JPH0844400A - ベクトル量子化装置 - Google Patents
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Abstract
るベクトル量子化において計算量を削減し、より少ない
計算量で最適なベクトルを探索できるベクトル量子化装
置を提供する。 【構成】目標ベクトルRに近似した近似ベクトルX1を
得る第1の探索部130と、目標ベクトルRと近似ベク
トルX1から残差ベクトルRvを求める残差ベクトル算
出部140と、符号ベクトルx2〜xNを重み付けした
ベクトル群X2〜XNを得る重み付け部120と、近似
ベクトルX1と重み付けされたベクトル群X2〜XNで
張られる空間に対する残差ベクトルRvの射影ベクトル
の大きさを評価値とし、この評価値をより大きくする符
号ベクトルを探索する第2の探索部170を有する。
Description
信号の符号化に用いられるベクトル量子化装置に係り、
特にCELP方式における符号帳探索技術に関する。
レートで符号化する技術として、CELP( Code Excit
ed Linear Prediction )方式は、有効な方式の一つであ
る。このCELP方式での処理は、フレーム単位に分割
された入力音声から声道をモデル化した音声合成フィル
タを求める処理と、このフィルタの入力信号に当たる駆
動ベクトルを求める処理に大別される。これらのうち、
後者は符号帳に格納された複数の駆動ベクトルを一つず
つ音声合成フィルタに通し、得られる合成音声と入力音
声を比較して、その誤差に基づき符号帳から駆動ベクト
ルを探索する符号帳探索と呼ばれるベクトル量子化の処
理が必要であり、この処理は一般に多くの計算量を必要
とする。本発明は、複数の符号帳を備えたCELP方式
での符号帳探索技術に関するものである。
oeder and B.S.Atal,"Code ExcitedLinear Prediction
(CELP): High Auality Speech at Very Low Bit Rate
s",Proc. ICASSP,pp.937-940, 1985 および W.S.Kleiji
n, D.J.Krasinski et al."ImprovedSpeech Quality and
Efficient Vector Quantization in SELP",Proc.ICASS
P, pp.155-158, 1988 で詳しく述べられているが、その
概略を図23を用いて説明する。
入力音声は線形予測分析部950で分析され重み付き合
成フィルタ930の係数が求められる。また、入力音声
は聴感重み付け部940にも入力され、重み付き入力音
声が得られる。重み付き入力音声から重み付き合成フィ
ルタの零状態応答を差し引くことにより、目標ベクトル
980が得られる。次に、適応符号帳911から駆動ベ
クトルを一つずつ重み付き合成フィルタ930で合成し
て合成音声ベクトルを求め、評価部970で目標ベクト
ル980との差(歪みベクトル)がより小さくなるよう
駆動ベクトルを探索し、最適なものを第1の駆動ベクト
ルとする。次に、第1の駆動ベクトルの影響を考慮し、
雑音符号帳912から第2の駆動ベクトルを同様にして
選ぶ。最後に第1と第2の符号ベクトルにそれぞれゲイ
ン回路921,922で最適なゲインを掛けた後、足し
合わせることで駆動信号を生成する。この駆動信号で適
応符号帳911の更新を行い、次のフレームに備える。
び雑音符号帳912から歪みベクトルの大きさをより小
さくする駆動ベクトルを探し出す処理を符号帳探索と呼
ぶ。この符号帳探索に際しては、通常、適応符号帳91
1を先に探索して第1の最適な駆動ベクトルx1を選
び、その後にx1の影響を考慮して雑音符号帳912を
探索し、第2の駆動ベクトルx2を決め、最後に両ベク
トルx1,x2にそれぞれゲインをかけて足し合わせ
る。
化探索は、x1が求まった条件の下で最適なx2が求め
られる手法として広く使われてきている。具体的には、
与えられたx1を合成フィルタ910に通して得られる
合成音声ベクトルX1に対して、探索中のベクトルx2
を合成フィルタ910に通して得られる合成音声ベクト
ルX2を直交化したベクトルX2vを式(1)で求め、
このX2vと目標ベクトルRからなる式(2)の評価値
Eを最大にするベクトルx2を求める。
動ベクトル全てをX1に直交化しながら探索を行う必要
があるため、符号帳探索にかかる計算量が大きいという
問題があった。
の直交化探索は適応符号帳から得られた最適な合成音声
ベクトルに対し、雑音符号帳から得られる合成音声ベク
トルを1つずつ直交化しながら雑音符号帳の探索を行う
ため、符号帳探索に必要な計算量が大きいというい問題
点があった。
に、従来に比べて著しく少ない計算量で最適な符号ベク
トルを探索できるベクトル量子化装置を提供することを
目的とする。
め、第1の発明に係るベクトル量子化装置は、残差ベク
トルを得る手段と、符号ベクトルの集合から少なくとも
一つの符号ベクトルを選択する手段と、この手段により
選択された符号ベクトルと第1の基底ベクトルの集合を
構成する基底ベクトルとを合わせたベクトルが張る空間
の基底ベクトルを第2の基底ベクトルの集合として得る
手段と、前記残差ベクトルを前記第2の基底ベクトルの
集合が張る空間に投影した射影ベクトルの大きさをより
大きくする符号ベクトルの組を前記符号ベクトルの集合
から探索する探索手段と、この探索手段により探索され
た符号ベクトルの組を特定する情報を出力する手段とを
備えることを特徴とする、第2の発明に係るベクトル量
子化装置は、残差ベクトルを得る手段と、符号ベクトル
の集合から少なくとも一つの符号ベクトルを選択する手
段と、この手段により選択された符号ベクトルと前記残
差ベクトルとの内積値の大きさに基づく評価値をより大
きくする符号ベクトルの組を前記符号ベクトルの集合か
ら探索する探索手段と、この探索手段により探索された
符号ベクトルの組を特定する情報を出力する手段とを備
えることを特徴とする。
残差ベクトルを得る手段と、符号ベクトルの集合から少
なくとも一つの符号ベクトルを選択する手段と、この手
段により選択された符号ベクトルと前記残差ベクトルと
の内積値の大きさを前記符号ベクトルに基づく重み係数
で重み付けした値に基づいて評価した値をより大きくす
る符号ベクトルの組を前記符号ベクトルの集合から探索
する探索手段と、この探索手段により探索された符号ベ
クトルの組を特定する情報を出力する手段とを備えるこ
とを特徴とする。
残差ベクトルを得る手段と、符号ベクトルの集合から少
なくとも一つの符号ベクトルを選択する手段と、第2の
発明または第3の発明における探索手段を用いて前記符
号ベクトルの集合から複数組の符号ベクトルを予備選択
候補として選択する予備選択手段と、前記予備選択候補
から第1の発明における探索手段を用いて少なくとも一
組の符号ベクトルを最適符号ベクトルの組として選択す
る本選択手段と、前記最適符号ベクトルの組を特定する
情報を出力する手段とを備えることを特徴とする。
残差ベクトルを得る手段と、符号ベクトルの集合から少
なくとも一つの符号ベクトルを選択する手段と、第2の
発明または第3の発明における探索手段を用いて前記符
号ベクトルの集合から複数組の符号ベクトルを予備選択
候補として選択する予備選択手段と、前記予備選択手段
で用いた内積値の大きさを前記第2の基底ベクトルの集
合が張る平面に直交化された符号ベクトルの大きさで割
った値をより大きくする符号ベクトルを最適符号ベクト
ルの組として前記予備選択候補から選択する本選択手段
と、前記最適符号ベクトルの組を特定する情報を出力す
る手段とを備えることを特徴とする。
目標ベクトルを近似する近似ベクトルを得る手段と、前
記目標ベクトルと前記近似ベクトルを用いて残差ベクト
ルを得る手段と、前記近似ベクトルと複数の符号ベクト
ルの集合で張られる空間に対する前記残差ベクトルの射
影ベクトルの大きさをより大きくする符号ベクトルを探
索する探索手段と、この探索手段により探索された符号
ベクトルを特定する情報を出力する手段とを備えること
を特徴とする。
目標ベクトルを近似する近似ベクトルを得る手段と、前
記目標ベクトルと前記近似ベクトルを用いて残差ベクト
ルを得る手段と、符号ベクトルと前記残差ベクトルとの
内積値の大きさをより大きくする符号ベクトルを探索す
る探索手段と、この探索手段により探索された符号ベク
トルを特定する情報を出力する手段とを備えることを特
徴とする。
目標ベクトルを近似する近似ベクトルを得る手段と、前
記目標ベクトルと前記近似ベクトルを用いて残差ベクト
ルを得る手段と、符号ベクトルと前記残差ベクトルとの
内積値の大きさを前記符号ベクトルに基づく重み係数で
重み付けした値をより大きくする符号ベクトルを探索す
る探索手段と、この探索手段により探索された符号ベク
トルを特定する情報を出力する手段とを備えることを特
徴とする。
第7の発明または第8の発明における探索手段により複
数の符号ベクトルを予備選択候補として選択する予備選
択手段と、前記予備選択候補から第6の発明における探
索手段を用いて少なくとも一組の符号ベクトルを最適符
号ベクトルの候補として選択する本選択手段と、前記最
適符号ベクトルの候補を特定する情報を出力する手段と
を備えることを特徴とする。
は、所定の重み係数で重み付けられた符号ベクトルを入
力するようにしてもよい。
いて、前記内積値を前記符号ベクトルと前記残差ベクト
ルを逆畳み込み演算したベクトルとの内積で求めるよう
にしてもよい。
に際し、まず符号ベクトルの組と第1の基底ベクトルを
合わせたベクトルが張る空間を得、この空間に残差ベク
トルを射影した射影ベクトルの大きさを評価値として求
め、この評価値をより大きくする符号ベクトルの組を最
適符号ベクトルの組として探索する。このような探索に
よると、探索中に符号ベクトルの組を直交化する必要が
ないので、従来の直交化探索に比べ少ない計算量で探索
することが可能となる。
トルとの内積値の大きさを評価値として求め、この評価
値をより大きくする符号ベクトルの組を最適符号ベクト
ルの組として探索し、また第3の発明では符号ベクトル
と残差ベクトルとの内積値の大きさを符号ベクトルの大
きさに基づく重み係数で重み付けした値を評価値として
求め、この評価値をより大きくする符号ベクトルの組を
最適符号ベクトルの組として探索するため、さらに少な
い計算量で探索を行うことが可能となる。
を組み合わせることで、より精度の高い探索結果を最適
符号ベクトルとして少ない計算量で求めることができ
る。
ベクトルを得た後、符号ベクトルを探索するに際し、目
標ベクトルと近似ベクトルとの残差ベクトルを近似ベク
トルと符号ベクトルで張られる空間に射影した射影ベク
トルを求め、この射影ベクトルの大きさを評価値とし
て、この評価値をより大きくする符号ベクトルを最適符
号ベクトルとして探索する。この場合、探索中に符号ベ
クトルを直交化する必要がないので、やはり直交化探索
法に比べ少ない計算量で探索が可能となる。
の大きさをより大きくする前記ベクトルを探索し、また
第8の発明では残差ベクトルとの内積値を符号ベクトル
に基づく重み係数で重み付けした値をより大きくする符
号ベクトルを最適符号ベクトルとして探索する。これら
第7、第8の発明では第6の発明での評価値を表す分数
式の分子の値または分子を符号ベクトルで重み付けした
値をより大きくするように符号ベクトルを探索するた
め、さらに少ない計算量で探索を行うことが可能とな
る。
合わせることで、より精度の高い探索結果を最適符号ベ
クトルとして少ない計算量で求めることができる。
する。
トル量子化装置の構成を示す。このベクトル量子化装置
は、符号帳1010、組合せ部1020、重み付け部1
030、残差ベクトル算出部1040、基底ベクトル生
成部1050および探索部1070からなり、探索部1
070は射影ベクトル計算部1071と評価部1072
からなる。残差ベクトル算出部1040では、探索の目
標ベクトルとなる残差ベクトルR(k)が求められる。
本実施例では、一例として前段の残差ベクトルと前段か
ら出力された基底ベクトルの集合から残差ベクトルR
(k)を求める構成が示されている。より具体的には、
残差ベクトル算出部1040は端子1001に入力され
た前段の残差ベクトルR(k−1)と、端子1002に
入力された第1の基底ベクトルの集合B(k−1)を用
い、R(k−1)からこれをB(k−1)が張る空間に
射影した射影ベクトルを差し引くことで、目標ベクトル
である残差ベクトルR(k)を求める。
ばれたM個の符号ベクトルは、重み付け部1030で重
み付けられた符号ベクトルX(k1),X(k2),
…,X(kM)となり、基底ベクトル生成部1050に
入力される。基底ベクトル生成部1050では、符号ベ
クトルX(k1),X(k2),…,X(kM)と端子
1002に入力された第1の基底ベクトルの集合を構成
する基底ベクトルとを合わせたベクトルが張る空間を求
め、その基底ベクトルを算出して第2の基底ベクトルの
集合B(k)として出力する。
と第2の基底ベクトルの集合B(k)は、探索部107
0における射影ベクトル計算部1071に入力され、こ
こでB(k)が張る空間にR(k)を射影して得られる
第2の射影ベクトルP(k)の大きさが計算され、その
値が評価部1072に入力される。
制御することで射影ベクトル計算部1071からの入力
値、つまり第2の射影ベクトルP(k)の大きさがより
大きくなるようなM個の符号ベクトルの組合せを最適符
号ベクトルとして探索すると共に、その最適符号ベクト
ルを特定する情報(インデックス)を探索結果として出
力する。
つの符号帳1010からM個探索する構成は符号帳の構
成方法の一例に過ぎず、後述する実施例7のようにN個
の符号帳から1つの符号ベクトルずつ選ぶ例もある。一
般的には、符号ベクトルの集合から符号ベクトルを選ぶ
と考えれば良く、例えば少数の基本ベクトルを符号帳に
備え、これらの基本ベクトルに簡単な演算(例えば線形
結合など)を施すことで、事実上多数の符号ベクトルを
含む符号帳を構成する例なども、この考え方に含まれ
る。また、実際には計算量などの制約からM=1とする
場合が多い。このことは以下の実施例についても同様で
ある。
号化等で用いられる重み付き合成フィルタが挙げられ
る。また、重み付け部1030の重み係数を1とするこ
とで、実質的に重み付けなしの構成とすることも可能で
ある。すなわち、重み付部1030は省略してもよい。
このことは以下の実施例についても同様である。
基底ベクトルの集合B(k−1)と符号ベクトルX(k
1),X(k2),…,X(kM)から、第2の基底ベ
クトルの集合B(k)を生成する。このB(k)の生成
法は種々考えられるが、最も簡単な例の1つは直和をと
る方法である。つまり、B(k−1)がm本の基底ベク
トルb(k−1),b2(k−1),…,bm(k−
1)で構成されている場合、 B(k)={b1(k−1),b2(k−1),…,b
m(k−1),X(k1),X(k2),…,X(k
M)} とする。また、別の方法として残差ベクトルの射影ベク
トルを再帰的に用いてB(k)を構成する方法もある。
射影ベクトルP(k)の大きさをより大きくする符号ベ
クトルの組を探索する。通常は最適な組合せを1つ選ぶ
が、CELP符号化で近年よく用いられているディーレ
ドディシジョンなどを利用するため、最適なものを複数
個選ぶ場合もある。このことは以下の実施例についても
同様である。
て本実施例における符号ベクトル探索処理の流れを説明
する。簡単のために、探索する符号ベクトルは1つとし
(符号ベクトルの組は1つの符号ベクトルから構成され
る)、終了条件は符号帳1010を全て探索した場合と
し、射影ベクトルの大きさはベクトルの長さの2乗を用
いた場合に制限している。
1,|Pmax(k)|2 =0に設定して初期化を行
う。imaxは最適符号ベクトルを特定する情報として
のインデックス、|Pmax(k)|2 は射影ベクトル
の大きさの最大値を表わす。
(k)を算出する。
ベクトルXi(k)を算出する。
(k)を生成する。
さ|Pi(k)|2 を算出する。
出された|Pi(k)|2 と以前に算出された射影ベク
トルの大きさの最大値|Pmax(k)|2 との大小関
係を判定する。
定結果が|Pmax(k)|2 <|Pi(k)|2 であ
れば、|Pi(k)|2 を新たな|Pmax(k)|2
として更新すると共に、そのときのiをインデックスi
maxとする。
理後、あるいはステップS16の判定結果が|Pmax
(k)|2 >|Pi(k)|2 の場合には、iを1増加
させる。
るかどうかを調べる。i=NとなるまでステップS13
からS18までの処理を繰り返し行い、i=Nで一連の
処理を終了する。
利用して最適符号ベクトルを探索するため、従来の直交
化探索法のように探索ループの中で符号ベクトルの直交
化を行う必要がなく、少ない計算量で探索を行うことが
できる。
トル量子化装置の構成を示す。本実施例では、探索部1
070の構成が図1に示した実施例1と異なっている。
すなわち、実施例1では探索部1070において第2の
射影ベクトルP(k)の大きさを求めていたのに対し
て、本実施例における探索部1070では、残差ベクト
ルR(k)と重み付け部1030で重み付けられた符号
ベクトルX(k)の内積値の大きさが内積値計算部10
73で求められ、この値が評価部1072に送られる。
評価方法に従って最適符号ベクトルを探索する。内積値
に基づく評価方法の例としては、(1) 符号ベクトルの組
が1つのベクトルで構成されている場合は内積値の大き
さをより大きくする、(2) 符号ベクトルの組が複数の組
で構成されている場合は内積値の和の大きさをより大き
くする、などが挙げられる。
探索処理の流れを示すフローチャートである。これは図
24と同様の制限をした例であり、内積値の大きさに基
づく評価値として内積値の2乗を用いている。
1,Emax=0に設定して、初期化を行う。imax
は最適符号ベクトルを特定する情報としてのインデック
ス、Emaxは内積値の大きさの最大値を表わす。
(k)を算出する。
み込み演算したベクトルR′(k)を算出する。
(xi(k),R′(k))2 を算出する。
出された内積値の大きさEと以前に算出された内積値の
大きさの最大値Emaxとの大小関係を判定する。
定結果がEmax<Eであれば、Eを新たなEmaxと
して更新すると共に、そのときのiをインデックスim
axとする。
理後、あるいはステップS25の判定結果がEmax>
Eの場合には、iを増加させる。
るかどうかを調べる。i=NとなるまでステップS24
からS27までの処理を繰り返し行い、i=Nで一連の
処理を終了する。
クトル探索の処理手順を図24と図25を適宜組合せた
り、修正したフローチャートにより表わせるので、フロ
ーチャートを省略するものとする。
値の計算は、実施例1における射影ベクトルの計算の近
似計算であるが、計算量がさらに大幅に減少するという
利点がある。例えば、同様のことを従来の直交化探索を
用いて行うと、内積値を求める前に符号ベクトルを直交
化する必要が生じ、その分だけ計算量が増加する。これ
に対し、本実施例では直交化の必要がないので、従来法
よりも著しく少ない計算量で符号ベクトルの探索を行う
ことができる。
て多段の量子化を行う場合、k段目の探索ではk−1段
目までの探索で求められた符号ベクトル全てに直交化し
ながら内積値を計算する必要があるのに対し、本実施例
では残差ベクトルを求めてしまえば、内積値の計算は探
索の段数によらず一定であるため、段数が多くなるほど
従来法より計算量の削減効果が大きくなる。本実施例で
得られる探索結果は、従来法と同様である(この理由
は、後述する実施例7で述べる)。
トル量子化装置の構成を示す。本実施例における探索部
1070は、内積値計算部1073と評価部1072と
の間に重み付け部1074を挿入し、重み係数算出部1
075により符号ベクトルに基づいて求められた重み係
数で、内積値計算部1073により求められた内積値の
大きさを重み付けし、この重み付けした内積値に基づく
評価方法で最適符号ベクトルを探索する構成となってい
る。評価部1072での評価法は、実施例2で説明した
方法と同様でよい。
付けすることにより、若干計算量が増すが、探索の精度
が向上する。このため、従来法のように直交化を行わな
いこととあいまって、少ない計算量で精度のよい探索を
行うことができる。
トル量子化装置の構成を示す。本実施例における探索部
は、予備選択部1370aと本選択部1370bからな
る二段階の構成となっている。予備選択部1370a
は、できるだけ少ない計算量で符号ベクトルの探索が可
能な探索法を用いて、数個の符号ベクトルを予備選択候
補として選択する。この例では、予備選択部1370a
は図3に示した実施例3における探索部1070と同様
に、評価部1072、内積値計算部1073、重み付け
部1074および重み係数算出部1075により構成さ
れるが、図2に示した実施例2における探索部1070
と同様に構成してもよい。
択候補の情報1380は、本選択部1370bに渡され
る。本選択部1370bでは、予備選択候補に対して精
度の高い探索方法、例えば実施例1で示した探索部13
70と同様の構成により、予備選択候補の中から一つの
または複数個の符号ベクトルを最適符号ベクトルとして
選択し、探索結果として最適符号ベクトルを特定する情
報としてのインデックスを出力する。
ね備えた構成であり、少ない計算量でより良い符号ベク
トルの候補を選択できるという利点がある。すなわち、
予備選択部1370aでは直交化を行わずに内積計算が
可能であるため、計算量を大きく削減でき、また本選択
部1370bでは完全な評価式を計算することで符号ベ
クトルの探索精度を上げることができる。
とも可能であり、例えば予備選択部を2段設け、第1段
目の予備選択部で選択された候補に対し第2段目の予備
選択部でさらに候補を絞り、第2段目の予備選択部で選
択された候補に対して本選択を行う構成としてもよい。
トル量子化装置の構成を示す。本実施例は、図4に示し
た実施例4の本選択部1370bの構成を変えたもので
ある。すなわち、本実施例における本選択部1370b
では、直交化ベクトル算出部1076において、重み付
け部1030で重み付けられた符号ベクトルを第1の基
底ベクトルが張る空間に直交化したベクトルを求める。
そして、評価部1072bにおいて、重み付けられた符
号ベクトルをこの直交化したベクトルの大きさで割るこ
とにより、予備選択部1370aからの予備選択候補を
評価して最適符号ベクトルを選択している。
ル量子化装置を応用したベクトル符号化/復号化装置の
一実施例の構成を示す。符号化装置3000では、入力
された目標ベクトルRに対して多段(M段)のベクトル
量子化を行うものであり、M段の量子化装置3001〜
3003のうち少くとも1段は上述した実施例1〜5の
いずれかのベクトル量子化装置を用いて量子化を行う。
量子化装置3001〜3003でそれぞれ探索された最
適符号ベクトルを特定するためのインデックスと、ゲイ
ン算出部3004で得られたゲイン情報は、復号化装置
4000に伝送される。
00から伝送されてきたインデックスから、M段の復号
化装置4001〜4003で符号ベクトルを復号化し、
これらとゲイン情報から合成部4004で目標ベクトル
の量子化値を得る。
量子化装置に適用すると、計算量削減の効果の他、処理
が再帰的になっていることから、処理をソフトウェア、
ハードウェアのいずれで実現する場合でも、その実現が
比較的容易であるという効果が得られる。
トル量子化装置の構成を示す。このベクトル量子化装置
は符号帳111〜112、重み付け部120、第1の探
索部130、残差ベクトル算出部140および第2の探
索部170からなり、さらに第2の探索部171は評価
部172と射影ベクトル計算部173からなる。
入力された目標ベクトルを近似するベクトル(以下、近
似ベクトルという)X1を出力する。残差ベクトル算出
部140では、近似ベクトルX1と目標ベクトルRとの
残差ベクトルRvが算出される。この残差ベクトルRv
は、射影ベクトル計算部173に入力される。一方、符
号帳111〜112からそれぞれ1つずつ選ばれた符号
ベクトルx2〜xNは重み付け部120で重み付けさ
れ、重み付けされたベクトル群X2〜XNとして射影ベ
クトル計算部173に入力される。
トルX1とベクトル群X2〜XNで張られる空間に対す
る残差ベクトルRvの射影ベクトルの大きさが計算され
る。評価部172は、この射影ベクトルRvをより大き
くする符号ベクトルを符号帳111〜112から探索
し、その符号ベクトルを特定する情報を探索結果171
として出力する。なお、探索結果としては符号ベクトル
そのものを示す符号であってもよいし、これを間接的に
特定する例えばピッチ周期などの情報であってもよい。
クトルが求まる理由について、図8を用いて幾何学的に
説明する。目標ベクトルRを近似ベクトルX1とベクト
ル群X2〜XNの線形結合で最も良く近似することは、
X1〜XNで張られる空間に対する目標ベクトルRの射
影ベクトルをRpとした場合、歪みベクトルの大きさ|
R−Rp|を最小にすることである。目標ベクトルRを
近似ベクトルで近似した時の残差ベクトルをRv、その
射影ベクトルをRvpとおくと、 |R−Rp|=|Rv−Rvp| であるから、|R−Rp|を最小にすることは|Rv−
Rvp|を最小にすることと同じである。
Rv,Rvpで作られる三角形は直角三角形であり、従
って三平方の定理より |Rv|2 =|Rvp|2 +|Rv−Rvp|2 である。探索に際して、近似ベクトルX1と目標ベクト
ルRは固定のベクトルであるから、直角三角形の斜辺に
当たる残差ベクトルRvも固定である。よって|Rv−
Rvp|を最小にすることは、残差ベクトルRvの射影
ベクトルの大きさ|Rvp|を最大にすることと等価で
あることがわかる。
明する。残差ベクトルRvは、式(3)で与えられる。
面上のベクトルであるから、 Rvp=a1*X1+a2*X2+……+aN*XN …(4) と表せる。a1〜aNの係数は、|Rv −Rvp|を
最小にするように決められる。この決め方の詳細は、特
願平6−96655で述べられている。これらを|Rv
−Rvp|2 の式に代入し整理すると、 |Rv−Rvp|2 =|Rv|2 −|Rvp|2 …(5) が得られる。|Rv|2 が定数なので、射影ベクトルの
長さRvp2 を最大化することは、誤差|Rv−Rvp
|を最小化することと等価になる。
(R,X1)/|X1|2 はRをX1だけで近似する場
合の最適ゲインとなっている。符号化の都合等でこの最
適ゲインを量子化したり、最適ゲインに準ずる値を求め
る場合は、その値をもって最適ゲイン(R,X1)/|
X1|2 の代りとし残差ベクトルRvを求めることも可
能である。
の場合について詳しい計算結果を示す。Rvの射影ベク
トルRvpを Rvp=a1*X1+a2*X2 …(6) とおくと、この射影ベクトルRvpの長さ|Rvp|2
は特願平6−96655に記載の方法により |Rvp|2 ={|X1|2 *(Rv,X2)2 −2*(Rv,X1)(X1 ,X2)(X2,Rv)+|X2|2 *(Rv,X1)}/D …(7) ただし、 D=|X1|2 *|X2|2 −(X1,X2)2 …(8) と求まる。ところで、式(3)とX1の内積を計算する
と、(X1,Rv)=0となるので、式(7)の第2
項、第3項は0となり、 |Rvp|2 ={|X1|2 *(Rv,X2)2 }/D …(9) である。X1が固定なので、最終的に次式に示す評価値 E={(Rv,X2)2 }/D …(10) を最小にするX2を探索すれば良いことが分る。
の場合については従来法として直交化探索法(特表平5
−506514)が広く用いられてきたが、本実施例に
よるとこれと同じ結果が得られる。その理由は、次式
(11)のように直交化探索の式(2)を式(1)を用
いて展開し変形すると、本実施例の式(9)と等しくな
るからである。なお、式(11)の3行目から4行目へ
の分子の変形は、式(3)の関係を用いている。
候補ベクトルX2を直交化させたX2vを求めながら探
索をしていたのに対し、本実施例では探索ループの外で
目標ベクトルRを直交化させたRvを求め、探索ループ
内で候補ベクトルX2を直交化せずに探索していると考
えることができる。従って、探索ループ内で直交化を行
わずに済むため、従来の直交化探索に比べ飛躍的に少な
い計算量で全く同じ結果を得られるという利点がある。
トル量子化装置の構成を示す。本実施例は、評価値を近
似的に効率良く計算する方法に関するものであり、実施
例7とは第2の探索部170の構成が異なる。すなわ
ち、本実施例では実施例7のように射影ベクトルの大き
さを求める代りに、残差ベクトルと目標ベクトル(重み
付けられた符号ベクトル)の内積値の大きさを内積値計
算部174で求め、この内積値をより大きくする符号ベ
クトルを評価部172で求めている。内積値の大きさの
みを用いることは、式(10)の分母を一定値と仮定
し、分子だけを計算していることになる。これは近似計
算であるため、最適な符号ベクトルを常に求めることは
できないが、準最適な候補を実施例7よりもさらに少な
い計算量で求められるという利点がある。
クトル量子化装置の構成を示す。本実施例は実施例8で
の近似計算の精度を向上させる方法に関するものであ
り、符号ベクトルに基づく重み係数を重み係数算出部1
75で求め、この重み係数を重み付け部176において
内積値計算部174で求めた内積値の大きさに乗じた値
を評価値としている。重み係数の具体例としては、例え
ば符号ベクトルのパワの逆数を用いることができる。
計算量が増すが、近似精度が上がるという利点がある。
なお、精度が向上する根拠や、他の重み係数の例につい
ては特願平6−65265で述べられている。
ベクトル量子化装置の構成を示す。本実施例は、適応符
号帳211と雑音符号帳212を持つCELP符号化方
式における符号帳探索部の処理を示している。既に述べ
たように、通常、適応符号帳211から最適な符号ベク
トルを選び、その後に雑音符号帳212の探索を行う。
本実施例は、この雑音符号帳212の探索に本発明を適
用した例である。
音声は聴感重み付け部240で聴感重みをかけられ、前
サブフレームの影響を差し引かれて目標ベクトルRとな
る。そして、この目標ベクトルRにより近い合成音声ベ
クトルを生成する符号ベクトルを適応符号帳211から
探索し、その符号ベクトルをx1、重み付き合成フィル
タ230を通して得られた合成音声ベクトルをX1とす
る。残差ベクトル算出部140では、合成音声ベクトル
X1と目標ベクトルRから残差ベクトルRvを式(1
2)で求める。
トルの大きさとして E={(Rv,X2)2 }/D …(13) を出力する。ただし、 D=|X1|2 *|X2|2 −(X1,X2)2 …(14) であり、X2は雑音符号帳212の候補x2を重み付き
合成フィルタ230を通して得られた合成音声ベクトル
である。
るx2を雑音符号帳212から探し出し、探索結果17
1を出力する。
211の符号ベクトルが探索前に決まっているため、残
差ベクトルRvを探索開始前に一度だけ計算しておき、
雑音符号帳212の探索中はX2をそのまま使い、式
(13)を計算することで探索が可能であり、X2を直
交化しながら探索をしていた直交化探索法に比べ、計算
量を削減できる利点がある。
るゲインの値は通常、符号ベクトルが求まった後決めら
れるので、探索中は1にしておいてよい。
符号帳に限ったものではなく、二つの雑音符号帳の組合
せなども考えられる。本発明は、このように符号帳の種
類、構成や個数にはよらず適用できるものであることを
述べておく。このことは、以下の実施例でも同様であ
る。
ベクトル量子化装置の構成を示す。本実施例では、実施
例10と同様にして求められた残差ベクトルは、逆畳み
込み演算部260によりRv′となる。内積値計算部1
74ではRv′と雑音符号帳212の符号ベクトルx2
の内積の2乗値 E=(Rv′,x2)2 …(15) を評価値として出力し、評価部172はEをより大きく
する符号ベクトルを雑音符号帳212から探し出し、探
索結果171を出力する。Eの値は、式(16)の関係
から式(13)の分子の値に等しい。
パルス応答行列である。RvHの計算は逆畳み込み演算
と呼ばれ、ベクトルRvの要素を逆順に並べ、重み付き
合成フィルタで畳み込んだ結果を再度逆順に並べ変える
ことで得られる。Rvを探索開始前に逆畳み込みしてお
くことで、探索中にx2を重み付き合成フィルタで畳み
込みむ必要がなくなり、計算量の削減が可能となる。
なした近似的な評価を行うことと、逆畳み込み演算の利
用により、実施例4よりさらに計算量を削減できる利点
がある。ただし、近似計算であるため、常に最適な候補
を探索するためには、後述する実施例13で述べるよう
に予備選択手段として用いる場合が多い。また、逆畳み
込みの計算は実施例10における分子の計算に用いるこ
とも可能である。
ベクトル量子化装置の構成を示す。本実施例は近似の精
度を上げるものであり、実施例11と同様にして求めた
内積値の大きさに、重み係数算出部175で求めた符号
ベクトルx2のパワの逆数を重み係数の例として重み付
け部176でかけた値 E=(Rv′,x2)2 /|x2|2 …(17) を評価値とし、雑音符号帳412の探索を行う。この方
法は実施例5より若干計算量が増すが、近似計算の精度
が向上する利点がある。その根拠や、他の重み係数の例
については特願平6−65265で述べられている。
ベクトル量子化装置の構成を示す。本実施例は、実施例
6の探索部を予備選択部370a、実施例10の探索部
を本選択部370bとして構成されている。実施例10
の評価式では、分母の計算、特に|X2|2の計算にコ
ストが比較的かかる。なぜなら、X2は探索ループ内で
x2を重み付き合成フィルタを用いて畳み込む必要があ
り、|X2|2 の計算には逆畳み込み演算も使えないか
らである。
の近似計算で評価式をより大きくするx2が数個選ば
れ、そのインデックスと予備選択での評価式の分子の値
が予備選択候補371として本選択部370bに渡され
る。本選択部370bでは、渡された予備選択候補に対
して分母の値を計算して、本選択の評価式を構成し、こ
れをより大きくする候補を探索して、最適な候補x2を
示す情報を探索結果171として出力する。
所を生かした構成であり、少ない計算量でより良い候補
を選べる利点がある。なお、予備選択部としては、実施
例12の他に実施例11やそれ以外の構成も利用可能で
ある。
た実施例10において雑音符号帳212がVSELP構
造を持っている場合、本発明に基づいて性能を変えずに
計算量だけを下げるようにしたものである。従来は、各
基底ベクトルを重み付き合成フィルタで畳み込んだ合成
音声ベクトルを適応符号帳の候補X1に対し直交化した
後、式(2)に相当する評価式を再帰的に計算し、基底
ベクトルの符号を決めていた。
答は直交化せずに、目標ベクトルを直交化した残差ベク
トルRvを求め、式(10)に相当する評価式を再帰的
に計算することで、基底ベクトルの符号を少ない計算量
で決められる利点がある。また、実施例13で述べた予
備選択と本選択の組合せを用いれば、さらに少ない計算
量でほぼ最適な符号が求まるという利点がある。
ベクトル量子化装置の構成を示す。本実施例は本発明を
CELP音声符号化方式に応用したもので、入力音声に
聴感重み付け部で聴感重み付けた目標ベクトルR(0)
を多段のベクトル量子化する。1段目の探索ブロック1
421には、初期値として例えばP(0)は零ベクト
ル、B(0)は空集合がそれぞれ与えられる。これらの
初期値は概念的なものであり、明に与えられない場合も
ある。また、端子1401に入力された入力音声は聴感
重み付け部1410で処理され、残差ベクトルの初期値
R(0)となる。線形予測分析部1430で分析された
パラメータは、各探索ブロック1421〜1423の重
み付け部1030に渡され、重み付き合成フィルタを構
成する。これらの探索ブロック1421〜1423は、
以上説明した実施例1〜14のいずれかのベクトル量子
化装置で構成される。
方式では逆畳み込み演算を用いることで重み付き合成フ
ィルタでの計算量を下げることが良く行なわれる。例と
して実施例1,3に逆畳み込み演算を用いた場合を図1
6および図17に示すが、重み付き合成フィルタを備え
る方式ならば、実施例1,3以外の実施例を用いても同
様な処置を行なうことで計算量を下げられる。
み付き合成フィルタとほとんど同じであり、異なる点は
入力ベクトルの順序を反転させた後フィルタリングし、
得られたベクトルを再度反転し出力したベクトルと等価
なベクトルを出力する点である。逆畳み込み演算を用い
る場合は、探索部ブロック1421〜1423に入力さ
れた線形予測分析部のパラメータは逆畳み込み演算部1
630に渡される。
たきた方法のほかに、目標ベクトルとその近似ベクトル
との差を求める方法もある。この方法について説明す
る。
分を取り出して示したものであり、また図19は図18
を書き替えたものである。すなわち、第1の残差ベクト
ルとその射影ベクトルとの差をとることは、目標ベクト
ルR(0)とその射影ベクトルQ(k−1)をとること
と等しい。その理由の直観的な説明を2段の探索例を示
す図8を用いて行う。図8の点線部R−Rpが目標ベク
トルとその射影ベクトルの差であるが、これは残差ベク
トルとその射影ベクトルの差Rv−Rvpであり、両者
は同じベクトルになることが分かる。
に示す構成が可能になる。ただし、探索ブロックに含ま
れる図18の構造の部分は図19に示す構造に置き換え
ているため、入出力パラメータが目標ベクトルR(0)
と近似ベクトルQ(k)に変わっている。これは本質的
には図15の構成と同じであり、他の構成法もあり得
る。また、このことはCELP音声符号化方式に限った
ことではなく、多段のベクトル量子化一般にいえること
である。
ベクトル量子化装置の構成を示す。本実施例はCELP
音声符号化方式において最も使われやすい構成の一例を
示すものである。つまり、重み付け部に相当する重み付
き合成フィルタ2130は一連の探索で共通であり、複
数の符号帳2111〜211の各一つからは一つの符号
ベクトルを各探索ブロック1421〜1423で一つず
つ逐次探索する。
例を示す。逆畳み込み演算と予備選択法を使用して効率
的に計算量を削減している。この例は符号帳と重み付け
フィルタを外付けにした点と探索する符号ベクトルの数
が1つである点を除いて、本質的には実施例12と同じ
である。同様の変更をすることで、他の実施例も本実施
例の探索ブロックに適用できる。なお、逆畳み込み演算
を利用しない場合は、符号ベクトルを直接探索ブロック
に入力しなくともよい。
差ベクトルを用いて最適符号ベクトルの探索を行うこと
により、探索ループ内で符号ベクトルを直交化する必要
がなくなるため、従来の直交化探索法に比べ少ない計算
量で最適符号ベクトルを探索することができ、特に多段
化したベクトル量子化装置において計算量削減の効果が
はより大きくなる。
示すブロック図
示すブロック図
示すブロック図
示すブロック図
示すブロック図
示すブロック図
示すブロック図
示すブロック図
示すブロック図
を示すブロック図
を示すブロック図
を示すブロック図
を示すブロック図
を示すブロック図
した構成を示すブロック図
を示すブロック図
順を示すフローチャート
順を示すフローチャート
索部 140…残差ベクトル算出部 170…第2の探
索部 171…探索結果 172…評価部 173…射影ベクトル計算部 174…内積値計
算部 175…重み係数算出部 176…重みづけ
部 180…目標ベクトル入力端子 211…適応符号
帳 212…雑音符号帳 221,222…
ゲイン回路 230…重み付き合成フィルタ 240…聴感重み
付け部 250…線形予測分析部 260…音声入力
端子 270…逆畳み込み演算部 370a…予備選
択部 370b…本選択部 371…予備選択
候補 372a…評価部 372b…評価部 1001〜1003…入力端子 1010…符号帳 1020…組合せ部 1030…重み付
け部 1040…残差ベクトル算出部 1050…基底ベ
クトル生成部 1070…探索部 1071…射影ベ
クトル計算部 1072…評価部 1073…内積値
計算部 1074…重み付け部 1075…重み係
数算出部 1370a…探索部(予備選択部) 1370b…探索
部(本選択部) 1380…予備選択情報 1401〜140
3…入力端子 1410…聴感重み付け部 1421〜142
3…探索ブロック 1430…線形予測分析部 1501〜150
2…入力端子 1571…射影ベクトル算出部 1630…逆畳み
込み演算部 1910…近似ベクトル算出部 2111〜211
3…符号帳 2130…重み付き合成フィルタ 2121〜212
3…選択部 2201…符号ベクトルの入力端子 2202…重み付けられた符号ベクトルの入力端子
Claims (10)
- 【請求項1】残差ベクトルを得る手段と、 符号ベクトルの集合から少なくとも一つの符号ベクトル
を選択する手段と、 この手段により選択された符号ベクトルと第1の基底ベ
クトルの集合を構成する基底ベクトルとを合わせたベク
トルが張る空間の基底ベクトルを第2の基底ベクトルの
集合として得る手段と、 前記残差ベクトルを前記第2の基底ベクトルの集合が張
る空間に投影した射影ベクトルの大きさをより大きくす
る符号ベクトルの組を前記符号ベクトルの集合から探索
する探索手段と、 この探索手段により探索された符号ベクトルの組を特定
する情報を出力する手段とを備えることを特徴とするベ
クトル量子化装置。 - 【請求項2】残差ベクトルを得る手段と、 符号ベクトルの集合から少なくとも一つの符号ベクトル
を選択する手段と、 この手段により選択された符号ベクトルと前記残差ベク
トルとの内積値の大きさに基づく評価値をより大きくす
る符号ベクトルの組を前記符号ベクトルの集合から探索
する探索手段と、 この探索手段により探索された符号ベクトルの組を特定
する情報を出力する手段とを備えることを特徴とするベ
クトル量子化装置。 - 【請求項3】残差ベクトルを得る手段と、 符号ベクトルの集合から少なくとも一つの符号ベクトル
を選択する手段と、 この手段により選択された符号ベクトルと前記残差ベク
トルとの内積値の大きさを前記符号ベクトルに基づく重
み係数で重み付けした値に基づいて評価した値をより大
きくする符号ベクトルの組を前記符号ベクトルの集合か
ら探索する探索手段と、 この探索手段により探索された符号ベクトルの組を特定
する情報を出力する手段とを備えることを特徴とするベ
クトル量子化装置。 - 【請求項4】残差ベクトルを得る手段と、 符号ベクトルの集合から少なくとも一つの符号ベクトル
を選択する手段と、 請求項2または3に記載の探索手段を用いて前記符号ベ
クトルの集合から複数組の符号ベクトルを予備選択候補
として選択する予備選択手段と、 前記予備選択候補から請求項1に記載の探索手段を用い
て少なくとも一組の符号ベクトルを最適符号ベクトルの
組として選択する本選択手段と、 前記最適符号ベクトルの組を特定する情報を出力する手
段とを備えることを特徴とするベクトル量子化装置。 - 【請求項5】残差ベクトルを得る手段と、 符号ベクトルの集合から少なくとも一つの符号ベクトル
を選択する手段と、 請求項2または3に記載の探索手段を用いて前記符号ベ
クトルの集合から複数組の符号ベクトルを予備選択候補
として選択する予備選択手段と、 前記予備選択手段で用いた内積値の大きさを前記第1の
基底ベクトルの集合が張る平面に直交化された符号ベク
トルの大きさで割った値をより大きくする符号ベクトル
を最適符号ベクトルの組として前記予備選択候補から選
択する本選択手段と、 前記最適符号ベクトルの組を特定する情報を出力する手
段とを備えることを特徴とするベクトル量子化装置。 - 【請求項6】目標ベクトルを近似する近似ベクトルを得
る手段と、 前記目標ベクトルと前記近似ベクトルを用いて残差ベク
トルを得る手段と、 前記近似ベクトルと符号ベクトルの集合で張られる空間
に対する前記残差ベクトルの射影ベクトルの大きさをよ
り大きくする符号ベクトルを探索する探索手段と、 この探索手段により探索された符号ベクトルを特定する
情報を出力する手段とを備えることを特徴とするベクト
ル量子化装置。 - 【請求項7】目標ベクトルを近似する近似ベクトルを得
る手段と、 前記目標ベクトルと前記近似ベクトルを用いて残差ベク
トルを得る手段と、 符号ベクトルと前記残差ベクトルとの内積値の大きさを
より大きくする符号ベクトルを探索する探索手段と、 この探索手段により探索された符号ベクトルを特定する
情報を出力する手段とを備えることを特徴とするベクト
ル量子化装置。 - 【請求項8】目標ベクトルを近似する近似ベクトルを得
る手段と、 前記目標ベクトルと前記近似ベクトルを用いて残差ベク
トルを得る手段と、 符号ベクトルと前記残差ベクトルとの内積値の大きさを
前記符号ベクトルに基づく重み係数で重み付けした値を
より大きくする符号ベクトルを探索する探索手段と、 この探索手段により探索された符号ベクトルを特定する
情報を出力する手段とを備えることを特徴とするベクト
ル量子化装置。 - 【請求項9】請求項7または8に記載の探索手段により
複数の符号ベクトルを予備選択候補として選択する予備
選択手段と、 前記予備選択候補から請求項6に記載の探索手段を用い
て少なくとも一組の符号ベクトルを最適符号ベクトルの
候補として選択する本選択手段と、 前記最適符号ベクトルの候補を特定する情報を出力する
手段とを備えることを特徴とするベクトル量子化装置。 - 【請求項10】前記内積値を前記符号ベクトルと前記残
差ベクトルを逆畳み込み演算したベクトルとの内積で求
めることを特徴とする請求項2、3、7、8のいずれか
1項に記載のベクトル量子化装置。
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