JPH0848984A - 高濃度の酸性ガスの製造のためにガスを脱酸する方法 - Google Patents

高濃度の酸性ガスの製造のためにガスを脱酸する方法

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JPH0848984A
JPH0848984A JP7195876A JP19587695A JPH0848984A JP H0848984 A JPH0848984 A JP H0848984A JP 7195876 A JP7195876 A JP 7195876A JP 19587695 A JP19587695 A JP 19587695A JP H0848984 A JPH0848984 A JP H0848984A
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gas
fraction
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solvent phase
solvent
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JP7195876A
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Jean-Claude Collin
コラン ジャン−クロード
Joseph Larue
ラルー ジョセフ
Alexandre Rojey
ロジェイ アレクサンドル
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IFP Energies Nouvelles IFPEN
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D53/00Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
    • B01D53/14Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols by absorption
    • B01D53/1406Multiple stage absorption
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
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  • Gas Separation By Absorption (AREA)
  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Degasification And Air Bubble Elimination (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 天然ガスから酸性ガスを少なくとも部分的に
除去するとともに、少なくとも一種の高濃度の酸性ガス
を生成する方法を提供する。 【構成】 少なくとも一種の炭化水素及び少なくとも一
種の酸性ガスを含有するガスから酸性ガスを少なくとも
部分的に分離して、少なくとも一種の高濃度の酸性ガス
を生成する。この目的のために、異なる性質を有する極
性溶媒を使って少なくとも2つの吸収工程を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明の目的は、含有するいかな
る酸性ガスも少なくとも部分的に除去する目的で、ガ
ス、特に天然ガスを処理することであり、また少なくと
も一種の高濃度の酸性ガスを生成することである。本発
明の方法は、高濃度の酸性ガスを生成するために、天然
ガスとその凝縮物を脱酸するのに特に適している。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】仏国特
許第2,605,241 号及び第2,636,857 号は、冷却された物
理的溶媒を使用して種々のガスの処理工程を実施するこ
とができる方法(脱酸及び水の除去工程を含む。)を記
載している。これらの方法は、特に脱水及びガスの脱酸
に同じ極性溶媒を使用することができるとともに、被処
理ガスを溶媒と直接接触にさせることにより溶媒を再生
させることができるという点において、公知の技術より
有利であり(仏国特許第2,605,241 号)、エネルギー消
費及び投資資金をかなり節約できるとともに、必要なプ
ラント量を減少させる。
【0003】しかしながら、ガスが炭化水素を含有する
場合、炭化水素画分は脱酸工程中に溶媒に吸収され、特
に硫化水素の場合にはクラウス反応のために高濃度の酸
性ガスの製造又は処理を困難にするとともに、ガス生産
量の損失をもたらす。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は一連の吸収工程
及び再生工程(その間ガスは物理的極性溶媒と接触す
る)を使うことにより従来技術の不利な点を克服する。
【0005】この1つの利点は、第二吸収工程から来た
溶媒相は、第一吸収工程から得られた溶媒相の画分より
高度に再生されることである。加えて、ますます厳しく
なる環境規制下では、ガス状流出物中に含有された酸性
ガス及び硫化水素H2 Sの除去に本発明を有効に適用す
ることができる。
【0006】本明細書において、用語「接触域」(Cont
act Zone)又は「接触部」(Con-tactor)は、流体を溶
媒と接触させるのに使用する装置の一部を示すために使
うもので、両者に差はない。同様に「富溶媒相」の表現
は酸性ガスに富む溶媒に関し、「貧溶媒相」の表現は酸
性ガスが処理工程中に除去された溶媒相に関する。
【0007】本発明は、少なくとも部分的に酸性ガスを
除去するとともに、少なくとも一種の高濃度の酸性ガス
を生成する目的で、少なくとも一種の炭化水素及び少な
くとも一種の酸性ガスを含有するガスを処理する方法に
関する。
【0008】本発明の方法は、少なくとも次の工程を有
する。 (a) ガスを冷却し、室温以下の温度で少なくとも一種の
極性溶媒及び水を含有する溶媒相の第一混合物と接触さ
せ、もって酸性ガスに富み炭化水素を溶液状に含有する
溶媒相の第一画分、及び酸性ガス量が少ない気体画分を
得る。
【0009】(b) 工程(a) から得られた酸性ガスに富む
溶媒相の第一画分を減圧及び/又は昇温により再生し
て、酸性ガスに富み炭化水素を含有する気体画分、及び
酸性ガス量が少なく工程(a) にリサイクルすべき溶媒相
を生成する。
【0010】(c) 工程(b) から得られた酸性ガスに富む
気体画分を、少なくとも一種の極性溶媒及び水を含有す
る溶媒相の第二混合物と接触させて、炭化水素に富む気
体画分及び酸性ガスに富む溶媒相の第二画分を生成す
る。
【0011】(d) 工程(c) から得られた酸性ガスに富む
溶媒相の第二画分は、減圧及び/又は昇温により再生し
て、工程(b) で分離した気体画分より高濃度の酸性ガス
を有する気体画分、及び工程(c) にリサイクルすべき溶
媒相の第二画分を生成する。溶媒相の第二混合物は、工
程(a) 中に使用する第一混合物に含有されたのと同じ極
性溶媒を含有してもよい。溶媒相の第二画分中の水分
は、溶媒相の第一画分の水分と少なくとも等しくてよ
い。
【0012】工程(b) は、例えば、工程(a) を行う圧力
レベルと工程(d) を行う圧力レベルとの間の中間的な圧
力レベルで行う。溶媒相の第二画分は、工程(d) 中に工
程(c) を行う圧力レベルより低い圧力レベルで膨張させ
るだけで再生することができる。溶媒相の第一及び/又
は第二画分は、工程(c) を行う圧力レベルより低い圧力
レベルでの蒸留工程により再生する。
【0013】溶媒相の画分の1つは、蒸留と同時に、徐
々に加熱される溶媒相の画分と再生により生じる溶媒相
とを熱交換することにより再生し、再生される溶媒相と
向流状態で循環することにより冷却することができる。
【0014】工程(c) から来た溶媒相の第二画分に膨張
による中間的な再生工程を実施し、工程(d) に入る前に
工程(c) で炭化水素を富化したガス相を生成することが
できる。
【0015】工程(a) から来た溶媒相の第一画分を、工
程(a) を行う圧力レベルと工程(b)を行う圧力レベルと
の間の中間的な圧力レベルで再生することにより、炭化
水素に富む気体画分を生成することができる。
【0016】それぞれ工程(c) 及び(d) から来た第一及
び第二気体画分は、圧縮して工程(a) にリサイクルする
ことができる。工程(b) から来た気体画分は、工程(c)
に送給する前で圧縮することができる。
【0017】処理ガスは二酸化炭素及び硫化水素から選
ばれた少なくとも一種の酸性ガスを含有することができ
る。
【0018】処理ガスは少なくとも二酸化炭素及び硫化
水素を含有し、溶媒相の第二画分の流速は、工程(c) の
末端で硫化水素が実質的に除去された気体画分を得るの
十分に高いレベルに維持するとともに、この気体画分中
の二酸化炭素の比較的高い濃度を維持するのに十分に低
いレベルに維持する。工程(d) の末端で得られる気体画
分は高濃度の硫化水素を含有する。
【0019】工程(a) 及び(c) で使う極性溶媒は、メタ
ノール、アルコール又はエーテル、ポリエチレングリコ
ールエーテル又はプロピレンのカーボネートから選ぶこ
とができる。工程(a) 及び(c) で使う極性溶媒は、少な
くとも2種類の極性溶媒を含有することができる。また
工程(a) 及び(c) で使用する極性溶媒は、1種類の極性
溶媒及びアミンを含有することができる。
【0020】溶媒相の第一画分中の水分は画分の少なく
とも10体積%であるのが好ましい。溶媒相の第二画分中
の水分は溶媒相の第一画分中の水分より多くてもよく、
少なくとも30%多いのが好ましい。
【0021】天然ガスを工程(a) に送給する前に極性溶
媒の存在下で冷却し、工程(a) に送給するガス相と炭化
水素に富む液相と溶媒に富む水性液相とを生成すること
ができる。水は、処理ガスの少なくとも一つの画分と向
流接触させることにより極性溶媒から分離することがで
きる。
【0022】ガスは液状炭化水素(LPG)の少なくと
も一つの画分を含有することができ、この画分は脱メタ
ン工程(減圧及び/又は昇温される)に送給し、次いで
脱エタン工程に送給して、液状炭化水素相中の残りのメ
タンとエタンと酸性ガスを少なくとも部分的に分離す
る。
【0023】工程(a) は1MPa 乃至20 MPaの圧力レベル
で行うことができる。工程(a) は、+5℃乃至+50℃の
温度で行うことができ、工程(c) は 0.4MPa 乃至2MPa
の圧力レベルで行うことができる。
【0024】工程(a) 及び(c) で使う溶媒相混合物の画
分の少なくとも一つは、蒸留するとともに、交互流路を
有する垂直プレート式交換器で熱交換することにより再
生することができる。交互流路では、蒸留工程中に生成
された液相及び気相の間で向流接触が起こるとともに、
この再生から得た溶媒相が流れ、この溶媒相は向流状態
で循環する再生中に溶媒相で冷却される。
【0025】溶媒相混合物の一方又は両方の画分の膨張
エネルギーは、タービンにより機械的エネルギーに変換
される。
【0026】
【実施例】本発明及びその特徴は以下の説明及び添付図
面(図示の目的だけであり、決して限定的でない。)か
ら容易に理解される。
【0027】本発明の方法の原理を図1に例示するが、
図1は、脱酸とともに高濃度の酸性ガスを得るために、
例えば天然ガスの処理に利用される装置の1つの実施例
を示す。
【0028】本発明の原理は、少なくとも下記の4工程
(a) 、(b) 、(c) 及び(d) を有する。酸性ガス及び少な
くとも一種の炭化水素を含有する被処理天然ガスは、ま
ず冷却され、次いでパイプ1より接触域C1 へ送給され
る。接触域C1 内で、天然ガスは例えばパイプ2より来
る溶媒相(少なくとも一種の極性溶媒を含有する。)と
水の第一混合物と向流接触する(工程(a) )。酸性ガス
はこの接触域C1 で選択的に吸収され、同時に天然ガス
中に含有された炭化水素の画分も吸収される。酸性ガス
が少ないガス相は、パイプ3を経て接触部C1 の上部か
ら除去される。酸性ガス及び炭化水素を含有する溶媒相
の第一画分は、パイプ4を経て接触域又は接触部C1
下部から抜き取られる。
【0029】工程(a) から来た溶媒相の第一画分は蒸留
域D1 に送給される。酸性ガスの蒸発を促進するため
に、溶媒相の第一画分は、例えば膨張弁V1 による膨張
工程(工程(b) )及び/又は例えば交換器E1 による加
熱工程を通る。このように再生された溶媒相は、パイプ
6を経て蒸留域D1 の底部から抜き取られる。
【0030】再生された溶媒相のこの第一画分は、接触
域C1 に戻る。この目的のために、溶媒相の第一画分は
リサイクルポンプP1 により交換器E1 に送給され、そ
こで膨張弁V1 から来た溶媒相の第一画分との熱交換に
より冷却される。必要に応じこの再生された第一溶媒相
は、脱酸されたガス中及び生成された酸性ガス中の溶媒
のロスを補うために、パイプ5から来る追加の溶媒と混
合される。得られた混合物は例えば外部の補助冷却流体
により交換器E2 で冷却されて、パイプ2により接触域
1 にリサイクルされる。
【0031】酸性ガスに富み溶液状の炭化水素を含有す
る気相は、蒸留域D1 のヘッドから除去されて、パイプ
7を経て接触部C2 に送給され、そこで工程(c) で向流
式にパイプ14より来る溶媒及び水の第二混合物と接触す
る。溶媒は少なくとも一種の極性溶媒を含有することが
できる。溶媒及び水の第二混合物は、工程(a) に使われ
るのと同じ極性溶媒及び水を含有することができる。そ
の含有量は少なくとも工程(a) 中に使用した第一混合物
の溶媒相画分の水分より多いのが好ましい。
【0032】接触部C2 の出口で、主に炭化水素に富む
ガス相はヘッドに位置するパイプ8を経て放出される。
接触部C2 の底部で、吸収された酸性ガスを含有する溶
媒相の第二画分は、パイプ9より出され、パイプ10を通
ってセパレーターフラスコBS1 に送給され、パイプ9
及び10の間に位置する膨張弁V2 を通り、そこで工程
(d) により膨張する。この膨張工程の最後で解放された
酸性ガスは、セパレーターフラスコBS1 で分離され
る。
【0033】酸性ガスが濃縮された蒸気相は、パイプ11
を経てセパレーターフラスコBS1のヘッドから除去さ
れ、再生された溶媒相の第二画分は、パイプ12を経てフ
ラスコの底部から取り出される。
【0034】再生された第二画分は、接触部C2 に戻る
が、この目的のために第二画分はリサイクルポンプP2
により移送され、必要に応じパイプ13から来る追加の溶
媒と混合されて、溶媒ロスを補う。このトッピングアッ
プ工程により得られた混合物は、パイプ14を経て例えば
接触部C2 のヘッドに戻る。
【0035】この実施例は、特に第一吸収工程(a) 、第
一再生工程(b) 、第二吸収工程(c)及び第二再生工程(d)
からなる4つの主工程を示す。
【0036】溶媒及び水の第一混合物は、好ましくは室
温より低い温度で工程(a) で被処理天然ガスと接触させ
られる。
【0037】工程(a) から来る溶媒相の第一画分が再生
される工程(b) は、吸収工程(a) を行う圧力と工程(c)
から来る溶媒相の第二画分を再生する工程(d) の圧力と
の間の中間的な圧力レベルで実施するのが好ましい。
【0038】ある用途には、吸収工程(c) から来た炭化
水素に富むガス相から全ての酸性ガスを除去することは
必要でない。この場合には、溶媒相の第二画分を再生す
る工程(d) は、工程(c) の吸収圧力レベルより低い圧力
レベルで弁を通すことにより単純膨張させるだけでもよ
い。
【0039】ある場合(例えばガス処理の目的が高収率
のガス製造である場合)には、工程(c) の末端(そこか
ら除去される酸性ガスの量は、工程の下流にリサイクル
するか燃焼ガスとして使うのに十分である。)で炭化水
素を生成するのが重要である。これらの場合には、工程
(c) から来た溶媒相の第二画分は、第二吸収工程の効率
を向上するように高度に再生される。工程(c) 及び(d)
を実施する方法の例を、図2〜4に示す。
【0040】図2に示す装置は、図1に示す設備の他
に、上記膨張工程(c) の後に位置する追加の蒸留域D2
を有する。工程(c) 及び(d) は例えば以下の通り実施す
る。
【0041】パイプ9を経て接触域C2 の底部から抜き
取られた溶媒の第二画分(工程(c)から来る)は、膨張
弁V3 と交換器E3 (ここで膨張された後加熱され
る。)を通って蒸留塔D2 に送給される。酸性ガスはパ
イプ20を経て塔D2 の上部から除去され、再生された溶
媒相の第二画分は、パイプ21を経て塔D2 の底部から放
出される。後者は、熱量除去用の交換器E3 とリサイク
ルポンプP2 と冷却用の交換器E4 を経て接触部C2
戻る。
【0042】この実施例では、工程(c) から来た溶媒相
の第二画分は、好ましくは工程(c)を行う圧力レベルよ
り低い圧力レベルで、工程(d) で再生される。
【0043】図3はセパレーターフラスコBS1 (図
1)の代わりに或いはその後に位置する一体型交換器E
iを有する蒸留塔DEを有する装置の変更例を示す。こ
の蒸留塔は、いかなる溶媒相画分も再生することができ
る。特にこの実施例により、酸性ガスが少ない再生溶媒
相と蒸留塔に導入された富溶媒相との間で同時に熱交換
することができる。
【0044】工程(c) から来た富溶媒相の第二画分は、
膨張弁V2 (図1)により膨張し、低温でパイプ10を経
て塔DEのヘッドに導入される。富溶媒相の第二画分
は、塔DEのボイラーBにより生成された蒸気と向流状
態で塔DE内を循環し、溶液状態の酸性ガスの一部を失
うとともに、パイプ31によりDEに導入された再生溶媒
相との内部熱交換の結果昇温される。富溶媒相の第二画
分は次いでポンプP2 により吸引され、内部交換器Eに
送給される。このように再生された溶媒相は、酸性ガス
に富む溶媒相の第二画分と向流状態で熱交換する。この
ようにして精製・冷却された溶媒相が得られ、パイプ32
を経て塔DEのヘッドから放出されて、工程(c) 用の接
触部C2 に戻る。
【0045】ある用途には、塔DEの上部に凝縮器(図
示せず)を設けるか、及び/又は一体型交換器E1 の出
口に冷却用交換器を置くことができる。
【0046】この実施例では、全エネルギー消費を20〜
50%節減することができる。
【0047】溶媒相の第二画分は、蒸留とともに、徐々
に加熱される溶媒相画分と再生工程から得られる溶媒相
(再生中の溶媒相と向流状態で循環する際に冷却され
る)との間の熱交換を同時にすることにより、工程(d)
で再生することができる。
【0048】酸性ガスに富む溶媒相と上記のように酸性
ガスが少ない溶媒相との間の内部熱交換は、種々の装置
により行うことができる。
【0049】一体型交換器E1 は殻−管式でよい。この
場合には塔DEの底部から抜き取られた再生溶媒相は、
管の内側に流れ、管の外側かつ殻の内側で蒸留が行われ
る。塔DEはプレート式とすることができ、管は各々の
プレート上に置かれ、各々のプレート上を流れるときに
回収する富溶媒相内に沈んでいる。
【0050】塔DEは、連続接触式とすることができ、
富溶媒相は管の周囲を流れる。
【0051】塔DEの底部から抜き取られた再生溶媒相
は、管の外側かつ殻の内側を流れる。この場合には、蒸
留は好ましくは垂直で内部マトリックスを具備する管の
内側で起こる。
【0052】垂直プレート式交換器を使うことができ
る。異なるプレート間のスペースは、塔DEの底部から
取られた再生溶媒相と、蒸留工程中に塔内で向流状態で
生成された溶媒相及び蒸気相とで交互に占められる。こ
れはろう接されたアルミニウム又はステンレススチール
製の交換器であり、プレートはその全接触面にわたって
端部−端部の溶接又は金属拡散により接合されている。
【0053】図4では、外部流体を使う追加の冷却用交
換器E8 は、例えば一連の交換器の末端に置かれてい
る。特にこれにより、熱損失を補うとともに、貧溶媒相
用に望ましい温度を得ることができる。貧溶媒相及び富
溶媒相の間の同時熱交換は、例えば次の方法で行う。温
度Tの貧溶媒相は、パイプ15を経てボイラーBのレベル
において塔D4 の底部から出て、ポンプP2 により第一
熱交換器E6 に送給され、そこで蒸留塔D4 の1つのレ
ベルから来る液相(この交換器E6 内を重力又はポンプ
により流れる。)との熱交換により冷却される。このよ
うに予備冷却された貧溶媒相は、第一交換器 E6 の後に
直接位置する第二交換器E6 に導入され、次いで塔のヘ
ッドに達するまでE6 と同じタイプの一連の交換器を通
る。
【0054】図5に示す実施例は、特に極めて高濃度の
酸性ガスの製造に適する。この実施例は、工程(d) の末
端で生成された酸性ガスの炭化水素含有量を減少させ
て、高濃度の酸性ガスを得るために、工程(c) 及び(d)
を実施するのに使用する装置の具体的な構造を示す。
【0055】第二吸収工程(c) の末端で酸性ガスが富化
された溶媒相の第二画分(接触部C2 から来る)は、弁
2 を通って中間圧力レベル(例えば、工程(c) の吸収
圧力と工程(d) を行う圧力レベルとの間)に膨張し、パ
イプ10を経てセパレーターフラスコBS2 に入る。
【0056】このように生成されたガスの相は、共吸収
された炭化水素の大部分を連行し、パイプ16を経てセパ
レーターフラスコBS2 のヘッドから取り出される。
【0057】溶媒相は、パイプ17を経てフラスコBS2
の底部から抜き取られ、ついで弁V3 を経て膨張し、交
換器E3 で加熱される。膨張し加熱された溶媒相はパイ
プ18を通って蒸留塔D2 に入る。非常に酸が富化された
蒸気相は、パイプ50により取り出されて、蒸留塔のヘッ
ドに入る。この相は例えば 1%未満の炭化水素を含有し
てもよい。再生された溶媒相は、塔D2 の底部から取り
出され、パイプ51を経て交換器E4 に送給されて予備冷
却され、リサイクルポンプP2 によりパイプ52を経て交
換器E4 に入り、そこで例えば外部冷却水(図示せず)
を使うことにより冷却されて、工程(c) ですぐ使えるよ
うに接触部C2 にリサイクルされる。
【0058】その他の場合、脱酸工程(a) の末端で酸性
ガス濃度が非常に低いガス(例えば3ppm 未満のH2S及
び/又は1%の未満のCO2 を含有する)を生成するこ
とが必要である。この場合には、例えば工程(a) から来
た溶媒相の第一画分は、より高い程度に再生される。工
程(c) を行う圧力レベルより低い圧力レベルで少なくと
も部分的に工程(b) を実施することにより、溶媒相の第
一画分を再生するのが有利である。
【0059】このように行う第一の方法では、工程(b)
から来た酸性ガスを工程(c) に送給する前に圧縮する。
【0060】また第二の方法では、例えば酸性ガスを工
程(c) に直接送給することができる圧力レベルで、溶媒
相の第一画分の第一の再生工程を実施する。この第一の
再生の出口で、第一の再生溶媒相は実質的に炭化水素を
含有しない。しかしながら、酸性ガスの純度は、工程
(a) に直接リサイクルできるように十分に高くなくても
よい。もしそうであれば、工程(d) を行う圧力に近い圧
力レベルで第二再生工程に送り、第二再生工程から来た
酸性ガスを工程(d) から来た酸性ガスと混合することが
できる。
【0061】この第二の方法の例を図6に示す。図6は
上記結果を得ることができる装置の具体的だが限定的で
ない構造を示す。
【0062】工程(a) から来た溶媒相の第一画分は、吸
収塔C1 の底部から放出され、パイプ4を経て膨張弁V
1 を通って膨張し、パイプ61によりセパレーターフラス
コBSに送給される。
【0063】このように生成された蒸気相は炭化水素に
富み、セパレーターフラスコBSのヘッドから抜き取ら
れ、パイプ62により圧縮器K1 に送給され、そこで接触
部C1 (工程(a) )に戻ることができるように圧縮され
る。
【0064】酸性ガスに富む溶媒相は、パイプ63を経て
フラスコBSの底部から取り出され、膨張弁V5 により
膨張される。溶媒相は次いでパイプ64により内部交換器
Ei9 を具備する再生塔DE9 に送給される。内部熱交
換器Ei9 は、図3及び4に関して記載したと全く同一
の方法により、酸性ガスに富む溶媒相と酸性ガスが少な
い溶媒相との間で同時の熱交換をすることができる。
【0065】留蒸塔DE9 から来た蒸気相は、酸性ガス
が少なくとも部分的に富化され、当初の炭化水素の99%
以上が溶媒相に溶解している相である。この富化された
蒸気相は、実質的に同じ圧力レベルで塔DE9 のヘッド
から除去され、パイプ65を経て上記載吸収工程(c) 用の
接触部C2 に送給される。接触部C2 のヘッドの出口
で、炭化水素に富む蒸気相はパイプ66を通り、例えば圧
縮器K1 の入口における圧力と等しい圧力レベルまで、
圧縮器K2 により圧縮される。圧縮された蒸気相は、パ
イプ62から来る気相と混合され、得られた混合物は圧縮
器K1 により圧縮され、パイプ67を経て接触部C1 (工
程(a) )の上流にリサイクルされる。
【0066】工程(c) の末端で酸性ガスを富化した溶媒
相の第二画分は接触部C2 の底部から抜き取られ、パイ
プ68を通って第二画分膨張用のタービンT1 を経てセパ
レーターフラスコBS1 に入る。ガス相はパイプ69を経
てセパレーターフラスコBS1 のヘッドから抽出され
る。一方フラスコの底部から得られた再生溶媒相は、パ
イプ70を経てタービンT1 に戻り、次いでパイプ71を経
て接触部C2 に戻る。
【0067】工程(d) の間に塔DE9 で再生された溶媒
相の少なくとも一部は塔DE9 の底部から除去され、パ
イプ72を経てポンプP1 により吸引される。実質的に全
ての溶解した炭化水素は除去される。しかしながら、酸
性ガスの含有量(特に硫化水素含有量)は、工程(a) で
接触部C1 に直接戻るには高すぎる。この酸性ガス含有
量を減少させるために、再生溶媒相は、内部熱交換器E
9 で冷却され、蒸留塔DE9 のヘッドから放出され、
パイプ73を経て膨張弁V6 へ送給される。膨張弁V6
通る際、再生溶媒相は、工程(d) の圧力レベル以上の圧
力レベルに膨張する。部分的に再生され、冷却され、膨
張された溶媒相は、次いでパイプ74により蒸留塔DE10
に注入される。この蒸留塔DE10は、内部交換器Ei10
を具備してもよい。塔DE10を通った溶媒相は、塔の底
部から取り出され、パイプ75を経てポンプP2 により再
び内部交換器Ei10に注入される。内部交換器Ei10
で溶媒相は冷却され、次いでパイプ76を経て塔のヘッド
から取り出され、工程(a)用の接触部C1 に戻る。
【0068】パイプ77を経て塔DE10のヘッドから抜き
取られた蒸気相は、主に酸性ガスからなる。蒸気相は、
パイプ69を経てセパレーターBS1 から来た酸性ガスと
混合される。これらの酸性ガスは、工程(d) で塔BS1
で生成された第二溶媒相の再生により得られる。
【0069】本発明の好ましい実施例に従って、溶媒相
の種々の画分の膨張から得られる機械的エネルギーは、
例えば膨張タービンT1 により回収することができる。
特にこの回収工程は、溶媒相を工程(a) 及び(c) にリサ
イクルするためのポンプP1及びP2 を駆動するために
必要な機械的エネルギーの供給量を減少させることがで
きる。
【0070】このようにして図6に示す実施例では、接
触部C2 により得られた富溶媒相の第二画分を再生させ
るために使われる膨張エネルギーにより、少なくともあ
る程度まで再生溶媒を工程(c) にリサイクルするポンプ
を駆動することができる。
【0071】膨張タービンによる機械的エネルギーの回
収方法は上記実施例に限定されず、膨張が起こるいかな
る方法の工程にも適用可能である。
【0072】接触部C2 に送給される溶媒相の流れを制
限することにより、 H2 SをCO2から選択的に分離す
ることができる。この場合、パイプ 66 を経て塔C2
ヘッドから放出されたガス相は、CO2 が多くH2 Sが
少ない。例えば、溶媒相は2%未満のH2 Sを含有す
る。この実施例から、天然ガスから主に硫化水素H2
を分離することにより天然ガスが選択的に脱酸され、も
って二酸化炭素CO2 を共吸収された炭化水素の一部と
ともにリサイクルできることが分かる。
【0073】工程(特に溶媒相を冷却する工程)のエネ
ルギー効率を向上するために、蒸留工程とともに同時熱
交換をすることにより、工程(b) で溶媒相の第一画分の
再生を行なうことができる。同時熱交換工程では、酸性
ガスに富む溶媒相画分は、貧溶媒相との熱交換により徐
々に加熱され、貧溶媒相は一旦再生されると、富溶媒相
と向流状態で循環する際に徐々に冷却される。熱交換を
伴うこの蒸留工程は、例えば、図3及び4に示す構造を
使うことにより行うことができる。
【0074】溶媒相の第一画分に共吸収された炭化水素
を少なくとも部分的に除くのが望ましい場合には、部分
的に図7に示されているような装置を使うことにより工
程(a) 及び(b) を行なうことができる。
【0075】第一再生工程は、例えば、吸収工程(a) を
行う圧力レベルと特に炭化水素に富むガス相を生成する
蒸留工程(b) の最終的な圧力レベルとの間の中間的な圧
力レベルで行う。
【0076】酸性ガスに富む溶媒相の第一画分(パイプ
77を経て塔C1 の底部から来る)は、例えば弁V1 を通
って膨張し、工程(a) の温度より低い温度で塔DE4
ヘッドに導入される。
【0077】溶媒相の第一画分は、塔DE4 の全長に渡
って下降し、下記の方法により塔DE4 の後に位置する
塔DE5 から来る貧溶媒の画分と向流状態で内部交換す
ることにより加熱される。
【0078】酸性ガスに富む溶媒相の温度上昇により、
最も軽い成分(特に炭化水素とCO2 )を選択的に蒸発
させることができる。このようにして生成された蒸気相
は、共吸収された炭化水素の大部分を連行しながら、パ
イプ78を経て塔DE4 のヘッドから放出される。
【0079】酸性ガスに富み溶液状の炭化水素の少なく
とも一部が除去された溶媒相は、塔DE4 の底部から取
り出され、パイプ79を経て弁V4 を通って膨張し、内部
交換器Ei5 を有する蒸留塔DE5 のヘッドに送給さ
れ、蒸留塔DE5 内で蒸留とともに酸性ガスが少ない溶
媒相(パイプ80を経て塔DE5 の底部から来る)との同
時熱交換により再生される。酸性ガスが少ない溶媒相は
ポンプP1 によりリサイクルされて、内部交換器Ei5
に戻される。塔DE5 の底部で交換器Ei6 により付加
的に加熱される。
【0080】熱交換により冷却された貧溶媒相は塔DE
5 の上部から放出され、パイプ81を経て塔DE4 に入
り、そこで内部交換器Ei4 の下部に入る。この相は、
塔DE4 内で富溶媒相と向流状態で循環する際に熱交換
により冷却され、一方富溶媒相は加熱される。冷却され
た貧溶媒相は塔DE4 の上部から取り出され、パイプ82
を経て低温で接触部C1 のヘッドにリサイクルされる。
【0081】ある場合には、貧溶媒相の効率又は純度を
向上するために、塔DE5 のヘッドに凝縮器を設けるこ
とができる。
【0082】第一溶媒相画分を再生する第一工程の後に
得られた気体画分(共吸収された炭化水素の大部分を連
行する)は、処理ガスの製造を増加するために現場での
燃焼ガスとして使用し、再圧縮し、次いで工程(a) の上
流にリサイクルすることができる。
【0083】同様に、工程(c) から来たガス相を圧縮
し、酸性ガスで洗浄し、工程(a) の上流にリサイクルす
ることができる。
【0084】また、溶媒相の第二画分に酸性ガスが吸収
される効率を向上するために、工程(c) に送給する前に
蒸留工程(b) から来た酸性ガスに富むガス相を圧縮する
こともできる。
【0085】再生により得られた炭化水素に富むガス相
は、工程(a) の上流にリサイクルすることができるよう
に、工程(a) の圧力レベルと工程(b) の圧力レベルとの
間の中間的な圧力レベルに圧縮することができる。この
方法により、炭化水素の生産量を増やすことができる。
【0086】本発明は、以下に記載するガス処理の限定
的でない2つの例を参照すれば、容易に理解される。
【0087】実施例1は図8を参照し、天然ガスから実
質的に炭化水素を含有しない非常に高濃度の酸性ガスを
得る可能性を示す。被処理天然ガスの組成(重量%)
は、例えば以下に記載する通りである。
【0088】水: 0.003 メタノール: 0.00 窒素: 0.763 二酸化炭素: 5.305 硫化水素: 3.196 メタン: 71.052 エタン: 11.649 プロパン: 5.671 イソブタン: 0.721 ブタン: 1.105 イソペンタン: 0.238 ペンタン: 0.192 ヘキサン: 0.070 オクタン: 0.035
【0089】ガスはまず露点(実質的に約−25℃)以上
の温度でかつ6.9MP の圧力レベルで冷却され、実質的に
17,253 kg/hrの流速で処理装置に注入される。
【0090】予備冷却されたガスは、パイプ83を経て接
触部C81に供給され、パイプ84より接触部のヘッドに注
入された溶媒相の第一画分と向流接触させられる。溶媒
相の第一画分は、例えば85重量%のメタノールと15重量
%の水の混合物からなり、その温度は−25℃であり、接
触部C81への注入速度は25,419kg/hr である。第一溶媒
相と接触すると、ガスは二酸化炭素及び硫化水素を失
い、少なくとも炭化水素の一部(溶媒相の第一画分に共
吸収される)も失う。
【0091】このように処理された後、ガスはパイプ85
を経て実質的に15,316kg/hr の流速で接触部C81のヘッ
ドから取り出される。ガスは、実質的に2.99体積%の二
酸化炭素及び0.0007体積%(3ppm モル)の硫化水素を
有する酸性ガスからなる。
【0092】3.7 %の酸性ガスと3.4 %炭化水素からな
る富溶媒相の画分は、パイプ86を経て接触部C81の底部
から除去される。富溶媒相のこの第一画分は、膨張弁V
を通って0.78MPa の圧力まで膨張し、約−23℃の温度で
フラスコBに送給される。
【0093】セパレーターフラスコBの出口で、約18%
のCO2 と6%のH2 Sと約76%の炭化水素からなる
(とりわけメタン及びエタンが87%)蒸気相は、例えば
792kg/hrの流速でパイプ87を経てフラスコのヘッドから
放出される。この蒸気相は燃焼ガスとして使用すること
ができ、また再圧縮して適当な装置(図示せず)により
接触部C81の上流側に再注入することができる。
【0094】酸性ガスに富む分離溶媒相は、例えば26,5
81kg/hr の流速でパイプ88を経てフラスコBの底部から
除去される。溶媒相は、約14%のH2 O、81%の MEOH
、3%の酸性ガス及び1.3 %の炭化水素からなる。溶
媒相は、弁V’を通って例えば0.76MPa の圧力に膨張
し、次いで交換器Eで再加熱される。この交換器の出口
で、溶媒相の温度は約108 ℃であり、パイプ89により蒸
留塔C82実質的に中心に位置する放出域に入る。
【0095】酸性ガスに富む溶媒相は、例えば、次の方
法で塔C82内で再生される。まず塔のヘッドは内部凝縮
器R8 を使って−5℃に冷却され、底部はボイラーT8
を使って132 ℃に加熱される。再生された溶媒相(特に
酸性ガスが除去されているので貧溶媒相として知られ
る)は、パイプ90を経て塔C82から抜き取られる。再生
された溶媒相は次いで熱交換器E内で、セパレーターフ
ラスコBからの酸性ガスに富む溶媒相との熱交換により
予備冷却される。溶媒相は交換器から出て、パイプ91を
経てポンプPにより熱交換器E’に送給され、そこで例
えば−25℃の温度に冷却される。このために、例えば外
部冷却流体が使われる。パイプ92により送給されるトッ
プ・アップ( top-up )と混合した後、溶媒相はパイプ
84を通って塔C81にリサイクルされる。処理ガスからの
溶媒の損失に対応するトップ・アップは、例えば約16kg
/hに等しい。
【0096】酸性ガスに富むガス相は、パイプ94を通っ
ての塔C82 のヘッドから抜き取られる。その温度は約
−5℃である。ガス相は、例えば体積で27.6%のCO
2 、42.7%のH2 S及び29.7%の炭化水素を含有する。
ガス相は、例えば同温かつ0.75MPa の圧力レベルで接触
部C83に送入され、そこでパイプ95を経て接触部C83
上部に送入される溶媒相の第二画分と向流接触させられ
る。溶媒相のこの第二画分の流速は例えば12,000kg/hr
であり、その温度は−5 ℃にほぼ等しい。溶媒相は、例
えば50重量%のメタノールと50重量%の水を含有しても
よい。
【0097】塔C83のヘッドで、炭化水素に富む蒸気相
は例えば580kg/h の流速でパイプ96より出る。その組成
は、体積基準で例えば56.3%の炭化水素、42%のCO2
及び1.7 %のH2 Sである。蒸気相は再圧縮し、本発明
の工程の上流にリサイクルすることができる。
【0098】酸性ガスに富む溶媒相の第二画分は、パイ
プ97を経て接触部C83の底部から出る。第二画分は、弁
Vを通って例えば0.16MPa の圧力に膨張し、−3.2 ℃の
温度でセパレーターフラスコBに送入される。
【0099】セパレーターフラスコBの出口で、分離工
程から得られた酸性ガスに富む気相は、パイプ98を経て
フラスコのヘッドから出る。この相は、例えば5%の炭
化水素を含有する。
【0100】フラスコの底部から、溶媒相又は液相がパ
イプ99により抜き取られる。特に高濃度のH2 Sを含有
する酸性ガスを生成するために、溶媒相は弁V’を通っ
て膨張し、パイプ100 により蒸留塔C84に供給される前
に交換器Eで再加熱される。溶媒相は、例えば73℃の温
度かつ0.15MPa の圧力で塔の放出域に入る。塔C84のヘ
ッドは−10℃に冷却され、底部は90.4℃に加熱される。
【0101】酸性ガスが除去された貧溶媒相は、例えば
塔C84から出て、パイプ101 を経て熱交換器Eに入り、
そこでセパレーターフラスコBからの貧溶媒相との熱交
換により予備冷却される。冷却された貧溶媒相はパイプ
102 を経てポンプPにより交換器E’に送給され、そこ
で例えば−5℃の温度に冷却され、次いでパイプ103か
ら4.1kg/hrで来た追加の溶媒と混合した後に接触部C83
にリサイクルされる。冷却工程は、例えば外部冷却流体
(図示せず)を使うことにより行なわれる。トップ・ア
ップとして使用する溶媒は、メタノール100 %であり、
これは酸性ガスに富む2種類の気相からの損失に対応す
る。
【0102】特に高濃度のH2 Sを有するガス相は、パ
イプ104 を経て塔C84のヘッドから抽出される。その流
速は、195kg/hr であり、その組成(体積基準)は、94
%のH2 S、5%のCO2 及び1%の炭化水素である。
【0103】硫化水素H2 Sと二酸化炭素CO2 を含有
する処理ガスで、第二吸収工程(c)から来たガス相から
少なくともH2 Sの一部を除去するとともに、十分なC
2を含有させ、もって工程(d) の末端で特に高濃度の
2 Sを含有するガス相を生成することができる。
【0104】このため、溶媒相の第二画分の流速を硫化
水素の少なくとも大部分を吸収するのに十分に高速にセ
ットするとともに、二酸化炭素の吸収を制限するのに十
分低速に保つことが必要である。
【0105】本発明の方法で使用する溶媒は極性を有
し、完全に又は少なくとも部分的に水と混和可能である
のが好ましい。
【0106】溶媒相の第一画分の水分は、少なくとも画
分の10体積%であるのが好ましい。
【0107】工程(c) で炭化水素の共吸収を減少させる
ために、溶媒相の第二画分の水分は溶媒相の第一画分の
水分より多くあるべきであり、好ましくは少なくとも30
体積%である。
【0108】同一又は異なる溶媒を吸収工程(a) 及び
(c) で使用することができるが、例えばメタノールを含
んでよい。
【0109】メタノール以外のアルコール(例えばエタ
ノール、2−メトキシエタノール、プロパノール、ブタ
ノール、プロパルギルアルコール等)や、エーテル(例
えばポリエチレングリコールエーテル等)を含有する極
性溶媒を、2つの吸収工程(a) 及び(c) に使用すること
ができる。
【0110】またケトン(例えばアセトン、メチルエチ
ルケトン等)、又は環状エーテル系溶媒(例えばスルフ
ォレーン、ピリジン、N−メチルピロリドン、テトラヒ
ドロフラン、フルフラール等)を使用することもでき
る。
【0111】一般的に、ジメチルホルムアミド、モルホ
リンのような他の極性溶媒も使用することができる。二
酸化炭素を含有するガスの場合には、吸収工程(a) 及び
/又は(c) にプロピレンのカーボネートを含有する極性
溶媒を使うのが有利である。
【0112】酸性ガスの吸収を向上するとともに軽質炭
化水素の共吸収を減少させるために、少なくとも2種の
極性溶媒の混合物を含有する溶媒を使用することができ
る。
【0113】本発明の方法の工程(a) 及び/又は(c) に
使用する溶媒は、極性溶媒のような物理的溶媒とアミン
のような化学溶媒の両方を含有してよい。
【0114】本発明の方法の原理は、冷却下の極性溶媒
を使用する分離技術に基づく。従って、工程に導入され
る前に、特に冷却溶媒と接触させる前に、被処理ガスを
冷却することが必要である。
【0115】もし被処理ガスが水で飽和したガスである
場合、冷却の間にハイドレートが生成するおそれがあ
る。ハイドレートの生成を防止するために、被処理天然
ガスは、脱酸又は吸収工程(a) に供給される前に、極性
溶媒の存在下で冷却される。富ガスの場合には、脱酸又
は吸収工程(a) は、炭化水素に富む液相及び溶媒に富む
水性液相を生成する。溶媒に富むこの水性相はリサイク
ルされ、被処理ガス又はその一部と向流接触することに
より、溶媒から水が分離することによりガスが溶媒で部
分的に飽和する。これにより冷却段階でハイドレートが
形成されるのが防止される。
【0116】仏国特許第2,605,241 号は、次の工程:特
に脱水、特にLPG画分を含む炭化水素に富む液相の分
離、及び溶媒相の再生を特に単一の操作で実施する場合
の有利な点を記載している。
【0117】図9に示す本発明の方法を実施する第二実
施例は、天然ガス又はLPGの液状画分の輸送又は貯蔵
のために必要な条件を満たすように、少なくともある程
度までメタン、エタン及び被処理天然ガスに溶解した酸
性ガスを除去することができる。
【0118】この目的及び別の目的のために、液状画分
又はLPGは第一脱メタン工程に送給され、例えば減圧
及び/又は昇温により第一脱メタン工程を行い、メタン
に富むガス相を生成する。メタンに富むガス相は、LP
G画分から除去され、脱エタンの第二工程に送給され
る。第二工程では、少なくとも残留メタンのほとんど、
エタン及び酸性ガスがメタン及びエタン以外の炭化水素
から分離されることが分かった。
【0119】以下の実施例は、高級炭化水素及び酸性ガ
ス(主として硫化水素H2 S及び二酸化炭素CO2 から
なる)を含有する天然ガスの処理に関する。その天然ガ
スの組成は、例えば体積%により表すと以下の通りであ
る。
【0120】水: 0.14 窒素: 0.663 二酸化炭素: 3.934 硫化水素: 3.425 メタン: 64.881 エタン: 12.032 プロパン: 7.182 イソブタン: 1.489 ブタン: 2.528 イソペンタン: 0.837 ペンタン: 0.802 ヘキサン: 0.708 オクタン: 1.360
【0121】被処理ガスは、例えば43℃の温度、6.9MPa
の圧力レベル及び20,240トン/hr の流速で導入される。
【0122】水で飽和したガスは、パイプ 105及び弁又
はバイパスVB を通過し、ガス流の約50%は接触部Cに
送入され、残りの50%はバイパスする。接触部Cに送入
された流れの50%は、例えば65重量%のメタノールのよ
うな溶媒と35重量%の水との混合物からなる液相と向流
接触する。この液相は、72.7kg/hr の流速、6.97MPaと
ほぼ等しい圧力及び約43℃の温度で導入される。被処理
天然ガスの流速は液相の流速より実質的に速いので、メ
タノールは蒸発し、(天然ガスの)ガス相に連行され、
一方このようにメタノールから除去された水は、接触部
Cの底部に捕集され、パイプ106 により例えば28.1kg/h
r の流速で放出される。その際水は100ppm体積のメタノ
ールを含有するだけである。
【0123】この接触工程の後に、ガス相はパイプ107
を経て接触部Cのヘッドから取り出され、一方でバイパ
スガスの一部と混合されるとともに、他方で下記の種々
の工程から得られたリサイクルガスの少なくとも一部と
混合される。これらの部分は、交換器EC1 で予備冷却
され、次いでパイプ108 によりセパレーターフラスコB
1 に送入される前に、例えば冷却流体を使うことにより
熱交換器EC2 内で−25℃の温度に冷却される。
【0124】このように、冷却工程により、フラスコ内
で3つ以上の炭素原子を有する炭化水素に富むLPG画
分を分離することができるとともに、交換器EC1 に来
る全てのガス中に含有された水及びメタンの大部分、及
び2つ以上の炭素原子を有する炭化水素のいくつかが除
去されたガス相を分離することができる。
【0125】水分が少ないこのガス相は、パイプ109 に
より放出され、上記異なる工程(a)、(b) 、(c) 及び(d)
に送給される。
【0126】65重量%のメタノール及び35重量%の水か
らなる液相は、72.7kg/hr の流速でパイプ110 を経てフ
ラスコB1 から除去され、ポンプPにより接触部Cにリ
サイクルされる。その水量は、例えば脱水前のガス中の
水分に相当する。
【0127】フラスコB1 で得られたLPG画分は、3,
681kg/h の流速、−25℃の温度及び6.9MPaの圧力レベル
でパイプ111 より取り出される。その組成(体積基準)
は、例えば以下の通りである。
【0128】水: 0.0042 メタノール: 0.2787 窒素: 0.1132 二酸化炭素: 3.211 硫化水素: 5.70 メタン: 26.97 エタン: 16.835 プロパン: 16.494 イソブタン: 5.029 ブタン: 8.076 イソペンタン: 3.481 ペンタン: 3.487 ヘキサン: 2.898 オクタン: 7.417
【0129】酸性ガス、メタン及びエタンを含有するこ
のLPG画分は、弁V9 を通って3.25MPa の圧力に膨張
し、脱メタン化フラスコDMに送給される。脱メタン化
フラスコの出口で、75重量%以上のメタンを含有する富
化したガス相は、パイプ112 を通って放出され、圧縮器
3 により再圧縮されて、パイプ113 により交換器EC
1 の上流にリサイクルされる。その流速は例えば744.5k
g/hrである。
【0130】脱メタン化フラスコで生成された液相は、
パイプ114 を経て例えば、2936.7kg/hr の流速でフラス
コから除去され、弁V10を通って1.25MPa の圧力に膨張
し、パイプ115 を経て−62.5℃の温度で塔DETのヘッド
に入る。
【0131】この塔のボイラーBは、例えば69℃の温度
に加熱され、ある用途には塔はヘッドに凝縮器を有して
もよい。このように行われた脱エタン処理により、3つ
未満の炭素原子を有する炭化水素を大いに分離すること
ができ、かつ高級炭化水素を酸性ガスで富化することが
できることを発見した。
【0132】酸性ガスに富む蒸気相は、−9 ℃の温度及
び1,335 kg/hr の流速でパイプ116を経て塔のヘッドか
ら取り出され、20重量%以上の酸性ガス、32重量%のメ
タン、40重量%のエタン及び僅か7.5 重量%の炭化水素
(2つを超える炭素原子を有する)を含有する。この蒸
気相は、圧縮器K3 及びK4 により再圧縮され、パイプ
113により交換器EC1 の上流にリサイクルされる。
【0133】脱エタン工程中に生成された液相は、例え
ば1601.6 kg/hrの流速でパイプ117を経て塔DETの底部
から取り出される。液相は次の組成(重量%)を有す
る。
【0134】二酸化炭素: 0.000% 硫化水素: 0.002 エタン: 0.0006 プロパン: 31.00 イソブタン: 11.00 ブタン: 17.85 イソペンタン: 7.90 ペンタン: 7.95 ヘキサン: 6.65 オクタン: 17.04
【0135】この実施例は、脱酸され、完全に安定化さ
れたLPGを生成する可能性をいかに発見したかを完全
に説明する。天然ガスの処理は、一般に製造上制約され
る圧力レベルで行い、特にその圧力レベルは、例えば天
然ガス油田の製造圧力に等しいレベル、又はガスパイプ
により天然ガスを輸送する圧力に等しいレベルを意味す
る。一般的に、本発明の方法の吸収工程(a) は、好まし
くは1MPa 乃至20MPaの圧力レベルで行う。工程(a) を
行う温度は、5℃乃至−50℃が好ましい。
【0136】第二吸収工程、すなわち酸性ガスの洗浄工
程(c) の圧力レベルは、一般に工程(a) を行う圧力より
低いレベルに設定し、そのレベルでは、工程(c) から得
られた炭化水素に富むガス相を工程の上流にリサイクル
するために容易に圧縮できる。この圧力レベルは 0.4M
Pa乃至2MPa の範囲内が好ましい。
【0137】工程(a) から得られたガス相及び/又は工
程(c) から得られたガス相を再生するエネルギーを相当
に節減するために、垂直プレート式交換器を使用して蒸
留工程を実施するのが有利である。垂直プレート式交換
器は、熱交換と物質の移送が同時に行なわれる交互チャ
ンネルのネットワークを有する。
【0138】冷却されながら塔底部から塔頂部に循環す
る貧溶媒相と、生成された蒸気相と向流接触しながら塔
頂部から塔底部に循環する富溶媒相との熱交換により、
2つの相間で物質の移送とともに、隣接するチャネルを
流れる再生された溶媒相との熱交換が同時に起こる。
【0139】本発明の方法により、天然ガスに含有され
た酸性ガスのみならず、精製ガス又は炭化水素及び酸性
ガスの両方を含有するガス状流出物も除去することがで
きる。H2 S及びCO2 とともに、化学式R−SHで表
されるメルカプタン、COS及びCS2 のような酸性ガ
スも除去することができる。
【0140】本発明の方法の種々の工程は、ガス相及び
液相の間で物質の転移を行うことができる接触域を有す
る塔で行うことができる。この目的のために、接触域に
多孔板、布又はフィンを設けることができ、或いはマト
リックスを有する連続接触域とすることもできる。この
マトリックスは、ラシヒリング、ポールリング又はバー
ルサドルのような当業者に公知の要素で作ることができ
る。マトリックスはまた布、編布又は多孔及び/又は波
形のシートから形成された形状とすることができる。
【0141】これらのプレート又はマトリックスは、セ
ラミックス、アルミニウム、ステンレススチール又はプ
ラスチック材料のような種々の材料で作ることができ
る。また公知の静的ミキサーを使用することもできる。
これらのミキサーは一般にクロスブレードのネットワー
クにより形成されており、ブレードは平行流で循環する
ガス相及び液相の間に内管を形成し、2つの交差ブレー
ドはセパレーターの出口で分離される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法の原理を概略的に示す。
【図2】 種々の再生工程に対して改善がなされた一実
施例を示す。
【図3】 種々の再生工程に対して改善がなされた別の
実施例を示す。
【図4】 種々の再生工程に対して改善がなされたさら
に別の実施例を示す。
【図5】 極めて高濃度の酸性ガスを得る方法を概略的
に示す。
【図6】 ガスから多量の酸性ガスを除去する実施例を
示す。
【図7】 共吸収された炭化水素の改善された除去方法
の例を概略的に示す。
【図8】 本発明の方法の実施例を概略的に示す。
【図9】 本発明の方法の別の実施例を概略的に示す。
【符号の説明】
B ・・・・・・ ボイラー BS1 ・・・・ セパレーターフラスコ C1 ,C2 ・・ 吸収塔(接触部) D1 ,D2 ・・ 蒸留塔 DE410 ・・ 蒸留塔 DET ・・・・・ 塔 DM ・・・・・ 脱メタン化フラスコ E1 〜E4 ・・ 熱交換器 K1 ,K3 ・・ 圧縮器 P1 ,P2 ・・ ポンプ T1 ・・・・・ タービン V1 〜V6 ・・ 膨張弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 53/14 103 53/40 53/77 (72)発明者 ジョセフ ラルー フランス国 78240 ジャンブルシイ グ ランド ルュー97番 レジダンス デュ ボア ド ラ フェルム (72)発明者 アレクサンドル ロジェイ フランス国 92500 リイル マルメゾン ルュー アレクサンドル デュマ 52番

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも部分的に酸性ガスを除去する
    とともに、少なくとも一種の高濃度の酸性ガスを生成す
    る目的で、少なくとも一種の炭化水素及び少なくとも一
    種の酸性ガスを含有するガスを処理する方法において、
    (a) ガスを冷却し、室温以下の温度で少なくとも一種の
    極性溶媒及び水を含有する溶媒相の第一混合物と接触さ
    せ、もって酸性ガスに富み炭化水素を溶液状に含有する
    溶媒相の第一画分、及び酸性ガス量が少ない気体画分を
    生成し、(b) 工程(a) から得られた酸性ガスに富む溶媒
    相の第一画分を減圧及び/又は昇温により再生して、酸
    性ガスに富み炭化水素を含有する気体画分、及び酸性ガ
    ス量が少なく工程(a) にリサイクルすべき溶媒相を生成
    し、(c) 工程(b) から得られた酸性ガスに富む気体画分
    を、少なくとも一種の極性溶媒及び水を含有する溶媒相
    の第二混合物と接触させて、炭化水素に富む気体画分及
    び酸性ガスに富む溶媒相の第二画分を生成し、(d) 工程
    (c) から得られた酸性ガスに富む溶媒相の第二画分を、
    減圧及び/又は昇温により再生して、工程(b) で分離し
    た気体画分より高濃度の酸性ガスを有する気体画分、及
    び工程(c) にリサイクルすべき溶媒相の第二画分を生成
    することを特徴とする処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の処理方法において、溶
    媒相の第二混合物は、工程(a) 中に使用する第一混合物
    に含有されたのと同じ極性溶媒を含有することを特徴と
    する処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の方法において、溶媒相
    のこの第二画分中の水分は、溶媒相のこの第一画分の水
    分と少なくとも等しいことを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 上記請求項のいずれかに記載の方法にお
    いて、工程(b) は、工程(a) を行う圧力レベルと工程
    (d) を行う圧力レベルとの間の中間的な圧力レベルで行
    うことを特徴とする方法。
  5. 【請求項5】 上記請求項のいずれかに記載の方法にお
    いて、溶媒相の第二画分を、工程(c) を行う圧力レベル
    より低い圧力レベルで膨張させるだけで工程(d) で再生
    することを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】 上記請求項のいずれかに記載の方法にお
    いて、溶媒相の第一及び/又は第二画分を、工程(c) を
    行う圧力レベルより低い圧力レベルで蒸留工程を行うこ
    とにより再生することを特徴とする方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の方法において、溶媒相
    の画分の1つを、蒸留と同時に、徐々に加熱される溶媒
    相の画分と再生により生じる溶媒相とを熱交換すること
    により再生し、再生される溶媒相と向流状態で循環する
    ことにより冷却することを特徴とする方法。
  8. 【請求項8】 上記請求項のいずれかに記載の方法にお
    いて、工程(c) から来た溶媒相の第二画分に、膨張によ
    る中間的な再生工程を実施し、工程(d) に入る前に工程
    (c) で炭化水素を富化したガス相を生成することを特徴
    とする方法。
  9. 【請求項9】 上記請求項のいずれかに記載の方法にお
    いて、工程(a) から来た溶媒相の第一画分を、工程(a)
    を行う圧力レベルと工程(b) を行う圧力レベルととの間
    の中間的な圧力レベルで再生し、もって炭化水素に富む
    気体画分を生成することを特徴とする方法。
  10. 【請求項10】 上記請求項のいずれかに記載の方法にお
    いて、それぞれ工程(c) と工程(b) から得られた第一及
    び第二気体画分を圧縮して、工程(a) にリサイクルする
    ことを特徴とする方法。
  11. 【請求項11】 上記請求項のいずれかに記載の方法にお
    いて、工程(b) から来た気体画分を、工程(c) に送給す
    る前に圧縮することを特徴とする方法。
  12. 【請求項12】 上記請求項のいずれかに記載の方法にお
    いて、処理ガスは二酸化炭素及び硫化水素から選ばれた
    少なくとも一種の酸性ガスを含有することを特徴とする
    方法。
  13. 【請求項13】 上記請求項のいずれかに記載の方法にお
    いて、処理ガスは少なくとも二酸化炭素及び硫化水素を
    含有し、溶媒相の第二画分の流速は、工程(c) の末端で
    硫化水素が実質的に除去された気体画分を得るの十分に
    高いレベルに維持するとともに、この気体画分中の二酸
    化炭素の比較的高い濃度を維持するのに十分に低いレベ
    ルに維持することを特徴とする方法。
  14. 【請求項14】 上記請求項のいずれかに記載の方法にお
    いて、工程(a) 及び(c) で使う極性溶媒を、メタノー
    ル、アルコール又はエーテル、ポリエチレングリコール
    エーテル又はプロピレンのカーボネートから選ぶことを
    特徴とする方法。
  15. 【請求項15】 上記請求項のいずれかに記載の方法にお
    いて、工程(a) 及び(c) で使う極性溶媒は、少なくとも
    2種類の極性溶媒を含有することを特徴とする方法。
  16. 【請求項16】 上記請求項のいずれかに記載の方法にお
    いて、工程(a) 及び(c) で使用する極性溶媒は、1種類
    の極性溶媒及びアミンを含有することを特徴とする方
    法。
  17. 【請求項17】 上記請求項のいずれかに記載の方法にお
    いて、溶媒相の第一画分中の水分は、第一画分の少なく
    とも10体積%であることを特徴とする方法。
  18. 【請求項18】 上記請求項のいずれかに記載の方法にお
    いて、溶媒相の第二画分中の水分は溶媒相の第一画分中
    の水分より多く、好ましくは少なくとも30%多いことを
    特徴とする方法。
  19. 【請求項19】 上記請求項のいずれかに記載の方法にお
    いて、天然ガスを工程(a) に送給する前に極性溶媒の存
    在下で冷却し、工程(a) に送給するガス相と炭化水素に
    富む液相と溶媒に富む水性液相とを生成することを特徴
    とする方法。
  20. 【請求項20】 上記請求項のいずれかに記載の方法にお
    いて、水を、処理ガスの少なくとも一つの画分と向流接
    触させることにより極性溶媒から分離することを特徴と
    する方法。
  21. 【請求項21】 上記請求項のいずれかに記載の方法にお
    いて、ガスは液状炭化水素(LPG)の少なくとも一つ
    の画分を含有し、前記画分を脱メタン工程(減圧及び/
    又は昇温される)に送給し、次いで脱エタン工程に送給
    して、液状炭化水素相中の残りのメタンとエタンと酸性
    ガスを少なくとも部分的に分離することを特徴とする方
    法。
  22. 【請求項22】 上記請求項のいずれかに記載の方法にお
    いて、工程(a) を1 MPa乃至20 MPaの圧力レベルで行う
    ことを特徴とする方法。
  23. 【請求項23】 上記請求項のいずれかに記載の方法にお
    いて、工程(a) を+5℃乃至+50℃の温度で行うことを
    特徴とする方法。
  24. 【請求項24】 上記請求項のいずれかに記載の方法にお
    いて、工程(c) を0.4 MPa乃至2 MPaの圧力レベルで行
    うことを特徴とする方法。
  25. 【請求項25】 上記請求項のいずれかに記載の方法にお
    いて、工程(a) 及び(c) で使う溶媒相混合物の画分の少
    なくとも一つを蒸留するとともに、交互流路を有する垂
    直プレート式交換器で熱交換することにより再生し、前
    記交互流路では、蒸留工程中に生成された液相と気相と
    の間で向流接触を起こすとともに、再生により得た溶媒
    相を流し、この溶媒相を向流状態で循環する再生中に溶
    媒相で冷却することを特徴とする方法。
  26. 【請求項26】 上記請求項のいずれかに記載の方法にお
    いて、溶媒相混合物の一方又は両方の画分の膨張エネル
    ギーを、タービンにより機械的エネルギーに変換するこ
    とを特徴とする方法。
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