JPH084329Y2 - 同乗者保護ブラインド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車のリヤウインドウにおいて、後方視界
を妨げないで車両上方からの太陽光線等の室内への進入
を防ぐためのブラインドに関する。

（従来の技術） 自動車のリヤウインドウ用ブラインドとしては、リヤ
ウインドウの水平方向に細いテープを細い隙間を空けて
等間隔で貼り付けるものや、プラスチック等の板を室内
にてリヤウインドウの傾斜に沿って階段状に備えつける
ものなどがある。

（考案が解決しようとする課題） 前記のようなテープを貼り付けるブラインドの貼り付
けに際して、しわや歪みなどの形成を防ぐためにある程
度の技術と手間が必要となり、更にはこの時に曇り止め
の熱線を傷つけてしまうことがある。また、一度取り外
すと再度貼り付けることは不可能となってしまうという
問題がある。

プラスチック板等を使用するブラインドでは脱着可能
とすることは容易であるが、このような器具は嵩張るた
め、取り外し後の収容場所の確保が容易でない。

また、これまでリヤウインドウ近傍での安全面の対策
としてはシートと一体となったバックレストを配置する
程度で、ほとんど施されていない状態であった。

本考案の目的は、上記問題を解決することであり、リ
ヤシートの同乗者を保護し、なお且つ取扱の容易な同乗
者保護ブラインドを提供することにある。

（課題を解決するための手段） 本考案の上記目的は、透明で柔軟な物質より成り且つ
車両室内でリヤウインドウの略全面を覆う形状の中空室
を有し、後方視界方向に平行で車両上方からの光を遮る
不透明の仕切りによって積層する複数の空気室に前記中
空室が分割され、各空気室にエアーを充填・排出するバ
ルブを少なくとも１個備えて車両リヤウインドウに着脱
自在に取り付けられる構成の同乗者保護ブラインドによ
り達成される。

すなわち、上記ブラインドは柔軟な物質より成る複数
の空気室で構成されるので、内部の空気を排気すること
で折り畳み自在となり、大きな収納スペースを必要とせ
ず、しかも弾性に富むため脱着も容易で熱線等の他の部
材を傷つけることもない。更に、リヤウインドウへの装
着時に、例えば車両の追突や何らかの衝撃があった場
合、上記空気室によってリヤシートの同乗者の頭部がリ
ヤウインドウ方向へどのように当たっても確実に保護さ
れることになる。

（実施例） 以上、添付図面に示した本考案の実施例について説明
する。

第１図は本考案のブラインドの一実施例における断面
を示した概略斜視図である。

ブラインド本体１は複数の空気室２が仕切り４を挟ん
で且つリヤウインドウに沿って階段状に積層した構成と
なっている。そして、この仕切り４は車両に対して水平
に配置され、運転者の後方視界を妨げないようになって
いる。ブラインド本体１の材質として透明なビニールが
一般的であるが、透明であって柔軟な材料であればどの
ようなものでも良い。仕切り４は上方からの光線を遮る
ため少なくとも不透明で、黒やグレー更にはシルバーや
ミラー状としても良い。そして、仕切り４にはエアーの
通し穴６があり、本体１の上部に配置されたバルブ８か
ら吹き入れられるエアーを本体１全体に行き渡らせる。

第２図は本考案のブラインドの車両への装着状態を示
す図である。

ブラインド本体１は車両後部10のリヤウインドウ14の
内側で仕切り４が後方視界方向に平行となるように設置
される。この本体１の取り付けとしては吸盤などを設け
て、吸着させたり、リヤウインドウ14より若干大きめの
サイズとすることで、空気室２の弾性によってリヤウイ
ンドウ14内側に嵌め込むだけで装着することも可能であ
る。

従って、仕切り４により太陽光線等の上方からの光が
車内に直接入射することを防ぎ、空気室２の透明な部分
で後方の視界を確保することができる。しかも、後部シ
ート12の上端部とリヤウインドウ14との間にブラインド
１が配置されるので、空気室２により後部シート12の同
乗者の頭部を保護することができる。

前記仕切り４は上方からの光が直接車内に入射するこ
とを防ぐことが目的であるので、水平な配置以外でも後
方視界に平行な線で構成される曲面として、空気室２を
区切って積層させる形状としても良い。従って、デザイ
ンにおいて自由度が増すことになる。

上記実施例では通し穴６により各空気室にエアーを導
通させているが、これ以外に各空気室を独立させ、独立
にバルブを設けてエアーの出入を行ってもよい。

また、本考案のようなブラインドは比較的自由な厚み
を設定することができ、圧迫感の少ない薄さとすること
が容易である。

なお、本考案のブラインドの内部エアー圧を落として
本体を丸め、エアークッションとして使用することもで
きる。

（考案の効果） 以上述べたように、本考案は透明で柔軟な物質より成
る複数の空気室を不透明な仕切り区切る構成としてお
り、仕切りにより太陽光線等の上方からの光が車内に直
接入射することを防ぎ、空気室の透明な部分で後方の視
界を確保することができる。そして、内部の空気を排気
することで折り畳み自在となり、大きな収納スペースを
必要とせず、しかも弾性に富むため脱着も容易で熱線等
の他の部材を傷つけることもない。更に、リヤウインド
ウへの装着時には、車両への何らかの衝撃に対してこの
空気室によってリヤシートの同乗者の頭部がリヤウイン
ドウ方向へどのように当たっても確実に保護されること
になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のブラインドの一実施例における断面を
示した概略斜視図、 第２図は本考案のブラインドの車両への装着状態を示す
図である。 （図中符号） １……ブラインド本体、２……空気室 ４……仕切り、６……エアー通し穴 ８……バルブ、10……車両後部 12……後部座席、14……リアウインドウ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車両リヤウインドウに着脱自在に取り付け
   られる同乗者保護ブラインドであって、透明で柔軟な物
   質より成り且つ車両室内でリヤウインドウの略全面を覆
   う形状の中空室を有し、後方視界方向に平行で車両上方
   からの光を遮る不透明の仕切りによって積層する複数の
   空気室に前記中空室が分割され、各空気室にエアーを充
   填・排出するバルブを少なくとも１個備えた同乗者保護
   ブラインド。