JPH0850100A - 微小物体観察装置 - Google Patents

微小物体観察装置

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JPH0850100A
JPH0850100A JP6183674A JP18367494A JPH0850100A JP H0850100 A JPH0850100 A JP H0850100A JP 6183674 A JP6183674 A JP 6183674A JP 18367494 A JP18367494 A JP 18367494A JP H0850100 A JPH0850100 A JP H0850100A
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light
observation
optical waveguide
optical
observing
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JP6183674A
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English (en)
Inventor
Shinichi Mizuno
眞一 水野
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 照明光学系と観察光学系の小型化をともに実
現でき、振動や衝撃にも強く、しかも装置自体を低価格
で作製できるようにする。 【構成】 外光照射に基づく被検物4からの散乱光を受
光する観察光学素子と、照明光Lを導波させるための光
導波層が形成され、かつ表面が被検物4の試料台を兼用
する光導波路3とを具備して構成する。そして、観察光
学素子としてCCD撮像素子1を用い、外光として暗視
野照明手段からのエバネッセント波Leを用い、照明光
Lとして、レーザ光源6から出射され、更に光学系5に
て光導波路3の光導波層に集光されたレーザ光Lを用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塵埃や花粉等の微小物
体を観察するための微小物体観察装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、微小な生物や塵埃並びに花粉等
の微小物体を観察する装置としては、例えば図7に示す
ように、透過型顕微鏡が用いられている。この透過型顕
微鏡は、塵埃や花粉等の試料が載置される試料台101
を具備し、この試料台101の上方に観察光学系102
が配され、上記試料台101の下方に照明光学系103
が配されて構成されている。
【0003】上記観察光学系102は、円筒状もしくは
角筒状の外筺104の下端部に、先端に対物レンズが取
り付けられた焦点調整部105が設けられ、外筺104
の内部中央部分に結像レンズ106が配され、外筺10
4の上部内側にCCD撮像素子107が取り付けられて
構成されている。
【0004】照明光学系103は、光源108から出射
された光Lを容器109内の試料110に集中させるた
めのコンデンサーレンズ111とを有して構成されてい
る。
【0005】そして、照明光学系103からの光Lが試
料110の裏面側から照射されることによって生じる散
乱光(顕微鏡像)を、CCD撮像素子107にて撮像
し、この撮像した再生画像を例えばモニタに映し出すこ
とにより、試料110の外観を観察することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記透過型
顕微鏡による観察装置は、観察光学系102と照明光学
系103が分離しており、しかも、各光学系102及び
103が立体的に配置されているため、ほとんどのもの
は、作業台などの上に載せて使用する必要があるなど比
較的大型のものが多く、小型のものでも手に持って使用
する程度の大きさである。
【0007】このため、微小な試料110を特定の温
度、湿度、二酸化炭素濃度等の条件で観察する場合等に
は、温度、湿度、二酸化炭素濃度等を一定条件に維持す
るためのコントローラを備えた容器109に試料110
を入れて試料台101の上に載置するのが一般的であ
る。
【0008】しかし、このような容器109では形状そ
の他に制限があるため、温度の安定度などの性能が十分
ではないという問題があった。
【0009】先行技術(特開平4−316478号公報
参照)では、通常の細胞培養を行なうインキュベータの
ような温度、湿度、二酸化炭素濃度等が制御された制御
室と、観察装置を組み合わせることを可能にするため
に、観察光学系として対物レンズと結像レンズを使用せ
ずにCCD撮像素子上に試料台を兼ねるガラス板を置い
てガラス板上に載置された試料を直接観察する構造にす
ることによって、観察装置を小型化するようにしてい
る。
【0010】しかし、このような観察装置でも、照明光
学系が観察光学系と分離して置かれる必要があった。従
って、試料の温度、湿度、二酸化炭素濃度等を高精度に
安定化させるためのインキュベータ等の中に照明光学系
と観察光学系の両方を挿入することは必ずしも容易では
なかった。
【0011】先行技術として、上記例のほか、免疫学的
凝集反応検出装置の例として特開平2−208541号
公報に示す先行技術がある。これは、免疫学的凝集反応
による沈澱物を、発光ダイオードにより上から照明し、
集光レンズで沈澱物をCCD固体撮像素子に結像して観
察するというものである。この場合、隣接する他の容器
からの迷光を遮蔽するために遮光マスクを使用するよう
にしている。
【0012】しかし、上記例においては、試料の周囲の
空間を照明光が通過するために、光散乱や光化学反応等
が起こり、この光散乱や光化学反応等が観察に悪影響を
及ぼすという問題があった。この状況は暗視野照明であ
っても同様である。
【0013】例えば、混濁した溶液中の沈澱物を観察す
る場合には、光散乱のために良好な照明を得ることがで
きないなどの不都合が生じる。特に、レーザを光源とし
て用いる場合には、レーザスペックルが像の観察を困難
にするという問題がある。
【0014】また、一般の顕微鏡では低倍率のときに焦
点深度が深くなるため、立体的なものを観察する場合、
観察しようとする部分の像にその上下の部分の像が重な
ってしまうために観察が困難になるという問題がある。
【0015】上記焦点深度を浅くするためには、レーザ
走査型顕微鏡が有効であるが、高価であるということ
と、試料と観察光学系が離れているために振動に弱いと
いう問題がある。
【0016】本発明は、上記の課題に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、照明光学系と観察光学
系の小型化をともに実現でき、振動や衝撃にも強く、し
かも低価格で作製することができる微小物体観察装置を
提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明に係る微小物体観
察装置は、外光照射に基づく被検物4からの散乱光を受
光する観察光学素子と、照明光Lを導波させるための光
導波層が形成され、かつ表面が被検物4の試料台を兼用
する光導波路3とを具備して構成する。
【0018】この場合、上記外光として暗視野照明手段
からのエバネッセント波Leを用いることができ、上記
照明光Lとしては、レーザ光を用いることができる。
【0019】そして、上記観察光学素子の受光面上に光
導波路3を配して構成するようにしてもよし、上記観察
光学素子の受光面上に光導波路3を積層して集積化構造
にしてもよい。
【0020】なお、上記観察光学素子としては、撮像素
子1を用いることができ、この場合、撮像素子1の受光
面上にマイクロレンズアレー2を形成するようにしても
よい。また、上記観察光学素子としては、撮像素子1の
ほかにフォトディテクタ61を用いることもできる。
【0021】
【作用】本発明に係る微小物体観察装置においては、光
導波路3の光導波層に照明光Lが導波されている状態
で、外光照射に基づく被検物4からの散乱光が観察光学
素子にて受光されることになる。この場合、観察光学素
子を撮像素子1にて構成した場合は、被検物4の外観や
量が上記光散乱による像として上記撮像素子1にて撮像
されることになり、被検物4の外観や量を容易に観察す
ることが可能となる。
【0022】また、上記観察光学素子をフォトディテク
タ61とした場合は、光散乱の光強度に応じた信号レベ
ルの電気信号として取り出されることになる。従って、
被検物4の大きさや数がそのまま電気信号の信号レベル
と対応することになり、フォトディテクタ61の出力か
ら微粒子の大きさや量を容易に検出することが可能とな
る。
【0023】特に、照明光Lが光導波路3の中を伝播す
るため、被検物4によって散乱された微弱な散乱光以外
には、観察装置の外部に放射される光がない。従って、
照明光Lによる光散乱や光化学反応を抑制できるため、
観察の際に像がぼやける等の問題は発生しない。その結
果、例えば、混濁した溶液中に沈澱している物体でも観
察が可能となる。
【0024】また、試料4に照射される外光として、エ
バネッセント波Leを用いた場合は、観察領域が光導波
路3のエバネッセント波が存在する領域に制限されるた
め、立体構造を持つ試料4であっても、光導波路3の近
傍の部分のみが観察可できることになる。
【0025】そして、本発明に係る微小物体観察装置を
従来の観察装置の一般構造と対応させた場合、観察光学
素子が観察光学系を構成し、光導波路3が照明光学系を
構成することになる。つまり、光導波路3を用いること
によって照明光学系を平板化し、しかもこの光導波路3
の表面が試料台も兼用していることになる。このため、
照明光学系を小型化することができる。
【0026】更に、本発明では、観察光学素子の受光面
上に光導波路3を積層して光集積回路とすることができ
るため、大幅な小型化が可能になる。このとき、観察光
学素子を撮像素子1として、該撮像素子1と光導波路3
の間隔を撮像素子1の解像力程度にした場合、結像レン
ズを設けることなく、被検物の観察が可能となる。
【0027】特に、上記のように、光集積回路として小
型一体化した本発明の観察装置の場合、試料の温度等を
安定化するためのインキュベータ等の中に観察装置全体
を収容することが極めて容易になる。
【0028】また、上記のように、光集積回路化するこ
とによって焦点調整が不要となり、振動や衝撃にも強く
なる。しかも、半導体集積回路と同様に量産することが
可能となるため、従来の透過型顕微鏡等のような光学装
置よりも低価格で作製することができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明に係る微小物体観察装置のいく
つかの実施例を図1〜図6を参照しながら説明する。
【0030】まず、第1実施例に係る観察装置は、図1
に示すように、多数の受光画素がマトリクス状に配され
たCCD撮像素子1上にマイクロレンズアレー2を介し
てスラブ型光導波路3が積層されて構成されている。
【0031】上記光導波路3は、ガラス等の透明な誘電
体基板の表面に、これよりわずかに屈折率が高く厚みが
光波長オーダーの薄膜(光導波層)が形成されて構成さ
れている。そして、この光導波路3は、光導波層の表面
が露出した構造となっており、この光導波層の表面は、
試料4が載置される試料台を兼用している。
【0032】上記光導波路3の光導波層に照明光Lを入
射させるための光学系5は、光源であるレーザ光源(例
えばYAG−SHG(532nm)等)6と、このレー
ザ光源6からのレーザ光Lを平行光にコリメートするコ
リメータレンズ7と、このコリメータレンズ7を透過し
た光Lをスリット状に集光して光導波路3の光導波層に
入射させるシリンドリカルレンズ8を有して構成されて
いる。
【0033】また、上記光導波路3の表面には、外光L
eが照射されるようになっている。この外光Leは、例
えばパラボラコンデンサーレンズやパラボラ反射鏡等の
暗視野照明手段を通じて照射されるエバネッセント波で
ある。
【0034】そして、この第1実施例に係る観察装置に
て、光導波路3表面に置かれた試料、例えば花粉4を観
察する場合は、光導波路3の光導波層に、光学系5から
照明光(レーザ光)Lを入射させて該照明光Lを光導波
層内に導波させた状態において、暗視野照明手段からエ
バネッセント波Leを光導波路3表面に照射させること
により行なわれる。
【0035】上記暗視野照明手段から出射されたエバネ
ッセント波Leが光導波路3上に置かれた花粉4によっ
て散乱を起こし、この散乱光によってかたちづくられる
花粉4の像が下層のマイクロレンズアレー2を通してC
CD撮像素子1の各受光画素に集光されて撮像されるこ
とになる。このCCD撮像素子1からの撮像信号は、図
示しない画像処理回路にて画像データに変換されて例え
ばモニタ上に再生画像として映し出されることになる。
観察者は、このモニタに映し出される再生画像を見るこ
とによって、光導波路3上に置かれた試料(この場合、
花粉)4を観察することが可能となる。
【0036】この場合、照明光Lは光導波路3の中を伝
播しているため、花粉4によって散乱された微弱な散乱
光以外には、観察装置の外部に放射される光が無い。そ
のため、照明光Lによる光散乱や光化学反応を抑制でき
ることになり、観察の際に像がぼやける等の問題は発生
しない。また、例えば、観察の開始に先立って、光導波
路3に照明光Lを導波させたときのCCD撮像素子1で
の撮像レベルを基準レベル(黒レベル)としてクランプ
すれば、その後の観察時において外光Leの花粉4への
照射に基づく散乱光のみがCCD撮像素子1にて感知さ
れることになり、再生画像としては黒を背景とする画像
に光散乱された部分が明るい像として映し出されること
になる。
【0037】また、杉などの花粉4は特有の外形形状を
有するため、CCD撮像素子1からの撮像信号を上記の
ように画像処理することによって、他の塵等と区別する
ことが可能となる。花粉4以外にも室内の塵埃等がこの
観察装置で観察することができ、画像処理によってその
大きさや量を定量化することができる。
【0038】また、外光Leとしてエバネッセント波を
用いているため、観察領域が光導波路3のエバネッセン
ト波が存在する領域に制限されることになり、花粉4の
ように立体構造を持つ試料であっても、光導波路3の近
傍の部分のみが観察できることになる。
【0039】次に、第2実施例に係る観察装置について
図2を参照しながら説明する。なお、図1と対応するも
のについては同符号を記し、その重複説明を省略する。
【0040】この第2実施例に係る観察装置は、化学反
応によって発色する物質を含有する溶液を例えば透明の
合成樹脂にて成形された箱状の容器内に入れ、この容器
内に入り込んだ微小物体による上記発色物質の化学反応
による発色を観察することにより、空気中にある微小物
質の量を定量的に測定する装置に適用したものである。
【0041】具体的には、蛍光色素標識抗体を含有する
溶液21が充填された容器22を用意し、溶液21内に
光導波路3のみを入れる。この場合、光導波層が水面に
向かう方向にして入れる。そして、容器22の下方に集
光レンズ23を配し、更にこの集光レンズ23による焦
点距離にCCD撮像素子1を配する。集光レンズ23と
CCD撮像素子1間には、蛍光のみを透過するフィルタ
24を介在させる。また、上記光導波路3は、表面の光
導波層上に抗体がコートされている。従って、この第2
実施例の説明においては、上記光導波路3を抗体コート
導波路3と記す。
【0042】即ち、この第2実施例に係る観察装置は、
蛍光色素標識抗体を含有する溶液21が充填された容器
22内に浸された抗体コート導波路3と、容器22の外
に配されたCCD撮像素子1と、抗体コート導波路3の
表面にて発生する光散乱をCCD撮像素子1に集光させ
る集光レンズ23とを有して構成されるものである。
【0043】抗体コート導波路3に照明光Lを入射させ
る光学系5は、上記第1実施例に係る光学系5と同じも
のを用いてもよいが、図示するように、レーザ光源6か
らのレーザ光Lを集光レンズ25にて光導波路3の光導
波層に集光させるようにした光学系を用いてもよい。
【0044】そして、この第2実施例に係る観察装置に
て、空気中の微小物体、例えばアレルゲン26を定量的
に測定する場合は、第1実施例の場合と同様に、光導波
路3の光導波層に、光学系5から照明光(レーザ光)L
を入射させて該照明光Lを導波層内に導波させた状態に
おいて、暗視野照明手段からのエバネッセント波を容器
22側に照射させることにより行なわれる。
【0045】この状態において、空気中にあったアレル
ゲン26が溶液21に入ると、抗体コート導波路3にコ
ートされた抗体と抗原抗体反応を起こして結合する。こ
のとき、溶液21中の蛍光色素標識抗体が一緒に取り込
まれて抗体コート導波路3の表面の抗体と結合する。蛍
光色素は、抗体コート導波路3の表面に照射されている
エバネッセント波を吸収し蛍光を発する。抗体コート導
波路3表面において発生した蛍光は、集光レンズ23を
通じてCCD撮像素子1の撮像面に集光され、該撮像面
にアレルゲン26の像を作る。このとき、集光レンズ2
3を透過した蛍光は、集光レンズ23とCCD撮像素子
1の光路間に配されたフィルタ24によって、アレルゲ
ン26による散乱光やその他の迷光が除去され、CCD
撮像素子1には真の蛍光のみが入射されることになる。
【0046】このように、上記第2実施例に係る観察装
置においては、蛍光色素標識抗体と結合して発光するア
レルゲン26の個数と強度を測定することが可能とな
り、空気中のアレルゲン26の量を定量的に測定するこ
とができる。
【0047】次に、第3実施例に係る観察装置を図3及
び図4に基づいて説明する。なお、図1と対応するもの
については同符号を記し、その重複説明を省略する。
【0048】この第3実施例に係る観察装置は、半導体
基板、ガラス、合成樹脂あるいは金属にて平板状(平面
長方形状)に作製された基板31の一部にCCD撮像素
子1がその撮像面を露出させて埋め込まれ、更に上記基
板31の上面に光導波路3が積層されて構成されてい
る。具体的には、基板31の上面に光導波路3のクラッ
ド層が積層され、更にこのクラッド層上に光導波層が積
層されて基板31上に上記光導波路3が積層されたかた
ちとなっている。また、光導波路3の左端には、レーザ
光源である半導体レーザ32がそのレーザ光出射面を光
導波層に接触させた状態、即ち光導波路3に直接結合さ
せた状態で設けられ、光導波路3の右端には、図4に示
すように、半導体レーザ32からのレーザ光Lを吸収す
るための比較的幅の大きい光吸収器33が設けられてい
る。
【0049】また、上記光導波路3のクラッド層は、光
導波層にて導波光Lを閉じこめるのに十分な程度に厚
く、CCD撮像素子1の撮像面における画素間の間隔と
同程度か又はそれよりも薄く形成されている。そのた
め、光導波路3上に載っている物体の像は、レンズ無し
でCCD撮像素子1の撮像面にて直接に観察されること
になる。
【0050】上記CCD撮像素子1は、図4に示すよう
に、基板31の長手方向中心よりも例えば右側に寄った
位置に埋め込まれている。そして、上記光導波路3の光
導波層中、半導体レーザ32とCCD撮像素子1間に
は、レンズ状に不純物を拡散させ、あるいは切欠きを設
けることにより導波路の凹レンズ34と凸レンズ35が
形成されている。このうち、凹レンズ34は、半導体レ
ーザ32寄りの位置で、かつその凹面が半導体レーザ3
2に対向するように形成され、凸レンズ35は、凹レン
ズ34よりも十分大きく、その凸面がCCD撮像素子1
側に向く方向で、かつその凸面の長さがCCD撮像素子
1の縦の長さとほぼ同じかそれよりも長く形成されてい
る。即ち、上記凹レンズ34と凸レンズ35にてコリメ
ータレンズ36が構成されることになる。
【0051】従って、半導体レーザ33から出射された
レーザ光Lは、凹レンズ34と凸レンズ35からなるコ
リメータレンズ36によってCCD撮像素子1の撮像面
を十分に覆う程度の幅の光束にコリメートされる。な
お、上記光吸収器33は、光導波路3を伝搬した光Lが
観察装置の外部に漏れるのを防止するためのものであ
る。
【0052】そして、この第3実施例に係る観察装置
は、例えば図3に示すように、溶液37中の含まれてい
る抗原38を観察(測定)する場合に用いられる。具体
的には、ガラス、合成樹脂あるいは金属にて箱状に成形
された容器39内に溶液37が入れてあり、この溶液3
7中には、抗体コートラテックス球40が含まれてい
る。上記第3実施例に係る観察装置は、光導波路3側を
上に向けて、上記溶液37の中に入れられて使用され
る。
【0053】このような状態で、溶液37中に抗原38
が入ると、ラテックス球40にコートされている抗体と
抗原38とが抗原抗体反応を起こし、ラテックス球38
が凝集して沈澱する。光導波路3の光導波層上に沈澱し
たラテックス球41は、光導波路3表面のエバネッセン
ト波にて照明されてCCD撮像素子1の撮像面にその像
を作る。これにより、CCD撮像素子1から出力される
撮像信号を画像処理することによって、ラテックス球4
1の沈澱量を求めることが可能となり、これにより、抗
原38の濃度を容易に求めることができる。
【0054】また、この第3実施例に係る観察装置にお
いては、半導体レーザ32からのレーザ光Lを光導波路
3の端部に設けられた光吸収器33にて吸収するように
しているため、暗黒環境下にて観察することが可能とな
る。その結果、照明光(レーザ光)Lによる光散乱等に
よるラテックス球(凝集)41の光化学反応等を抑制で
きることになり、観察の際に像がぼやける等の問題は発
生しない。従って、混濁した溶液中に沈澱している物体
でも観察が可能となる。
【0055】次に、第4実施例に係る観察装置を図5に
基づいて説明する。なお、図4と対応するものについて
は同符号を記す。
【0056】この第4実施例に係る観察装置は、上記第
3実施例に係る観察装置とほぼ同じ構成を有するが、C
CD撮像素子1が基板31のほぼ中央部分に埋め込まれ
ている点と、光導波路3の光導波層中、CCD撮像素子
1と小型の光吸収器51との間に、レンズ状に不純物を
拡散させ、あるいは切欠きによる導波路の凹レンズ52
と凸レンズ53が形成されている点と、光吸収器51と
光導波路3との間に光アイソレータ54が介在されてい
る点で異なる。
【0057】凹レンズ52は、他方の凹レンズ34とほ
ぼ同じ大きさに形成され、かつ光吸収器51寄りの位置
で、その凹面が光吸収器51に対向するように形成され
ている。凸レンズ53は、他方の凸レンズ35とほぼ同
じ大きさに形成され、かつその凸面がCCD撮像素子1
側に向くように形成されている。即ち、上記凸レンズ5
3と凹レンズ52にて集光レンズ55が構成されること
になる。
【0058】従って、上記他方の凹レンズ34及び凸レ
ンズ35からなるコリメータレンズ36にてCCD撮像
素子1の撮像面を十分に覆う程度の幅にコリメートされ
た光束Lは、凸レンズ53及び凹レンズ52からなる集
光レンズ55にて集光されて光アイソレータ54に入射
され、更に光吸収器51にて吸収されることになる。上
記光アイソレータ54は、光吸収器51からの戻り光が
光導波路3に再入射するのを防止するためのものであ
る。
【0059】この第4実施例に係る観察装置は、光導波
路3上の被検物による散乱光以外に、観察装置から漏れ
る光が無いため、迷光が問題となる場合の観察に有効と
なる。例えば、従来の観察装置の照明光によって、溶媒
中で光化学反応が起こり、この反応によって生ずる沈澱
物が測定精度を低下させるような場合に有効となる。具
体的には、図3に示すような溶液37中の抗原38の濃
度を観察(測定)する場合において有効となる。
【0060】次に、第5実施例に係る観察装置を図6に
基づいて説明する。なお、図1と対応するものについて
は同符号を記す。
【0061】この第5実施例に係る観察装置は、図1で
示す第1実施例に係る観察装置とほぼ同じ構成を有する
が、CCD撮像素子1の代わりにフォトディテクタ61
を用いた点で異なる。
【0062】この場合、光導波層が露出している光導波
路3上に載った微粒子62からの散乱光は、フォトディ
テクタ61で検出されることになる。このとき、レーザ
光源6からの照明光(レーザ光)Lは、コリメータレン
ズ7によって平行光にコリメートされ、更にシリンドリ
カルレンズ8によってスリット状に集光されて光導波路
3の光導波層に入射されることになる。
【0063】そして、フォトディテクタ61の検出出力
は、微粒子62の大きさや個数等に比例して増大するこ
とになる。従って、フォトディテクタ61の出力値から
微粒子62の大きさや量を求めることができ、例えば、
この第5実施例に係る観察装置を、室内に設置して塵埃
等の量を測定するためのセンサーとして使用できること
になる。
【0064】このように、上記第1実施例〜第5実施例
に係る観察装置においては、従来の観察装置の一般構造
と対応させた場合、CCD撮像素子1やフォトディテク
タ61からなる観察光学素子が観察光学系を構成し、光
導波路3が照明光学系を構成することになる。つまり、
光導波路3を用いることによって照明光学系を平板化
し、しかもこの光導波路3の表面が試料台も兼用してい
ることになる。このため、照明光学系を小型化すること
ができる。
【0065】更に、これら実施例に係る観察装置では、
CCD撮像素子1やフォトディテクタ61の受光面上に
光導波路3を積層して光集積回路とすることができるた
め、大幅な小型化が可能になる。このとき、CCD撮像
素子1と光導波路3の間隔をCCD撮像素子1の解像力
程度にした場合、結像レンズを設けることなく、被検物
の観察が可能となる。
【0066】特に、上記のように、光集積回路として小
型一体化した本発明の観察装置の場合、試料の温度等を
安定化するためのインキュベータ等の中に観察装置全体
を収容することが極めて容易になる。
【0067】また、上記のように、光集積回路化するこ
とによって焦点調整が不要となり、振動や衝撃にも強く
なる。しかも、半導体集積回路と同様に量産することが
可能となるため、従来の透過型顕微鏡等のような光学装
置よりも低価格で作製することができる。
【0068】
【発明の効果】上述のように、本発明に係る微小物体観
察装置によれば、外光照射に基づく被検物からの散乱光
を受光する観察光学素子と、照明光を導波させるための
光導波層が形成され、かつ表面が上記被検物の試料台を
兼用する光導波路とを設けて構成したので、照明光学系
を平板化でき、しかもこの光導波路の表面が試料台も兼
用していることになり、このため、照明光学系を小型化
することができ、ひいては装置全体の小型化をも実現さ
せることができる。
【0069】また、照明光が光導波路を伝播するだけで
あるため、照明光が観測装置の外部に漏れるということ
がなくなり、照明光の漏れによる被検物の光化学反応等
を抑制でき、観察光学素子による観察精度の劣化を防止
することができる。
【0070】また、本発明に係る微小物体観察装置によ
れば、上記構成において、上記外光として暗視野照明手
段からのエバネッセント光を用いるようにしたので、観
察光学素子による被検物の観察を暗視野環境にて行なう
ことができ、被検物の観察をより高精度に行なうことが
できる。
【0071】また、本発明に係る微小物体観察装置によ
れば、上記構成において、上記照明光としてレーザ光を
用いるようにしたので、簡単な構成で照明光を得ること
ができ、照明光学系の小型化を更に促進させることが可
能となる。
【0072】また、本発明に係る微小物体観察装置によ
れば、上記構成において、上記観察光学素子の受光面上
に光導波路を配して構成するようにしたので、観察光学
素子と光導波路とを組み合わせた簡単な構成の観察装置
が実現できる。
【0073】また、本発明に係る微小物体観察装置によ
れば、上記構成において、上記観察光学素子の受光面上
に上記光導波層を積層して集積化構造としたので、観察
装置全体を非常に小さな平板状として構成することがで
き、例えば、試料の温度等を安定化するためのインキュ
ベータ等の中に観察装置全体を収容することが極めて容
易になる。また、光集積回路化することによって焦点調
整が不要となり、振動や衝撃にも強くなる。しかも、半
導体集積回路と同様に量産することが可能となるため、
従来の透過型顕微鏡等のような光学装置よりも低価格で
作製することができる。
【0074】また、本発明に係る微小物体観察装置によ
れば、上記構成において、上記観察光学素子として、撮
像素子を用いるようにしたので、被検物の大きさや量の
観察を例えばモニタ上に映し出される再生画像を通して
観察することができ、観察の容易性が向上する。
【0075】また、本発明に係る微小物体観察装置によ
れば、上記構成において、撮像素子の受光面上にマイク
ロレンズを形成するようにしたので、被検物の像を高い
精度で撮像することが可能となり、被検物の外観を観察
する場合に有効となる。その結果、例えば花粉と塵等の
区別しながらの観察が非常に容易になる。
【0076】また、本発明に係る微小物体観察装置によ
れば、上記構成において、上記観察光学素子としてフォ
トディテクタを用いるようにしたので、被検物の大きさ
及び量に比例した信号レベルを有する電気信号として取
り出すことができ、上記被検物の大きさ及び量を容易に
観察(測定)することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る微小物体観察装置の第1実施例を
示す構成図である。
【図2】本発明に係る微小物体観察装置の第2実施例を
示す構成図である。
【図3】本発明に係る微小物体観察装置の第3実施例を
示す構成図である。
【図4】第3実施例に係る微小物体観察装置の平面図で
ある。
【図5】本発明に係る微小物体観察装置の第4実施例を
示す平面図である。
【図6】本発明に係る微小物体観察装置の第5実施例を
示す構成図である。
【図7】従来例に係る微小物体観察装置(透過型顕微
鏡)を示す構成図である。
【符号の説明】
1 CCD撮像素子 2 マイクロレンズアレー 3 光導波路 4 花粉 5 光学系 6 レーザ光源 7 コリメータレンズ 8 シリンドリカルレンズ 61 フォトディテクタ L 照明光(レーザ光) Le 外光(エバネッセント波)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外光照射に基づく被検物からの散乱光を
    受光する観察光学素子と、 照明光を導波させるための光導波層が形成され、かつ表
    面が上記被検物の試料台を兼用する光導波路とを具備し
    た微小物体観察装置。
  2. 【請求項2】 上記外光が暗視野照明手段からのエバネ
    ッセント波であることを特徴とする請求項1記載の微小
    物体観察装置。
  3. 【請求項3】 上記観察光学素子の受光面上に上記光導
    波路が配されていることを特徴とする請求項1又は2記
    載の微小物体観察装置。
  4. 【請求項4】 上記観察光学素子の受光面上に上記光導
    波路が積層されて集積化構造となっていることを特徴と
    する請求項1〜3いずれか1項記載の微小物体観察装
    置。
  5. 【請求項5】 上記照明光がレーザ光であることを特徴
    とする請求項1〜4いずれか1項記載の微小物体観察装
    置。
  6. 【請求項6】 上記観察光学素子が撮像素子であること
    を特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の微小物体
    観察装置。
  7. 【請求項7】 上記観察光学素子の受光面上にマイクロ
    レンズアレーが形成されていることを特徴とする請求項
    6記載の微小物体観察装置。
  8. 【請求項8】 上記観察光学素子がフォトディテクタで
    あることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の
    微小物体観察装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000346794A (ja) * 1999-03-31 2000-12-15 Tokyo Gas Co Ltd 光学セル装置
JP2012529025A (ja) * 2009-06-02 2012-11-15 コミッサリアータ レネルジー アトミック エ オゼネルジー アルテルナティーブ マイクロレンズ構成の画像化システム及びサンプル検出用システム付設装置

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JP2000346794A (ja) * 1999-03-31 2000-12-15 Tokyo Gas Co Ltd 光学セル装置
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