JPH084885Y2 - パウダー容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、化粧料粉末を収容するパウダー容器に関
する考案である。

〔従来の技術〕

一般に、粉末状の化粧料は、固形化されてコンパクト
等の容器に収容され、化粧用ブラシあるいはパフ等を用
いて上記化粧料を移し取り化粧することが行われてい
る。しかしながら、上記のような固形化粧料では、一回
にブラシ等に移し取ることのできる量が少ないため、化
粧料をブラシに移し取ることを繰り返し行わなければな
らず動作が煩雑になるとともに、化粧料と化粧用ブラシ
が別々であるため、不使用時の保管および携帯が不便で
あるという問題を有している。そこで、最近では、第４
図に示すように、化粧料粉末を内部に収容したパウダー
容器１が提案されている。すなわち、図において、２は
カートリツジ容器、３は有天円筒状で天井部上面にブラ
シ毛４が植設され、上記カートリツジ容器２の首部に取
り付けられたキヤツプ、５は上記キヤツプ３の天井部の
略中央に形成された貫通孔、６は上記貫通孔５の周縁を
上方に延ばして植立された送出管、７は上記キヤツプ３
の裏面に装着された多数の気孔を有するスポンジ体、８
は上記ブラシ毛４を蓋するための蓋体である。このパウ
ダー容器１を用いて化粧を行う場合、まず、ブラシ毛４
の毛先を下向きにしてカートリツジ容器２を手指で押圧
する。これにより、カートリツジ容器２内の化粧料粉末
がスポンジ体７の微細気孔を通つてキヤツプ３の送出管
６に圧送され、ブラシ毛４の毛先に送出される。つい
で、その状態でブラシ毛４を化粧する部分に軽く押しあ
てて移動させることにより化粧を行うことができる。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記のようなパウダー容器１では、化
粧料の供給部に開閉機構を有していないため、蓋体８で
蓋した状態であつても、パウダー容器１を押圧，落下等
させると化粧料粉末が貫通孔５からブラシ毛４および蓋
体８の内部に不用意に流出してしまうという欠点があ
る。また、この状態で蓋体８を取り外すと、ブラシ毛４
および蓋体８の内部に流出している化粧料粉末が散乱し
衣服等を汚してしまうことも生じる。

この考案は、このような事情に鑑みなされたもので、
化粧料粉末の供給部に開閉機構が設けられた使い勝手の
良いパウダー容器の提供をその目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するため、この考案のパウダー容器
は、胴部が可撓性になつている化粧料粉末収容中空容器
の首部の内部に板状部が横設され、この板状部の上面の
略中央に栓体が立設されているとともにその外周に化粧
料通過用の穴部が形成され、上記中空容器の開口を有す
る上端面に、中央部に上記開口に嵌合する連通管を有す
る基台が弾性材を介して進退自在に設けられ、この基台
の外周部に摺接した状態で上記中空容器の上端面の周縁
からガイド筒部が上方に延び、この基台の外周部の一部
が上記ガイド筒部に軸方向に沿つて設けた長穴から突出
する操作片に形成され、中空容器を蓋するキヤツプ形蓋
体の冠着により、その下端で上記操作片を下方に押し下
げ基台の連通管の下端を栓体に嵌合して栓し、蓋体の取
り外しにより開栓するようになつているという構成をと
る。

〔作用〕

すなわち、この考案のパウダー容器において、化粧料
粉末を取り出す場合、まず、蓋体をパウダー容器から取
り外す。これにより、基台が弾性材の弾力によつて上昇
し、その操作片が中空容器に設けられた長穴の下端部か
ら上端部に移動するとともに、基台の連通管（それまで
キヤツプの内部の栓体に嵌合し閉栓していた）が上昇
し、開栓した状態になる。つぎに、この状態でブラシ毛
の毛先を下に向けて、中空容器を握り込む。これによ
り、中空容器の内圧が高くなり、中空容器内の化粧料粉
末が上記連通管を通つて基台の上面に圧送されてブラシ
毛に付着し、化粧可能状態となる。つぎに、化粧料粉末
の取り出しを終えたのちは、パウダー容器に蓋体を被
せ、蓋体を下方に引き下げる。これにより、操作片が蓋
体の下端で押し下げられ、それに対応して基台がガイド
筒部内を下降し、弾性材を下方に押し下げる。この基台
の下降に伴い連通管が下降してその下端が栓体に嵌合
し、閉栓した状態になる。このように、この考案のパウ
ダー容器では、蓋体の取り付け，取り外しにより、化粧
料を供給する連通管を自動的に開閉することができる。
また、蓋体を被せた状態でパウダー容器を誤つて押圧，
落下等させても化粧料粉末が不用意に流出することを防
止することができる。

つぎに、この考案を実施例にもとづいて詳しく説明す
る。

〔実施例〕

第１図は、この考案パウダー容器の一実施例の不使用
状態を示している。すなわち、このパウダー容器は、図
示のように、円筒状で可撓性の中空容器９と、上記中空
容器９の首部に取り付けられ天井部10aの外周部にガイ
ド筒部11を備えた円筒状のキヤツプ10と、ブラシ毛12が
上面に植設され上記ガイド筒部11の内部に設けられた基
台13（第２図参照）と、ブラシ毛12およびキヤツプ10を
蓋する透明なプラスチツク製の蓋体14で構成されてい
る。

上記中空容器９は、第２図に示すように、比較的軟質
なプラスチツク材からなる円筒状体で構成され、内部に
化粧料粉末15が充填されている。

上記中空容器９の首部に取り付けられる上記キヤツプ
10は、硬質のプラスチツク材からなり、先にも述べたよ
うに、天井部10aの外周にガイド筒部11を備え、このガ
イド筒部11の周壁部に軸方向に沿う長穴16が形成されて
いる。外周下端に係合用の環状の突条10bが形成されて
いる。上記キヤツプ10の内部には、それ自体の外周面が
キヤツプ10の内周面に密着した状態で有天筒状の筒体17
が設けられ、この筒体17の下端が中空容器９の開口に内
側から嵌合している。上記筒体17の内部には、多数の気
孔を有するスポンジ体18が装着され、このスポンジ体18
を抜け止めするための環状の突条19が内周下端に形成さ
れている。上記筒体17の天井部には、放射状に複数の穴
部20が形成され、天井部上面の略中央から栓体21が立設
している。また、キヤツプ10の外周下端に係合用の環状
の突条10bが形成されている。

上記キヤツプ10のガイド筒部11内に設けられた基台13
は、硬質のプラスチツク材からなる有底円筒状体で、上
記キヤツプ10の天井部10a上面に、圧縮ばね23を介して
進退自在に設けられ、かつ上記ガイド筒部11の内部を外
周部が摺接した状態で設けられている。上記基台13の外
周部の下端には、上記ガイド筒部11の長穴16を貫通し長
穴16に沿つて上下に移動する操作片24が横方向に突設さ
れている。上記基台13の底部の略中央には、送出孔25が
形成され、この送出孔25の孔周縁を上方に延ばして送出
管26が形成されている。ブラシ毛12は、上記送出管26を
囲うように上記基台13の上面に植設され、上記基台13の
周壁によつて根元を保持されている。また、上記送出孔
25の孔周縁から上記キヤツプ10の開口22内に嵌合し、中
空容器９の内部と連通する連通管27が垂設されている。
この連通管27は、上記基台13の操作片24が上記ガイド筒
部11の長穴16を昇降することに伴い昇降し、上記キヤツ
プ10の内部に立設されている栓体21によつて開栓，閉栓
されるようになつている。

上記ブラシ毛12およびキヤツプ10を蓋する蓋体14は、
透明なプラスチツク材からなる有天円筒状体で、内周面
の下端には、上記キヤツプ10の環状の突条10bと嵌合す
る溝部（図示せず）が周方向に形成されている。また、
上記蓋体14の周壁部が下端から軸方向に切欠かれ、上記
基台13の操作片24を内部に位置決めする切欠部28（第１
図参照）が形成されている。この切欠部28の上端部29
は、ブラシ毛12およびキヤツプ10に蓋体14を被せて下方
に引き下げた際に、上記基台13の操作片24に係合し操作
片24を下方に押し下げるようになつている。これに対応
して、基台13の連通管27が相対的に下降し、栓体21と嵌
合して閉栓されるようになつている。

上記のパウダー容器を使用する場合には、まず、第１
図に示す状態からキヤツプ10を上方に引き上げ、キヤツ
プ10の突条10bと蓋体14の溝ａの嵌合を解除し、蓋体14
を取り外す。これにより、操作片24をガイド筒部11の長
穴16の下端部に押し下げて固定する力が作用しなくな
る。その結果、基台13の圧縮ばね23を押し下げて固定す
る力も作用しなくなり、圧縮ばね23がそれ自身の持つ復
元力により元の状態に復元する。この復元に伴い基台13
が上方に持ち上げられ、操作片24が長穴16の下端部から
上端部に移動する。それとともに連通管27が相対的に上
昇してキヤツプ10の内部の栓体21と離間し、連通管27が
開いた状態になる（第３図参照）。つぎに、この状態
で、ブラシ毛12の毛先を下に向け中空容器９の胴部を手
指で押圧して内向きに変形させ中空容器９の内圧を高め
る。これにより、中空容器９の内部に収容されている化
粧料粉末15がキヤツプ10の筒状体17内のスポンジ体18に
圧送される。この化粧料粉末15は、スポンジ体18の微細
気孔を通過し、筒状体17の穴部20を介して筒状体17の天
井部とキヤツプ10の天井部10aの間に送り出される。そ
こから、連通管27,送出孔25,送出管26を通つて、ブラシ
毛12に導かれる。化粧に際しては、このブラシ毛12を、
化粧を行いたい部分に軽くあててこすることにより行う
ことができる。なお、中空容器９の胴部の押圧を解除す
ると、送出管26から空気が吸引され中空容器９が元の状
態に復元する。上記のようにしてパウダー容器を使用し
た後は、操作片24を蓋体14の切欠部28内に位置決めした
状態で蓋体14を被せ、操作片24を切欠部28の上端部29に
係合させる。その状態から蓋体14を圧縮ばね27の復元力
に抗して下方に引き下げ、下方に移動させる。この移動
により、操作片24が切欠部28の上端部29で押し下げられ
て長穴16の上端部から下端部に移動する。これに伴つて
連通管27が下降し、連通管27の下端が栓体21によつて閉
栓される。この状態で蓋体14の溝部とキヤツプ10の突条
10bが嵌合し、連通管27が閉栓された状態が保持され
る。そして、この状態でパウダー容器の保管がなされ
る。

なお、上記実施例では、キヤツプ10と中空容器９を別
体で形成しているが、一体的に形成したものであつても
よい。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案のパウダー容器は、蓋体を取
り外すことにより、基台が弾性材の復元力によつて上昇
するとともに基台と一体化されている連通管が上昇し開
いた状態になる。したがつて、蓋体を単に取り外すだけ
で自動的に連通管を開いた状態にすることができるた
め、化粧料粉末の取り出しが容易になる。また、不使用
時には、パウダー容器を蓋体で蓋した状態にしておくこ
とにより、パウダー容器を誤つて押圧，落下等させたり
しても、不用意に化粧料粉末が流出しなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す斜視図、第２図は上
記実施例の縦断面図、第３図は上記実施例の使用態様を
示す縦断面図、第４図は従来例を示す縦断面図である。 ９……中空容器、11……ガイド筒部、13……基台、14…
…蓋体、16……長穴、21……栓体、22……開口、24……
操作片、27……連通管

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】胴部が可撓性になつている化粧料粉末収容
   中空容器９の首部の内部に板状部が横設され、この板状
   部の上面の略中央に栓体21が立設されているとともにそ
   の外周に化粧料通過用の穴部20が形成され、上記中空容
   器９の開口22を有する上端面に、中央部に上記開口22に
   嵌合する連通管27を有する基台13が弾性材23を介して進
   退自在に設けられ、この基台13の外周部に摺接した状態
   で上記中空容器９の上端面の周縁からガイド筒部11が上
   方に延び、この基台13の外周部の一部が上記ガイド筒部
   11に軸方向に沿つて設けた長穴16から突出する操作片24
   に形成され、中空容器９を蓋するキヤツプ形蓋体14の冠
   着により、その下端で上記操作片24を下方に押し下げ基
   台13の連通管27の下端を栓体21に嵌合して栓し、蓋体14
   の取り外しにより開栓するようになつていることを特徴
   とするパウダー容器。
2. 【請求項２】上記板状部の穴部20の下側に多孔質体18が
   装着され、穴部20がその多孔質体18の気孔を介して中空
   容器９内と連通している請求項（１）記載のパウダー容
   器。
3. 【請求項３】上記基台13の上面に、上記連通管27の上端
   縁を基台13の上端から上方に延ばして形成した送出管26
   が立設している請求項（１）または（２）記載のパウダ
   ー容器。
4. 【請求項４】上記蓋体14のキヤツプ形の下端から軸方向
   に沿つて縦長の切欠部28が設けられ、この切欠部28の縦
   長の上端縁29で上記操作片24を押し下げるようになつて
   いる請求項（１）ないし（３）のいずれか一項に記載の
   パウダー容器。