JPH084885A - デフケース及びそのデフケースを用いたデファレンシャル装置 - Google Patents

デフケース及びそのデフケースを用いたデファレンシャル装置

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JPH084885A
JPH084885A JP14038594A JP14038594A JPH084885A JP H084885 A JPH084885 A JP H084885A JP 14038594 A JP14038594 A JP 14038594A JP 14038594 A JP14038594 A JP 14038594A JP H084885 A JPH084885 A JP H084885A
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JP
Japan
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torque
differential
pinion gear
coupling mechanism
sensitive
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JP14038594A
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Yasuhiko Ishikawa
泰彦 石川
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 用途別デファレンシャル装置間のデフケース
の共通化を可能とし、かつ、車両の操縦性と安定性の向
上を図ること。 【構成】 デフケース2がトルク感応型カップリング機
構3を収容する収容孔23と、回転差感応型カップリン
グ機構を収容する収容空間24とを有し、これら収容孔
23と収容空間24とが前記トルク感応型カップリング
機構3のスラスト力を受けるように設けた中間壁25に
より区画されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、デフケース及びそのデ
フケースを用いたデファレンシャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一方のトルクシャフトに空転が生
じたときに強力な差動制限力で脱出を図るデファレンシ
ャル装置としてトルク感応型カップリング機構と回転差
感応型カップリング機構とを組合せたデファレンシャル
装置が開発されている。
【0003】図6に示すデファレンシャル装置100
は、実開昭62−172842号公報に開示されてお
り、図示しないドライブシャフトに回転自在に連結した
デフケース101と、デフケース101の左右を貫通し
て回転可能に軸受された第1及び第2のトルクシャフト
105,106と、デフケース101内の左右に対向配
置されてそれぞれのトルクシャフト105,106の突
出端にスプライン係合された一対のサイドギヤ102,
103と、両サイドギヤ102,103間に直交配置さ
れ、かつ両サイドギヤ102,103に噛合したピニオ
ンギヤ104とを備えている。
【0004】そして、図において、左側サイドギヤ10
3の背面とデフケース101の内側面間には回転差感応
型カップリング機構107が組込まれ、また右側サイド
ギヤ102の背面には、サイドギヤ102とデフケース
101に交互に回転方向係合された複数のクラッチ板を
有するトルク感応型カップリング機構108が介在され
ている。
【0005】このデファレンシャル装置100は、粘性
抵抗による差動制限が行われ、差動が続いた場合には回
転差感応型カップリング機構107の作動流体の温度が
上昇し、粘性低下による差動制限作用が低下するが、温
度上昇による圧力増加に伴ってサイドギヤ103はスラ
スト方向に押圧され、サイドギヤ103とピニオンギヤ
104を介して他方のサイドギヤ102を押圧し、この
結果サイドギヤ102の背面がトルク感応型カップリン
グ機構108のクラッチ板を圧着し、クラッチ板による
強力な差動制限が行われる。
【0006】また、図7に示すデファレンシャル装置1
10は、実開昭63−78746号公報に開示されてお
り、デフケース111の内部の一側に回転差感応型カッ
プリング機構112と、トルク感応型カップリング機構
113とを有して構成されている。
【0007】このとき回転差感応型カップリング機構1
12は、デフケース111の内周に沿って配置されたア
ウタ部114と、このアウタ部114の両側に設けられ
たサイドギヤ115とつば付きスリーブ116と、アウ
タ部114に対向させて回転中心部側に設けられたイン
ナ部117とからなり、アウタ部114と、つば付きス
リーブ116とは互に固定されており、アウタ部114
とサイドギヤ115とは軸方向へ相対移動自在であり且
つ一体的に回転し、つば付きスリーブ116とインナ部
117とは相対回転自在である。
【0008】また、トルク感応型カップリング機構11
3は、つば付きスリーブ116の背面部とデフケース1
11との間に多数のクラッチ板を有して形成されてい
る。
【0009】そしてインナ部117とつば付きスリーブ
116との軸心部にはスプライン118,119が形成
されており、かつ、このスプライン118,119に
は、第1及び第2のトルクシャフト120,121がそ
れぞれスプライン係合されている。
【0010】また、サイドギヤ115にはデフケース1
11と一体で回転しながら自転可能なピニオンギヤ12
2が噛み合っており、ピニオンギヤ122にはサイドギ
ヤ115と対向する位置に他方のサイドギヤ123が噛
み合っており、かつ、サイドギヤ123の軸孔にはスプ
ラインが形成され、第1のトルクシャフト120が貫通
すると共にスプライン係合されている。
【0011】このデファレンシャル装置110は、差動
回転数の大小に応じたトルクシャフト120,121の
差動制限力と、ピニオンギヤ122とサイドギヤ11
5,123の噛合いスラスト力の大小に応じて、サイド
ギヤ背面とデフケース111間のクラッチ板を押圧する
トルク感応型の差動制限力とが行われる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、デファレン
シャル装置は用途別に設計する場合がある。すなわち、
一般にトルク感応型デファレンシャルは軽量かつアクセ
ルワークに対するレスポンスが良く、旋回性も優れてい
るのでスポーツタイプの車両に適しており、トルク感応
型+回転差感応型デファレンシャル装置は、一方軸が空
転した場合の脱出性に優れ、強力な作動制限力を必要と
するオフロードタイプの車両に適している。
【0013】しかしながら、デファレンシャル装置10
0は、回転差感応型カップリング機構107とピニオン
ギヤ104によりサイドギヤ103のスラスト方向の位
置決めを行なっているので、回転差感応型カップリング
機構107を無くした場合サイドギヤ103の組付け状
態が不安定となる。このためデファレンシャル装置10
0は回転差感応型カップリング機構107を無くしてト
ルク感応型デファレンシャル装置にするためにはデフケ
ース101をトルク感応型に見合った形状にする必要が
あり、トルク感応型と、トルク感応型+回転差感応型と
の間でデフケースを共通化できず、この結果加工コスト
が嵩むという問題点がある。
【0014】また、デファレンシャル装置110は、回
転差感応型カップリング機構112を無くした場合、ト
ルク感応型カップリング機構113の多板クラッチの押
付け力が無くなり、トルク感応型カップリング機構11
3の作動が不安定となる。このためデファレンシャル装
置110は回転差感応型カップリング機構112を無く
してトルク感応型デファレンシャル装置にするために
は、サイドギヤ115と一体となって移動してトルク感
応型カップリング機構113の多板クラッチを押付ける
押圧部材をデフケース111でセンタリングする必要が
あるので、これ自体組付の複雑化と加工コスト高を招く
という問題点を有すると共に、トルク感応型と、トルク
感応型+回転差感応型との間でデフケースを共通化でき
ず加工コストが嵩むという問題点をも有している。
【0015】いずれにしろ従来のデファレンシャル装置
100及び110は用途別のデファレンシャル装置間
(トルク感応型⇔トルク感応型+回転差感応型)でデフ
ケースの互換性を有するものではなかった。
【0016】さらに、デファレンシャル装置100,1
10は、トルク感応型カップリング機構108,113
として共に多板クラッチタイプのものが用いられている
ので入力トルクが同じでも第1及び第2のトルクシャフ
ト105,106及び120,121間のトランスファ
レシオに差が生じ、安定走行が得られない虞れがある。
【0017】すなわち、図8及び図9にそれぞれデファ
レンシャル装置100及び110の差動制限特性を示
す。図8及び図9において特性AR,AL及びCR,C
Lはそれぞれ回転差感応型カップリング機構107及び
112の無いときのデファレンシャル装置100及び1
10の差動制限特性を示し、特性BR,BL及びDR,
DLはそれぞれ回転差感応型カップリング機構107及
び112の有するときの差動制限特性を示す。ここで特
性AR,BR,CR及びDRは左車輪にスリップが生じ
たときに右車輪に送られる右軸トルクを示し、特性A
L,BL,CL、及びDLは右車輪にスリップが生じた
ときに左車輪に送られる左軸トルクを示し、各特性のト
ランスファレシオはスリップ側車軸トルクに対する反対
側車軸トルクのトルク比として示される。
【0018】なお、図8及び図9において45°の特性
Oは差動制限力を零とした場合のトランスファレシオを
示し、一方の車輪のトルクが零になると他方の車輪のト
ルクも零となって車両は駆動力を失うことを示してい
る。
【0019】このようにデファレンシャル装置100及
び110は、回転差感応型カップリング機構107及び
112の有無に拘らず左右のトランスファリレシオに差
を生じ車両の操縦性と安定性を損なう虞れがある。
【0020】本発明は前記した事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は用途別デファレンシャル装置間の
デフケースの共通化を可能とし、かつ車両の操縦性と安
定性を図ることを可能としたデフケース及びこのデフケ
ースを用いたデファレンシャル装置を提供するにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】前記した目的を達成する
ため請求項1記載のデフケースは、トルク感応型カップ
リング機構としてのピニオンギヤを収容する収容孔と、
回転差感応型カップリング機構を収容する収容空間とを
有し、これら収容孔と収容空間とが前記ピニオンギヤの
スラスト力を受けるように設けた中間壁により区画され
ていることを特徴としている。
【0022】請求項2記載のデフケースは、請求項1記
載のデフケースであって、前記中間壁が前記デフケース
と一体に設けられていることを特徴としている。
【0023】請求項3記載のデファレンシャル装置は、
エンジンの駆動力により回転するデフケースの内部空間
に、第1及び第2のトルクシャフトが前記デフケースの
回転中心と同心上に配置されると共に、前記第1及び第
2のトルクシャフトのそれぞれに共に回転するように第
1及び第2のサイドギヤが配置されており、前記デフケ
ースのケース壁に前記内部空間に連通して収容孔が形成
されており、前記収容孔の前記内部空間に連通する軸方
向の開口部に臨ませて中間壁が設けられており、トルク
感応型カップリング機構としてのピニオンギヤが、その
スラスト力を前記中間壁で受けるようにして前記収容孔
内に前記第1及び第2のトルクシャフトと平行になるよ
うに配置されており、かつ前記内部空間内の前記中間壁
と、前記収容孔と反対側の前記デフケースとの間に回転
差感応型カップリング機構の収容空間が設けられている
ことを特徴としている。
【0024】また、請求項4記載のデファレンシャル装
置は、請求項3記載のデファレンシャル装置であって、
前記ピニオンギヤが相互に噛合うショートピニオンギヤ
とロングピニオンギヤとからなり、前記ロングピニオン
ギヤが前記回転差感応型カップリング機構の収容空間に
位置して前記第1のトルクシャフトにスプライン係合し
た第1のサイドギヤに噛合しており、かつ前記ショート
ピニオンギヤが前記第2のトルクシャフトにスプライン
係合した第2のサイドギヤに噛合していることを特徴と
している。
【0025】さらに、請求項5記載のデファレンシャル
装置は、請求項3記載のデファレンシャル装置であっ
て、前記ピニオンギヤが相互に噛合うショートピニオン
ギヤとロングピニオンギヤとからなり、前記収容空間に
収容された回転差感応型カップリング機構は、前記第1
のトルクシャフトにスプライン係合し且つ前記ロングピ
ニオンギヤに噛合う第1のサイドギヤに固着された一側
部材と、前記第2のトルクシャフトにスプライン係合し
た他側部材とからなり、前記ショートピニオンギヤは、
前記第2のトルクシャフトにスプライン係合した第2の
サイドギヤに噛合していることを特徴としている。
【0026】
【作用】請求項1乃至5記載の発明は前記した構成にな
っているので次の作用を奏する。
【0027】すなわち、請求項1記載のデフケースは、
単一のデフケース内にトルク感応型カップリング機構と
してのピニオンギヤを収容する収容孔と、回転差感応型
カップリング機構を収容する収容空間とを有しており、
かつ前記収容孔と収容空間とを中間壁で区画したので、
前記トルク感応型及び回転差感応型のカップリング機構
を前記カップリング機構同士の干渉の無い状態で単一の
デフケース内に配置することができると共に、トルク感
応型デファレンシャル装置及びトルク感応型+回転差感
応型デファレンシャル装置のデフケースとして共通して
用いることができる。
【0028】その上、請求項1記載のデフケースは、ピ
ニオンギヤのスラスト力を受ける中間壁を設けたので、
ピニオンギヤのスラスト方向の隙間管理が容易で、ピニ
オンギヤを安定した組付状態に容易に組付けることがで
きる。
【0029】また、請求項2記載のデフケースは、中間
壁をデフケースに一体に設けたので中間壁を固着する工
程が省け、一層組付性の向上を図ることができる。
【0030】請求項3記載のデファレンシャル装置は、
トルク感応型デファレンシャル装置内に回転差感応型カ
ップリング機構の収容空間を設けたので、同一のデフケ
ースを用いる等大巾な設計変更を伴なうことなくトルク
感応型+回転差感応型デファレンシャル装置へ容易に転
換すことができる。
【0031】その上、請求項3記載のデファレンシャル
装置は、トルク感応型カップリング機構をピニオンギヤ
で構成したので、第1及び第2トルクシャフトへの入力
トルクが同一の場合には回転差感応型カップリング機構
の有無に拘らず同一のトランスファレシオが得られる。
【0032】請求項4記載のデファレンシャル装置は、
回転差感応型カップリング機構の収容空間に位置して第
1のトルクシャフトにスプライン係合した第1のサイド
ギヤがロングピニオンギヤに噛合してトルク感応型デフ
ァレンシャル装置を構成しているので、前記第1のサイ
ドギヤに替へて回転差感応型カップリング機構を組付け
ることによってトルク感応型+回転差感応型デファレン
シャル装置へ容易に転換することができる。
【0033】また、請求項5記載のデファレンシャル装
置は、トルク感応型+回転差感応型デファレンシャル装
置を構成しているが、回転差感応型カップリング機構に
替へて、第1のトルクシャフトにスプライン係合すると
共にロングピニオンギヤに噛合する第1のサイドギヤを
回転差感応型カップリング機構の収容空間に組付けるこ
とによって容易にトルク感応型デファレンシャル装置を
得ることがきる。
【0034】さらに、請求項4及び5記載のデファレン
シャル装置は、入力トルクが同じである場合、第1及び
第2のトルクシャフトのトランスファレシオが同一に得
られる。
【0035】
【実施例】以下、本発明を図示した実施例に基づいて具
体的に説明する。
【0036】図1及び図2は第1実施例としてのデファ
レンシャル装置1を示す。
【0037】このデファレンシャル装置1は、図外のエ
ンジンの駆動力により回転するデフケース2と、トルク
感応型カップリング機構3と、このトルク感応型カップ
リング機構3に噛合する第1及び第2のサイドギヤ4及
び5と、デフケース2の回転中心と同心上に配置された
第1及び第2のトルクシャフト6及び7とから大略構成
されており、トルク感応型として構成されている。
【0038】デフケース2はトルク感応型カップリング
機構3を収容する収容孔23と、回転差感応型カップリ
ング機構を収容する収容空間24とを有し、これら収容
孔23と収容空間24とがトルク感応型カップリング機
構3のスラスト力を受けるように設けた中間壁25によ
り区画されて形成されている。このデフケース2は、第
1のトルクシャフト6の軸受孔21aと、この軸受孔2
1aと連通し一部に収容空間24を有する空洞部21b
とを有する第1のケース21と、第2のトルクシャフト
の軸受孔22aと、この軸受孔22aと連通する空洞部
22bと、ケース壁に形成した収容孔23と、この収容
孔23に臨むように固着した中間壁25とを有する第2
のケース22とを空洞部21b,22b同士が連通する
ように突合せて固着することによって形成される。この
ように形成されたデフケース2は、空洞部21b,22
bの連通により内部空間26が形成されており、この内
部空間26に、軸受孔21a,及び22aをそれぞれ挿
通した第1及び第2のトルクシャフト6及び7がデフケ
ース2の回転中心と同心上に配置されると共に、この第
1及び第2のトルクシャフト6及び7にそれぞれスプラ
イン係合した第1及び第2のサイドギヤ4及び5が配置
されている。
【0039】また、収容孔23は、相互に連通しかつ内
部空間26に連通する一対の収容孔23a,23bとか
らなり、第2のケース22の内周に沿って複数個形成さ
れており、各収容孔23a及び23bにはそれぞれトル
ク感応型カップリング機構3を構成するロングピニオン
ギヤ31及びショートピニオンギヤ32が第1及び第2
のトルクシャフト6,7と平行になるように浮状態で挿
入されている。このロングピニオンギヤ31及びショー
トピニオンギヤ32は収容孔23a,23bの連通部位
で相互に噛合しており、かつロングピニオンギヤ31が
第1のサイドギヤ4に、ショートピニオンギヤ32が第
2のサイドギヤ5にそれぞれ噛合している。
【0040】さらに、中間壁25は環状の帯状部材とし
て第2のケース22とは別体に形成されており、収容孔
23の内部空間26に連通する軸方向の開口部に臨むよ
うにして第2のケース22の端面にビス50により固着
されている。この中間壁25は外周に突起25aが形成
されておりこの突起25aが第2のケース22の凹部2
2cに嵌合して回り止めが図られている。そしてこの中
間壁25はトルク感応型カップリング機構3としてのロ
ングピニオンギヤ31のスラスト力を受けるようになっ
ている。
【0041】なお、図1中符号60は環状プレートであ
り、この環状プレート60が第2のケース22の第1の
ケース21との突合せ側と反対側に嵌着してロンピニオ
ンギヤ31及びショートピニオンギヤ32の収容孔23
a及び23bからの抜け止めが図られている。
【0042】このように組付けられたデファレンシャル
装置1は、ロングピニオンギヤ31の隙間管理が中間壁
25を設けることによって容易となり、トルク感応型カ
ップリング機構3の安定した組付状態が容易に得られ
る。
【0043】このデファレンシャル装置1は、トルク感
応型カップリング機構3を構成するロングピニオンギヤ
31及びショートピニオンギヤ32がサイドギヤ4及び
5との噛合い反力によってそれぞれ収容孔23a及び2
3bに押付けられて生じる摩擦抵抗と、例えば車両の前
進時に第1及び第2のサイドギヤ4及び5がロングピニ
オンギヤ31及びショートピニオンギヤ32との噛合い
スラスト力によってデフケース2に押付けられて生じる
摩擦抵抗とによりトルク感応型の差動制限力が得られ
る。
【0044】このデファレンシャル装置1の差動制限特
性は図5に示すように左車輪にスリップを生じたときに
右車輪に送られる右軸トルクを特性aRとして、又、右
車輪にスリップを生じたときに左車輪に送られる左軸ト
ルクを特性aLとしてそれぞれ示すことができ、左右の
トランスファレシオを均等にすることができる。
【0045】このためデファレンシャル装置1は前述し
たトルク感応型カップリング機構3の安定した組付状態
により安定した差動制限力が得られると共に、左右のト
ランスファレシオを均等にすることによって車両の操縦
性と安定性の向上を図ることができる。
【0046】なお図5中、45°の特性Oは差動制限力
を零とした場合のトランスファレシオを示す。
【0047】また、図3は第2実施例としてのデファレ
ンシャル装置10を示す。
【0048】このデファレンシャル装置10は第2のケ
ース22に一体に設けた中間壁27を有する点が相違
し、他の構成は前述したデファレンシャル装置1と同一
となってトルク感応型デファレンシャル装置を構成して
いる。このときの中間壁27は第2のケース22の第1
のケース21側の端面に収容孔23の開口部に臨むよう
にして一体に形成されている。
【0049】このデファレンシャル装置10はデファレ
ンシャル装置1で必要であった中間壁25を固着する工
程が省け、一層組付性の向上を図ることができる。
【0050】さらに、図4は第3実施例としてのデファ
レンシャル装置20を示す。
【0051】このデファレンシャル装置20は、回転差
感応型カップリング機構の収容空間26に回転差感応型
カップリング機構8を設けた点が相違し、他の機構は前
述したデファレンシャル装置10と同一となってトルク
感応型+回転差感応型デファレンシャル装置を構成して
いる。
【0052】回転差感応型カップリング機構8は、図示
のように、ロングピニオンギヤ31と噛合う第1のサイ
ドギヤ11に固着一体化されたハウジング(一側部材)
13と、ハウジング13の内側に相対回転可能に配設さ
れたハブ(他側部材)12とからなり、ハウジング13
は右端部で第1のトルクシャフト6にスプライン係合さ
れ、ハブ12は左端部で第2のトルクシャフト7にスプ
ライン係合されている。そして、ハウジング13とハブ
12間にはシール14,15が配置されている。
【0053】このように構成された回転差感応型カップ
リング機構8は、ハウジング13が第1のトルクシャフ
ト6と一体回転し、ハブ12が第2のトルクシャフト7
と一体回転するようになっており、一方の車輪がスリッ
プ等して空転して両トルクシャフト6,7間に回転速度
の差動を生じたときに、この差動に感応して差動制限を
行うようになっており、かつロングピニオン31のスラ
スト力を中間壁27で受けて、トルク感応型カップリン
グ機構3と回転差感応型カップリング機構8とが干渉し
ないようになっている。
【0054】このためデファレンシャル装置20はトル
ク感応型カップリング機構3と回転差感応型カップリン
グ機構8とで差動制限を行なうことになり、強力な差動
制限力が得られる。このデファレンシャル装置20の差
動制限特性は図5に示すように左車輪にスリップを生じ
たときに右車輪に送られる右軸トルクを特性bRとし
て、又、右車輪にスリップを生じたときに左車輪に送ら
れる左軸トルクを、特性bLとしてそれぞれ示すことが
でき、多板クラッチを用いていないことにより左右のト
ランスファレシオを均等にすることができる。このトラ
ンスファレシオの均等によりデファレンシャル装置20
は車両の操縦性及び安定性の向上を図ることができる。
【0055】また、このデファレンシャル装置20はデ
ファレンシャル装置10と共通のデフケース2を用いて
組付けることができ、部品共通化により加工コストの低
減を図ることができる。
【0056】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば次の効果を奏する。
【0057】請求項1記載のデフケースによれば、中間
壁によりトルク感応型及び回転差感応型のカップリング
機構をカップリング機構同士の干渉の無い状態で単一の
デフケース内に配置することができると共に、トルク感
応型デファレンシャル装置及びトルク感応型+回転差感
応型デファレンシャル装置のデフケースとして共通して
用いることができるので、部品の共通化によるコストダ
ウンを図ることができる。
【0058】その上請求項1記載のデフケースによれ
ば、ピニオンギヤのスラスト力を受ける中間壁を設けた
ので、ピニオンギヤのスラスト方向の隙間管理が容易
で、ピニオンギヤを安定した組付状態に容易に組付ける
ことができると共に、作動の安定したデファレンシャル
装置を得ることができる。
【0059】また、請求項2記載のデフケースによれ
ば、中間壁をデフケースに一体に設けたので中間壁を固
着する工程が省け、一層組付性の向上を図ることができ
る。
【0060】請求項3記載のデファレンシャル装置によ
れば、トルク感応型デファレンシャル装置内に回転差感
応型カップリング機構の収容空間を設けたので、同一の
デフケースを用いる等大巾な設計変更を伴なうことなく
トルク感応型+回転差感応型デファレンシャル装置へ容
易に転換することができるので、例えばスポーツ車両に
適するトルク感応型デファレンシャル装置と、オフロー
ド車両に適するトルク感応型+回転差感応型デファレン
シャル装置との間でデフケースの互換性を持たせて用途
別のデファレンシャル装置のコストダウンを図ることが
できる。
【0061】その上、請求項3記載のデファレンシャル
装置によれば、トルク感応型カップリング機構をピニオ
ンギヤで構成したので、第1及び第2トルクシャフトへ
の入力トルクが同一の場合には回転差感応型カップリン
グ機構の有無に拘らず同一のトランスファレシオが得ら
れるので、車両の操縦性及び安定性の向上を図ることが
できる。
【0062】請求項4記載のデファレンシャル装置によ
れば、回転差感応型カップリング機構の収容空間に位置
してトルクシャフトにスプライン係合した第1のサイド
ギヤがロングピニオンギヤに噛合してトルク感応型デフ
ァレンシャル装置を構成しているので、前記第1のサイ
ドギヤに替へて回転差感応型カップリング機構を組付け
ることによってトルク感応型+回転差感応型デファレン
シャル装置へ容易に転換することができるので、請求項
3記載のデファレンシャル装置と同様にデフケースに互
換性を持たせて用途別のデファレンシャル装置のコスト
ダウンを図ることができる。
【0063】また、請求項5記載のデファレンシャル装
置によれば、トルク感応型+回転差感応型デファレンシ
ャル装置を構成しているが、回転差感応型カップリング
機構に替へて、第1のトルクシャフトにスプライン係合
すると共にロングピニオンギヤに噛合する第1のサイド
ギヤを回転差感応型カップリング機構の収容空間に組付
けることによって容易にトルク感応型デファレンシャル
装置を得ることができるので、請求項3記載のデファレ
ンシャル装置と同様にデフケースに互換性を持たせて用
途別のデファレンシャル装置のコストダウンを図ること
ができる。
【0064】さらに、請求項4及び5記載のデファレン
シャル装置によれば、入力トルクが同じである場合、第
1及び第2のトルクシャフトのトランスファレシオが同
一に得られるので車両の操縦性及び安定性の向上したデ
ファレンシャル装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例としてのデファレンシャル装置の
上半分部分の断面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】第2実施例としてのデファレンシャル装置の上
半分部分の断面図である。
【図4】第3実施例としてのデファレンシャル装置の上
半分部分の断面図である。
【図5】第1及び第2実施例としてのデファレンシャル
装置の差動制限特性を示すグラフである。
【図6】従来のデファレンシャル装置の断面図である。
【図7】従来の他のデファレンシャル装置の断面図であ
る。
【図8】図6のデファレンシャル装置の差動制限特性を
示すグラフである。
【図9】図7のデファレンシャル装置の差動制限特性を
示すグラフである。
【符号の説明】
1,10,20 デファレンシャル装置 2 デフケース 3 トルク感応型カップリング機構 4,11 第1のサイドギヤ 5 第2のサイドギヤ 6 第1のトルクシャフト 7 第2のトルクシャフト 8 回転差感応型カップリング機構 12 ハブ 13 ハウジング 23,23a,23b 収容孔(トルク感応型カップリ
ング機構の) 24 収容空間(回転差感応型カップリング機構の) 25,27 中間壁 26 内部空間 31 ロングピニオンギヤ 32 ショートピニオンギヤ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トルク感応型カップリング機構としての
    ピニオンギヤを収容する収容孔と、回転差感応型カップ
    リング機構を収容する収容空間とを有し、これら収容孔
    と収容空間とが前記ピニオンギヤのスラスト力を受ける
    ように設けた中間壁により区画されていることを特徴と
    するデフケース。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のデフケースであって、 前記中間壁が前記デフケースと一体に設けられているこ
    とを特徴とするデフケース。
  3. 【請求項3】 エンジンの駆動力により回転するデフケ
    ースの内部空間に、第1及び第2のトルクシャフトが前
    記デフケースの回転中心と同心上に配置されると共に、
    前記第1及び第2のトルクシャフトのそれぞれに共に回
    転するように第1及び第2のサイドギヤが配置されてお
    り、 前記デフケースのケース壁に前記内部空間に連通して収
    容孔が形成されており、 前記収容孔の前記内部空間に連通する軸方向の開口部に
    臨ませて中間壁が設けられており、 トルク感応型カップリング機構としてのピニオンギヤ
    が、そのスラスト力を前記中間壁で受けるように前記収
    容孔内に前記第1及び第2のトルクシャフトと平行にな
    るように配置されており、かつ前記内部空間内の前記中
    間壁と、前記収容孔と反対側の前記デフケースとの間に
    回転差感応型カップリング機構の収容空間が設けられて
    いることを特徴とするデファレンシャル装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のデファレンシャル装置で
    あって、 前記ピニオンギヤが相互に噛合うショートピニオンギヤ
    とロングピニオンギヤとからなり、 前記ロングピニオンギヤが前記回転差感応型カップリン
    グ機構の収容空間に位置して前記第1のトルクシャフト
    にスプライン係合した第1のサイドギヤに噛合してお
    り、かつ前記ショートピニオンギヤが前記第2のトルク
    シャフトにスプライン係合した第2のサイドギヤに噛合
    していることを特徴とするデファレンシャル装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のデファレンシャル装置で
    あって、 前記ピニオンギヤが相互に噛合うショートピニオンギヤ
    とロングピニオンギヤとからなり、 前記収容空間に収容された回転差感応型カップリング機
    構は、前記第1のトルクシャフトにスプライン係合し且
    つ前記ロングピニオンギヤに噛合う第1のサイドギヤに
    固着された一側部材と、前記第2のトルクシャフトにス
    プライン係合した他側部材とからなり、 前記ショートピニオンギヤは、前記第2のトルクシャフ
    トにスプライン係合した第2のサイドギヤに噛合してい
    ることを特徴とするデファレンシャル装置。
JP14038594A 1994-06-22 1994-06-22 デフケース及びそのデフケースを用いたデファレンシャル装置 Pending JPH084885A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19713976A1 (de) * 1996-04-10 1997-11-06 Zexel Corp Differential

Cited By (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19713976A1 (de) * 1996-04-10 1997-11-06 Zexel Corp Differential
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