JP2014508159A - インヒビターを保有するまたは保有しない血友病aまたはbを治療するためのglaドメイン欠失因子xa - Google Patents

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Abstract

本発明は、インヒビターを保有するまたは保有しない血友病AまたはBの患者における出血性アクシデントを予防または治療するための、改変第Xa因子(GDXa)を含む医薬組成物であって、前記改変GDXaが非血栓形成性であり、TFPIに結合することはできるがリン脂質に結合することはできない医薬組成物に関する。
【選択図】図5

Description

本発明は、改変第X因子によって血友病AまたはBの患者における出血性アクシデントを予防または治療するための医薬組成物に関する。
血友病Aには、血友病Bと同様、2種類の血友病、体質性血友病および後天性血友病が含まれる。
A型の体質性血友病は、FVIII遺伝子の異常によって生じるFVIIIの量的または質的不全を特徴とする出血性疾患である。B型の体質性血友病も出血性疾患であるが、FIX遺伝子の異常によって生じるFIXの量的または質的不全を特徴とする。
AまたはB型の後天性血友病は、前記FVIIIまたはFIXに特異的な自己抗体の出現によって定義される。
血友病は、出血に対する応答における血液凝固不全にあらわれる。未治療のAまたはB型血友病は、症状、例えば、傷害時の過剰な出血、時には突発性出血も有する。
第VIIIまたは第IX因子の生物学的活性は、正常レベルのパーセントとして評価する。正常な個体は、100%活性を有すると見なされる。活性が検出できない場合(1%未満)は重症の血友病であり、活性が1〜5%の場合、この血友病は中等症と言われ、5%を上回り30%までは軽症の血友病である。
血友病AおよびBの患者は、それぞれFVIIIまたはFIXを含む濃縮物で治療することができ、それらは血漿派生物または遺伝子操作によって生じた生成物であることができる。これらの濃縮物は、各出血時に投与することができ、この場合、最初の徴候があらわれたら、可能な限り迅速に治療を開始することが望ましい。この治療はまた予防的に、出血を予防するために定期的に週2〜3回投与することができる。しかし、この治療は、インヒビターと呼ばれるFVIIIまたはFIXに特異的な抗体の出現を引き起こすことがある。前記抗体の存在は、その後、第VIIIまたはIX因子の投与を無効にする。これらの抗体は、G型イムノグロブリン、主にIgG4である。抗体は最初の投与の後まもなくして、多くの場合10日経つ前に出現する。患者の中には、弱レスポンダー(抗体力価<10BU)を維持する人もいるが、強レスポンダーと呼ばれるその他の人たちは、対応する凝固因子ではもはや治療することができないことを意味する力価に達している。
本発明の時点では、インヒビターを保有する血友病AまたはBの患者における出血の危険性の存在を十分に予防および/または治療することができる治療法は存在しない。実際に、利用可能な生成物は、無効であることがあるか(FSGについて、Astermark J、Donfield SM、DiMichele DM、Gringeri A、Gilbert SA、Waters J、Berntorp E「インヒビターを併発した血友病におけるバイパス剤の無作為の比較(A randomized comparison of bypassing agents in hemophilia complicated by an inhibitor)」:the FEIBA NovoSeven Comparative(FENOC)Study.Blood.2007;109:546〜51)、またはそれらの生成物の投与は、血栓形成事象によって複雑化することがある(Aledort LM.「組換え第VIIa因子対第VIII因子インヒビターバイパス活性物質の注入後の血栓形成事象発生率の比較(Comparative thrombotic event incidence after infusion of recombinant factor VIIa versus factor VIII inhibitor bypass activity.)」J Thromb Haemost.2004;2:1709)。
したがって、既存の治療法の代替となる治療法が必要であることが知られている。しかし、このような治療の開発は非常に困難であることがわかっており、なぜならば、
出血を止めることができ、
血栓症を引き起こさず、
抗FVIIIまたはFIX抗体の存在下でも、出血性アクシデントの治療または予防を可能にしなければならないからである。
本発明はこの必要性に応える。本発明は、血友病AまたはBの患者における出血性アクシデントを予防または治療するための改変活性化第X因子(FXa)を含む医薬組成物に関しており、前記改変FXa(GDXa)は血栓形成性を有さず、組織因子経路インヒビター(TFPI)に結合することはできるが、リン脂質結合部位を有さない。
本発明による組成物はまた、抗第VIII因子(FVIII)または第IX因子(FIX)抗体を示す血友病における出血性アクシデントを予防または治療するために使用することができる。抗体は、第FVIIIもしくはFIX因子による治療後または自然発生的に、例えば後天性血友病において出現した。
本発明はまた、血友病AまたはBの患者における出血性アクシデントを予防または治療するために企図された医薬品生成物を調製するための改変第Xa因子(GDXa)を含む医薬組成物の使用に関し、前記患者は抗FVIIIまたはFIX抗体を保有するかまたは保有しない。
本発明はまた、改変第Xa因子(GDXa)の投与によって血友病AまたはBの患者における出血性症候群を予防的に治療する方法に関する。
本発明はまた、改変第Xa因子(GDXa)の投与によって血友病AまたはBの患者における出血性アクシデントを治療する方法に関する。
本発明の文脈において、第FXa因子という場合、血漿中において天然に存在する、または元の無修飾の形態で単離された状態の、天然の第X因子の活性化によって得られた活性化第X因子を意味する。この用語には、血漿から単離されたFXが含まれるが、組換えによって生成された、または化学合成法によって得られた活性化されたFXも含まれる。第Xa因子または天然の第Xa因子(FXa)とは、本発明の文脈では、血液凝固に関与したセリンプロテアーゼ型のタンパク質のことで、不活性化形態、第X因子(FX)で生成される。
凝血第X因子の活性化は、血液凝固および出血の阻止において重要なステップである。その活性化は、血液凝固の伝播および増幅のステップに必要である。その活性化はまた、TFPIとの相互作用によって、血液凝固の活性化を阻止するのに必要である。
FXは、活性化した第IX因子およびその補因子、活性化した第VIII因子または活性化した第VII因子およびその補因子、組織因子(TF)の何れかによって活性化される。FXaはプロトロンビナーゼ複合体を形成し、これが活性化した第V因子を有する膜に結合し、プロトロンビナーゼ複合体中の活性成分となり、それがプロトロンビンからトロンビンへの変換を触媒する。次に、トロンビンがフィブリノーゲンからフィブリンへの変換を触媒し、これが血液中の凝血の形成および出血の阻止を導く。FXaの活性は、「血液凝固促進活性」と呼ぶことができる。
Leytusら(Biochemistry、1986、25:5098〜5102)およびVenkateswarluら(Biophysical Journal、2002、82:1190〜1206)は、第X因子およびこのポリペプチド中に存在する様々なドメインについて記載している。重鎖の触媒的切断は、FXからFXaへの活性化を可能にする。FXaは軽鎖(その1例は配列識別子配列番号1によって表される)および重鎖(その1例は配列識別子配列番号2によって表される)を含む。
本発明の文脈では、改変FXaという用語は、もはやリン脂質に結合できないか、もはや血液凝固促進活性を有さないか、または血液凝固促進活性が低下したFXaを表す。本発明の文脈では、このような因子をGDXaと呼ぶ。「血液凝固促進活性」は、血液凝固または凝血の形成を引き起こす因子の能力と定義される。低下した血液凝固促進活性とは、活性が、天然のFXaの活性と比較して少なくとも50%、好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは95%より多く低下していることを示す。
本発明による改変第Xa因子、GDXaは、リン脂質に結合するためのγ−カルボキシグルタミン酸(Gla)ドメインが欠如している。軽鎖の最初の43個のアミノ酸(配列番号1の残基1〜43)は、11個の翻訳後修飾残基(γ−カルボキシグルタミン酸)を含有しているので、Glaドメインを表している。キモトリプシンで消化すると、残基1〜43の抑制が可能で、リン脂質に結合するドメインが欠如したFXaまたはGDXa(GlaドメインのないFXa)を生成することが可能になる。前記GDXaはまた、Glaドメインが存在しないことに加えて、その他の改変を含むことができる。前記改変FXaは、第Va因子に対する結合特性を保存しているが、血液凝固促進活性は有さない。GDXaの1例は、軽鎖については配列識別子配列番号7または配列番号3によって重鎖については配列番号2によって表される。この血液凝固促進活性を有さないことは、組織因子が存在しない血漿に添加したとき、血液凝固を活性化することができないことによって確認することができ、これによって天然の第Xa因子と区別される。
GDXaは、キモトリプシンによって制御されたタンパク質分解および通常の方法の1つ、例えば、Skogenら(1984)によって記載された方法による特異的プロテアーゼによる活性化によって、第X因子の切断によって得ることができる。活性化前のGDXの1例は、核酸配列については配列識別子配列番号20によって、アミノ酸配列については配列番号28によって表すことができる。
GDXaは、化学合成によって、1本の配列の形態、または後で一緒に結合するいくつかの配列の形態の何れかで生成することができる。この合成は、固相または溶液中で実施することができる。これらの技術は、AthertonおよびShepardによって「固相ペプチド合成(Solid phase peptide synthesis)」(IRL Press Oxford、1989)およびHoubenweyl(E.Wunschによって刊行された「有機化学における方法(Methoden der organischen Chemie)[Methods in Organic Chemistry]」Vol.15−1および11、Stuttgart、1974)ならびに以下の論文:P.E.Dawsonら(Science 1994;266(5186)、pp776〜779);G G Kochendoerferら(1999;3(6)、pp665〜671);P E Dawsonら(2000、69、Annu.Rev.Biochem.、pp923〜960)によってより詳細に記載されている。
GDXaは血栓形成性を有さず、血液凝固促進活性を有さないことは、トロンビン生成を測定するアッセイによって確認することができる(Hemkerら、Thrombosis and Haemostasis.1993;70:617〜624、例4参照)。
GDXaがTFPIに結合する能力は、当業者に周知の任意のアッセイを使用して確認する。このようなアッセイは例1に記載されており、TFPIによるFXaおよびGDXaのパーセント阻害の測定を可能にする発色基質を使用する。
本発明の別の側面では、GDXaはGlaドメインを欠如しているが、ドメインEGF1(上皮増殖因子1)も欠如している。本発明のこのような適用は、軽鎖については配列番号4によって、重鎖については配列番号2によって表されるGDXaを含む組成物によって表すことができる。
本発明の別の側面では、GDXaはGlaドメインを欠如しているが、ドメインEGF2(上皮増殖因子2)も欠如している。このようなGDXaの1例は、軽鎖については配列識別子配列番号5、重鎖については配列番号2によって表される。
本発明の別の側面では、GDXaはドメインGlaを欠如しているが、ドメインEGF1およびEGF2も欠如している。このようなGDXaの1例は、軽鎖については配列識別子配列番号6、重鎖については配列番号2によって表される。
本発明の別の側面によれば、GDXaは、FXaの重鎖のみから構成される。本発明の特定の態様によれば、このようなFXaは配列識別子配列番号2によって表される。
さらに別の異なる側面では、GDXaは変異を有する分子変種から構成される。したがって、トロンビン生成活性を維持し、変異体の小ペプチド基質に対する酵素活性を減少させることができる様々な変異を、GDXaをコードする遺伝子に導入した。これらの変異は、QuickChangeキット(Stratagene)を使用し、製造元の推奨に従い、刊行物WangおよびMalcolm(1999)−BioTechniques、26:680〜682に準じて導入することができる。これらの変異は、GDXaの重鎖のアルギニン142(配列番号2に従って番号付けしている)に関することができ、このアルギニンは任意のその他のアミノ酸、好ましくはフェニルアラニン(例えば、配列番号10)、グリシン(例えば、配列番号11)、イソロイシン(例えば、配列番号12)またはチロシン(例えば、配列番号13)にするために変異させることができる。この変異は、ヒトFXa Arg−Gln−Ser−Thr−Arg−Leu(重鎖の139〜143)のペプチド配列の、ウシFXa:Arg−Leu−Ser−Ser−Thr−Leu(例えば配列番号26)から得られた同等の配列との置きかえに関することができる。同様に、重鎖のリシン82(配列番号2に従って番号付けしている)はまた、アミノ酸、例えば、チロシン(例えば、配列番号9)に置きかえることができる。
GDXaをコードするヌクレオチド配列は、化学的に合成することができる(Young LおよびDong Q.、2004、Nucleic Acids Res.、Apr 15;32(7)、Hoover,D.M.およびLubkowski,J.2002.Nucleic Acids Res.、30、Villalobos Aら、2006.BMC Bioinformatics、Jun 6;7:285)。GDXaをコードするヌクレオチド配列はまた、PCRによって適切なプライマーを使用して増幅することができる。
GDXAはまた、当業者に周知の遺伝子操作技術によって生成することができる。ヒト第X因子をコードするヌクレオチド配列は、こうして発現ベクターにクローニングすることができ、すなわち、シグナルペプチドをコードするヌクレオチド配列、プロペプチドおよびドメインGlaの一部を削除し、シグナルペプチド、例えば、TIMP−1のシグナルペプチド(Crombezら、2005)を融合させる。こうして生成された改変第X因子は、TF−FVIIa複合体またはアルギニン234とイソロイシン235(スイスプロット:P00742.2に従って番号付けしている)との結合を切断する任意のその他の酵素の何れかによって活性化することができる。あるいは、GDXaは、フューリンまたは任意のその他の細胞内酵素によって認識される切断配列を、イソロイシン235のすぐ上流に挿入することによって直接生成することができる。すなわち、これらのアミノ酸、例えば、アルギニン−リシン−アルギニンをコードする配列は、フューリンによる切断を可能にする(Nakayamaら、1997)。切断を改善するために、配列アルギニン−リシン−アルギニン−アルギニン−リシン−アルギニンを導入することができる。前記改変FXをコードするDNAは、発現プラスミドに挿入され、それらを生成するための特別な細胞系(例えば、HEK−393E系)に挿入され、こうして生成されたタンパク質は次にクロマトグラフィーによって精製される。
これらの技術は、参照マニュアル:Molecular cloning:a laboratory manual、3版、SambrookおよびRussel編(2001)およびCurrent Protocols in Molecular Biology−Ausubelら編(2007)に詳細に記載されている。
したがって、GDXaはまた、前記で述べたGDXaをコードするヌクレオチド配列によって表すことができ、このような配列は、以下の配列識別子:軽鎖については配列番号8、配列番号16〜配列番号19、重鎖については配列番号15または配列番号21〜25および配列番号27によって表される。
この種の改変因子は先行技術から周知である(MoritaおよびJackson、1986;Skogenら、1984、Padmanabhanら、1993.J.Mol.Biol.、232:947〜966または米国特許出願公開第2009/2298119号)。
本発明による医薬組成物は、投与に必要な任意の剤形として製剤化することができる。特に、全身投与の場合、本発明による組成物は、注射用に滅菌した凍結乾燥粉末の形態で製剤化することができる。本発明による医薬組成物はまた、経鼻的または非経口的に投与することができる。したがって、本発明の医薬組成物は、活性成分に加えて、当業者には公知であり、所望する形態の医薬組成物を調製するために必要な任意の薬剤として許容される製剤添加物、特に、すぐに注射するために水性溶液で再構成した後、凍結乾燥したタンパク質GDXaを安定化することができる任意の賦形剤を含むことができる。
出血性アクシデントの場合、本発明による医薬組成物は、組換えFVIIa(Novoseven(登録商標))よりも10〜20倍低い濃度で投与することができ、これは、投与用量当たり90〜270μg/kgの範囲の薬量に従って投与される。したがって、別の側面によれば、本発明はまた、インヒビターを保有していてもいなくても血友病AまたはBの患者に投与用量当たり4.5〜27μg/kgを投与するために、TFPIに結合することはできるが、リン脂質には結合できない血栓形成性を有さないGDXaを含む医薬組成物に関する。前記投与は全身、経鼻または非経口経路によることができる。
本発明を以下の例によって例示する。
[実施例]
例1
材料および方法
材料:
正常な患者の凍結血漿のプールおよび血友病Aまたは血友病Bの患者の個々の血漿、リン脂質TGT、Prionex、コーントリプシンインヒビター(CTI)、発色基質PNAPEP 1025、ヒト第Xa因子、ヒトGDXaおよびヒツジ抗ヒトトロンビン抗体はCryopep(Montpellier、France)から入手した。ヒト組換えTFPIは、Sino Biolocal Inc.(Beijing、China)から入手した。再脂質化組換えヒト組織因子(TF、Innovin)は、Siemens Healthcare Diagnostics(Puteaux、France)製である。トロンビン標準物質、FluCaKitおよびDiagnostica Stago(Asnieres、France)製の丸底96ウェルマイクロタイタープレート(Immulon 2HB、U型底のプレート)は、トロンビン生成試験用に使用した。酵素実験用に、平底96ウェルマイクロタイタープレートはGreiner(Frickenhausen、Germany)から、ヒツジ抗TFPI抗体はAffinity Biologicals(Sandhill Drive、Canada)から入手する。American Diagnostica(Stamford、USA)製のTFPI活性のActichromアッセイは、TFPI活性を測定するために使用した。アンチトロンビン活性アッセイ(STA−Stachrom アンチトロンビン III)は、Diagnostica STAGO製である。酵素的計算は、PRISM 5.0を用いて実施した。
方法
1)トロンビン生成アッセイ(TGA)
トロンビン生成の測定は、Hemker’s法によって、血液凝固の活性のために組織因子(TF)1pMを使用して、インキュベーション期間中の血液凝固の接触相の活性化を阻害するためにCTI30μg/mlの存在下で実施した(van Veen JJ、Gatt A、Cooper PC、Kitchen S、Bowyer AE、Makris M.「蛍光発生トロンビン生成測定法において、コーントリプシンインヒビターは低濃度の組織因子においてのみ必要とされ、第VIII因子血液凝固活性とトロンビン生成試験(thrombogram)パラメータとの関係に影響を及ぼす(Corn trypsin inhibitor in fluorogenic thrombin-generation measurements is only necessary at low tissue factor concentrations and influences the relationship between factor VIII coagulant activity and thrombogram parameters.)」Blood Coagul Fibrinolysis.2008 Apr;19(3):183〜9)。簡単に説明すると、TF20μl、リン脂質4μMおよび血漿80μlの混合液を3連ずつマイクロタイタープレートにピペットで注入した。血漿80μlを有するトロンビン標準物質20μlも、3連ずつプレートにピペットによって入れた。次に、プレートをVarioskan(Thermofisher、Illkirch、France)に挿入し、励起波長を390nm、発光波長460nmおよびパスバンド10nmに設定した。FluCaKit20μl(蛍光発生基質(Z−Gly−Gly−Arg−AMC、ZGGR−AMC)2.5mMおよびCaCl20.1M)を全てのウェルに注入し、こうして反応を開始した。蛍光シグナルは20秒ごとに60分間読み取る。蛍光強度に関する生データは、既に記載されている3波長法を使用して数学的に計算するためにSigmaplot(登録商標)9.0にエクスポートした(De Smedt E.Advanced thrombinoscopy:PhD thesis、University Maastricht;2007)。
以後、
ETPは内因性トロンビン産生能を示し、曲線下面積に対応する。
PHはピークの高さを示し、ピークのトロンビンレベルに対応する。
LTは潜伏時間を示し、トロンビン2nMに達する時間に対応する。
PTはピークの時間であり、PHが得られる時間に対応する。
様々な因子GDXa、XaまたはNovoseven(登録商標)は、Prionex1%、HEPES18mM、塩化ナトリウム135mMを含む緩衝液A、pH7.35で希釈し、様々な濃度のCTIで前処理した血友病性血漿に添加する。
2)特異的抗体によるアンチトロンビンおよびTFPIの中和
アンチトロンビンを中和するために、重症血友病A血漿に様々な濃度のヒツジIgG抗ヒトアンチトロンビン抗体(1.8、3、5および7.5g/l)を加え、TGAで試験する前に1時間25℃でインキュベートした。併行して、アンチトロンビン活性はSTAR血液凝固計(Diagnostica Stago)でアンチトロンビンIII STA−Stachrom試薬を用いて測定した。
TFPIを中和するために、TGAで試験する前に、同じ血友病A血漿を、様々な濃度のヒツジ抗ヒトTFPIイムノグロブリン(2.5、5、10および50mg/l)と接触させた。併行して、TFPIの活性は、Actichrom TFPI活性アッセイによって製造元の指示に従って測定した。簡単に説明すると、20倍に希釈した血漿20μlを37℃でTF/FVIIa20μlの存在下で30分間インキュベートした。次に、第X因子(FX)を添加し、EDTAおよびSpectrozyme FXaを添加する前に、全体を37℃で15分間インキュベートした。反応は、氷酢酸を添加することによって5分後に停止し、吸収を405nmで読み取った。
3)色素原の測定
3.1) GDXaおよびXaの動力学的定数の測定
GDXaまたはFXa活性を測定するために、酵素0.3nMを、Prionex1%、HEPES18mM、塩化ナトリウム135mMを含む緩衝液、pH8.4中で5分間37℃でインキュベートする。次に、発色基質PNAPEP 1025を0.33、0.50、1、1.5および2.0mMの濃度で添加し、吸収の変動を405nmで記録する。
3.2) アンチトロンビン(AT)の酵素的阻害
XaまたはGDXa(1.25nM)は、緩衝液A中で、濃度を増加させたアンチトロンビン(0〜500nM)の存在下で37℃でインキュベートする。混合液200マイクロリットルの一部を様々な時間間隔で90分まで採取する。次に、発色基質PNAPEP 1025 50μl−6mMを添加し、吸収の変化を記録する。
3.3)TFPIの酵素的阻害
TFPIによるGDXaまたはFXaの活性の阻害は、酵素を0.25nMで3時間25℃で緩衝液A中において、濃度を増加させたTFPI(GDXaについては0〜30nMおよびFXaについては0〜10nM)の存在下で、最終容量200μlでインキュベートすることによって分析した。次に、発色基質PNAPEP 1025 2.5mM 50μlを添加し、吸収の変化を記録した。Ki*は、前記で記載したように測定した(Bunce MW、Toso R、Camire RM.酵素原様第Xa因子変種はトロンビン生成を回復させ、インビトロにおける内因性経路を効果的にバイパスする(Zymogen-like factor Xa variants restore thrombin generation and effectively bypass the intrinsic pathway in vitro)Blood.2011 Jan 6;117(1):290〜8;Baugh RJ、Broze GJ,Jr.、Krishnaswamy S.組織因子経路インヒビターによる外因性経路第Xa因子形成の調節(Regulation of extrinsic pathway factor Xa formation by tissue factor pathway inhibitor.)J Biol Chem.1998;273(8):4378〜86)。
3.4)GDXaおよびXaの血漿内半減期の測定
GDXaまたはXaの血漿内半減期は、正常血漿にGDXaまたはXa50nMを添加することによって測定した。次に、混合物を37℃でインキュベートした。少量を0〜60分に採取し、緩衝液Aで25倍にすぐに希釈してから、既に記載したように、発色基質PNAPEP 1025 1.5mMを添加し、残存するアミド分解活性を測定した。
例2
改変第Xa因子の調製
プラスミドpTT5は、HindIII−BamHI酵素で消化することによって開裂させ、HindIIIおよびNheI制限部位を備えたTIMP1のシグナルペプチドならびにNheIおよびBamHI制限部位を備えGlaドメインが欠如したFXをコードする遺伝子を挿入し、プラスミドpTT5−TIMX(pTT5 spTIMP1 gla欠損FX)を生成する。NheIおよびBamHI制限部位を備え、Glaドメインが欠如した本発明によるFXをコードする配列は、化学合成によって得られた(GenScript Corporation)。次に、フューリンの認識部位を重鎖のN末端イソロイシンの上流に導入し、精製のために培地中に直接GDXaが分泌することを可能にした。生成したGDXaは、軽鎖については配列識別子配列番号3、重鎖については配列番号2の配列によって表される。
例3
GDXaおよびFXaの動力学的パラメータの測定
トロンビン生成に対するGDXaの効果を分析する前に、発色基質PNAPEP 1025の切断を使用してGDXaおよびFXaを特徴付けた。GDXaは、FXa(Km=0.64±0.03mM)と類似の親和性(Km=0.75±0.05mM)、および類似の触媒特性:GDXaはkcat=290±5s−1でFXaはkcat=375±8s−1を示した(表1)。これらの結果は、発色基質S2222で得られた以前の報告(Skogen WF、Esmon CT、Cox AC.「プロトロンビナーゼの会合における第Xa凝固因子およびdes−(1−44)第Xa因子の比較(Comparison of coagulation factor Xa and des-(1-44)factor Xa in the assembly of prothrombinase)」J Biol Chem.1984;259(4):2306〜10)と一致する。
示した結果は、発色基質PNAPEP 1025を使用して3連で実施した2種類の独立した測定に対応する。
例4
トロンビン生成に対するGDXaまたはFXaの影響
1pMの濃度では、図1Aの点線によって示されるように、TFは重症血友病性血漿Aにおいてトロンビンの生成を誘導することができない。しかし、GDXa50pMの存在下では、トロンビン生成の明らかな回復が認められた(図1B)。GDXaは、トロンビン生成に関与する全パラメータ、例えば、内因性トロンビン産生能(ETP)、潜伏時間、ピークの高さ、ピークの時間を正常に戻す(図1B、表4)。トロンビンはTFなしでは生成されなかったので、観察されたトロンビン生成は、血漿に対するGDXaの直接的な効果ではなかった(図1B、点線)。これは試験した血友病性血漿全てにおいて認められた。さらに、GDXaとは対照的に、FXaは、プロトロンビンをトロンビンに直接変換することができるので、TFがなくてもトロンビン生成を誘発した(図1C)。GDXaによる基質ZGGR−AMCの直接的切断による干渉の可能性を定量するために、レピルジン(トロンビンインヒビター)の飽和量(6pg/ml)の存在下で酵素の量を増加させて添加した。図1Dに示したように、生の蛍光シグナルはレピルジンの存在下で完全に消去された。これらの条件下で、GDXaは濃度に比例して基質ZGGR−AMCを切断した。50nMの濃度で、最終シグナルはレピルジンなしで生成した蛍光の8%に対応し、250nMの濃度で、シグナルは全蛍光の約40%を示した。しかし、このシグナルは直線状なので、トロンビン濃度の曲線を計算するために使用した3波長法における複合体α2−マクログロブリン−トロンビンのシグナルに数学的に含まれ、トロンビン生成の結果に影響を及ぼさない(De Smedt E.Advanced thrombinoscopy:PhD thesis、University Maastricht;2007)。
重症血友病Aの患者の血漿中におけるトロンビン生成を回復させることができるGDXaの最小量を評価した。20nMの濃度のGDXaは、正常血漿で認められたもの(図1A)と類似のこの血漿中におけるトロンビン生成曲線を与えた(図1E)。さらに、10nMのGDXaは200nMのrFVIIaの存在下で得られるよりもやや高いシグナルを生じた(図1F)。
例5
トロンビン生成に対する抗アンチトロンビンおよび抗TFPI抗体の効果
抗アンチトロンビン抗体は、動力学的パラメータにはほとんど影響を与えずに、ETPを大きく増加させることができる(表2および図2A)。抗アンチトロンビン抗体7.5g/l(残存アンチトロンビン活性9%)では、ETPは2716nM.分に上昇し、PHは76nMに達した。これは、動力学的パラメータに対する効果(LT=6.6分、PT=31.3分)とは対照的である。さらに、Erhardtsenらによって既に示されたように(「組織因子経路インヒビター(TFPI)をブロックすると、抗体誘導性血友病Aのウサギにおける出血時間が短縮する(Blocking of tissue factor pathway inhibitor (TFPI) shortens the bleeding time in rabbits with antibody induced hemophilia A.)」Blood Coagul Fibrinolysis.1995;6(5):388〜94)、抗TFPI抗体はまた、血友病性血漿において血液凝固を回復させることができた。10mg/lを上回る濃度の抗TFPI抗体(残存TFPI活性<30%)では、この血友病性血漿中において全TGAパラメータは正常化した(表2)。10mg/l(表2および図2B)では、ETPは209から762nMに、PHは8から79nMにそれぞれ増加した。LTは13.6から3.5分に、PTは25.9から7.2分にそれぞれ減少した。
様々な濃度のヒトアンチトロンビン抗体または抗ヒトTFPI抗体を、トロンビン生成アッセイ前に重症血友病Aの患者の血漿に添加した。
HP:血友病性血漿;
NP:正常血漿。
アンチトロンビンおよびTFPI残存活性は、材料および方法で記載した方法に従って測定した。
GDXa:GDXa50nMを有する血友病性血漿。
抗ATIgGの濃度はg/lで表す。
抗TFPI抗体の濃度はmg/lで表す。
例6
TFPIおよびアンチトロンビンによるGDXaおよびFXaの酵素的阻害
アンチトロンビンによる不可逆的な酵素的阻害については、GDXa(1.50±0.04×103M-1.s-1、図2B)およびXaの阻害の特性は同一であった(k2=1.57±0.08×103M-1.s-1、図2A)。TFPIはFXaのゆっくりした固定のインヒビターであり(26、27)、低濃度では、GDXaの弱いインヒビターである(28〜30)。したがって、FXaおよびGDXaの阻害を比較した(表1)。GDXaはFXa(Ki*=0.17±0.03nM、図2C)と比較してTFPIに対して低い親和性を示した(Ki*=0.31±0.04nM、図2D)。さらに、この実験における平衡達成は、18時間インキュベーションした後の滴定曲線を確認することによって示された。
例7
GDXaおよびXaの血漿内半減期
TFPIおよびアンチトロンビンによるGDXaの阻害を考慮して、血漿にGDXaまたはFXa50nMを37℃で添加した後の残存活性を評価した。図4Aに示したように、血漿中における活性は迅速に減少し、約1分30秒の半減期が認められ、FXaで既に示したように(Bunce MW、Toso R、Camire RM.「酵素原様第Xa因子変種はトロンビン生成を回復させ、インビトロにおける内因性経路を効果的にバイパスする(Zymogen-like factor Xa variants restore thrombin generation and effectively bypass the intrinsic pathway in vitro)」Blood.2011 Jan 6;117(1):290〜8)、GDXaまたはFXaでは20分後にプラトーに達した。それにも関わらず、トロンビン生成に対する効果は、時間が経過しても維持され、例えば、1時間後、GDXaの残存活性は最初の活性の約10%で(図4B)、トロンビン生成の回復は維持されていた。1分間インキュベーションした後、ETPは0〜610nMに増加し、60分後でもまだ478nmであった(表3)。類似の正常化はまた、最大ピークの高さ(1分で75nM、60分で38nM)ならびにシフトおよびピーク時間についても認められた(表3)。
GDXa50nMを重症血友病性血漿に添加し、37℃で1時間インキュベートした。トロンビン生成を測定するため、少量をすぐおよび1時間後に採取した。
例8
インヒビターを保有するおよび保有しない重症血友病Aの患者ならびに重症血友病Bの患者におけるトロンビン生成に対するGDXaの影響
トロンビン生成は、インヒビターの力価が50ベセスダ単位と測定された1ドナーを含む重症血友病Aの5人の異なるドナーの血漿試料および重症血友病Bの患者の1血漿において評価した。トロンビン生成は、6つの血漿では、血液凝固をTF1pMによって誘発したときはほとんど検出できなかったが、GDXa20および50nMの存在下では回復した。表4は、血漿全ておよびトロンビン生成に関連したパラメータ全てについて、正常化が様々な程度で認められることを示している。GDXa20nMの存在下で、観察されたETPは374±128nMで、PHは22±11nMであった。LTは5.0±1.5、PTは13.9±3.8分にそれぞれ減少した。
さらに、用量効果が認められ、GDXa50nMを添加したとき、値は、ETPでは533±132nMに、PHでは46±20nMに増加した。LTは2.8±0.7、PTは9.2±2.7分にそれぞれ減少した。
GDXa20または20nMを様々な血漿に添加し、すぐにトロンビン生成についてアッセイした。
Px:血漿x
HA:血友病A
HA+I:インヒビターを保有する血友病A(インヒビター50BUを保有する血友病A)
HB:血友病B
例9
血友病Aの対象におけるトロンビン生成に対する本発明によるGDFXaと第VIIa因子(rVIIa、Novoseven(登録商標))との比較
図5は、GDXaがrVIIa(Novoseven(登録商標))よりもずっとトロンビン生成の正常化に効果的であることを示している。
「ALJAMALI MN、KJALKE M、HEDNER U、EZBAN M、TRANHOLM M.「血友病状態を模倣した再構成細胞をベースにしたモデルにおけるrFVIIa(NovoSeven(登録商標))およびNN1731によって誘導されたトロンビン生成および血小板活性化(Thrombin generation and platelet activation induced by rFVIIa (NovoSeven(R)) and NN1731 in a reconstituted cell-based model mimicking hemophilia conditions.)」Haemophilia.2009;15:1318〜26」によると、少なくとも500nMのrVIIaが正常化に必要である。
トロンビンの生成に対するGDXaまたはFXaの影響を示す図。
(A)正常血漿のプール(実線)および重症血友病A血漿のプール(点線)におけるリン脂質およびTFの存在下でのトロンビンの生成試験。(B)リン脂質の存在下でTFを有する(実線)およびTFを有さない(点線)GDXaに富んだ(50nM)血友病性血漿。(C)リン脂質の存在下でTFを有する(実線)およびTFを有さない(点線)FXaに富んだ(50nM)血友病性血漿。(D)GDXaによる基質ZGGR−AMCの切断。リン脂質およびTFの存在下で、レピルジン6pg/mlを有するおよび有さない(対照曲線A)、GDXaの非存在下(曲線B)または様々な濃度の存在下(曲線C〜E)で試験したCTI前処理正常血漿。(E)GDXa10nM(実線)または20nM(点線)に富んだ、および(F)rFVIIa40nM(太線)または200nm(点線)に富んだ血友病性血漿中における、リン脂質およびTFの存在下でのトロンビンの生成。
データは、様々な重症A型血友病の少なくとも3種類の異なる血漿で実施した実験を表している。
血友病の血漿中におけるトロンビン生成に対する抗ATおよび抗TFPI抗体の影響を示す図。
様々な濃度の抗ヒトアンチトロンビン(A)または抗ヒトTFPI(B)抗体を重症血友病性血漿Aに添加して、その後トロンビン生成のために放置した。抗体濃度は、抗アンチトロンビン抗体はg/lで表し、抗TFPI抗体はmg/lで表す。GDXaの濃度はnMである。HPは、血友病性血漿を示し、NPは正常血漿を示す。
(A)曲線Aは、血友病性血漿を示し、曲線B〜Dは、血友病性血漿に添加した様々な濃度のアンチトロンビン抗体を示し、曲線Eは、血友病性血漿に添加したGDXa50nMの添加を示し、曲線Fは正常血漿を示す。(B)曲線Aは、血友病性血漿を示し、曲線B〜Dは、血友病性血漿に添加した様々な濃度の抗TFPI抗体を示し、曲線Eは、血友病性血漿に添加したGDXa50nMの添加を示し、曲線Fは正常血漿を示す。
TFPIまたはアンチトロンビンによるGDXaおよびFXaの酵素的阻害を示す図。
(A−B)アンチトロンビンの阻害について、1.25nMのFXa(A)または(B)GDXaを、濃度を増加させたアンチトロンビン(AT:0(曲線A)〜500nM(曲線F))の存在下で37℃でインキュベートした。少量を様々な時点(0〜90分)で採取し、発色基質PNAPEP 1025に添加した。(C−D)TFPIによるFXa(C)またはGDXa(D)の活性阻害は、緩衝液Aの中で、濃度を増加させたTFPIの存在下で(GDXa0〜30nMおよびFXa0〜10nM)、酵素0.25nMと25℃で3時間インキュベーションすることによって分析した。
データは、2つの異なる実験を表す。
血漿中におけるGDXaおよびFXaの薬物動態特性の測定を示す図。
50nMのFXa(A)またはGDXa(B)を正常血漿に添加し、全体を37℃でインキュベートした。少量を異なる時間間隔で採取し、残存活性を測定するために緩衝液Aですぐに25倍に希釈した。半減期はFXaが1.4±0.1分で、GDXaで1.8±0.1分であった。
データは、2つの異なる実験の平均値である。
rVIIaおよびGDXaによるトロンビン生成の正常化を示す図。
GDXa(曲線CおよびD)またはrVIIaを様々な濃度で(曲線EおよびF)血友病性血漿(HP、曲線B)に添加。NP:正常血漿(曲線A)。

Claims (8)

  1. インヒビターを保有するまたは保有しない血友病AまたはBの患者における出血性アクシデントを予防または治療するための、改変第Xa因子(GDXa)を含む医薬組成物であって、前記GDXaはGlaドメインが欠如したFXaである医薬組成物。
  2. 前記GDXaは、EGF1ドメインの欠損、EGF2ドメインの欠損、またはEGF1およびEGF2ドメインの欠損を含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. 前記GDXaは完全な状態の重鎖を有することを特徴とする請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記GDXaは、軽鎖については配列番号7または配列番号3、配列番号4、配列番号5または配列番号6によって表され、重鎖については配列番号2、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13または配列番号26によって表されることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の組成物。
  5. 前記GDXaは、軽鎖については配列番号8、配列番号16、配列番号17、配列番号18または配列番号19の核酸配列によってコードされ、重鎖については配列番号15、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25または配列番号27の核酸配列によってコードされることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の組成物。
  6. インヒビターを保有するまたは保有しない血友病AまたはBの患者に、全身的な、経鼻の、または非経口的な経路によって投与するための、GDXaを4.5〜27μg/kg含む請求項1〜5の何れか一項に記載の医薬組成物。
  7. 改変第Xa因子(GDXa)または請求項1〜5の何れか一項に記載の医薬組成物を投与することによる、血友病AまたはBの患者における出血性症候群を予防的に治療する方法。
  8. 改変第Xa因子(GDXa)または請求項1〜5の何れか一項に記載の医薬組成物を投与することによる、血友病AまたはBの患者における出血性アクシデントを治療する方法。
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