JPH083964B2 - 油入電気機器 - Google Patents

油入電気機器

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JPH083964B2
JPH083964B2 JP1210171A JP21017189A JPH083964B2 JP H083964 B2 JPH083964 B2 JP H083964B2 JP 1210171 A JP1210171 A JP 1210171A JP 21017189 A JP21017189 A JP 21017189A JP H083964 B2 JPH083964 B2 JP H083964B2
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JP
Japan
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oil
deterioration
insulating oil
bta
dbpc
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JP1210171A
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基夫 土江
晃男 宮本
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、劣化防止剤を含有する絶縁油を使用した、
油入電気機器に関するものである。さらに詳しくは、本
発明は、特定の劣化防止剤を併用して酸化劣化防止をは
かった絶縁油中に浸漬された銅製構成体を備えた、油入
り電気機器に関するものである。
〔従来の技術〕
変圧器、開閉器、コンデンサー、ケーブルあるいはリ
アクトルなどの電気機器においては、絶縁および冷却用
媒体としての油が使用されている。これらの油入電気機
器に用いる絶縁油は、紙巻導体コイルが入っているタン
ク内に充填されて使用されるが、タンクの上面には空気
層もあり、また油相と導体としての銅の表面が接触する
ので、油相の酸化劣化がおこりやすい。
すなわち、油入電気機器を永年使用している間に、機
器内の絶縁油は漸次酸化劣化して、絶縁油の抵抗率、ta
nδ、中和価、界面張力などの特性が低下してくる。さ
らに劣化が進展すると、スラッジが発生し、これがた
め、絶縁油としての機能を果たさなくなるおそれもあ
る。とくに油面上が空気であるような油入電気機器で
は、酸化劣化が起こり易い。
このような絶縁油の酸化劣化を防止するために、種々
の酸化防止剤を使用することが試みられている。例えば
IECやASTMでは、絶縁油の劣化防止剤として、2,6ジター
シャリーブチルパラクレゾーレル(以下、DBPCという)
の使用が認められ、JIS規格においては、1,2,3ベンゾト
リアゾール(以下、BTAという)の添加が近年認められ
るようになった。しかしながら、これらの酸化防止剤を
単味で使用しただけでは、必ずしも充分な酸化劣化防止
効果は得られていないのが現状である。
絶縁油の酸化劣化を評価する方法としては、いくつか
の方法がある。
その一つは、JIS C2101やIEC74に規定されるように、
絶縁油を銅共存下の酸素雰囲気中で加熱し、最終段階で
のスラッジと中和価により、絶縁油の酸化安定度を評価
する方法である(以下、酸化安定度試験という)。
また他の方法では、実器で絶縁油のtanδが1〜7年
で増大することに着目し、tanδの増大のし易すさから
絶縁油を評価する方法がある。この試験方法は、銅を表
面積が44.8cm2/油100mlになるような条件で、油中に共
存させ、これに酸素を10ml/油100mlの割合で油中に吹き
込み、95℃で加熱しながら、油中に浸漬した電極でtan
δを連続して測定するものである(以下、この方法を連
続酸化劣化試験という)。
これらの測定方法で、現在使用されているDBPCやBTA
の劣化防止効果を測定すると、後述するようなデータか
ら判るように、必ずしも満足すべきものではない。
IECやASTMでDBPC等が賞用されているのは、酸化安定
度試験における最終段階でのスラッジと中和価を評価し
て、効果があるとしているからである。しかし油入電気
機器内の絶縁油は、最終段階での評価だけではなく、途
中段階で生ずる劣化現象も極めて重要である。たしかに
DBPCは、酸化安定度試験におけるスラッジ量と中和価は
改善することができるが、劣化途中のtanδの増加が大
であり、DBPCは必ずしも効果的であるとは言えない。
また、BTAは途中段階で生ずる劣化現象は、効果的で
あるが、最終段階での劣化には効果が小さい。
このように、絶縁油の劣化はかなり複雑なので、一つ
の手段で劣化を完全に抑制するのには非常に難しい。そ
の理由として、DBPCとBTAでは、劣化防止に果たす役割
の違いがあるからと考えられる。
DBPCは、次のような連鎖的な劣化反応を防止するとさ
れている。
R・+O2→RO2・ RO2・+RH→R・+ROOH Rはアルキル基、R・はアルキルラジカルであり、RO
2・は過酸化物のラジカルである。
DBPCは、その分子内のOH基がラジカルを吸収して連鎖
反応を妨げる働きをする。
一方、BTAは、銅の防錆剤として工業的に用いられて
いるように、銅と極めて良く反応する。絶縁油の劣化に
は銅が触媒となることが良く知られており、前述の酸価
安定度試験や連続酸化劣化試験においては、いずれも銅
を触媒にしている。BTAは、銅表面上でほぼ単分子層に
近い膜を形成するが、このような状態では、銅触媒とし
ての活性がなくなって、絶縁油の劣化には関与しにくく
なるものと考えられる。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上のように、従来の酸化劣化防止剤では、劣化途中
でおこるtanδの増大と最終段階で生成するスラッジや
中和価の増大の双方を、ともに防止することが出来ない
という欠点があった。
本発明は、上記のような問題点を解消するためになさ
れたもので、劣化途中におこるtanδの増大と、最終劣
化で生成するスラッジや中和価の増大の双方を抑制した
油入電気機器を得ることを目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち本発明は、1,000〜10,000mg/lのDBPCおよび
1〜30mg/lのBTAを添加してなる絶縁油中に浸漬された
銅製構成体を備えた、油入電気機器を提供することによ
り、上記の課題を解決するものである。
この発明に使用する絶縁油としては、JIS C2320、IEC
296ClassIA、ClassIIA、ASTM D3487TypeIおよびIIなど
があげられる。
この発明において、DBPC1,000mg/l以上添加した絶縁
油が使用されるが、1,000mg/l未満の場合、劣化抑制の
効果が小さい。また、10,000mg/l以上の場合は、効果が
飽和してくるので、実用的には1,000mg/l〜10,000mg/l
が望ましい。また、BTA1mg/l以上添加した絶縁油が使用
されるが、1mg/l未満の場合は、劣化抑制の効果が小さ
い。また、30mg/l以上の場合、劣化抑制の効果は飽和
し、絶縁油を−20℃程度の低温雰囲気にさらした場合、
BTAが析出するので、実用的には1〜30mg/lが望まし
い。
〔作用〕
この発明におけるDBPCは、酸化劣化の連鎖的反応を抑
制する働きがあり、BTAは銅の酸化劣化触媒としての機
能を抑制する働きがあって、DBPCとBTAの双方で絶縁油
の劣化を抑制する働きがある。
次に、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明す
る。
〔実施例〕
実施例1〜3 前述の酸化安定度試験と連続酸化劣化試験により、絶
縁油にDBPCを1,000mg/lとBTAを1mg/l(実施例1)、DBP
Cを5,000mg/lとBTA20mg/l(実施例2)、DBPCを10,000m
g/lとBTAを30mg/l(実施例3)添加したもののそれぞれ
について試験を行った。結果を第2表〜第4表と第1図
に示す。絶縁油としては、シェル石油社製の商品名ダイ
アラBGを使用した。
比較例1〜5 前述の酸化安定度試験と連続酸化劣化試験により、絶
縁油にDBPCを5,000mg/l、BTAを0mg/l(比較例1)、DBP
Cを0mg/l、BTAを20mg/l(比較例2)、DBPCを500mg/lと
BTAを20mg/l(比較例3)、DBPCを5,000mg/lとBTAを0.5
mg/l(比較例4)添加したもののそれぞれについて試験
を行った。これらの試験結果と無添加油(比較例5)の
試験結果を、第5表〜第9表と第2図に示す。絶縁油と
しては、実施例1〜3と同様、シェル石油社製の商品名
ダイアラBGを使用した。
以上の実施例と比較例をまとめると次の第1表のよう
になる。表中の○印は、絶縁油への添加量を示す。
第1表において、添加効果の判定としては、酸化安定
度試験のスラッジが0.02%以下、中和価0.08mgKOH/g以
下であり、連続酸化劣化試験のtanδのピークが0.5%以
下のものを添加効果大とし、上記の特性を1つでも満足
しないものを効果小とした。
第9表は、酸化劣化防止剤無添加油の特性を示したも
のである。また第2図の比較例5は、酸化劣化防止剤を
添加しない油の連続酸化劣化試験におけるtanδの経時
変化を示す。これから判るとおり、無添加油は、酸化安
定度試験において、スラッジが多く、中和価も高い。か
つ、連続酸化劣化試験において、tanδピークの高さが
高くて、極めて酸化劣化しやすい状態にある。
また、第5表、第6表、第9表および第2図の比較を
すると、次のようになる。
DBPC5,000mg/l添加油では、酸化安定度試験における
スラッジと中和価は、無添加油に比べて小さい。しかし
ながら、連続劣化試験におけるtanδの経時的な増加に
対しては、抑制効果がない。
BTA20mg/l添加油では、酸価安定度試験におけるスラ
ッジと中和価は、無添加油に比べると小さいものの、DB
PC添加油ほどの効果はない。また、連続酸化劣化試験に
おけるtanδピークは消滅するが、長時間経過すると、t
anδが増大し始める。
第7表、第8表および第2図を見ると、比較例3は若
干スラッジが減少するが、おおむね比較例2と同じ傾向
である。比較例4は、スラッジ量は改善されるが、BTA
が少ないことによりtanδのピークが高くなっている。
これに対し、本発明の実施例においては、第1図およ
び第1〜3表から明らかなように、DBPCを添加すること
により、スラッジは減少する。また、BTAを添加するこ
とにより、tanδの増大は見られなくなる。とくに、実
施例2および実施例3では、tanδは初期状態と全く同
じで、きわめて安定なことを示している。
このように、DBPCおよびBTAを適量選択して絶縁油に
配合することにより、その中に電気機器として銅が浸漬
されていても、長期間にわたって安定な絶縁油を得るこ
とができる。
第3図は、絶縁油へのBTAの溶解度の温度依存性であ
る。−20℃程度では30mg/lが飽和溶解度である。
第2表〜第4表に示すように、このような温度範囲の
添加では絶縁油の特性に悪影響を与えることはない。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明によれば、油入電気機器の絶
縁油に1,000〜10,000mg/lのDBPCと1〜30mg/lのBTAの双
方を添加することにより、絶縁油が劣化しにくくなり、
長期間使用することができる油入電気機器が得られると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例におけるDBPCとBTAを添加し
た絶縁油の、連続酸化劣化試験におけるtanδの経時変
化を示すグラフである。 第2図は、本発明の比較例での、連続酸化劣化試験にお
けるtanδの経時変化を示すグラフである。 第3図は、BTAの飽和溶解度の温度依存性を示すグラフ
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−168218(JP,A) 特開 昭58−220419(JP,A) 特開 昭53−8761(JP,A) 特公 昭57−6645(JP,B2) 特公 昭60−42276(JP,B2) 特公 昭52−239(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1,000〜10,000mg/lの2,6ジターシャーリー
    ブチルパラクレゾールおよび1〜30mg/lの1,2,3ベンゾ
    トリアゾールを添加してなる絶縁油中に浸漬された銅製
    構成体を備えた、油入電気機器。
JP1210171A 1989-08-16 1989-08-16 油入電気機器 Expired - Lifetime JPH083964B2 (ja)

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