JPH0847394A - フルクトシルトランスフェラーゼ酵素、その製造方法、及び該酵素をコードするdna - Google Patents

フルクトシルトランスフェラーゼ酵素、その製造方法、及び該酵素をコードするdna

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JPH0847394A
JPH0847394A JP6335307A JP33530794A JPH0847394A JP H0847394 A JPH0847394 A JP H0847394A JP 6335307 A JP6335307 A JP 6335307A JP 33530794 A JP33530794 A JP 33530794A JP H0847394 A JPH0847394 A JP H0847394A
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JP
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enzyme
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fructosyltransferase
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fructosyl transferase
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JP6335307A
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English (en)
Inventor
Juan Gabriel Arrieta Sosa
ガブリエル アリエッタ ソーサ ホワン
Garcia Lazaro Hernandez
ヘルナンデツ ガルシア ラザーロ
Alberto Coego Gonzalez
コエゴ ゴンザレツ アルベルト
Guillermo Selman-Housein Sosa
セルマン−ヒューセイン ソーサ ギレルモ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
CENTRO DE INHENIERIA HENETEIKA I BIOTEKUNOROHIA
INHENIERIA HENETEIKA I BIOTEKU
Centro de Ingenieria Genetica y Biotecnologia CIGB
Original Assignee
CENTRO DE INHENIERIA HENETEIKA I BIOTEKUNOROHIA
INHENIERIA HENETEIKA I BIOTEKU
Centro de Ingenieria Genetica y Biotecnologia CIGB
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】アセトバクター・ジアゾトロフィカス(Ace
tobacter diazotrophicus)の
細胞外フルクトシルトランスフェラーゼが単離・精製さ
れ、その酵素的特性が同定される。フルクトシルトラン
スフェラーゼ遺伝子のクローニング、配列決定及び遺伝
子操作により、組換え原核細胞及び真核細胞内でフルク
トシルトランスフェラーゼを高レベルで産生することが
できる。アセトバクター・ジアゾトロフィカスの天然及
び組換えフルクトシルトランスフェラーゼは、フルクト
ース含有オリゴサッカライド類及びフルクタン類を産生
する。 【効果】フルクトシルトランスフェラーゼは、天然の低
カロリー甘味料として有用なケストース(kestos
e)やケストテトラオース(kestotetraos
e)のようなフルクトオリゴサッカライド類をスクロー
スから特に高レベルで産生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バイオテクノロジーの
分野のものであり、フルクトシルトランスフェラーゼ
(fructosyltransferase)の単
離、精製、特性解析、及び製造に関する。本発明は又、
フルクトシルトランスフェラーゼの遺伝子のクローニン
グ及び配列決定、並びにその遺伝子操作に関するもので
あって、組換え技術による酵素の高レベルでの産生を可
能にするものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする問題点】スク
ロースを酵素によって変換して得られる微生物によるフ
ルクタン類(fructans)の製造と、その利用
は、糖工業、食品工業及びその他の工業において重要な
課題である。細菌に由来するフルクトシルトランスフェ
ラーゼ(EC2.4.1.10)は、スクロース含有サ
ッカリド類からフルクトース残基を受容体分子へ転移す
ることによって、オリゴ−及び/又はポリフルクタン類
の合成において触媒作用を発揮する。ヒト及び動物に有
益な作用を有する非消化性ホモ−及びヘテロオリゴサッ
カリド類の酵素による産生を行わせる受容体として、種
々の異なった化合物を用いることができる。
【0003】これまで物性が特定された細菌由来のフル
クトシルトランスフェラーゼの殆どは、レバンスクラー
ゼ類(levansucrases)である(Cot
e,G.L. and Ahlgran, J.A.,
In Science and Technolog
y of fructans. Metabolism
in microorganisms, Part
I: Levan and levansucras
e. CRC Press, 1933)である。すべ
てのレバンスクラーゼ類は、スクロースから種々の受容
体へのフルクトース転移反応に対して触媒作用を有す
る。例えば、受容体が、水の場合には、スクロースの加
水分解であり;グルコースの場合には、交換反応であ
り;フルクトースの場合には、鎖延長反応であり;そし
て、スクロースの場合には、オリゴサッカリド類の合成
である。しかし、種々の異なった重合度のオリゴフルク
タン類の蓄積をもたらす各反応の相対効率に関して、こ
れらの酵素の間には差違が認められる。
【0004】数種の細菌及び真菌がスクロースからのフ
ルクトシル転移反応を起こすことは知られている〔Co
te, G.L. and Ahlgran, J.
A.,In Science and Technol
ogy of fructans. Metaboli
sm in microorganisms, Par
t I: Levan and levansucra
se. CRC Press, 1993〕。そして、
次のような菌類からフルクトシルトランスフェラーゼが
単離されている:バシラス・サチリス(Bacillu
s subtilis)(枯草菌)(European
patent application EP 01
17823 A1 840905);バシラス・アミロ
リクファシエンス(Bacillus amyloli
quefaciens)(Tang, L.B. et
al., Gene 96, 89−93, 199
0);ストレプトコッカス・ミュータンス(Strep
tococcus mutans)(Shiroza,
T. et al., J. Bacteriol.
170, No. 2, 810−816, 198
8);ストレプトコッカス・サリバリウス(Strep
tococcus salivarius)(Rath
sam, C. et al., J. Bacter
iol. 175, No. 14, 4520−45
27, 1933);ザイモナス・モビリス(Zymo
monas mobilis)(Ki−Bang So
nget al., Biochim. Biophy
s. Acta 1173,320−324, 193
3);及びエルウィニア・アミロボーラ(Erwini
a amylovora)(Geier, G. et
al., Physiological and M
olecular Plant Pathology
42, 387−404, 1933)。このような異
なった属の細菌から単離されたフルクトシルトランスフ
ェラーゼ類の演繹されたアミノ酸配列の間の相同性は低
いことが分かっている。
【0005】バシラス属(グラム陽性菌)のフルクトー
ス転移系は、その特性がよく解析されている。バシラス
・サチラス由来のレバンスクラーゼは、低重合度の過渡
的オリゴフルクタン類の蓄積を伴うことなく高分子のフ
ルクタン類の生成を触媒する誘導細胞外酵素である。バ
シラス・サチラス由来のレバンスクラーゼでの組換体
が、遺伝子操作された各種の宿主中に得られている。例
えば、細菌宿主については、“Philippe,
G. J. Bacteriol. 153, No.
3, 1424−1431, 1983”を参照する
ことができ、酵母宿主については、“Scotti,
P.A. et al., Yeast 10, N
o. 1, 29−38, 1994”を参照すること
ができ、そして植物宿主については、“Ebskam
p, M.J.M. et al., Biotech
nology 12, 272−275, 1994”
を参照することができる。
【0006】アセトバクター・ジアゾトロフィカス(A
cetobacter diazotrophicu
s)は、最も新しく同定されたアセトバクター属の種で
ある(Gillis et al., Int. J.
Sist. Bacteriol. 39, 361
−364, 1989)。その菌学的特性としては、そ
の細胞は、グラム陰性、N2固定性、抗酸性、及び微好
気性であって、丸みのある端部を有する直線状桿の形態
をしており、約2 ± 0.7〜0.9μm(0.7
to 0.9 by ± 2μm)の大きさであって、
側毛性または周毛性の鞭毛による運動性を有している。
この細菌は、非病原性であって、また更に、サトウキビ
と有益な結合を確立する能力を有していて識別される。
しかし、その分子生物学的研究はまだ僅かしかなされて
いない。
【0007】
【問題を解決するための手段及び作用】アセトバクター
・ジアゾトロフィカスは、レバンスクラーゼ活性を有す
る構成酵素を分泌する。この酵素は、フルクトース含有
オリゴサッカリド類及びレバンを産生させるのに有用で
ある。フルクトース重合体類は2つの特徴的な性質を有
しており、それは非消化性と、有益な腸管菌による選択
的利用である。それらは、便秘治療のための低カロリー
食物繊維として、また、血液脂質組成の改善、コレステ
ロールの低減、及び腸管腐敗物質の抑制の目的で有利に
用いることができる。スクロース転換の過程において、
アセトバクター・ジアゾトロフィカス由来のフルクトシ
ルトランスフェラーゼは、多量のフルクトオリゴサッカ
リド類、殊に天然低カロリー甘味剤として有用なケスト
ース(kestose)及びケストテトラオース(ke
stotetraose)、を蓄積する。レバンは、ま
た、フルクトース源、血漿増量剤、乳化剤、カプセル封
入化材料などとして有用である。
【0008】上記したように、食品及び工業的応用面に
おけるフルクトオリゴサッカリド類及びレバンの重要性
に鑑み、本発明の1つの目的は、天然及び組換えの技術
によって、アセトバクター・ジアゾトロフィカス由来の
フルクトシルトランスフェラーゼを製造することにあ
る。従って、本発明によれば、天然及び組換えの技術に
よって、アセトバクター・ジアゾトロフィカス由来のフ
ルクトシルトランスフェラーゼの物性が解析され、そし
て該トランスフェラーゼを製造する方法が提供される。
【0009】アセトバクター・ジアゾトロフィカスのフ
ルクトシルトランスフェラーゼは、培地中に蓄積される
構成細胞外酵素であって、分泌される全タンパクの70
%以上を占める。培養上清は粗フルクトシルトランスフ
ェラーゼとして用いることができるが、また、該酵素
は、好ましくはイオン交換クロマトグラフィーのような
公知の方法によって精製することができる。
【0010】アセトバクター・ジアゾトロフィカスのフ
ルクトシルトランスフェラーゼは、低重合度のオリゴフ
ルクタン類を高いレベルで産生するレバンスクラーゼで
ある。スクロース変換の過程で、酵素によって転移され
たフルクトースの55%がケストトリオース(kest
otoriose)及びケストテトラオース(kest
otetraose)として蓄積される。これらのフル
クトオリゴサッカリド類は、食品工業において多くの用
途を有する高品質の甘味剤である。それ故、該酵素は、
スクロースからケストース及びケストテトラオースを製
造するために効率的に用いることができる他、また、高
分子のレバンの製造にも有用である。
【0011】本発明は又、レバンの産生能を有するA.
ジアゾトロフィカスをエチル メタンスルホン酸(EM
S)で処理して誘発させた突然変異体を相補することに
よって遺伝子ライブラリーから単離されたアセトバクタ
ー・ジアゾトロフィカス遺伝子のヌクレオチド配列を提
供する。A.ジアゾトロフィカスを組換え技術によって
製造すると、該酵素を大量に生産すること、及び酵素反
応生成物を便利な宿主中に直接合成することが可能にな
る。本発明によれば、また、フルクトシルトランスフェ
ラーゼを組換え技術によって大量生産するために、遺伝
子操作された大腸菌(E.coli)及びピヒア・パス
トリス(Pichia pastoris)のそれぞれ
の株が提供される。
【0012】“アセトバクター”なる用語は、“Ber
gey’s Manual ofDeterminat
ive Bacteriology, Buchana
nand Gibbons eds., Willia
ms and Wilkins Publisher
s”に詳細に記載されている細菌の或る特定の種を言
う。フルクトシルトランスフェラーゼ酵素及びその対応
する遺伝子がそれから単離されたアセトバクターの株
は、アセトバクター・ジアゾトロピカス SRT4(寄
託番号549.94にて1994年11月10日にCB
Sに寄託されている)である。
【0013】本発明において、“フルクトシルトランス
フェラーゼ”なる用語は、フルクトシルトランスフェラ
ーゼ活性を有する一種またはそれ以上のポリペプチドを
意味する。フルクトシルトランスフェラーゼ活性とは、
スクロース含有サッカリドからフラクトース残基を受容
体分子へ酵素反応で転移してフルクトオリゴサッカリド
類及びフルクタン類を産生する活性を意味する。
【0014】“組換えタンパク質”なる用語は、下記
(1)及び(2)に特定されるゲノム、cDNA、半合
成または合成の核酸配列によってコードされるポリペプ
チドを意味する: (1)元々または人工操作によって、天然においてまた
はライブラリーの形で核酸が包含しているポリヌクレオ
チドの全部または一部を包含していないこと;及び/又
は(2)元々または人工操作によって、核酸配列が結合
しているポリヌクレオチド配列以外のポリヌクレオチド
配列と結合していること。組換えタンパク質は、天然に
産生するタンパク質と実質的に同じ生物学的物性を示
す。
【0015】本発明の基本的な態様によれば、配列番号
1の配列表に示される、アセトバクター・ジアゾトロフ
ィカス菌由来のフルクトシルトランスフェラーゼ遺伝子
に含まれるヌクレオチド配列、に本質的に対応するかま
たは該配列とハイブリダイズするヌクレオチド配列を有
する単離精製されたDNAが提供される。
【0016】“フルクトシルトランスフェラーゼ遺伝子
に含まれるヌクレオチド配列”とは、いくつかの可能性
を含むものである。その1つは、フルクトシルトランス
フェラーゼの全遺伝子、即ち、調節領域及びコーディン
グ領域の配列を含む遺伝子を包含する遺伝子であり、他
の1つは、本質的にコーディング領域よりなるか又はコ
ーディング領域の1部よりなり、且つフルクトシルトラ
ンスフェラーゼのプロモーター領域が欠損しているDN
Aである。この1つの可能性はフルクトシルトランスフ
ェラーゼのmRNAから逆転写によって得られるフルク
トシルトランスフェラーゼのcDNAである。
【0017】更に本発明は、フルクトシルトランスフェ
ラーゼのDNAに特異的になるに十分の長さのオリゴヌ
クレオチドに関する。そのようなオリゴヌクレオチド
は、フルクトシルトランスフェラーゼに特異的なプロー
ブ又はプライマーとして有用であり、そして、普通に
は、約7又は8個、好ましくは約9又は10個のヌクレ
オチドから約40又は50個、好ましくは約25又は3
0個のヌクレオチドを有する長さであり、或いはまたそ
れ以上の長さ、遺伝子の全長までの長さを有する。
【0018】“...に本質的に対応するか又はそれと
ハイブリダイズするヌクレオチド配列”とは、1本鎖及
び2本鎖のDNAを包含する。1本鎖DNAの場合、そ
れに対応する配列及びそれと相補的な配列が含まれる。
対応している程度、即ち対応度は100%である必要は
なく、配列番号1の配列表に示される配列と或る相同性
を有しているものを包含することも上記の用語は意図し
ている。上記の配列表のヌクレオチド配列に対して少な
くとも60%、好ましくは少なくとも70%の相同性を
有するDNAが包含される。又、特に、配列番号1の配
列に示される配列と異なっている場合でも、同じ作用及
び/又は効果を有するDNAも包含することを意図して
いる。かくして、本発明は、フルクトシルトランスフェ
ラーゼのコーディング領域に変化があっても、その変化
が同じアミノ酸配列となるか、或いは元のアミノ酸配列
と1つ又はそれ以上のアミノ酸の違いがあっても、本質
的なフルクトシル活性を有する酵素に対応するアミノ酸
配列となるものも包含することを意図するものである。
例えば、本発明は、アセトバクター・ジアゾトロフィカ
スのフルクトシルトランスフェラーゼ酵素をコードする
ゲノムDNA及びcDNAを包含するのみではなく、関
連フルクトシルトランスフェラーゼ酵素類をコードする
DNA、例えば関連細菌のフルクトシルトランスフェラ
ーゼ酵素類をコードするDNA、も包含するものであ
る。複数のフルクトシルトランスフェラーゼ酵素類は、
それらが類似のフルクトシルトランスフェラーゼ活性を
有するか、及び/又はそれらが同一の抗フルクトシルト
ランスフェラーゼ抗体によって認識されるか、及び/又
は少なくとも60又は70%の相同性を有するDNAで
コードされている時、それらの酵素は関連していると見
做す。
【0019】本発明の好ましい実施態様によれば、該D
NAは、フルクトシルトランスフェラーゼ活性を有する
酵素をコードするヌクレオチド配列を含む。より好まし
くは、上記ヌクレオチドは、配列番号2の配列表に示さ
れるアミノ酸配列を有するアセトバクター・ジアゾトロ
フィカス由来のフルクトシルトランスフェラーゼ酵素を
コードする。更に特定すれば、上記ヌクレオチド配列
は、配列番号1の配列表に示されるヌクレオチド配列に
より本質的になるものである。
【0020】本発明の更に別の態様によれば、上に定義
されたDNA(フルクトシルトランスフェラーゼに特異
的なDNA)及びクローニング又は発現用ベクターを包
含してなり、該ポリヌクレオチドは、適当な宿主中にタ
ンパク質、更に特定すれば、フルクトシルトランスフェ
ラーゼ活性を有するタンパク質、の発現を起こすことの
できるものである組換えポリヌクレオチドが提供され
る。上記の宿主は細菌、例えばE.coliの株である
ことができ、その場合、プラスミド pUCLS28
(plasmid pUCLS28)が適当な組換えポ
リヌクレオチドの良い例である。宿主は又、酵母、例え
ばピヒア・パストリス酵母(yeast Pichia
pastoris)であることができ、その場合、プ
ラスミド pPSLS20(plasmid pPSL
S20)が適当な組換えポリヌクレオチドの良い例であ
る。しかし、本発明では、特定の種類の宿主に限定され
るものではない。原則として、原核細胞又は真核細胞の
いずれでも用いることができる。
【0021】本発明の更に他の態様によれば、上記に定
義された組換えポリヌクレオチドで形質転換された宿主
細胞が提供される。上記したように、宿主としては、細
菌、例えばE.coliの株、更に特定的な例としては
E.coliのLev1株(strain Lev
1)、又は酵母、例えばピヒア・パストリス酵母、更に
特定的な例としては、ピヒア・パストリスのLev2株
(strain Lev2)などを挙げることができ
る。
【0022】本発明の重要な態様によれば、配列番号2
の配列表に示されるアミノ酸配列又はそれの断片を本質
的に有するタンパク質物質が提供される。この更に好ま
しい態様によれば、約60,000ダルトンの分子量と
約5.5の等電点を有し、4〜9のpH範囲と10〜7
oCの温度範囲で安定であり、2%SDSの存在下で
活性であり、5M尿素処理のあと活性が回復し、2,6
00U/mgの比活性を有し、30oC及びpH5.8
でのスクロース加水分解のKm値が12mMであり、イ
ヌリンにはフルクトース残基を転移することができず、
そしてレバナーゼ活性の低い、ことを特徴とするフルク
トシルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質物質
が提供される。
【0023】本発明は、いかなる製造方法で製造された
かに拘らず、例えば、組換えDNA/遺伝子工学技術、
化学合成、酵素分解、又はそれらの組合わせなどのいず
れの方法で製造されたかを問わず、上記の酵素を包含す
る。本発明はまた、酵素そのもののみならず、融合タン
パク質、またはフルクトシルトランスフェラーゼ活性を
有するどのような物質に物理的または化学的に結合した
タンパク質の形のものも包含する。
【0024】本発明の更に他の態様によれば、フルクト
シルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質物質の
製造方法であって、フルクトシルトランスフェラーゼ遺
伝子をコードするここで定義されるDNAを適当な宿主
で発現することを包含する方法が提供される。上述した
ように、発現は原核細胞または真核細胞のいずれかにお
いても行なうことができる。本発明はまた、上記の方法
であって、産生されたフルクトシルトランスフェラーゼ
細胞及び/又は培地から回収することを含む方法も包含
する。
【0025】本発明の更に他の態様によれば、アセトバ
クター・ジアゾトロフィカスの株を培養し、そして産生
するフルクトシルトランスフェラーゼを回収することを
包含する、フルクトシルトランスフェラーゼ活性を有す
るタンパク質物質の製造方法が提供される。アセトバク
ター・ジアゾトロフィカスのSRT4株(CBS 54
9.94)が好ましく用いられる。産生されるフルクト
シルトランスフェラーゼ酵素は、好ましくは培地から、
回収されるが、回収は培地そのままでもよく、培地から
酵素を単離・精製することによって回収することもでき
る。
【0026】本発明の単離されたフルクトシルトランス
フェラーゼは、以下のような酵素特性により特徴付けら
れる。 (1)少なくともスクロース及びラフィノースに作用し
て、フルクトシル基を様々な受容体分子へ転移させる。 (2)ケストース(kestose)やニストース(n
istose)にはほとんど活性を示さない。 (3)レバナーゼ活性が低く、フルクトース残基をイヌ
リンに転移させない。 (4)pH5で至適活性を示し、pH4〜9の範囲で安
定である。 (5)10〜70oCの温度範囲で活性を示す。 (6)その活性は、2%SDSの存在下で影響されな
い。 (7)SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動で測定
して60,000ダルトンの単一ポリペプチドよりな
る。 (8)等電点は5.5である。 (9)水銀イオンによる阻害作用により影響される。 (10)30oC及びpH5.8におけるスクロース加
水分解のKm値が11.8mMである。 (11)比活性が、2,600U/mgである。酵素の
1ユニットは、42oC及びpH5.2において1分間
にグルコースを1μmol産生する酵素量と定義する。
【0027】本発明の方法に用いるフルクトシルトラン
スフェラーゼは、アセトバクター・ジアゾトロフィカス
のSRT4株を適当な培地に接種し、撹拌又は通気下、
20〜40oC、好ましくは30oCにて、又pH5〜
6.5、好ましくはpH5.5にて、12時間〜3日間
培養を行なうことにより、自然に産生することができ
る。培地の炭素源としては、グルコース、フルクトー
ス、スクロース、グリセロール、ソルビトール又はマン
ニトール等が好ましい。一般に、2%マンニトール、
0.1%酵母エキス、0.1%トリプトン、0.12%
KH2PO4、0.04%K2HPO4、0.02%MgS
4・7H2O、0.002%CaCl2・H2O、0.0
01%FeCl3及び0.0002%Na2MoO4を含
む、pH6.0の培地を用いると、満足できる結果を得
ることができる。
【0028】天然のアセトバクター・ジアゾトロフィカ
ス由来のフルクトシルトランスフェラーゼは、細菌増殖
後期に培地に蓄積し、その量は全細胞外タンパク質の7
0%を超える。このフルクトシルトランスフェラーゼの
産生は、スクロースによっては誘導されないため、微生
物を培地においてレバンを形成しないようなスクロース
以外の他の好ましい炭素源の存在下で培養することによ
って得ることができ、分泌酵素を極めて有利に回収でき
る。
【0029】培養後、細胞は、好ましくは遠心分離によ
って除去され、上清は粗酵素溶液として使用できる。ま
た、酵素は必要に応じて、公知の酵素学的手段、好まし
くはイオン交換クロマトグラフィーによって精製するこ
とができる。
【0030】また、本発明によれば、アセトバクター・
ジアゾトロフィカス由来のフルクトシルトランスフェラ
ーゼをコードするポリヌクレオチド配列が提供される。
このDNA配列と、公知のフルクトシルトランスフェラ
ーゼ遺伝子との相同性は低い。この配列を含有する組換
えDNA分子は、遺伝子工学技術によって、種々の宿主
細胞中に所望のレベルで該酵素を発現するように構築す
ることができる。
【0031】本発明において、フルクトシル転移反応生
成物が組換え宿主中に直接合成されるように、該宿主の
中でフルクトシルトランスフェラーゼを発現させること
は特に重要である。フルクトシルトランスフェラーゼ発
現用の宿主として重要な細胞は、真核細胞または原核細
胞であり、酵母や植物細胞等の真核細胞が特に好まし
い。また、本発明において、組換え酵素の触媒特性を調
節するように変異フルクトシルトランスフェラーゼ遺伝
子を含有する組換えDNA分子を構築することも重要で
ある。
【0032】更に本発明によれば、E.coli及びピ
ヒア・パストリス酵母の遺伝子操作された細胞におい
て、組換えフルクトシルトランスフェラーゼを高レベル
で産生するような組換えDNA分子が提供される。高レ
ベルの発現は、種々の遺伝子操作によって達成される。
例えば、フルクトシルトランスフェラーゼをコードする
遺伝子をマルチコピープラスミドに組み込む、及び/又
は高レベルの発現を可能にするプロモーターと他の転写
調節配列(オペレーター、アテニュエーター等)を発現
可能に結合させること等によって達成される。このよう
にして、組換え宿主細胞において誘導的又は構成的な発
現をするように、フルクトシルトランスフェラーゼ遺伝
子発現を調節することができる。
【0033】また、本発明によれば、スクロースのフル
クトース転移反応によってフルクトオリゴサッカリド及
び/又はフルクタンを製造する方法であって、フルクト
ース転移反応条件下に、スクロースをフルクトシルトラ
ンスフェラーゼ酵素又は該酵素を産生する細胞と接触さ
せ、次いで、所望により、産生させるフルクトオリゴサ
ッカリドを回収することを包含し、その際、該フルクト
シルトランスフェラーゼ酵素が本発明において定義され
るタンパク質物質であるか、あるいは本発明において定
義される方法で製造されたタンパク質物質である方法が
提供される。また、フルクトシルトランスフェラーゼ酵
素や、フルクトシルトランスフェラーゼ酵素を産生する
細胞は、物理的又は化学的に担体に固定した状態で使用
してもよい。
【0034】アセトバクター・ジアゾトロフィカス由来
のフルクトシルトランスフェラーゼは、フルクトース残
基を種々の異なった受容体化合物への転移に用いること
ができ、これによって、例えば、ホモ−及びヘテロオリ
ゴサッカリドやフルクタンの合成、スクロースの加水分
解等を行なうことができる。また、この酵素は、上記の
フルクトース残基の供与体として機能する物質からフル
クトースを除去することに用いることができる。更に、
炭水化物の形態をフルクトシルトランスフェラーゼ発現
により変化させることによって、有機物の特性を変える
ことが可能である。この応用として、例えば、フルクト
シル基転移反応による生成物を有機物から直接得ること
が可能であり、また、該生成物が、低レベルで、有機物
より得られる物質の結晶の形を変えて、その物質の精製
を容易にすることも考えられる。
【0035】菌株の寄託:アセトバクター・ジアゾトロ
フィカスのSRT4株は、ブダペスト条約の規定に基
き、1994年11月10日、オランダ国所在のセント
ラールビュロ フォール シンメルキュルチュレス〔C
rentraalbureau voorSchimm
elcultures (CBS)〕に寄託されてお
り、その寄託番号はCBS 549.94である。コス
ミドP21R1を含むE.coliS17−1株は、ブ
ダペスト条約の規定に基き、1994年11月10日、
オランダ国所在のセントラールビュロ フォール シン
メルキュルチュレスに寄託されており、その寄託番号は
CBS 550.94である。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説明
する。但し、本発明は以下の実施例にのみ限定されるも
のではない。
【0037】
【実施例1】 アセトバクター・ジアゾトロフィカスのレバン産生株の
単離 サトウキビの栽培変種Ja60−5の茎断片(1cm
大)を集め、表面を滅菌し、K2HPO4 0.02%、
KH2PO4 0.06%、MgSO4・7H2O0.02
%、CaCl2・2H2O 0.002%、Na2MoO4
・2H2O 0.0002%、FeCl3 0.001
%、ブロモチモールブルー0.0025%、スクロース
10%及び寒天0.18%からなる半固形LGI培地
(最終pH6.0)3mlの入ったバイアルに植え付け
た。半固形LGI培地は、アセトバクター・ジアゾトロ
フィカス種の窒素固定細菌を選択的に単離するのに用い
られることが報告されている(Cavalcante
V.A. et al.,Plant Soil 10
8:23−31,1988)。バイアルを30oCでイ
ンキュベートし、菌の生育が観察されたところで半固形
LGI培地にレプリカした。典型的な橙黄色の表面を有
する生育を示したものをLGI培地平板上に画線培養し
た。粘質性を示すコロニーのいくつかについて、その特
徴を分類学的に調べたところ、アセトバクター・ジアゾ
トロフィカスと分類された。単離されたものの中の1つ
をSRT4株と命名した。
【0038】
【実施例2】 スクロース含有培地上で生育させたアセトバクター・ジ
アゾトロフィカスSRT4株により産生された細胞外ポ
リマーの解析 細菌を固形LGI培地上で30oCで7日間生育させ
た。培地表面から蒸留水を用いて、合成された細胞外ポ
リマーを回収した。遠心分離により細菌を除去した後、
該ポリマーを2倍容のエタノールで沈澱させ、蒸留水中
に再溶解し、飽和フェノールで処理し、エタノールで2
度沈澱させ、蒸留水で透析し、凍結乾燥した。この精製
されたポリマーの分子量を、セファクリルS−500カ
ラム(20x0.8cm)に、0.2M NaClを流
速12ml/hで溶出させるゲル濾過により推定したと
ころ、7x106ダルトンであった。この精製ポリマー
を0.5M H2SO4を用いて100oCで15分間全
酸加水分解し、Ba(OH)2で中和した。全加水分解
後、このポリマー組成物を、ヌクレオシル(Nucle
osil)NH2カラム(25x0.8cm)に、80
%アセトニトリル水溶液をイソクラチック(isocr
atic)方式で0.4ml/minの流速で溶出させ
る高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により解析
したところ、フルクトースであることが判明した。さら
に、このポリマーを13C−NMRで分光学的に解析した
ところ、非常に広い範囲においてβ−D−(2,6)結
合フルクトフラノシル残基が存在し、且つ低頻度でβ−
D(2−1)結合が存在することが判明した。このポリ
マー構造は、細菌性レバン類と一致する。
【0039】
【実施例3】 アセトバクター・ジアゾトロフィカスの細胞外酵素フル
クトシルトランスフェラーゼの産生 アセトバクター・ジアゾトロフィカス由来のフルクトシ
ルトランスフェラーゼは、生育後期に培養培地中に蓄積
される構成細胞外酵素であり、その量は全細胞外タンパ
クの70%を超える。
【0040】アセトバクター・ジアゾトロフィカスSR
T4株を、マンニトール2%、酵母エキス0.1%、ト
リプトン0.1%、KH2PO4 0.12%、K2HP
40.04%、MgSO4・7H2O 0.02%、C
aCl2・H2O 0.002%、FeCl3 0.00
1%及びNa2MoO4 0.0002%からなる培地を
含む5リットル容発酵槽〔(実質容積(working
volume):3.5リットル〕〔B.E.マルビ
シ社(日本国、東京)製〕中で生育させて定常期にす
る。この時の発酵条件は、温度30oC、pH5.5、
撹拌速度400rpm及び通気1vvm〔1分当り1体
積(1 volume per minute)〕であ
る。培養物は、60時間の発酵後に定常OD620が9.
5に達した。細胞を遠心分離により除去し、培養上清を
ロータリーエバポレーターを用いて5倍に濃縮し、20
mM トリス−HCl(pH7.0)で透析した。続い
て、硫酸アンモニウムを添加して70%飽和にした。遠
心分離を行なった後、沈澱を20mM トリス−HCl
(pH7.0)に溶解し、同様の緩衝液で透析し、DE
AE−セファロース CL−6Bのカラム(2.5x1
3cm)にかけた(高流速)。カラムに吸着したタンパ
クを、20mM トリス−HCl(pH7.0)に溶解
したNaClの直線濃度勾配で選択的に溶出させた。フ
ルクトシルトランスフェラーゼ活性を有する画分は、
0.2〜0.25MのNaCl濃度で溶出された。この
溶出画分をプールし、1% NH4HCO3溶液(pH
8.0)で透析し、凍結乾燥した。こうして精製した酵
素をSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−
PAGE)にかけたところ、約60,000ダルトンの
単一バンドを示した。エドマン分解法により決定した、
得られたフルクトシルトランスフェラーゼのN末端配列
は、Gly−Gly−Pro−Leu−Phe−Pro
−Gly−Arg−Ser−Leu(配列番号3)であ
った。上記精製操作の各工程において得られるフルクト
シルトランスフェラーゼ活性画分における、フルクトシ
ルトランスフェラーゼ活性、タンパク含量、フルクトシ
ルトランスフェラーゼ比活性及び収率を
【表1】 に示す。
【0041】
【表1】
【0042】単離されたフルクトシルトランスフェラー
ゼは、以下のような酵素特性により特徴付けられる。 (1)少なくともスクロース及びラフィノースに作用し
て、フルクトシル残基を様々な受容体分子へ転移させ
る。 (2)ケストース(kestose)やニストース(n
istose)にはほとんど活性を示さない。 (3)レバナーゼ活性が低く、フルクトース残基をイヌ
リンに転移させない。 (4)pH5で至適活性を示し、pH4〜9の範囲で安
定である。 (5)10〜70oCの温度範囲で活性を示す。 (6)その活性は、2%SDSの存在下で影響されな
い。 (7)等電点は5.5である。 (8)水銀イオンによる阻害作用により影響される。 (9)30oC及びpH5.8におけるスクロース加水
分解のKm値が11.8mMである。 (10)比活性が、2,600U/mgである。
【0043】
【実施例4】 アセトバクター・ジアゾトロフィカス由来のフルクトシ
ルトランスフェラーゼをスクロースに作用させることに
よるフルクトオリゴサッカリドの製造 レバンスクラーゼを、0.1M酢酸緩衝液に溶解したス
クロース1M溶液を含有する反応混合物に、スクロース
1グラム当りの酵素量が30ユニットとなるように添加
した。この反応は30oCで3時間行なった。糖生成物
を、ピリジン:ブタン−1−オル:水=4:6:3にお
けるファットマン(Whatman)3MM紙のペーパ
ークロマトグラフィーにより解析したところ、全遊離フ
ルクトースの55%が反応混合物中のケストースに蓄積
される(total released fructo
se was accumulated in kes
tose)ことがわかった。反応生成物をディオネック
ス・カーボパック(Dionex carbopac)
TM PAL(カラム:4x250mm)を用いてHP
LCによりさらに分析したところ、以下のような糖組成
であった。 グルコース(G)31%;フルクトース(F)17%;
スクロース23%;ケストース(GF2)18%;ニス
トース(GF3)6%;フルクトシルニストース(GF
4)3%;フルクタン(GF>4)2%.
【0044】
【実施例5】 EMS突然変異誘発によるレバン合成欠損(Lev-
現型)アセトバクター・ジアゾトロフィカス変異株の単
離 Lev-変異株は、ミラーの記載する方法(Mille
r, J.H. 1972, Experiments
in Molecular Genetics. C
old Spring Harbor Laborat
ory, Cold Spring Harbor.
N.Y.)を改変した方法に従って、エチルメタンスル
フォネート(EMS)で突然変異を誘発することにより
得た。即ち、アセトバクター・ジアゾトロフィカスSR
T4株をSB培地で30oC,48時間、好気的に生育
した。細菌(エッペンドルフチューブ中、1.5ml培
養物)を遠心分離により集菌し、1.5mlのLGI培
地塩類で洗浄し、0.2Mトリス−HClに溶解した2
%EMS溶液(pH7.4)0.5mlに再懸濁し、3
oCで90分間インキュベートした。このように処理
した細胞を遠心分離して集め、0.2M トリス−HC
lに溶解した5%NaS23溶液(pH7.4)1ml
で洗浄し、グリセロール1%を加えたSB培地3ml中
に再懸濁し、通気下30oCで16時間生育させた。得
られた細菌培養物を、スクロース5%及びグリセロール
1%を含むLGIE培地(LGI培地塩類、トリプトン
0.1%、酵母エキス0.02%)上にプレートし、3
oCでインキュベートした。非粘質性の表現型を示す
コロニーを液体LGIE培地に釣菌して生育させ、フル
クトシルトランスフェラーゼ活性を測定した。9個のL
ev-変異株が2.5x10-4の頻度で得られた。2種
類の変異株が表現型に従って単離された。即ち、I類の
変異株は、細胞外及び細胞内いずれのフルクトシルトラ
ンスフェラーゼ活性も示さなかった。これは、おそらく
酵素遺伝子に突然変異が起こっているためと考えられ
る。一方、II類の変異株は、培養上清ではフルクトシ
ルトランスフェラーゼ活性を示さなかったが、細胞内活
性は依然として保持していた。
【0045】
【実施例6】 アセトバクター・ジアゾトロフィカス由来のフルクトシ
ルトランスフェラーゼをコードする遺伝子クローンの構
築 通常の組換えDNA操作は、実質的にManiatis
1989,Molecular Cloning,C
SH,N.Y.,USAに記載の標準的方法に従って行
なった。
【0046】アセトバクター・ジアゾトロフィカスSR
T4株の遺伝子ライブラリーを、コスミドpLAFR1
(Friedman et al., Gene 1
8,289−296,1982)のEcoRI部位にE
coRI−BamHI−EcoRI部位を含む合成配列
を挿入して得られるpLAFR1の誘導体である、多様
な宿主に用いうるコスミドpPW12に構築した(AF
RC−IPSR Nitrogen Fixation
Laboratory,University of
Sussex,Brighton, East Su
ssex,BN19KQ,United Kingdo
m)。
【0047】アセトバクター・ジアゾトロフィカスSR
T4株の全DNAを、制限エンドヌクレアーゼSau3
A Iにて部分消化した。低融点アガロースゲル電気泳
動により15〜30kbの断片を単離し、BamHIで
切断し脱リン酸化したベクターpPW12にクローニン
グした。得られたライブラリーを、ラムダファージ粒子
にパッケージングした後、E.coliS17−1株に
感染させて移入し(Simon,R.et al.,p
p98−106,en A.Puhler ed. M
olecular Genetics of the
bacteria−plant interactio
n,Springer−Verlag,Berli
n)、テトラサイクリン12∝g/mlを加えたLB培
地に植え付けた。その後、遺伝子ライブラリーを回収
し、接合により、アセトバクター・ジアゾトロフィカス
SRT4株から単離したLev-I類変異株に転移させ
た。
【0048】接合交配においては、アセトバクター・ジ
アゾトロフィカスのLev-変異株を、1%グリセロー
ルを炭素源として含有するSB培地で、通気下、30o
Cの温度で36時間培養し、12,000rpmで5分
間遠心分離することにより培養物1.5mlを沈澱さ
せ、得られた細胞をLGI培地塩類0.3mlに再懸濁
させた。同時に、E.coliに担持された遺伝子ライ
ブラリーを含むグリセロール1mlをLB培地2mlに
接種し、通気下、37oCの温度で3時間インキュベー
トした。細胞を遠心分離により回収し、M9培地塩類
0.3ml中に再懸濁させた。上記のアセトバクター・
ジアゾトロフィカス変異株と遺伝子ライブラリーを含む
E.coli細胞をGYC寒天培地(5%グルコース、
1%酵母エキス、3%CaCO3)上で混合し(De
Ley,J et al.,pp268−274,en
N.R. Krieg & J.G.Holt ed
Bergey’s manual of Syste
matic Bacteriology,8th e
d. The Williams & Wilkins
Co.,Baltimore,1984)、30oCで
48時間培養した。交配させた混合物を回収し、アンピ
シリン25μg/ml(E.coliの選択を抑えるた
め)と、接合体を選択するためにテトラサイクリン20
μg/mlを加えた、5%スクロース含有LGIE寒天
培地に植え付けた。粘質の表現型を回復した個々のコロ
ニーを採集し、これら復帰細胞のプラスミドDNAを精
製し、精製したプラスミドDNAを用いてE.coli
S17−1株を形質転換させ、プラスミドを接合により
アセトバクター・ジアゾトロフィカス変異株に再度導入
し、Lev-変異株の表現型の相補性がプラスミドの有
する情報によるものであることを確認した。
【0049】制限エンドヌクレアーゼのマッピングの結
果、p21R1及びp21R2と識別される2種類の組
換えコスミドが7.8kbの領域を共有することがわか
った。サブクローニングと相補性試験を数回行うことに
より、フルクトシルトランスフェラーゼ遺伝子を、2.
3kbのBglII断片に配置した。この断片をpUC
18にクローニングし(C.Yanisch−Perr
on et al.,1985,Gene 33:10
3−119)、pUCLS23と命名した。この領域の
ヌクレオチド配列の解析によって、これまで公表された
フルクトシルトランスフェラーゼに対しホモロジーを有
するタンパク質をコードする読み取り枠の存在がわかっ
た。この読み取り枠のみを含むpUCLS23からの、
より短い2.0kbのSmaI断片を、pUC18ベク
ターのlacZ’の5’領域に枠内(in−fram
e)連結させた(C.Yanisch−Perron
etal.,1985,Gene 33:103−11
9)。この連結はPlacプロモーターの調節下で行っ
た。構築したプラスミドをpUCLS20と命名し、こ
のプラスミドを用いてE.coli71−18株を形質
転換させた(C.Yanisch−Perron et
al.,1985,Gene 33:103−11
9)。Lev1と識別される、得られた組換え菌株をL
B培地において37oCで生育させた。クローニングし
た遺伝子の発現を、イソプロピルチオガラクトシド(I
PTG)で誘導した。E.coliにおいて発現したポ
リペプチドを、アセトバクター・ジアゾトロフィカス由
来のフルクトシルトランスフェラーゼに対するウサギ抗
体を用い、ウェスタンブロット法により検出した。組換
えタンパクは、予想された分子量(60,000ダルト
ン)を示し、更に、天然酵素としてのフルクトシルトラ
ンスフェラーゼ活性を示した。
【0050】上記の結果は、組換えプラスミドpUCL
S23中で識別された読み取り枠が、アセトバクター・
ジアゾトロフィカス由来のフルクトシルトランスフェラ
ーゼをコードを示している。フルクトシルトランスフェ
ラーゼ遺伝子のヌクレオチド配列は配列番号1に示し、
該遺伝子のヌクレオチド配列から推定されるアミノ酸配
列を配列番号2に示す。
【0051】
【実施例7】 組換えE.coli内でのフルクトシルトランスフェラ
ーゼ活性を有する酵素調整物の産生 組換えE.coli株Lev1を、0.5%のグルコー
スを加えたLB培地300mlを含むエレンマイエルフ
ラスコ内に植え付け、回転撹拌器中で37oCで16時
間生育させた。培養物を0.5%のグルコースを加えた
LB培地を含むB.Eマルビシ(日本国、東京)社製の
5リットル発酵槽(実質容積:3.5リットル)に、初
期のOD530値が0.05となるように植え付けた。発
酵は、37oC、pH6.8〜7.2、撹拌速度350
rpm及び1VVM(1分間当たり1体積)の通気下で
行った。OD530値が2に達した時、1mMのイソプロ
ピルチオガラクトシド(IPTG)で培養を誘導し(t
he culture was induced)、同
条件下で更に6時間発酵を続けた。遠心分離によって細
胞を回収し、同容量の0.1M酢酸ナトリウム緩衝液
(pH5.8)に再懸濁し、B.ブラウン(B.BRA
UN)社製、モデル ラブソニック(LABSONI
C)2000で30秒間の超音波処理を5サイクル行な
い、サイクル間で1分間氷冷した。細胞破砕物中の組換
え酵素の産生を免疫学的に測定したところ、全ての可溶
性タンパクの約5%を占めていた。E.coli中に発
現した組換えフルクトシルトランスフェラーゼは、天然
のものと同じ触媒特性を示した。
【0052】
【実施例8】 組換えピヒア・パストリス酵母におけるフルクトシルト
ランスフェラーゼ活性を有する酵素調整物の産生 メチルトロフィック(methylotrophic)
ピヒア・パストリス酵母において組換えフルクトシルト
ランスフェラーゼの細胞外発現を行なうために、次のよ
うな実験を行った。2種のオリゴヌクレオチド[5’−
CATGGCGGCCCGCTCTTCCCC−3’
(配列番号4)と5’−GGGGAAGAGCGGGC
CGC−3’(配列番号5)]を合成し、ハイブリダイ
ズさせることにより、NcoI認識部位に結合しうる末
端と平滑末端を有する二本鎖DNAの断片を得た。オリ
ゴヌクレチドの配列としては、成熟フルクトシルトラン
スフェラーゼのN末端領域にある最初の6アミノ酸をコ
ードするような配列を選んだ。この合成断片の平滑末端
をプラスミドpUCLS23のSmaI断片(2.0k
b)に連結し、成熟フルクトシルトランスフェフーゼ酵
素の全コード配列を有するNcoI断片を得た。次に、
そのNcoI断片を、組込み用ベクターpPS7(ヨー
ロッパ特許公開公報 EP 438 200 A1)の
切断NcoI部位に挿入し、アルコールオキシダーゼ1
(AOX・1)・メタノール被誘導性プロモーターによ
る制御の下で、サッカロミセス・セレビシエ(Sacc
haromyces cerevisiae)由来のS
uc2のシグナルペプチドをコードする配列とフルクト
シルトランスフェラーゼ遺伝子を“インフレーム(in
frame)”融合させた。pPSLS20と命名さ
れたこの構築体をPvuIIにより消化し、これを用い
てメイルホックらによって提唱された方法(Meilh
oc et al.、1990、Bio/Techno
logy8:p.223〜227)に準じて、ピヒア・
パストリスの突然変異株であるMP36(his3-
(ヨーロッパ特許公開公報 EP 438 200 A
1)を形質転換した。形質転換した細胞を、炭素源とし
て2%グルコースを用い、最小培地G(P.Galz
y,1957,Paris.C.R.Acad.Sc
i.245:p.2423〜2427)上で選択し、フ
ルクトシルトランスフェラーゼ産生株を免疫学的にスク
リーニングし、メタノールによる誘導の後にフルクトシ
ルトランスフェラーゼを高レベルで発現する組換え酵母
をLev2株と命名した。ピヒア・パストリスのLev
2株による組換えフルクトシルトランスフェラーゼの産
生は、5リットル発酵槽〔(実質容積:3.5リット
ル)B.E.マルビシ(日本国、東京)社製〕中のYP
G培養地(酵母エキス1%、ペプトン2%、グルコース
2%)に初期のOD530値が0.2となるように植え付
け、pH5.2、温度30oC、通気1VVM(1分当
たり1体積)、撹拌速度350rpmで培養することに
より実施した。次に、OD値が60となった時メタノー
ルを加えて、徐々にその量を3.5g/h/リットルに
増やし、同時に撹拌速度を350rpmから750rp
mまで高めた。このように、120時間かけて培養を誘
導した。培養上清における酵素活性は誘導操作中増加し
つづけ、5000U/ml(2g/リットル)に達し
た。グラスビーズ〔Maniatis et al.
(1989) Moleculaer Clonin
g, CSH, NY USA〕による細胞破砕の後、
産生された全酵素のおよそ85%が培地に分泌されてい
ることが確認された。
【0053】
【配列表】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年3月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】これまで物性が特定された細菌由来のフル
クトシルトランスフェラーゼの殆どは、レバンスクラー
ゼ類(levansucrases)である(Cot
e,G.L. and Ahlgran, J.A.,
In Science and Technolog
y of fructans. Metabolism
in microorganisms, Part
I: Levan and levansucras
e. CRC Press, 1933)。すべてのレ
バンスクラーゼ類は、スクロースから種々の受容体への
フルクトース転移反応に対して触媒作用を有する。例え
ば、受容体が、水の場合には、スクロースの加水分解で
あり;グルコースの場合には、交換反応であり;フルク
トースの場合には、鎖延長反応であり;そして、スクロ
ースの場合には、オリゴサッカリド類の合成である。し
かし、種々の異なった重合度のオリゴフルクタン類の蓄
積をもたらす各反応の相対効率に関して、これらの酵素
の間には差違が認められる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】アセトバクター・ジアゾトロフィカス(A
cetobacter diazotrophicu
s)は、最も新しく同定されたアセトバクター属の種で
ある(Gillis et al., Int. J.
Sist. Bacteriol. 39, 361
−364, 1989)。その菌学的特性としては、そ
の細胞は、グラム陰性、N固定性、抗酸性、及び微好
気性であって、丸みのある端部を有する直線状桿の形態
をしており、幅約0.7〜0.9μm、長さ約2μmの
大きさであって、側毛性または周毛性の鞭毛による運動
性を有している。この細菌は、非病原性であって、また
更に、サトウキビと有益な結合を確立する能力を有して
いて識別される。しかし、その分子生物学的研究はまだ
僅かしかなされていない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】アセトバクター・ジアゾトロフィカスは、
レバンスクラーゼ活性を有する構成酵素を分泌する。こ
の酵素は、フルクトース含有オリゴサッカリド類及びレ
バンを産生させるのに有用である。フルクトース重合体
類は2つの特徴的な性質を有しており、それは非消化性
と、有益な腸管菌による選択的利用である。それらは、
便秘治療のための低カロリー食物繊維として、また、血
液脂質組成の改善、コレステロールの低減、及び腸管腐
敗物質の抑制の目的で有利に用いることができる。スク
ロース転換の過程において、アセトバクター・ジアゾト
ロフィカス由来のフルクトシルトランスフェラーゼは、
多量のフルクトオリゴサッカリド類、殊に天然低カロリ
ー甘味剤として有用なケストース(kestose)
〔又はケストトリオース(kestotriose)と
もいう〕及びケストテトラオース(kestotetr
aose)〔又はニストース(nistose)ともい
う〕、を蓄積する。レバンは、また、フルクトース源、
血漿増量剤、乳化剤、カプセル封入化材料などとして有
用である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】アセトバクター・ジアゾトロフィカスのフ
ルクトシルトランスフェラーゼは、培地中に蓄積される
構成細胞外酵素であって、その量は分泌される全タンパ
クの70%を超える。培養上清は粗フルクトシルトラン
スフェラーゼとして用いることができるが、また、該酵
素は、好ましくはイオン交換クロマトグラフィーのよう
な公知の方法によって精製することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】アセトバクター・ジアゾトロフィカスのフ
ルクトシルトランスフェラーゼは、低重合度のオリゴフ
ルクタン類を高いレベルで産生するレバンスクラーゼで
ある。スクロース変換の過程で、酵素によって転移され
たフルクトースの55%がケストトリオース(kest
otriose)及びケストテトラオース(kesto
tetraose)として蓄積される。これらのフルク
トオリゴサッカリド類は、食品工業において多くの用途
を有する高品質の甘味剤である。それ故、該酵素は、ス
クロースからケストース及びケストテトラオースを製造
するために効率的に用いることができる他、また、高分
子のレバンの製造にも有用である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】本発明の重要な態様によれば、配列番号2
の配列表に示されるアミノ酸配列又はそれの断片を本質
的に有するタンパク質物質が提供される。この更に好ま
しい態様によれば、約60,000ダルトンの分子量と
約5.5の等電点を有し、4〜90pH範囲と10〜7
0゜Cの温度範囲で安定であり、2%SDSの存在下で
活性であり、5M尿素処理のあと尿素を除去すると活性
が回復し、2,600U/mgの比活性を有し、30°
C及びpH5.8でのスクロース加水分解のKm値が1
2mMであり、イヌリンにはフルクトース残基を転移す
ることができず、そしてレバナーゼ活性の低い、ことを
特徴とするフルクトシルトランスフェラーゼ活性を有す
るタンパク質物質が提供される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】アセトバクター・ジアゾトロフィカスSR
T4株を、マンニトール2%、酵母エキス0.1%、ト
リプトン0.1%、KHPO 0.12%、K
PO 0.04%、MgSO・7HO 0.02
%、CaCl・HO 0.002%、FeCl
0.001%及びNaMoO 0.0002%から
なる培地を含む5リットル容発酵槽(有効容積:3.5
リットル)〔B.E.マルビシ社(日本国、東京)製〕
中で生育させて定常期にする。この時の発酵条件は、温
度30°C、pH5.5、撹拌速度400rpm及び通
気1vvm(1air volume per cul
ture volume per minute)(空
気3.5リットル/分の通気量)である。培養物は、6
0時間の発酵後に定常OD620が9.5に達した。細
胞を遠心分離により除去し、培養上清をロータリーエバ
ポレーターを用いて5倍に濃縮し、20mM トリス−
HCl(pH7.0)で透析した。続いて、硫酸アンモ
ニウムを添加して70%飽和にした。遠心分離を行なっ
た後、沈澱を20mM トリス−HCl(pH7.0)
に溶解し、同様の緩衝液で透析し、DEAE−セファロ
ース CL−6Bのカラム(2.5x13cm)にかけ
た(高流速)。カラムに吸着したタンパクを、20mM
トリス−HCl(pH7.0)に溶解したNaClの
直線濃度勾配で選択的に溶出させた。フルクトシルトラ
ンスフェラーゼ活性を有する画分は、0.2〜0.25
MのNaCl濃度で溶出された。この溶出画分をプール
し、1% NHHCO溶液(pH8.0)で透析
し、凍結乾燥した。こうして精製した酵素をSDSポリ
アクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)にか
けたところ、約60,000ダルトンの単一バンドを示
した。エドマン分解法により決定した、得られたフルク
トシルトランスフェラーゼのN末端配列は、Gly−G
ly−Pro−Leu−Phe−Pro−Gly−Ar
g−Ser−Leu(配列番号3)であった。上記精製
操作の各工程において得られるフルクトシルトランスフ
ェラーゼ活性画分における、フルクトシルトランスフェ
ラーゼ活性、タンパク含量、フルクトシルトランスフェ
ラーゼ比活性及び収率を
【表1】に示す。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】
【実施例4】 アセトバクター・ジアゾトロフィカス由来のフルクトシ
ルトランスフェラーゼをスクロースに作用させることに
よるフルクトオリゴサッカリドの製造 レバンスクラーゼを、0.1M酢酸緩衝液に溶解したス
クロース1M溶液を含有する反応混合物に、スクロース
1グラム当りの酵素量が30ユニットとなるように添加
した。この反応は30゜Cで3時間行なった。糖生成物
を、ピリジン:ブタン−1−オル:水=4:6:3にお
けるファットマン(Whatman)3MM紙のペーパ
ークロマトグラフィーにより解析したところ、転移され
たフルクトースの55%が反応混合物中のケストースに
蓄積されることがわかった。反応生成物をディオネック
ス・カーボパック(Dionex carbopac)
TM PAL(カラム:4x250mm)を用いてHP
LCによりさらに分析したところ、以下のような糖組成
であった。 グルコース(G)31%;フルクトース(F)17%;
スクロース23%;ケストース(GF2)18%;ニス
トース(GF3)6%;フルクトシルニストース(GF
4)3%;フルクタン(GF>4)2%.
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】アセトバクター・ジアゾトロフィカスSR
T4株の全DNAを、制限エンドヌクレアーゼSau3
A Iにて部分消化した。低融点アガロースゲル電気泳
動により15〜30kbの断片を単離し、BamHIで
切断し脱リン酸化したベクターpPW12にクローニン
グした。得られたライブラリーを、ラムダファージ粒子
にパッケージングした後、E.coliS17−1株に
感染させて移入し(Simon,R.et al.,p
p98−106,en A.Puhler ed. M
olecular Genetics of the
bacteria−plant interactio
n,Springer−Verlag,Berli
n)、テトラサイクリン12μg/mlを加えたLB培
地に植え付けた。その後、遺伝子ライブラリーを回収
し、接合により、アセトバクター・ジアゾトロフィカス
SRT4株から単離したLevI類変異株に転移させ
た。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】接合交配においては、アセトバクター・ジ
アゾトロフィカスのLev変異株を、1%グリセロー
ルを炭素源として含有するSB培地で、通気下、30°
Cの温度で36時間培養し、12,000rpmで5分
間遠心分離することにより培養物1.5mlを沈澱さ
せ、得られた細胞をLGI培地塩類0.3mlに再懸濁
させた。同時に、E.coliに担持された遺伝子ライ
ブラリーを含むグリセロール1mlをLB培地2mlに
接種し、通気下、37°Cの温度で3時間インキュベー
トした。細胞を遠心分離により回収し、M9培地塩類
0.3ml中に再懸濁させた。上記のアセトバクター・
ジアゾトロフィカス変異株と遺伝子ライブラリーを含む
E.coli細胞をGYC寒天培地(5%グルコース、
1%酵母エキス、3%CaCO)上で混合し(De
Ley,J et al.,pp268−274,en
N.R. Krieg & J.G.Holt ed
Bergey’s manual of Syste
matic Bacteriology,8th e
d. The Williams & Wilkins
Co.,Baltimore,1984)、30゜Cで
48時間培養した。交配させた混合物を回収し、アンピ
シリン25μg/ml(E.coliを選択しないため
に加える)と、接合体(アンピシリン及びテトラサイク
リンの両者に耐性を有する)を選択するためにテトラサ
イクリン20μg/mlを加えた、5%スクロース含有
LGIE寒天培地に植え付けた。粘質の表現型を回復し
た個々のコロニーを採集し、これら復帰細胞のプラスミ
ドDNAを精製し、精製したプラスミドDNAを用いて
E.coliS17−1株を形質転換させ、プラスミド
を接合によりアセトバクター・ジアゾトロフィカス変異
株に再度導入し、Lev変異株の表現型の相補性がプ
ラスミドの有する情報によるものであることを確認し
た。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】制限エンドヌクレアーゼのマッピングの結
果、p21R1及びp21R2と識別される2種類の組
換えコスミドが7.8kbの領域を共有することがわか
った。サブクローニングと相補性試験を数回行うことに
より、フルクトシルトランスフェラーゼ遺伝子を、2.
3kbのBglII断片に配置した。この断片をpUC
18にクローニングし(C.Yanisch−Perr
on et al.,1985,Gene 33:10
3−119)、pUCLS23と命名した。この領域の
ヌクレオチド配列の解析によって、これまで公表された
フルクトシルトランスフェラーゼに対しホモロジーを有
するタンパク質をコードする読み取り枠の存在がわかっ
た。pUCLS23から、フルクトシルトランスフェラ
ーゼの読み取り枠のみを含む、2.0kbのSmaI断
片を単離した。単離したSmaI断片をpUC18ベク
ターのSmaI部位に挿入し、それにより、フルクトシ
ルトランスフェラーゼをコードする配列をpUC18ベ
クターのlacZ’の5’領域に枠内(in−fram
e)連結させた(C.Yanisch−Perron
et al.,1985,Gene 33:103−1
19)。このようにして、Placプロモーターの調節
下で、フルクトシルトランスフェラーゼとlac Z’
との融合蛋白が発現するようにした。構築したプラスミ
ドをpUCLS20と命名し、このプラスミドを用いて
E.coli71−18株を形質転換させた(C.Ya
nisch−Perron et al.,1985,
Gene 33:103−119)。Lev1と識別さ
れる、得られた組換え菌株をLB培地において37゜C
で生育させた。クローニングした遺伝子の発現を、イソ
プロピルチオガラクトシド(IPTG)で誘導した。
E.coliにおいて発現したポリペプチドを、アセト
バクター・ジアゾトロフィカス由来のフルクトシルトラ
ンスフェラーゼに対するウサギ抗体を用い、ウェスタン
ブロット法により検出した。組換えタンパクは、予想さ
れた分子量(60,000ダルトン)を示し、更に、天
然酵素としてのフルクトシルトランスフェラーゼ活性を
示した。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正内容】
【0051】
【実施例7】 組換えE.coli内でのフルクトシルトランスフェラ
ーゼ活性を有する酵素調整物の産生 組換えE.coli株Lev1を、0.5%のグルコー
スを加えたLB培地300mlを含むエレンマイエルフ
ラスコ内に植え付け、回転撹拌器中で37°Cで16時
間生育させた。培養物を0.5%のグルコースを加えた
LB培地を含むB.Eマルビシ(日本国、東京)社製の
5リットル発酵槽(有効容積:3.5リットル)に、初
期のOD530値が0.05となるように植え付けた。
発酵は、37°C、pH6.8〜7.2、撹拌速度35
0rpm及び1vvm(1 air volume p
er culture volume per min
ute)(空気3.5リットル/分の通気量)の通気下
で行った。OD530値が2に達した時、1mMのイソ
プロピルチオガラクトシド(IPTG)で組み換えフル
クトシルトランスフェラーゼの産生を誘導し、同条件下
で更に6時間発酵を続けた。遠心分離によって細胞を回
収し、同容量の0.1M酢酸ナトリウム緩衝液(pH
5.8)に再懸濁し、B.ブラウン(B.BRAUN)
社製、モデルラブソニック(LABSONIC)200
0で30秒間の超音波処理を5サイクル行ない、サイク
ル間で1分間氷冷した。細胞破砕物中の組換え酵素の産
生を免疫学的に測定したところ、全ての可溶性タンパク
の約5%を占めていた。E.coli中に発現した組換
えフルクトシルトランスフェラーゼは、天然のものと同
じ触媒特性を示した。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正内容】
【0052】
【実施例8】 組換えピヒア・パストリス酵母におけるフルクトシルト
ランスフェラーゼ活性を有する酵素調整物の産生 メチルトロフィック(methylotrophic)
ピヒア・パストリス酵母において組換えフルクトシルト
ランスフェラーゼの細胞外発現を行なうために、次のよ
うな実験を行った。2種のオリゴヌクレオチド[5’−
CATGGCGGCCCGCTCTTCCCC−3’
(配列番号4)と5’−GGGGAAGAGCGGGC
CGC−3’(配列番号5)]を合成し、ハイブリダイ
ズさせることにより、NcoI認識部位に結合しうる末
端と平滑末端を有する二本鎖DNAの断片を得た。オリ
ゴヌクレチドの配列としては、成熟フルクトシルトラン
スフェラーゼのN末端領域にある最初の6アミノ酸をコ
ードするような配列を選んだ。この合成断片の平滑末端
をプラスミドpUCLS23のSmaI断片(2.0k
b)に連結し、成熟フルクトシルトランスフェラーゼ酵
素の全コード配列を有するNcoI断片を得た。次に、
そのNcoI断片を、組込み用ベクターpPS7(ヨー
ロッパ特許公開公報 EP 438 200 A1)の
切断NcoI部位に挿入し、アルコールオキシダーゼ1
(AOX・1)・メタノール被誘導性プロモーターによ
る制御の下で、サッカロミセス・セレビシエ(Sacc
haromyces cerevisiae)由来のS
uc2のシグナルペプチドをコードする配列とフルクト
シルトランスフェラーゼ遺伝子を“インフレーム(in
frame)”融合させた。pPSLS20と命名さ
れたこの構築体をPvuIIにより消化し、これを用い
てメイルホックらによって提唱された方法(Meilh
oc et al.、1990、Bio/Techno
logy8:p.223〜227)に準じて、ピヒア・
パストリスの突然変異株であるMP36(his3
(ヨーロッパ特許公開公報 EP 438 200 A
1)を形質転換した。形質転換した細胞を、炭素源とし
て2%グルコースを用い、最小培地G(P.Galz
y,1957,Paris.C.R.Acad.Sc
i.245:p.2423〜2427)上で選択し、フ
ルクトシルトランスフェラーゼ産生株を免疫学的にスク
リーニングし、メタノールによる誘導の後にフルクトシ
ルトランスフェラーゼを高レベルで発現する組換え酵母
をLev2株と命名した。ピヒア・パストリスのLev
2株による組換えフルクトシルトランスフェラーゼの産
生は、5リットル発酵槽〔(有効容積:3.5リット
ル)B.E.マルビシ(日本国、東京)社製〕中のYP
G培養地(酵母エキス1%、ペプトン2%、グルコース
2%)に初期のOD530mが0.2となるように植え
付け、pH5.2、温度30゜C、通気1vvm(1
air volume per culture vo
lume per minute)(空気3.5リット
ル/分の通気量)、撹拌速度350rpmで培養するこ
とにより実施した。次に、OD値が60となった時メタ
ノールを加えて、徐々にその量を3.5g/h/リット
ルに増やし、同時に撹拌速度を350rpmから750
rpmまで高めた。このように、120時間かけて培養
を誘導した。培養上清における酵素活性は誘導操作中増
加しつづけ、5000U/ml(2g/リットル)に達
した。グラスビーズ〔Maniatis et al.
(1989) Moleculaer Clonin
g, CSH, NY USA〕による細胞破砕の後、
産生された全酵素のおよそ85%が培地に分泌されてい
ることが確認された。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項21
【補正方法】変更
【補正内容】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 9/10 //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:02) (C12N 1/19 C12R 1:84) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 9/10 C12R 1:19) (C12N 9/10 C12R 1:84) (C12N 9/10 C12R 1:02) C12R 1:02) (72)発明者 ラザーロ ヘルナンデツ ガルシア キューバ国、シウダッド デ ラ ハバ ナ、プラーヤ、カッレ 186、エヌオー 3115、アプト 13 セ (72)発明者 アルベルト コエゴ ゴンザレツ キューバ国、シウダッド デ ラ ハバ ナ、セッロ、コロン、エヌオー 457 (72)発明者 ギレルモ セルマン−ヒューセイン ソー サ キューバ国、シウダッド デ ラ ハバ ナ、プラーヤ、カッレ 184、エヌオー 3112、アプト 18

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1の配列表に示される、アセト
    バクター・ジアゾトロフィカス菌由来のフルクトシルト
    ランスフェラーゼ遺伝子に含まれるヌクレオチド配列、
    に本質的に対応するかまたは該配列とハイブリダイズす
    るヌクレオチド配列を有する単離精製されたDNA。
  2. 【請求項2】 フルクトシルトランスフェラーゼ活性を
    有する酵素をコードするヌクレオチド配列を含む請求項
    1に記載の単離精製されたDNA。
  3. 【請求項3】 配列番号2の配列表に示されるアミノ酸
    配列を有する、アセトバクター・ジアゾトロフィカス由
    来のフルクトシルトランスフェラーゼ酵素をコードする
    ヌクレオチド配列を含む請求項1に記載の単離精製され
    たDNA。
  4. 【請求項4】 上記ヌクレオチド配列が、配列番号1の
    配列表に示されるヌクレオチド配列より本質的になる請
    求項1に記載の単離精製されたDNA。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のDNA
    及びクローニング用または発現用ベクターのヌクレオチ
    ド配列を含み、宿主中でのタンパク質の発現を起こさせ
    ることのできる組換えポリヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 フルクトシルトランスフェラーゼ活性を
    有するタンパク質の宿主中での発現を起こすことのでき
    る請求項5に記載の組換えポリヌクレオチド。
  7. 【請求項7】 フルクトシルトランスフェラーゼ活性を
    有するタンパク質の細菌中での発現を起こすことのでき
    る請求項5に記載の組換えポリヌクレオチド。
  8. 【請求項8】 フルクトシルトランスフェラーゼ活性を
    有するタンパク質のE.coli中での発現を起こすこ
    とのできる請求項5に記載の組換えポリヌクレオチド。
  9. 【請求項9】 プラスミド pUCLS28である請求
    項8に記載の組換えポリヌクレオチド。
  10. 【請求項10】 フルクトシルトランスフェラーゼ活性
    を有するタンパク質の酵母中での発現を起こすことので
    きる請求項5に記載の組換えポリヌクレオチド。
  11. 【請求項11】 フルクトシルトランスフェラーゼ活性
    を有するタンパク質のピヒア・パストリス酵母中での発
    現を起こすことのできる請求項5に記載の組換えポリヌ
    クレオチド。
  12. 【請求項12】 プラスミド pPSLS20である請
    求項8に記載の組換えポリヌクレオチド。
  13. 【請求項13】 請求項5〜12のいずれかに記載の組
    換えポリヌクレオチドで形質転換された宿主細胞。
  14. 【請求項14】 細菌である請求項13に記載の宿主細
    胞。
  15. 【請求項15】 E.coliである請求項13に記載
    の宿主細胞。
  16. 【請求項16】 E.coliのLev1株である請求
    項13に記載の宿主細胞。
  17. 【請求項17】 酵母である請求項13に記載の宿主細
    胞。
  18. 【請求項18】 ピヒア・パストリス酵母である請求項
    13に記載の宿主細胞。
  19. 【請求項19】 ピヒア・パストリスのLev2株であ
    る請求項13に記載の宿主細胞。
  20. 【請求項20】 配列番号2の配列表に示されるアミノ
    酸配列を本質的に有するポリペプチドを含む、フルクト
    シルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質物質。
  21. 【請求項21】 約60,000ダルトンの分子量と約
    5.5の等電点を有し、4〜9のpH範囲と10〜70
    oCの温度範囲で安定であり、2%SDSの存在下で活
    性であり、5M尿素処理のあと活性が回復し、2,60
    0U/mgの比活性を有し、30oC及びpH5.8で
    のスクロース加水分解のKm値が12mMであり、イヌ
    リンにはフルクトース残基を転移することができず、そ
    してレバナーゼ活性の低い、ことを特徴とする請求項2
    0に記載のフルクトシルトランスフェラーゼ活性を有す
    るタンパク質物質。
  22. 【請求項22】 フルクトシルトランスフェラーゼ酵素
    をコードする請求項1〜4のいずれかに記載のDNAを
    宿主中で発現することを含む、フルクトシルトランスフ
    ェラーゼ活性を有するタンパク質物質の製造方法。
  23. 【請求項23】 発現を原核細胞または真核細胞中で行
    なう請求項22に記載の方法。
  24. 【請求項24】 産生したフルクトシルトランスフェラ
    ーゼ酵素を細胞及び/又は培地から回収する、請求項2
    2に記載の方法。
  25. 【請求項25】 アセトバクター・ジアゾトロフィカス
    の株を培養し、そして産生するフルクトシルトランスフ
    ェラーゼ酵素を回収することを含む、フルクトシルトラ
    ンスフェラーゼ活性を有するタンパク質物質の製造方
    法。
  26. 【請求項26】 該株が、アセトバクター・ジアゾトロ
    フィカスのSRT4株(CBS549.9としてCBS
    に寄託されている)である、請求項25に記載の方法。
  27. 【請求項27】 産生されるフルクトシルトランスフェ
    ラーゼ酵素を培地から回収する、請求項25に記載の方
    法。
  28. 【請求項28】 スクロースのフルクトース転移反応に
    よってフルクトオリゴサッカリド及び/又はフルクタン
    を製造する方法であって、フルクトース転移反応条件下
    に、スクロースをフルクトシルトランスフェラーゼ酵素
    又は該酵素を産生する細胞と接触させ、次いで、所望に
    より、産生させるフルクトオリゴサッカリドを回収する
    ことを包含し、その際、該フルクトシルトランスフェラ
    ーゼ酵素が請求項20または21に記載のタンパク質物
    質であるか、あるいは請求項22〜27のいずれかに記
    載の方法で製造されたタンパク質物質であることを特徴
    とする方法。
JP6335307A 1993-12-23 1994-12-22 フルクトシルトランスフェラーゼ酵素、その製造方法、及び該酵素をコードするdna Pending JPH0847394A (ja)

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