JPH084113Y2

JPH084113Y2 - 粉砕機用回転ディスク

Info

Publication number: JPH084113Y2
Application number: JP1988161661U
Authority: JP
Inventors: 泰行小川
Original assignee: 泰行小川
Priority date: 1988-12-13
Filing date: 1988-12-13
Publication date: 1996-02-07
Anticipated expiration: 2003-12-13
Also published as: JPH0283040U

Description

【考案の詳細な説明】（イ）産業上の利用分野本考案は、粉砕機の回転ディスクに関する。また、本
考案は、鉱物、顔料、染料、化学薬品、填料、フェライ
ト等の磁性材料及びセラミック等を微細に粉砕し、或い
はこれらの材料の微粒子を分散して、例えば、塗料、印
刷インキの顔料、磁気テープ用コーティング材、ゴム、
接着剤、化粧品及び塗り薬等の医薬品、食品等の調製に
適する粉砕機の回転ディスクに関する。特に、本考案
は、ボールミル、撹拌ミル、サンドミル、サンドグライ
ンダー等の粉砕機の回転ディスクに関する。

（ロ）従来技術粉砕媒体を使用する湿式粉砕機は、例えば、回転軸に
取り付けられた回転ディスクを回転と共に高速回転させ
て、液体及び粉砕媒体を撹乱し、容器内でその周方向及
び半径方向に運動させると共に、被粉砕物を衝撃及び接
触等による圧縮力及び剪断力により破砕する、このよう
に回転ディスクの回転による粉砕機では、容器内で、粉
砕媒体、例えば、平均粒径が0.1ないし10mm程度の硬質
の微粒子からなる砂、ビーズ或いはアルミナセラミック
玉石等の懸濁液を強制的に撹拌運動させて、鉱物や磁性
体等の被粉砕物を強度に微粉砕或いは分散できるため、
塗料、印刷インキ、顔料、染料、樹脂、食品、薬品、セ
ラミックなどの産業分野において広汎に使用されてい
る。

また、上記の湿式粉砕機において、撹拌効果は回転デ
ィスクの形状依存しているところから、従来、回転ディ
スクの板状部に回転軸と同心状に複数の撹拌用の貫通孔
を設け、この貫通孔を通る流れを形成して、粉砕媒体の
撹乱を盛にして、その撹拌効果を高めている。

このように板状部に貫通孔を形成する撹拌部材におい
て、撹拌部材の摩耗及びこの摩耗による不純物の影響を
避けるために、粉砕機の容器の内面や回転ディスクの芯
材の外面はもとより貫通孔内面をゴム材、或いはセラミ
ック材等で形成したり、或いは金属製心材の表面をゴム
材、セラミック材等で被覆することが行われている。

（ハ）考案が解決しようとする問題点しかしながら、中空部を回転軸挿入用に形成した中空
円筒部と周囲に板状部を有する金属製心材をゴム材で被
覆して回転ディスクの場合、粉砕媒体には、比較的硬質
材が使用される関係上、撹拌用の貫通孔のエッヂ附近は
大きい荷重と摩擦の為に発熱し、ゴム等の被覆材を劣化
させる為に摩耗が激しく、回転ディスクの回転数は上限
が制限されており、高速回転による粉砕効率を期待する
ことができず問題である。また、通常に粉砕を行って
も、摩耗により回転ディスクの交換も、比較的頻繁に行
わなければならず、その都度作業を停止するなど、粉砕
処理量の増加も期待できず問題とされている。

このように回転ディスクの交換には、多くの手間を要
し、また、多くの部材を取り替える関係上、多くの費用
を要し、経済的でない。

本考案は、従来の回転ディスクの摩耗に係る問題点を
解決することを目的としている。

（ニ）問題点を解決するための手段本考案は、回転ディスクの摩耗の度合いが、回転軸挿
通用の孔部と、板状とで著しく相違することを確認して
考案されたものである。

即ち、本考案は、摩耗の度合いが相違する回転軸挿通
用の孔部と、板状部を別体に形成し、最も摩耗の著しい
貫通孔内壁部を硬質部材で補強することにより、比較的
長期の使用に耐え、交換部材の損耗を軽減した回転ディ
スクを提供することを目的としている。

本考案は、回転軸挿通用の孔が中央部に形成され、該
挿通用の孔を囲んで撹拌用の貫通孔が同心状の位置に形
成され、外面には耐摩耗性の弾性材被覆部が形成されて
いる粉砕機用回転ディスクにおいて、中空部が回転軸挿
通用の孔に形成され、外周に段部が形成され、該段部を
境に小径部と大径部が形成されている金属製中空筒状部
材と、該中空筒状部材の小径部に嵌合する孔を中央部に
有し、該中央部の孔を中心に放射状に内側に窪んで凹部
が形成されている金属製心材と、該金属製心材の凹部に
外周に形成された溝を嵌合させて前記金属製心材に嵌着
されているセラミックス製環状体と、セラミックス性環
状体の外側及び金属製心材の表面を覆って形成されてい
る耐摩耗性の弾性材被覆部とを備えていることを特徴と
する粉砕機用回転ディスクにある。

本考案において、回転軸挿通用の中空円筒部材には、
外周に段部等を形成して、ディスク部材を容易に取り付
けることができるように形成することができる。この場
合には、金属製心材挿通孔を中空円筒部材の外径の小さ
い側の径に合わせて形成し、中空円筒部材を、その段部
を介して、回転ディスクを支持させるのが好ましい。回
転ディスクの回転軸への取り付けは、ディスクの中空円
筒部材に対して、上下から、回転軸に回転軸保護用の円
筒状のカラー部材を嵌挿して行うこともできる。

本考案において、金属製心材は、通常の回転ディスク
と同様に、ステンレス、焼き入れ鋼、超鋼等を使用する
ことができる、また、耐摩耗性弾性被覆部材としては、
弗素ゴム、シリコンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム等
の耐摩耗性、耐溶剤性及び耐衝撃性に優れたゴム材を使
用することができる。

また、本考案において、セラミック製環状体は、その
外周に溝を設けて形成され、該溝を介して金属製心材の
凹部に差込み取り付けて、回転ディスクの貫通孔部の摩
耗を防止するものであり、しかも、本考案においては、
セラミック製環状体は、粉砕時に破損しても脱落を防止
できるように、金属製心材に取り付けた儘で、その外周
部を耐摩耗性の弾性材被覆部の形成の際に、該被覆材に
より固定される。本考案におけるセラミック製環状体
は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素等の通常の窯
業中空状製品を使用することができる。

（ホ）作用本考案の回転ディスクは、中空部を回転軸挿通用の孔
に形成されている中空筒状部材と、該中空筒状部材嵌込
用の孔を中央部に有し、且つ回転軸挿通用の孔と同心状
に形成され、セラミック製中空筒状体を挿着して補強し
た撹拌用の貫通孔が形成されており、その外面に耐摩耗
性の弾性材被覆部が形成されている板状のディスク部材
とを別体に形成して設けたので、ディスク部材の中央部
の孔に中空筒状部材を挿着して回転ディスクに組み立て
て、中空筒状部材の回転軸挿通用の孔に回転軸を挿通
し、同様に回転軸に挿着される回転軸保護用のスリーブ
部材で表裏より回転ディスクを強く挟持して回転軸に取
り付けることができる。また、使用後、特にディスク部
材の摩耗損傷が激しくディスク部材のみを交換しなけれ
ばならないときは、ディスク部材のみを中空筒状部材か
ら取り外して交換することができ、中空筒状部材は交換
しないで引き続き使用することができる。反対に、中空
筒状部材の損傷が激しく中空筒状部材のみを交換しなけ
ればならないときは、中空筒状部材のみをディスク部材
から取り外して交換し、ディスク部材は交換しないで引
き続き使用することができる。

また、本考案において、ディスク部材は、撹拌用の貫
通孔の内周部が硬質のセラミック製中空筒状体で被覆さ
れており、且つ該セラミック製中空筒状体の周囲は耐摩
耗性の弾性材で被覆されているので、粉砕中、貫通孔を
通る粉砕媒体及び被粉砕物等により、貫通孔は、短時間
で摩耗、劣化等により破損せしめられることはない。

また、粉砕処理中セラミック製中空筒状体に破損が生
じてもセラミック製中空筒状体はその全周にわたって耐
摩耗性の弾性被覆部で支持されているので脱落すること
もない。

（ヘ）実施例以下、添付図面を参照して本考案の実施の態様の一例
について説明するが、本考案は、以下の例示及び説明に
よって何等の限定を受けるものではない。

第１図は、本考案の一実施例を示す一部切欠いて内部
構造を示す平断面図であり、断面部は第２図のＢ−Ｂ線
の位置での部分断面図である。

第２図は第１図示のＡ−Ｏ−Ａ′に沿って切断して示
す側断面図である。

第３図は第１図及び第２図とは別の本考案の一実施例
を示す説明用の部分断面図である。

本考案による回転ディスク１は、中空円筒体２と鍔状
の板状体３より形成されており、該中空円筒体２には、
中空部が円形の回転軸挿通用の貫通孔４に形成されてい
る。鍔状の板状体３には、中空円筒体２の差込用の貫通
孔５が中央に形成されており、該鍔状の板状体３は該中
空円筒体２の差込用の貫通孔５に中空円筒体２を差込ん
で該中空円筒体２に取り付けることができる。

本例において、中空円筒体２は、ステンレス（SUS30
4）により製作されており、その外周部は軸方向の一側
の外径が他側の外径よりも大きく形成され、その中間の
境部に、鍔状の板状体３の支持用の段部６が形成されて
いる。また、中空円筒体２の回転軸挿通用の貫通孔４内
面の一側には、回転軸に取り付ける際の固定キー差し込
み用のキー溝７が設けられている。したがって、中空円
筒体２の回転軸への取り付けは、回転軸のキー溝（図示
されていない。）と中空円筒体２のキー溝７を合わせ、
固定キー（図示されていない。）を差込んで行われる。

一方、本例において、鍔状の板状体３は、中空円筒体
２の差込用の貫通孔５を中央部に有すると共に、前記中
空円筒体２の差込用の貫通孔５と同心状に撹拌用の６個
の断面円形の貫通孔８を有して、金属製心材９の外面を
ゴム材で被覆して形成されている。本例においては、撹
拌用の断面円形の６個の貫通孔は、相互に60度の間隔を
おいて設けられている。

金属製心材９は、鍔状の板状体３に強度を付与する補
強材であり、本例においては、ステンレス（SUS304）に
より形成されている。本例において、金属製心材９は中
空円筒体２の小さい外径部が挿通するように、該小さい
外径に合わせて形成された中空円筒体２の差込用の貫通
孔10を中央部に有すると共に、撹拌用の貫通孔８の位置
に対応して放射状に外周から内側に窪んで形成されたＵ
字状の凹部11を有する。該金属製心材９のＵ字状の凹部
11は、セラミック製環状体12を所定の位置に支持するも
のであり、セラミック製環状体12を所定の凹部11に固定
して貫通孔８を所定の位置に形成するためのものであ
る。

次に、セラミック製環状体12は、本例において窒化ケ
イ素（Si₃N₄）製のものであり、その外周部には、前記
金属製心材９が差込可能の幅を有する凹溝13が形成され
ており、該凹溝13を金属製心材９の凹部11内に差込ん
で、金属製心材９の凹部11に取り付けられるようになっ
ている。本例において、セラミック製環状体12の高さ
は、鍔状の板状体３の軸方向の厚さに等しくなってい
る。また、前記凹溝13の溝幅は、金属製心材９の厚さに
ほぼ等しい。

本例において、金属製心材９の外面は、ウレタンゴム
14により被覆されており、該ウレタンゴムの被覆14によ
り、金属製心材９の凹部11に嵌合するセラミック製環状
体12は、周囲が囲われて金属製心材９に固着される。本
例において、回転ディスクは、全体が円板状に形成され
ており、その外面を形成するウレタンゴム被覆部14は、
金属製心材９及びセラミック製環状体12を十分に保護す
るように金属製心材９の直径よりも大きな直径に成形さ
れている。

本例において、回転ディスク１は、以上のような構造
を有しているので、鍔状の板状体３は、金属製心材９の
６個の凹部11の夫々にセラミック製環状体12を差込み固
定して、その凹溝13を介して成形型（図示されていな
い。）内に配置し、該セラミック製環状体12及び金属製
心材９を埋め込むようにウレタンゴムで被覆成形するこ
とにより製造される。

このようにして、形成された回転ディスク１は、中空
円筒部の中空部を回転軸に挿通して、夫々のキー溝を整
合して、キー溝に固定キーを差込んで、回転軸に取り付
けられる。

本例において、回転軸15に取り付けられる、回転ディ
スク16は、第１図の例と同様に中空円筒体17、鍔状の板
状体18により形成されており、この回転ディスク16はス
リーブ19を間に位置して回転軸15に取り付けられてい
る。したがって、本例の中空円筒体17及び各鍔状の板状
体18はキー溝が形成されていない点を除いて、第１図及
び第２図と同様に形成されている。

即ち、金属製心材20の凹部21に、セラミック製環状体
22の凹溝13′を嵌合し、金属製心材20及びセラミック製
環状体22の範囲をウレタンゴム23で被覆して、セラミッ
ク製環状体22を金属製心材20に固定して撹拌孔24を中空
円筒体17の差込用の貫通孔25と同心状に形成させて、鍔
状の板状体18を形成する。

本例において、このように形成された鍔状の板状体18
の中央部の孔25に中空円筒体17を差込んで回転ディスク
16を組み立てる。このように組み立てられた回転ディス
ク16は、その中空円筒体17の貫通孔４′を、スリーブ19
が挿通されている回転軸15に差込み、ついでスリーブ19
を回転軸15に挿通して、回転ディスク16を回転軸の軸方
向両側からスリーブ19により挟持させる。このスリーブ
19に挟持させることによる回転ディスク16の取り付けを
順次重ねて最後に止めねじ26により止めることにより、
回転軸15に、回転ディスク16を、固定キーを使用しない
で取り付け固定する。

本考案の実施例においては、以上のようにして、複数
の回転ディスクを回転軸に多段に取り付けて形成された
撹拌子を、ベッセル27内に挿入固定してサンドグライン
ダーを形成し、このサンドグライダーにより、粉砕媒体
としてアルミナ玉石を用いて、回転ディスクを例えば10
00〜3000回転／分の回転速度で高速回転で、セラミック
の混練、分散試験を行ったところ、貫通孔周囲にウレタ
ンゴムの破損、摩耗等は見られず、長時間にわたり連続
運転ができた。

（ト）考案の効果本考案の回転ディスクは、中空部を回転軸挿通用の孔
に形成されている中空筒状部材と、該中空筒状部材嵌込
用の孔を中央部に有し、且つ回転軸挿通用の孔と同心状
に形成され、セラミック製中空筒状体を挿着して補強し
た撹拌用の貫通孔が形成されており、その外面に耐摩耗
性の弾性材被覆部が形成されている板状のディスク部材
を中空筒状部材と別体に形成したので、従来の回転ディ
スクと比較して、ディスク部材を交換しなければならな
いとき、ディスク部材のみを交換することができること
となって、中空筒状部材は交換しないで済むために、交
換部材の損耗が軽減されて経済的であり、しかも、中空
筒状部材とディスク部材を別の素材で形成することがで
きて、材料に要する費用も軽減でき、経済的である。

特に本考案においては、撹拌用の貫通孔の孔部はセラ
ミック製中空部筒状体を装着して保護されているので、
従来の回転ディスクに比較して、長時間にわたり、回転
ディスクを高速運転して、混練、分散を行うことができ
る。

以上のように、本考案の回転ディスクは、部品の交換
回数を少なくして長期に亙る粉砕を可能にするので、従
来の回転ディスクと比較して、粉砕能力の向上、及び粉
砕コストの軽減をはかることができる。

また、本考案の回転ディスクは、回転軸への取り付け
部を撹拌用のディスク部材とは別体に形成し、ディスク
部材を金属製心材へのセラミック製中空筒状体の取り付
け固定を耐摩耗性の弾性材被覆部の被着成形により形成
するので、部品の構造が簡単となり、しかも、セラミッ
クでディスク全体を製作する従来の回転ディスクに比し
て容易に製作でき、且つ低コストで製作することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す一部切欠いて内部構
造を示す平断面図であり、断面部は第２図のＢ−Ｂ線の
位置での部分断面図であり、第２図は、第１図示のＡ−
Ｏ−Ａ′に沿って切断して示す側断面図であり、第３図
は、第１図及び第２図とは別の本考案の一実施例を示す
説明用の部分断面図である。図中の符号については、１は回転ディスク、２は中空円
筒体、３は鍔状の板状体、４及び４′は回転軸挿通用の
貫通孔、５は中空円筒体２の差込用の貫通孔、６は段
部、７はキー溝、８は撹拌用の貫通孔、９は金属製心
材、10は中空円筒体２の差込用の貫通孔、11は金属製心
材９のＵ字状の凹部、12はセラミック製環状体、13及び
13′は凹溝、14はウレタンゴム被覆部、15は回転軸、16
は回転ディスク、17は中空円筒体、18は鍔状の板状体、
19はスリーブ、20は金属製心材、21は金属製心材20の凹
部、22はセラミック製環状体、23はウレタンゴム、24は
撹拌孔、25は中空円筒体17の差込用の貫通孔、26は止め
ねじ、27はベッセルである。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】回転軸挿通用の孔が中央部に形成され、該
挿通用の孔を囲んで撹拌用の貫通孔が同心状の位置に形
成され、外面には耐摩耗性の弾性材被覆部が形成されて
いる粉砕機用回転ディスクにおいて、中空部が回転軸挿
通用の孔（4,4′）に形成され、外周に段部が形成さ
れ、該段部を境に小径部と大径部が形成されている金属
製中空筒状部材（2,17）と、該中空筒状部材（2,17）の
小径部に嵌合する孔（5,25）を中央部に有し、該中央部
の孔（5,25）を中心に放射状に内側に窪んで凹部（11,2
1）が形成されている金属製心材（9,20）と、該金属製
心材（9,20）の凹部（11,21）に外周に形成された溝（1
3,13′）を嵌合させて前記金属製心材（9,20）に嵌着さ
れているセラミックス製環状体（12,22）と、セラミッ
クス製環状体（12,22）の外側及び金属製心材（9,20）
の表面を覆って形成されている耐摩耗性の弾性材被覆部
（14,23）とを備えていることを特徴とする粉砕機用回
転ディスク。