JPH0847489A - 採血装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 係止−およびねじ結合なしで一方で案内スリ
ーブおよび栓キャップの確実な保持を可能にし、かつ他
方で簡単で穏やかな方法で、カニューレが静脈中に留ま
っている際に複数の採血管体を衝撃なしにカニューレと
連結ないしは結合し、かつ血液を複数の採血管体内へ充
填することを許す、採血装置を見出す。 【構成】 栓キャップ（５，１０５，２０５）または案
内スリーブ（４）が、案内スリーブ（４）内へ押し込む
際に栓キャップ（５，１０５，２０５）を少なくとも間
接的に変形させる高所（１７，１１７，２１７）をカラ
ー領域内に少なくとも１つ有しており、かつ案内スリー
ブ（４）が剛性に、かつ栓キャップ（５，１０５，２０
５）または案内スリーブ（４）の少なくとも高所（１
７，１１７，２１７）が撓み性に構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、採血装置であって、採
血管体と、管体の前端部を閉鎖した、突き通し可能な栓
と、栓に被せ嵌められていて、カラーでもって管体を覆
った栓キャップと、案内スリーブでもって栓キャップを
受容した二重カニューレとを備えた形式のものに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】ＤＥ３０４９５０３Ｃから公知の採血装
置では採血管体を前端部で閉鎖したキャップが軸方向に
突出した円筒形の付加部を備えている。付加部は突き通
し可能な閉鎖栓によって前端部で閉鎖されており、閉鎖
栓は中央孔を設けられた付加部の端板上に載っていて、
前端部に形成されたカラーによって保持されている。管
形の案内スリーブが前端部でホルダ内に両側に切断エッ
ジを持つ二重端部式カニューレを支持しており、かつ軸
方向に摺動可能にかつ相対回動可能に付加部に配置され
ている。カニューレの案内スリーブから突出した前端部
は静脈内に導入するために用いられ、他方後端部は、案
内スリーブを採血管体に取付けた際に閉鎖栓を貫通する
程度の深さで案内スリーブ内へ突入している。カニュー
レの案内スリーブ内へ突入した後端部は袋状のホース
（弁ゴム）によって包囲されており、ホースは伸長状態
でこの後端部の切断エッジがホースの底部に接触しない
程度の長さになっている。

【０００３】二重カニューレと付加部とを結合するため
には付加部が側方に突出した保持突起を備え、これに案
内スリーブ内の軸方向のスリットが配設されている。周
方向に分配された軸方向スリットの１つに導入される保
持突起によって、付加部に比較的緩めに嵌込まれた二重
カニューレの案内スリーブのバヨネット結合式の回動係
止が達成される。このような回動係止はもちろん製作費
用を高め、ひいては相応して採血装置を高価なものにす
る。

【０００４】ＥＰ０Ｉ２９０２９Ｂから公知の採血装置
の採血管体は冒頭に挙げられた形式の柔軟な栓キャップ
によって閉鎖されている、すなわち栓キャップは栓でも
って管体の開放端部内へ挿入されており、かつ管体を有
利には遊びをもって覆うカラーを有している。管体をカ
ラーで包囲した栓キャップは充填された採血管体を引抜
く際に血液が飛び散るのを阻止する。エーロゾル効果を
阻止するためには栓は栓キャップと一緒に引抜かれるこ
とが必要である。このことは栓キャップを当接面の変形
を阻止する材料から製作しなければならないことを意味
する。栓キャップの柔軟性は栓を保持する作用によって
制限される。実際に使用する際にこの採血管体に付属す
る案内スリーブは栓キャップよりもかなり大きな直径を
有し、かつ大きな遊びにもかかわらず整然とした、患者
に優しい採血を実施し得るためには患者から採血をする
人間には一定の熟練が前提とされる。しかし特別な係止
ないしは保持結合が配慮されていないので、この公知の
採血装置は相応して低い費用で製作することができる。

【０００５】最後に、やはり軸方向に突出した付加部を
有する閉鎖キャップを備えた採血装置がＤＥ２９４８６
５３Ｃから公知である。二重カニューレの案内スリーブ
は採血管体の雄ねじにねじ込まれた閉鎖キャップの付加
部の適合片上を移動可能である。付加部および適合片を
有する閉鎖キャップ並びに案内スリーブは熱可塑性プラ
スチックから製作されている。適合片は閉鎖キャップの
後方に円錐孔のある管片を有し、円錐孔は二重カニュー
レを保持するために閉鎖キャップと一体の相応して円錐
形の付加部上に嵌込まれている。この形式の結合では結
合がきつ過ぎるかまたは不都合に緩いかであることが示
された；きつ過ぎる結合はこれに伴った衝撃的な移行部
に帰因して、採血管体を嵌込む際にカニューレが患者の
静脈を突き抜ける結果をもたらすことがある。この形式
の採血装置のもう１つの欠点は、案内スリーブが変形可
能に構成される場合に生じる。この場合にはすなわちカ
ニューレが患者の静脈内へ入った後採血管体が案内スリ
ーブと連結されるときに針および栓の貫通抵抗（カニュ
ーレを有する固定スリーブでは例えば親指と人差し指に
よって適用される）とともに非円形の案内スリーブの半
径方向の力も克服されなければならない。一様な力を適
用することができないので、衝撃のない連結は可能では
ない。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、係止
−およびねじ結合なしで一方で案内スリーブおよび栓キ
ャップの確実な保持を可能にし、かつ他方で簡単で穏や
かな方法で、カニューレが静脈中に留まっている際に複
数の採血管体を衝撃なしにカニューレと連結ないしは結
合し、かつ血液を複数の採血管体内へ充填することを許
す、冒頭に記載の形式の採血装置を見出すことである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明の手段は、栓キャップまたは案内スリーブ
が、案内スリーブ内へ押し込む際に栓キャップをカラー
の領域内で少なくとも間接的に変形させる高所を少なく
とも１つ有しており、かつ案内スリーブが剛性に、かつ
栓キャップまたは案内スリーブの少なくとも高所が撓み
性に（nachgiebig)、有利には柔軟(weichelastisch)に
構成されていることである。

【０００８】

【発明の効果】本発明によればきわめて簡単な形式で案
内スリーブを直接栓キャップのカラー上へ自動締付けに
よって配置することが達成される。剛性の、有利には熱
硬化性プラスチックから製作され、かつ場合によっては
外周面の補強リブによってさらに付加的に強化された案
内スリーブと柔軟な栓キャップおよびまたは撓み性の高
所の協働で案内スリーブと栓キャップとを相互に組込む
ないしは嵌込む際に少なくとも１つの高所（これが剛性
の案内スリーブの内面に設けられていると栓キャップの
カラーの外周面に配置されているとにかかわらず）に基
づいて自動締付け式の結合ないしは保持を行う力の流れ
（Kraeftefluss）が達成されることが認識され、かつ利
用された。すなわちに二重カニューレと採血管体の剛性
結合に対して柔軟な栓キャップおよびまたは高所の変形
を利用することができ、この場合比較的大きな製作誤差
すら克服することができる。

【０００９】この効果は、栓キャップのカラーと採血管
体との間に遊びが存在しており、遊びが特にエーオゾル
効果の阻止を助けると、有利にすることができる。それ
にもかかわらず栓キャップを、カラーが採血管体に当接
するように構成することが可能である。保持を行う変形
を可能にするためにはいずれにしても高所（単数または
複数）が柔軟ないしは撓み性に（例えば適切な材料の選
択によっておよびまたは高所内に撓み性を実現し、ない
しは助ける中空部ないしは切欠を設けることによって）
構成されていなければならない。高所は例えば円錐肉厚
部ないしは環状隆起部、点状の材料盛上がり部または端
部区分がくさび面へ移行した長手リブの形状に構成する
ことができる。複数の高所を設ける場合これらは栓キャ
ップないしはカラーの全周にわたって分配されて配置さ
れなければならない。

【００１０】高所（単数または複数）のこのような形状
は、案内スリーブと栓キャップとを互いに嵌込む際に案
内スリーブないしは栓キャップと所定の周面の所から初
めて、すなわち二重カニューレの後端部がちょうど弁ゴ
ム内に侵入してからないしはこれを貫通してから当接す
るようにすることが可能である。貫通力がなくなると直
ちに柔軟な栓キャップおよびまたは高所が変形し、これ
によって剛性の、自動締付け的な保持が達成される。高
所は、互いに嵌込む際に力ないしは反力が緩慢に増大
し、すなわち徐々に上昇し、かつ引抜く際に（例えば複
数の試料を採取しなければならない場合）相応して徐々
にかつ緩慢に減少するように設計することができる。衝
撃的な移行部は生じないので、カニューレが患者の静脈
を突抜けることは回避される。

【００１１】

【実施例】採血装置１は図３によれば採血管体２と二重
カニューレ３とを備えており、二重カニューレは案内ス
リーブ４でもって採血管体２の前端部を閉鎖した栓キャ
ップ５に嵌込まれている。案内スリーブ４は剛性の熱硬
化性プラスチックから製作されている。二重カニューレ
３は針−ないしはカニューレホルダ６を備えており、カ
ニューレホルダはカニューレ７を受容している。カニュ
ーレの前端部８ないしは後端部９は斜めに形成されてい
る、すなわち切断エッジ１０を有している。カニューレ
前端部８は静脈内へ導入するために用いられる；カニュ
ーレ前端部は、使用中にない二重カニューレ３ないしは
採血装置１では案内スリーブ４の円筒形の付加部１１上
に配置されたスリーブ１２によって保護されている。カ
ニューレ後端部９はカニューレホルダ６を越えて案内ス
リーブ４内へ突入している；カニューレ後端部はホース
状の弁ゴム１３によって包囲されており、弁ゴムは伸長
状態でカニューレ後端部９の切断エッジ１０が弁ゴムの
底部に接触しない長さを有している。採血管体２は、こ
れが吸込みピストンまたは真空原理によって働くような
形式であってよい。

【００１２】柔軟なプラスチック材料から成る栓キャッ
プ５は採血管体２内へ係合したゴム製の栓１４を介して
採血管体内に保持されている。図２に示されているよう
に栓キャップはカラー１５を備え、カラーは僅かな遊び
１６を有して採血管体２の外周面を覆っている。栓キャ
ップ５の外面ないしは外套には全周にわたって分配され
た複数の高所１７が配置されており、高所はリブ状にく
さび斜面部の形状に構成されており、くさび斜面部は次
いで直線区分１９に移行している。

【００１３】採血のためには、二重カニューレ３と採血
管体２とが互いに内外で嵌込まれる、すなわち剛性の案
内スリーブ４が柔軟な栓キャップ３上へ嵌められる、な
いしは挿し嵌められる（図３に示されているように）。
このときに先ず弁ゴムの底部がゴム製の栓１４に当り、
さらに挿入すると弁ゴム１３がアコーディオン様に圧縮
し（図３参照）、かつカニューレ後端部９の切断エッジ
１０が弁ゴム１３の底部と接触する。さらに互いに嵌込
むと、カニューレ後端部９の切断エッジ１０が先ず弁ゴ
ム１３を、次いで栓１４を貫通する。

【００１４】柔軟な栓キャップ５の円周を所定の領域か
ら増大させる高所１７は、この瞬間に、すなわち貫通力
がなくなったら直ちに高所１７が上昇するくさび斜面部
１８を介して案内スリーブへの当接を徐々にかつ次第に
増大させ、その後栓キャップ５と採血管体２との間の遊
び１６によって支えられて栓キャップ５の変形が生じる
ように配置され、かつ設計されている。これは二重カニ
ューレ３と採血管体２との、しかも栓キャップ５上に嵌
込まれた案内スリーブ４を介しての自動締付けによる結
合を行う。くさび斜面部１８は、互いに内外に嵌込まれ
る際に相応して徐々に高まる反力を伴う力の緩慢な増大
および引抜き時の相応して穏やかな力の減少が得られ、
これによって衝撃的な移行部を回避することができる。
このことは、患者に優しい方法で同一の二重カニューレ
を用いて多数の血液試料を採取することを軽減し、他方
カニューレ前端部８は採血管体２の交換の間患者の静脈
内に留まる。

【００１５】図４に示された栓キャップ１０５は図１か
ら図３による構成とは高所１１７の形状に関してのみ異
なっており、カラー１１５を有している。カラーは先ず
採血管体２の前端部に遊びなく接触しており、カラーは
次いで端部へ向かって拡開して高所１１７を形成し、次
第に増大する遊び１１６を有して採血管体を覆った円錐
端部へ移行している。案内スリーブ４とは採血管体２と
を互いに内外で嵌込む際に（図３）、場合により内面に
高所を有している案内スリーブ４が円錐高所１１７の領
域内に達するや直ちにこの場合にも柔軟な栓キャップ１
０５の変形がすなわち円錐高所１１７の領域内で生じ
る。さらに互いに嵌込む際の前述の緩慢な力の増大およ
び引抜きの際の相応して穏やかな力の減少が達成され、
すなわち衝撃的な移行部を形成しない。

【００１６】図５にやはり前述の衝撃のない相互の嵌込
みおよび引抜きのための原理に依拠した栓キャップ２０
５のもう１つの構成が示されている。この栓キャップの
カラー２１５は採血管体２の外周面に遊びなく当接して
いる。二重カニューレ３の案内スリーブ４の変形、ひい
ては栓キャップ２０５上での案内スリーブの自動締付け
による保持を保証する柔軟性はこの実施例では軟質材料
製の突起または環状の隆起部として構成された高所２１
７の領域内に移されている。高所２１７（突起、または
環状の隆起部およびこれらに類似のもの）の柔軟性ない
しは撓み性を支持するために高所は図６に略示されてい
るように中空部２０によってさらに付加的に柔軟にする
ことができる。したがって栓キャップ４上での案内スリ
ーブ４の自動締付けによる保持は嵌込まれた案内スリー
ブ４が高所２１７を越えるや直ちに達成される。

【図面の簡単な説明】

【図１】栓キャップで閉鎖された採血装置の採血管体の
前端部の部分図である。

【図２】図１の横断面図である。

【図３】図１に示された採血管体が栓キャップを介して
栓キャップ上に嵌められた二重カニューレの案内スリー
ブ内に自動締付けによって配置された状態の採血装置の
横断面図である。

【図４】別の構成の栓キャップによって閉鎖された採血
管体の前端部の横断面図である。

【図５】もう１つの構成の栓キャップによって閉鎖され
た採血管体の前端部の横断面図である。

【図６】図５の栓キャップの高所を備えた後部の部分を
図平面で見て下方へ旋回させて示した拡大図である。

【符号の説明】

１ 採血装置、 ２ 採血管体、 ３ 二重カニュー
レ、 ４ 案内スリーブ、 ５，１０５，２０５ 栓キ
ャップ、 ６ ホルダ、 ７ カニューレ、 ８カニュ
ーレ前端部、 ９ カニューレ後端部、 １０ 切断エ
ッジ、 １１付加部、 １２ スリーブ、 １３ 弁ゴ
ム、 １４ 栓、 １５，１１５，２１５ カラー、
１６，１１６ 遊び、 １７，１１７，２１７ 高所、
１８くさび斜面部、 １９ 直線区分、 ２０ 中空
部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 採血装置であって、採血管体と、管体の
   前端部を閉鎖した、突き通し可能な栓と、栓に被せ嵌め
   られていて、カラーでもって管体を覆った栓キャップ
   と、案内スリーブでもって栓キャップを受容した二重カ
   ニューレとを備えた形式のものにおいて、栓キャップ
   （５，１０５，２０５）または案内スリーブ（４）が、
   案内スリーブ（４）内へ押し込む際に栓キャップ（５，
   １０５，２０５）を少なくとも間接的に変形させる高所
   （１７，１１７，２１７）をカラー領域内に少なくとも
   １つ有しており、かつ案内スリーブ（４）が剛性に、か
   つ栓キャップ（５，１０５，２０５）または案内スリー
   ブ（４）の少なくとも高所（１７，１１７，２１７）が
   撓み性に構成されていることを特徴とする、採血装置。