JPH0842187A - 耐震性建築物 - Google Patents

耐震性建築物

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JPH0842187A
JPH0842187A JP20014994A JP20014994A JPH0842187A JP H0842187 A JPH0842187 A JP H0842187A JP 20014994 A JP20014994 A JP 20014994A JP 20014994 A JP20014994 A JP 20014994A JP H0842187 A JPH0842187 A JP H0842187A
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JP
Japan
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main structural
earthquake
structural member
seismic resistant
seismic
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Application number
JP20014994A
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English (en)
Inventor
Mamoru Iwata
衛 岩田
Yuichi Matsuoka
祐一 松岡
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 主体構造部材の塑性変形が抑止されるため、
大地震や強風を受けた後も、負担可能な補修費用で再使
用が可能な耐震性建築物を提供する。 【構成】 降伏点の異なる2種類の鋼材を用い、主体構
造部材を降伏点の高い方の鋼材によって構成し、該主体
構造部材に付設した耐震部材を降伏点の低い方の鋼材に
よって構成し、前記主体構造部材によって鉛直荷重を支
持し、大地震や強風時に主体構造部材を弾性変形させる
一方、大地震や強風のエネルギーを前記耐震部材の塑性
変形によって吸収し、塑性化した耐震部材を被害レベル
に応じて補修または交換する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地震時や強風時のエネ
ルギーを吸収する耐震部材が主体構造部材に付設された
耐震性建築物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】日本の耐震規定では二つのレベルの地震
動を想定し、それぞれに対して許容する被害状態を想定
している。建築物の寿命期間中に発生する可能性が高い
レベルの中地震動に対しては、使用限界を定めており、
鉄筋コンクリート構造の場合にはひび割れ程度は認め、
鋼構造の場合には弾性域を越えないようにして、建築物
それ自体と人命を守る。他方、起こり得る最大級のレベ
ルの大地震動に対しては、終局限界として、人命を守る
ことを前提に建築物が大きな塑性変形を受けることを認
めている。
【0003】この30年来の耐震設計の研究開発は、塑
性変形能力を高めるための研究に主眼が置かれている。
しかし、構造物の塑性変形能力に頼り過ぎて耐震設計さ
れた建築物は、人命は救うかも知れないが、大きく塑性
変形した建築物の再利用はほとんど不可能であり、結果
として建築物の財産価値はなくなってしまう。被害を受
けた建築物を壊して再建築することは、資源的にも環境
保護的にも大きな問題がある。その後、限界状態を考慮
して、確率・統計論による信頼性設計法や建築物の耐震
極限設計法が提案されている。
【0004】1980年代に入ってから制震技術の研究
が盛んに行われ始め、地震や風のエネルギーを建築物に
組み込んだディバイスに集中させることが提唱され、エ
ネルギー吸収ディバイスとして、TMD、AMD、TL
D、粘性ダンパー、履歴ダンパー等が開発され、一部で
実用化されている。しかし、これら制震技術の目的は主
として建築物の使用性・居住性の向上であり、エネルギ
ー吸収ディバイスに被害を集中させて建築物全体の被害
レベルを低減させ、建築物を再利用するということは考
えられていなかった。
【0005】被害を少なく抑える目的で、骨組全体のエ
ネルギー吸収能力を増すための設計法が提案されてお
り、具体的手段としては、梁降伏によるエネルギー吸収
の方法と、靭性に富んだ耐震部材による方法がある。こ
の梁降伏型はフレーム構造において有効な手段である
が、梁は第一義的には鉛直荷重を支持する部材であり、
鉄骨構造においては、強度面での断面効率を上げると変
形能力の確保が困難となるという問題がある。また、エ
ネルギー吸収に使われる部分は柱との接合部近辺の局所
のみであり、これに梁と床との合成効果、建築物の主軸
45度方向の地震入力までを考えると、梁降伏型の設計
は現実的には難しい。
【0006】他方、靭性に富んだ耐震部材による方法
は、建築計画上の問題がなければ、有効な手段であり、
ブレースや鋼板内蔵耐震壁等に関していくつかの考案が
実現されている。これらの耐震部材は、部材全体でエネ
ルギーを吸収するので効率がよい。
【0007】このような経緯と着眼の下に種々の耐震設
計法が提案されて来ているのであるが、用地需給の逼迫
とも絡んで最近多く建設されるようになった、底面積に
対して高さが十分に高いスレンダーな建築物の耐震設計
については未だ解決されていない問題がある。すなわ
ち、このような建築物では主体構造の変形に対する全体
曲げ変形の割合が大きいので、耐震設計に当たっては、
せん断変形に対するダンパーだけでなく、曲げ変形に対
するダンパーも必要であるにもかかわらず、この点につ
いての配慮がされていないため、主体構造部材が比較的
早期に塑性変形を起こし易く、耐震性能には一定の限界
があるのである。本発明者らは、全体曲げ変形が主体構
造部材である柱の伸縮に還元して現れることに着眼し、
柱の材軸方向の歪みエネルギーを吸収する部材を組み込
むことによって上記問題を解決した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、主体
構造部材の材軸方向の歪みエネルギーを吸収する耐震部
材を主体構造部材に貼り付けてあるため、主体構造部材
の塑性変形が抑止され、大地震や強風を受けた後も、負
担可能な費用で該耐震部材を補修交換するだけで、再使
用が可能な耐震性建築物を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の耐震性建築物
は、降伏点の異なる2種類の鋼材を用い、主体構造部材
を降伏点の高い方の鋼材によって構成し、主体構造部材
に付設した耐震部材を降伏点の低い方の鋼材によって構
成し、主体構造部材によって鉛直荷重を支持し、大地震
や強風時に主体構造部材を弾性変形させる一方、大地震
や強風のエネルギーを耐震部材の塑性変形によって吸収
し、塑性化した耐震部材を被害レベルに応じて補修また
は交換するようにしたものである。
【0010】耐震部材は主体構造部材の内側に配置する
こともできるが、補修や交換作業の利便性を考慮する
と、耐震部材は主体構造部材の外側に配置するのが望ま
しい。また、主体構造部材に対する耐震部材の付設一体
化は、溶接やリベット接合等によって行なうこともでき
るが、補修や交換時の着脱作業の便宜性からボルト接合
あるいはメカニカルな接合手段等によるのが望ましい。
【0011】
【作用】建築物それ自体や建築物内の人や機器設備等に
よる鉛直荷重は、主体構造部材によって支持される。大
地震や強風時には、耐震部材が地震や強風のエネルギー
を塑性変形によって吸収し、主体構造部材は弾性変形す
る。地震等が終息した後、弾性復元した主体構造部材は
そのまま使用され、塑性化した耐震部材だけが被害レベ
ルに応じて補修または交換される。なお、中小地震やそ
れほどの強風でない時には、耐震部材は主体構造部材と
同様に弾性歪み域内で挙動する。
【0012】
【実施例】図1はスレンダーな建築物に本発明の耐震設
計を施した場合を示している。このような建築物では、
主体構造の変形における全体曲げ変形の割合が大きく、
全体曲げ変形は主体構造部材2である柱の伸縮に置き換
えられるので、この柱の材軸方向の歪みエネルギーを吸
収する部材として、本発明の耐震部材3が柱2の材軸方
向に沿って貼り付けられている。
【0013】図2に示したように主体構造部材2である
H形鋼の柱には、フランジ2a,2bの各外側面にフラ
ットバーより成る耐震部材3が貼り付けられている。図
3に示した別の実施例では、H形鋼より成る主体構造部
材2の柱には、ウェブ2cの両側面にフラットバーより
成る耐震部材3が貼り付けられている。図4に示した更
に別の実施例では、角形鋼管より成る主体構造部材2の
柱には、前後左右の各側壁板部の外面にフラットバーよ
り成る耐震部材3が貼り付けられている。
【0014】主体構造部材3の鋼材としては、弾性強度
が大きくて弾性歪み範囲が広いもの、すなわち弾性変形
の大きな高張力鋼が使用されており、この高張力鋼は弾
性歪み域内で使用するので、降伏点は高いほどよい。耐
震部材3の鋼材としては、小さな変形で降伏を始める低
降伏点鋼が使用されている。主体構造部材2に対する耐
震部材3の付設一体化は、主体構造部材2の固着孔4と
耐震部材3の固着孔5を通るボルト6と締付ナット7に
よって行なわれている。
【0015】この建築物は、主体構造部材2および耐震
部材3という二つの独立な構造システムから成るもので
あり、耐震部材3にも鉛直荷重を負担させることもでき
るが、主体構造部材2と耐震部材3の降伏点を大きく変
えることによって両者の役割を明解に分け、主体構造部
材2が鉛直荷重を支持して、地震時等には弾性挙動する
一方、耐震部材3のみが地震時等にエネルギー吸収して
塑性化するようにすれば、各部材及び建築物の設計・計
算が簡素化される。
【0016】なお、長期荷重時には、低降伏点鋼よりな
る耐震部材3の歪みはゼロに成っていることが望まし
い。これにより主体構造部材2である柱に対して伸縮両
方向に等価なエネルギー吸収性能を発揮することができ
る。また、耐震部材を主体構造部材に固定する手段とし
ては、ボルト接合に限定されず、他のメカニカルな接合
手段も適宜選択して用いることができる。本発明の設計
手法は前記スレンダーな建築物以外にも当然適用できる
ものである。
【0017】
【発明の効果】以上のように本発明の耐震性建築物は、
降伏点の異なる2種類の鋼材を用い、主体構造部材を降
伏点の高い方の鋼材で構成し、主体構造部材に付設した
耐震部材を降伏点の低い方の鋼材で構成し、主体構造部
材によって鉛直荷重を支持し、大地震や強風時に主体構
造部材を弾性変形させる一方、大地震や強風のエネルギ
ーを耐震部材の塑性変形で吸収し、塑性化した耐震部材
だけを被害レベルに応じて補修または交換するものであ
り、主体構造部材の塑性変形が的確に抑止されるため、
大地震や強風を受けた後も、負担可能な範囲の補修費用
のみで建築物を再使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る耐震性建築物の概略的
な正面図である。
【図2】図1の建築物における主体構造部材と耐震部材
の付設態様を示す水平断面図である。
【図3】本発明の別の実施例における主体構造部材と耐
震部材の付設態様を示す水平断面図である。
【図4】本発明の更に別の実施例における主体構造部材
と耐震部材の付設態様を示す水平断面図である。
【符号の説明】
1 建築物 2 主体構造部材 3 耐震部材 4 固着孔 5 固着孔 6 ボルト 7 ナット

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 降伏点の異なる2種類の鋼材を用い、主
    体構造部材を降伏点の高い方の鋼材によって構成し、該
    主体構造部材に付設した耐震部材を降伏点の低い方の鋼
    材によって構成し、前記主体構造部材によって鉛直荷重
    を支持し、大地震や強風時に主体構造部材を弾性変形さ
    せる一方、大地震や強風のエネルギーを前記耐震部材の
    塑性変形によって吸収し、塑性化した耐震部材を被害レ
    ベルに応じて補修または交換するようにした耐震性建築
    物。
  2. 【請求項2】 耐震部材を主体構造部材の外側に配置し
    た請求項1に記載の耐震性建築物。
  3. 【請求項3】 耐震部材をボルト接合あるいはメカニカ
    ルな接合手段等によって、主体構造部材に着脱可能に固
    着した請求項1または請求項2に記載の耐震性建築物。
JP20014994A 1994-08-02 1994-08-02 耐震性建築物 Pending JPH0842187A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007191988A (ja) * 2006-01-23 2007-08-02 Shimizu Corp 対震ブレース
JP2007191987A (ja) * 2006-01-23 2007-08-02 Shimizu Corp 対震ブレース
JP2012052364A (ja) * 2010-09-02 2012-03-15 Fujita Corp 既存鉄骨建物の耐震補強方法
CN111980190A (zh) * 2019-05-21 2020-11-24 任吉如 一种建筑用抗震装置

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Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20011127