JPH0840929A - 血液凝固障害予防治療剤 - Google Patents

血液凝固障害予防治療剤

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JPH0840929A
JPH0840929A JP7130352A JP13035295A JPH0840929A JP H0840929 A JPH0840929 A JP H0840929A JP 7130352 A JP7130352 A JP 7130352A JP 13035295 A JP13035295 A JP 13035295A JP H0840929 A JPH0840929 A JP H0840929A
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protein
factor
activated
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blood coagulation
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JP7130352A
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Johann Eibl
ヨハン・エイブル
Hans Peter Schwarz
ハンス・ペーター・シュワルツ
Katalin Dr Varadi
カタリン・バラディ
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Oesterreichisches Institut fuer Haemoderivate
Original Assignee
Immuno AG
Immuno AG fuer Chemisch Medizinische Produkte
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 未変性蛋白質としてのV因子、その誘導体お
よび/またはフラグメント、およびプロテインSを、適
切な薬剤担体中に含むことを特徴とする血液凝固障害の
予防および治療用薬剤。 【効果】 上記薬剤は、血液凝固阻害作用を有する活性
化プロテインCの効果を正常化または増幅することによ
り、血液凝固障害の予防および治療に用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、未変性蛋白質としての
V因子、その誘導体および/またはフラグメント、なら
びにプロテインSを含む血液凝固障害の予防および治療
のための薬剤に関する。
【0002】
【従来の技術】血液凝固は、流動性の血液が、ゼラチン
様塊体からなる、いわゆる血餅へと転換され、これが栓
子形成によって損傷血管の密封を可能にする過程として
理解される。血漿中に存在する可溶性のフィブリノーゲ
ンから繊維状のゼラチン様凝固物質、いわゆるフィブリ
ンへの転換は、多段階の過程(いわゆる血液凝固カスケ
ード)で生起し、ローマ数字で特徴付けられた少なくと
も15の異なる血液凝固因子がこれに関与するが、それ
ぞれが、活性化されたときに、次のそれぞれの不活性な
前段階を順番に再び活性化する。これらの活性化物質の
中には、いくつかのセリンプロテイナーゼ(例えばカリ
クレイン、トロンビン、および、活性化されたVII 、I
X、X、XIおよびXII 因子)がある。活性化された血液
凝固因子もまた、(ローマ数字の後に)「a」を用いて
特徴付けられる。この血液凝固カスケードにおける活性
化段階が比較的多段にわたること、および各段階に触媒
効果が存在することに起因して、さらなる増加が達成さ
れるが、それは、開始因子がたとえ非常に少量であって
も、充分量のフィブリンが可及的短時間に存在するよう
になるからである。加えて、結果的に生成されるフィブ
リン繊維の間に捕捉された血液細胞も関与する。
【0003】血液凝固の活性化の異なる2経路が主とし
て区別されるが、これらは共通の経路に至るものであ
る。
【0004】内因性血液凝固経路は、通常は血液中を循
環している血液凝固成分に関係し、血液が非生理学的表
面、例えばガラスまたはセラミックなどに接触したとき
に導入することができ、ここではキニノーゲンおよびカ
リクレインの両蛋白質が関与する。そうして、XII 、X
I、IXおよびX因子が次々に活性化され、それによっ
て、IXaによるXの活性化の最後に示す段階で、血友病
Aという血液病では不在であるVIII因子が必要となる。
【0005】外因性血液凝固経路では、血管の損傷とと
もに組織因子(リポ蛋白質である組織因子)が放出さ
れ、いわゆるVII 因子が活性化され、次いで、両者が相
まって上記に示すX因子が活性化される。そうして、そ
の後、内因性血液凝固経路と外因性血液凝固が辿るそれ
に続く共通の経路は、下記のとおりである:
【0006】Xa因子は、Va因子の助けを借りて、血
小板の膜上のプロトロンビン(II因子)をトロンビンへ
と活性化し、これが、フィブリノーゲン(I因子)のペ
プチドを開裂してフィブリンモノマーを放出させ、この
モノマーが、重合してフィブリン繊維となることが可能
となる。活性化されたXIII因子によって、フィブリン繊
維の架橋結合およびそれによる安定化が最終的に生じ
る。内因性および外因性の血液凝固経路は、活性化VII
因子が組織因子と相まってIX因子をも活性化することか
ら、相互に関連していて、例えばカリクレインも外因性
経路を刺激することができる。上記因子とは別に、いく
つかの段階では、4−カルボキシ−L−グルタミン酸基
に結合するリン脂質およびカルシウムの存在が必要であ
る。そのため、これらの蛋白質におけるL−グルタミン
酸エステルのカルボキシル化は、ビタミンKに依存性で
ある。
【0007】血液凝固の阻害は、VaおよびVIIIa因子
を蛋白質分解によって不活性化する、活性化プロテイン
C(セリンプロテイナーゼでもある)によって生じる。
アンチトロンビンIII (セリンプロテイナーゼ阻害剤)
も、トロンビンその他の関連するプロテイナーゼを不可
逆的に阻害することによって、必要な血液凝固の制御に
寄与する。そして、もはや必要とされない血餅の溶解
が、プラスミンというセリンプロテイナーゼによって生
起されるが、これは、フィブリン繊維を蛋白質分解によ
って開裂させる〔例えば、Roempp Chemical Encycloped
ia、第9版(1989年)463 ページ、Roempp Enc
yclopedia of Biotechnology(1992年)133 ページを参
照されたい〕。
【0008】プロテインC(オートプロトロンビンII
A、XIV 因子)は、ビタミンK依存性糖蛋白質であっ
て、肝臓で合成され、不活性チモーゲンとして4μg /
mlの濃度で血漿中を循環する。血管壁表面で、トロンビ
ン−トロンボモジュリン複合体によって活性なセリンプ
ロテイナーゼ(活性化プロテインC、APC)へと変換
され、活性化プロテインC(活性セリンプロテイナー
ゼ)としてのフィブリン分解促進特性を有する。また、
Xa因子により誘導されるプロトロンビンの活性化(ト
ロンビン形成)の補助因子であるVa因子、およびIXa
因子により誘導されるX因子活性化の補助因子であるVI
IIa因子を、蛋白質分解により開裂することから、抗凝
固剤としても機能する。
【0009】カルシウムイオンおよびリン脂質とは別
に、いわゆるプロテインS(分子量84,000)というもう
一つの蛋白質が補助因子として機能するが、それ自体は
プロテアーゼ活性を全く有しない;すなわちプロテイン
Sは、プロテインCの抗凝固およびフィブリン分解促進
という特性のための補助因子として非酵素的に作用す
る。通常、血漿は、1mlあたり25〜30μg のプロテ
インSを含有するが、この中で、プロテインSは様々な
形態で存在する。この補助因子活性は遊離形態のプロテ
インSに起因するのに対し、プロテインSとC4b結合
蛋白質との複合体は活性を全く示さない。
【0010】活性化プロテインCは、血漿の凝固時間を
用量依存的に延長することが公知である。ところが、プ
ロテインSを欠く血漿では、活性化プロテインCはその
機能を適切に発揮することができず、むしろ、活性化プ
ロテインCの効果は、プロテインSの添加によって改善
される、活性化プロテインCに対するプロテインSの効
果は、例えば「Blood Coagulation and Fibrinolysi
s」、第3巻(1992年)257 〜261 ページに記載されて
いる。プロテインS濃度の上昇は、活性化プロテインC
の抗凝固効果の比例的な増幅へと導くことが観察され
た。それによって、Va因子の濃度が何ら役割を果たさ
ないことが見いだされた。V因子を欠く血漿では、活性
化プロテインCの抗凝固効果は比較的弱いことが観察さ
れた。しかし、活性化プロテインSの添加によって、活
性化プロテインCの効果の不充分な点を改善することが
できる。
【0011】活性化プロテインCの効果の低下について
は、数多くの理由を示すことができる。Proc. Natl. Ac
ad. Sci.(PNAS) USA、第90巻(1993年)1,004 〜
1,008 ページには、多数の患者において、活性化プロテ
インCの抗凝固応答が弱いことが記載されている。しか
し、これらの患者は、検出し得た限りでは、プロテイン
C、プロテインS、アンチトロンビンIII 、プラスミノ
ーゲンおよび他の関連血液成分の欠乏を示さなかった。
これにより、プロテインCに対する、従来は未知であっ
た補助因子がこの臨床像の原因であり得ると考えられ
た。したがって、活性化プロテインCのこの補助因子の
欠乏が血栓塞栓症の状態に至る可能性がある。
【0012】これに相当する補助因子活性が凝固V因子
に関連することが見いだされた。Proc. Natl. Acad. Sc
i.(PNAS) USA、第91巻(1994年)1,396 〜1,400
ページでは、活性化プロテインCへの抗凝固補助因子活
性がV因子に帰されている。
【0013】V因子は、330kDの分子量を有するβ−
グロブリンであって、トロンビンによる限定的蛋白質分
解によって活性化され、活性化プロテインCによって不
活性化される。それにより、特異的なフラグメントが結
果的に得られる。V因子は、その活性形態では、トロン
ビン形成の原因となり、それによって血液凝固の原因と
もなるプロトロンビナーゼ複合体(プロトロンビンの活
性化のための、Xa因子、Va因子、リン脂質、カルシ
ウムイオンを含む)の成分である。そのため、V因子そ
れ自体は、凝固促進性凝固因子であると考えられる。先
天性の、および遺伝によるV因子の欠乏は、血友病に類
似の出血性の素質に関連付けられる。
【0014】PCT国際公開WO93/10261号には、活性
化プロテインCの効果の弱さに基づいて血液凝固障害を
判定する方法が記載されている。
【0015】活性化プロテインCに対する血液および/
または血漿試料の感受性(「APC感受性」、「APC
応答」)を測定するもう一つの方法が、米国特許出願08
/160877 号明細書に記載されている。それによれば、活
性化プロテインCを添加した試料のVIII因子活性は、X
a因子に基づく発色検定を用いて単純な方法で測定さ
れ、活性化プロテインCなしに測定したVIII因子活性と
関連させて評価される。得られた比率が大きければそれ
だけ、活性化プロテインCに対する感受性が高い。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、活性
化プロテインCの効果を正常化、または増幅する製剤を
利用可能にすることである。
【0017】
【課題を解決するための手段】該目的は、本発明の主題
によって解決される。
【0018】本発明の主題は、血液凝固障害の予防およ
び治療のための薬剤であって、未変性蛋白質としてのV
因子、その誘導体および/またはフラグメント、ならび
にプロテインSを適切な製剤担体中に含むことを特徴と
する製剤(APCエンハンサー)である。
【0019】本薬剤の好ましい実施態様は、活性化V因
子を実質的に含まず、プロテインCおよび/または活性
化プロテインCを含む薬剤である。
【0020】もう一つの主題は、プロテインSおよび/
またはプロテインS含有薬剤と併用するための未変性蛋
白質としてのV因子、その誘導体および/またはフラグ
メントを含む血液凝固障害の予防および/または治療用
薬剤である。
【0021】もう一つの主題は、未変性蛋白質としての
V因子、その誘導体および/またはフラグメントをプロ
テインSと併用する、血液凝固障害の予防および/また
は治療用薬剤の製造のための用途である。
【0022】上記により、血液凝固障害の予防および治
療のための、V因子、その誘導体および/またはフラグ
メントならびにプロテインSおよび/またはプロテイン
S含有薬剤の適用は、それらを併せてか、同時であるが
相互に別個に、または連続的に、いかなる順序でも適用
することができる。
【0023】また、本発明のもう一つの主題は、本発明
による薬剤のためのセット(キット)であって、2個の
別個の容器内に、未変性蛋白質としてのV因子、誘導体
および/またはフラグメントと、そして更に1個の容器
内にプロテインSを含有し、これらの容器が、場合によ
り、製薬上許容され得る更にそれ以上の担体および希釈
剤を、該活性成分と組合せて含有、および/または、別
個の容器内に含有するセットである。
【0024】好ましい実施態様では、本発明による薬剤
は活性化V因子を実質的に含まない。他の適切な実施態
様では、本発明による薬剤は、未変性蛋白質としてのV
因子、誘導体および/またはフラグメントとは別に、プ
ロテインCおよび/または活性化プロテインCをさらに
含有する。適切には、個々の成分の直接的な適用または
使用の際、該適用もしくは使用の前か後かに、例えば薬
剤にプロテインCおよび/または活性化プロテインC
を、併せてか、または同時に用いることもできる。
【0025】未変性蛋白質としてのV因子、その誘導体
および/またはフラグメント(V因子活性物質)とプロ
テインSとの好ましい比は、本発明によれば1:2から
1:100、最も好ましくは1:5から1:50(モル
比)である。
【0026】適切には、本発明による薬剤は、未変性蛋
白質としてのV因子、その誘導体またはフラグメント
を、凝固促進活性が皆無であるような方法および量で含
有する。
【0027】本発明によれば、血栓塞栓症の状態は、血
液凝固障害として特に理解される。
【0028】ここに、V因子とプロテインSとの組合せ
からなる、本発明による薬剤によって、血液凝固障害、
特に血栓塞栓症の状態が効果的に予防できること、また
は効果的に治療できることが示された。
【0029】試料の「APC感受性」に対して、プロテ
インSおよびV因子の相乗効果が存在することが見いだ
された(米国特許願08/160877 号明細書に従って測定さ
れた)。
【0030】驚くべきことに、活性化プロテインCの抗
凝固効果は、本発明による薬剤、すなわちプロテインS
という補助因子、ならびに未変性蛋白質の形態の凝固V
因子、その誘導体および/またはフラグメントの存在に
よって、実質的に増強されることが示された。
【0031】これらの結果は、一つ以上の点で驚くべき
ことであると考えなければならない:一つの点では、V
因子欠乏血漿中での活性化プロテインCの効果は、プロ
テインSのみの添加によって、正常化することができた
(前出「Blood Coagulationand Fibrinolysis」を参照
されたい);他方で、プロテインSおよびV因子の添加
による効果は、せいぜいV因子のAPC補助因子活性に
関して予測できた程度である。V因子は凝固促進特性も
有することから、血液凝固に対する作用効果ばかりでな
く拮抗効果も、もしかしたら予測されたはずである。
【0032】適切には、本発明による薬剤は、活性化V
因子を実質的に含有しない。それによって、望ましくな
い凝固促進活性が防止される。更に、V因子による活性
化プロテインCの効果の増幅は、V因子の蛋白質がその
未変性形態、その誘導体および/またはフラグメントで
存在するときにのみ見いだされることがわかった。他方
で、活性化V因子は逆の効果を有する。驚くべきこと
に、活性化プロテインCは、Va因子によって阻害され
るが、このことは、Va因子の存在下での、活性化プロ
テインCによるVIIIa因子の不活性化において見られ
る。したがって、本発明による薬剤の製造の際は、活性
化されていないV因子、またはその適切な誘導体および
/またはフラグメントを、凝固促進効果を全く有しない
方法および量で選ぶことに特別な注意を払わなければな
らない。蛋白質の活性化の際に開裂されるV因子のフラ
グメント(いわゆる活性化ペプチド)は、フラグメント
として特に適切である。
【0033】本発明による薬剤中のV因子の総量中の活
性化V因子の比率は、好ましくは50重量%未満、特に
30重量%未満である。したがって、特に好適な実施態
様では、例えばプロテアーゼ阻害剤の存在下で、活性化
V因子の存在を大幅に排除できるような方法で薬剤を製
造する。
【0034】本発明による薬剤は、プロテインCおよび
/または活性化プロテインCをさらに含むことができ;
それにより、先天性の、または後天性のプロテインC欠
乏状態を同時に治療することが可能となる。
【0035】本発明による薬剤は、血漿、または組換え
蛋白質および/またはポリペプチドから(またAPC補
助因子活性を有するポリペプチドであるプロテインSか
らも)単離された蛋白質を用いることによって、製造す
ることができる。
【0036】この形態の蛋白質は、商業的に入手するこ
とも、または慣用の方法に従って製造することも可能で
ある(例えばヨーロッパ特許公開0406216 号、0255771
号、0244834 号公報を参照されたい)。
【0037】蛋白質を血漿から単離するか、細胞培養の
方法を用いて製造するかとは無関係に、例えばウイル
ス、ウイロイドおよびビリオンなどの感染性病原体の不
活性化のための慣用の方法で処理した出発材料および/
または蛋白質を用いるのが適切である。
【0038】本発明による薬剤は、必要であれば、特に
ヒトへの投与に安全であるような形態の薬剤に慣用され
る適切な佐剤、担体および/または添加物を用いて製造
する。用いる佐剤、担体および/または添加物は、意図
された投与形式によって特に決定される。薬剤は、この
ための慣用の形態、例えば錠剤、被覆錠剤、カプセル、
坐薬、シロップ、注射液、輸液などとすることができ;
好ましくは、静脈内投与に適した形態である。
【0039】一実施態様では、本発明による薬剤は、成
分が相互に別個に保たれ、適用の時点で初めて合わされ
る、セット(キット)として利用し得るようにすること
もできる。薬剤を製造するための本発明によるセット
は、例えば、一つの容器(a)中に、V因子、その誘導
体および/またはフラグメントを、そして第二の容器
(b)中に、プロテインSを含有し、本発明による薬剤
の製造のための任意の佐剤、担体および/または添加物
は、一つに併せて、または容器(a)および/または
(b)の一方に分配された個別の成分として、あるい
は、更に追加的な容器(c)中に含有されることができ
る。
【0040】容器(a)、(b)および、場合により、
(c)の成分の混合は、慣用の方式で実施することがで
き、適切には、適用の直前に実施する。
【0041】本発明の一実施態様では、本発明による薬
剤の個々の活性成分を個別に、すなわち同時にか、また
はいかなる順序で連続的にかのいずれかで適用すること
も可能である。この方法では、例えば、V因子、その誘
導体および/またはフラグメントは、成分プロテインS
とともに同時に適用するか、V因子、その誘導体および
/またはフラグメントを初めに、その後プロテインSを
適用することもでき、あるいはこの、逆の順序でも適用
できる。そのため、それぞれの成分の投与も、それに適
切である佐剤、担体および/または添加物と共に、特に
適用に応じて、適切に実施される。
【0042】
【実施例】下記の実施例において、本発明を更に詳細に
説明するが、それに限定されることはない。
【0043】実施例1 APC感受性(APC応答)の測定方法(米国特許願第
08/160877 号明細書による) I.血漿におけるAPC応答を測定する基本的方法 下記材料を混合する。血漿または試料をFVIII希釈緩衝
剤〔Immunochrom (商品名)FVIII:C、Immuno AG
社〕で1/20に希釈したもの50μl 、緩衝剤または
APC(2U/ml)50μl 、試薬A(リン脂質、Immuno
chrom FVIII:C、Immuno AG社)100μl 、試薬
B(活性化物質+FX、Immunochrom FVIII:C、Immu
no AG社)100μl 。混合物を5分間、37℃で温
置する。以下のものを加える。発色性基質(それ以上の
Xaの活性化を停止させるため、EDTAを含有)とし
て、FVIII因子反応緩衝剤(Immunochrom FVIII:C、
Immuno AG)で1:3に希釈した、4ミリモル/リッ
トルのCH3 OCO−D−CHA−Gly−Arg−p
NA−AcOH(Immunochrom FVIII:C、Immuno A
G)を200μl 。混合物を5分間、37℃で温置す
る。酢酸(50%)100μl で反応を停止する。40
5nmで吸光度(A405)を測定する。 結果:A405(緩衝剤)に対するA405(APC)
の比率=APC応答。
【0044】APC応答に対する種々の添加物の効果
も、この方法に従って下記のとおり調べた。
【0045】調べようとする血漿試料を、緩衝剤と、
(9+1)、またはプロテインS、またはFVもしくは
FVa、またはAPCに影響されるFVIII不活性化に影
響を与える可能性がある他の何らかの試薬と混合した。
添加物を含有する血漿試料を全体で1/20に希釈し、
それぞれAPCを加えないか、または加えて試験して、
その比率(APC応答)を測定した。
【0046】Ia.精製VIII因子(FVIII)に対するA
PCの効果を測定する方法 上記と同じ方法に従って進めたが、血漿プローブに代え
て、精製FVIIIを測定した。FVIIIの最終濃度は約0.
05U/mlに達した。別の1または数種類の因子の効果
を測定したときは、1U/mlのFVIIIを9+1または8+
1+1の比率で添加物または緩衝剤と予め混合し、全体
で1/20に希釈し、APCを加えないか、または加え
て試験した。この系にしたがって、FVIIIの濃度を変化
させ、1/20以外の希釈率で、そしてAPC濃度を変
化させることも可能である。
【0047】上記の実施例1の方法に従って得られた結
果は、下記のとおりグラフに記録された。
【図面の簡単な説明】
【図1】精製された系でのAPCによるVIII因子の不活
性化に対するV因子およびVa因子の効果を示すグラフ
である。
【図2】APCによるVIII因子の不活性化に対するV因
子およびプロテインSの効果を示すグラフである。
【図3】異なる試験血漿試料のAPC応答に対する、V
因子およびVa因子の添加の効果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 カタリン・バラディ オーストリア国、アー−1230 ウィーン、 オテローガッセ 1/6/2

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血液凝固障害の予防および治療のための
    薬剤であって、未変性蛋白質としてのV因子、その誘導
    体および/またはフラグメント、ならびにプロテインS
    を適切な薬剤担体中に含むことを特徴とする薬剤。
  2. 【請求項2】 活性化V因子を実質的に含まないことを
    特徴とする、請求項1記載の薬剤。
  3. 【請求項3】 プロテインCおよび/または活性化プロ
    テインCを含むことを特徴とする、請求項1または2記
    載の薬剤。
  4. 【請求項4】 プロテインSおよび/またはプロテイン
    S含有薬剤と併用するための、未変性蛋白質としてのV
    因子、その誘導体および/またはフラグメントを含む血
    液凝固障害の予防および治療用薬剤。
  5. 【請求項5】 活性化V因子を実質的に含まずに、V因
    子を含むことを特徴とする、請求項4記載の薬剤。
  6. 【請求項6】 プロテインCおよび/または活性化プロ
    テインCをさらに含むことを特徴とする、請求項4また
    は5記載の薬剤。
  7. 【請求項7】 未変性蛋白質としてのV因子、その誘導
    体および/またはフラグメントを、凝固促進活性を全く
    示さない量で含む、請求項1ないし4のいずれか一項に
    記載の薬剤。
  8. 【請求項8】 V因子として活性である物質の総量が、
    蛋白質に対して1:2から1:100、好ましくは1:
    5から1:50のモル比で存在することを特徴とする、
    請求項1ないし4のいずれか一項に記載の薬剤。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし4のいずれか一項に記載
    の薬剤のためのキットであって、(a)V因子、その誘
    導体および/またはフラグメントを含む容器、ならびに
    (b)プロテインSを含む第二の容器からなり、これら
    の容器が、場合により、該薬剤のために必要とされる佐
    剤、担体および/または添加物を含む、キット。
JP7130352A 1994-05-27 1995-05-29 血液凝固障害予防治療剤 Pending JPH0840929A (ja)

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US5804181A (en) 1998-09-08
CA2150327A1 (en) 1995-11-28

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