JPH0848937A - 新規塑性加工コート剤組成物 - Google Patents

新規塑性加工コート剤組成物

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JPH0848937A
JPH0848937A JP6201517A JP20151794A JPH0848937A JP H0848937 A JPH0848937 A JP H0848937A JP 6201517 A JP6201517 A JP 6201517A JP 20151794 A JP20151794 A JP 20151794A JP H0848937 A JPH0848937 A JP H0848937A
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JP
Japan
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polyoxyethylene
ether
coating agent
plastic working
water
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Pending
Application number
JP6201517A
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English (en)
Inventor
Shigeo Terada
茂穂 寺田
Teruaki Onishi
輝明 大西
Yoshinobu Komiyama
慶信 込山
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Cosmo Oil Co Ltd
MA Aluminum Corp
Original Assignee
Mitsubishi Aluminum Co Ltd
Cosmo Oil Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記式(1)のポリオキシエチレンエーテル R−O−(CH2CH2O)n−H (1) (式中、Rは、アルキル基、アルケニル基、アルキルフ
ェニル基又はラノリン残基を表し、nは5以上の整数を
表す。)とステアリン酸金属塩及び水溶性樹脂を含有す
ることを特徴とする塑性加工コート剤組成物。 【効果】 塑性成形性、特にプレス成形性向上に極めて
有効であり、さらに塗布時の乾燥性に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プレス成形性などの塑
性加工性を損ねることなく、塗布時の乾燥性に優れる塑
性加工コート剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に自動車ボディパネルのプレス成形
工程では、成形を円滑化するために鋼板材料に潤滑油が
使用されており、通常、この潤滑油としては後工程にお
ける脱脂効率を考慮して防錆油と呼ばれる低粘度油が広
く用いられている。しかし、自動車ボディパネル用のア
ルミニウム合金板は、従来の冷延鋼板に比べて成形性が
非常に悪く、前記のような潤滑油を用いても製品形状に
よってはプレス割れを生じることがある。プレス割れを
防ぐには、プレス成形時に材料と金型の間の摩擦を低減
することが有効である。これらの対策としてプレス油と
呼ばれる高粘度油、コート剤及びポリ塩化ビニル(PV
C)のフィルムが用いられることもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、高粘度のプレ
ス油やコート剤の使用は、後工程である脱脂工程での脱
脂処理性を低下させる欠点がある。また、ポリ塩化ビニ
ル(PVC)のフィルムでは、前に述べた後工程の前に
剥離作業をする必要があるなど、いずれも量産化に対し
ては有効な手段ではない。また、コート剤を使用する場
合、コート剤のアルミニウム合金板への塗膜性も実用的
に考慮しなければならない性能の一つである。すなわ
ち、塗布時の乾燥性及び塗布後のチョーキング性が量産
化に必要な性能の一つである。このため、本発明は、自
動車ボディパネルに用いるアルミニウム合金板のプレス
成形などのプレス成形向上性能を始めとする塑性加工性
を損ねることなく、塗布時の乾燥性に優れた塑性加工コ
ート剤組成物、さらには塑性加工性及び及び脱脂性を損
ねることなく、塗布時の乾燥性及び塗布後のチョーキン
グ性などの塗膜性に優れた塑性加工コート剤組成物を提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、アルミニウム合金板などのプレス成
形においてプレス成形性を向上させるために最適なコー
ト剤について研究を重ねた結果、特定のポリオキシエチ
レンエーテルとステアリン酸金属塩及び水溶性樹脂を配
合したものが、塑性加工性、特にプレス成形性を損ねる
ことなく、塗布時の乾燥性に優れていることを見い出
し、特にその水溶性樹脂としてポリアクリル酸アルカリ
金属塩又はポリアクリル酸アルカリ土類金属塩を使用す
ると、組成加工性、脱脂性及び塗膜性に優れていること
を見い出し、これらの知見に基づいて本発明を完成する
に至った。
【0005】すなわち、本発明は、下記式(1)のポリ
オキシエチレンエーテル
【0006】
【化2】 R−O−(CH2CH2O)n−H (1)
【0007】(式中、Rは、アルキル基、アルケニル
基、アルキルフェニル基又はラノリン残基を表し、nは
5以上の整数を表す。)とステアリン酸金属塩及び水溶
性樹脂を含有することを特徴とする塑性加工コート剤組
成物を提供するものである。以下、本発明を詳細に説明
する。
【0008】本発明の塑性加工コート剤組成物において
使用されるポリオキシエチレンエーテルは、化3の式
(1)の化合物である。
【0009】
【化3】 R−O−(CH2CH2O)n−H (1)
【0010】(式中、Rは、アルキル基、アルケニル
基、アルキルフェニル基又はラノリン残基を表し、nは
5以上の整数を表す。) 式(1)のRは、炭素数12以上のものが好ましく、特
に炭素数16〜18のものが好ましい。また、nは20
〜80の整数が好ましく、さらに好ましくは20〜70
の整数であり、特に40〜60の整数が好ましい。ま
た、これらのポリオキシエチレンエーテルは、HLB値
が8以上のものが好ましく、特に12以上のものが好ま
しい。なお、式(1)のRのラノリン残基は、ラノリン
アルコールから水酸基を除いたものをいう。
【0011】これらのポリオキシエチレンエーテルの具
体例としては、例えばポリオキシエチレンオクチルエー
テル、ポリオキシエチレンノニルエーテル、ポリオキシ
エチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンウンデシ
ルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポ
リオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチ
レンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンペンタデ
シルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポ
リオキシエチレンヘプタデシルエーテル、ポリオキシエ
チレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノナデ
シルエーテル、ポリオキシエチレンオクテニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンノネニルエーテル、ポリオキシ
エチレンデセニルエーテル、ポリオキシエチレンウンデ
セニルエーテル、ポリオキシエチレンドデセニルエーテ
ル、ポリオキシエチレントリデセニルエーテル、ポリオ
キシエチレンテトラデセニルエーテル、ポリオキシエチ
レンペンタデセニルエーテル、ポリオキシエチレンヘキ
サデセニルエーテル、ポリオキシエチレンヘプタデセニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポ
リオキシエチレンノナデセニルエーテル、ポリオキシエ
チレンエイコセニルエーテル、ポリオキシエチレンペン
チルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヘキシルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンヘプチルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンカプリルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシ
エチレンデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
ウンデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウ
リルフェニルエーテル、ポリオキシエチレントリドデシ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンペンタデシルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコール
などやこれらの構造異性体などが挙げられ、好ましくは
ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチ
レンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリル
エーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコールなど
である。なお、ポリオキシエチレンエーテルは、1種単
独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いても
よい。
【0012】ステアリン酸金属塩としては、ステアリン
酸の種々の金属塩が使用できるが、ステアリン酸のカル
シウム塩、アルミニウム塩、ナトリウム塩、カリウム
塩、リチウム塩、亜鉛塩などが好適に挙げられ、さらに
好ましくはステアリン酸のカルシウム塩である。ステア
リン酸金属塩は、1種単独で用いてもよいし、2種以上
を組み合わせて用いてもよい。ポリオキシエチレンエー
テルとステアリン酸金属塩の配合割合は、重量比で通常
1:9〜9:1の割合であり、好ましくは2:8〜8:
2の割合であり、さらに好ましくは3:7〜7:3の割
合であり、特に好ましくは5:5〜4:6の割合であ
る。ステアリン酸金属塩の配合割合がポリエチレンエー
テルに対して重量比で1/9未満であると、乾燥性及び
乾燥後の操作性が劣る傾向があり、9を超えると金属表
面から剥離し易くなるという難点を有する。
【0013】水溶性樹脂としては、種々のものが使用で
きるが、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カ
リウム、ポリアクリル酸リチウムなどのポリアクリル酸
アルカリ金属塩、ポリアクリル酸マグネシウム、ポリア
クリル酸バリウムなどのポリアクリル酸アルカリ土類金
属塩、アクリルアミドポリマー、ポリアクリル酸、ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテルなどが挙
げられ、好ましくはポリアクリル酸ナトリウム、ポリア
クリル酸カリウム、ポリアクリル酸リチウムなどのポリ
アクリル酸アルカリ金属塩、ポリアクリル酸マグネシウ
ム、ポリアクリル酸バリウムなどのポリアクリル酸アル
カリ土類金属塩、アクリルアミドポリマーであり、さら
に好ましくはポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル
酸カリウム、ポリアクリル酸リチウムなどのポリアクリ
ル酸アルカリ金属塩、ポリアクリル酸マグネシウム、ポ
リアクリル酸バリウムなどのポリアクリル酸アルカリ土
類金属塩であり、特に好ましくはポリアクリル酸ナトリ
ウム、ポリアクリル酸カリウム、ポリアクリル酸リチウ
ムである。水溶性樹脂として、ポリアクリル酸アルカリ
金属塩又はポリアクリル酸アルカリ土類金属塩を使用す
ると、塑性加工性のみならず、脱脂性をも損ねることな
く、塗布時の乾燥性及び塗布後のチョーキング性などの
塗膜性に優れている。水溶性樹脂は、1種単独で用いて
もよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0014】ポリオキシエチレンエーテルとステアリン
酸金属塩に水溶性樹脂を併用することで、ステアリン酸
金属塩の配合割合がポリエチレンエーテルに対して重量
比で1/4未満である場合において、乾燥性及び乾燥後
の操作性が改善され、ステアリン酸金属塩の配合割合が
ポリエチレンエーテルに対して重量比で4を超える場合
に金属表面からの剥離も改善される。また、ステアリン
酸金属塩の配合割合がポリエチレンエーテルに対して重
量比で1/4〜4においても、乾燥性及び乾燥後の操作
性がさらに改善される。ポリオキシエチレンエーテルと
ステアリン酸金属塩の二成分に対する水溶性樹脂の配合
割合は、前記の割合で配合するポリオキシエチレンエー
テルとステアリン酸金属塩の合計量と水溶性樹脂の重量
比で、通常5:5〜39:1であり、好ましくは7:3
〜19:1の割合である。
【0015】水溶性樹脂がポリアクリル酸ナトリウムの
場合、前記の割合で配合するポリオキシエチレンエーテ
ルとステアリン酸金属塩の合計量と水溶性樹脂の重量比
で、通常5:5〜39:1であり、好ましくは7:3〜
19:1の割合である。水溶性樹脂の割合が多くなる
と、成形性が低下するので好ましくない。また、水溶性
樹脂のポリアクリル酸ナトリウムの割合が少な過ぎると
塗膜性の向上が認められず好ましくない。また、水溶性
樹脂がポリアミドポリマーの場合、前記の割合で配合す
るポリオキシエチレンエーテルとステアリン酸金属塩の
合計量と水溶性樹脂の重量比で、通常5:5〜39:1
であり、好ましくは8:2〜19:1の割合である。水
溶性樹脂の割合が多くなると、成形性が低下するので好
ましくない。また、水溶性樹脂の割合が少な過ぎるとチ
ョーキング性の向上が認められず、好ましくない。
【0016】本発明の塑性加工コート剤組成物において
は、上記ポリオキシエチレンエーテル、ステアリン酸金
属塩及び水溶性樹脂は、通常水と共に使用される。ポリ
オキシエチレンエーテル、ステアリン酸金属塩及び水溶
性樹脂の基材成分と水の配合割合は、通常ポリオキシエ
チレンエーテル、ステアリン酸金属塩及び水溶性樹脂の
基材成分が1〜60重量%であり、水が40〜99重量
%であり、好ましくはポリオキシエチレンエーテル、ス
テアリン酸金属塩及び水溶性樹脂の基材成分が5〜40
重量%であり、水が60〜95重量%である。ポリオキ
シエチレンエーテル、ステアリン酸金属塩及び水溶性樹
脂の基材成分が、1重量%未満であると添加効果がな
く、60重量%を超えると塗布操作性が悪くなる。
【0017】本発明の塑性加工コート剤組成物には、前
記成分の他、必要に応じて他の成分、例えば、防錆剤、
消泡剤、極圧剤、酸化防止剤、酸化ワックスなどの補助
成分を適量配合することができる。防錆剤としては、種
々の防錆剤が使用でき、例えばホウ酸アミド、ポリオキ
シエチレンアルキルアミン、モルホリンなどが挙げられ
る。これらの防錆剤は、1種単独で用いてもよいし、2
種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明に使用する
消泡剤としては、水系の消泡剤が使用でき、例えば変性
シリコーンが挙げられる。これらの消泡剤は、1種単独
で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0018】上記防錆剤及び消泡剤などの補助成分の添
加量は、適宜選定すれば良いが、防錆剤の添加量は、通
常塑性加工コート剤組成物全体量の1重量%以下であ
る。本発明に使用する酸化ワックスとしては、例えば酸
化ポリエチレンワックス、酸化パラフィンワックスが挙
げられる。これらの酸化ワックスは、1種単独で用いて
もよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0019】本発明の塑性加工コート剤組成物は、前記
各成分を所定量適宜配合して混合することにより製造す
ることができる。各種成分の混合方法及び添加方法は、
特に制限されるものではなく、種々の方法により行うこ
とができ、混合順序及び添加順序も種々の混合順序及び
添加順序で行うことができる。
【0020】本発明の塑性加工コート剤組成物は、プレ
ス成形、絞り成形、引抜き成形などの各種塑性加工に使
用することができるが、特に自動車ボディパネル用の鉄
鋼板、アルミニウム合金板などのプレス成形に有効であ
り、アルミニウム合金板に対しては極めて有効に機能す
る。本発明の塑性加工コート剤組成物は、シートの塗布
も可能であるが、塗装ラインを使用してコイルで塑性加
工材に塑性加工コート剤組成物を塗布乾燥するのに特に
適している。本発明の塑性加工コート剤組成物は、塑性
加工する際に塑性加工材料に塗布することにより使用さ
れる。塗布量は、特に制限されないが、通常乾燥重量で
0.1〜10g/m2の範囲であり、好ましくは0.5
〜3g/m2の範囲である。塗布は、ハケ塗布、ロール
塗布、噴霧塗布、静電塗布、浸漬塗布など種々の塗布方
法により行うことができる。
【0021】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例によりさら
に具体的に説明する。なお、本発明は、これらの例によ
って何ら制限されるものではない。実施例及び比較例の
評価試験は、次の方法により行った。
【0022】試験材及び塗布方法 自動車ボディパネル用アルミニウム合金板(5.0%M
g−Al焼鈍材、板厚1.0mm)を用い、前処理とし
て、苛性エッチング(45℃のNaOH5%水溶液に6
秒間浸漬)、水洗、中和処理(HNO3水溶液に5秒間
浸漬)、水洗、乾燥を行った後、バーコーターNo.3
により板両面にコート剤を塗布した。塗布後、80℃×
60秒の雰囲気で乾燥し、乾燥後の塗布量、1g/m2
を得た。
【0023】エリクセン試験 コート剤を塗布した自動車ボディパネル用アルミニウム
合金板を90mm×90mmに切断し試験片として用
い、JIS Z 22447のB法の方法でエリクセン
値を求めた。また、本試験では、しわ押え力10kN、
ポンチ速度6mm/minの条件で行った。なお、エリ
クセン値は3回の測定の平均値とした。
【0024】深絞り試験 コート剤を塗布した自動車ボディパネル用アルミニウム
合金板を直径84mmの円板に切断し試験片として用
い、以下の成形条件により円筒深絞り成形を行い成形高
さを求め深絞り性を評価した。成形高さは、円筒深絞り
成形において試験片に破断が生じるまでのポンチの移動
距離で、3回の平均値とした。 成形条件: ダイス:φ42.5mm、肩R8mm ポンチ:φ40mm、肩R8mm 加工速度:60mm/min しわ押え力:2.6kN
【0025】脱脂性試験 コート剤を塗布した自動車ボディパネル用アルミニウム
合金板を1mm×75mm×150mmに切断し試験片
とし、43℃に加温したアルカリ脱脂液(日本パーカー
ライジング(株)製FC−L4428)により60秒間
のミスト洗浄を行い、水に浸漬後の試験片の表面を目視
で観察し、コート剤の残りと、水漏れ程度により下記の
3段階で判定した。 3:コート剤が除去され、水漏れが完全であり、脱脂が
良好である状態 2:コート剤は、除去されているが、水はじきがわずか
にある状態 1:コート剤の残りが認められ、水はじきが認められ、
脱脂が不良である状態
【0026】塗膜性試験(乾燥性) 前述の塗布方法により、コート剤を塗布、乾燥後のコー
ト剤の塗膜の乾燥の度合いを下記の3段階で評価し、乾
燥性の判定値とした。 3:表面は乾燥し、べたつきが全くなく、乾燥性良好。 2:表面は乾燥しているが、一部にべたつきが見られ
る。 1:表面は未乾燥で、全体的にべたつきが見られ、乾燥
性不良。
【0027】塗膜性試験(チョーキング性) 前述の塗布方法により、コート剤を塗布、乾燥後のコー
ト剤の塗膜のチョーキング性を評価した。チョーキング
性とは、乾燥後のコート剤が切断設備や、成形型などに
付着し汚すことがないか否かを評価するもので、コート
剤を塗布乾燥した試験片上で布を強くこすり、コート剤
の剥離又は布に付着した度合いで、下記の3段階により
判定した。 3:布にコート剤の付着が全く認められない。 2:布にわずかにコート剤の移着が認められるが、大部
分は試験片表面に残っている。 1:布にコート剤が付着し、試験片表面上の残りが少な
い。
【0028】実施例1 水72.4重量部と、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル(HLB値:18.2、平均n値:50)1
1.4重量部と、ステアリン酸カルシウム13.1重量
部、水溶性樹脂としてポリアクリル酸ナトリウム2.7
重量部、防錆剤のホウ酸アミド0.3重量部と、消泡剤
の変性シリコーン0.1重量部を混合して塑性加工コー
ト剤組成物を調製した。
【0029】実施例2 水76.7重量部と、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル(HLB値:18.2、平均n値:50)
8.5重量部と、ステアリン酸カルシウム9.8重量
部、水溶性樹脂としてポリアクリル酸ナトリウム4.6
重量部、防錆剤のホウ酸アミド0.3重量部と、消泡剤
の変性シリコーン0.1重量部を混合して塑性加工コー
ト剤組成物を調製した。
【0030】実施例3 水79.9重量部と、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル(HLB値:18.2、平均n値:50)
6.4重量部と、ステアリン酸カルシウム7.4重量
部、水溶性樹脂としてポリアクリル酸ナトリウム5.9
重量部、防錆剤のホウ酸アミド0.3重量部と、消泡剤
の変性シリコーン0.1重量部を混合して塑性加工コー
ト剤組成物を調製した。
【0031】実施例4 実施例1において、ポリアクリル酸ナトリウムの代わり
にアクリルアミドポリマーを使用した以外は、実施例1
と同様にして塑性加工コート剤組成物を調製した。
【0032】実施例5 実施例2において、ポリアクリル酸ナトリウムの代わり
にアクリルアミドポリマーを使用した以外は、実施例2
と同様にして塑性加工コート剤組成物を調製した。
【0033】実施例6 実施例3において、ポリアクリル酸ナトリウムの代わり
にアクリルアミドポリマーを使用した以外は、実施例3
と同様にして塑性加工コート剤組成物を調製した。
【0034】実施例7 実施例1において、ポリアクリル酸ナトリウムの代わり
にポリアクリル酸を使用した以外は、実施例1と同様に
して塑性加工コート剤組成物を調製した。
【0035】実施例8 実施例1において、ポリアクリル酸ナトリウムの代わり
にポリビニルアルコールを使用した以外は、実施例1と
同様にして塑性加工コート剤組成物を調製した。
【0036】実施例9 実施例1において、ポリアクリル酸ナトリウムの代わり
にポリビニルメチルエーテルを使用した以外は、実施例
1と同様にして塑性加工コート剤組成物を調製した。
【0037】比較例1 水89.6重量部と、水溶性樹脂としてポリアクリル酸
ナトリウム10.0重量部、防錆剤のホウ酸アミド0.
3重量部と、消泡剤の変性シリコーン0.1重量部を混
合して塑性加工コート剤組成物を調製した。
【0038】比較例2 比較例1において、ポリアクリル酸ナトリウムの代わり
にアクリルアミドポリマーを使用した以外は、比較例1
と同様にして塑性加工コート剤組成物を調製した。
【0039】比較例3 比較例1において、ポリアクリル酸ナトリウムの代わり
にポリアクリル酸を使用した以外は、比較例1と同様に
して塑性加工コート剤組成物を調製した。
【0040】比較例4 比較例1において、ポリアクリル酸ナトリウムの代わり
にポリビニルアルコールを使用した以外は、比較例1と
同様にして塑性加工コート剤組成物を調製した。
【0041】比較例5 比較例1において、ポリアクリル酸ナトリウムの代わり
にポリビニルメチルエーテルを使用した以外は、比較例
1と同様にして塑性加工コート剤組成物を調製した。上
記実施例1〜9及び比較例1〜5のコート剤組成物を用
いて各試験を行った。その結果を表1に示した。なお、
表1〜3において、配合組成を示す数値の単位は、重量
部である。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【発明の効果】本発明の塑性加工コート剤組成物は、塑
性成形性、特にプレス成形性向上に極めて有効であり、
さらに塗布時の乾燥性に優れている。従って、本発明の
塑性加工コート剤組成物は、実用上極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 込山 慶信 静岡県裾野市平松85

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)のポリオキシエチレンエー
    テル 【化1】 R−O−(CH2CH2O)n−H (1) (式中、Rは、アルキル基、アルケニル基、アルキルフ
    ェニル基又はラノリン残基を表し、nは5以上の整数を
    表す。)とステアリン酸金属塩及び水溶性樹脂を含有す
    ることを特徴とする塑性加工コート剤組成物。
  2. 【請求項2】 水溶性樹脂がポリアクリル酸アルカリ金
    属塩又はポリアクリル酸アルカリ土類金属塩である請求
    項1記載の塑性加工コート剤組成物。
JP6201517A 1994-08-04 1994-08-04 新規塑性加工コート剤組成物 Pending JPH0848937A (ja)

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