR(CDCl3)δ値:1.30(s, t-Bu);3.60(s, SCH2):7.46〜7.63(m, 3H, 芳香族−H);7.84〜8.02(m,4H, 芳香族-H);8.44(s,1H,=CH) MSおよびTLは、上述した通り。 実施例 4a3 Z→異性化によるVIIaの純粋なジアステレオマーの製造 メタノール100ml中のE/Z混合物VIIa3.0g(10.0ミリモル)の溶液を、ア ルゴンを泡立ち導入することによって脱ガスする。クロロ(1,5−シクロオクタ ジエン)−ロジウム(I)二量体(Fluka)10mg(0.02ミリモル)、(2S,4S)− (−)−N−第3ブトキシカルボニル−4−ジフェニルホスフィノ−2−ジフェ ニルホスフィノメチルピロリジン〔(−)−BPPM、Merck-Schuchardt〕 27.7mg (0.05ミリモル)およびトリエチルアミン1.11g(11.0ミリモル)を、アルゴン 下で加える。反応混合物を、水素の50気圧下60℃で16時間振盪する。実施例7a の条件下における反応混合物のHPLC分析は、(E)−VIIa97.5%、(Z)−VIIa 2%および0.5%水素添加生成物×0.5%を示す。混合物を、実施例7aにおける ように処理して(E)−VIIa2.9g(理論値の97%)を得た。この生成物を実施例 4a2におけるように再結晶して(E)−VIIa2.4g(使用したE/Z−VIIaを基に して理論値の80%〕を得た。このものは、HPLCによれば、ジアステレオマー<0. 5%を含有する。この生成物は、その融点および1H-NMRデータに関して、実施例 4a2のものと同一である。 実施例5a 3−第3ブチルチオ−2(S)−(1−ナフチルメチル)プロピオン酸エチル(R1= t-Bu、R2=1−ナフチル、R3=Et)VIII 実施例 6a 1−第3ブチルスルホニルメチル−1−エトキシカルボニル−2−(1−ナフチ ル)エチレン(R1=t-Bu,R2=1−ナフチル,R3=Et)IXa 1−第3ブチルチオメチル−1−エトキシカルボニル−2−(1−ナフチル) エチレンVIa(実施例3a)16g(48ミリモル)を、酢酸エチル160mlおよび氷 酢酸9.6ml(160ミリモル)に溶解する。30%強度の過酸化水素16ml(160ミリモ ル)を、撹拌しながら室温で滴加する。それから、混合物を、室温で3時間撹拌 しそして水200mlおよび酢酸エチル200mlを加える。有機相を濾去し、炭酸水素ナ トリウム溶液で洗浄して酸を除去し、MgSO4上で乾燥しそして真空中で濃縮する 。 収量:14g(理論値の83%。白色の結晶。融点=94〜98℃。 Rf=0.28および0.38(シクロヘキサン/酢酸エチル=7:3) MS:C20H24SO4 m/e 360 NMR:(CDCl3)δ値:1.28および1.43(t, OEt),1.36および1.54(s,t-Bu) ;3.90および4.41(q, OEt);4.21および4.28(s, CH2CO2);7.30〜7.05(m, 芳香族プロトン);7.92および8.58(s, -CH=)(1:1の比のE/Z混合物) 実施例 7a 3−第3ブチルチオ−2−(S)−(1−ナフチルメチル)プロピオン酸(R1=t-B u,R2=1−ナフチル,R3=H)X 1−第3ブチルチオメチル−1−カルボキシ−2−(E)−(1−ナフチル)エ チレン(VIIa)(実施例4a、Z異性体<0.5%)3.0g(10ミリモル)を、鋼 製オートクレーブに対するガラスインサート中のメタノール500mlに溶解しそし てアルゴンを泡立ち導入することによ り脱ガスする。(S)−(−)−2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1′− ビナフタレン〔(S)−(−)−BINAP、Strem Chemicals〕621mg(0.1ミリモル) およびベンゼンルテニウム(II)クロライド二量体(Aldrich)26mg9(0.05ミリモ ル) を、別の容器において、アルゴン下でジメチルホルムアミド50mlに溶解し、 それから100℃で10分加熱しそして再びアルゴン下で25℃に冷却する。メタノー ル20ml中の酢酸ナトリウム171mg(30.8ミリモル)のアルゴン−脱ガスした溶液 を加え、混合物を25℃で5分撹拌しそして得られた触媒溶液を、アルゴン下でガ ラスインサート中の基質溶液に注加する。ガラスインサートを、アルゴン−充填 したオートクレーブ中に入れる。アルゴン雰囲気を水素により置換する。反応溶 液を、150気圧の水素圧下で120℃で20時間振盪する。オートクレーブを窒素で フラッシュし、ガラスインサートを取出し、溶剤を真空中で除去しそして残留物 をメチル第3ブチルエーテル300mlにとる。この混合物を、0.5N塩酸100mlと一 緒に2分振盪する。有機相を分離しそして水性相をMTBエーテルで抽出する。合 した有機相を、0.5N塩酸50mlおよび水50mlで洗浄しそして硫酸マグネシウ ム上で乾燥する。溶剤を真空中で除去しそして残った油を高真空下で乾燥する。 生成物(3.01g、9.95ミリモル、理論値の99.5%)は、HPLCによると98%の純度 を有す /分〔85%強度の燐酸でpH=3.5に調節した51%の水/49%のアセトニトリル+0 .05%のNH4H2PO4〕、(tret:(Z)−VII 15.2分)、× 学的に純粋な(R)−(+)−1−フェニルエチルアミンによる誘導化次いで1: 1のアセトニトリル/水を使用したRP18−Lichrospher 100上のHPLC分離は、85:15の比の2つのジアステレオマーアミドのピークを与 える。それ故に、(S)-Xは、70%eeを有す。 実施例 8a 不飽和の(E)−スルフィドカルボン酸VIIaを、多数の異なる不斉水素添加によ って、飽和(S)−スルフィドカルボン酸(S)-Xに変換する。水素添加条件ならびに 水素添加生成物のそれぞれの収率および光学純度は、表1から理解することがで きる。 a.生成物Xaの%および出発物質VIIaの%の総計を基にした生成物Xaの% b.1.05当量(VIIaを基にして)のトリエチルアミンの存在下 c.出発物質VIIaは完全に消失した。Xaの80%のほかに、不純物の20%が形 成される。 実施例 9a 1−第3ブチルスルホニルメチル−1−カルボキシ−2−(1−ナフチル)エチ レン(R1=t-Bu、R2=1−ナフチル、R3=H)XIa 1−第3ブチルチオメチル−1−カルボキシ−2−(1−ナフチル)エチレン VIIa(実施例4a)17g(56ミリモル)を、酢酸エチル170mlおよび氷酢酸10ml に溶解する。30%強度の過酸化水素17ml(170ミリモル)を、撹拌しながら室温 で滴加する。それから、混合物を、室温で5時間撹拌する。酢酸エチル200mlを 加えそして有機相を飽和塩化ナトリウム溶液5×100mlで抽出する。有機相を分 離し、MgSO4上で乾燥しそして真空中で濃縮し、さらに必要に応じて酢酸エチル1 00mlを加えそして混合物を再び回転蒸発器上で真空濃縮して残留氷酢酸を除去す る。メチル第3ブチルエーテル90mlを残留物に加えそして混合物を冷凍室内で一 夜結晶化させる。 収量:14.8g(理論値の80%)。淡黄色の結晶。融点80℃。 Rf=0.30および0.52(シクロヘキサン/酢酸エチル/AcOH=20:80:1) MS:C18H20SO4m/e= 332 NMR:(CDCl3)δ値:1.33および1.55(s,t-Bu);4.20および4.28(s,CH2S O2);7.4〜8.1(m,芳香族プロトン),7.48および8.73(s,−CH=) (1:1の比のE/Z混合物) 再結晶による触媒毒の除去: n−ヘプタン400mlを、上記の粗製カルボン酸(E/Z〜2:1)11.9gに加えそ して混合物を加熱還流した。メチル第3ブチルエーテルを、還流冷却器を通して 、沸騰懸濁液に小量づつ加える。MTBエーテル200mlの添加後、殆んど透明な溶液 が形成される。小量(<100mg)の固体を熱時吸引濾去しそして捨てる。濾液を 、徐々に室温に冷却(再び透明な溶液)と、種子結晶約20mgを加えそして混合物 を0℃で数時間そしてそれから−20℃で1日冷却する。結晶を吸引濾去し、n− ヘプタン2×100mlで洗浄しそして高真空下で2日間乾燥する。白色の結晶8.0g を得た。この結晶は1H-NMRによれば〜2:1のE/Z比を有しそしてMTBエーテル0. 5モルを含有する。融点96〜105℃。さらに高真空下80℃で8時間乾燥してもはや MTBエーテルを含有していない。灰色の結晶7.0gを得た。融点100〜115℃。 実施例 10a 1−第3ブチルスルホニルメチル−1−カルボキシ−2−(1−ナフチル)エチ レン(R1=t-Bu、R2=1−ナフチル、R3=H)XIa 1−第3ブチルスルホニルメチル−1−エチルオキシカルボニル−2−(1− ナフチル)エチレンIXa(実施例6)13g(36ミリモル)を、エタノール130ml に溶解する。それから、1N水酸化ナトリウム溶液80mlを加えそして混合物を、 50℃で11/2時間撹拌する。混合物を、冷却し、酢酸エチル200mlおよび水200ml を加え、半濃塩酸を加えそして水性相を再び酢酸エチル200mlで抽出する。合し た有機相をMgSO4上で乾燥し、濾過しそして真空中で濃縮する。残留物(15g) をメチル第3ブチルエーテル50mlから再結晶させそして冷 凍室中で一夜貯蔵する。 収量:11.6g(理論値の96%)。淡黄色の結晶。融点80℃。 Rf=0.30および0.52(シクロヘキサン/酢酸エチル/AcOH=20:80:1) MS:C18H20SO4 m/e=332 NMR:(CDCl3)δ値:実施例8aと同様。 (1:1の比のE/Z混合物) 実施例 11a Xの酸化による3−第3ブチルスルホニル−2(S)−(1−ナフチルメチル)プ ロピオン酸(R1=t-Bu、R2=1−ナフチル、R3=H)I 70%eeの3−第3ブチルチオ−2(S)−(1−ナフチルメチル)プロピオン酸 (実施例7a)681mg(2.25ミリモル)を、氷酢酸450μlおよびジクロロメタン 1.35mlに溶解する。35%強度の過酸化水素水溶液0.75ml(8.7ミリモル)を、氷 冷しながら加えそして混合物を0℃で1時間撹拌する。HPLCは、出発物質が完全 に変換されて主にスルホキシドおよび小量のスルホンが形成されることを示す。 ポリ燐酸10gを、85%強度のオルト−燐酸10gに溶解し、そしてこの溶液200 μlを上記反応溶液に加えそして混合物を室温で3時間撹拌する。HPLCは、スル ホンへのスルホキシドの完全な酸化を示す。ジクロロメタン10mlおよび水10mlを 加えそして振盪により混合する。有機相を分離しそして水性相をジクロロメタン 2×10mlで抽出する。合した有機相を、10%強度の酸性亜硫酸ナトリウム溶液3 ×5mlそしてそれから水2×3mlで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥しそして 濾過する。溶剤を真空中で除去しそして残留物を高真空中で乾燥する。淡黄色の 固体のフォーム状物質680mg(理論値の90%)が得 MEPA/光学的に純粋な(R)−(+)−1−フェニルエチルアミンによる誘導化次 いでHPLC分析は、74%eeを与える。それ故に、この酸化は、光学純度の減少と関 係ない。 MS:C18H22SO4 m/e=334 NMR:(CDCl3)δ値:1.27(s,t-Bu);3.00〜3.18(m,1H, CH-CO2H);3.35 〜3.80(m,4H, 2×CH2);5.40〜6.70(非常にブロードs,1H,CO2H);7.33 〜7.65(m,4H,芳香族−H);7.75〜7.90(ddd,2H,芳香族−H);8.13(d,1H ,芳香族−H)。 74%eeのこの生成物550mgを、7:3のトルエン/MTBエーテル5mlに完全に溶 解する。溶液を、フラスコ中において室温で4日間放置させて、溶剤が徐々に蒸 発されることを可能にする。溶剤の約半量がこの期間内に蒸発するそして生成物 が大きな板状物質の形態で結晶化する。母液を真空中で濃縮乾固する。 結晶:170mg 16%ee 母液から:370mg 96%ee 実施例 12a XIIの加水分解による3−第3ブチルスルホニル−2(S)−(1−ナフチルメチル )プロピオン酸(R1=t-Bu、R2=1−ナフチル、R3=H)I 加水分解は、実施例10aの方法と完全に同様である。 実施例7aにおけるようなMEPA/光学的に純粋な(R)−(+)−1−フェニル エチルアミンによる誘導化次いでHPLC分析は、加水分解が光学純度の減少に関係 ないことを示す。 生成物のスペクトルは、実施例11aのものに相当する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI // C07M 7:00 (72)発明者 カメルマイアー,ベルンハルト ドイツ連邦共和国デー―60529 フランク フルト・アム・マイン.ガイゼンハイマー シユトラーセ96

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(I)塩基の存在下に、式II R1-SH II (式中、R1は式Iに対して定義した通りである)のメルカプタンを式III (式中、Halは、沃素、臭素または塩素でありそしてR3は、1〜6個の炭素原子 を有する直鎖状または分枝鎖状のアルキル基である)の化合物と反応させて式IV (式中、R1は式Iに対して定義した通りでありそしてR3は式IIIに対して定義し た通りである)の化合物を得、そして (II)式IVの化合物を式V R2-CH=P(C6H5)3 V (式中、R2は式Iに対して定義した通りである)のイリドと反応させて式VI (式中、R1およびR2は式Iに対して定義した通りでありそしてR3は式IIIに対し て定義した通りである)の不飽和化合物を得、 (III)(A)式VIの化合物をアルカリ性加水分解に付して式VII (式中、R1およびR2は式Iに対して定義した通りである)の化合物を得、そして (a)エナンチオ選択的水素添加によって、式VIIの化合物を式X (式中、R1およびR2は式Iに対して定義した通りである)の化合物に変換し、 そして次の酸化によって式Xの化合物を式Iの化合物に変換するか、または (b)酸化によって、式VIIの化合物を反応させて式XI (式中、R1およびR2は式Iに対して定義した通りである)の化合物を得そして次 の式XIの化合物のエナンチオ選択的水素添加によって式Iの化合物を得るか、ま たは (B)式VIの化合物を、キラル触媒を使用したエナンチオ選択的水素添加に付し て式VIII (式中、R1およびR2は式Iに対して定義した通りでありそしてR3は式IIIに対し て定義した通りである)の化合物を得、そして (a)アクリル性加水分解によって式VIIIの化合物を式X (式中、R1およびR2は式Iに対して定義した通りである)の化合物に変換しそし て次の式Xの化合物の酸化によって式Iの化合物を得るか、または (b)式VIIIの化合物の酸化によって式XII (式中、R1およびR2は式Iに対して定義した通りでありそしてR3は式IIIに対し て定義した通りである)の化合物を得、そしてその後、アクリル性加水分解によ って、式XIIの化合物を式Iの化合物に変換するか、または (C)式VIの化合物を酸化して式IX (式中、R1およびR2は式Iに対して定義した通りでありそしてR3は式IIIに対し て定義した通りである)を得、そして (a)式IXの化合物をアルカリ性加水分解して式XI (式中、R1およびR2は式Iに対して定義した通りである)の化合物を得そして次 に式XIの化合物をエナンチオ選択的に水素添加して式Iの化合物を得るか、また は (b)式IXの化合物をエナンチオ選択的に水素添加して式XII (式中、R1およびR2は式Iに対して定義した通りでありそしてR3は式IIIに対し て定義した通りである)の化合物を得そして次に式XIIの化合物をアルカリ性加 水分解して式Iの化合物を得ることにより式IXの化合物を式Iの化合物に変換す る ことによって式VIの化合物を式Iの化合物に変換することからなる式I 〔式中、 R1はC1〜C6-アルキル、C3〜C6−シクロアルキル、(C6〜C12)-アリール-(C1〜C4 )-アルキルまたはC6〜C12−アリールまたは-ヘテロアリールまたは-ヘテロシク ロアルキル(これらの基は、1、2または3個の同一または異なるヒドロキシル 、メトキシまたはトリアルキルシリルオキシ基により置換されていてもよい)で あり;そして R2は1、2または3個の同一または異なるメトキシ、ハロゲン、シアノ、メチ ル、トリフルオロメチル、イソプロピルまたはニトロ基により置換されていても よいC6〜C12-アリール、 1、2または3個の同一または異なるメトキシ、ハロゲン、シアノ、メチル、 トリフルオロメチル、イソプロピルまたはニトロ基により置換されていてもよい C3〜C9-ヘテロアリール、または 1、2または3個の同一または異なるメトキシ、ハロゲン、シアノ、メチル、 トリフルオロメチル、イソプロピルまたはニトロ基により置換されていてもよい C1〜C10-アルキル、アルケニルまたはアルキニルであり;そして式Iの化合物は RまたはS形態で存在することができる〕 の化合物の立体選択的製法。 2.R1がC1〜C4-アルキル、C5〜C6-シクロアルキル、(C6〜C12)-アリール-(C1〜 C3)-アルキルまたはC6〜C12-アリールまたはヘテロアリール(これらの基は、ヒ ドロキシル、メトキシまたはトリアルキルシリルオキシ基により置換されていて もよい)であり;そして R2がメトキシ、ハロゲン、メチル、トリフルオロメチルまたはイソプロピル基 により置換されていてもよいC6〜C12-アリール) メトキシ、ハロゲン、メチル、トリフルオロメチルまたはイソプロピル基によ り置換されていてもよいC3〜C6-ヘテロアリールまたは C1〜C4-アルキル、-アルケニルまたは-アルキニルである請求項1記載の方法 。 3.R1がC1〜C4-アルキル、(C6〜C12)-アリール-(C1〜C3)-アルキルまたはC6 〜C12-アリールでありそしてR2がC6〜C12-アリール、C3〜C6-ヘテロアリールま たはC1〜C4-アルキル、-アルケニルまたは-アルキニルである請求項1または2 記載の方法。 4. 式IV (式中、R1およびR3は請求項1において定義した通りである)の化合物。 5.式VI (式中、R1、R2およびR3は請求項1において定義した通りである)の化合物。 6.式VII (式中、R1およびR2は請求項1において定義した通りである)の化合物。 7.式VIII (式中、R1、R2およびR3は請求項1において定義した通りである)の化合物。 8.式IX (式中、R1、R2およびR3は請求項1において定義した通りである)の化合物。 9.式X (式中、R1およびR2は請求項1において定義した通りである)の化合物。 10.式XI (式中、R1およびR2は請求項1において定義した通りである)の化合物。 11.式XII (式中、R1、R2およびR3は請求項1において定義した通りである)の化合物。 12.請求項1の方法工程によって式IV、VI、VII、VIII、IX、X、XIまたはXII( 式中置換分は請求項1において定義した通りである)の化合物を製造する方法。
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