JPH084944Y2 - カッター - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 この考案は、床材等の建築物の内装材であるシート等
を切るカッター、詳細には内装材の出隅、入隅被装部の
切断、目地切り等に特に好適なカッターに関する。

《従来の技術》 床材等の建築物の内装材の施工は、一般的な方法とし
て、床面の出隅、入隅を含むコーナーに沿って床材の端
部を一連の幅立ち上げ、その後立ち上げ部の出隅、入隅
の被装部を適宜カットして、寸法調整をするなどして行
っていた。

そして、これらの床材等の内装材であるシート類を切
断、目地切りするカッターは、丸刃カッター、Ｖ字刃カ
ッター、平刃カッターなどを目的別に使用するが、これ
らのカッターは、一般的に柄部と刃部は、ほぼ真っ直ぐ
で固定された構成であった。

また、出隅、入隅のように特殊な形状の場所について
は、柄部が彎曲したカッターによって切断、目地切りな
どの作業を行っていた。

《考案が解決しようとする課題》 建築物の床材などの切断、目地切り等においては、出
隅、入隅の作業が殆ど必須の作業であるが、出隅、入隅
は、その形状が複雑であり、凸状である出隅、凹状であ
る入隅と二つの正反対の形状である。

そのため、柄部が彎曲したカッター、例えば刃部と柄
部との成す角度が鋭角なものを用いて作業を行った場
合、出隅では使用しやすいが、入隅においては刃部が凹
んでいる隅部まで届かないので使用できないという問題
点があった。

この考案は、簡単な構成でかつ、刃部と柄部の角度を
容易に換えることができ、１つのカッターで出隅、入隅
などの凹部状、凸部状の両所において使用可能なカッタ
ーを得ることを目的とする。

《課題を解決する手段》 上記の目的を達成するためになされた本考案のカッタ
ーは、柄部と刃部からなり、柄部に設けた刃部装着部
は、柄部全体としての長手方向に対して鋭角および鈍角
と成る２つの方向から刃部が螺着して着脱可能であるよ
うに両端部を開口した雌ねじ孔からなり、刃部を柄部に
取り付ける方向を換えることによって刃部と柄部とが成
す角度を鋭角、鈍角に換えることができるようにしたこ
とを特徴とするものである。

《作用》 本考案のカッターは、刃部装着部が、柄部全体として
の長手方向に対して鋭角および鈍角と成る２つの方向か
ら刃部が螺着して着脱可能であるように両端部を開口し
た雌ねじ孔からなり、刃部を柄部に取り付ける方向を換
えることによって刃部と柄部とが成す角度を鋭角、鈍角
に換えることができるようにしたため、１つのカッター
で出隅、入隅などの凹部状、凸状部の両所において使用
可能である。

《実施例》 以下、具体的な実施例を挙げ、図面に基づき本考案を
更に詳細に説明するが、本考案は、以下に示す実施例に
限定されるものではない。

なお、第１図はカッターの刃部と柄部の角度が鋭角と
した場合の正面図、第２図はカッターの刃部と柄部の角
度が鈍角とした場合の正面図、第３図は柄部と刃部の着
脱部の部分拡大説明図である。

カッター（１）は、柄部（２）と刃部（３）とから成
る。柄部（２）は、本実施例では木製のやや太い把持部
（４）と金属製の板状の刃部支持部（５）とから構成す
る。

本実施例では、把持部（４）は、人の手で握り易いよ
うに、やや後部を太く曲線を有するが、把持部（４）全
体としては、ほぼ直線状である。この把持部（４）の前
部側で金属製の刃部支持部（５）と装着固定する。刃部
支持部（５）は、厚さ１〜5mm、幅10〜20mm、長さ30〜1
00mm程度の板状体で、幅方向に彎曲しており、先端に刃
部（３）を螺着する雌ねじ孔（６）を形成している。

この実施例では刃部装着部（６）である雌ねじ孔
（６）は、刃部支持部（５）の彎曲方向（幅方向）面に
沿って、刃部支持部（５）の先端方向とほぼ直角に螺合
方向を形成し、この両側の開口部から刃部（３）が螺合
自在と成るように構成する。この雌ねじ孔（６）の雌ね
じ孔方向は、柄部（２）の把持部（４）の長手方向と、
鋭角および鈍角を有する角度に形成すればよい。即ち刃
部（３）の挿入方向と柄部（２）の長手方向が、柄部と
鈍角とであれば、刃部支持部（５）が彎曲してなくても
よい。一般的に、把持部（４）と雌ねじ孔（６）との成
す角度は、約60〜85°角、鈍角が約120〜95°角程度に
形成する。

刃部（３）は、刃先が円柱状の丸刃（７）であり、基
部を雄ねじ（８）に形成して、中間部に締め孔（９）を
刃部（３）の長手方向と直角方向に貫通して形成してい
る。

この刃部（３）の装着は、刃部支持部（５）の先端の
雌ねじ孔（６）のどちらか側の開口部から、例えば出隅
部では、柄部（２）（把持部（４））と刃部（３）の角
度を鋭角にし、引いて用いるようにし、入隅部のように
凹状部である場合は、刃部（３）を雌ねじ孔（６）の逆
側から挿入し、柄部（２）と刃部（３）の角度を鈍角に
し、刃部（３）を押して使用する。また、同種あるいは
異種の刃部（３）を、両開口部に挿入、螺着しておけ
ば、カッター（１）を持ち換えるだけで、使用箇所、目
的等に応じて好適な刃部（３）、好適の角度を有するカ
ッターとして使用することができる。

締め孔（９）は、刃部（３）を螺着するとき、取り外
す時など、適宜釘や針金を差し込み刃部（３）の回転を
助け、また螺着を確実にする。

なお、本実施例では、刃部（３）として丸刃を使用し
ているが、本考案のカッターにおいては、これに限定さ
れず、Ｖ字刃、平刃であってもよい。

《考案の効果》 本考案のカッターによれば、床材等の建築物内装材の
出隅、入隅の切断、目地切り等の作業に使用するカッタ
ーは１つで、しかも１つの刃によって、刃部と柄部の角
度を鋭角、鈍角に換えることができ、出隅、入隅、壁面
への立ち上げ部、平坦部の床材などの内装材同士の直線
または曲線状の接合部などの種々の場所の形状に対応し
て使用できるという効果がある。

また所望の同種あるいは異種の刃部を刃部支持部先端
の雌ねじ孔の両開口部に螺着しておけば、使用箇所、目
的等に応じて好適な刃部、角度とするのにカッターを持
ち換えるだけで済み、作業効率が向上する。

さらに、刃部は、刃部支持部先端に螺着してなるの
で、螺着の程度を調整すれば、刃部が丸刃の場合には刃
部が内装材に当たる箇所を変更することが可能となり、
万一刃が欠けたような場合でも、刃部を交換する必要が
なく、また、Ｖ字刃、平刃の場合においても刃部の向き
（即ちカッターを上から見たときのカッター長手方向と
刃部のなす角度）を換えることが可能なため、作業しや
すい向きに刃部を固定して作業を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

図は、この考案のカッターの実施例を示し、第１図はカ
ッターの刃部と柄部の角度が鋭角の場合の正面図、第２
図は、同じく刃部と柄部の角度が鈍角の場合の正面図、
第３図は刃部と柄部の着脱部の部分拡大説明図である。 （１）……カッター、（２）……柄部、（３）……刃
部、（４）……把持部、（５）……刃部支持部、（６）
……雌ねじ孔（刃部装着部）、（７）……丸刃、（８）
……雄ねじ部、（９）……締め孔。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】柄部と刃部を有するカッターにおいて、柄
   部先端に設けた刃部装着部は、柄部全体としての長手方
   向に対して鋭角および鈍角と成る２つの方向から刃部が
   螺着して着脱可能であるように両端部を開口した雌ねじ
   孔からなることを特徴とするカッター。
2. 【請求項２】柄部に螺着して着脱可能であるようにした
   刃は、円柱端面の綾線が切刃となっている丸刃である請
   求項記載のカッター。