JPH0836100A - イオン照射装置 - Google Patents

イオン照射装置

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JPH0836100A
JPH0836100A JP6191065A JP19106594A JPH0836100A JP H0836100 A JPH0836100 A JP H0836100A JP 6191065 A JP6191065 A JP 6191065A JP 19106594 A JP19106594 A JP 19106594A JP H0836100 A JPH0836100 A JP H0836100A
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JP
Japan
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ion
ion beam
electric field
forming means
voltage
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Application number
JP6191065A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Agawa
阿川  義昭
Hideo Suzuki
英夫 鈴木
Tsuyoshi Aihara
強 相原
Takenao Miyatani
武尚 宮谷
Yuzo Sakurada
勇蔵 桜田
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Ulvac Inc
Original Assignee
Ulvac Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 [目的] イオン加速装置の加速管の前後で生成されて
いる不要イオンビームを除去し、試料上に到達する所要
イオンビームの純度を上げるようにしたイオン照射装置
を提供すること。 [構成] 高電圧ターミナル42と遮蔽箱41の間にあ
る加速管60の下流側に一対の偏向電極板2a、2b
と、Y方向走査プレート67の上流側にY方向走査プレ
ート保護板7と、X方向走査プレート68の上流側にX
方向走査プレート保護板8とが配設されている。一対の
偏向電極板2a、2bによって形成された電場により所
望イオンビームは所定角度偏向され、X方向走査プレー
ト67、Y方向走査プレート68の中心軸上を走行し試
料72上に照射されるが、不純物イオンビームは所定角
度には偏向されないので、Y方向走査プレート保護板7
ないしX方向走査プレート保護板8に遮断され、試料7
2上に到達しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はイオン照射装置に関し、
例えばイオン注入やイオンビーム分析に対し半導体産業
の量産用のみならず、研究用にも用いられるイオン照射
装置に関する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】図7乃至図10は従来例
を示すものであるが、これらの図において、ほぼ直方形
状のグランドレベルの遮蔽箱41内には高電圧ターミナ
ル42が配設されており、これは4本の絶縁支柱45に
よりグランドレベルに設けられた絶縁支柱板46上に支
持されている。高電圧ターミナル42からグランドレベ
ルまでの距離を等分割して中間ターミナル47が、これ
ら絶縁支柱45に巻装されており、これらと高電圧ター
ミナル42と及び中間ターミナル47、もしくは絶縁支
柱支持板46との間に図示しない抵抗体が接続されてい
る。
【0003】又、高電圧ターミナル42の側方には、電
力供給装置50が配設されており、これは電力ケーブル
シールドパイプ57により、その上端部が高電圧ターミ
ナル42内の各種機器に接続されている。本従来例の電
力供給装置50は、いわゆる絶縁トランスでなり、一次
側に商用電源が接続され、二次側が上方へと延びてい
て、その上端部はコロナシールド56を被覆させてい
る。
【0004】更に、電力供給装置50の側方には高電圧
電源装置(コックロフト・ウォルトン型の高電圧電源)
51が配設されており、この下端部において発振器52
の出力端子がケーブルを介して接続されている。コック
ロフト・ウォルトン型の高電圧電源装置51は公知のよ
うに構成され、ダイオード、コンデンサなどを段階的に
結合させた構成を有し倍電圧回路を構成するが、順次上
方へ行くに従い、昇圧され、本従来例では200kVの
最高電圧が得られ、上端部にはコロナシールド54を被
覆されており、これは接触棒55により高電圧ターミナ
ル42に接触されている。
【0005】高電圧ターミナル42内には、公知の構造
を有するイオン源43、質量分離磁石44、プラズマ発
生用電源P、引出電源R、ガスボックスQ、ガス供給パ
イプ49、真空配管53a、53b、53cなどが配設
されており、ガス供給パイプ49は、イオン源43とガ
スボックスQ内のガスボトルとの間に図示しないバルブ
や流量調節器などを介して取り付けられている。高電圧
ターミナル42の一側部には加速管60が接続されてお
り、これに連続してX−Y走査ユニット65及び注入室
66が設けられており、加速管60の他端部は遮蔽箱4
1と電気的に同レベル(アース)とされている。
【0006】又、高電圧ターミナル42と遮蔽箱41と
の間にはポンピングチューブ58が接続されており、こ
れには遮蔽箱41の外方に配設されたターボ分子ポンプ
61が接続され、これは図8に明示されるように、架台
62上に設置されている。
【0007】X−Y走査ユニット65内には、碍子を介
して平行に対向させ、ある空間を隔てた一対の偏向電極
板67a、67bからなるY方向走査プレート67及び
やはり同様な一対の偏向電極板68a、68bからなる
X方向走査プレート68がイオンビームの走行軸上に配
設されており、X−Y走査ユニット65の外壁には注入
室66とX−Y走査ユニット65内を排気するための真
空ポンプ64が取り付けられ、10-5Torr〜10-7
Torrの圧力に保たれている。
【0008】又、注入室66は、壁面から碍子などの絶
縁物を介して、マスク69、ファラデーゲージ70、プ
ラテン71が配設されており、プラテン71上には試料
72が所望イオンが照射される位置に取り付けられてい
る。プラテン71及びファラデーゲージ70でカップ状
を形成し、これらで受けられるイオンビームの電流を測
定するための電流計73が外部に設けられている。
【0009】従来例のイオン照射装置は以上のように構
成されるが、次にこの作用について説明する。
【0010】ガスボックスQ内に収納されている材料ガ
スをガス供給パイプ49を通してイオン源43に送り、
電力供給装置50により供給された電力によりイオン源
43でプラズマを生成する。この時、イオン源43内部
はプラズマを生成するために数10Torr〜10-2
orr内に圧力が維持されており、この状態でイオン源
43に20kV〜30kVの高電圧を印加しイオンビー
ムを引き出すが、イオン源43で印加電圧による放電を
起こさせないためにはイオン源43の出口の圧力は10
-5Torr程度に維持する必要がある。このためポンピ
ングチューブ58とターボ分子ポンプ61を使用してイ
オン源43を差動排気させる。
【0011】イオン源43から引き出されたイオンビー
ムは、質量分離磁石44に入射し、質量と価数とイオン
加速電圧(イオンビームのエネルギを価数で除した値)
から得られる軌道曲率半径が所望イオンビームと不純物
イオンビームで異なることで選択分離されるが、偶然に
も所望イオンビームの軌道曲率半径に等しい不純物イオ
ンビームが存在すると、質量分離磁石44で分離するこ
とができない。そこで、高電圧ターミナル42内のイオ
ン加速電圧フィルタ48で、高電圧ターミナルに対して
20kV程度のプラス電圧をエネルギ加速電圧フィルタ
48に内蔵されている金属円筒体48aに印加し、電位
的な障壁空間を形成し、質量分離磁石44を偶然通過し
た不純物イオンビームをそのイオンビームが持っている
イオン加速電圧で分離する。
【0012】その後、イオンビームは加速管60に入射
するが、ここで高電圧発生装置51により200kV超
級の電圧に印加された高電圧ターミナル42のレベルよ
りグランドレベルまで加速される。グランドレベルつま
り遮蔽箱41の加速管60の終端まで到達したイオンビ
ームは、X−Y走査ユニット65内のY方向走査プレー
ト67、X方向走査プレート68に印加された三角波の
高周波の電場の周期に従って振動され、イオンビームの
走行方向に対しそれぞれ垂直方向、水平方向に偏向され
る。この時、X方向走査プレート68には直流の電圧が
高周波に対し重量され印加されているため、イオンビー
ムの走行方向の水平面に対しては更にα°偏向され、こ
のα°偏向されたラインを中心にして振動し偏向する。
Y方向走査プレート67、X方向走査プレート68を通
過したイオンビームは、照射面積を限定するためのマス
ク69と、照射されたイオンビームの電流値を正確に測
定するためにプラテン71とカップ状に形成できるファ
ラデーゲージ70とを通過し、プラテン71上にセット
された試料72に均一に注入される。
【0013】なお、加速管60内で発生したX線(これ
は加速イオンビームが加速管60内の残留ガスを電離、
又は電極との衝突により生ずる二次電子により生ずるも
のである。)は、遮蔽箱41によって外部に漏れること
が防止される。又、コロナシールド54及び56は、コ
ロナ放電を発生させないために、ある曲率以上の球形を
している。
【0014】又、各中間ターミナル47間、もしくはこ
れと高電圧ターミナル42との間又は絶縁支柱支持板4
6との間は図示しない抵抗体により強制的に高電圧ター
ミナル42とグランドレベルとの間を等分割した電位と
している。これにより中間ターミナル47や絶縁物の表
面の帯電が原因でなる電場の乱れやイオンビームの変動
(負荷変動)による発生電圧の変動などで電場の撹乱が
起こっても、放電する確率を低減させており、又、電圧
を長時間安定に発生し得るようにしている。
【0015】次に本発明が解決しようとする問題点に係
わるコンタミネーション除去機構について特に図9を参
照して説明する。
【0016】イオン源43から引き出されたイオンビー
ムには、種類、質量、価数などの違うイオンビームが混
在しており(BF+ 、BF2 +10+112 +11
+112+など)、引き出し電圧が例えば30kVであ
れば、二価すなわちB2+は2×30=60keVの加速
エネルギを得るが、一価B+ であれば30keVの加速
エネルギを得る。ここでは、この加速エネルギを価数で
除した値をイオン加速電圧と称する。従って、B2+であ
れば価数が2であるのでイオン加速電圧は30kVであ
り、B+ であれば価数が1であるのでイオン加速電圧は
30kVである。質量分離磁石44内には、混在してい
るイオンビームが導入され、この中には例えばイオン源
43から出た後に、B2 +で30keVの加速エネルギを
持ったものはイオン加速電圧は価数が1であるので30
kVであるが、質量分離磁石44内に入射する直前でB
とB+ に分離することがあり、この場合にはエネルギが
等価に分けられ15keVづつにエネルギが付与され
る。
【0017】質量分離磁石44では、磁場Bと曲率半径
ρの積がイオンの質量M、イオン加速電圧V、価数eの
逆数の積に比例することと、磁場が一定であることとに
より、曲率半径ρの違いでイオンビームを分離し、図示
しないスリットを通過させることによって所望イオンビ
ーム(ここではB2+とする。)を選択する。しかし、上
述したようにイオンビームの質量M、イオン加速電圧
V、価数eは異なるが、曲率半径ρの等しい不純物イオ
ンビーム、ここでは30kVのイオン加速電圧をもつB
2+に対して、15kVのイオン加速電圧をもつB+ のこ
とを示すが、これは質量分離磁石44で分離できない。
そのため、この不純物イオンビームも所望イオンと同様
に質量分離磁石44を通過した後、イオン加速電圧フィ
ルタ48に導入される。
【0018】イオン加速電圧フィルタ48は図1で示す
ように、金属円筒体48aが碍子を介して内蔵されてお
り、これには約20kVのプラスの電圧が印加されてい
るので、金属円筒体48aの表面においてはこの電位で
あり、中心軸においてはこれより低く17kV程度にな
って電位的障壁となっているが、上述の15keVのエ
ネルギを持つB+ は金属筒体48aに衝突するか反発さ
れてここを通過することができない。そのため、質量分
離磁石44において分離できなかった不純物イオンビー
ムをこのイオン加速電圧フィルタ48で分離し、所望の
イオンビームのみを通過させることができる。
【0019】なお、ここではイオン加速電圧フィルタ4
8の金属円筒体48aに加える電圧を20kVとした
が、金属円筒体48aの大きさによっては、更に大き
く、あるいは小さくしてもよく、要するに中心軸線上の
電位レベルが不要なイオンが通過できない高さになって
いればよい。
【0020】イオンビームはイオン加速電圧フィルタ4
8を通過後、高電圧ターミナル42内の真空配管53c
内に残留している中性分子と衝突し、様々な価数のイオ
ンビーム(B+ 、B2+、Bなど)に変化するが、上述し
たようにイオン加速電圧フィルタ48を通過した後のイ
オンビームのイオン加速電圧は30kVであるので、こ
れらのイオンビームのエネルギはどれも60keVであ
る。これらの価数、B+ 、B2+、Bに変化したイオンビ
ームが、例えば加速電圧が70kVの加速管60に入射
すると、一価イオンビームB+ はイオン加速電圧が60
kVであるので130kVに加速され、二価イオンビー
ムB2+はイオン加速電圧が30kVであるので100k
Vに加速され、中性分子Bは価数をもたないので加速さ
れずにX−Y走査ユニット65に入射し、更にX−Y走
査ユニット65内の残留分子とも衝突し、これらのイオ
ンビームが一価、二価、三価と変化することで図9に示
される様々なエネルギと価数をもつイオンビームが形成
される。
【0021】これらのイオンビームは、次にY方向走査
プレート67、X方向走査プレート68を通り、走行方
向に対してそれぞれ垂直方向、水平方向に偏向される
が、それぞれのイオンビームがもつイオン加速電圧の違
いにより偏向角及び照射範囲が異なる。図9に照射量
(図9の74は各エネルギの各イオンの照射量の大きさ
を示す。)が無視できないイオンビームの照射位置及び
照射範囲を示し、図10のハッチングした部分A’は所
望イオンビームを示すが、これらのイオンビームはX方
向走査プレート68よりY方向走査プレート67に先に
入射するので、照射範囲は図10に示すように照射位置
と偏向される位置との距離の違いによりY方向を長径と
する四角形になる。しかし、実際のイオンビームはX方
向走査プレート68を通過後、円形の開口を有するマス
ク69に入射され、マスク69と走査プレートの位置が
離れているイオンビームのY方向はマスク69によって
X方向より多く遮断されるので、実際に試料72上に照
射されるイオンビームは、X方向を長径とする楕円(図
10の多数の点の集合で示す。)の範囲Qとなる。更に
図10に示されるように、イオン加速電圧が小さいほど
角度が曲り、照射面積が大きく、200kVのイオン加
速電圧を持つB+ は0.5α°の角度で曲げられ、A1
の照射面積で照射され、130kVのイオン加速電圧を
持つB+ は0.77α°でA2 、60kVのイオン加速
電圧を持つB+ は1.7α°でA4 の照射面積で照射さ
れ、A1 、A2 、A’、A4 の照射面積がこの順序でず
れて重なり合っているので、実際に照射されるイオンビ
ームの範囲Qには、200keVのエネルギのB2+の所
望イオンだけでなく、200keVのB+ イオンと13
0keVのB+ イオン又は60keVのB+ イオン又は
60keVのB+ イオンが加えて照射されている。
【0022】
【発明が解決しようとする問題点】従来のイオン照射装
置では、質量分離磁石44、イオン加速電圧フィルタ4
8を通過した後のイオンビームでも、真空配管53c、
加速管60、X−Y走査ユニット65内の残留分子と衝
突し、様々なエネルギと価数をもつイオンビームに変化
するため、質量分離磁石44、イオン加速電圧フィルタ
48を通過したにもかかわらず、所望イオンビームのみ
が照射されることはない。このため、ドーパントの深さ
方向の分布を所定の設計通り制御できず、又、試料72
上に単一なイオンビームを均一に照射できないので、イ
オン注入プロセスでのエネルギ汚染が起こる。
【0023】本発明は上述の問題に鑑みてなされ、プラ
テンの試料上に到達する所望イオンビームの純度を高く
し、エネルギ汚染を著しく改善することのできるイオン
照射装置を提供することを目的とする。
【0024】
【問題点を解決するための手段】以上の目的は、少なく
ともイオン源及び質量分離磁石を内蔵させたケーシング
を地上より所定の高さに配設させ、高電圧電源装置によ
り前記ケーシングに所定の高電圧を印加し、前記ケーシ
ングと、該ケーシングを電磁気的に遮蔽するシールドボ
ックスとの間に加速管を接続したイオン加速装置と、該
イオン加速装置の前記加速管側に接続され、該加速管か
ら導出されるイオンビームを該加速管の軸方向に対し第
1方向に第1の所定角度を偏向させる第1電場形成手段
と、前記第1方向に対し直角である第2方向に第2の所
定角度を偏向させる第2電場形成手段と、該第2電場形
成手段から導出されるイオンビームを照射される試料を
配設させている照射室とを備えたイオン照射装置におい
て、前記加速管と前記第1電場形成手段との間に前記加
速管の軸方向に関し、所要イオンビームを前記第1電場
形成手段に向かうように第3の所定角度を偏向させる不
要イオンビーム除去用電場又は磁場形成手段と、該電場
又は磁場形成手段と前記第1電場形成手段との間にスリ
ット形成手段を設け、該スリット形成手段に前記電場又
は磁場形成手段により前記第3の所定角度で偏向されな
かった不要のイオンビームを衝突させ、該スリット形成
手段を前記第3の所定角度で偏向した所要のイオンビー
ムのみを通過させるようにしたことを特徴とするイオン
照射装置、によって達成される。
【0025】
【作用】所要イオンビームが、高電圧ターミナル内の真
空配管内や加速管内に残留している中性分子と衝突し不
要イオンビームとなるものもあるが、前記加速管の下流
側に電場又は磁場形成手段を設け、そこを通過する際に
所要のイオンビームのみが試料上に照射されるように所
定角度で所要イオンビームを第1電場形成手段に向うよ
うに偏向させ、その他の不要イオンビームは所定角度で
は偏向されないので、配管中にあるスリット形成手段に
遮断され照射室までは到達することがなく、従来より大
巾に純度の高い所要イオンビームがプラテン上に導かれ
ることになる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例によるイオン照射装置
について図1を参照して説明する。なお、従来例に対応
する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明
は省略する。
【0027】従来例と同様に、遮蔽箱41の床上に20
0kV以上の耐電圧を有する絶縁支柱45が数本立てら
れており、絶縁支柱45の上に高電圧ターミナル42が
設置され、200kVの電圧が印加されている。高電圧
ターミナル42内には、20kVの直流電圧が印加され
た金属円筒体48aを内蔵するイオン加速電圧フィルタ
48や真空配管53cなどが配設されており、この高電
圧ターミナル42と遮蔽箱41の間には加速管60が設
けられている。
【0028】又本実施例によれば、加速管60の遮蔽箱
41側には、外周部に半径方向に対向して2本の電流導
入端子1a、1bを取り付けたコンタミネーション除去
ユニットチャンバ6が取り付けられており、この内部に
は、該電流導入端子1a、1bに接続されている2つの
矩形金属平板のコンタミネーション除去電極板2a、2
bが、ある空間を隔てて平行に、内壁に碍子を介して取
り付けられている。この電流導入端子1a、1bには高
圧ケーブル3a、3bを介してバイポーラ(両極性)直
流出力電源4に接続されており、下側のコンタミネーシ
ョン除去電極板2bにはマイナス側の、上側のコンタミ
ネーション除去電極板2aにはプラス側の絶対値が等し
い直流電圧が印加されている。コンタミネーション除去
ユニットチャンバ6の他端には斜めに接続された真空配
管5を介してX−Y走査ユニット65が取り付けられて
おり、該X−Y走査ユニット65は、従来と同様にY方
向走査プレート67、X方向走査プレート68を有する
が、本実施例では矩形のスリット7a、8aを中央に有
するY方向走査プレート保護板7とX方向走査プレート
保護板8が、それぞれY方向走査プレート67、X方向
走査プレート68の上流側のX−Y走査ユニット65内
壁に固定されている。X−Y走査ユニット65の下流側
には従来例と同様に注入室66が設けられており、内部
にはマスク69と、ファラデーゲージ70と、イオン注
入時には該ファラデーゲージ70とカップ状を成してイ
オンビーム電流をモニタするようなプラテン71とが配
設され、外部にはそのイオンビーム電流を測定する電流
計73が取り付けられている。
【0029】なお、高電圧ターミナル42内部は10-5
Torr、イオン源43内部は10-3Torr、X−Y
走査ユニット65と注入室66の内部は10-5〜10-7
Torr程度に真空排気されている。
【0030】本発明の実施例によるイオン照射装置は、
以上のように構成されるが、次にこの作用について説明
する。
【0031】従来と同様の方法で発生したイオンビーム
は、質量分離磁石44とイオン加速電圧フィルタ48を
通り、それぞれ質量、イオン加速電圧の違いにより所望
イオンビームを不純物イオンビームから選択分離する。
選択分離された所望イオンビームはその後、真空配管5
3c、加速管60、コンタミネーション除去ユニットチ
ャンバ6へと走行するが、この走行中に所望イオンビー
ムは、従来例と同様に真空配管53c中と加速管60中
の残留の中性分子及び中性原子と衝突を繰り返し、様々
な価数とエネルギを持つイオンビームAが形成される。
この形成された様々なイオンビームAが、コンタミネー
ション除去ユニットチャンバ6内に入ると、この時には
電流導入端子1a、1bにバイポーラ直流出力電源4か
らの出力電圧が印加されコンタミネーション除去電極板
2a、2bの空間に下向きの電場(上方が正電位で下方
が負電位)が形成されているので、全てのイオンビーム
Aが偏向角度の違いはあるにせよ、マイナス側へ偏向さ
れる。所望のエネルギと価数をもつイオンビームA’
が、X−Y走査ユニット65、注入室66の中心軸上を
走行するような所定角度(β°で示す。)で偏向される
ように、コンタミネーション除去電極板2a、2bに電
圧がかけられており、所望イオンビームA’は、この電
場で所定角度に偏向された後、Y方向走査プレート保護
板7のスリット7aを通過し、Y方向走査プレート67
で走行方向に対して垂直面上に所定角度偏向され、更に
X方向走査プレート保護板8のスリット8aを通過し、
X方向走査プレート68で走行方向に対して水平面上に
所定角度偏向され、プラテン71上の試料72に到達す
る。
【0032】他のエネルギと価数の違うイオンビーム
(中性原子A0 、イオンA1 、A2 、A3 、A4 )は、
コンタミネーション除去ユニットチャンバ6内で所定角
度には偏向されないので、X−Y走査ユニット65、注
入室66の中心軸上を走行せず、上述のX−Y走査ユニ
ット65内に設けたY方向走査プレート保護板7又はX
方向走査プレート保護板8に衝突し遮断され、注入室6
6にあるプラテン71上の試料72までは到達しない。
【0033】又、コンタミネーション除去ユニットチャ
ンバ6を通過後のイオンビームA’のエネルギは、コン
タミネーション除去ユニットチャンバ6が加速管60の
下流側に連接されており加速管60で加速された後なの
で、高電圧ターミナル42内のイオン源43から引き出
された後より高く、そのため残留ガスとの衝突断面積が
小さくできることと、X−Y走査ユニット65内はガス
ボックスQやイオン源43の低真空領域から離れている
ので高電圧ターミナル42の内部真空より高真空に保て
る、つまり所望イオンビームと衝突して不純物イオンビ
ームとなる残留ガスを少なく保持することが可能である
こととにより、所望するイオンビームがコンタミネーシ
ョン除去ユニットチャンバ6を通過後には、X−Y走査
ユニット65と注入室66内の残留ガスと衝突し不純物
イオンビームになることを最小限に抑えることが本発明
の実施例によれば可能である。
【0034】以上述べたように本発明の実施例によれ
ば、加速管60の下流側に一対の偏向電極板2a、2b
と、Y方向走査プレート67、X方向走査プレート68
の上流側にそれぞれY方向走査プレート保護板7とX方
向走査プレート保護板8などのスリット形成手段とを設
けることによって、不純物イオンビームを除去でき、エ
ネルギ汚染を少なくすることができる。
【0035】以上、本発明の実施例について説明した
が、勿論、本発明はこれに限定されることなく、本発明
の技術的思想に基いて種々の変形が可能である。
【0036】例えば以上の実施例では、不純物イオンビ
ームを偏向させるためにコンタミネーション除去ユニッ
トチャンバ6内に一対の平行な偏向電極板2a、2bを
設け、電場によってイオンビームを偏向させたが、図2
のように一対の偏向電極板2a、2bの代わりに電磁石
9を設け、磁場によってイオンビームを偏向させてもよ
い。
【0037】又、以上の実施例では、イオンビームを走
行方向に対し先に垂直面上で偏向させたが、図3のよう
に、X方向走査プレート68とY方向走査プレート67
とを入れ換えて、イオンビームを走行方向に対して先に
水平面上で偏向させても本発明の適用は可能である。
【0038】更に以上の実施例では、それぞれの走査プ
レート67、68の上流側に矩形のスリットを有する保
護板7、8を設けたが、スリットの形状は円形でもよ
く、これら保護板7、8の代わりに他のスリット形成手
段、例えば図4のようにX−Y走査ユニット65の入口
部65aを狭め、入口部65aの内壁に不純物イオンビ
ームを衝突させ遮断させるようにしてY方向走査プレー
ト保護板7の代わりをさせる様にしてもよい。
【0039】又、本実施例ではコンタミネーション除去
電極板2a、2bを電流導入端子1a、1bの先端に取
り付けたが、この設置方法を図5及び図6のように、コ
ンタミネーション除去電極板12a、12bをコンタミ
ネーション除去ユニットチャンバ6の内壁に碍子10を
介して取り付け、コンタミネーション除去電極板12
a、12bとやや距離をおいてコンタミネーション除去
ユニットチャンバ6内に配設されている電流導入端子1
1a、11bにケーブルや金属導線15a、15bを介
して接続してもよいし、更にバイポーラ直流出力電源4
の代わりに、正負の絶対値の等しい直流電圧を印加する
直流電源4a、4bを別々に設けてもよい。なお、これ
らの直流電源4a、4bは他方が接地されている。
【0040】本実施例では、従来例のようにY方向走査
プレート67に三角波電圧、X方向走査プレート68に
直流電圧が重畳されている三角波電圧をそれぞれ印加し
て、イオンビームをある範囲で振動させ偏向させたが、
Y方向走査プレート67、X方向走査プレート68に一
定の電場を加えて一定方向にのみ偏向させ照射させる様
にしても本発明の適用は可能である。本願明細書で、第
1の所定角度及び第2の所定角度は、このように一定で
も、つまり点照射でもよいし、三角波の電圧を印加して
振動させ、面照射となるようにしてもよい。
【0041】更に上記実施例では、電気的障壁部である
イオン加速電圧フィルタ48を設けたが、イオン加速電
圧フィルタ48を配設せずに、質量分離磁石44を通過
後すぐに加速管60にイオンビームが入射するようなイ
オン加速装置でも本発明は適用可能である。
【0042】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のイオン照射
装置によれば、イオン加速装置の加速管の前後で、残留
ガスと衝突し生成している不純物イオンビームを除去す
ることができ、所望イオンの純度を上げ、エネルギ汚染
を著しく改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるイオン照射装置の要部の
断面正面図である。
【図2】本発明の第1変形例の要部の断面正面図であ
る。
【図3】本発明の第2変形例の要部の断面平面図であ
る。
【図4】本発明の第3変形例の要部の断面正面図であ
る。
【図5】本発明の第4変形例の要部の断面正面図であ
る。
【図6】同断面側面図である。
【図7】従来例のイオン照射装置の断面平面図である。
【図8】同断面正面図である。
【図9】従来例のイオンビームの径路と生成イオンを示
す模式図である。
【図10】従来例の所望イオンビームと不純物イオンビ
ームのプラテン上の照射範囲と照射位置を示す模式図で
ある。
【符号の説明】
2a コンタミネーション除去電極板 2b コンタミネーション除去電極板 6 コンタミネーション除去ユニットチャンバ 7 Y方向走査プレート保護板 8 X方向走査プレート保護板 41 遮蔽箱 42 高電圧ターミナル 48 イオン加速電圧フィルタ 48a 金属円筒体 60 加速管 65 X−Y走査ユニット 66 注入室 67 Y方向走査プレート 68 X方向走査プレート 72 試料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/027 H01L 21/30 551 (72)発明者 宮谷 武尚 神奈川県茅ケ崎市萩園2500番地 日本真空 技術株式会社内 (72)発明者 桜田 勇蔵 神奈川県茅ケ崎市萩園2500番地 日本真空 技術株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともイオン源及び質量分離磁石を
    内蔵させたケーシングを地上より所定の高さに配設さ
    せ、高電圧電源装置により前記ケーシングに所定の高電
    圧を印加し、前記ケーシングと、該ケーシングを電磁気
    的に遮蔽するシールドボックスとの間に加速管を接続し
    たイオン加速装置と、該イオン加速装置の前記加速管側
    に接続され、該加速管から導出されるイオンビームを該
    加速管の軸方向に対し第1方向に第1の所定角度を偏向
    させる第1電場形成手段と、前記第1方向に対し直角で
    ある第2方向に第2の所定角度を偏向させる第2電場形
    成手段と、該第2電場形成手段から導出されるイオンビ
    ームを照射される試料を配設させている照射室とを備え
    たイオン照射装置において、前記加速管と前記第1電場
    形成手段との間に前記加速管の軸方向に関し、所要イオ
    ンビームを前記第1電場形成手段に向かうように第3の
    所定角度を偏向させる不要イオンビーム除去用電場又は
    磁場形成手段と、該電場又は磁場形成手段と前記第1電
    場形成手段との間にスリット形成手段を設け、該スリッ
    ト形成手段に前記電場又は磁場形成手段により前記第3
    の所定角度で偏向されなかった不要のイオンビームを衝
    突させ、該スリット形成手段を前記第3の所定角度で偏
    向した所要のイオンビームのみを通過させるようにした
    ことを特徴とするイオン照射装置。
  2. 【請求項2】前記ケーシング内において、前記質量分離
    磁石と前記加速管との間に、イオン加速電圧フィルタを
    配設し、該イオン加速電圧フィルタは前記ケーシングに
    対し絶縁物を介して支持された金属筒体と該金属筒体に
    前記イオン源から引出されるイオンで、前記質量分離磁
    石から導出される不要イオンのイオン加速電圧よりは高
    いが所要イオンのイオン加速電圧よりは低い電位を与え
    るように前記金属筒体に直流電圧を印加させる直流電源
    とから成り、前記質量分離磁石から導出されるイオンの
    うち、所要のイオン加速電圧をもつイオンのみを通過さ
    せるようにした請求項1に記載のイオン照射装置。
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