JPH0849810A - 触媒燃焼式流体加熱装置 - Google Patents

触媒燃焼式流体加熱装置

Info

Publication number
JPH0849810A
JPH0849810A JP6204350A JP20435094A JPH0849810A JP H0849810 A JPH0849810 A JP H0849810A JP 6204350 A JP6204350 A JP 6204350A JP 20435094 A JP20435094 A JP 20435094A JP H0849810 A JPH0849810 A JP H0849810A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
combustion
wall
heat transfer
space
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6204350A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiyuki Yamamoto
義志 山本
Takashi Nishimura
高志 西村
Kazuhiro Futagami
一浩 二神
Shiyouzou Miyata
賞三 宮田
Natsuhiko Ninomiya
夏彦 二宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MIURA KENKYUSHO KK
Original Assignee
MIURA KENKYUSHO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MIURA KENKYUSHO KK filed Critical MIURA KENKYUSHO KK
Priority to JP6204350A priority Critical patent/JPH0849810A/ja
Publication of JPH0849810A publication Critical patent/JPH0849810A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 触媒燃焼温度の制御と熱交換効率の向上を両
立でき、NOx の排出を低減することのできる触媒燃焼
式流体加熱装置を得ることである。 【構成】 燃焼触媒を担持させてなる触媒反応面(11)を
備えた触媒壁(10)と、前記触媒反応面(11)に対して所定
の間隔を保持して対面させた状態で近接配置した伝熱壁
(20)とを備え、前記触媒壁(10)と伝熱壁(20)との間の空
間を予混合気を燃焼させる燃焼空間(30)とし、前記伝熱
壁(20)を挟んで燃焼空間(30)の反対側を被加熱流体の流
通空間(40)とした構成であり、前記触媒壁(10)を挟んで
前記触媒反応面(11)の反対側に、前記燃焼空間(30)への
予混合気を供給するための予混合気通路(50)を形成した
構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、触媒燃焼式流体加熱
装置に関し、更に詳細には、触媒燃焼温度の制御と熱交
換効率の向上を両立し、燃焼排ガスの低NOx 化を図っ
た触媒燃焼式流体加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の環境問題の高まりと共に、自動車
や産業機械等からの大気汚染物質の排出量の削減に対す
る社会的要請は一段と厳しくなっており、特にNOx に
ついては排出量の低減が求められている。
【0003】一般に、ボイラ或は燃焼炉等のような燃焼
機器を利用する産業機械においては、燃料を理論燃焼空
気量で燃焼させるのが最もエネルギー効率のよい燃焼で
あるが、実際には燃料と空気の混合不完全或は燃焼遅れ
等のために理論空気量よりも僅かに多くの空気を供給し
て燃焼させている。そのため、このような燃焼機器にお
ける理論空気比に近い火炎燃焼では、燃焼反応領域が高
温となり、この高温の領域において空気中のN2 が酸化
されてサーマルNOx (thermal NOx )が発生する。
特に、燃料中の窒素分が極めて少ない灯油やガス燃料等
の燃焼によって発生するNOx は、そのほとんどが前記
のサーマルNOx であり、このサーマルNOx は、燃焼
温度を下げることによりその生成を抑制できることが知
られている。しかしながら、通常の火炎を発生する燃焼
ではNOx (特に前記のサーマルNOx )を低減するた
めに燃焼温度を低下させると、逆にCOの発生が増加す
るトレードオフの関係にあり、火炎燃焼の方式の改善に
よってある程度はNOx 、COの発生を抑制できるもの
の本質的な解決には至っていない。
【0004】前記の大気汚染物質の低減化対策は従来か
ら種々提案されており、その一つとして、触媒燃焼方法
が脚光を浴びている。この触媒燃焼方法では触媒表面反
応を利用することによって、CO発生量を増加させずに
燃焼温度を下げ、NOx 発生量の低減が図れるという利
点を有する。しかしながら、PtやPdを始めとする貴
金属、Ce,La,Y等の希土類元素、或は両者の混合
物を担持した燃焼触媒は、低温活性が高い反面、高温
(現状の燃焼触媒では 1,000℃以上)では揮散、固相反
応が起こり易く、熱安定性、即ち、耐熱性に問題があ
る。従って、これら低温活性の高い燃焼触媒をボイラ或
は燃焼炉用の燃焼機器、即ち、バーナに適用する際に
は、燃焼触媒の熱負荷を適正な範囲に制御する必要があ
る。
【0005】そこで、燃焼触媒の熱負荷を軽減し、触媒
燃焼を行う方法として、従来より触媒燃焼と火炎燃焼を
組合せたバーナが考えられている。このバーナでは、触
媒の燃焼温度を耐熱温度以下に維持するために空気比の
高い予混合気(空気比2以上)を触媒に導入し、その下
流で2次燃料を加え火炎燃焼することによりバーナ全体
での空気比を1.1〜1.5としている。しかしなが
ら、このような触媒燃焼と火炎燃焼を組み合わせたバー
ナでは、火炎燃焼部でのNOx 発生を伴うことからNO
x 発生を完全に防止することはできない。
【0006】前記のバーナでは、触媒燃焼に対する予混
合気の空間速度を適切な範囲に保ち十分な触媒反応時間
を確保するために、大きな触媒容量が必要とされる。ま
た予混合気の予熱に要する熱量が大きくなる等の点が問
題となる。更に、予混合気を形成する空気量が減少し、
空気比が2以下に低下する場合には、触媒温度の急激な
上昇を引き起こし、燃焼触媒の熱劣化及び焼損の原因と
なるといった、触媒燃焼温度が高温側に変動する危険性
が高いことも問題となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、この発明が解
決しようとする課題は、触媒燃焼温度の制御と熱交換効
率の向上を両立でき、NOx の排出を低減することので
きる触媒燃焼式流体加熱装置を得ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記の課題
を解決するためになされたもので、燃焼触媒を担持させ
てなる触媒反応面を備えた触媒壁と、前記触媒反応面に
対して所定の間隔を保持して対面させた状態で近接配置
した伝熱壁とを備え、前記触媒壁と伝熱壁との間の空間
を予混合気を燃焼させる燃焼空間とし、前記伝熱壁を挟
んで燃焼空間の反対側を被加熱流体の流通空間としたこ
とを第1の特徴とし、前記触媒壁を挟んで前記触媒反応
面の反対側に、前記燃焼空間への予混合気を供給するた
めの予混合気通路を形成したことを第2の特徴とする触
媒燃焼式流体加熱装置である。更に、前記触媒壁と前記
伝熱壁が共に筒形状であり、両者が2重筒状に配置され
ていることを第3の特徴とし、前記伝熱壁の外方に所定
の間隔を保持した状態で触媒壁を配置し、前記触媒壁と
伝熱壁との間に燃焼空間を形成すると共に、前記伝熱壁
の内側に被加熱流体の流通空間を形成したことを第4の
特徴とし、前記触媒壁の外方に所定の間隔を保持した状
態で前記伝熱壁を配置し、前記触媒壁と伝熱壁との間に
燃焼空間を形成すると共に、前記伝熱壁の外方に被加熱
流体の流通空間を形成したことを第5の特徴とする触媒
燃焼式流体加熱装置である。加えて、前記触媒壁は、触
媒の反応温度に昇温するための予熱手段を備えているこ
とを第6の特徴とし、前記触媒壁は、予熱手段の発熱面
に燃焼触媒を担持させてなることを第7の特徴とする触
媒燃焼式流体加熱装置である。
【0009】
【作用】この発明によれば、前記触媒壁(10)と伝熱壁(2
0)との間の燃焼空間(30)内に、予混合気を供給すると、
この予混合気は前記触媒反応面(11)による触媒反応によ
って燃焼を開始する。この燃焼反応においては、前記燃
焼空間(30)が前記触媒壁(10)と伝熱壁(20)に挟まれた薄
い層状であることから、前記触媒壁(10)での燃焼の促進
と、前記伝熱壁(20)を介しての被加熱流体への伝熱が略
同時に起こる。更に、触媒反応面(11)と伝熱壁(20)が近
距離で向かい合う構造であるため、燃焼触媒からの放熱
が促進され触媒温度が耐熱限界以上となることをはな
い。従って、予混合気は、高温度に昇温すること無く燃
焼を維持する。また、前記触媒壁(10)を挟んで触媒反応
面(11)の反対側に予混合気通路(50)を設けると、予混合
気通路(50)内の予混合気は、前記燃焼空間(30)に流入す
るまでに触媒壁(10)を介して受熱するため、予混合気の
予熱が行なわれる。
【0010】
【実施例】以下、この発明の具体的な実施例を図面に基
づいて詳細に説明する。尚、図1は、この発明に係る触
媒燃焼式流体加熱装置の第1実施例の断面構造を概略的
に示した説明図である。この発明に係る触媒燃焼式流体
加熱装置は、図示するように、燃焼触媒を担持させてな
る触媒反応面(11)を備えた触媒壁(10)と、伝熱壁(20)と
を所定の間隔を保持した状態で近接配置し、前記触媒壁
(10)と伝熱壁(20)との間の空間を予混合気を燃焼させる
燃焼空間(30)とし、前記伝熱壁(20)を挟んで燃焼空間(3
0)の反対側を被加熱流体の流通空間(40)としたことを基
本構成としている。
【0011】より、詳細に説明すると前記触媒壁(10)の
触媒反応面(11)は、前記伝熱壁(20)と対面するように設
けられており、触媒反応面(11)を形成する燃焼触媒は、
以下のようなものである。即ち、前記燃焼触媒は、その
活性物質が、例えば低温活性の高いAg,Pt,Pd等
の貴金属、Ce,La,Y等の希土類元素、或は両者の
混合物である。また、複合酸化物或いはSiC(炭化珪
素)等のような低温活性の低い燃焼触媒も使用すること
ができる。このような触媒は、前記触媒壁(10)に、直
接、或は、ステンレス,セラミック製等の構造体を介し
て間接的に設ける。また、触媒壁(10)自体は、ステンレ
ス、インコネル、SiN(窒化珪素)、或いは熱伝導性
セラミック等高温耐久性及び熱伝導度の高い材料が好ま
しく、このような材料を使用することにより、触媒反応
面(11)からの熱伝導を大きくし温度上昇を抑制すること
ができる。また、触媒壁(10)を、触媒活性を有し熱伝導
性も高いSiC等の材料を用いて形成することにより、
触媒壁(10)自体に触媒活性を備えさせても、即ち、触媒
反応面(11)を触媒壁(10)自体の表面としてもよい。
【0012】前記触媒壁(10)と前記伝熱壁(20)は、共に
筒形状をなしており、両者は2重筒状に配置されてい
る。第1実施例においては、内方側に略同軸状に伝熱壁
(20)を配置してあり、この伝熱壁(20)の外方に所定の間
隔を保持した状態で触媒壁(10)を配置してある。従っ
て、前記伝熱壁(20)の内側の被加熱流体の流通空間(40)
は直線状の流路となっており、前記触媒壁(10)と伝熱壁
(20)との間に形成される燃焼空間(30)は略中空円柱形状
の流路となっている。そして、前記触媒壁(10)と伝熱壁
(20)との間隔は、触媒による気相燃焼が維持され得る間
隔に設定する。即ち、触媒燃焼反応によって生じる燃焼
ガスの発熱量と、この燃焼ガスから前記伝熱壁(20)並び
に触媒壁(10)への伝熱量との平衡関係並びに、所謂消炎
距離等の要素によって決定する。尚、前記伝熱壁(20)で
の熱吸収は、その裏面側の流通空間(40)内の被加熱流体
の加熱を意味し、前記触媒壁(10)での熱吸収は、触媒の
加熱を意味する。
【0013】更に、この第1実施例においては、前記触
媒壁(10)を挟んで触媒反応面(11)の反対側、即ち、触媒
壁(10)の外方に、前記燃焼空間(30)への予混合気を供給
するための予混合気通路(50)を形成してある。この予混
合気通路(50)は、前記触媒壁(10)の外方を、この触媒壁
(10)よりも長い外筒(51)で取囲むことにより形成してあ
り、この外筒(51)は伝熱壁(20)との間の開口部を閉塞し
てある。そして、前記触媒壁(10)の両端における外筒(5
1)との間の開口部の内の一方側(図1における上方側)
を、仕切部材(52)によって閉塞することによって、前記
外筒(51)内に、予混合気が反転して流れる流路を形成し
ている。従って、外筒(51)内への予混合気の導入口(53)
は、外筒(51)における前記仕切部材(52)よりも下方側に
取付けられ、燃焼空間(30)から外筒(51)外への燃焼ガス
の排出口(54)は、外筒(51)における前記仕切部材(52)よ
りも上方側に取付けられる。
【0014】以下では、この第1実施例における被加熱
流体の加熱要領を説明する。まず、予混合気を前記導入
口(53)から予混合気通路(50)を介して前記燃焼空間(30)
内に導入し、この予混合気を、前記触媒壁(10)の触媒反
応面(11)に接触させることによって触媒燃焼を開始す
る。尚、この第1実施例においては図示を省略している
が、この触媒燃焼を開始するにあたっては、触媒自体或
は予混合気を予熱する必要がある。触媒自体を予熱する
方法としては、前記触媒壁(10)の触媒反応面(11)を、電
熱ヒータやバーナ等の適宜の予熱手段を用いて触媒燃焼
が開始する温度(例えば 300〜 350℃)にまで昇温す
る。予混合気を予熱する方法としては、前記の電熱ヒー
タや、燃焼バーナ等の予熱手段によって、予混合気を直
接、或は燃料と混合する前の空気を加熱することによっ
て行う。
【0015】前記の触媒反応による燃焼は、触媒反応面
(11)では接触反応による燃焼であるが、この触媒反応面
(11)から離れた場所では気相反応による燃焼を生じる。
そして、この燃焼反応は、前記触媒壁(10)と伝熱壁(20)
に挟まれた薄い層状の燃焼空間(30)が行なわれることか
ら、これらの燃焼反応によって生成される熱は、触媒反
応面(11)に近接して対向配置した伝熱壁(20)を介して前
記流通空間(40)内の被加熱流体に速やかに伝達される。
この時、触媒反応面(11)の燃焼触媒からの熱輻射によっ
ても前記伝熱壁(20)への熱伝達が行われる。前記燃焼空
間(30)内に流入した予混合気は、その上流側から下流側
に向けて流通し、その間に触媒反応面(11)によって触媒
燃焼を行う。即ち、この燃焼空間(30)内では、前記触媒
壁(10)での燃焼の促進と、前記伝熱壁(20)を介しての被
加熱流体への伝熱が略同時に起こる。
【0016】ここで、前記触媒壁(10)と伝熱壁(20)の間
隔を上述のように狭く設定することにより、触媒反応面
(11)で燃焼触媒と接触した部分の予混合気が燃焼し伝熱
壁(20)での熱吸収と予混合気の他の部分と混合を伴いつ
つ下流へと移動するため、触媒壁(10)の広い範囲(上流
から下流まで)で燃焼反応が生じる。このため、上流部
から下流部にかけて燃焼ガス温度の差が小さく伝熱面
(伝熱壁)での熱回収を高い効率で行える。この触媒燃
焼過程において、予混合気の未燃焼部分が生じたとして
も、前記したように燃焼空間(30)は触媒壁(10)と伝熱壁
(20)間の狭い空間であるため、下流に向けて流動するう
ちに攪拌混合され、触媒反応により完全に燃焼する。従
って、予混合気は燃焼空間(30)内を流動する過程におい
て、被加熱流体への伝熱を行いながら燃焼し、被加熱流
体への伝熱を終了した燃焼ガスは前記排出口(54)から燃
焼排ガスとして系外に排出される。尚、この際、被加熱
流体は流通空間(40)内を、燃焼空間(30)内の予混合気と
は逆方向(図1の下から上方向)に流通しながら伝熱を
受け、昇温或は気化した後、系外に送り出される。
【0017】このように、触媒反応によって生成する熱
は速やかに被加熱流体に伝達されるため、燃焼空間(30)
内の燃焼ガス温度は、一定の温度領域に制御され、過熱
の恐れがない。また、この触媒燃焼に際しては前記触媒
反応によって生成する熱が速やかに被加熱流体に伝達さ
れるため、急速な燃焼反応を生じることが無く、この点
においても一定の温度領域に制御され、過熱の恐れがな
い。また、触媒壁(10)からの輻射熱が、直接伝熱壁(20)
で吸収される構造となっていることからも、触媒温度及
び燃焼ガスの温度上昇を抑制する。
【0018】また、この第1実施例においては、前記触
媒壁(10)に近接させて予混合気通路(50)を設けてあるの
で、予混合気通路(50)内の予混合気は、前記燃焼空間(3
0)に流入するまでに触媒壁(10)を介して受熱するため、
予混合気の予熱が行なわれ、触媒燃焼の安定化を促進す
る。
【0019】次に、この発明に係る触媒燃焼式流体加熱
装置の第2実施例を、図2に基づいて詳細に説明する。
尚、図2は、この発明に係る触媒燃焼式流体加熱装置の
第2実施例の断面構造を概略的に示した説明図である。
この第2実施例においても、前記第1実施例同様に、前
記触媒壁(10)と前記伝熱壁(20)は共に筒形状をなしてお
り、両者は2重筒状に配置されている。第2実施例にお
いては、内側に触媒壁(10)を配置してあり、この触媒壁
(10)の外方に所定の間隔を保持した状態で伝熱壁(20)を
配置してある。従って、被加熱流体の流通空間(40)は伝
熱壁(20)の外方に配置されることになり、図示する実施
例においては、伝熱壁(20)の外方をこの伝熱壁(20)より
も短い外筒(55)で取囲むことにより形成してある。この
外筒(55)と両端における伝熱壁(20)との間の開口部は閉
塞してあり、前記外筒(55)の一端側の側面部(図2にお
ける下方)には被加熱流体の導入口(56)が、他端側側面
部(図2における上方)には被加熱流体の排出口(57)が
取付けられる。
【0020】また、燃焼空間(30)は前記第1実施例同様
に略中空円柱形状の流路となっており、前記触媒壁(10)
の両端における伝熱壁(20)との間の開口部は共に閉鎖さ
れている。そして、前記伝熱壁(20)の一方側(図2にお
ける上方側)には、燃焼空間(30)への予混合気の導入口
(53)が設けられ、他方側(図2における下方側)には、
燃焼空間(30)からの燃焼ガスの排出口(54)が設けられ
る。ここで、この第2実施例における前記触媒壁(10)に
触媒反応面(11)を形成する触媒や、前記触媒壁(10)と伝
熱壁(20)との間隔は、前記第1実施例同様であるのでそ
の詳細説明を省略する。
【0021】更に、この第2実施例においては、前記触
媒壁(10)は、触媒反応温度に昇温するための予熱手段(6
0)を備えている。詳細には、予熱手段(60)としてのヒー
タの発熱面(61)を、高温領域で触媒活性を示すSiC等
を用いて形成することにより触媒壁(10)としている。従
って、この第2実施例においては、触媒の予熱は、前記
発熱面(61)の昇温により即時に行なわれるため、触媒燃
焼の開始が極めて短時間に行なわれる。尚、以後の被加
熱流体の加熱要領は、前記第1実施例と略同様であるの
で省略する。
【0022】更に、以上の説明において、前記予熱手段
(60)は、その発熱面(61)自体が触媒壁(10)であり、それ
自体の表面を触媒反応面(11)とした構成であるが、前記
発熱面(61)に燃焼触媒層を形成することによって触媒反
応面(11)を構成してもよい。その他、電気ヒータ,加熱
バーナ等の加熱装置(即ち、予熱手段(60))と触媒壁(1
0)を別部材とし、予熱手段(60)の発熱面(61)を触媒壁(1
0)に対して、近接、或は密着させて配置することによ
り、触媒壁(10)に予熱手段(60)を設けた構成としてもよ
い。
【0023】次に、図3は、この発明に係る触媒燃焼式
流体加熱装置において、触媒壁への燃焼触媒の担持形態
の一変形例を説明するための要部の縦断面図である。図
示する例においては、触媒壁(10)に形成する触媒反応面
(11)は、触媒活性の異なる数種の燃焼触媒(C1),(C2),(C
3), …を組合せることにより構成したものである。この
ように複数種の燃焼触媒を用いることにより、燃焼開始
温度を低下させ且つ、比較的高温(サーマルNOx の発
生の無い1400℃以下)の触媒燃焼により燃焼効率を高め
ることができる。
【0024】以上のように、この発明に係る触媒燃焼式
流体加熱装置によれば、燃焼温度の制御と熱交換効率の
向上を両立でき、NOx (サーマルNOx )をほとんど
発生しない省エネルギー,クリーン燃焼を達成する。し
かも前記のように触媒反応面(11)に対向させて近接配置
した伝熱壁(20)は、その面積(伝熱面積)が従来の触媒
燃焼装置を用いたものに比べて少ないにもかかわらず、
高い熱交換効率を達成する。更に、この発明に係る触媒
燃焼式流体加熱装置では、基本的に触媒燃焼を行うた
め、予混合気は、広い空気比の範囲で燃焼可能である
が、燃焼及び熱交換を高効率で行うためには最終的な空
気比は1.0〜1.5が好ましい。尚、前記触媒壁(10)
と伝熱壁(20)との間に公知の乱流促進体を挿入すること
により、更に燃焼効率及び伝熱効率を高めることができ
る。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る触
媒燃焼式流体加熱装置によれば、燃焼空間を構成する触
媒壁と伝熱壁との間隔が狭く、また燃焼空間内で発生し
た燃焼ガスは被加熱流体との間で速やかに熱交換するた
め、燃焼温度は比較的低温の領域に維持され、サーマル
NOx 生成の要因となる局所的な高温領域の発生も無
い。従って、装置から排出される燃焼排ガス中のNOx
濃度を大幅に低減でき、大気汚染の防止に貢献できるだ
けでなく燃焼排ガスの人体への悪影響を軽減できる。更
に、この発明に係る触媒燃焼式流体加熱装置によれば、
触媒反応面と伝熱壁が近距離で向かい合う構造であるた
め、燃焼触媒からの放熱が促進され触媒温度が耐熱限界
以上になることを抑制すると共に、熱交換効率を改善す
る。また、空気比が1〜2の予混合気を触媒燃焼するた
め、燃焼装置の熱効率を高くでき、このことは、前記の
効果と相俟って、装置の小型化に貢献する。加えて、触
媒燃焼による伝熱壁への加熱は火炎燃焼に比べて均一で
あることから、一般的な火炎燃焼のように局所的な高温
部ができることによる受熱面の焼損及びスケール付着が
抑制できる。更にまた、予混合気における燃料と空気の
混合が十分でない場合にも、燃焼ガスは、未燃焼の予混
合気と共に、触媒燃焼面と伝熱壁の狭い隙間を再混合し
ながら上流から下流へと移動し燃焼するため、燃焼効率
が高く未燃物の発生が少なく、しかも、触媒燃焼温度の
過度の上昇が抑制され、燃焼触媒の熱劣化或いは焼損を
低減できる。また、触媒壁における触媒反応面の反対側
に予混合気通路を設けることにより、予混合気通路内の
予混合気は、前記燃焼空間に流入するまでに触媒壁を介
して受熱するため、予混合気の予熱が行なわれ、この点
において熱効率の改善を図ることができる。加えて、伝
熱壁を介して熱を吸収する被加熱流体は、液体,気体及
びその混合物のいずれでも使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る触媒燃焼式流体加熱装置の第1
の実施例を説明するための縦断面図である。
【図2】この発明に係る触媒燃焼式流体加熱装置の第2
の実施例を説明するための縦断面図である。
【図3】この発明に係る触媒燃焼式流体加熱装置におい
て、触媒壁への燃焼触媒の担持形態の一変形例を説明す
るための要部の縦断面図である。
【符号の説明】
(10) 触媒壁 (11) 触媒反応面 (20) 伝熱壁 (30) 燃焼空間 (40) 流通空間 (50) 予混合気通路 (60) 予熱手段 (61) 発熱面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮田 賞三 愛媛県松山市堀江町7番地 株式会社三浦 研究所内 (72)発明者 二宮 夏彦 愛媛県松山市堀江町7番地 株式会社三浦 研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼触媒を担持させてなる触媒反応面(1
    1)を備えた触媒壁(10)と、前記触媒反応面(11)に対して
    所定の間隔を保持して対面させた状態で近接配置した伝
    熱壁(20)とを備え、前記触媒壁(10)と伝熱壁(20)との間
    の空間を予混合気を燃焼させる燃焼空間(30)とし、前記
    伝熱壁(20)を挟んで燃焼空間(30)の反対側を被加熱流体
    の流通空間(40)としたことを特徴とする触媒燃焼式流体
    加熱装置。
  2. 【請求項2】 前記触媒壁(10)を挟んで前記触媒反応面
    (11)の反対側に、前記燃焼空間(30)への予混合気を供給
    するための予混合気通路(50)を形成したことを特徴とす
    る請求項1記載の触媒燃焼式流体加熱装置。
  3. 【請求項3】 前記触媒壁(10)と前記伝熱壁(20)が共に
    筒形状であり、両者が2重筒状に配置されていることを
    特徴とする請求項1又は請求項2に記載の触媒燃焼式流
    体加熱装置。
  4. 【請求項4】 前記伝熱壁(20)の外方に所定の間隔を保
    持した状態で触媒壁(10)を配置し、前記触媒壁(10)と伝
    熱壁(20)との間に燃焼空間(30)を形成すると共に、前記
    伝熱壁(20)の内側に被加熱流体の流通空間(40)を形成し
    たことを特徴とする請求項3記載の触媒燃焼式流体加熱
    装置。
  5. 【請求項5】 前記触媒壁(10)の外方に所定の間隔を保
    持した状態で前記伝熱壁(20)を配置し、前記触媒壁(10)
    と伝熱壁(20)との間に燃焼空間(30)を形成すると共に、
    前記伝熱壁(20)の外方に被加熱流体の流通空間(40)を形
    成したことを特徴とする請求項3記載の触媒燃焼式流体
    加熱装置。
  6. 【請求項6】 前記触媒壁(10)は、触媒の反応温度に昇
    温するための予熱手段(60)を備えていることを特徴とす
    る請求項1,請求項2,請求項3,請求項4,又は請求
    項5記載の触媒燃焼式流体加熱装置。
  7. 【請求項7】 前記触媒壁(10)は、予熱手段(60)の発熱
    面(61)に燃焼触媒を担持させてなることを特徴とする請
    求項6記載の触媒燃焼式流体加熱装置。
JP6204350A 1994-08-05 1994-08-05 触媒燃焼式流体加熱装置 Pending JPH0849810A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6204350A JPH0849810A (ja) 1994-08-05 1994-08-05 触媒燃焼式流体加熱装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6204350A JPH0849810A (ja) 1994-08-05 1994-08-05 触媒燃焼式流体加熱装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0849810A true JPH0849810A (ja) 1996-02-20

Family

ID=16489055

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6204350A Pending JPH0849810A (ja) 1994-08-05 1994-08-05 触媒燃焼式流体加熱装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0849810A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005274063A (ja) * 2004-03-25 2005-10-06 Tokyo Gas Co Ltd 触媒燃焼式流体加熱装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005274063A (ja) * 2004-03-25 2005-10-06 Tokyo Gas Co Ltd 触媒燃焼式流体加熱装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6224370B1 (en) Combustion apparatus
KR100404253B1 (ko) 촉매 연소 장치
KR100257551B1 (ko) 연소장치
JPH0849810A (ja) 触媒燃焼式流体加熱装置
JP2000146298A (ja) 触媒燃焼装置
JP3779792B2 (ja) 触媒燃焼装置
JPH1151310A (ja) 触媒燃焼装置
JPH0216103Y2 (ja)
JP2002147718A (ja) 金属酸化触媒を利用したガスバーナー燃焼装置
JP3678855B2 (ja) 触媒燃焼装置
JP3568314B2 (ja) 加熱装置
JP3521013B2 (ja) 触媒燃焼ボイラ
JPH09178106A (ja) 触媒燃焼式流体加熱装置
JPH0220890B2 (ja)
JPH08135911A (ja) 触媒燃焼装置
JP3726381B2 (ja) 蒸気ボイラ
JPH10103614A (ja) 触媒燃焼装置
JPH08587Y2 (ja) 触媒燃焼装置
JP2720614B2 (ja) 触媒燃焼装置
JPH0771714A (ja) 触媒燃焼装置
JPH07110101A (ja) モノチューブボイラ
JPH09280517A (ja) 触媒燃焼装置
JP2000070725A (ja) 自己発熱式触媒部材
KR20040090631A (ko) 순차식 촉매연소 시스템 및 그 방법
JPH1182925A (ja) ガスファンヒーター用の燃焼器