JPH08501709A - 注入治療のための安全コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 複数の管に供給するための注入治療用安全コネクタは、ケーシング（１）を備えている。このケーシング内には室（４）が設けられている。この室はケーシングのほぼ円筒状の内壁（５）によって囲まれている。この室に、注入管を接続するための複数の接続通路（２）が開口し、室は流出管に接続するための流出通路を備えている。弾性的なリング状の弁体の円筒状外壁が室（４）を取り囲むケーシングの内壁（５）に接触している。安全コネクタは簡単で低価格であり、構造が整然としている。リング状の弁体と、室４を取り囲む円筒状内壁（５）との間の円筒状接触面は、小さな接触力で、逆止弁の高い密封性を有する。密封力は非常に小さな押圧力まで正確に定めることができる。それによって、重力式注入装置に適した安全コネクタが提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 注入治療のための安全コネクタ 本発明は、複数の注入管に供給するための、請求の範囲第１項の上位概念に記 載した種類の注入治療用安全コネクタに関する。 ドイツ連邦共和国特許出願公開第４００４１３４号明細書によって、この種の 安全コネクタが知られている。この安全コネクタは注入液が流れるケーシングを 備えている。このケーシングはそれぞれ別々に閉鎖可能である、合流する液体の ための複数の入口と出口を備えている。入口は曲げられて共通の一つの平面内で 開口している。横断面がほぼ直角である弾性的なシール要素は、前記の平面に対 してほぼ垂直に延ひるその一方の脚部によって保持されている。他方の脚部は前 記の平面内で弾性押圧力によって入口の開口に押しつけられ、この開口を閉鎖し ている。これにより、各々の入口のために逆止弁が形成されている。この逆止弁 は入口から他の入口の開口への注入液の流入を阻止する。 この公知の安全コネクタは複数の欠点がある。先ず最初に、構造がきわめて複 雑である。横断面が直角のシール要素は正確にかつ密封挟持しなければならない 。更に、シール要素の密封脚部は入口が開口する平面内で開口面に密封接触しな ければならない。その際、接触力が密封を行うシール要素の脚部の揺動運動によ って発生するので、すべての入口の開口範囲の周りを完全にシールすることはき わめて困難である。これは更に、接触力が比較的に大きいときにのみ可能である 。しかも、開放圧力は比較的に大きくなければならない。この理由から、この公 知の安全コネクタは重力式注入装置には適していない。 ドイツ連邦共和国実用新案登録第７４２２６５７号明細書により、医療機器の 管のための多重連結管が知られている。この多重連結管は、他の連結管の凹形円 錐部に装着するための側方の凸形円錐部と、側方の接続管の範囲に設けられた、 普通状態では多重連結管の内壁に接触する弾性的なホース片を備えている。凸形 円錐部は、差し込み状態で連結管の凹形円錐部の端面がホース片をそのシール位 置から開放位置へ押圧するような幅を有する。その際、弾性的なホース片は逆止 弁として作用し、注入器によって高い注入圧が発生するときに一時的に開放する 。すなわち、注入溶液の供給は、高い圧力を注入管に発生させることを必要とす る。それによって、この公知のコネクタの用途が非常に制限され、いかなる場合 でも重力式注入器には適していない。更に、連結管が多重連結管として形成され ていると、連結管は複雑な構造となる。この場合、中央の長い管片に、複数の注 入管のための複数の接続部が設けられている。それによって、複雑でごちゃごち ゃした長い装置となる。 本発明の根底をなす課題は、構造が簡単で低価格で整然としていて、特に重力 式注入の場合の使用にも適している、請求の範囲第１項の上位概念に記載した、 複数の注入管を集合するための注入治療用安全コネクタを提供することである。 本発明の根底をなす課題は、請求の範囲第１項の特徴部分に記載した思想によ って解決される。 本発明の基本思想は、個々の接続通路のための過圧弁を円筒状面内に配置した ことにある。このような円筒状面は簡単かつ正確に製作可能である。そのために 、接続通路と流出通路の間に設けた室は、ケーシングのほぼ円筒状内壁によって 取り囲まれている。接続管はケーシングのこの円筒状内壁に開口している。弾性 的な弁体はリング状に形成され、円筒状外壁を備えている。この外壁は室を取り 囲むケーシングの内壁に接触している。この内壁には更に接続通路が開口してい る。ケーシングの前記内壁とリング状弁体の円筒状外壁は、高い精度で製作可能 であるので、非常に小さな接触力のときでも、このように形成された逆止弁の密 封閉鎖が保証される。その際同時に、ケーシングの円筒状内壁の外周と関連して リング状の弁体の外周によって、接触力を非常に正確に決定可能である。更に、 周方向におけるリング状弁体の弾性的な可撓性によって、接触力が決定される。 それによって、リング状弁体の外周の全長が接触力に関与し、そしてこの接触力 を非常に正確に決定可能であるので、接触、ひいては密封力を非常に正確に決定 可能である。これは特に、数センチメートルの水柱までの非常に小さな圧力にも 当てはまる。従って、本発明による安全コネクタは弁の形成に基づいて、複数の 重力式注入管を集合するのに特に適している。 本発明の他の実施形では、弁体の円筒状外壁の軸方向長さが、ケーシングの円 筒状内壁の軸方向長さよりも短くなっている。それによって、弁体の自由な可動 性か保証される。この可動性は特に、開放圧力が非常に小さいときに特に重要で ある。 この実施形の場合、ケーシングが室内に突出する突起を備え、この突起がリン グ状弁体をその軸方向位置に保持することが合目的である。その際、リング状弁 体の軸方向縁部に、注入液の通過のための空間が形成されるように、突起が配置 および採寸されていると合目的である。 ケーシングは好ましくは円板状であり、流出通路は軸方向に、特にケーシング と同軸に設けられている。それによって、整然とした軸方向対称の外観となる。 この外観は特に、他の実施形に従って、流出通路に対して軸方向に接続通路が設 けられ、この接続通路が本発明による複数の安全コネクタの接続のために適して いるが、排気のためにも使用可能であると特に有利である。 本発明の他の実施形では、室がリング状である。それによって、個々の接続通 路と流出通路の間の捕集室が非常に小さいので、使用されない死空間が形成され ない。この死空間は、その中に１種類の注入液が溜まるという欠点につながる。 この注入液は他の種類の注入液の供給の際に初めて運ばれ、従って遅れて作用す ることになる。 リング状弁体は好ましくは短いホース部分の形をしている。すなわち、弁体は 弾性的なホースを短い片に切断することによって簡単に製作可能である。更に、 ホース部分の内壁の横断面が中高状であると合目的である。これにより、円筒状 弁体の弾性的な可撓性が縁部の方へ強まり、接続通路の隣接する開口の方へ大き くなる。従って、注入液が一方の供給通路の開口から他方の供給通路の開口の方 へ移る危険が小さくなる。 これと同じ作用が本発明の他の実施形によって達成される。この実施形では、 それぞれ接続通路の開口の間において、室を取り囲むケーシングの円筒状内壁内 に、凹部が設けられ、この凹部が室に連通している。これにより、一方の接続通 路の開口から他方の接続通路の開口の方へ流れようとする注入液が、強制的にこ の凹部内に達し、それによって捕集する中央の室に達する。換言すると、凹部は 実際には個々の過圧弁を互いに分離する働きをする。凹部は好ましくは軸方向の 穴の形し、この穴はリング状弁体の円筒状外壁の軸方向縁部を越えて延びている 。 本発明の思想によれば、室を取り囲むケーシングの円筒状内壁はほぼ円筒状で ある。これは、当然、専門家にとって周知である、本発明の本質を考慮した偏差 が可能であることを意味する。例えば内壁は幾分円錐形または中高状（球形）で あってもよい。このような中高形状は製作が困難であるが、ホース部分によって 形成された弁体の横断面内側の面の中高形状と同じ利点がある。中高形状は接続 通路の開口の中央範囲の接触力を高めるので、それによって接続通路の間での注 入液の交換が阻止され、弁体の縁部ひいては室への流出が良好となる。 図に基づいて本発明の実施例を詳しく説明する。 図１は本発明の安全コネクタの実施例の平面図、 図２は図１のＩＩ−ＩＩ線に沿った断面図、 図３は図２にＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿った拡大断面図、 図４は図３の部分ＩＶの拡大図である。 図１〜３から判るように、本発明による安全コネクタはほぼ円板状のケーシン グ１を備えている。このケーシング１内には、半径方向または星形に配置された 接続通路２が設けられている。この接続通路はルーエル−ロック−結合部（Luer -Lok-Anschluesse）３に接続し、内側が環状室４に開口している。この環状室は 外側がケーシング１の円筒状内壁５によって囲まれている。この内壁には、短い ホース部分６の形をした弁体が、非常に小さな所定の接触圧力で密封接触してい る。 環状室４は円板状ケーシング部分７によって閉鎖されている。このケーシング 部分はケーシング１に接着されている。環状室４は幅の狭い円板状室８を介して 流出管９に接続している。この流出管の端部には接続管１０が設けられている。 更に、円板状室８は接続通路１１に接続している。この接続通路には連結管１２ の内側テーパ部１３が接続している。この連結管によって、他の同じ安全コネク タを接続することができるので、供給可能な注入管の数を何倍にも増やすことが できる。連結管１２は簡単に閉鎖可能であり、排気のためにのみ開放可能である 。 図２から判るように、弁体を形成する短いホース部分６の内面は横断面が中高 状に形成されている。それによって、中央範囲の接触力か縁の接触力よりも大き くなっている。従って、過圧の際に注入液は主として縁を越えて環状室４に逃げ るので、注入液が接続通路２の開口から隣接する接続通路２の開口に流入する危 険が小さくなる。 更に、図２から判るように、ケーシング１は環状室４の側に短いホース部分６ の縁に接触して突起１４を備えている。この突起は接続通路２の開口の方へ短い ホース部分６を向けるよう保持している。 図３と、図３の部分ＩＶの拡大図である図４から判るように、隣接する接続通 路の開口の間においてケーシング１の円筒状内壁には凹部１５が設けられている 。この凹部は図２に示すように、短いホース部分６の縁を越えて延びている。こ れにより、接続通路２の開口の間に、流出部が形成される。この流出部を通って 注入液が環状室４に流出可能である。この注入液はケーシング１の内壁５と短い ホース部分６の外壁との間のシール範囲を通って接続通路２の隣接開口の方へ進 む。注入液は隣接する接続通路の開口に達したり、この接続通路に侵入しない。 従って、他の注入管への逆流による注入液の不所望な混合が不可能である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．複数の注入管に供給するための注入治療のための安全コネクタであって、ケ ーシングと、このケーシング内に設けられた室と、弾性的な弁体とを備え、前記 室に、注入管を接続するための複数の接続通路が開口し、この室が流出管に接続 するための流出通路を備え、弁体が前記室内に設けられ、接続通路のすべての開 口を越えて延びる弁体壁部がこの開口を閉鎖し、共通の一つの弁体によって、す べての接続通路の逆止弁が形成されている安全コネクタにおいて、室（４）がケ ーシング（１）のほぼ円筒状の内壁（５）によって囲まれ、接続通路（２）がケ ーシング（１）の円筒状の内壁（５）に開口し、弾性的な弁体かリング状であり 、かつ円筒状の外壁を有し、弁体の円筒状外壁が室（４）を取り囲む、ケーシン グ（１）の円筒状内壁（５）に接触していることを特徴とする安全コネクタ。 ２．弁体の円筒状外壁の軸方向長さが、ケーシング（１）の円筒状内壁（５）の 軸方向長さよりも短いことを特徴とする請求の範囲第１項の安全コネクタ。 ３．ケーシング（１）が室（４）内に突出する突起（１４）を備え、この突起が リング状弁体をその軸方向位置に保持することを特徴とする請求の範囲第２項の 安全コネクタ。 ４．リング状弁体の軸方向縁部に、注入液の通過のための空間が形成されるよう に、突起（１４）が配置および採寸されていることを特徴とする請求の範囲第３ 項の安全コネクタ。 ５．ケーシング（１）が円板状であり、流出通路（９）が軸方向に、特にケーシ ングと同軸に設けられていることを特徴とする請求の範囲第１項の安全コネクタ 。 ６．流出通路（９）が接続通路（１１）に対して軸方向に配置されていることを 特徴とする請求の範囲第５項の安全コネクタ。 ７．室（４）がリング状であることを特徴とする請求の範囲第１項の安全コネク タ。 ８．リング状弁体が短いホース部分（６）の形をしていることを特徴とする請求 の範囲第１項の安全コネクタ。 ９．短いホース部分（６）の内壁の横断面が中高状であることを特徴とする請求 の範囲第８項の安全コネクタ。 10．それぞれ接続通路（２）の開口の間において、室（４）を取り囲むケーシン グ（１）の内壁（５）内に、凹部が設けられ、この凹部が室（４）に連通してい ることを特徴とする請求の範囲第１項の安全コネクタ。 11．凹部が軸方向の穴（１５）の形し、この穴がリング状弁体の円筒状外壁の軸 方向縁部を越えて延びていることを特徴とする請求の範囲第１０項の安全コネク タ。