JPH08501282A - C型肝炎ウイルスに特異的な細胞障害性t細胞を刺激するためのペプチド - Google Patents

C型肝炎ウイルスに特異的な細胞障害性t細胞を刺激するためのペプチド

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Abstract

(57)【要約】 C型肝炎ウイルスのNS5領域によってコードされたタンパク質に対する細胞障害性T細胞応答を、両親媒性アルゴリズムによってT細胞エピトープの候補として選択されたNS5由来の28個のぺプチドを用いて決定した。BALB/cマウスにおいては、16残基の合成ぺプチドによって示される比較的保存された1つのエピトープがDdクラスI主要組織適合性複合体(MHC)分子によって定型のCD4-CD8+CTLに提供された。ChironのHCV1単離物のポリタンパク質のアミノ酸残基2422−2437を示す例示ぺプチドは、アミノ酸配列MSYSWTGALVTPCAAE(SEQ ID NO:1)を有していた。このぺプチドに特異的なCTL系は、各々が保存性置換を有する既知の2つのNS5配列変異体を認識した。従って、CTLはモデル標的細胞上のクラスIのMHC分子と結合して、RNAポリメラーゼと推定されるHCVのNS5遺伝子の産物を認識し、ウイルスに感染した肝細胞またはその他の任意の細胞の同じエピトープを認識し得る。

Description

【発明の詳細な説明】 C型肝炎ウイルスに特異的な細胞障害性T細胞を剌激するためのペプチド発明の背景 C型肝炎ウイルス(HCV)は、非経口的に伝播する非A非B(NANB)型 肝炎の最近認識された原因物質である。実験的に感染させたチンパンジーの血漿 からウイルスのRNAゲノムを分子クローニングした(明細書末尾の番号付き文 献リストの文献番号8を参照されたい)。ゲノムの配列の分析によれば、このゲ ノムは長さ約9500ヌクレオチドの一本鎖のプラスセンスRNAであることが 判明した。3011個のアミノ酸残基から成るポリタンパク質をコードする90 33ヌクレオチドの長い単一読み取り枠が知見された。これらのゲノムの特徴及 び配列比較と大きさ及び脂質溶媒に対する不安定性に関する知識との総合的な考 察から、ウイルスがフラビウイルス科(6,22)の一員である可能性が示唆さ れた。しかしながら、このウイルスは典型的なフラビウイルスよりもペスチウイ ルス属のほうに近縁であるとも考えられる(27,60)。 ゲノムと予測されたポリタンパク質との配列類似性、並 びにポリタンパク質の疎水性プロフィール及び酸性/塩基性アミノ酸含量などの いくつかの特徴に基づいて考察すると、HCVのタンパク質はフラビウイルスに 関して決定されたゲノムの普遍領域と同じ領域にコードされていると推測される 。フラビウイルス及び近縁ペスチウイルスにおいては、ポリタンパク質のアミノ 末端の約1/3がウイルスの構造タンパク質を構成している。これらは、“C” と呼ばれる高塩基性ヌクレオキャプシドタンパク質と、“M”と呼ばれるエンベ ロープ関連糖タンパク質と、第二のエンベロープ糖タンパク質“E”とから成る 。非構造タンパク質はNS1〜NS5と命名されているが、NS3とNS5との 機能だけが確実に判明している。NS3はウイルスプロテアーゼであり、恐らく はヘリカーゼである。NS5はウイルスRNA依存性RNAポリメラーゼである 。 ウイルスプロテアーゼと宿主シグナラーゼとを併用した一連のタンパク質分解 性消化によってHCVポリタンパク質はプロセシングを受ける。ペスチウイルス ポリタンパク質のプロセシングとフラビウイルスポリタンパク質のプロセシング とは細部に違いを有しているがその様式の概要は同じである。HCVのタンパク 質も、おおむねフラビウイ ルスタンパク質との類似性によって決定されたが、ペスチウイルスと同様に大き さ、数及びプロセシングなどの細部ではフラビウイルスとの違いを有している。 これらの前提に基づいて、研究中の非構造領域、即ちフラビウイルスNS5領域 RNAポリメラーゼに類似の非構造領域を、以後の記載ではHCVの「NS5領 域」または「NS5タンパク質」と呼ぶ。但し、これは便宜上の命名であり、機 能及びプロセシングが同一であることを意味しない。 発現したウイルス抗原に基づく診断検査が開発され、これらのアッセイを使用 して血清疫学の分野における様々な研究が遂行されている(33)。HCV感染 症に対する免疫応答に関する研究は未だ発展途上段階にある。市販の抗体アッセ イは、組換えDNA手法によって酵母内で発現されたHCV抗原に対する抗体を 測定する。「C100−3」と呼ばれるこの抗原は、ウイルスゲノムの非構造タ ンパク質のコーディング領域に由来しており、恐らくはNS4の一部分を表して いる(33)。アッセイのより新しい変法では、NS3(プロテアーゼ/ヘリカ ーゼ)由来の抗原と内部ヌクレオキャプシドタンパク質Cとを使用する(64) 。これらの抗体はいずれも防御性であるとは考えられないが、 各々が慢性感染個体中に共通に検出される。 HCVは、非経口的に感染する非B型肝炎の多くの症例の原因であるだけでな く、散発的に集団感染する急性ウイルス性肝炎、未解明起原の慢性肝炎、特発性 肝硬変、及び、恐らくは肝細胞性癌の大部分の原因である(2,16,31,5 0)。このウイルスは慢性感染症及び慢性肝臓病を発症させる傾向を有し、この ため医学的に重要な問題となっている。α−インターフェロン療法による慢性H CV肝臓病の治療は、米国食品医薬省(FDA、Food and Drug Administration )によって最近認可された。しかしながら、この療法に対する応答患者の数は過 半数を割り、応答患者の約50%が治療中止後に再発する(16)。 従って、このウイルスの感染を防御するワクチンの必要性は大きい。現行の診 断検査は、発現したウイルスタンパク質に対する血清抗体の検出に基づいて行わ れているが、今日まで、かかる抗体によって認識されたすべてのタンパク質は、 非構造ウイルスタンパク質を示すかまたはウイルス粒子の内部成分を示していた 。HCVに対する有効な中和抗体がウイルス感染個体によって共通に産生される か否かは明らかでない。 細胞障害性Tリンパ球(CTL)がある種のウイルス感染に対するin vivo防 御を媒介することは知見されていた(17,47,48)。B型肝炎感染の場合 、CTLは、慢性B型肝炎の病理発生の主因であり、感染細胞上で発現したウイ ルス抗原を認識することによってB型肝炎ウイルスに感染した肝細胞を溶解させ ると考えられる(39,42)。HCVの場合、ウイルス感染症の病理発生に関 する情報は全く存在しない。HCV感染症の慢性化傾向及び組織病理学的所見か らは、ウイルスが肝細胞中で直接細胞変性(または細胞溶解性)を生起させるの ではないと考えられる。HCV感染症関連の慢性肝臓病は免疫媒介されるという 可能性も考えられる。 これらの観察は、HCV特異的CTLがHCV関連疾患の病理発生の因果関係 に関与すること、または、感染防御のためもしくは回復のためには細胞性免疫が 重要であることを信じるさせるだけの十分な理由となる。従来の研究ではCD8+ CTLが慢性NANB肝炎患者の肝細胞を認識すると報告されている(28) 。しかしながら今日まで、いかなるHCVタンパク質中でも、T細胞によって認 識されるHCVのエピトープが同定されたことはない。 従って、T細胞によって認識されるHCVのエピトープを同定する必要がある 。このようなエピトープを含むペプチドは、HCV感染及び病理発生におけるH CV中のCTLの役割を決定するために使用できる。かかるペプチドは、防御作 用を増進するかまたは発病作用を阻害することによって、肝炎またはその他のH CV関連疾患治療中のHCV特異的CTL応答を変調するために使用し得る。更 に、この種のペプチドは、防御性CTL応答を剌激することによって、感染を阻 止するワクチンに使用し得る。 別のウイルスモデルにおいては、内部タンパク質がCTL応答の主要標的であ る(3,30,49,62,69)。本発明者及び他の研究者らによる従来の研 究においては、HIVの内部タンパク質、逆転写酵素、並びにエンベロープ糖タ ンパク質及びgag及びnefタンパク質に由来のペプチドがマウス及びヒトの CTLによって認識された(10,14,24,32,43,57,65)。H CVの場合においては、エンベロープの配列が比較的高度な可変性を有するので (27)、エンベロープタンパク質による免疫感作は実施できないであろう。従 って、CTLクローンは、HIV-1の研究で判明したように(41,58,5 9)、HCVの種 々の単離物を識別するであろう。 HCVの予測エンベロープ糖タンパク質(“E1”及び“E2/NSI”と命 名)中にはかなりのアミノ酸配列変異が存在するのと対照的に、内部ヌクレオキ ャプシドタンパク質C、非構造(NS)領域3、NS4及びNS5タンパク質は いずれも、HCV単離物群中でもより高い配列保存性を示す(27)。ゲノム内 の位置及びその配列相似性の双方がフラビウイルスのNS5に類似したHCVゲ ノムのコーディング領域はウイルスレプリカーゼを示すと考えられる。発明の概要 従って本発明の目的は、HCVに特異的な細胞障害性T細胞を誘発するペプチ ドを提供することである。本発明の別の目的は、C型肝炎ウイルスのNS5タン パク質のエピトープを認識する細胞障害性Tリンパ球の検出方法を提供すること である。本発明の更に別の目的は、哺乳動物中でC型肝炎ウイルスのNS5タン パク質に対する免疫応答を誘発する方法を提供することである。本発明の最後の 目的は、C型肝炎ウイルスによる感染を防御するワクチンを提供することである 。 これらの目的を達成するために、本発明の1つの目的に 従って、C型肝炎ウイルスNS5タンパク質を発現する細胞に対して哺乳動物の リンパ球中で細胞障害性T細胞応答を誘発するT細胞エピトープを示す精製ペプ チドが提供される。該ペプチドは、MSYSWTGALVTPCAAE〔SEQ ID NO:1〕、MSYTWTGALVTPCAAE〔SEQ ID NO :2〕、MSYTWTGALITPCAAE〔SEQ ID NO:3〕及びそ の免疫学的に等価の配列から成るグループから選択されたアミノ酸配列の少なく とも約8個の連続残基から成る。本発明の目的を果たす種々の実施態様によれば 、ペプチドは更に、細胞障害性T細胞もしくはヘルパーT細胞に対する付加的な T細胞エピトープまたはB細胞エピトープ(抗原認識部位)を示す。 本発明の別の目的に従って、C型肝炎ウイルスのNS5タンパク質のT細胞エ ピトープに応答する細胞障害性T細胞を哺乳動物のリンパ球中で検出する方法が 提供される。この方法は、(a)細胞障害性T細胞の試験対象リンパ球にMHC 適合性の標的細胞を請求項1のペプチドと接触させ、(b)細胞障害性T細胞の 試験対象リンパ球を請求項1のペプチドと共にインキュベートし、(c)該標的 細胞に対する該リンパ球の細胞障害作用の有無を決定し、これにより、 C型肝炎ウイルスのNS5タンパク質のT細胞エピトープを認識するリンパ球の 存在を示す段階から成る。 本発明の更に別の目的に従って、C型肝炎ウイルスのNS5タンパク質に対す る免疫応答を哺乳動物中で誘発する方法が提供される。この方法は、C型肝炎ウ イルスのNS5タンパク質を発現する細胞に対する細胞障害性T細胞の応答を誘 発するために有効な量の請求項1のペプチドを哺乳動物に投与する段階を含む。 本発明の最後の目的によれば、C型肝炎ウイルスの感染を防御するかまたはC 型肝炎ウイルスの発病作用を軽減するワクチンが提供される。このワクチンは本 発明のペプチドから成る。 本発明のその他の目的及び利点は、ある程度は以下の記載に開示されており、 ある程度は以下の記載から理解されるかまたは本発明の実施によって判明するで あろう。本発明の目的及び利点は、添付の請求の範囲に詳細に説明した物質組成 物及び方法によって実現及び達成される。図面の簡単な説明 図1Aは、HCV NS5領域に由来のT細胞エピトープの候補として両親媒 性アルゴリズムによって選択した2 8個のペプチド群の配列(SEQ ID NOS.4−17,1−3及び18− 31)を示す。合成ペプチドの配列はU.S.A.で作製されたChiron Corpora tion(26)の単離物に基づくが、例外としてp17の2つの変異体、p17F DAはU.S.FDAで作製された単離物に基づき、P17JPNは別々の日本 の研究所で別々に得られた2つの単離物に基づく。FDA単離物とChiron配列と で違っている残基は原配列に下線を付けて示す。ペプチドの両親媒性スコア(3 5)も示す。 図1Bは、BALB/c及びBALB.BマウスにおけるHCV NS5由来 のペプチドに対する細胞障害性Tリンパ球の応答を示す。HCV NS5領域( vHCV)を発現する組換えワクシニアウイルスを107プラーク形成単位の量 で静注してマウスを初回抗原剌激する。Con A(IL−2含有)で刺激した リンパ球の上清の存在下に免疫脾細胞を4μMのペプチド(各培養物毎に3種類 の異なるペプチド)でin vitro再刺激し、また対照としては、細胞をペプチド非 含有のIL−2で処理した。BALB/c中ではneo耐性遺伝子(18Neo 、H−2dクラスI陽性、クラスII陰性)で、また、BALB.B中ではEL− 4(H−2d) でトランスフェクトした3T3線維芽細胞に対するCTL活性を測定した。標的 を10μMの各ペプチド添加またはペプチド非添加で6時間感作した。三重実験 を実施した。エフェクター:標的(E:T)比=100:1とし、5000標的 細胞/ウエルを使用した。ペプチド非存在下の溶解はBALB/cで2.2〜7 .7%(P17剌激免疫細胞では4.2%)、BALB.Bでは2%未満であっ た。概して、三重実験の標準誤差は値の<5%であり、反復実験で同等の結果が 得られた。 図2は、P17及びP17FDAに特異的なCTL系が各特異的ペプチド及び その他のP17変異体に対して示す細胞障害性を示す。1つのアミノ酸の突然変 異が変異エピトープの認識に与える効果を試験した。5×103個の51Cr標識 した標的細胞(18Neo)を長期CTL系に由来のエフェクター細胞と共に培 養し、各特異的ペプチド、その他のP17変異体、P18IIIB(陰性対照ペプ チド)の存在下またはペプチド非存在下に特異的ペプチドで反復的に刺激した。 E:Tはエフェクター:標的比である。ペプチド非存在下の溶解は<1%であっ た。三重実験の標準誤差は概して値の<5%であり、独立した3つの試験で同等 の結 果が得られた。 図3は、H−2dによって制限されたP17及びP17FDAに特異的なCT L系について、NS5を発現するvHCVワクシニアウイルスに感染させた(1 時間、37℃、感染多重度10:1、使用以前に3回洗浄)18Neo細胞(B ALB/c 3T3線維芽細胞)と特異的ペプチド(10μM)の各々でパルス した18Neoとに対する細胞障害性試験の結果を示す。陰性対照標的としては 、対照vSC8ワクシニアウイルスに感染させた18Neo(neo遺伝子をト ランスフェクトしたBALB/C 3T3)並びにP18IIIB(1μM)でパ ルスした18Neo及び非パルスの18Neoを使用した。三重試験の標準誤差 は概して値の<5%であり、独立した3つの試験で同等の結果が得られた。 図4は、P17に特異的なH−2dCTL系の表現型の分析を示す。図2に記 載したようなCTLアッセイを、指示した希釈度の抗L3T4(GK1.5)( 抗CD4)モノクローナル抗体または抗Lyt2.2(2.43)(抗CD8) モノクローナル抗体の存在下または抗体非存在下に6時間行った。18Neoを P17(10μM)で一夜パルスし、 3回洗浄した。三重試験の標準誤差は概して値の<5%であり、独立した3つの 試験で同等の結果が得られた。 図5は、H−2d株中のCTLにP17を提示する役割を果たすMHCクラス I分子の同定を示す。標的細胞をP17(10μM)で一夜パルスし、3回洗浄 した。エフェクター:標的比=10:1とした。TM:Dd分子のトランスメン ブラン部分。各トランスフェクタントに対するα1 α2α3 TMの起原は、 Ddddd,T4.8.3;Ldddd,T1.1.1;−Dddd,D MT26.5S1;Ddddd,T37.2.1;Ldddd,T37.1 .3;Ddddd,T9.10.3;及びLdddd,DMT34.5であ る。三重試験の標準誤差は概して値の<5%であり、独立した2つの試験で同等 の結果が得られた。 L28:pSV2neo遺伝子単独でトランスフェクトされたDAP3 L 細 胞(H−2k); 18Neo:PSV2NEO単独でトランスフェクトされたBALB/c 3T 3線維芽細胞(H−2d)。特定実施態様の詳細な説明 前述のごとく、ある種のウイルス感染症に対するin vivo防御をCTLが媒介 することは従来から知られていたが、 いかなるHCVタンパク質中でもCTLエピトープが確定されたことはない。し かしながら、RNAポリメラーゼに相同性を有するフラビウイルス遺伝子に対応 するHCVの非構造タンパク質(NS5)が比較的保存されたCTLの標的タン パク質であり、実際にリンパ球中の細胞障害性T細胞応答を誘発するエピトープ を提供することは知見されていた。 HCVNS5タンパク質に特異的なCTLのエピトープ特異性を研究するため に、このタンパク質に由来の28ペプチドをマウスのCTL中で試験した。HC V NS5遺伝子を発現する組換えワクシニアウイルスによってマウスを免疫感 作し、初回抗原剌激した牌細胞をペプチドによってin vitroで再剌激した。H− 2dマウスに由来のCTLは16残基から成る1つの合成ペプチドに応答した。 このペプチドは本明細書でP17として同定され、HCV読み取り枠の残基24 22〜2437に対応する。この比較的保存されたエピトープはH−2dクラス I主要組織適合性複合体(MHC)分子によって定型のCD4-CD8+CTLに は提示されたが、H−2bで制限されたCTLによって認識されなかった。更に 、組換えDd/Ld及びKdを発現する 複数のトランスフェクタントを用いるエキソン-シャッフル実験は、このペプチ ドがDdクラスI MHC分子のα1及びα2ドメインと関連して認識されるこ とを示した。 P17ペプチドのアミノ酸配列は、別の3つのHCV単離物のこの非構造領域 の相同セグメントに比べて1残基の違いを有している。標的感作能に対する各残 基の効果を試験するために1個のアミノ酸が置換された変異ペプチドを作製した 。どの置換も認識に全く影響しなかった。従って、これらの保存性突然変異は、 ペプチドとDdクラスI MHC分子との相互作用に対してもT細胞受容体との 相互作用に対しても全く影響しなかった。 マウスのCTLは、米国及び日本で作製された4つの配列決定されたHCV単 離物全部を表すペプチドと交差反応する。従って、ヒトCTLが同様の交差反応 性を示すならば、本発明のペプチドはHCV診断及びワクチン開発に有効なはず である。その場合、本発明のペプチドは、ウイルス感染を予防または治療するた めのHCVワクチンの成分の候補になり得る。更に、これらのペプチドは、細胞 性免疫系がHCVのNS5タンパク質に対する応答を示すか否かの判定に基づく 診断方法または予防方法の開発に有用で あろう。本発明のペプチドの詳細及びその他の特徴を以下に記載する。 A.定義 本明細書で使用したいくつかの用語を以下のごとく定義する。 アミノ酸残基:本文中で同定されたアミノ酸残基は天然のL立体配置である。 アミノ酸残基に関しては以下の略号を使用する。 本文中ですべてのアミノ酸配列は、定型のアミノ末端からカルボキシ末端の方 向を左から右の方向で示す式によって示されている。 ペプチド:本文中で使用されたペプチドなる用語は、隣り合う残基のα−アミ ノ基とカルボキシ基との間のペプチド結合によって1つずつ連結されたアミノ酸 残基の直鎖系列を示す。本文中で使用されたペプチドなる用語は、HCVのNS 5のような天然発生タンパク質を包含しない。 抗体:本文中で種々の文法的形態で使用された抗体なる用語は、免疫グロブリ ン分子の集団を示すか、または、免 疫グロブリン分子、即ち「抗原結合部位」もしくはパラトープを含む分子の免疫 学的活性部分を示す集合名詞である。抗原結合部位なる用語は、抗原のB細胞エ ピトープに特異的に結合する抗体分子の構造部分を意味する。 B.ペプチド 哺乳動物のリンパ球中で特定タンパク質を発現する細胞に対する細胞障害性T 細胞応答を誘発するT細胞エピトープを示すペプチドを構築するためには、T細 胞エピトープの候補を含む一連のペプチドを実験的に試験する必要がある。この ような候補は、両親媒性螺旋を形成する傾向を示すアミノ酸配列の両親媒性スコ ア(35)によって同定される。クラスII制限されたT細胞エピトープと両親媒 性スコア>4の領域との間の相関関係は、1991年に92個の公知のエピトー プに関して評価したときでさえも統計的に高度に有意であり(12,13)(p <0.0003)、本発明で研究したより小さいセットのCTLエピトープに関 しても有意である。しかしながら、この閾値を上回る桁のスコアと1つの部位が T細胞によって認識される確率との間の相関関係は知見されていない。 上述の方法によって、MSYSWTGALVTPCAA E〔SEQ ID NO:1〕,MSYTWTGALVTPCAAE〔SEQ ID NO:2〕及びMSYTWTGALITPCAAE〔SEQ ID NO :3〕から成るグループから選択されたアミノ酸配列を有するペプチドが哺乳類 リンパ球中でC型肝炎ウイルスNS5タンパク質を発現する細胞に対する細胞障 害性T細胞応答を誘発することが知見された。従って、哺乳動物のリンパ球中で C型肝炎ウイルスNS5タンパク質を発現する細胞に対する細胞障害性T細胞応 答を誘発するT細胞エピトープを示すペプチドを本発明によって合成し得る。本 発明のペプチドは、上記の例示アミノ酸配列または例示配列の免疫学的等価物の 全部または一部を含み得る。特に、本発明のペプチドは、HCVポリタンパク質 のNS5領域に含まれているHCVポリタンパク質アミノ酸残基2422〜24 37の配列、またはHCVポリタンパク質アミノ酸残基2422〜2437の免 疫学的等価物を含み得る。 「免疫学的に等価」なる表現は、HCVポリタンパク質の残基2422〜24 37から成る天然アミノ酸配列を有する免疫原性ペプチド中にはいくつかのアミ ノ酸置換または欠失が生じ得るが、置換または欠失を有するペプチドが 出発免疫原性ペプチドと実質的に等価の免疫応答を誘発することを意味する。こ のような置換または欠失は複数の確定した理論に基づいて生じ得る。これらのい くつかに関しては後述する。 この観点から、HCVポリタンパク質の残基2422〜2437を発現する細 胞に対する細胞障害性T細胞応答を誘発する能力を有するペプチドは、本発明の ペプチドの免疫学的等価物であると考えられる。より詳細には、HCVポリタン パク質の残基2422〜2437の免疫学的等価物であるためには、ペプチドが 、(1)HCV NS 5タンパク質の主要部を提示するMHC分子を有する標 的細胞によって提供されることが可能であり、(2)このようなMHC分子の存 在下に、C型肝炎ウイルスのNS5タンパク質によって初回抗原剌激された細胞 障害性Tリンパ球によって認識されることが可能でなければならない。 即ち、「免疫学的に等価」であるためには、天然HCVエピトープ配列または そのフラグメントの各残基が免疫学的に等価の残基で置換される必要はなく、ペ プチドが全体として実質的に等価の免疫応答を誘発すればよい。従って、保存性 または非保存性にかかわりなく、1つのアミノ酸を 別のアミノ酸で置換し、この変化が使用中に何らかの利点を与えるものであるな らば、本発明を実施する際にこのような置換を計画してもよい。保存性置換とは 、1つのアミノ酸残基が生物学的に同様の別の残基によって置換されることを意 味する。保存性置換の例としては、イソロイシン、バリン、ロイシンまたはメチ オニンのような1つの疎水性残基による別の残基の置換、または、アルギニンと リシンとの間、グルタミン酸とアスパラギン酸との間、もしくはグルタミンとア スパラギンとの間で行われるような1つの極性残基による別の残基の置換がある 。保存性置換はまた、ペプチドが必要な結合活性を示すことができるという条件 で、未置換の親アミノ酸の代わりに置換アミノ酸を使用する場合も包含する。 特異的MHCタンパク質に結合するために必要な直鎖状アミノ酸配列の残基を 決定する系統的な方法は公知である。例えば、Allen,P.M.ら,Nature 327:713-7 17(1987);Sette,A.ら,Nature 328:395-399(1987);Takahashi,H.ら,J.Exp.Med. 170:2023-2035(1989);Maryanski,J.L.ら,Cell 60:63-72(1990)を参照するとよい 。 同様にして、特異的抗体に結合するために直鎖状アミノ 酸配列のどの残基が必要であるかを決定する系統的方法も公知であり、T細胞受 容体によって認識されるには配列のどの残基が必要であるかを決定するためにも 本質的に同じ方法を応用し得る。例えば、H.M.GeysenのPCT出願WO8403 564,「タンパク質中の活性配列を検出するためのアミノ酸配列抗原性の決定 (Determination of aminoacid sequence antigenicity for Iocation of activ e sequence in a protein)」を参照するとよい。該特許出願の全記載内容が本 明細書に含まれるものとする。該出願は、タンパク質またはタンパク質の一部分 の既知のアミノ酸配列内部の抗原的活性アミノ酸配列を決定する方法を開示して おり、(1)既知のアミノ酸配列内部の1つの配列に対応する1つの配列を各々 が含む複数のオーバーラップアミノ酸配列を有するペプチドを合成し、(2)当 該タンパク質またはその一部分に対する抗体とペプチドとを接触させ、(3)各 ペプチドと抗体との間の抗原抗体反応の有無を検出または決定することによって ペプチドの抗原活性の有無の指標とする段階から成る。 ChironのHCV1ポリタンパク質配列の残基2422-2437から成るペプ チドによって例示される本発明のペ プチドの配列の免疫学的等価物を同定するためにこの方法を応用する場合は、当 該タンパク質に対する抗体の代わりにHCV NS5タンパク質を発現する標的 細胞に特異的な細胞障害性T細胞を用いる必要がある。この目的に適した細胞障 害性T細胞の例としては、HCV感染した哺乳動物もしくはHCV NS5タン パク質を発現する組換えワクシニアウイルスで免疫感作した哺乳動物のリンパ球 、または、実施例2において後述するように本発明のペプチドで反復刺激するこ とによってかかる免疫細胞から誘導した細胞障害性T細胞クローンがある。例示 配列の内部でHCV NS5タンパク質の機能性T細胞エピトープの提示に必要 な残基を更に限定することによって本発明の例示ペプチドの免疫学的等価物を同 定するために細胞障害性T細胞を使用することができ、このために前出のGeysen の方法を、例えば1つの抗体をT細胞で置換することによって修正した方法また はTakahashi,H.ら、J.Exp.Med.170:2023-2035(1989a),Science 246:118-121(198 9b)及びScience 255:333-336(1992)の記載に従って修正した方法を使用し得る。 また、これらの方法を応用することによって、T細胞エピトープ活性に必要な 本発明のHCVポリタンパク質の残 基2422−2437の配列の直鎖状サブセットを同定することも期待できる。 MHC分子によって提示されT細胞受容体によって認識され得る機能性T細胞エ ピトープは、通常は9個のアミノ酸の直鎖状配列から構成されるが、8個または 10個のアミノ酸から成る直鎖状エピトープもいくつか知られている。例えばFa lk,K.ら,Nature,351:290(1991);Jardetzky,T.F.ら,Nature 353:326-329(1991) ;Hunt,D.F.ら,Science 255:1261-1263(1992);及びRomero,P.ら,J.Exp.Med.174 :603-612(1991)を参照するとよい。 従って、本発明の例示ペプチド配列に免疫学的に等価の配列は、少なくとも8 個のアミノ酸、例えば上述のT細胞エピトープ機能に必要であることが判明して いる16個の例示アミノ酸中の8個の連続残基を必要とすると考えられている。 しかしながら、8個未満のアミノ酸から成るペプチド、例えば7個または6個の アミノ酸から成るペプチドも上述の方法によって本発明の例示ペプチドに免疫学 的に等価であることが証明されており、かかるペプチドも本発明の範囲内に包含 される。要するに、本発明のペプチドは少なくとも約8個のアミノ酸から成り、 これは最小6個のアミノ酸をも含んでいることを意味する。 本発明のペプチドの長さは、例えば免疫感作に使用されるキャリアの種類次第 で、機能性T細胞エピトープの最小所要残基数以上に可変である。ペプチドの長 さは通常は、エピトープ間の干渉の機会が最小になるように、所望エピトープ以 外のエピトープの数を最小限に抑えた長さが好ましい。更に、化学合成によって ペプチドを調製するとき、付加的な残基はペプチド調製の所要時間を延長し経費 を増加させ最終産物の純度及び収率を低下させるであろう。従って、合成ペプチ ドは好ましくは50残基未満、より好ましくは30残基未満である。しかしなが ら、HCV P17エピトープのペプチドに加えていくつかのエピトープを提示 するペプチドも勿論本発明の範囲内に包含される。かかるペプチドの最適長さは 慣用の実験方法によって得られるであろう。 本発明の目的に適うペプチドの例としては、C型肝炎ウイルスNS5タンパク 質を発現する細胞に対する細胞障害性T細胞応答を哺乳動物のリンパ球中で誘発 するT細胞エピトープを示す16残基のペプチドがあり、このペプチドはアミノ 酸配列MSYTWTGALVTPCAAE〔SEQ ID NO:2〕を有して いる。この配列は、U.S.FD Aによって得られたHCV単離物のNS5タンパク質の残基2422−2437 に由来し、従って、“P17FDA”と命名された。P17FDΛ配列は、別の U.S.単離物の対応するNS5配列、即ちP17と命名されたChironのHCV 1配列MSYSWTGALVTPCAAE〔SEQ ID NO:1〕(26) に比べて1残基の違いを有している。P17FDA配列はまた、P17JPNと 命名された2つの異なる日本の単離物のこの部位に保存された配列MSYTWT GALITPCAAE〔SEQ ID NO:3〕(26,60)に比べて別の 1残基の違いを有している。従って、ペプチドP17、P17FDA及びP17 JPNはChironのHCV1ポリタンパク質の残基2422-2437に対応する HCV NS5タンパク質部分の3つの天然変異体を示し、各々が、C型肝炎ウ イルスNS5タンパク質を発現する細胞に対する細胞障害性T細胞応答を哺乳動 物のリパ球中で誘発するT細胞エピトープを示す。 本発明のペプチドは更に、別のHCV単離物のNS5タンパク質中のChironの HCV1単離物のP17配列に対応する部分から成る天然配列を含み得る。この ような追加の天然NS5配列は実施例2において後述する方法で決定さ れ得る。即ち、HCVのウイルスRNAを感染組織から抽出する(19)。RN Aを逆転写し、従来技術の特異的HCVプライマーを用いるポリメラーゼ連鎖反 応(PCR)によって増幅する(9)。次に、PCR産物をNS5 DNAの増 幅及び配列決定用の適当なクローニングベクターに結合する。 HCVの種々の単離物に由来のポリタンパク質がChironのHCV1単離物の3 011個前後のアミノ酸を含み得ることは当業界で公知である。例えば、P17 JPNと呼ばれる配列を含む日本単離物のポリタンパク質は、3010残基だけ を含み、そのP17JPN配列は残基2421-2436から成る。従って、本 発明のP17配列(ChironのHCV1配列の残基2422-2437)に構造的 に対応する配列を見出すためには、新しく決定したNS5配列を既知のNS5配 列例えばChironのHCV1配列の相同部分に位置合わせし、新しい配列の残基の うちで既知のHCVポリタンパク質の残基2422-2437に対応する残基を 同定する。次に、クローン化したPCR産物の解析によってP17配列に対応す る配列を有することが決定されたペプチドを作製し、実施例2で後述する方法で T細胞エピト ープ機能を試験する。 上記方法を使用すると、T細胞エピトープ活性に必要なNS5タンパク質の直 鎖状配列中の残基を同定することもでき、また、T細胞エピトープを示すために 必要な位置のアミノ酸置換の許容範囲を限定することもできる。従って本発明の ペプチドは、天然のHCV NS5アミノ酸配列に加えて、HCV NS5タン パク質と実質的に同じ機能性エピトープを提供する別のアミノ酸配列も含み得る 。これらの非天然アミノ酸配列は、天然配列中のT細胞エピトープ機能に必要な NS5の残基のアミノ酸配列を種々のアミノ酸残基によって置換し、得られた配 列の機能保持を実施例2に記載された方法で試験することによって同定できる。 例えばPCT出願WO8606487は、例えばタンパク質上のエピトープを 模倣する「ミモトープ」の開発方法を開示している。文献(71)参照。この方 法では、特定の対象受容体(例えば抗体)に相補的なリガンド(例えばエピトー プ)の局所的等価物であるモノマーの配列を検出または決定する。この方法では 、(a)式D2−D1のカタマーを合成する〔式中、D1は第一セットのモノマ ーから選択 された(天然L-アミノ酸または合成D-形またはその他の修飾アミノ酸のような )指定モノマーを示し、D2は第一セットと同じでもよい第二セットのモノマー から選択された指定モノマーを示す〕。これらのカタマーの内部では、指定モノ マーの各々が夫々のモノマーセットから選択されたモノマーを含むように系統的 に変異している。方法は更に、(b)各カタマーを対象受容体と接触させ、(c )各カタマーと受容体との結合の有無を検出または判定する段階を含む。前出の PCT出願No.WO8600991及び文献(71)は更に、部分的に規定さ れた構造のカタマーの抗体結合を試験することによってエピトープ(即ちミモト ープ)に局所的に等価のアミノ酸配列を同定する詳細な方法を開示している。 従って、当業者は、本発明の細胞障害性Tリンパ球及びそれらの受容体と上記 のミモトープ開発方法とを使用することによって、本文中に開示した例示ペプチ ドによって提供されるHCV NS5 T細胞エピトープに免疫学的に等価のエ ピトープを提供する本発明のペプチドを開発し得るであろう。これらの免疫学的 に等価の「ペプチド」のミモトープは、HCVの天然アミノ酸配列を含む必要は なく、 実際、いかなる天然アミノ酸配列も含む必要は全くない。 HCV NS5のT細胞エピトープの天然配列に部分的に等しい配列(1つま たは複数の保存性または非保存性置換または欠失がある配列)を有する本発明の ペプチドは、通常はNS5のT細胞エピトープの全部または一部を含むアミノ酸 残基の数の約30%以下、好ましくは約20%以下、より好ましくは約10%以 下が置換または欠失しているが、必ずしもそうでもない。例えば本発明のペプチ ドをラベル、固体マトリックスまたは担体のような別の物質に適切に固定する「 リンカー」として作用する追加の残基を各末端に付加した場合には上記の割合に ならない。 更に、本発明のペプチドのアミノ酸配列は、末端-NH2アシル化、例えばアセ チル化により修飾されることによってHCV NS5エピトープの天然配列とは 違うものになる。このようなアシル化は、当業界でよく知られた理論に従って合 成ペプチドの電荷を減少させるために使用される。 本発明のペプチドは、組換えDNA手法を含むペプチド業界の業者に公知の手 法のいずれかによって合成され得る。純度、抗原特異性、不要な副生物の不在、 生成容易性、などの理由から固相メリフィールド型合成のような合成化学 技術が好ましい。利用可能な多くの技術の優れた要約が、J.M.Steward & J.D.Yo ung,SOLID PHASE PEPTIDE SYNTHESIS,W.H.Freeman Co.,San Francisco,(1969);M .Bodanszkyら,PEPTIDE SYSTHESIS,John Wiley & Sons,Second Edition,(1976) 、などの文献に記載されており、固相ペプチド合成に関してはJ.Meienhofer,HOR MONAL PROTEINS AND PEPTIDES,Vol.2,p.46,Academic Press,New York(1983)、従 来の溶液合成に関してはE.Schroder & K.Kubke,1 THE PEPTIDES,Academic Press , New York(1965)、に記載されている。これらの各文献の全記載内容が本明細書 に含まれるものとする。かかる合成に使用可能な適当な保護基は、上記の文献及 びJ.F.W.McOmie,PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC CHEMISTRY,Plenum Press,New Y ork(1973)に記載されている。この文献の全記載内容も本明細書に含まれるもの とする。 考察された固相合成法は概して、1つまたは複数のアミノ酸残基または適正に 保護されたアミノ酸残基を伸長ペプチド鎖に順次付加する段階から成る。通常は 、第一アミノ酸残基のアミノ基またはカルボキシル基を選択的除去可能な適当な 保護基によって保護する。リシンのような反応性側基を含むアミノ酸には選択的 に除去できる別の保護基を 使用する。 例えば典型的な固相合成方法によれば、保護または誘導体化されたアミノ酸を その非保護カルボキシル基またはアミノ基を介して不活性固体支持体に固定する 。次にアミノ基またはカルボキシル基の保護基を選択的に除去し、適正に保護さ れた相補性(アミノまたはカルボキシル)基を有する配列中の次のアミノ酸を付 加し、固体支持体に既に固定された残基とのアミド結合を形成するために適当な 条件下に反応させる。次に、この新しく付加されたアミノ酸残基からアミノ基ま たはカルボキシル基の保護基を除去し、次いで(適正に保護された)次のアミノ 酸を付加し、以後同様に処理する。所望のアミノ酸全部が適正配列に結合される と、残存する末端基及び側基の保護基(及び固体支持体)を順次または同時に除 去して最終ペプチドを得る。 より簡単な小規模のペプチドの固相合成方法も公知である。例えば、Houghten ,R.A.,Proc.Nat1.Acad.Sci.U.S.A.82:5131-5135(1985);及びHoughton,M.,Q.-L.C hoo, & G.Kuo,European Patent Application 88310922(1988)を参照するとよい 。 C.アッセイ及び診断方法 本発明の目的は、哺乳動物のリンパ球中でC型肝炎ウイルスのNS5タンパク 質のT細胞エピトープに応答する細胞障害性T細胞を検出するための種々のアッ セイ方法を開発することである。 好ましい実施態様によれば、このアッセイは、標的細胞を本発明のペプチドと 接触させる第一段階(a)を含む。これらの標的細胞は、HCV特異的細胞障害 性T細胞の試験対象リンパ球にMHC適合性であることがわかっているのが好ま しい。第二段階(b)では、HSV NS5特異的CTLが適正な標的細胞に応 答するように、細胞障害性T細胞の試験対象リンパ球を再剌激するに十分なin v itro条件下に本発明のペプチドと共にインキュベートする必要がある。第三段階 (c)では、試験リンパ球が標的細胞に作用させた細胞障害効果を判定し、これ を、C型肝炎ウイルスのNS5タンパク質のT細胞エピトープを認識するCTL の存在の指標とする。 本文中では、例示アッセイ方法をマウスのリンパ球を用いて記載しているが、 本発明はこれに限定されない。例えば、本発明によれば、別のヒトCTLを検出 する公知方法を適当に応用することによって、例えばHCV感染が判明 した患者または感染の疑いがある患者の血液またはその他の組織中でヒトCTL を検出することも考えられる。例えば、Clerici,M.,ら,J.Imm.146:2214-2219(19 91)参照。 本発明のアッセイは、哺乳動物の免疫系がHCVのNS5タンパク質によって 誘発されたか否かを判定し、次いで、かかる応答の発生及び量がHCV感染の発 生(例えば診断用)またはウイルスの発病作用の軽重(例えば予後の指標として )と相関し得るか否かを決定するために有用である。 D.ワクチン及び治療用組成物 本発明のペプチドは、HCV感染予防ワクチン用またはHCV感染個体の治療 目的用に有用であると考えられる。例えば、ペプチドを単独で使用してもよく、 または、キャリアタンパク質に結合した接合ペプチドを含む複合体に対する免疫 応答を誘発する物質にペプチドを接合した免疫原性結合体を調製するために当業 界で公知の方法で使用してもよい。例えば、M.F.Good,Science 235:1059-1062(1 987);Palker,T.J.,J.Imm.142:3612-3619(1989)を参照するとよい。免疫応答を誘 発するためにペプチドに接合され得る物質は、ジフテリアトキソイドまたは破傷 風トキソイドのような、(免疫感作したヒトの)身体によって共通に認識さ れ免疫系によって除去されるトキソイドを含む。または、ペプチドをコードする 遺伝子配列を組換え遺伝子に組み込んでベクターの一部として発現させてもよい 。ベクターの例としては、Chakrabarti,S.ら,Nature,320:535-537(1986)の方法 によって作製されたワクシニアウイルスのような組換えウイルスがある。 本発明のペプチドはまた、別のT細胞エピトープまたはB細胞エピトープのよ うな付加的エピトープを含むもっと大きいペプチドに組み込まれてもよい。従っ て、HCVの多数エピトープまたはHCVと別のウイルスとの多数エピトープに 対して細胞障害性T細胞応答を誘発する多価ワクチンの一部としてペプチドを使 用してもよい。更に、抗体応答と細胞障害性T細胞応答との双方を誘発するよう に、多価ワクチンのペプチドがHCVまたは別のウイルスのヘルパーT細胞エピ トープ及びB細胞エピトープを含んでいてもよい。 例えば、CTL応答をT細胞で支援するために、CeaseK.B.,ら,Proc.Nat1.Aca d.Sci.USA 84:4249-4253(1987)に記載されているようなHIV由来のヘルパーT 細胞エピトープを結合してもよい。Berzofsky,J.A.,ら,J.Clin.Inves t.88:876-884(1991);抗ウイルス性細胞障害性Tリンパ球を生成するペプチドに 関してはHart,M.K.,ら,Proc Nat1 Acad Sci USA88:9448-9452(1991);抗体応答を 誘発するペプチドに関してはHart M.K.,ら,J.Immunol.145:2677-2685(1990)を参 照するとよい。 医薬用の上記ペプチド及び結合体と許容された医薬担体とを含む組成物の調製 方法は、医薬組成物の製剤業者に明らかであろう。 ワクチンの理論的根拠 HCVは恐らくは、黄熱病ウイルスのような典型的なフラビウイルスとウシウ イルス性下痢ウイルスのような動物のペスチウイルスとの双方を含むフラビウイ ルス科の一員であろう(11)。典型的なフラビウイルスは、節足動物ベクター を有し、急性疾患だけを発症させる。他方、ペスチウイルスは既知の節足動物ベ クターは無く、慢性感染症と急性疾患との双方を発症させる。HCVは急性の自 己限定性感染症であるが、ペスチウイルスと同様に慢性感染症並びに慢性活動性 肝炎、肝硬変及び恐らくは肝細胞癌などの肝臓病を発症させる。慢性肝臓病の慢 性化及び病理発生のメカニズムは解明されていない。慢性ウイルス感染が直接 に細胞変性を生じさせるとは考え難い。その場合にはいっそう重大な肝臓破壊が 生じるはずである。従って、B型肝炎感染症の場合のように、免疫メカニズムが 考えられるわけである。 多くのフラビウイルスに対する中和抗体は、エンベロープ糖タンパク質中のエ ピトープに対する抗体である。このような抗体はHCV感染個体によって普通に は生成されないか、または、これらを検出し得る利用可能なアッセイがまだ存在 していない。HCVの2つの推定エンベロープ糖タンパク質の配列解析の結果か ら、かなりの菌株可変性が判明し(23,27,67)、このことは、広い反応 性を有する中和抗体を誘発する抗原を産生させる研究を更に錯綜させることにな る。 より特定的には、文献(27)に概説されているように、HCV配列多様性に 関する最近の報告に基づいて、複数の単離物を比較し得る(9,23,37,4 4,67)。E1及びE2/NSI遺伝子によってコードされている推定エンベ ロープ糖タンパク質の超可変性及びNS2のより大きい不均質性と対照的に、H CVのC、NS3、NS4及びNS5領域はより大きい配列保存性を示すことは 注目に値する。 このようなHCVエンベロープタンパク質の超可変性は、HIV−1エンベロー プタンパク質V3ループの場合に示唆されたように、この領域が防御性B細胞ま たはT細胞エピトープの変異に対して選択的圧力下にあるらしいことを示唆する 。V3ループというのはヒト及びマウスの双方においてCTLに対する主要中和 ドメイン及び免疫優性決定基である(10,21,46,53,57)。 超可変性は、このウイルスが速やかな突然変異によって免疫系から逃れる能力 があることを示唆する。報告されたすべてのHCV配列の比較によって大まかに 再分割された単離物のグループ内で、NS5は95%−100%の相同性を示す (27)。可変性はまた、種々のHCV単離物による多重感染の問題にも関連す る。劇症肝炎に由来のHBVゲノムに関する最も新しい配列解析の多くは、天然 発生のウイルス突然変異が感染宿主のより重症の肝臓障害の原因となり得ること を示唆している(34,45)。従って、抗体による変異体の交差中和及びT細 胞による変異体の交差認識は、免疫系から逃れる突然変異体の増加を防止するワ クチンの開発において重要な問題である。 これらの理由から、本発明者らは、HCVのT細胞エピ トープ、特に比較的保存されたNS5タンパク質によって示されるT細胞エピト ープが病理発生または感染防御において重要であるか否かを決定できるような研 究に着手した。従来の研究では、CD8+CTLが慢性NANB型肝炎患者の肝 細胞をMHC非制限的に認識することが証明されていた(28)。ウイルス感染 細胞に対するCTLは多くの場合、感染細胞上で発現したウイルスのヌクレオタ ンパク質を認識して細胞を溶解させると考えられていた(52)。例えば、B型 肝炎感染の場合には、CTLは慢性B型肝炎の病理発生の原因であり、肝炎B型 ウイルスに感染した肝細胞を感染細胞中で発現されたウイルス抗原を認識するこ とによって溶解させると考えられていた(39,42)。 クラスI及びクラスIIのMHC分子は、外来抗原のプロセシング後にタンパク 質のポリペプチドフラグメントをT細胞に認識させ得る(4,51,55,61 ,70)。従って、プロセシング後のタンパク質のフラグメント上に存在するエ ピトープと同様のT細胞エピトープを示すペプチドを開発しなければならない。 かかるエピトープを含む合成ペプチドワクチンは、全タンパク質または弱毒もし くは致死ウイルスよりも害の少ない免疫応答を誘発するであろう(5)。 ヒト免疫系のモデルとしてマウスを用いた研究に基づく本文中に記載の実験結 果は、CTLがクラスI MHC分子と協調してウイルス感染細胞上で、HCV RNAポリメラーゼ遺伝子の産物、非構造領域を認識するらしいことを示してい る。マウスの細胞はHCV感染できないので、この推測をHCV感染マウスで直 接試験することはできない。 しかしながら、この結果は、本発明のペプチドが哺乳動物においてHCV N S5感染細胞に対する細胞障害性T細胞応答をin vivo誘発するであろうと推測 させる妥当な根拠になり得る。従って、ペプチドは、HCV NS5を発現する 同系標的細胞及びペプチドP17(HCV NS5内部の残基2422−243 7)でパルスした標的細胞を致死させる能力を有するマウスのCTL系を産生し た。 ペプチドは、H−2dマウスのCTL応答リンパ球を誘発したが、H−2bマウ スのは誘発しなかった。これは、H-2dがP17に対する免疫応答(Ir)遺伝 子レスポンダハプロタイプであるがH-2bはレスポンダでないことを示す。更に 、DdとLdとの間で種々にエキソンシャッフルした8つのL細胞(H-2k)トラ ンスフェクタントの応答によって 示されるように、HCV NS5のP17に対する応答は、DdクラスI分子の α1及びα2ドメインの双方に依存する。HIV-1 gp160に由来のペプ チドP18(58)及びHP53(56)の有効な提示に関しても同様の結果が 得られた。ワクチン開発の場合に、いずれも同じDdクラスIのMHC分子によ って提示されるP17とHIV-1gp160のペプチドP18及びHP53と が、各々を高度に両親媒性の短いα螺旋として折り畳んだときに両親媒性疎水性 プロフィルに類似性を有する以外は、配列の顕著な類似性を共有しないことに注 目すべきである。Dd結合の明白な動機を定義するためには不十分な相同性が存 在しているが、各ペプチドのDdに関与する残基の解析(58)は、Dd特異性に 関する構造的要件の解明の助けとなるであろう。 最大溶解を達成すべく二次的にCTLをin vitro剌激するためまたは標的を感 作するために必要なペプチド濃度はP17に関しては極めて低い(0.1-1μ M)値が観察された。この結果は、P17が比較的高い親和性でH-2d中のクラ スI MHC分子に結合することを示し、このことは、実用化の見地から、例え ば投与量あたりの経費を最小に削 減できるのでペプチド免疫原の重要な特徴である。また、P17はCTLのin v ivo剌激または使用中の活性に影響を与えるような毒性を全く示さなかった。 Dd分子によるペプチド提示及びCTL認識に対して天然発生ウイルス突然変 異が与える影響を明らかにするために、この比較的保存されたエピトープ(26 ,29,60)のHCV変異体(米国及び日本)の異なる3つの配列が入手可能 であったため、各々がChiron単離物(26)のP17配列に比べて1残基または 2残基の違いを有する本発明の2つの変異ペプチドを合成することができたので ある。2424位の1つのアミノ酸置換(T→S)及び2431位の1つのアミ ノ酸置換(V→I)はBALB/cマウス中のペプチドP17のCTL認識を低 下させなかった。従って、米国及び日本で得られた4つのクローン化HCV単離 物全部において異なっているこれらの点変異は、DdクラスI MHC分子とペ プチドとの相互作用にもT細胞受容体とペプチドとの相互作用にも全く影響しな いと考えられる。ヒトCTLがこの部位に対して同様の交差反応性を示すならば 、このペプチドは、現実に見出される保存性置換が少ないにもかかわらずワクチ ン開発用CTLエピトープとして有用 であろう。 このようなワクチンの予想効果に関しては、前以て感染していた細胞中のウイ ルスの増殖をCTLが阻止し得ることが多数の論文において証明されている(1 7,28,39,42,47,48,63,66)。同様に、HCV特異的CT Lを誘発するワクチンはHCV防御性であろうと考えられている。本発明では、 HCVNS5領域に由来のP17がクラスI MHC分子によってCD8+CD 4-CTLに提示された。ペプチドP17の高い保存性及び交差反応性は、この ペプチドがヒトCTLによって見出されることができれば、広範囲に有効なHC V用ワクチンの一成分として役割を果たし得ることを示唆する。 HIV-1タンパク質gp160及び逆転写酵素に関するこれまでの研究にお いて、マウスCTLによって見出されるエピトープはヒトCTLによっても見出 された(10,24,57)。慢性感染した一匹のチンパンジー中でP17刺激 に応答してT細胞増殖が観察されたが細胞障害性は観察されなかった。この霊長 類はHCVによって発症する肝炎の唯一の確認された動物モデルである。 P17部位が多様なヒトクラスI MHC対立遺伝子に よって提示されるか否か、及びP17がクラスII MHC分子によってCD4+ CTL細胞にも提示されるか否かは、当業界で公知の方法に従って判断されるで あろう。例えば、Clerici,M.J.,Imm 146:2214-2219(1991);Clericiら,Nature33 9:383-385(1989)を参照するとよい。この情報は、ワクチン開発のためだけでな く、MHC分子結合に対するウイルスペプチドの適応性を分析するためにも有用 であろう。MHC及びT細胞受容体に結合するためのペプチド中の必須アミノ酸 の同定によって、免疫を逃れるHCV突然変異の分子基盤及びHCV感染の慢性 性に関する新しい情報が得られるであろう。 以下の実施例は例示目的でのみ与えられており、本発明を少しも限定するもの ではない。実施例1 C型肝炎ウイルスNS5タンパク質のT細胞エピトープの候補を含むペプチドの 設計及び合成 ペプチド設計 本文中で、以後「ChironのHCV1配列」と呼ぶChironCorporationの研究者 によって公表されたHCVの単離物のNS5領域の配列に基づいて(26)、一 連の28個のペプチド群を合成した。これらのペプチドはいくつかのオーバーラ ップペプチドを含み、NS5様領域によってコードされたHCVの推定RNAポ リメラーゼ配列の大部分を包含する。両親媒性に基づいて(12,13,15, 35)、ペプチド配列を潜在的T細胞エピトープとして選択した。 その後に、組換えワクシニアウイルスを構築するために使用したFDA中で単 離されたHCVのNS5の全領域を配列決定すると、28ペプチドのうちの13 ペプチドが公表されたChironのHCV1配列に比べて3残基以下の突然変異を有 していることが判明した(図1A、SEQ IDNOS.8,9,10,14, 15,20,21,23,26,27,28及び31)。 ペプチド合成及び精製 HCV NS5ペプチドを、文献(25)に記載されているようなポリプロピ レンメッシュ「ティーバッグ」中で同時に多数のペプチドを合成する固相ペプチ ド合成法によって調製した。C18 Sep-Pakカラム(Waters Associates ,Milford,MA)を用いた逆相クロマトグラフィーによってペプチドを脱塩し、H PLCで分析した。いくつかのペプチドはt-Boc技法を用いる全自動ペプチ ドシンセサイザー(430A型;Applied Biosystems,Inc., Foster City,CA)によ って調製し、HPLCによって精製した。ペプチドHIV P18はPeninsula Labs(Belmont,CA)によってGMP条件下に調製した。実施例2 C型肝炎ウイルスNS5タンパク質を発現する細胞に対する細胞障害性T細胞応 答を誘発するペプチドの同定 概論 C型肝炎ウイルスNS5タンパク質の予想されるT細胞エピトープを同定する ために、BALB/c及びBALB.Bマウス中で実施例1のペプチドのHCV NS5領域に特異的なCTLを産生する能力を試験した。4週前にNS5発現 性組換えワクシニアウイルス(vHCV)(107PF U静注)で免疫感作したマウスの牌細胞をIL-2の存在下に4μMのペプチド でin vitro刺激した(培地はConAで刺激した培養ラットリンパ球の10%上 清を含む)。 vHCVで免疫感作したBALB/cマウスは、ペプチドP17に対してはC TL応答を発現したが、他のペプチドのいずれに対しても免疫応答を発現しなか った(図1B)。ワクシニアにクローニングされたHCV領域に特異的な抗体は 入手可能でないため、P17のカルボキシ末端側のタンパク質配列の発現を直接 証明することはできない。これらの配列が発現しないという証拠は存在しないが 、P17のカルボキシ末端配列の発現の欠如が、P17に準じるペプチドに対す る応答の欠如の原因である可能性も残っている。 また、公表された配列とワクシニアにクローニングされたHCV単離物の配列 との間に11ペプチドの違いがあることが陰性応答の原因である可能性もある。 陰性応答はこのように様々の理由から生じ得るので、NS5タンパク質の特定部 分がNS5タンパク質に対するCTL応答を誘発し得るT細胞エピトープを含む と決定するためには陽性応答のみが有意である。 BALB.B(H-2b)マウスは、試験したいかなるペプチドにも応答を全く 示さなかった。しかしながら、組換えワクシニアウイルスによって免疫感作した マウスの脾細胞を同じ組換えワクシニウイルスを使用して刺激すると、ワクシニ ア感染標的を使用したときの挿入遺伝子産物に対する応答を圧倒するようなワク シニアウイルス特異的応答が活性化される。従って、全NS5タンパク質を発現 するvHCVに感染したBALB.B細胞は、BALB.Bマウスが本発明のペ プチドで試験しなかったHCVの別のエピトープに応答するか否かを判断するた めに使用することはできない。 マウス BALB/cマウスは、Charles River Laboratoriesから購入し、BALB. Bマウスは、Dr.F.Lilly(Albert Einstein College of Medicine,New York)の 好意によって提供された種畜を当方のコロニーで飼育した。8週齢のマウスを使 用した。 NS5タンパク質を発現する組換えワクシニアウイルス フラビノウイルスとの類似性に基づくNS5領域の大部分を示すアミノ酸19 59−2872をコードするHCV ゲノムの領域を、Chakrabartiらによって記載された方法(7)でP7.5プロ モーター下にワクシニアウイルスにクローニングした。得られた組換えワクシニ アウイルスをvHCV#3と命名した。HCVのH株(HCV/HのFDA単離 物(19))に急性感染したチンパンジーの肝生検からHCVウイルスRNAを 抽出した。RNAを逆転写し、文献(9)に記載されているような特異的HCV プライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応によって増幅した。5’プライマーは 、その5’末端にATG配列を含んでいた。このPCR産物をpSCllssト ランスファーベクターのStuI部位に結合し、次いで相同組換えによってワク シニアウイルスに挿入した。ワクシニアをBS-C-1細胞中で増殖させ、これを 用いて、HCV NS5特異的CTLを生成させるべくマウスを免疫感作した。 Dr.Bernard Moss,NIAID,NIHから得られたvSC8(大腸菌lacZ遺伝子を 含む組換えワクシニアウイルス)及びvSC25(HIV-1 IIIB gp16 0エンベロープ糖タンパク質を発現しHIVの他の構造タンパク質または調節タ ンパク質を発現しない組換えワクシニアウイルス)は文献(7)に記載されてお り、マウスを免疫感作するための対 照ワクシニアとして使用した。 CTL生成 107PFUの組換えワクシニアウイルスの静注によってマウスを免疫感作し た。4-6週後に、免疫脾細胞(24ウエルの培養プレートで完全T細胞培地中 に5×106/m1(完全T細胞培地CTMは、10%のFCSと2mMのL-グ ルタミンと100U/mlのペニシリンと100μg/mlのストレプトマイシ ンと5×10-5Mの2-MEとを含有するRPMI 1640培地とEHAA培 地との1:1混合物))を、ペプチドと10%ConA上清とを含有する培地( ラットT細胞モノクローン;Collaborative Research,Inc.,Bedford,MA)によっ て6日間in vitro再刺激した。 リンパ球の再刺激には、免疫感作に使用した組換えワクシニアウイルスでなく ペプチドを用いた。その理由は、別の抗原に関する経験から、組換えワクシニア で免疫感作した脾細胞をワクシニアウイルスによって再刺激した場合、ワクシニ アに対する応答が優勢になり、挿入した組換え遺伝子に由来のペプチドに対する 微弱なCTL応答の検出が難しいことが分かっていたからである。しかしながら 、(以下の)表1に示すように、P17に関してはこの問題は 生じなかった。 個々のエフェクター集団を刺激するために28個のペプチド全部を使用する実 験を行うことは論理的に実行可能ではない。従って、個別のリンパ球集団を刺激 するために、各4μMの3ペプチドの混合物を使用した。得られたエフェクター 細胞集団の各々を、対応する混合物中の3ペプチドについて個々に試験した。し かしながら、MHCに対する結合に関して互いに競合する部位(20)の見落と しを防止するために、T細胞エピトープペプチドの全候補の混合物で刺激するこ とはしなかった。 実験によれば、所与のクラスI分子に対するペプチド結合の頻度が十分に低く 、4μMという低濃度で競合し得るペプチドの検出頻度が十分に低いので、4μ Mの3ペプチドの混合物中の2つのペプチド間の競合のために陽性応答が見落と されることは生じ難い。しかしながら、このような競合がいくつかのペプチドの 陰性結果の多くの理由の1つである可能性をはっきりと除外することはできない 。 0.5-1μMのペプチドと、10μMのペプチドで4時間パルスし次いで照 射した同系脾細胞(2.5×106細胞/ml)とを併用してラットIL-2含有 培地中の免疫細胞を 反復剌激すると長期CTL系が生成した。 CTLアッセイ in vitro二次CTLまたはCTL系の細胞溶解活性を、51Cr標識した標的に 関する6時間アッセイを用いて文献(57,62)に記載されている方法で測定 した。CTLのペプチド特異性を試験するために、エフェクターと51Cr標識し た標的とを種々の濃度のペプチドと混合するか、または、ペプチドパルスした標 的とエフェクターとを共生培養した。特異的51Crの放出パーセントを、100 ×〔(実験放出−自発放出)/(最大放出−自発放出)〕によって算出した。最 大放出は、5%トリトン-X100の添加によって溶解した細胞の上清から決定 した。自発放出は、エフェクター細胞非添加でインキュベートした標的細胞から 決定した。18Neo(H-2d;クラスI MHC+,クラスIIMHC-ネオマイ シン耐性遺伝子トランスフェクト3T3線維芽細胞(57))と、L細胞(L2 8;H-2k)と、EL4胸腺腫細胞(H-2b)とを標的として使用した。実施例3 C型肝炎ウイルスNS5タンパク質を発現する細胞に対する細胞障害性T細胞応 答を誘発するT細胞エピトープの特 異性 ペプチド17を提示するMHC分子のクラスの同定 CTLを検出するためにクラスII陰性線維芽細胞を標的として使用し、MHC 結合対照下に溶解を制限したので、NS5タンパク質を発現するワクシニアウイ ルスによって免疫感作したH-2dマウスから採取したリンパ球の場合、P17が クラスI MHC分子によってCTLに提示されたと推測できる。BALB.B (H-2d)マウスが試験したいかなるペプチドにも応答しなかったことは、H- 2bクラスI MHC分子がこのペプチドを提示できないことを示唆する。 NS5T細胞エピトープの天然配列変異体の交差反応性 ワクシニア組換えvHCVを作製するために使用したHCVのFDA単離物( SEQ ID NO:2)はChironのHCVI配列(26)に由来のP17配列 (SEQ ID NO:1)に比べて1残基の違いを有しており、個別の2つの 日本の単離物(29,60)中のこの部位に保存された日本配列(SEQ ID NO:3)に比べて別の1残基の違いを有している(図1A SEQ ID NOS.1-3)。FDA配列を発現するvHCVによってマウスを免疫感作し たが、 Chiron配列に従って作製したP17ペプチドによってCTLを再剌激しかつこの ペプチドでパルスした標的に関して試験したので、CTLはHCVのこれらの2 つの変異体と交差反応すると予想された。 この交差反応性を直接証明するために、2つのP17ペプチド変異体、即ち、 2425位及び/または2431位にアミノ酸置換を有するFDAに対応するP 17ペプチド変異体(P17FDA SEQ ID NO:2)と日本単離物に 対応するP17ペプチド変異体(P17JPN SEQ ID NO:3)とを 調製した(図1A SEQ ID NOS.2及び3)。1残基または2残基の 違いを有するこのような変異ペプチドに対する応答は、H-2dクラスI MHC 分子によるペプチド提示及びNS5特異的細胞のT細胞受容体による認識に対す る天然発生ウイルス突然変異の影響を明らかにするであろう。 NS5に対するCTLの特異性は、CTLアッセイ中に、in vivoのリンパ球 初回抗原剌激、in vitroの再剌激及び標的細胞上での発現によって証明された( 以下の表1)。NS5遺伝子を発現する組換えワクシニアウイルス(vHCV) だけがP17またはP17変異体に特異的なCTLを 増殖するようにマウスを活性化したが、対照ワクシニアウイルス(vSC8、v SC25)は活性化しなかった(以下の表1)。 より詳細には、挿入したウイルス遺伝子の産物に特異的なCTLを活性化し剌 激する組換えワクシニアウイルスの能力を使用して、BALB/c(H-2d)マ ウス中でHCVNS5に特異的なCTLを生成させた。非免疫及び免疫脾細胞を 10μMのP17またはP17変異体(または表1に示す濃度;0.1μMまた は1μMのP17)、0.1μMのP18IIIBまたはワクシニア(vHCV、 vSC8またはvSC25)で再剌激し、ワクシニアウイルスに感染させた18 Neo、1μMのP18IIIBでパルスした18Neo(HIV-1 gp160 IIIB単離物の免疫優性CTL部位315-329)、非パルスの18Neoに 対して、P17、P17変異体ペプチド(10μM)の存在下またはペプチド非 存在下に、E:T比100:1で試験した。ペプチド非存在下の溶解は<4%で あった。標的に対するペプチドの毒性は全く観察されなかった。自発放出は最大 放出の20%未満であった。表1の略号は以下を示す: vHCV:HCVのNS5を発現する組換えワクシニアウイルス; vSC8及びvSC25:対照ワクシニアウイルス及びHIV-1 gp160 を夫々発現する組換えワクシニアウイ ルス; 18Neo:BALB/c 3T3線維芽細胞H-2d。 免疫感作した脾細胞の刺激に使用したペプチド濃度の滴定によって、P17に 特異的な溶解が0.1μMの低濃度のペプチドで誘発されることが判明した(表 1)。H-2適合ペプチドでパルスした標的細胞に対して最高レベルの溶解を誘 発するためには、P17で免疫脾細胞を刺激した場合には約1-10μMのペプ チドが必要であった。P17、P17FDA及びP17JPNはCTLの剌激に 関しても標的の感作に関してもほぼ同等であった(表1)。独立の2つの実験で 同様の結果が得られた。即ち、これらの変異体の間では完全な交差反応性が観察 された。 vHCVで免疫感作したマウスの脾細胞を、ペプチドでパルスし照射した同系 脾細胞及びIL-2(ConA上清)(図2)で反復刺激することによってP1 7及びP17FDAに特異的な長期CTL系を樹立した。P17またはP17F DA(2425位、S→T)によって剌激したCTL系は、各ペプチドによって 高度に特異的に標的を溶解した。滴定試験では、CTL系による溶解を得るため に同様のレベル(0.01〜10μM;図2)のP17及びP17変異 体で標的細胞を感作した。 0.1μM以上の濃度の各ペプチドの存在下に溶解の程度がプラトーに到達し た。P17及びP17FDAに特異的な2つの異なる系を用いた場合、同様のペ プチド濃度ではP17によって達成され得る最大溶解は別の2つのP17変異体 によって達成され得る最大溶解と同等であった。従って、これらの突然変異残基 は応答の量または濃度依存性には影響を与えず、ペプチドは完全に交差反応性で あった。P17ペプチドの3つの変異体のいずれかによってinvitro剌激したC TLは3つのP17ペプチド変異体全部の存在下に同様に十分に標的を溶解させ た(表1)。 従って、米国及び日本で単離されたHCVの4つのクローンのP17配列中で 異なっている保存性点変異はH-2dクラスI MHC分子とのペプチド交差反応 にもT細胞受容体による認識にも影響を与えていなかった。 ペプチドで誘発されたCTLによるプロセスされたNS5タンパク質の認識 ペプチドによるin vitro剌激の反復によって生成されたCTL系は、ペプチド だけでなく、内在的に合成されたNS5タンパク質のプロセスシング産物を有す る標的細胞を 認識することが判明した。即ち、H-2d(BALB/c)によって制限されたC TL系は、NS5を内在的に発現するvHCV感染した同系標的細胞(18Ne o細胞、ネオマイシン耐性遺伝子でトランスフェクトされたBALB/c3T3 線維芽細胞)及びP17またはP17FDAによってパルスされた18Neo細 胞を壊死させることはできたが、非パルスの対照標的またはP18IIIBでパル スした18Neoを壊死させることはできなかった(図3)。 従って、本発明のペプチドによって生成されたCTL応答は、外因性ペプチド だけでなく内在的に合成されたNS5のプロセスド産物を有する標的細胞に特異 的である。 CTL応答の抗体阻害によるT細胞型の同定 P17に特異的なCTL細胞系を抗CD8モノクローナル抗体によって処理す ると、標的細胞に対する細胞障害活性が減少または阻害されたが、抗CD4抗体 によって処理しても同様の結果は生じなかった(図4)。抗L3T4抗体(抗C D4、IgG2b(68))または抗Lyt2.2抗体(抗CD8(54))を 夫々含むハイブリドーマGK1.5または2.43の培養上清をCTLアッセイ の96ウエルプレートに指定濃度で添加した。 これらの結果は、P17を認識するエフェクター細胞が定型的なCD8+CD 4-(Lyt2+L3T4-)CTLであることを示す。BALB/c中のH−2d 制限されたペプチド特異的CTL系に対しては、クラスI MHC遺伝子産物を 発現するがクラスII MHC遺伝子産物を発現しない18Neo細胞を標的とし て使用した。従って、これらのH−2d制限CTL系は、Lyt2+CD8+エフ ェクターT細胞で予想されたようにクラスI MHC制限されていると推測され る。P17FDA特異的系も同様の結果を示した。 エキソンシャッフルした野生型クラスIトランスフェクタントを用いたMHC分 子の相互作用ドメインの同定 Kd、DdまたはLd分子を発現するトランスフェクタントを使用し、H−2d関 係でP17の提示に特異的に必要なMHC分子を決定した。Dd、Ldまたは両者 間のエキソンシャッフルを含むマウスL細胞トランスフェクタントは従来文献に 記載されており(18,36,38,40)、Dr.DavidMargulies,NIAIDから得 られた。Kdを発現するトランスフェクタントはAbastadoらによって開発され( 1)、Dr.Keiko Ozato(NICHD)から得られた。ここで報告した機能性研 究を行う前にそれらの発現された表現型を確認するために、すべてのトランスフ ェクタント細胞系を抗H-2Dd、抗H-2Kd及び抗H-2LdmAbsの適当なパ ネルを用いたFACS分析によって試験した。 標的を指定ペプチドでパルスし同時に51Crで標識した。T37.2.1(Dd のα1α2)及びT4.8.3(Dd)は3つのH-2dのクラスI MHC分子 全部を発現する陽性対照細胞(18neo BALB/c 3T3線維芽細胞) とほぼ同様にP17を提示することが知見された(図5)。Kd及びLd及びその 他のDd/LdエキソンシャッフルしたクラスI MHC分子はいずれもCTLに P17を提示しなかった。 従って、本発明のペプチドを提示するためには、α1及びα2の双方のドメイ ンが必要であり、双方の存在で十分であった。BALB/c中のP17FDAを 認識するCTLに関しても同様の制限が知見された。実施例4 C型肝炎ウイルスNS5タンパク質に由来のペプチドを哺乳動物に投与すること によって行うC型肝炎ウイルスのNS5タンパク質に対する免疫応答の誘発 ワクチンの調製及び免疫感作手順 CD8+CTLを誘発するための合成ペプチドによるペプチド免疫感作は、Aic hele,P.,ら,J.Exp.Med.171:1815-1820(1990)またはKast,W.K.,ら,Proc Natl Aca d Sci USA88:2283-2287(1991)の方法に従って完全または不完全フロインドアジ ュバント中の50-100μgのペプチドを用いて行ってもよく、あるいは、Har ty,J.T.,ら,J.Exp.Med.175:1531-1538(1992)の方法によって脾細胞に対して行っ てもよい。これらの免疫感作手順のいずれかを用いて誘発されたCTLによって ウイルスまたは細菌感染に対する防御が得られる。 本発明の物質組成物及び方法に対する種々の修正及び変更が可能であることは 当業者に明らかであろう。従って、本発明は、請求の範囲及びその等価の範囲内 に含まれている限りその修正及び変更を包含すると理解されたい。 発明の背景に関する記載及び本明細書の開示を完全なものにするために、明細 書中で言及した発表論文、特許及び特許出願の各々は本明細書で参照したことに よってその記載内容全体が本発明に含まれるものとする。 以下の参考文献に関しては、以下に示す参照番号を括弧 内に挿入した場所でこれらの文献を本明細書中で引用したと理解されたい。 本明細書中で引用した参考文献を以下に記載する。 配列表 (2)SEQ ID NO:1に関する情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:16アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:SEQ ID NO:1 (2)SEQ ID NO:2に関する情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:16アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:SEQ ID NO:2 (2)SEQ ID NO:3に関する情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:16アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:SEQ ID NO:3 (2)SEQ ID NO:4に関する情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:20アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:SEQ ID NO:4 (2)SEQ ID NO:5に関する情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:20アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:SEQ ID NO:5 (2)SEQ ID NO:6に関する情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:20アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:SEQ ID NO:6 (2)SEQ ID NO:7に関する情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:20アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:SEQ ID NO:7 (2))SEQ ID NO:8に関する情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:20アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ix)特徴: (A)名称/キー:改変部位 (B)位置:12 (C)他の情報:/注=“12位のXaaはGlnまたはArgでもよい” (ix)特徴: (A)名称/キー:改変部位 (B)位置:20 (C)他の情報:/注=“20位のXaaはThrまたはSerでもよい” 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(xi)配列:SEQ ID NO:30
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C07K 14/18 8318−4H G01N 33/53 D 8310−2J K 8310−2J 33/569 L 8310−2J 33/576 Z 8310−2J (72)発明者 白井 睦訓 香川県木田郡三木町池戸1239−2 医大池 戸宿舎A202 (72)発明者 アカツカ,トシタカ アメリカ合衆国、メリーランド・20815、 チエビー・チエイス、サウス・パーク・ア ベニユー・4450、アパートメント・1718 (72)発明者 フエインストーン,ステイーブン・エム アメリカ合衆国、ワシントン・デイー・シ ー・20008、ノース・ウエスト、キヤセド ラル・アベニユー・3021

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.MSYSWTGALVVPCAAE(SEQ ID NO:1)、MSYT WTGALVTPCAAE(SEQ IDNO:2)及びMSYTWTGALI TPCAAE(SEQID NO:3)から成るグループから選択された配列の 8個以上の連続残基から成る第一セグメントを含むペプチドであって、前記セグ メントがC型肝炎ウイルスのNS5タンパク質を発現する細胞に対して哺乳動物 のリンパ球中に細胞障害性T細胞応答を誘発するT細胞エピトープであり、前記 ペプチドの長さが8残基以上で50残基未満であることを特徴とするペプチド。 2.更に、別のT細胞エピトープである第二セグメントを含むことを特徴とする 請求項1に記載のペプチド。 3.更に、B細胞エピトープである第二セグメントを含むことを特徴とする請求 項1に記載のペプチド。 4.更に、前記ペプチドの末端にリンカーを含み、ラベル、固体マトリックス及 び担体から成るグループから選択された物質が前記リンカーに結合されているこ とを特徴とする請求項1に記載のペプチド。 5.更に、免疫応答を誘発する物質が前記ペプチドに結合 していることを特徴とする請求項1に記載のペプチド。 6.C型肝炎ウイルスのNS5タンパク質のT細胞エピトープに応答する細胞障 害性T細胞を哺乳動物のリンパ球中で検出する方法であって、 (a)前記細胞障害性T細胞の試験対象リンパ球にMHC適合性の標的細胞を請 求項1のペプチドと接触させる段階と、 (b)前記細胞障害性T細胞の試験対象リンパ球を請求項1のペプチドと接触さ せる段階と、 (c)前記リンパ球が前記標的細胞に細胞障害効果を作用させたか否かを判定し 、C型肝炎ウイルスのNS5タンパク質のT細胞エピトープを認識する前記リン パ球の存在の指標とする段階とを含むことを特徴とする方法。 7.C型肝炎ウイルスのNS5タンパク質に対する免疫応答を哺乳動物中で誘発 する方法であって、C型肝炎ウイルスのNS5タンパク質を発現する細胞に対す る細胞障害性T細胞応答を誘発すべく有効な量の請求項1に記載のペプチドを前 記哺乳動物に投与することを特徴とする方法。
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