JPH0839713A - 積層複合発泡体の製造方法 - Google Patents
積層複合発泡体の製造方法Info
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- JPH0839713A JPH0839713A JP6181443A JP18144394A JPH0839713A JP H0839713 A JPH0839713 A JP H0839713A JP 6181443 A JP6181443 A JP 6181443A JP 18144394 A JP18144394 A JP 18144394A JP H0839713 A JPH0839713 A JP H0839713A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 発泡シートの製造と積層発泡体の製造とを一
工程で行うことにより製造コストを低減し、しかも全体
にわたってほぼ均一に発泡し、各層の接着不良や外観不
良が発生せず品質良好な厚肉の積層複合発泡体の製造方
法を提供する。 【構成】 繊維シートの巻重体1から繊維シート2を繰
出して上下に少なくとも3枚配置し、最上の繊維シート
以外の各繊維シート2上に散布機3から加熱発泡性の熱
可塑性樹脂粒状物4を層状に散布し、これを加熱発泡炉
5内で加熱して熱可塑性樹脂粒状物4を最大発泡倍率の
80〜90%まで発泡させた後、一対の押圧ロール6に
より圧縮し、その後圧縮を解除して自然に発泡させ、サ
イジングロール7で寸法規制し、冷却板8で冷却し、一
対の引取りロール9で引取って、積層複合発泡体10を
得る。
工程で行うことにより製造コストを低減し、しかも全体
にわたってほぼ均一に発泡し、各層の接着不良や外観不
良が発生せず品質良好な厚肉の積層複合発泡体の製造方
法を提供する。 【構成】 繊維シートの巻重体1から繊維シート2を繰
出して上下に少なくとも3枚配置し、最上の繊維シート
以外の各繊維シート2上に散布機3から加熱発泡性の熱
可塑性樹脂粒状物4を層状に散布し、これを加熱発泡炉
5内で加熱して熱可塑性樹脂粒状物4を最大発泡倍率の
80〜90%まで発泡させた後、一対の押圧ロール6に
より圧縮し、その後圧縮を解除して自然に発泡させ、サ
イジングロール7で寸法規制し、冷却板8で冷却し、一
対の引取りロール9で引取って、積層複合発泡体10を
得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、繊維で強化された厚
肉の積層複合発泡体の製造方法に関する。
肉の積層複合発泡体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂発泡シートは、断熱材や緩
衝材などに広く使用されている。しかし、厚肉の熱可塑
性樹脂発泡体の製造は難しく、厚肉の熱可塑性樹脂発泡
体を必要とする場合には、一般に、薄肉の発泡シートを
複数枚重ね合わせ、これを加熱加圧するか、或いは複数
枚の薄肉の発泡シートの表面を加熱し、この加熱された
各発泡シートを重ね合わせ、これを加圧することにより
積層発泡体とされる(例えば、特開昭49−29371
号公報及び特開平4−314526号公報参照)。
衝材などに広く使用されている。しかし、厚肉の熱可塑
性樹脂発泡体の製造は難しく、厚肉の熱可塑性樹脂発泡
体を必要とする場合には、一般に、薄肉の発泡シートを
複数枚重ね合わせ、これを加熱加圧するか、或いは複数
枚の薄肉の発泡シートの表面を加熱し、この加熱された
各発泡シートを重ね合わせ、これを加圧することにより
積層発泡体とされる(例えば、特開昭49−29371
号公報及び特開平4−314526号公報参照)。
【0003】ところが、このような従来方法では、発泡
シートの製造と積層発泡体の製造とが別々の工程で行わ
れるため、製造コストが高くなる。また、発泡シートの
各層或いはその表面を全面にわたって均一に加熱するこ
とが難しく、得られる積層発泡体の各層の接着不良が発
生する。
シートの製造と積層発泡体の製造とが別々の工程で行わ
れるため、製造コストが高くなる。また、発泡シートの
各層或いはその表面を全面にわたって均一に加熱するこ
とが難しく、得られる積層発泡体の各層の接着不良が発
生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明者
は、発泡性シートを複数枚重ね合わせ、これを加熱発泡
させることにより積層発泡体を得ることを試みた。しか
し、この方法では、発泡性シートの各層を均一に加熱す
ることが難しく、全体にわたってほぼ均一に発泡した積
層発泡体を得ることはできなかった。
は、発泡性シートを複数枚重ね合わせ、これを加熱発泡
させることにより積層発泡体を得ることを試みた。しか
し、この方法では、発泡性シートの各層を均一に加熱す
ることが難しく、全体にわたってほぼ均一に発泡した積
層発泡体を得ることはできなかった。
【0005】さらに、複数枚の発泡性シートを加熱発泡
させ、この加熱発泡状態の各発泡シートを重ね合わせ、
これを加圧することにより積層発泡体を得ることを試み
た。しかし、この方法では、発泡性シートを加熱発泡さ
せる際に、発泡性シートの有する残留応力により発泡性
シートが波状に変形し、外観の良好な積層発泡体は得ら
れなかった。
させ、この加熱発泡状態の各発泡シートを重ね合わせ、
これを加圧することにより積層発泡体を得ることを試み
た。しかし、この方法では、発泡性シートを加熱発泡さ
せる際に、発泡性シートの有する残留応力により発泡性
シートが波状に変形し、外観の良好な積層発泡体は得ら
れなかった。
【0006】この発明は、上記の問題を解決するもの
で、その目的とするところは、発泡シートの製造と積層
発泡体の製造とを一工程で行うことにより製造コストを
低減し、しかも全体にわたってほぼ均一に発泡し、各層
の接着不良や外観不良が発生せず品質良好な厚肉の積層
複合発泡体の製造方法を提供することにある。
で、その目的とするところは、発泡シートの製造と積層
発泡体の製造とを一工程で行うことにより製造コストを
低減し、しかも全体にわたってほぼ均一に発泡し、各層
の接着不良や外観不良が発生せず品質良好な厚肉の積層
複合発泡体の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、繊維シー
ト又は繊維補強熱可塑性樹脂シートを上下に少なくとも
3枚配置し、最上の繊維シート以外の各繊維シート上に
加熱発泡性の熱可塑性樹脂粒状物を層状に散布し、これ
を加熱して熱可塑性樹脂粒状物を最大発泡倍率の80〜
90%まで発泡させた後圧縮し、その後圧縮を解除し発
泡させることによって達成することができる。
ト又は繊維補強熱可塑性樹脂シートを上下に少なくとも
3枚配置し、最上の繊維シート以外の各繊維シート上に
加熱発泡性の熱可塑性樹脂粒状物を層状に散布し、これ
を加熱して熱可塑性樹脂粒状物を最大発泡倍率の80〜
90%まで発泡させた後圧縮し、その後圧縮を解除し発
泡させることによって達成することができる。
【0008】以下、図面を参照しながら、この発明を詳
細に説明する。図1は、この発明の一実施態様を示す説
明図である。図1において、各繰出し機に装着された繊
維シート巻重体1から、少なくとも3枚(例えば6枚)
の繊維シート2をそれれぞれ繰出し、上下に適当な間隔
をおいて配置する。
細に説明する。図1は、この発明の一実施態様を示す説
明図である。図1において、各繰出し機に装着された繊
維シート巻重体1から、少なくとも3枚(例えば6枚)
の繊維シート2をそれれぞれ繰出し、上下に適当な間隔
をおいて配置する。
【0009】上記繊維シート2としては、例えば、ガラ
ス繊維やセラミック繊維などの無機繊維、ポリエステル
繊維やナイロン繊維などの有機繊維、パルプ繊維や綿繊
維などの植物繊維を用いた不織布で、一般に20〜10
0g/m2 のものが用いられる。20g/m2 未満のも
のは強度が小さく、シートを繰出しにくくなる、逆に1
00g/m2 を超えると、得られる積層複合発泡体が重
くなる。
ス繊維やセラミック繊維などの無機繊維、ポリエステル
繊維やナイロン繊維などの有機繊維、パルプ繊維や綿繊
維などの植物繊維を用いた不織布で、一般に20〜10
0g/m2 のものが用いられる。20g/m2 未満のも
のは強度が小さく、シートを繰出しにくくなる、逆に1
00g/m2 を超えると、得られる積層複合発泡体が重
くなる。
【0010】繊維シートを構成する繊維の平均太さは8
〜15μm 、平均長さは5〜50mmが好ましい。繊維が
太すぎると、得られる積層複合発泡体の熱成形性が低下
し、逆に繊維が細すぎると、得られる積層複合発泡体の
剛性が向上しない。また、繊維が長すぎると、得られる
積層複合発泡体の熱成形性が低下し、逆に繊維が短すぎ
ると、得られる積層複合発泡体の寸法安定性や耐熱性が
向上しない。
〜15μm 、平均長さは5〜50mmが好ましい。繊維が
太すぎると、得られる積層複合発泡体の熱成形性が低下
し、逆に繊維が細すぎると、得られる積層複合発泡体の
剛性が向上しない。また、繊維が長すぎると、得られる
積層複合発泡体の熱成形性が低下し、逆に繊維が短すぎ
ると、得られる積層複合発泡体の寸法安定性や耐熱性が
向上しない。
【0011】なお、上記繊維シート2に熱可塑性樹脂を
ラミネートするか或いは含浸させたものを用いてもよ
い。ラミネート或いは含浸用の熱可塑性樹脂は、発泡体
との接着性の面から、発泡体に使用される樹脂と同じ種
類の樹脂を用いるのが好ましい。このような樹脂ラミネ
ート或いは樹脂含浸の繊維シートを用いると、通常の繊
維シートを用いるものに比べ、発泡体と融着しやすくな
り、得られる積層複合発泡体の接着強度が向上する。
ラミネートするか或いは含浸させたものを用いてもよ
い。ラミネート或いは含浸用の熱可塑性樹脂は、発泡体
との接着性の面から、発泡体に使用される樹脂と同じ種
類の樹脂を用いるのが好ましい。このような樹脂ラミネ
ート或いは樹脂含浸の繊維シートを用いると、通常の繊
維シートを用いるものに比べ、発泡体と融着しやすくな
り、得られる積層複合発泡体の接着強度が向上する。
【0012】樹脂ラミネート或いは樹脂含浸の繊維シー
トを用いる場合は、厚みが薄すぎると、得られる積層複
合発泡体の剛性が低下し、逆に厚みが厚すぎると、得ら
れる積層複合発泡体の軽量化が図れないので、その厚み
は50〜150μm が好ましい。また、重さが重すぎる
と、得られる積層複合発泡体の軽量化が図れないので、
その重さは200g/m2 以下が好ましく、特に100
g/m2 以下が好ましい。
トを用いる場合は、厚みが薄すぎると、得られる積層複
合発泡体の剛性が低下し、逆に厚みが厚すぎると、得ら
れる積層複合発泡体の軽量化が図れないので、その厚み
は50〜150μm が好ましい。また、重さが重すぎる
と、得られる積層複合発泡体の軽量化が図れないので、
その重さは200g/m2 以下が好ましく、特に100
g/m2 以下が好ましい。
【0013】上下に配置された少なくとも3枚の繊維シ
ート2において、最上の繊維シート以外の各繊維シート
2上に、各散布機3から加熱発泡性の熱可塑性樹脂粒状
物4を層状に均一に散布する。散布量は、得られる積層
複合発泡体の厚みにより決められる。
ート2において、最上の繊維シート以外の各繊維シート
2上に、各散布機3から加熱発泡性の熱可塑性樹脂粒状
物4を層状に均一に散布する。散布量は、得られる積層
複合発泡体の厚みにより決められる。
【0014】加熱発泡性の熱可塑性樹脂粒状物4は、例
えば、熱可塑性樹脂に熱分解型発泡剤を配合し、さらに
必要に応じて酸化防止剤、熱安定剤、可塑剤等を添加
し、これを熱分解型発泡剤が分解しない温度で押出機に
より溶融混練して、シート状又はストランド状に成形
し、これを切断してペレット等の粒状物としたものが用
いられる。
えば、熱可塑性樹脂に熱分解型発泡剤を配合し、さらに
必要に応じて酸化防止剤、熱安定剤、可塑剤等を添加
し、これを熱分解型発泡剤が分解しない温度で押出機に
より溶融混練して、シート状又はストランド状に成形
し、これを切断してペレット等の粒状物としたものが用
いられる。
【0015】熱分解型発泡剤の配合量は所望の発泡倍率
に応じて決定されるが、この配合量が少なすぎると発泡
せず、逆に多すぎると破泡して均一な気泡を有する積層
複合発泡体が得られないことがあるので、熱可塑性樹脂
100重量部に対して熱分解型発泡剤1〜20重量部の
範囲で配合される。なお、上記粒状物は、その体積が大
きいと均一に発泡しにくくなるので、0.125cm3 以
下の粒状物とするのが望ましい。
に応じて決定されるが、この配合量が少なすぎると発泡
せず、逆に多すぎると破泡して均一な気泡を有する積層
複合発泡体が得られないことがあるので、熱可塑性樹脂
100重量部に対して熱分解型発泡剤1〜20重量部の
範囲で配合される。なお、上記粒状物は、その体積が大
きいと均一に発泡しにくくなるので、0.125cm3 以
下の粒状物とするのが望ましい。
【0016】上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチ
レン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ弗化
ビニリデン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニ
レンオキサイド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテル
エーテルケトン、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共
重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ABS
樹脂、アクリル酸変性ポリプロピレン、マレイン酸変性
ポリエチレン等が挙げられる。
エチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチ
レン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ弗化
ビニリデン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニ
レンオキサイド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテル
エーテルケトン、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共
重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ABS
樹脂、アクリル酸変性ポリプロピレン、マレイン酸変性
ポリエチレン等が挙げられる。
【0017】熱分解型発泡剤としては、例えば、アゾジ
カルボンアミド、N,N' −ジニトロソペンタメチレン
テトラミン、p−トルエンスルホニルヒドラジド、p−
トルエンスルホニルセミカルバジド、p,p' −オキシ
ビスベンゼンスルホニルヒドラジド、p,p' −オキシ
ビスベンゼンスルホニルセミカルバジド、アゾビスイソ
ブチロニトリル等の熱分解型有機発泡剤が挙げられる。
特に、アゾジカルボンアミドは、分解温度や分解速度の
調節が容易で、発泡ガス量が多く、人体への無毒性など
の面から好適である。
カルボンアミド、N,N' −ジニトロソペンタメチレン
テトラミン、p−トルエンスルホニルヒドラジド、p−
トルエンスルホニルセミカルバジド、p,p' −オキシ
ビスベンゼンスルホニルヒドラジド、p,p' −オキシ
ビスベンゼンスルホニルセミカルバジド、アゾビスイソ
ブチロニトリル等の熱分解型有機発泡剤が挙げられる。
特に、アゾジカルボンアミドは、分解温度や分解速度の
調節が容易で、発泡ガス量が多く、人体への無毒性など
の面から好適である。
【0018】また、加熱発泡性の熱可塑性樹脂粒状物4
は、電離性放射線、有機過酸化物及びシラン化合物のう
ち適当な手段を用いて粒状物を構成する樹脂を架橋させ
ることができる。
は、電離性放射線、有機過酸化物及びシラン化合物のう
ち適当な手段を用いて粒状物を構成する樹脂を架橋させ
ることができる。
【0019】電離性放射線を用いて樹脂を架橋させるに
は、上記熱可塑性樹脂粒状物の製造の際に、シート状又
はストランド状の成形体或いはこれを切断したペレット
に電子線等の電離性放射線を照射することにより樹脂を
架橋させる。
は、上記熱可塑性樹脂粒状物の製造の際に、シート状又
はストランド状の成形体或いはこれを切断したペレット
に電子線等の電離性放射線を照射することにより樹脂を
架橋させる。
【0020】有機過酸化物を用いて樹脂を架橋させるに
は、上記熱可塑性樹脂粒状物の製造の際に、熱分解型発
泡剤とともに、この熱分解型発泡剤の熱分解温度よりも
低い熱分解温度を有する有機過酸化物、例えばジ−t−
ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ
−t−ブチルパーオキシヘキシン−3等を配合してお
き、熱分解型発泡剤が分解しない温度で且つ有機過酸化
物が分解する温度で押出機により溶融混練し、有機過酸
化物の分解により発生するラジカルにより樹脂を架橋さ
せる。
は、上記熱可塑性樹脂粒状物の製造の際に、熱分解型発
泡剤とともに、この熱分解型発泡剤の熱分解温度よりも
低い熱分解温度を有する有機過酸化物、例えばジ−t−
ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ
−t−ブチルパーオキシヘキシン−3等を配合してお
き、熱分解型発泡剤が分解しない温度で且つ有機過酸化
物が分解する温度で押出機により溶融混練し、有機過酸
化物の分解により発生するラジカルにより樹脂を架橋さ
せる。
【0021】また、シラン化合物を用いて樹脂を架橋さ
せるには、上記熱可塑性樹脂粒状物の製造の際に、熱可
塑性樹脂にラジカルを生成させるか或いは熱可塑性樹脂
の官能基を利用して、これにエチレン性不飽和基、エポ
キシ基又はアミノ基を有する加水分解性シラン化合物を
グラフトさせ、このグラフト変性熱可塑性樹脂を用いて
加熱発泡性の熱可塑性樹脂粒状物を作り、これを水処理
することにより樹脂を架橋させる。
せるには、上記熱可塑性樹脂粒状物の製造の際に、熱可
塑性樹脂にラジカルを生成させるか或いは熱可塑性樹脂
の官能基を利用して、これにエチレン性不飽和基、エポ
キシ基又はアミノ基を有する加水分解性シラン化合物を
グラフトさせ、このグラフト変性熱可塑性樹脂を用いて
加熱発泡性の熱可塑性樹脂粒状物を作り、これを水処理
することにより樹脂を架橋させる。
【0022】加水分解性シラン化合物としては、エチレ
ン性不飽和基を有する加水分解性シラン化合物が好まし
く、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエト
キシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、アリルトリ
メトキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリロキシ
メトキシシラン等が好適である。
ン性不飽和基を有する加水分解性シラン化合物が好まし
く、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエト
キシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、アリルトリ
メトキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリロキシ
メトキシシラン等が好適である。
【0023】なお、水処理条件は、粒状物の粒径にもよ
るが生産性や架橋性を考慮すると、粒径が1mm程度の粒
状物の場合、一般に80〜120℃の熱水に約3時間以
上浸漬するのが好ましい。また、樹脂の架橋は、加水分
解性のアルコキシ基が水と接触し加水分解されてシラノ
ール基が生成し、これが他のシラノール基と反応してS
i−O−Si結合となって樹脂が架橋するもので、この
場合、シラノール縮合触媒を併用するのが好ましい。
るが生産性や架橋性を考慮すると、粒径が1mm程度の粒
状物の場合、一般に80〜120℃の熱水に約3時間以
上浸漬するのが好ましい。また、樹脂の架橋は、加水分
解性のアルコキシ基が水と接触し加水分解されてシラノ
ール基が生成し、これが他のシラノール基と反応してS
i−O−Si結合となって樹脂が架橋するもので、この
場合、シラノール縮合触媒を併用するのが好ましい。
【0024】シラノール縮合触媒としては、例えばジブ
チル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオク
チル錫ジラウレート、オクタン酸錫、オレイン酸錫、2
−エチルヘキサン酸亜鉛、オクタン酸コバルト、ナフテ
ン酸鉛、カプリル酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛等が挙げら
れる。これ等のシラノール縮合触の添加量は樹脂に対し
0.001〜10重量%が好ましく、より好ましくは
0.01〜3重量%である。
チル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオク
チル錫ジラウレート、オクタン酸錫、オレイン酸錫、2
−エチルヘキサン酸亜鉛、オクタン酸コバルト、ナフテ
ン酸鉛、カプリル酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛等が挙げら
れる。これ等のシラノール縮合触の添加量は樹脂に対し
0.001〜10重量%が好ましく、より好ましくは
0.01〜3重量%である。
【0025】この発明においては、発泡安定性の面か
ら、特に、加熱発泡性の無架橋ポリエチレン粒状物や無
架橋ポリプロピレン粒状物、加熱発泡性の架橋ポリエチ
レン粒状物や架橋ポリプロピレン粒状物、或いはこれ等
二種以上が混合されてなる加熱発泡性のポリオレフィン
粒状物を用いるのが好ましい。
ら、特に、加熱発泡性の無架橋ポリエチレン粒状物や無
架橋ポリプロピレン粒状物、加熱発泡性の架橋ポリエチ
レン粒状物や架橋ポリプロピレン粒状物、或いはこれ等
二種以上が混合されてなる加熱発泡性のポリオレフィン
粒状物を用いるのが好ましい。
【0026】最上の繊維シート以外の各繊維シート2上
に、上記加熱発泡性の熱可塑性樹脂粒状物4を層状に均
一に散布した後、各繊維シート2を上下に配置した状態
で加熱発泡炉5内に移送する。各繊維シート2の移送速
度は特に限定されないが、一般に0.5〜6m/分であ
る。
に、上記加熱発泡性の熱可塑性樹脂粒状物4を層状に均
一に散布した後、各繊維シート2を上下に配置した状態
で加熱発泡炉5内に移送する。各繊維シート2の移送速
度は特に限定されないが、一般に0.5〜6m/分であ
る。
【0027】この加熱発泡炉5内で、繊維シート2上に
散布された加熱発泡性の熱可塑性樹脂粒状物4を熱分解
型発泡剤の分解温度以上の温度に加熱し、発泡剤の分解
ガスにより上記粒状物4を最大発泡倍率の80〜90%
まで発泡させる。加熱発泡炉5内での加熱温度が高すぎ
ると、急激な発泡によって発泡体の気泡構造が乱れるこ
とがあるので、熱分解型発泡剤の分解温度より30℃高
い温度以下で加熱するのが好ましい。
散布された加熱発泡性の熱可塑性樹脂粒状物4を熱分解
型発泡剤の分解温度以上の温度に加熱し、発泡剤の分解
ガスにより上記粒状物4を最大発泡倍率の80〜90%
まで発泡させる。加熱発泡炉5内での加熱温度が高すぎ
ると、急激な発泡によって発泡体の気泡構造が乱れるこ
とがあるので、熱分解型発泡剤の分解温度より30℃高
い温度以下で加熱するのが好ましい。
【0028】ここで、最大発泡倍率とは、上記加熱発泡
性の熱可塑性樹脂粒状物4を加熱発泡炉5内で熱分解型
発泡剤の分解温度以上の温度に加熱し、何ら拘束される
ことなく自由に最大限に発泡させた時の発泡倍率を意味
する。
性の熱可塑性樹脂粒状物4を加熱発泡炉5内で熱分解型
発泡剤の分解温度以上の温度に加熱し、何ら拘束される
ことなく自由に最大限に発泡させた時の発泡倍率を意味
する。
【0029】加熱発泡炉5内での発泡倍率が最大発泡倍
率の80%未満では、圧縮後に完全に発泡させることが
困難で、逆に発泡倍率が最大発泡倍率の90%を越える
と、圧縮後に完全に発泡させる際に気泡が破れ、独立気
泡率が低下して良好な発泡体が得られない。
率の80%未満では、圧縮後に完全に発泡させることが
困難で、逆に発泡倍率が最大発泡倍率の90%を越える
と、圧縮後に完全に発泡させる際に気泡が破れ、独立気
泡率が低下して良好な発泡体が得られない。
【0030】こうして、最大発泡倍率の80〜90%ま
で加熱発泡させ、この発泡体が軟化状態にあるときに、
全ての繊維シート2を一対の押圧ロール6の間に通して
一体的に圧縮して各層を積層接着させる。この圧縮圧力
は、強すぎると外層の発泡体の気泡が潰れ、逆に弱すぎ
ると各層の接着強度が弱くなるので、1〜2 kgf /cm
2 程度が好ましい。
で加熱発泡させ、この発泡体が軟化状態にあるときに、
全ての繊維シート2を一対の押圧ロール6の間に通して
一体的に圧縮して各層を積層接着させる。この圧縮圧力
は、強すぎると外層の発泡体の気泡が潰れ、逆に弱すぎ
ると各層の接着強度が弱くなるので、1〜2 kgf /cm
2 程度が好ましい。
【0031】この場合、発泡体の層は2〜10層程度が
好ましい。発泡体の層が増えて厚肉となるほど圧縮する
際の圧力が中心部で弱くなり、また発泡後の発泡体を中
心部まで冷却することが難しくなる。
好ましい。発泡体の層が増えて厚肉となるほど圧縮する
際の圧力が中心部で弱くなり、また発泡後の発泡体を中
心部まで冷却することが難しくなる。
【0032】一対の押圧ロール6での圧縮により一体化
された積層複合発泡体10’は、この一対の押圧ロール
6を通過することにより自然に圧縮が解除され、引き続
いてこの積層複合発泡体10’を加熱発泡炉の炉外へ移
送する。この過程で、積層複合発泡体10’は、これを
再加熱しなくても発泡剤の分解ガスにより自然に発泡す
る。
された積層複合発泡体10’は、この一対の押圧ロール
6を通過することにより自然に圧縮が解除され、引き続
いてこの積層複合発泡体10’を加熱発泡炉の炉外へ移
送する。この過程で、積層複合発泡体10’は、これを
再加熱しなくても発泡剤の分解ガスにより自然に発泡す
る。
【0033】自然に発泡した積層複合発泡体10は、そ
のまま自然冷却し、一対の引取りロール9により引取っ
て製品とすることも可能であるが、通常は、一対のサイ
ジングロール7やサイジング板の間に通して厚みを規制
し、それにより発泡倍率も規制される。そして、その
後、一対の冷却板8や冷却ロールの間に通して強制冷却
し、一対の引取りロール9により引取って製品とする。
のまま自然冷却し、一対の引取りロール9により引取っ
て製品とすることも可能であるが、通常は、一対のサイ
ジングロール7やサイジング板の間に通して厚みを規制
し、それにより発泡倍率も規制される。そして、その
後、一対の冷却板8や冷却ロールの間に通して強制冷却
し、一対の引取りロール9により引取って製品とする。
【0034】積層複合発泡体10の冷却は、積層複合発
泡体の中心部が100℃以下、特に70℃以下になるま
で急冷するのが好ましい。冷却温度が高かったり或いは
発泡後に長い時間をおいて冷却すると、得られる積層複
合発泡体の気泡が粗くなったり、不均一になったりし、
また積層複合発泡体の剛性が低下することがある。
泡体の中心部が100℃以下、特に70℃以下になるま
で急冷するのが好ましい。冷却温度が高かったり或いは
発泡後に長い時間をおいて冷却すると、得られる積層複
合発泡体の気泡が粗くなったり、不均一になったりし、
また積層複合発泡体の剛性が低下することがある。
【0035】こうして積層複合発泡体10の製品が得ら
れる。この積層複合発泡体10は、そのまま適当な寸法
に裁断して使用される。また、適当な型を用い真空成形
法や圧縮成形法やホットスタンピング成形法により、所
望の形状に熱成形して成形品として使用される。
れる。この積層複合発泡体10は、そのまま適当な寸法
に裁断して使用される。また、適当な型を用い真空成形
法や圧縮成形法やホットスタンピング成形法により、所
望の形状に熱成形して成形品として使用される。
【0036】
【作用】繊維シートを上下に少なくとも3枚配置し、最
上のシート以外の各シート上に加熱発泡性の熱可塑性樹
脂粒状物を層状に散布し、これを加熱して熱可塑性樹脂
粒状物を最大発泡倍率の80〜90%まで発泡させた後
圧縮すると、発泡シートの製造と積層発泡体の製造とが
一工程で行われ、従来のように二つの工程を要しない。
上のシート以外の各シート上に加熱発泡性の熱可塑性樹
脂粒状物を層状に散布し、これを加熱して熱可塑性樹脂
粒状物を最大発泡倍率の80〜90%まで発泡させた後
圧縮すると、発泡シートの製造と積層発泡体の製造とが
一工程で行われ、従来のように二つの工程を要しない。
【0037】また、繊維シート上に層状に散布されてい
る粒状物を加熱発泡させると、この粒状物の層には発泡
性シートのような残留応力はなく、そのため加熱発泡の
際に発泡層が波状に変形することがない。しかも、得ら
れる積層発泡体は繊維シートによって補強される。
る粒状物を加熱発泡させると、この粒状物の層には発泡
性シートのような残留応力はなく、そのため加熱発泡の
際に発泡層が波状に変形することがない。しかも、得ら
れる積層発泡体は繊維シートによって補強される。
【0038】さらに、繊維シート上の粒状物の層を最大
発泡倍率の80〜90%まで発泡させた後圧縮し、その
後圧縮を解除することにより発泡させると、発泡体の気
泡の破壊が防止され、微細な気泡を有し全体にわたって
ほぼ均一に発泡した発泡層が得られる。
発泡倍率の80〜90%まで発泡させた後圧縮し、その
後圧縮を解除することにより発泡させると、発泡体の気
泡の破壊が防止され、微細な気泡を有し全体にわたって
ほぼ均一に発泡した発泡層が得られる。
【0039】
【実施例】以下、この発明の実施例及び比較例を示す。実施例1 ・ポリプロピレン(MI:11g/10分) 27.5重量部 (商品名MA3:三菱油化社製) ・ブロックポリプロピレン(MI:6.5g/10分) 3重量部 (商品名BC4:三菱油化社製) ・高密度ポリエチレン(MI:9g/10分) 22.5重量部 (商品名PY20A:三菱油化社製) ・高密度ポリエチレン(MI:1.5g/10分) 23重量部 (商品名EY40A:三菱油化社製) ・シラン変性ポリプロピレン(MI:11g/10分) 15重量部 (商品名リンクロンXPM800HM:三菱油化社製) ・熱分解型発泡剤(アゾジカルボンアミド) 9重量部
【0040】上記発泡性樹脂配合物を、二軸押出機を用
いて発泡剤が分解しない180℃の温度で溶融混練し、
これをシート状に押出し冷却して厚さ0.7mmの発泡性
シートを成形し、これを縦4mm×横4mmに切断してペレ
ットとし、このペレットを120℃、2気圧の水蒸気に
より5分間水処理して樹脂を架橋させ後乾燥して、加熱
発泡性の架橋熱可塑性樹脂粒状物を作製した。この粒状
物の最大発泡倍率は約24倍であった。
いて発泡剤が分解しない180℃の温度で溶融混練し、
これをシート状に押出し冷却して厚さ0.7mmの発泡性
シートを成形し、これを縦4mm×横4mmに切断してペレ
ットとし、このペレットを120℃、2気圧の水蒸気に
より5分間水処理して樹脂を架橋させ後乾燥して、加熱
発泡性の架橋熱可塑性樹脂粒状物を作製した。この粒状
物の最大発泡倍率は約24倍であった。
【0041】繊維シートとして、ガラスペーパー(重量
25g/m2 、繊維太さ13μm 、繊維長さ25mm)
(商品名FBP−030:オリベスト社製)を用い、図
1に示すように、この繊維シート2の6枚を上下に間隔
をおいて配置し、最上の繊維シート以外の各繊維シート
2上に、上記加熱発泡性の熱可塑性樹脂粒状物4を50
0g/m2 の割合で層状に均一に散布し、上下に配置し
た状態で加熱発泡炉5内に0.7m/分の速度で移送し
た。
25g/m2 、繊維太さ13μm 、繊維長さ25mm)
(商品名FBP−030:オリベスト社製)を用い、図
1に示すように、この繊維シート2の6枚を上下に間隔
をおいて配置し、最上の繊維シート以外の各繊維シート
2上に、上記加熱発泡性の熱可塑性樹脂粒状物4を50
0g/m2 の割合で層状に均一に散布し、上下に配置し
た状態で加熱発泡炉5内に0.7m/分の速度で移送し
た。
【0042】加熱発泡炉5内で220℃に加熱して、繊
維シート2上の加熱発泡性の熱可塑性樹脂粒状物4を加
熱発泡させ、その発泡倍率が最大発泡倍率(約24倍)
の80%(約19.2倍)になった時に、全ての繊維シ
ート2を一対の押圧ロール6により1.5 kgf /cm2
の圧力で圧縮して各層を積層接着させた。
維シート2上の加熱発泡性の熱可塑性樹脂粒状物4を加
熱発泡させ、その発泡倍率が最大発泡倍率(約24倍)
の80%(約19.2倍)になった時に、全ての繊維シ
ート2を一対の押圧ロール6により1.5 kgf /cm2
の圧力で圧縮して各層を積層接着させた。
【0043】なお、最大発泡倍率(約24倍)の80%
(約19.2倍)になった時点は、予め加熱発泡炉5に
おける発泡条件と発泡倍率との関係を示すデーターを採
取しておき、このデーターに基づいて判定した。
(約19.2倍)になった時点は、予め加熱発泡炉5に
おける発泡条件と発泡倍率との関係を示すデーターを採
取しておき、このデーターに基づいて判定した。
【0044】引き続いて、上記圧縮により一体化された
積層複合発泡体10’を炉外へ移送し、この過程で、積
層複合発泡体10’を自然に発泡させて積層複合発泡体
10とし、次いで、この積層複合発泡体10を一対のサ
イジングロール7により厚さ30mmに規制し、その後、
一対の冷却板8により冷却し、一対の引取りロール9に
より引取って積層複合発泡体10の製品を得た。
積層複合発泡体10’を炉外へ移送し、この過程で、積
層複合発泡体10’を自然に発泡させて積層複合発泡体
10とし、次いで、この積層複合発泡体10を一対のサ
イジングロール7により厚さ30mmに規制し、その後、
一対の冷却板8により冷却し、一対の引取りロール9に
より引取って積層複合発泡体10の製品を得た。
【0045】得られた積層複合発泡体10の製品は、波
打ち等の変形がなく、外観良好であった。また、光学顕
微鏡でその断面を観察したところ、全体にわたってほぼ
均一に発泡し微細な気泡を有するものであった。
打ち等の変形がなく、外観良好であった。また、光学顕
微鏡でその断面を観察したところ、全体にわたってほぼ
均一に発泡し微細な気泡を有するものであった。
【0046】実施例2 繊維シート2として、ガラスペーパー(重量25g/m
2 、繊維太さ13μm、繊維長さ25mm)(商品名FB
P−030:オリベスト社製)に、高密度ポリエチレン
(メルトインデンクス13g/10分)(商品名J−3
20:旭化成社製)を押出しラミネートして得られた樹
脂ラミネート繊維シート(厚さ80μm、繊維含有率1
9重量%)を用いた。それ以外は実施例1と同様に行っ
て積層複合発泡体10の製品を得た。
2 、繊維太さ13μm、繊維長さ25mm)(商品名FB
P−030:オリベスト社製)に、高密度ポリエチレン
(メルトインデンクス13g/10分)(商品名J−3
20:旭化成社製)を押出しラミネートして得られた樹
脂ラミネート繊維シート(厚さ80μm、繊維含有率1
9重量%)を用いた。それ以外は実施例1と同様に行っ
て積層複合発泡体10の製品を得た。
【0047】得られた積層複合発泡体10の製品は、波
打ち等の変形がなく、外観良好であった。また、光学顕
微鏡でその断面を観察したところ、全体にわたってほぼ
均一に発泡し微細な気泡を有するものであった。
打ち等の変形がなく、外観良好であった。また、光学顕
微鏡でその断面を観察したところ、全体にわたってほぼ
均一に発泡し微細な気泡を有するものであった。
【0048】比較例1 実施例1で用いたものと同じ配合の発泡性樹脂配合物
を、二軸押出機を用いて発泡剤が分解しない180℃の
温度で溶融混練し、これをシート状に押出し冷却して厚
さ0.7mmの発泡性シートを成形し、これを120℃、
2気圧の水蒸気により5分間水処理して樹脂を架橋させ
た後乾燥して、加熱発泡性の架橋熱可塑性樹脂シートを
作製した。
を、二軸押出機を用いて発泡剤が分解しない180℃の
温度で溶融混練し、これをシート状に押出し冷却して厚
さ0.7mmの発泡性シートを成形し、これを120℃、
2気圧の水蒸気により5分間水処理して樹脂を架橋させ
た後乾燥して、加熱発泡性の架橋熱可塑性樹脂シートを
作製した。
【0049】この加熱発泡性の架橋熱可塑性樹脂シート
を5枚用意し、これ等のシートを全て重ね合わせこれを
上下からテフロンシートで挟み、230℃の加熱盤間で
4分間加熱し発泡させた後冷却盤間で冷却し、上下のテ
フロンシートを剥離除去して積層発泡体を得た。
を5枚用意し、これ等のシートを全て重ね合わせこれを
上下からテフロンシートで挟み、230℃の加熱盤間で
4分間加熱し発泡させた後冷却盤間で冷却し、上下のテ
フロンシートを剥離除去して積層発泡体を得た。
【0050】比較例2 実施例1で用いたものと同じ配合の発泡性樹脂配合物
を、二軸押出機を用いて発泡剤が分解しない180℃の
温度で溶融混練し、これをシート状に押出し冷却して厚
さ0.7mmの発泡性シートを成形し、これを120℃、
2気圧の水蒸気により5分間水処理して樹脂を架橋させ
後乾燥して、加熱発泡性の架橋熱可塑性樹脂シートを作
製した。
を、二軸押出機を用いて発泡剤が分解しない180℃の
温度で溶融混練し、これをシート状に押出し冷却して厚
さ0.7mmの発泡性シートを成形し、これを120℃、
2気圧の水蒸気により5分間水処理して樹脂を架橋させ
後乾燥して、加熱発泡性の架橋熱可塑性樹脂シートを作
製した。
【0051】この加熱発泡性の架橋熱可塑性樹脂シート
を5枚用意し、それぞれのシートを上下からテフロンシ
ートで挟み、これ等のシートを全て重ね合わせこれを上
下からテフロンシートで挟み、230℃の加熱盤間で4
分間加熱し発泡させた後冷却盤間で冷却し、それぞれ上
下のテフロンシートを剥離除去して5枚の発泡シートを
作製した。
を5枚用意し、それぞれのシートを上下からテフロンシ
ートで挟み、これ等のシートを全て重ね合わせこれを上
下からテフロンシートで挟み、230℃の加熱盤間で4
分間加熱し発泡させた後冷却盤間で冷却し、それぞれ上
下のテフロンシートを剥離除去して5枚の発泡シートを
作製した。
【0052】この5枚の発泡シートを別々に230℃の
オーブン中で1分間加熱して熱接着可能な温度に軟化さ
せ、これ等の発泡シートを全て重ね合わせこれを上下か
らテフロンシートで挟み、冷却盤間で1.5 kgf /cm
2 の圧力で圧縮して各発泡シートを積層接着させるとと
もに冷却し、上下のテフロンシートを剥離除去して積層
発泡体を得た。
オーブン中で1分間加熱して熱接着可能な温度に軟化さ
せ、これ等の発泡シートを全て重ね合わせこれを上下か
らテフロンシートで挟み、冷却盤間で1.5 kgf /cm
2 の圧力で圧縮して各発泡シートを積層接着させるとと
もに冷却し、上下のテフロンシートを剥離除去して積層
発泡体を得た。
【0053】上記実施例1、2で得られた積層複合発泡
体及び比較例1、2で得られた積層発泡体について、各
発泡層の発泡倍率、各発泡層間の剥離強度、積層複合発
泡体及び積層発泡体の線膨張率を、次の方法で測定し
た。その結果を表1に示す。なお、各発泡層は上から順
に第1層、第2層、第3層、第4層、第5層と呼ぶ。
体及び比較例1、2で得られた積層発泡体について、各
発泡層の発泡倍率、各発泡層間の剥離強度、積層複合発
泡体及び積層発泡体の線膨張率を、次の方法で測定し
た。その結果を表1に示す。なお、各発泡層は上から順
に第1層、第2層、第3層、第4層、第5層と呼ぶ。
【0054】<発泡倍率の測定>積層複合発泡体及び積
層発泡体から各発泡層を縦30mm×横30mmの小片に切
り取って試料とし、比重計を用いて試料の比重(発泡層
の重量/発泡層の体積)を測定し、その比重の逆数をも
って発泡倍率(発泡層の体積/発泡層の重量)とした。
層発泡体から各発泡層を縦30mm×横30mmの小片に切
り取って試料とし、比重計を用いて試料の比重(発泡層
の重量/発泡層の体積)を測定し、その比重の逆数をも
って発泡倍率(発泡層の体積/発泡層の重量)とした。
【0055】<剥離強度の測定>積層複合発泡体及び積
層発泡体から各二層の発泡層を長さ150mm×幅20mm
の小片に切り取って試料とし、この試料の一端から内方
へ90mmだけ各層をナイフで切り目を入れて剥がし、こ
れを180度方向に引張って剥離強度を測定した。
層発泡体から各二層の発泡層を長さ150mm×幅20mm
の小片に切り取って試料とし、この試料の一端から内方
へ90mmだけ各層をナイフで切り目を入れて剥がし、こ
れを180度方向に引張って剥離強度を測定した。
【0056】<線膨張率の測定>積層複合発泡体及び積
層発泡体から縦190mm×横30mmの小片を切り取って
試料とし、この試料を0℃の冷蔵庫に1時間放置した
後、ノギスを用いて試料の縦寸法(L0)を測定する。次
に、この試料を85℃のオーブンに1時間放置した後、
ノギスを用いて試料の縦寸法(L85) を測定する。線膨
張率=(L85−L0)/(L0 ×85℃)により線膨張
率を算出する。
層発泡体から縦190mm×横30mmの小片を切り取って
試料とし、この試料を0℃の冷蔵庫に1時間放置した
後、ノギスを用いて試料の縦寸法(L0)を測定する。次
に、この試料を85℃のオーブンに1時間放置した後、
ノギスを用いて試料の縦寸法(L85) を測定する。線膨
張率=(L85−L0)/(L0 ×85℃)により線膨張
率を算出する。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】上述の通り、この発明の積層複合発泡体
の製造方法は、繊維シートを上下に少なくとも3枚配置
し、最上の繊維シート以外の各繊維シート上に加熱発泡
性の熱可塑性樹脂粒状物を散布し、これを加熱して熱可
塑性樹脂粒状物を最大発泡倍率の80〜90%まで発泡
させた後圧縮し、その後圧縮を解除することにより発泡
させるもので、それにより発泡シートの製造と積層発泡
体の製造とを一工程で行うことにより製造コストを低減
し、しかも全体にわたってほぼ均一に発泡し、各層の接
着不良や外観不良が発生せず品質良好な厚肉の積層複合
発泡体を製造することができる。
の製造方法は、繊維シートを上下に少なくとも3枚配置
し、最上の繊維シート以外の各繊維シート上に加熱発泡
性の熱可塑性樹脂粒状物を散布し、これを加熱して熱可
塑性樹脂粒状物を最大発泡倍率の80〜90%まで発泡
させた後圧縮し、その後圧縮を解除することにより発泡
させるもので、それにより発泡シートの製造と積層発泡
体の製造とを一工程で行うことにより製造コストを低減
し、しかも全体にわたってほぼ均一に発泡し、各層の接
着不良や外観不良が発生せず品質良好な厚肉の積層複合
発泡体を製造することができる。
【0059】また、この発明により得られる積層複合発
泡体は、繊維シートによって発泡体が補強されるので、
軽量で、熱賦形性がよく、剛性や寸法安定性や耐熱性が
向上し、自動車や建物などの内装材や間仕切りなどの防
音、断熱、緩衝材として好適に使用することができる。
泡体は、繊維シートによって発泡体が補強されるので、
軽量で、熱賦形性がよく、剛性や寸法安定性や耐熱性が
向上し、自動車や建物などの内装材や間仕切りなどの防
音、断熱、緩衝材として好適に使用することができる。
【図1】この発明の一実施態様を示す説明図である。
2 繊維シート 4 加熱発泡性の熱可塑性樹脂粒状物 5 加熱発泡炉 6 一対の押圧ロール 9 一対の引取りロール 10' 圧縮された積層複合発泡体 10 積層複合発泡体
Claims (1)
- 【請求項1】 繊維シートを上下に少なくとも3枚配置
し、最上の繊維シート以外の各繊維シート上に加熱発泡
性の熱可塑性樹脂粒状物を層状に散布し、これを加熱し
て熱可塑性樹脂粒状物を最大発泡倍率の80〜90%ま
で発泡させた後圧縮し、その後圧縮を解除することによ
り発泡させることを特徴とする積層複合発泡体の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6181443A JPH0839713A (ja) | 1994-08-02 | 1994-08-02 | 積層複合発泡体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6181443A JPH0839713A (ja) | 1994-08-02 | 1994-08-02 | 積層複合発泡体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0839713A true JPH0839713A (ja) | 1996-02-13 |
Family
ID=16100865
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6181443A Pending JPH0839713A (ja) | 1994-08-02 | 1994-08-02 | 積層複合発泡体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0839713A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109203634A (zh) * | 2018-10-24 | 2019-01-15 | 河南省澳科保温节能材料技术开发有限公司 | 一种玻璃棉岩棉复合pu硬泡保温板连续生产线 |
-
1994
- 1994-08-02 JP JP6181443A patent/JPH0839713A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109203634A (zh) * | 2018-10-24 | 2019-01-15 | 河南省澳科保温节能材料技术开发有限公司 | 一种玻璃棉岩棉复合pu硬泡保温板连续生产线 |
CN109203634B (zh) * | 2018-10-24 | 2024-03-15 | 河南省澳科保温节能材料技术开发有限公司 | 一种玻璃棉岩棉复合pu硬泡保温板连续生产线 |
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