JPH0839596A - 吸音材およびその製造方法 - Google Patents

吸音材およびその製造方法

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JPH0839596A
JPH0839596A JP6176295A JP17629594A JPH0839596A JP H0839596 A JPH0839596 A JP H0839596A JP 6176295 A JP6176295 A JP 6176295A JP 17629594 A JP17629594 A JP 17629594A JP H0839596 A JPH0839596 A JP H0839596A
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JP
Japan
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powder
fiber
sound absorbing
absorbing material
fibers
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Withdrawn
Application number
JP6176295A
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English (en)
Inventor
Kenji Onishi
兼司 大西
Yuzo Okudaira
有三 奥平
Hideyuki Ando
秀行 安藤
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低周波域においても良好な吸音特性を示し、
粉体のこぼれによる性能劣化を起こしにくい吸音材の提
供。 【構成】 繊維1間の空隙4に発泡性樹脂バインダー3
を介在させて粉体2を保持している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は吸音材およびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、発泡ウレタンまたはグラスウ
ールなどが吸音材として使用されている。
【0003】このような吸音材は、リスニングルームま
たは楽器練習室などの内装材として用いられ、室内の残
響時間特性または反射特性などを整えている。また、遮
音のために壁または天井材を二重構造とする場合がある
が、この二重の隙間に充填して用いられ、遮音性能を向
上させている。その他、吸音ダクトの内貼り用、騒音を
発生する機器の防音カバーの内貼り用などにも使用され
ている。
【0004】ところで、上記の発泡ウレタンにあって
は、図3に示すように、連通して複雑に屈曲した孔13
を有している。また、グラスウールにあっては、同様に
図4に示すように、連通して複雑に屈曲した空隙4を有
している。そして、これらの孔13または空隙4に入射
した音波は、これらの孔13または空隙4のような複雑
で長い連通路を通過する過程で、壁面との粘性摩擦によ
って次第にエネルギーが減少して吸収されるものであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例に示すような吸音材の吸音率は、周波数が高いほ
ど、また、吸音材の厚みが厚いほど大きくなるものであ
る。
【0006】逆に言えば、低周波域の吸音率が低く、厚
い吸音材を用いなければ低周波域の音波を十分に吸音す
ることができないものである。しかしながら、低周波域
の吸音率を向上させるために吸音材の厚みを増すこと
は、好ましいことではない。例えば、部屋の内装に使用
する場合は部屋が狭くなり、また、ダクトの内貼りに用
いた場合は空気の通路が狭くなってしまうという問題が
ある。したがって、リスニングルームの音響特性の改
善、壁または天井の遮音、機械騒音の抑制などには、い
ずれの場合にも問題があるものである。
【0007】以上の欠点を改善するために、発明者は粉
体をシート状またはマット状の繊維間に保持させた吸音
材を提案し、低周波域の吸音率の向上に成功している。
しかしながら、この粉体は繊維間の空隙に入り込んで保
持されているだけなので、取扱時または施工後の振動な
どによって粉体がこぼれやすく、吸音特性が劣化する場
合があった。
【0008】本発明は、以上のような問題点を解決する
ためになされたものであり、その目的は、低周波域にお
いても良好な吸音特性を示し、粉体のこぼれによる性能
劣化を起こしにくい吸音材の提供にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1記載の発明は、繊維間の空隙に発泡性樹脂バインダ
ーを介在させて粉体を保持して成ることを特徴として構
成している。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、ヤング率を105N/m2以下として成る吸音
材であることを特徴として構成している。
【0011】請求項3記載の発明は、繊維と粉体と発泡
性樹脂バインダーとを混合し、発泡性樹脂バインダーの
発泡温度以上の温度で発泡させることを特徴として構成
している。
【0012】請求項4記載の発明は、繊維の表面に発泡
性樹脂バインダーを塗布処理し、この繊維と粉体とを混
合し、発泡性樹脂バインダーの発泡温度以上の温度で発
泡させることを特徴として構成している。
【0013】請求項5記載の発明は、粉体の表面に発泡
性樹脂バインダーを塗布処理し、この粉体と繊維とを混
合し、発泡性樹脂バインダーの発泡温度以上の温度で発
泡させることを特徴として構成している。
【0014】
【作用】請求項1記載の発明では、発泡性樹脂バインダ
ーが発泡して固体化していることによって、それぞれの
繊維を接合保持すると共に、繊維と粉体とをも接合保持
している。また、それぞれの繊維は互いに空隙を有して
接合保持されると共に、この空隙内に粉体が接合保持さ
れている。また、発泡性樹脂バインダーは内部に気泡を
有して繊維間の空隙のかなりの部分を占めているので、
ヤング率が低くなると共に、粉体と繊維とを接合保持す
る確率が高くなっている。
【0015】このような構造によって、粉体は確実に繊
維間の空隙に保持されると共に、粉体が存在することに
よって、低周波域の吸音率が向上している。
【0016】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
吸音材のヤング率を105N/m2 以下としているため、低
周波域の吸音率が特に高くなっている。
【0017】請求項3記載の発明では、繊維および粉体
と混合された発泡性樹脂バインダーが発泡温度以上の温
度で発泡して固体化し、繊維どうしまたは繊維と粉体と
を接合保持し、一体化して吸音材が形成される。
【0018】請求項4記載の発明では、発泡性樹脂バイ
ンダーに表面が覆われた繊維と粉体とを混合しているた
め、繊維表面に発泡性樹脂バインダーが存在する確率が
高まり、繊維どうしまたは繊維と粉体との接合保持が確
実になりやすい。
【0019】請求項5記載の発明では、発泡性樹脂バイ
ンダーに表面が覆われた粉体と繊維とを混合しているた
め、粉体表面に発泡性樹脂バインダーが存在する確率が
高まり、粉体と繊維との接合保持が確実になりやすい。
【0020】
【実施例】本発明の一実施例を以下に図1ないし図2を
参照して説明する。図1はこの実施例の吸音材の内部構
造を示す説明図である。図2はヤング率を測定するシス
テムを示すブロック図である。
【0021】最初にこの実施例の吸音材について図1を
参照して説明する。図1において、1は繊維を示してい
る。繊維1としては、有機、無機を問わず様々なものを
用いることができる。また、2は粉体を示している。粉
体4としても、様々なものを用いることができる。ま
た、3は発泡性樹脂バインダーを示している。また4は
繊維1間の空隙を示しており、この実施例の吸音材は、
空隙4に発泡性樹脂バインダー3を介在させて粉体2を
保持して成ることを特徴としているものである。
【0022】なお、このように構成される吸音材のヤン
グ率を105N/m2 以下とすることによって、より吸音特
性を向上させることができるものである。
【0023】上記の発泡性樹脂バインダー3は、いろい
ろなバインダー樹脂に発泡性を付与したものであって、
一定温度で発泡し、発泡状態を保って固体化するもので
ある。たとえば、バインダー樹脂として、ポリエチレン
樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、フェノール樹脂またはユリア樹脂などを用いる
ことができる。
【0024】そして、このようなバインダー樹脂に発泡
性を付与する第一の方法としては、反応ガスを利用する
ことで行うことができる。つまり、液状のバインダー樹
脂が固体化する際に放出される反応ガス、たとえば、炭
酸ガス、水蒸気などが、反応熱または加熱によって気化
して発泡し、発泡体化した発泡性樹脂バインダー3とな
るものである。
【0025】第二の方法として発泡剤を用いる方法もあ
る。この方法は炭酸ガス、プロパン、ブタン、エーテ
ル、アセトンまたはベンゼンなどの気体または揮発性液
体をバインダー樹脂に吸収させておき、気化させて発泡
させるものである。また、分解性の発泡剤を用いる方法
もある。分解性発泡剤としては、炭酸アンモニウム、重
炭酸ナトリウムなどの無機化合物以外に、アゾ化合物、
スルホニルヒドラジド化合物、ニトロゾ化合物またはア
ジド化合物などの有機化合物も用いられる。これらの分
解性発泡剤をバインダー樹脂に分散または吸収させ、加
熱して発生する分解性ガスによって発泡させることがで
きる。それぞれ、バインダー樹脂、加熱温度などに応じ
て適宜選択することができる。
【0026】また、一例として、様々な繊維1を列挙す
ると、有機繊維として、ポリエステル、ナイロン、ポリ
アクリロニトリル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポ
リ塩化ビニルなどの合成樹脂繊維、または、木質ファイ
バー、木綿、麻、竹、リンター、絹、羊毛などの天然繊
維、または、レーヨンなどの再生繊維が挙げられ、無機
繊維として、ロックファイバー、ガラス、アルミナ、炭
化珪素、スチールなどの繊維を挙げることができる。
【0027】また、一例として、様々な粉体2を列挙す
ると、金マイカ、シリカ、アクリル、タルク、珪酸カル
シウム、フッ素樹脂、パーライト、ベンナイト、シラス
バルーン、石松子、プルラン、溶融シリカ、黒鉛、結晶
セルロース、炭化珪素、珪藻土、ナイロン、アクリル、
ポリエステル、小麦、ドロマイト、炭素繊維、二酸化チ
タン、炭酸カルシウム、塩化ビニル、ポリメタクリル酸
メチル、バリウムフェライト、シリコーンなどの粉体を
挙げることができる。これらの粉体は、粒径が0.1〜
1000μmでかさ密度が0.1〜1.5g/cm3 程度の
ものである。
【0028】さらに詳しくは、「平均粒径40μmでかさ
密度0.37g/cm3 の金マイカ粉体」、「平均粒径1.7 〜15
0 μmでかさ密度0.06〜0.28g/cm3 の湿式シリカ粉
体」、「平均粒径3 〜28μmでかさ密度0.31〜0.92g/cm
3 の球状シリカ粉体」、「平均粒径1.5 〜9.4 μmでか
さ密度0.25〜0.45g/cm3 のタルク粉体」、「平均粒径1
〜2 μmでかさ密度0.3g/cm3のアクリル超微粉体」、
「平均粒径20〜30μmでかさ密度0.8g/cm3の珪酸カルシ
ウム粉体」、「平均粒径100 〜150 μmでかさ密度0.10
〜0.17g/cm3 のパーライト粉体」、「平均粒径5 〜25μ
mでかさ密度0.37〜0.45g/cm3 のフッ素樹脂粉体」、
「平均粒径0.3 〜3.5 μmでかさ密度0.51〜0.74g/cm3
のベンナイト粉体」、「平均粒径30〜50μmでかさ密度
0.20〜0.32g/cm3のシラスバルーン粉体」、「平均粒径3
5μmでかさ密度0.29g/cm3 の石松子」、「平均粒径100
μmでかさ密度0.47のプルラン」、「平均粒径5.4 〜3
2μmでかさ密度0.55〜0.77g/cm3 の溶融シリカ粉
体」、「平均粒径20〜120 μmでかさ密度0.26〜0.73g/
cm3 の黒鉛」、「平均粒径10〜120 μmでかさ密度0.28
〜0.32g/cm3 の結晶セルロース粉体」、「平均粒径0.4
〜5.0 μmでかさ密度0.63〜1.06g/cm3 の炭化珪素粉
体」、「平均粒径3.2 μmでかさ密度0.26g/cm3 の珪藻
土」、「平均粒径5 〜250 μmでかさ密度0.32〜0.49g/
cm3 のナイロンパウダー」、「平均粒径45μmでかさ密
度0.63〜0.67g/cm3 のアクリル粉体」、「平均粒径45μ
mでかさ密度0.54g/cm3 のポリエステル粉体」、「平均
粒径34〜75μmでかさ密度0.45〜0.51g/cm3 の小麦
粉」、「平均粒径3 〜8 μmでかさ密度0.65〜0.90g/cm
3 のドロマイト粉体」、「平均繊維径14〜18μmまたは
平均繊維径100 〜200 μmでかさ密度0.46〜0.59g/cm3
の炭素繊維粉体」、「平均粒径0.1 μm〜0.25μmでか
さ密度0.54〜0.67g/cm3 の二酸化チタン粉体」、「平均
粒径3 〜30μmでかさ密度0.60〜1.04g/cm3 の炭酸カル
シウム粉体」、「平均粒径130 μmでかさ密度0.53g/cm
3 の塩化ビニル樹脂粉体」、「平均粒径110 〜140 μm
でかさ密度0.65g/cm3 のポリメタクリル酸メチル粉
体」、「平均粒径1.8 〜2.2 μmでかさ密度1.45g/cm3
のバリウムフェライト粉体」、「平均粒径0.3 〜0.3 μ
mでかさ密度0.18〜0.28g/cm3 のシリコンパウダー」が
挙げられる。
【0029】以上のように構成されるこの吸音剤では、
発泡性樹脂バインダー3が発泡して固体化していること
によって、それぞれの繊維1を接合保持すると共に、繊
維1と粉体2とを接合保持している。また、それぞれの
繊維1は互いに空隙4を有して接合保持されると共に、
この空隙4内に粉体が接合保持されている。また、発泡
性樹脂バインダー3は内部に気泡を有して繊維1間の空
隙4のかなりの部分を占めているので、粉体2と繊維1
とを接合保持する確率が高くなっている。
【0030】このような構造によって、粉体2は確実に
繊維1間の空隙4に保持されると共に、粉体2が存在す
ることによって、低周波域の吸音率が向上している。ま
た、発泡性樹脂バインダー3が内部に気泡を有して繊維
1間の空隙4のかなりの部分を占めているにもかかわら
ず、ヤング率が低いものになっている。このため、特に
低周波域においても良好な吸音特性を有し、粉体2のこ
ぼれによる性能劣化を起こしにくく、リスニングルーム
の音響特性の改善、壁または天井の遮音、機械騒音の抑
制などの用途に好適な吸音材となっているものである。
【0031】また、以上のような吸音材を製造するに
は、繊維1と粉体2と発泡性樹脂バインダー3とを混合
し、発泡性樹脂バインダー3の発泡温度以上の温度で発
泡させることによって行うことができる。このとき繊維
1としては、通常、繊維1をバラバラにした状態のもの
を用いるが、マット状またはシート状に形成されたもの
も用いることができる。この場合、粉体2を分散させた
発泡性樹脂バイダー3の溶液をマット状またはシート状
に形成された繊維1に含浸、乾燥させて繊維1と粉体2
と発泡性樹脂バインダー3とを混合した状態とすること
ができる。
【0032】また、前もって、繊維1の表面に発泡性樹
脂バインダー3を塗布処理し、この繊維1と粉体2とを
混合すること、または、粉体2の表面に発泡性樹脂バイ
ンダー3を塗布処理し、この粉体2と繊維1とを混合す
ることによって、繊維1と粉体2と発泡性樹脂バインダ
ー3とを混合した状態とすることもできるものである。
さらに、繊維1の表面に発泡性樹脂バインダー3を塗布
処理すると共に、粉体2の表面に発泡性樹脂バインダー
3を塗布処理し、このようにした繊維1と粉体2とを混
合するようにしてもよいものである。この場合には、繊
維1と粉体2とのそれぞれになじみのよい発泡性樹脂バ
インダー3を選定して、塗布処理することができるので
ある。
【0033】そして、いずれの場合も、このあと、発泡
性樹脂バインダー3の発泡温度以上の温度で発泡させて
固体化させることによって、粉体2が繊維1に一体に接
合保持された吸音材を得ることができる。また、このと
き、好みの形状に発泡させて固体化させることによっ
て、好みの形状の吸音材とすることができる。
【0034】また、繊維1と、粉体2と、発泡樹脂バイ
ンダー3との比率は用いる材料の種類によって異なる
が、おおよそ繊維1の重量比は20〜80%程度、発泡
性樹脂バインダー3の量は繊維1に対して5〜20重量
%程度が望ましいものである。特に発泡性樹脂バインダ
ー3の量がこれ以上になると、得られる吸音材のヤング
率が大きくなり、低周波域での吸音率が低下するので好
ましくない。
【0035】上記のように、繊維1または粉体2の表面
を発泡性樹脂バインダー3によって塗布処理すること
で、繊維1または粉体2の表面に発泡性樹脂バインダー
3が存在する確率が高くなるものである。したがって、
繊維1と粉体2との接合保持が確実になり、粉体2がこ
ぼれにくい吸音材を製造することができる。
【0036】以下に具体的な吸音材の製造に係る実施例
1ないし実施例5を説明する。 (実施例1)繊維1として繊維径50μmの木質ファイバ
ーと、粉体2として粒径180 〜250μmのバーミュキュ
ライトと、発泡性樹脂バインダー3として発泡性のフェ
ノール樹脂微粒体とを混合し、130℃で5〜8分間加
熱し、発泡性のフェノール樹脂微粒体を発泡硬化させて
吸音材を得た。このときの各材料の割合は、発泡性樹脂
バインダー3を繊維1の10重量%とし、繊維1、粉体
2、発泡性樹脂バインダー3をそれぞれ60、34、6
重量%としたものであって、以下の実施例2〜3におい
ても同様である。
【0037】(実施例2)実施例1において、粉体2と
して粒径2.3 μmのタルクを用い、その他は同一条件に
て実施して吸音材を得た。
【0038】(実施例3)繊維1として繊維径50μmの
木質ファイバーと、粉体2として粒径40μmのマイカ
と、発泡性樹脂バインダー3として発泡性のウレタン樹
脂とを用い、最初に木質ファイバー表面にウレタン樹脂
を塗布処理し、この木質ファイバーとマイカとを混合し
たのち、130℃で5〜8分間加熱し、ウレタン樹脂を
発泡硬化させて吸音材を得た。
【0039】(実施例4)実施例1において、繊維1と
して繊維径10μmのロックファイバーを用い、その他は
同一条件にて実施して吸音材を得た。なお、繊維1、粉
体2、発泡性樹脂バインダー3の比率については、それ
ぞれ50、45、5重量%としたものであって、以下の
実施例5おいても同様である。
【0040】(実施例5)実施例3において、繊維1と
して繊維径10μmのロックファイバーを用い、その他は
同一条件にて実施して吸音材を得た。
【0041】以下に、上記実施例と関連する比較例1〜
3を説明する。 (比較例1)繊維1として繊維径10μmのロックファイ
バーと、粉体2として粒径180 〜250 μmのバーミュキ
ュライトと、樹脂バインダーとしての熱可塑性ウレタン
樹脂(無発泡性)とを用い、最初にロックファイバー表
面にウレタン樹脂を塗布処理し、このロックファイバー
とバーミュキュライトとを混合したのち、130℃で5
〜8分間加熱し、ウレタン樹脂を熱融着させて吸音材を
得た。
【0042】(比較例2)実施例1において、粉体2を
除いて、その他は同一条件にて実施して吸音材を得た。
つまり、木質ファイバーと、発泡性のフェノール樹脂微
粒体とを混合し、130℃で5〜8分間加熱し、発泡性
のフェノール樹脂微粒体を発泡硬化させて吸音材を得た
ものである。
【0043】(比較例3)市販のロックウールフェルト
(密度130kg/m3)をそのまま吸音材とした。
【0044】以下に示す表1は、上記実施例1〜5およ
び比較例1〜3の構成材料などを一覧表にして示したも
のである。また、表2はこれらの実施例または比較例の
吸音材について、ヤング率、構造保持特性、吸音率のピ
ーク周波数の測定評価を行って一覧表にして示したもの
である。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】これらの性能評価条件について以下に説明
する。構造保特性とは、粉体2のこぼれにくさを示すも
のであって、ふるい上に吸音材を載せ、ふるいをシェー
カーで一定時間振動させ、この操作による重量減少率を
評価したものである。表2においては、重量減少率が3
%以下のものを○、3〜5%のものを△、5%以上のも
のを×として表している。
【0048】また、吸音率のピーク周波数は、JIS規
格A1405「管内法による建築材料の垂直入射吸音率
測定方法」に従って吸音材の厚みを36mmとして吸音率を
測定して求めたものである。
【0049】また、ヤング率は、図2に示すように、シ
リンダー型容器11内に測定対象の吸音材をサンプル5
として充填してから、その上に付加質量片6を載せる。
ついで、エキサイター7で加振し、チャージアンプ8を
介してインピーダンスヘッド9の振動加速度と付加質量
片6の振動加速度の伝達関数とをFETアナライザイー
12でとる。最後にパーソナルコンピューター10によ
り、伝達関数のピーク周波数からヤング率を算出してい
る。より具体的には、測定するサンプル5の上に厚み3
mmの鉄板を載せて測定した。
【0050】表2に示すように、いずれの実施例におい
ても、市販のロックウールをそのまま吸音材とした比較
例3と比べて、構造保特性は同等であり、吸音ピーク周
波数は低下しているので、低周波域での吸音率が向上し
ていることがわかる。また、粉体2を有しない比較例2
と比べても、同様に構造保特性は同等であり、さらに粉
体2を含むことによって吸音ピーク周波数が低下し、低
周波域での吸音率が向上していることがわかる。また、
発泡性のバインダーを用いない比較例1と比べて、構造
保特性が大きく向上していることがわかる。これは、発
泡性樹脂バインダー3によって、粉体2が強力に接合保
持されているためである。
【0051】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、発泡性樹脂バイ
ンダーによって、それぞれの繊維どうしおよび繊維と粉
体とを強固に接合保持し、かつ、それぞれの繊維が互い
に隙間を有し、この隙間内に粉体が接合保持される吸音
材となっている。そして、このような構造によって、粉
体は確実に繊維間の隙間に保持されると共に、粉体が存
在することによって、低周波域の吸音率が向上してい
る。
【0052】特に、発泡性樹脂バインダーは内部に気泡
を有して繊維間の空隙のかなりの部分を占めているの
で、粉体が確実に保持されると共に、ヤング率が低いた
めに低周波域の吸音率が向上しているものである。
【0053】したがって、低周波域においても良好な吸
音特性を有し、粉体のこぼれによる性能劣化を起こしに
くく、リスニングルームの音響特性の改善、壁または天
井の遮音、機械騒音の抑制などの用途に好適な吸音材と
なっている。
【0054】請求項2記載の発明は、請求項1記載の吸
音材のヤング率を105N/m2 以下としているため、低周
波域の吸音率が特に高くなっている。
【0055】請求項3記載の発明は、繊維と粉体と発泡
性樹脂バインダーとを混合して発泡させることによっ
て、繊維と粉体とを接合保持して一体化した吸音材が形
成される。このとき、好みの形状に発泡させることによ
って、好みの形状の吸音材とすることができる。
【0056】請求項4記載の発明は、繊維表面に発泡性
樹脂バインダーが存在する確率が高いので、繊維どうし
または繊維と粉体との接合保持が確実になりやすい。し
たがって、繊維間の隙間に粉体が確実に保持されて粉体
がこぼれにくい吸音材が製造できる。
【0057】請求項5記載の発明は、粉体表面に発泡性
樹脂バインダーが存在する確率が高いので、特に粉体と
繊維との接合保持が確実になり、粉体がこぼれにくい吸
音材が製造される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における吸音材の内部構造を
示す説明図である。
【図2】ヤング率を測定するシステムを示すブロック図
である。
【図3】従来例の吸音材の内部構造を示す説明図であ
る。
【図4】従来例の別な吸音材の内部構造を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 繊維 2 粉体 3 発泡性樹脂バインダー 4 空隙 5 サンプル 6 付加質量片 7 エキサイター 8 チャージアンプ 9 インピーダンスヘッド 10 パーソナルコンピューター 11 シリンダー型容器 12 FETアナライザー 13 孔
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年1月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】以上のように構成されるこの吸音では、
発泡性樹脂バインダー3が発泡して固体化していること
によって、それぞれの繊維1を接合保持すると共に、繊
維1と粉体2とを接合保持している。また、それぞれの
繊維1は互いに空隙4を有して接合保持されると共に、
この空隙4内に粉体が接合保持されている。また、発泡
性樹脂バインダー3は内部に気泡を有して繊維1間の空
隙4のかなりの部分を占めているので、粉体2と繊維1
とを接合保持する確率が高くなっている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】また、以上のような吸音材を製造するに
は、繊維1と粉体2と発泡性樹脂バインダー3とを混合
し、発泡性樹脂バインダー3の発泡温度以上の温度で発
泡させることによって行うことができる。このとき繊維
1としては、通常、繊維1をバラバラにした状態のもの
を用いるが、マット状またはシート状に形成されたもの
も用いることができる。この場合、粉体2を分散させた
発泡性樹脂バイダー3をマット状またはシート状に形成
された繊維1と混合させて、繊維1と粉体2と発泡性樹
脂バインダー3とを混合した状態とすることができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維間の空隙に発泡性樹脂バインダーを
    介在させて粉体を保持して成ることを特徴とする吸音
    材。
  2. 【請求項2】 ヤング率を105N/m2 以下として成るこ
    とを特徴とする請求項1記載の吸音材。
  3. 【請求項3】 繊維と粉体と発泡性樹脂バインダーとを
    混合し、発泡性樹脂バインダーの発泡温度以上の温度で
    発泡させることを特徴とする吸音材の製造方法。
  4. 【請求項4】 繊維の表面に発泡性樹脂バインダーを塗
    布処理し、この繊維と粉体とを混合し、発泡性樹脂バイ
    ンダーの発泡温度以上の温度で発泡させることを特徴と
    する吸音材の製造方法。
  5. 【請求項5】 粉体の表面に発泡性樹脂バインダーを塗
    布処理し、この粉体と繊維とを混合し、発泡性樹脂バイ
    ンダーの発泡温度以上の温度で発泡させることを特徴と
    する吸音材の製造方法。
JP6176295A 1994-07-28 1994-07-28 吸音材およびその製造方法 Withdrawn JPH0839596A (ja)

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