JPH08399Y2 - 製紙機用プレスロール - Google Patents
製紙機用プレスロールInfo
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- JPH08399Y2 JPH08399Y2 JP1987197425U JP19742587U JPH08399Y2 JP H08399 Y2 JPH08399 Y2 JP H08399Y2 JP 1987197425 U JP1987197425 U JP 1987197425U JP 19742587 U JP19742587 U JP 19742587U JP H08399 Y2 JPH08399 Y2 JP H08399Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- roll
- press roll
- roll shell
- shell
- paper
- Prior art date
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- Expired - Lifetime
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- Paper (AREA)
- Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕 本考案は、抄紙機のドライヤロール、ペーパーロー
ル、サイズプレスロール、コータロール等の製紙機用プ
レスロールに関する。 〔従来の技術〕 第2図は従来のプレスロールの断面図である。図に於
いて、プレスロールはロールシエル9の部分が天然の花
崗岩で作られており、ロールヘツド2、センターシヤフ
ト11およびナツト12によつて組みたてられている。ロー
ルシエル9とセンターシヤフト11との間にはセメント13
が詰められ、ロールシエル9の自重およびニツプ圧等の
外力を確実にセンターシヤフト11に伝えるように構成さ
れている。ロールシエル9に天然の花崗岩が用いられて
いる理由はロール表面に付着した湿紙の剥れ性、所謂紙
離れを良くして断紙を防ぐためと、耐摩耗性、耐食性を
持たせるためである。 〔考案が解決しようとする問題点〕 しかし、上記のような従来のプレスロールに於いては
ロールシエル9が天然で一体の花崗岩で作られているた
めに品質の安定したものが少なくなるとともに、一部に
クラツクが入ると全体破壊に継がり易いので脆く、また
強度が低くて厚肉に作られるために重く、表面が傷つく
と補修が困難である等の問題を抱えている。 また、ロールの表面に合成ゴムやプラスチツク等を厚
く被覆して耐食性と紙離れ性を改善したものもあるが、
傷がつくと弱いだけではなく耐摩耗性、被覆材の難剥離
性も十分ではなく、一般には被覆層が10数mm以上と厚い
ためにニツプ圧等が掛かつたまゝで保持されると変形し
て振動を発生する等の問題を抱えている。 また、金属製ロールは耐食性を満足するが、紙離れと
耐摩耗性の面で劣つているために用いられない。特開昭
61−207691に係る合成プレスロールはシリンダマントル
の表面層に金属粉末と無機粉末との混合物が溶射、鋳
造、或るいは機械的巻装等の方法により取り付けられて
いるが、金属の割合が多いために紙離れ性や耐摩耗性が
劣化する難点がある。さらに、炭素鋼製シエルの上に溶
射により単に表面層を形成した場合にはプレスロール特
有のニツプの繰り返しで生ずるポンピング作用と摩耗と
により表面封孔処理層が消失する(溶射層にはピンホー
ルが存在し、このピンホールを通して腐食性液が浸入し
ないように樹脂等により封孔処理が施されるが、そのと
き総てのピンホールが表面に開孔してはおらず、ロール
シエルの摩耗によつて開孔していなかつたピンホールが
使用中に開孔する)ためにピンホールを通して腐食性液
が浸入し表面層の炭素鋼を腐食しニツプ圧の繰り返しと
相まつて表面層の剥離を生ずる。このように、合成プレ
スロールは表面層中の金属の割合が10〜90%と大きいた
めに基本的特性である紙離れ性を低下させるとともに金
属の混入は表面の研削加工性を害して鏡面加工が得られ
ないばかりではなく、使用中にも耐摩耗性に劣る金属層
に早期に傷が入り、粗さの低下を招き、さらに紙離れ性
等を低下させる。また、製造過程に溶射法を採用した例
では表面層中の金属が腐食したり、母材の表面、即ち溶
射層と母材との界面の腐食による表面層の剥離に対する
配慮がないと、抄紙機等の厳しい環境下では溶射層の剥
離という致命的な損傷を受けることになる等の問題を抱
えている。 〔問題点を解決するための手段〕 本考案に係る製紙機用プレスロールは上記の問題点を
解決することを目的にしており、製紙工程における湿紙
にニップ圧を与えて製紙を行う製紙機用プレスロールに
おいて、ステンレス製またはステンレス鋼で被覆され表
面にセラミックスが溶射されたロールシェルと、該ロー
ルシェルの内部に加熱媒体を導入して上記ロールシェル
を加熱する手段とを備えてなる構成を特徴としている。
ル、サイズプレスロール、コータロール等の製紙機用プ
レスロールに関する。 〔従来の技術〕 第2図は従来のプレスロールの断面図である。図に於
いて、プレスロールはロールシエル9の部分が天然の花
崗岩で作られており、ロールヘツド2、センターシヤフ
ト11およびナツト12によつて組みたてられている。ロー
ルシエル9とセンターシヤフト11との間にはセメント13
が詰められ、ロールシエル9の自重およびニツプ圧等の
外力を確実にセンターシヤフト11に伝えるように構成さ
れている。ロールシエル9に天然の花崗岩が用いられて
いる理由はロール表面に付着した湿紙の剥れ性、所謂紙
離れを良くして断紙を防ぐためと、耐摩耗性、耐食性を
持たせるためである。 〔考案が解決しようとする問題点〕 しかし、上記のような従来のプレスロールに於いては
ロールシエル9が天然で一体の花崗岩で作られているた
めに品質の安定したものが少なくなるとともに、一部に
クラツクが入ると全体破壊に継がり易いので脆く、また
強度が低くて厚肉に作られるために重く、表面が傷つく
と補修が困難である等の問題を抱えている。 また、ロールの表面に合成ゴムやプラスチツク等を厚
く被覆して耐食性と紙離れ性を改善したものもあるが、
傷がつくと弱いだけではなく耐摩耗性、被覆材の難剥離
性も十分ではなく、一般には被覆層が10数mm以上と厚い
ためにニツプ圧等が掛かつたまゝで保持されると変形し
て振動を発生する等の問題を抱えている。 また、金属製ロールは耐食性を満足するが、紙離れと
耐摩耗性の面で劣つているために用いられない。特開昭
61−207691に係る合成プレスロールはシリンダマントル
の表面層に金属粉末と無機粉末との混合物が溶射、鋳
造、或るいは機械的巻装等の方法により取り付けられて
いるが、金属の割合が多いために紙離れ性や耐摩耗性が
劣化する難点がある。さらに、炭素鋼製シエルの上に溶
射により単に表面層を形成した場合にはプレスロール特
有のニツプの繰り返しで生ずるポンピング作用と摩耗と
により表面封孔処理層が消失する(溶射層にはピンホー
ルが存在し、このピンホールを通して腐食性液が浸入し
ないように樹脂等により封孔処理が施されるが、そのと
き総てのピンホールが表面に開孔してはおらず、ロール
シエルの摩耗によつて開孔していなかつたピンホールが
使用中に開孔する)ためにピンホールを通して腐食性液
が浸入し表面層の炭素鋼を腐食しニツプ圧の繰り返しと
相まつて表面層の剥離を生ずる。このように、合成プレ
スロールは表面層中の金属の割合が10〜90%と大きいた
めに基本的特性である紙離れ性を低下させるとともに金
属の混入は表面の研削加工性を害して鏡面加工が得られ
ないばかりではなく、使用中にも耐摩耗性に劣る金属層
に早期に傷が入り、粗さの低下を招き、さらに紙離れ性
等を低下させる。また、製造過程に溶射法を採用した例
では表面層中の金属が腐食したり、母材の表面、即ち溶
射層と母材との界面の腐食による表面層の剥離に対する
配慮がないと、抄紙機等の厳しい環境下では溶射層の剥
離という致命的な損傷を受けることになる等の問題を抱
えている。 〔問題点を解決するための手段〕 本考案に係る製紙機用プレスロールは上記の問題点を
解決することを目的にしており、製紙工程における湿紙
にニップ圧を与えて製紙を行う製紙機用プレスロールに
おいて、ステンレス製またはステンレス鋼で被覆され表
面にセラミックスが溶射されたロールシェルと、該ロー
ルシェルの内部に加熱媒体を導入して上記ロールシェル
を加熱する手段とを備えてなる構成を特徴としている。
即ち、本考案に係る製紙機用プレスロールにおいては
製紙工程における湿紙にニップ圧を与えて製紙を行う製
紙機用プレスロールにおけるステンレス製またはステン
レス鋼で被覆されたロールシェルの表面にセラミックス
が溶射されており、例えばAl2O3,ZrO2,TiO2,TiC,MgO,
Si3N4,Cr2O3,WC,NbC,VC,Cr7C3若しくはこれらに相当す
るセラミックス材料或いはこれらの混合物等の皮膜を溶
射法によりステンレス製またはステンレス鋼で被覆され
たロールシェルの外面に形成することにより、セラミッ
クス材により紙離れ性、耐摩耗性に優れ、またステンレ
ス材により耐食性、強靱性に優れ、また従来の花崗岩製
に比べて強靱性、製作の容易性および研削、研磨の加工
性などに優れ、また安定して安価に造ることができる。
また、これらの溶射層皮膜に接する母材表面に耐食性が
付与されることにより、ピンホールを通しての白水の浸
入および母材の腐食による溶射層の剥離などが防止され
る。 また、このようなロールシェルの内部に加熱媒体が導
入されてロールシェルを加熱するようになっており、内
部からロールシェルの温度を上昇させることにより白水
の粘度を低下させ、製紙機用プレスロールにおける脱水
効率を向上させている。製紙機用プレスロールは湿紙と
フェルトとを重ねたものをゴム被覆ロールとの間に挟ん
で圧力を掛け、水分を湿紙からフェルト側に移動させる
ことにより脱水させるものであるが、このときの水分の
移動量は白水の粘度に関係する。従って、ロールシェル
の内部に蒸気などの加熱媒体を導入してロールシェルを
加熱することによりロールシェルに接する湿紙、フェル
トの温度を上昇させ、湿紙の中に存在する白水の粘度を
低下させた状態で圧力を付加することにより脱水効率を
向上させることができ、これにより下流のドライヤにお
ける蒸気の使用量を大幅に低減させることができる。 一般に、溶射層にはピンホールが存在するために有機
材料等により封孔処理が行われるが、完全なシールは不
可能である。特にプレスロールの場合は摩耗、傷等のた
めに封封孔処理層がなくなるばかりではなく、再研磨に
よつても封孔処理層が除去される。そして、一度汚れた
ピンホールには封孔処理剤が密着しないために母材の防
食防止を封孔処理のみに期待するのは危険であるが、短
時間内であればこれら封孔処理の効果は腐食、剥離防止
のみならず、紙離れ性についても有効あるため実施する
のが望ましい。 〔実施例〕 本考案の実施例を第1図に基づき説明する。なお、第
2図と共通の部材には第2図と共通の符号を付して説明
を省略する。第I図は本考案の一実施例に係るプレスロ
ールの断面図である。図において、本実施例に係るプレ
スロールは製紙機に使用されるもので、ロールシェル9
の本体部分が炭素鋼SB42材6でつくられている。なお、
炭素鋼SB42材6は鋳鉄でも良い。1は耐食性を付与する
ために炭素鋼SB42材6に接着されたステンレス鋼SUS316
L材である。ステンレス鋼SUS316L材1と炭素鋼SB42材6
との接合は熱間ロール圧延で行われており、クラツド鋼
板が形成されている。両材で構成されるロールシエル9
の本体部分はクラツド鋼板を所定の寸法に切断後熱間曲
げ加工により円筒状に成形、その後継目を軸方向に溶接
することによつて作られる。さらに、寸法精度を向上さ
せるために機械加工を施している。ステンレス鋼SUS316
L材1、炭素鋼SB42材6の板厚は夫々95mm,5mmである。
2はロールヘツドで材質がSCM440であり、耐食性を有し
ていないため白水のかかるところには塗装が施こされて
いる。3はロールシエル9を支持する軸受である。ロー
ルヘツド2はロールシエル9に圧入して一体化されたう
え、さらに連結用ボルト5により固定されている。4は
ロールシエル9の表面に溶射法により形成されたセラミ
ツクス層である。溶射法としてはプラズマ溶射法を採用
している。溶射に先だちロールシエル9の表面にはブラ
ストによる下地処理を行い、溶射後は樹脂による封孔処
理が施されている。溶射層の厚さは溶射のまゝでは500
μmであるが、研磨後は350μm位になる。溶射材料はA
l2O3 87%、TiO2 13%である。溶射材料としてAl2O3の
単体ではなくTiO2との混合物を採用したのは、単体の場
合に比し融点が150℃程度低いTiO2を加えることにより
溶射層中のピンホールを少なくし紙離れ性、耐食性、溶
射層の耐剥離性を良くするためである。但し、耐摩耗性
の低下を防ぐため少量にとどめた。本実施例に於ける寸
法はシエル長さが9000mm、シエル内径が950mmφであ
る。 17はロールシエル9の内部に加熱媒体である蒸気を導
入するパイプで、18はドレイン19をロールシエル9の外
部に排水するサイフオンパイプである。10は回転シール
である。なお、本実施例に於けるロールシエル9にはク
ラツド鋼板が使用されているが、SUS316L材等で一体に
することも可能である。しかし、コスト、伝熱特性的に
はクラツド鋼板の方が有効である。 このように、本プレスロールにおいてはセラミツク材
料の皮膜を溶射法により中空の金属製ロールシエル9の
外面に形成することによりプレスロールに必要な紙離れ
性、耐食性、耐摩耗性、強靱性および研削、研磨の加工
性に優れた特性を安定して有しているとともに、さらに
中空のロールシエル9内部に蒸気等の加熱媒体を導入す
ることにより内部からロールシエル9の温度を上昇させ
て白水の粘度を低下させ、プレスロールに於ける脱水効
率を向上させている。 〔考案の効果〕 本考案に係る製紙機用プレスロールは前記の通り構成
されているので、紙離れ性、耐食性、耐摩耗性、加工
性、補修性および強靱性等に優れた製紙機用プレスロー
ルを安定して安価に供給することができ、またロールシ
エル表面に形成された被覆材の耐剥離性にも優れている
等の効果が奏せられる。
製紙工程における湿紙にニップ圧を与えて製紙を行う製
紙機用プレスロールにおけるステンレス製またはステン
レス鋼で被覆されたロールシェルの表面にセラミックス
が溶射されており、例えばAl2O3,ZrO2,TiO2,TiC,MgO,
Si3N4,Cr2O3,WC,NbC,VC,Cr7C3若しくはこれらに相当す
るセラミックス材料或いはこれらの混合物等の皮膜を溶
射法によりステンレス製またはステンレス鋼で被覆され
たロールシェルの外面に形成することにより、セラミッ
クス材により紙離れ性、耐摩耗性に優れ、またステンレ
ス材により耐食性、強靱性に優れ、また従来の花崗岩製
に比べて強靱性、製作の容易性および研削、研磨の加工
性などに優れ、また安定して安価に造ることができる。
また、これらの溶射層皮膜に接する母材表面に耐食性が
付与されることにより、ピンホールを通しての白水の浸
入および母材の腐食による溶射層の剥離などが防止され
る。 また、このようなロールシェルの内部に加熱媒体が導
入されてロールシェルを加熱するようになっており、内
部からロールシェルの温度を上昇させることにより白水
の粘度を低下させ、製紙機用プレスロールにおける脱水
効率を向上させている。製紙機用プレスロールは湿紙と
フェルトとを重ねたものをゴム被覆ロールとの間に挟ん
で圧力を掛け、水分を湿紙からフェルト側に移動させる
ことにより脱水させるものであるが、このときの水分の
移動量は白水の粘度に関係する。従って、ロールシェル
の内部に蒸気などの加熱媒体を導入してロールシェルを
加熱することによりロールシェルに接する湿紙、フェル
トの温度を上昇させ、湿紙の中に存在する白水の粘度を
低下させた状態で圧力を付加することにより脱水効率を
向上させることができ、これにより下流のドライヤにお
ける蒸気の使用量を大幅に低減させることができる。 一般に、溶射層にはピンホールが存在するために有機
材料等により封孔処理が行われるが、完全なシールは不
可能である。特にプレスロールの場合は摩耗、傷等のた
めに封封孔処理層がなくなるばかりではなく、再研磨に
よつても封孔処理層が除去される。そして、一度汚れた
ピンホールには封孔処理剤が密着しないために母材の防
食防止を封孔処理のみに期待するのは危険であるが、短
時間内であればこれら封孔処理の効果は腐食、剥離防止
のみならず、紙離れ性についても有効あるため実施する
のが望ましい。 〔実施例〕 本考案の実施例を第1図に基づき説明する。なお、第
2図と共通の部材には第2図と共通の符号を付して説明
を省略する。第I図は本考案の一実施例に係るプレスロ
ールの断面図である。図において、本実施例に係るプレ
スロールは製紙機に使用されるもので、ロールシェル9
の本体部分が炭素鋼SB42材6でつくられている。なお、
炭素鋼SB42材6は鋳鉄でも良い。1は耐食性を付与する
ために炭素鋼SB42材6に接着されたステンレス鋼SUS316
L材である。ステンレス鋼SUS316L材1と炭素鋼SB42材6
との接合は熱間ロール圧延で行われており、クラツド鋼
板が形成されている。両材で構成されるロールシエル9
の本体部分はクラツド鋼板を所定の寸法に切断後熱間曲
げ加工により円筒状に成形、その後継目を軸方向に溶接
することによつて作られる。さらに、寸法精度を向上さ
せるために機械加工を施している。ステンレス鋼SUS316
L材1、炭素鋼SB42材6の板厚は夫々95mm,5mmである。
2はロールヘツドで材質がSCM440であり、耐食性を有し
ていないため白水のかかるところには塗装が施こされて
いる。3はロールシエル9を支持する軸受である。ロー
ルヘツド2はロールシエル9に圧入して一体化されたう
え、さらに連結用ボルト5により固定されている。4は
ロールシエル9の表面に溶射法により形成されたセラミ
ツクス層である。溶射法としてはプラズマ溶射法を採用
している。溶射に先だちロールシエル9の表面にはブラ
ストによる下地処理を行い、溶射後は樹脂による封孔処
理が施されている。溶射層の厚さは溶射のまゝでは500
μmであるが、研磨後は350μm位になる。溶射材料はA
l2O3 87%、TiO2 13%である。溶射材料としてAl2O3の
単体ではなくTiO2との混合物を採用したのは、単体の場
合に比し融点が150℃程度低いTiO2を加えることにより
溶射層中のピンホールを少なくし紙離れ性、耐食性、溶
射層の耐剥離性を良くするためである。但し、耐摩耗性
の低下を防ぐため少量にとどめた。本実施例に於ける寸
法はシエル長さが9000mm、シエル内径が950mmφであ
る。 17はロールシエル9の内部に加熱媒体である蒸気を導
入するパイプで、18はドレイン19をロールシエル9の外
部に排水するサイフオンパイプである。10は回転シール
である。なお、本実施例に於けるロールシエル9にはク
ラツド鋼板が使用されているが、SUS316L材等で一体に
することも可能である。しかし、コスト、伝熱特性的に
はクラツド鋼板の方が有効である。 このように、本プレスロールにおいてはセラミツク材
料の皮膜を溶射法により中空の金属製ロールシエル9の
外面に形成することによりプレスロールに必要な紙離れ
性、耐食性、耐摩耗性、強靱性および研削、研磨の加工
性に優れた特性を安定して有しているとともに、さらに
中空のロールシエル9内部に蒸気等の加熱媒体を導入す
ることにより内部からロールシエル9の温度を上昇させ
て白水の粘度を低下させ、プレスロールに於ける脱水効
率を向上させている。 〔考案の効果〕 本考案に係る製紙機用プレスロールは前記の通り構成
されているので、紙離れ性、耐食性、耐摩耗性、加工
性、補修性および強靱性等に優れた製紙機用プレスロー
ルを安定して安価に供給することができ、またロールシ
エル表面に形成された被覆材の耐剥離性にも優れている
等の効果が奏せられる。
第1図は本考案の一実施例に係るプレスロールの断面
図、第2図は従来のプレスロールの断面図である。 1……ステンレス鋼SUS316L材、4……セラミックス
層、9……ロールシェル、10……回転シール、17……蒸
気を導入するパイプ、18……サイフォンパイプ。
図、第2図は従来のプレスロールの断面図である。 1……ステンレス鋼SUS316L材、4……セラミックス
層、9……ロールシェル、10……回転シール、17……蒸
気を導入するパイプ、18……サイフォンパイプ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−189853(JP,A) 特開 昭63−264995(JP,A) 特開 昭59−163056(JP,A) 特開 昭58−204884(JP,A) 特開 昭61−207691(JP,A) 特公 昭47−5942(JP,B1) 特公 昭47−13165(JP,B1)
Claims (1)
- 【請求項1】製紙工程における湿紙にニップ圧を与えて
製紙を行う製紙機用プレスロールにおいて、ステンレス
製またはステンレス鋼で被覆され表面にセラミックスが
溶射されたロールシェルと、該ロールシェルの内部に加
熱媒体を導入して上記ロールシェルを加熱する手段とを
備えてなることを特徴とする製紙機用プレスロール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1987197425U JPH08399Y2 (ja) | 1987-12-28 | 1987-12-28 | 製紙機用プレスロール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1987197425U JPH08399Y2 (ja) | 1987-12-28 | 1987-12-28 | 製紙機用プレスロール |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01102513U JPH01102513U (ja) | 1989-07-11 |
JPH08399Y2 true JPH08399Y2 (ja) | 1996-01-10 |
Family
ID=31487975
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1987197425U Expired - Lifetime JPH08399Y2 (ja) | 1987-12-28 | 1987-12-28 | 製紙機用プレスロール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08399Y2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CH674381A5 (ja) * | 1988-04-13 | 1990-05-31 | Sulzer Ag | |
JP2589395B2 (ja) * | 1990-03-30 | 1997-03-12 | トーカロ株式会社 | 剥離性に富む抄紙用ロール |
JPH07109076B2 (ja) * | 1990-10-08 | 1995-11-22 | ヤマウチ株式会社 | 抄紙機用プレスロール |
JPH07111036B2 (ja) * | 1990-10-08 | 1995-11-29 | ヤマウチ株式会社 | 抄紙機用プレスロールの製造方法 |
US12115593B2 (en) | 2020-10-19 | 2024-10-15 | Sanjo Machine Works, Ltd. | Method for manufacturing shaft |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61189853A (ja) * | 1985-02-18 | 1986-08-23 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 搬送ロ−ラ |
-
1987
- 1987-12-28 JP JP1987197425U patent/JPH08399Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01102513U (ja) | 1989-07-11 |
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