JPH0843375A - 養毛剤の評価方法 - Google Patents

養毛剤の評価方法

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JPH0843375A
JPH0843375A JP18218794A JP18218794A JPH0843375A JP H0843375 A JPH0843375 A JP H0843375A JP 18218794 A JP18218794 A JP 18218794A JP 18218794 A JP18218794 A JP 18218794A JP H0843375 A JPH0843375 A JP H0843375A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 実際の養毛効果を適切に評価できる養毛剤の
評価方法を提供する。 【構成】 養毛剤の評価方法において、養毛剤を投与し
た実験動物もしくはヒトの毛包又は毛包由来の培養細胞
の角化酵素の活性を測定し、これを指標として養毛効果
を評価する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、養毛剤の評価方法に関
し、詳しくは、角化酵素活性値を測定しこれを指標とし
て養毛効果を評価する養毛剤の評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】美しく豊かな髪は古来より人類の大きな
憧れであった。しかしながら、年を取るにつれ、あるい
は持って生まれた体質によって、年相応に、あるいは年
若くして髪を失ってしまう人も少なくない。そして、髪
を失ってしまった人にとってそれが心理的に大きな負担
になることも多い。
【0003】この様な状況をもとに、これまでに各種の
養毛剤及び養毛料が開発されてきた。しかしながら、従
来の養毛剤、養毛料は、その開発にあたって、発毛促進
作用を指標としてきたものがほとんどであり、従って、
これらの養毛剤、養毛料では、毛質改善、脱毛改善等に
対する作用のチェックはなされていないのが現状であっ
た。
【0004】そのため、上記発毛促進効果のみのチェッ
クにより、養毛効果を高く評価されている養毛剤、養毛
料を使用した場合、発毛は促進されるものの、必ずしも
髪質が硬くて太い丈夫な毛髪に改善されるわけではな
く、せっかく生えた毛髪も細く、柔らかく、切れ易かっ
たり抜け易かったりして、毛髪にハリが無く、ボリュー
ム感がでないことも多く、実際の養毛効果が十分でない
場合が多かった。
【0005】すなわち、従来の養毛効果の評価、つまり
発毛促進効果のみをチェックすることで行われる評価で
は、内容的に不十分であったがために実効ある養毛剤及
び養毛料が開発できなかったといえる。
【0006】そこで、実際の養毛効果を適切に評価でき
る養毛剤の評価方法の開発が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記観点か
らなされたものであり、実際の養毛効果を適切に評価で
きる養毛剤の評価方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、まず実際の養毛効果とその評価方法
について考察した結果、実際に要求されている養毛効果
とは、毛髪にボリューム感を持たせる効果のことである
と考え、この毛髪にボリューム感を与える養毛効果の評
価のために、発毛促進作用の評価の他に、髪を太く、丈
夫にしてハリ、コシを与える様な髪質改善作用の評価を
すれば、実際の養毛効果に即した評価ができると考え
た。
【0009】そこで、髪質改善作用を評価する手段につ
いて種々検討した結果、角化酵素の活性促進作用と髪質
改善作用に相関関係を見出し、更に、養毛剤を投与した
実験動物もしくはヒトの毛包又は毛包由来の培養細胞の
角化酵素の活性を測定し、これを指標として養毛効果を
評価すれば、実際の養毛効果を適切に評価できることを
見出し本発明を完成させた。
【0010】すなわち、本発明は養毛剤を投与した実験
動物もしくはヒトの毛包又は毛包由来の培養細胞の角化
酵素の活性を測定することにより、前記養毛剤の養毛効
果を評価することを特徴とする養毛剤の評価方法であ
る。
【0011】ここで、本発明の養毛剤の評価方法は、養
毛剤に限らず、養毛剤を配合した医薬品、医薬部外品、
化粧品等にも適用されるものであり、以下に用いる「養
毛剤」とは、これらを総称して表すものである。
【0012】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の養毛剤の評価方法では、養毛剤を投与した実験動
物もしくはヒトの毛包又は毛包由来の培養細胞の角化酵
素の活性を測定する。
【0013】本発明の養毛剤評価のために酵素活性を測
定される角化酵素としては、角化に関与する酵素であれ
ば特に限定はされないが、スルフヒドリルオキシダーゼ
(SHオキシダーゼ)、トランスグルタミナーゼ(Tグ
ルタミナーゼ)等が挙げられ、これらのうちでも本発明
においてはSHオキシダーゼが好ましく用いられる。
【0014】これは、角化酵素はケラチンの合成に関与
している酵素であるが、ケラチンにはシスチン含有量の
少ないソフトケラチンとシスチン含有量の多いハードケ
ラチンの2種があり、毛髪はハードケラチンからなるこ
とが知られており、そしてシスチンの合成はSHオキシ
ダーゼによって促進されることから、養毛効果の評価に
用いるには、角化酵素のうちでもSHオキシダーゼが好
ましいという理由による。
【0015】本発明の養毛剤評価方法において、角化酵
素活性の測定に用いられる試料は、実験動物もしくはヒ
トの毛包又は毛包由来の培養細胞である。ここで、本発
明の評価方法に用いる実験動物については、特に制限さ
れず、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、豚等の通
常の実験動物を用いることができる。
【0016】また、毛包に関しては、必ずしも毛包全体
を用いる必要はなく、毛母細胞等の毛球部、あるいは毛
乳頭部等、毛包の一部でもよい。上記実験動物もしくは
ヒトから、この様な毛包あるいは毛包の一部を得る方法
としては、体毛、もしくは毛髪を毛包あるいは毛包の一
部を含むかたちで採取してその毛根部から得る方法が挙
げられる。
【0017】更に、角化酵素の活性を測定する試料は、
毛包以外の細胞を含んでいてもよく、上記の様にして得
られる毛根部に、毛包以外の皮膚組織等が付着していた
としてもそれをそのまま用いることも可能である。ま
た、実験動物に関していえば、体毛を採集する代わり
に、例えば、除毛した皮膚を採取する等の方法で、毛包
を含む皮膚組織全体を用意してこれをそのまま本発明の
評価方法に用いることも可能である。
【0018】また、上記各試料を用いる代わりに、毛乳
頭細胞等の毛包由来の培養細胞を用い、養毛剤の存在下
で培養した細胞中の角化酵素の活性を測定してもよい。
本発明においては、この様な実験動物もしくはヒトの毛
包又は毛包由来の培養細胞について、角化酵素の活性を
測定するわけであるが、その方法は特に限定されず、通
常行われている方法で測定すればよい。
【0019】例えば、実験動物の皮膚を採取し、これに
1ミリモルのEDTA含有50mMリン酸2水素ナトリ
ウム水溶液を加え、ホモゲナイズして得られるホモジネ
ートを27000Gで遠心分離して得られる上清を用い
て、これに含まれるSHオキシダーゼの酵素活性を、通
常行われているように、ジチオスレイトール(DTT)
と7−フルオロ−4−スルファモイル−ベンゾキサジア
ゾール(ABD−F)によって発色させその蛍光強度を
測定したり、DTTと5,5’−ジチオビス−2−ニト
ロ安息香酸(DNTB)とによって発色させその吸光度
を測定したりする方法等が挙げられる。
【0020】本発明では、この様にして測定された角化
酵素の活性値の、サンプル(毛包、皮膚等)重量当たり
の値を求め、又は上記のように皮膚を用いた場合には皮
膚面積量当たりの値を求め、これを指標として毛質が評
価される。また、上述した実験例で得られた上清につい
てDNA量や蛋白質量を測定すれば、DNA当たり(細
胞数当たりともいえる)あるいは蛋白質当たりの角化酵
素の活性値を求めることができ、これを指標としても毛
質の評価ができる。すなわち、上記の様にして求めた角
化酵素の各評価単位(サンプル重量、皮膚面積量、細胞
数、蛋白質等)当たりの活性値が大きい程、毛質が太く
丈夫なものであり、反対にこの値が小さければ毛質は細
く強度も小さいということである。
【0021】本発明の養毛剤の評価方法は、これを利用
したものであり、例えば、養毛剤を投与した実験動物も
しくはヒトと投与しない実験動物もしくはヒトにおい
て、または、同じ実験動物もしくはヒトの養毛剤投与部
位と未投与部位において、角化酵素の評価単位当たりの
活性値を比較することにより、その養毛剤の養毛効果を
評価するものである。また、本発明の養毛剤の評価方法
は、ヒトの毛包細胞を用いて行うことが可能であること
から、養毛剤使用者の毛包細胞についての角化酵素活性
測定を、養毛剤を使用しながら定期的に行えば、その使
用者にとって使用している養毛剤が、実際に効果がある
ものかどうかを定量的に評価することができる。
【0022】本発明では、上記の様にして養毛剤の養毛
効果を評価するが、本発明の評価方法を支持する実験の
結果を以下に説明する。薄毛に悩む人と通常の毛髪の人
各10人を被験者として毛髪について以下の評価を行
い、これを両者で比較した。
【0023】まず、各被験者の毛髪、毛包の様子を、光
学顕微鏡下で拡大して観察した。また、毛髪の抜け易さ
は、一日当たりの抜毛の本数を計測して評価に用いた。
毛髪の切断強度は、テンシロンを用いて測定した。一
方、毛包の角化酵素活性を以下の方法で測定した。
【0024】上記各被験者より頭髪を抜毛してその毛根
部を採取し、このそれぞれに9倍量の2ミリモルのED
TA含有50ミリモルリン酸ナトリウム緩衝液(pH
7.6、以下単にバッファーという)に加えて、ホモゲ
ナイズした。このホモジネートをそれぞれ27000G
で遠心分離し、得られた上清を角化酵素活性測定の試料
とした。
【0025】この様にして得られた試料50μLに40
マイクロモルのDTTを含有するバッファー25μLと
バッファー175μLを加え検体1とした。また、試料
50μLにバッファー200μLを加え検体2とした。
【0026】検体1を調製後、これから直ちに100μ
Lをサンプリングし、予め2ミリモルのEDTAを含有
する0.1モルのホウ酸ナトリウムバッファー(pH
8.0)900μLを加えてあるチューブに移し、これ
に100マイクロモルABD−Fを含有する0.1モル
ホウ酸バッファー(pH8.0)1mLを加え50℃で
30分間処理した後、水冷した。更に、これに0.1N
塩酸600μLを加え412nmでの吸光度FI1を測
定した。また、検体2を同様に処理し、吸光度FI2を
測定した。
【0027】検体1の調整後、これから直ちに100μ
Lをサンプリングし、37℃で2時間インキュベートし
た後、上記と同様に処理し、412nmでの吸光度FI
3を測定した。また、検体2の調整後、これから直ちに
100μLをサンプリングし、37℃で2時間インキュ
ベートした後、同様に処理して吸光度FI4を測定し
た。
【0028】これらの吸光度の測定値より、次の式を用
いて試料の角化酵素活性値FI5を求めた。
【0029】
【数1】FI5=FI1−FI3−(FI2−FI4)
【0030】また、上記で得られた上清について、PI
ERCE社の蛋白アッセイ試薬キットを用いて、ウシ血
清アルブミンをスタンダードとして、常法に従って、各
上清の蛋白含有量を測定し、上記角化酵素活性値をこの
蛋白含有量で除した値を評価に用いた。
【0031】上記各評価実験で得られた結果を表1に示
す。
【0032】
【表1】
【0033】この結果から明らかなように、通常の人の
毛髪及び毛包に比し、薄毛の人の毛髪は細く、抜け易
く、切断強度も低い傾向を示し、更に、その毛包は小さ
いことがわかった。そして、薄毛の人の毛包における角
化酵素活性は、通常の人の毛包における角化酵素活性に
比し低レベルであり、上記、実際の毛髪の状態の観察、
測定結果と一致した。これより、毛包の角化酵素の酵素
活性を測定することにより、毛髪の状態を知ることがで
き、これにより養毛効果を評価できることが明らかであ
る。
【0034】
【作用】本発明の養毛剤の評価方法に用いる角化酵素
は、主として毛髪や皮膚の表皮に広く存在し、ケラチン
等の合成に関与して、毛髪のキューティクルやコルテッ
クス、更に皮膚の角層の生合成を促進している。これら
の酵素が多く分泌され、または活性が促進されると、角
化が進み、皮膚においては弾力に富んだ角層が形成され
るし、毛髪においてはケラチン合成が促進されキューテ
ィクルやコルテックスの生成が進み、その結果太く硬い
丈夫な髪が形成される。
【0035】更に、毛髪及びその周辺組織について考察
してみると、毛髪はその根本、いわゆる毛包において、
毛髪のキューティクルと毛包上皮組織が楔状にかみ合
い、毛髪を固定する構造を取っている。従って、毛髪の
太さが増大すれば、この毛髪の固定がより強くなり、そ
の結果、毛髪は抜けにくくなる。
【0036】これらのことは言い替えてみれば、毛包に
おける角化酵素の活性を測定すれば、毛髪の太くなって
いる状況が把握でき、また、その毛髪の抜けにくさ(抜
け易さ)等を知ることができるということである。
【0037】本発明の養毛剤の評価方法は、上記原理を
利用したものであり、本発明の養毛剤の評価によれば、
実際の養毛効果、すなわちボリューム感の変化を適切に
評価することができる。
【0038】また、本発明の養毛剤の評価方法は、ヒト
の毛包細胞を用いて行うことが可能であることから、こ
れを応用すれば、養毛剤の使用者が、実際に養毛剤を使
用しながらその養毛剤の効果を定期的且つ定量的に評価
することが可能となる。
【0039】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。従来よ
り、養毛剤として広く用いられている竹葉、アロエエキ
ス、ミノキシジル、ニンジン、蚕精について、本発明の
評価方法により評価を行った。また、本発明の評価方法
が適切であるかどうかを確認するために、ニンジン、蚕
精については、脱毛抑制作用の評価及び実使用試験によ
る評価も行った。
【0040】なお、実験には、竹葉、アロエエキスにつ
いては抽出物の乾燥物を、ニンジン、蚕精については、
これらの約10倍量の50%エタノール水溶液を用いて
抽出した抽出液をそのまま用いた。
【0041】(1)角化酵素活性値の測定 5匹づつ6群のC3Hマウス(雄性、体重25〜35
g)の背部を除毛後、そのうち5群のマウスの除毛皮膚
には、発毛促進作用を有することで知られている、竹
葉、アロエエキス、ミノキシジルを表1に示す各濃度で
含有する70%エタノール水溶液、ニンジン抽出液(L
A−P)、蚕精抽出液を、残りの1群のマウスの除毛皮
膚には、コントロールとして70%エタノール水溶液
を、それぞれ1匹当たり40μL、1日1回、週5日の
割合で2週間投与した。
【0042】最終投与の6時間後、各群のマウスから上
記処理が施された部位の皮膚を採取し、これをそれぞれ
9倍量の1ミリモルのEDTA含有50mMリン酸2水
素ナトリウム水溶液に加えて、ホモゲナイズした。この
ホモジネートをそれぞれ27000Gで遠心分離し、得
られた上清を用いて以下の方法で、上記各養毛剤剤投与
群及びコントロール群の角化酵素活性値をそれぞれ測定
した。
【0043】上記で得られた上清0.4mLに2ミリモ
ルのDTT水溶液0.1mLと1ミリモルのEDTAを
含有する50ミリモルリン酸バッファー(pH7.6、
以下単にバッファーと言う。)0.7mLとを加え検体
1とした。また、2ミリモルのDTT水溶液0.1mL
にバッファー1.1mLを加え検体2とした。
【0044】検体1を調製後、直ちに0.3mLをサン
プリングし、予め0.17ミリモルのDTNBを含有す
るバッファー3mLを加えてあるチューブに移し、41
2nmでの吸光度A1を測定した。また、検体2を同様
に処理し、吸光度A2を測定した。
【0045】検体1の残りを、37℃で30分間インキ
ュベートした後、その0.3mLをサンプリングし、予
め0.17ミリモルのDTNBを含有するバッファー3
mLを加えてあるチューブに移し、412nmでの吸光
度A3を測定した。また、検体2の残りを、37℃で3
0分間インキュベートした後、同様に処理して吸光度A
4を測定した。
【0046】この様にして測定された吸光度A1〜A4
の値より、以下の式を用いてA5を求め、更に、A5と
DTNBのモル吸光計数(13000/モル・cm)を
用いて酸化されたDTT量を求め、これを角化酵素活性
値(Ac)とした。
【0047】
【数2】A5=A1−A3−(A2−A4)
【0048】また、上記で得られた上清について、ヘキ
スト社製のDNA量測定試薬ヘキスト33258を用い
て、子牛胸線DNAをスタンダードとして、常法に従っ
て、各上清のDNA量を測定した。
【0049】評価は、上記各養毛剤投与群のそれぞれに
ついて、上記方法で得られた角化酵素活性値(Ac)を
上記DNA量で除して単位DNA量当たりの角化酵素活
性値(AcD、5匹の平均値)を求め、これを同様にし
て求めたコントロール群の単位DNA量当たりの角化酵
素活性値(5匹の平均値)で除しこれに100を乗じた
値(AeD)を用いて行った。なお、AcDは、細胞の
数当たりの角化酵素活性を表す値である。
【0050】更に、上記で得られた上清について、PI
ERCE社の蛋白アッセイ試薬キットを用いて、ウシ血
清アルブミンをスタンダードとして、常法に従って、各
上清の蛋白含有量を測定し、上記各角化酵素活性値(A
c)をこれで除して蛋白当たりの角化酵素活性値(Ac
P5匹の平均値)とし、これを同様にして求めたコント
ロール群の蛋白当たりの角化酵素活性値(5匹の平均
値)で除しこれに100を乗じた値(AeP)を求め、
AeDと共に評価に用いた。結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】次に、粗毛症マウスを用いて上記各養毛剤
のうちニンジン抽出液(LA−P)と蚕精抽出液につい
て脱毛抑制作用を評価した。
【0053】(2)脱毛抑制作用の測定 まず、粗毛症マウス(雄性)3匹について粗毛化がどの
様な過程で進むのか予備調査を行い、養毛剤を投与する
時期を決定した。調査結果を図1に示すが、これにより
粗毛症マウスの粗毛化は、生後9週齢まで著明に進行す
るが、その後、安定化することがわかった。そこで、養
毛剤の投与期間を、5週齢から9週齢までの4週間とし
た。
【0054】4匹づつ3群の5週齢粗毛症マウス(雄
性)の1群の背部皮膚にはニンジン抽出液(LA−P)
を、他の1群の背部皮膚には蚕精抽出液を、残りの1群
の背部皮膚にはコントロールとして50%エタノール水
溶液を、それぞれ1日に100μL、週に5日の割合
で、4週間連続して投与した。
【0055】投与終了の翌日、投与部分の毛を除毛して
からその部分の皮膚を生検し、マイクロビデオ(対物レ
ンズ×200)で皮膚表面の任意の12ヶ所を撮影して
毛の数を計測した。結果を12ヶ所、4匹の平均値とし
て図2に示す。なお、図中*はP<0.01を、+はP
<0.05をそれぞれ表す。
【0056】更に、上記各養毛剤のうちニンジン抽出液
(LA−P)と蚕精抽出液について発毛促進作用を評価
した。
【0057】(3)実使用試験 頭髪のハリ、コシに悩みを有する女性パネラー12人に
ついて、6人づつのグループに分かれてもらい、頭頂部
付近の一定部位から頭髪16本を採取して、そのうち1
0本については毛の根元から約5mmの断面積、長径を
測定した後、引張り強度を測定して断面積、長径当たり
の値を10本の平均値として求めた。残りの6本につい
ては、上記同様に毛の根元から約5mmの断面積、長径
を測定した後、粘弾性を測定して断面積、長径当たりの
値を6本の平均値として求めた。
【0058】その後、上記ニンジン抽出液(LA−P)
及び蚕精抽出液のそれぞれを、1,3−ブチレングリコ
ールを3%含有する50%エタノール水溶液に20重量
%溶解した各試料を、各グループのパネラーに、通常の
養毛剤と同様に、1日1回、2ヶ月間連続使用してもら
った。使用開始から2ヶ月後に上記と同様に頭髪を採取
して、断面積、長径当たりの引張り強度及び断面積、長
径当たり粘弾性を測定した。
【0059】評価には、サンプル使用後の値の使用前の
値に対する百分率を用いた。表3に6人のパネラーの平
均を標準偏差と共に示す。なお、表中*はP<0.01
であることを、+はP<0.05であることを示す。
【0060】
【表3】
【0061】これらの試験結果は、従来の養毛剤の評
価、すなわち発毛促進作用の評価結果では優れた養毛効
果があるとされる竹葉、アロエエキス、ミノキシジル、
ニンジン、蚕精でも、本発明の養毛剤の評価方法で用い
る角化酵素促進作用の評価結果では、アロエエキス、ミ
ノキシジル、ニンジン、蚕精は養毛作用に優れており、
竹葉は角化酵素を抑制し養毛作用に優れていないことを
示すものである。これは、一般的に竹葉が、他の養毛剤
に比べ実際の養毛効果が乏しいとされていることとよく
一致している。
【0062】更に、本発明の養毛剤の評価方法で優れた
養毛効果を有すると判定されたニンジン、蚕精について
は、脱毛抑制作用の評価結果及び実使用試験の結果か
ら、脱毛抑制、髪質改善等の実際の養毛効果に優れるこ
とが確認された。
【0063】以上のことから、角化酵素の活性値を指標
とする本発明の養毛剤の評価方法は実際の養毛効果を適
切に評価できることが明白である。
【0064】
【発明の効果】本発明の養毛剤の評価方法によれば、実
際の養毛効果を適切に評価することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 粗毛症マウスの残毛本数の経時的変化を示す
【図2】 各種養毛剤を塗布された粗毛症マウスの残毛
本数を示す図

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 養毛剤を投与した実験動物もしくはヒト
    の毛包又は毛包由来の培養細胞の角化酵素の活性を測定
    することにより、前記養毛剤の養毛効果を評価すること
    を特徴とする養毛剤の評価方法。
  2. 【請求項2】 前記角化酵素がスルフヒドリルオキシダ
    ーゼであることを特徴とする請求項1記載の養毛剤の評
    価方法。
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