JPH07325200A - イオン加速装置 - Google Patents

イオン加速装置

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JPH07325200A
JPH07325200A JP14119194A JP14119194A JPH07325200A JP H07325200 A JPH07325200 A JP H07325200A JP 14119194 A JP14119194 A JP 14119194A JP 14119194 A JP14119194 A JP 14119194A JP H07325200 A JPH07325200 A JP H07325200A
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JP
Japan
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ion
slit plate
casing
ion source
mass separation
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Application number
JP14119194A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Agawa
阿川  義昭
Seiji Ogata
誠司 小方
Hidekazu Yokoo
秀和 横尾
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Ulvac Inc
Original Assignee
Ulvac Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 [目的] イオン源及び質量分離磁石の位置を固定して
も及び形状一定でもイオン加速管に導入する所望のイオ
ンの電流値を容易に最大に調整し得るイオン加速装置を
提供すること。 [構成] 駆動スリットチャンバ80内にケーシング8
1をその底壁部に固定し、この下流側端壁部には真空モ
ータ84を取り付け、この駆動軸とカップリング80を
介してねじロッド86を他の端壁に取り付けたベアリン
グ87で回動可能に支持させケーシング81の上端面
に、スリット板88を支持する支柱90に固定させた駆
動板89を摺動自在に支持させ、これに固定させたねじ
ブロックSをねじロッド86に螺合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はイオン加速装置に関し、
例えばイオン注入やイオンビーム分析に対し半導体産業
の量産用のみならず、研究用にも用いられるイオン加速
装置に関する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】図4至図12は従来例の
イオン加速装置を示すものであるが、これら図において
グランドシールドボックス41内には、高電圧ターミナ
ル42がグランドレベルより所定の高さに配設されてお
り、これは4本の絶縁支柱45によりグランドレベルに
設けられた絶縁支柱支持板46上に支持されている。高
電圧ターミナル42からグランドレベルまでの距離を等
分割して中間ターミナル47が、これら絶縁支柱45に
巻装されており、これらと高電圧ターミナル42と及び
中間ターミナル47、もしくは絶縁支持板46との間に
抵抗体48が接続されている。
【0003】また高電圧ターミナル42の側方には、電
力供給装置50が配設されており、これは電力ケーブル
シールドパイプ57により、その上端部が高電圧ターミ
ナル42に接続されている。本従来例の電力供給装置5
0は、いわゆる絶縁トランスでなり、一次側に商用電源
が接続され、二次側が上方へと延びていて、その上端部
はコロナシールド56を被覆させている。
【0004】更に電力供給装置50の側方には高電圧電
源用スタック(コックロフト・ウォルトン型の高電圧電
源)51が配設されており、この下端部において発振器
52の出力端子がケーブルを介して接続されている。コ
ックロフトウォルトン型の高電圧電源装置51は公知の
ように構成され、ダイオード、コンデンサなどを段階的
に結合させた構成を有し、倍電圧回路を構成するが、順
次上方へ行くに従い、昇圧され、本従来例では200k
V〜400kVの最高電圧が得られ、上端部にはコロナ
シールド54を被覆されており、これは接触棒55によ
り高電圧ターミナル42に接続されている。
【0005】高電圧ターミナル42内には公知の構造を
有するイオン源43や質量分離磁石44が配設されてお
り、高電圧ターミナル42の一側壁部には、加速管60
が接続されており、この一端部はグランドシールドボッ
クス41と電位的に同レベルとされている。
【0006】また高電圧ターミナル42とグランドシー
ルドボックス41との間にはポンピングチューブ49が
接続されており、これにはグランドシールドボックス4
1の外方に配設されたターボ分子ポンプ61が接続さ
れ、これは図6に明示されるように、架台62上に設置
されている。更に加速管60の下流側に接続されるQレ
ンズ147には加速管60の内部を排気するための加速
管排気ユニット148が取り付けられている。
【0007】高電圧ターミナル42内には、更にガスボ
ックス64が設けられ、これはガス導入パイプ63を介
してイオン源43と接続されている。
【0008】従来のイオン加速装置は以上のように構成
されるが、次にこの作用について説明する。
【0009】電力供給装置50により供給された電力に
より、ガスボックス64内に収納されている材料ガスを
3〜6sccmの流量でガス導入パイプ63を通してイ
オン源43内に送り、イオン源43内でプラズマを形成
しイオンをイオン源43より引き出す。この時、イオン
源43内部はプラズマを形成するため数10Torr〜
10-2Torr内に圧力が維持されている。この状態で
イオン源43に20kVから30kVの高電圧を印加
し、イオンを引き出すが、イオン源43で印加電圧によ
る放電を起こさないためにはイオン源43の出口の圧力
は10-5Torr程度に維持しなくてはならない。この
ためポンピングチューブ49とターボポンプ61を使用
してイオン源43を差動排気する。イオン源43で形成
されたイオンはこのイオン源43より引き出された後に
質量分離磁石44によって選別され、高電圧発生装置5
1により200kV超級の電圧に印加された高電圧ター
ミナル42より加速管60を通してグランドシールドボ
ックス42のレベルまで加速される。
【0010】なお加速管60内で発生したX線(これは
加速イオンが加速管内の残留ガスを電離、または電極と
の衝突により生ずる二次電子により生ずるものであ
る。)は、グランドシールドボックス41によって外部
にもれることが防止される。またコロナシールド54及
び56はコロナ放電を発生させないために、ある曲率以
上の球形をしている。
【0011】また、各中間ターミナル47間もしくはこ
れと高電圧ターミナル42との間または絶縁支柱支持板
46との間は抵抗48により強制的に高電圧ターミナル
42とグランドレベルとの間を等分割した電位としてい
る。これにより中間ターミナルや絶縁物表面の帯電が原
因でなる電場の乱れやイオンビームの変動(負荷変動)
による発生電圧の変動などで電場の攪乱が起こっても、
放電する確率を低減させており、また電圧を長時間安定
に発生し得るようにしている。
【0012】次に本発明が解決しようとする問題点に係
わるイオンビームBの径路について特に図7を参照して
説明する。
【0013】イオン源43にはイオン放出口43aが形
成されており、これに対向して加速・減速電極70、更
にこの下流側に引出し電極71が配設されており、これ
らに形成された開口70a、71aはイオン源43の放
出口43aに整列している。質量分離磁石44の詳細な
構造は図8に示されているが、これは一対の円弧状の磁
極76a、76bとから成っているが、これらを磁気的
に接続するヨーク部Yが一体的に形成されており、この
垂直アーム部にコイルCが巻装されている。これに直流
電源が接続され、磁極76a、76b間にN極76bか
らS極76aに向かって磁束Hが空隙内に発生する。
この空隙内に断面が長方形状の分析管75が嵌挿固定
されており、この上流側端部にはイオン流導入口及びそ
の下流側端部にはイオン流導出口が形成されている。図
をわかり易くするために図7では図8の一点鎖線で示す
ヨーク部分Yを省略して示している。更に磁極76a、
76bの周縁部はテーパ76aa、及び76baとされ
ており、分析管75内に有効に磁束を挿通させるように
構成されている。又、図8に示すように本従来例の磁極
76a、76bの中心角は角θであり、又その上流側端
部、下流側端部とこのθが90度である場合のこの端部
とのなす角度は切り角と称せられ、図9に示すようにα
(斜め入射角とも言われる)及びβ(斜め出射角とも言
われる)とされている。なお図7、図8及び図9でθの
大きさは異なっているが図をわかり易くするためであ
り、同一とする。又、図8では磁束Hは磁極76a、7
6b間でもれがないように図示しているが、実際には切
り角α、βの範囲内にもれがあり(H’で示す)、従っ
てこの範囲でもイオン流は曲がり、結果として図9に示
すように偏向角は90度となっている。
【0014】以上のような質量分離磁石44の下流側に
は所定の位置に分析スリット板72が固定されており、
これに垂直方向に長手状のスリット72aが形成されて
おり、ここを通過したイオンビームB1 がイオン加速管
60内に導入される。すなわち質量分離磁石44に導入
されるイオンビームBは公知の質量分離作用を受けて、
このうち所望のイオン流B1 がこのスリット72aを通
過するように構成され、その他のイオンビーム流B2
3 が分析スリット板72のスリット72aの両側に図
7で鎖線で示すように衝突し、加速管62には至らない
ようにしている。
【0015】イオン源43内には所望する量の材料ガス
(もしくは固体の場合は加熱した蒸気の状態で)を導入
して、更に図示されていないが高電圧ターミナル42内
に搭載されているプラズマ生成用電源より出力された電
力をイオン源43中に投入することにより、材料ガスが
解離し、更に電離してプラズマが生成される。この状態
で加速・減速電極70に向かって加速されるのである
が、イオン源43と引出し電極71との間には上述した
ように20乃至30kVの直流電源73が接続されてお
り、イオン源43側が正極とされており、又、加速・減
速電極70はイオン電源43に対し直流電源74により
1〜3kVの負電圧が相対的に印加される。イオン源4
3と加速・減速電極70との間には図示せずとも絶縁碍
子が嵌挿され、これが高電圧ターミナル42の底壁部に
固定されているのであるが、更にこれと引出し電極71
との間にも絶縁碍子が介在してこれらを絶縁している。
引出し電極71は高電圧ターミナル42と同電位であ
る。又図示せずともイオン源43のイオン放出口43
a、電極70、71及び質量分離磁石43の上流側端部
との間はイオンビームBを通す真空室として形成される
ように気密な壁で囲繞されており、これが分析管75内
と連通しているのであるが、更にこの下流側のイオン導
出口も加速管60との間でイオンビームB1 、B23
を真空内で流すように真空室を形成させるべく気密な壁
で囲繞されている。よってイオン源43からのイオンビ
ームBは図示するように加速・減速電極70、引出し電
極71、分析管75、分析スリット板76、イオン加速
管60の順路に沿って真空室内にあり、この室は10-5
乃至10-7のTorrとされている。なお加速・減速電
極70と引出し電極71とを合わせて引出電極ユニット
とも呼ばれている。
【0016】上述したようにイオン源43からのイオン
ビームBは加速・減速電極70の電位差でこれに向かっ
て加速され、グランド電極71の開口71aを通って質
量分離磁石44内に導入されるのであるが、イオンビー
ムBの性質、例えばエミッタンスやビームの広がり、輝
度などはイオン源43の放出口43aの近傍のプラズマ
の密度、加速・減速電極70の電圧とのバランスで定ま
るプラズマの界面と、その界面の形状、すなわち凹、又
は凸とイオン自身の空間電荷による広がりの2つの効果
の重畳によって定まる形状を呈するのであるが、イオン
源43よりある特性を持ってグランド電極71の電圧に
よって加速されたイオンビーム(水平方向及び垂直方向
のビームの広がりを持って)は質量分離磁石44に入射
し、この空隙内に発生している磁場により、その印加
された電圧及びイオンの質量等のパラメータで決まるあ
る曲率半径で回転を行うべく偏向され、この質量分離磁
石44で偏向された後に分析スリット板72のスリット
72aにイオンビームは達し、ある磁場でイオンビーム
Bがスリット板72の長手状の開口72aを通過する。
ここで所望するイオン以外の質量の異なるイオン(不純
物のイオン等)は図7の鎖線B2 、B3 で示すようにス
リット板72の壁面に衝突し、遮蔽されることにより所
望するイオンの選択分離を行なう。一方、質量分離磁石
44は本来の質量分別機能のほかにレンズ作用(凸レン
ズ)を有する。以下、この作用について図9及び図10
を参照して説明する。
【0017】図9に示すように水平方向のイオンビーム
Bが質量分離磁石44の通過後に集束し分析スリット板
72上に結合している場合が理想的な状態であるが、図
10に示すように質量分離磁石44を凸レンズと考えた
場合の光軸に対する軌道を示すが、図9及び図10中の
aはイオン源43を光源とする場合のこの光源から質量
分離磁石44の入口までの距離を表し、bは質量分離磁
石44の出口からスリット板72上の開口72aの中心
としての結像点までの距離を表す。図9においてα及び
βは質量分離磁石44の磁極の入口及び出口のいわゆる
切り角であり、レンズ効果での焦点距離の算出の重要な
要素のひとつであるが、図から明らかなように通常のイ
オン加速装置では分析スリット板72の位置を決定する
時にイオン源43のイオン放出口43aの位置を仮想上
の光源とし、質量分離磁石44を凸レンズと仮定した場
合の結像の位置を作図もしくは計算によって求める。図
9及び図10では、水平方向のみを示したが、垂直方向
についても質量分離磁石44のレンズ効果の強弱はある
が、同様な作用を持ち、ここでは質量分離に限って水平
の方向にイオンビームの種類を選別している関係上、垂
直方向のイオンビームの広がりについてはそれほど重要
でないので、ここでは水平方向のイオンビームの挙動に
ついて重点的に述べる。最も装置全体のイオンビームの
軌道を考えることについては、垂直方向のビームの広が
りも重要であるが、ここでは無視する。
【0018】図11には、スリット板72の位置が問題
の結像位置からずれない場合の模式図を示すが、イオン
源43から出たイオンの空間電荷効果によるビームの発
散が無視できる場合のイオンビーム(水平面内におい
て)の軌道を示しており、図12にはイオン源43から
でたイオンビームの空間電荷による発散(例えばIEXT
≧数mA)が無視できない場合を示している。この図か
ら明らかなようにイオン源43からでたイオンビームの
空間電荷によるビームの発散が無視できない場合には、
イオン源43の見かけ上の位置が前方V1 の位置に移動
し、これに伴って質量分離磁石44を凸レンズとした場
合には当然のことながら、これの下流側の結像点Xは図
11の場合よりも前方に移動する。これでは所定のイオ
ンビームB1 はかなり遮蔽されてしまう。イオン源43
の放出口43aのプラズマ界面の形状が変化する場合も
見かけ上の光源としてのイオン源の位置が多少変化する
場合がある。
【0019】いづれにしても従来の装置ではイオン源4
3のイオン放出口43aを光源と考えて設計し、スリッ
ト板72の位置を結像点の位置として固定している。
【0020】然しながら実際のイオンビームBの引出し
メカニズムでは、その空間電荷効果によるビームの広が
りやイオン源43の放出口43aでのプラズマの界面の
形状によっては見かけ上の光源の位置がイオン源43の
放出口43aと一致しない場合があり、これでは対物距
離、すなわち質量分離磁石44の上流側端面までの距離
がずれるため、結像点の位置がずれてしまう。これでは
質量分解能力が低下し所望するイオン以外の不純物の混
入を招き、さらに分析スリット板72上で最小スポット
にならないことにより、イオンビームBの輸送の点でも
分析スリット72上を通過するビーム量の損失にもつな
がることになる。
【0021】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は上述の問題
に鑑みてなされ、イオン源のパラメータに何ら影響され
ず、質量分解度の低下及びビームの輸送効率の低下を極
力低減することのできるイオン加速装置を提供する。
【0022】
【問題点を解決するための手段】以上の目的は、少なく
ともイオン源、質量分離磁石、分析スリット板を内蔵さ
せたケーシングを地上より所定の高さに配設させ、高電
圧電源装置により前記ケーシングに所定の高電圧を印加
し、電力供給装置により前記イオン源や質量分離磁石な
どに電力を供給し、前記ケーシングと、該ケーシングを
電磁気的に遮蔽するシールドボックスとの間にイオン加
速管を接続し、前記イオン源のイオン放射口、前記質量
分離磁石の磁極間、前記分析スリット板及び前記イオン
加速管の入口を順次結ぶイオン流路は相連通する真空室
内にあって、前記分析スリット板のスリットは該イオン
流路に対し垂直に配設されているイオン加速装置におい
て、前記分析スリット板を前記イオン流路に沿って駆動
する機構を設けたことを特徴とするイオン加速装置、に
よって達成される。
【0023】
【作用】質量分離電磁石によるイオン源の像が空間電荷
効果により、イオンビームの光軸に沿って前方に移動し
ても分析スリット板をイオンビームの走行軸上を駆動さ
せることができるので、これによりスリット開口で最小
に結像(絞られている)させるように位置決めすること
ができ、よって質量分解度も向上し、スリットへのビー
ム透過率を高めることによってスリット上で衝突するイ
オンを少なくし、ビーム電流の損失を抑えることができ
る。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例によるイオン加速装置
について図面を参照して説明する。
【0025】図1には、本発明の実施例によるイオン加
速装置の要部を示すが、その他の構成は従来例と全く同
様であるとする。
【0026】すなわち本実施例において、分析スリット
板88は高電圧ターミナル42内に設けられたスリット
チャンバ80内に配設されており、質量分離磁石44内
に配設されている分析管75の下流側に連接され、かつ
連通されて設けられている。駆動スリットチャンバ80
の底壁部にはスリット板駆動機構Qが配設されている。
この機構Qにおいて直方形状のケーシング81の上流側
端壁部にはベアリング87が取り付けられており、この
下流側端壁部には真空モータ84(真空中で駆動可能な
モータ)が取り付けられていてこの回転軸は弾力性があ
り円筒状のカップリング85を介してねじロッド86に
結合され、その一端部は上述のベアリング87に回動可
能に支持されている。
【0027】分析スリット板88には従来と同様に垂直
方向に長手状の開口88aが形成されているが、これは
支柱90を介して駆動板89に取り付けられており、こ
の駆動板89の下面にはその中心孔にねじを形成させた
ねじブロックSが固定されており、これは上述のねじロ
ッド86と螺合している。ねじブロックSの両側壁部は
ケーシング81の両内側壁部81d、81eと当接して
いる。すなわち回り止めされている。駆動板89はケー
シング81の上端面を摺動自在である。従って真空モー
タ84の駆動により、その回転方向に応じてスリット板
88を上流側か下流側に移動させる。駆動スリットチャ
ンバ80の底壁部には更にハウメチック型の電流導入端
子板82が固定されており、これに数本の電流導入端子
83が取り付けられており、図示するように真空モータ
84の端部に形成されたリード線導入孔に通されて真空
モータ84内で必要な結線が行われている。
【0028】本発明の実施例は以上のように構成されて
いるが、次にこの作用について説明する。本イオン加速
装置の作用は従来とほぼ同様であるので、主として図1
に示す構成の作用について説明する。すなわちイオンビ
ームの分析方法は従来と同様であるが、分析管75の出
口より導出されるイオンビームは水平方向については質
量分離磁石44のレンズ効果により集束され、所定の位
置で最小になるのであるが、従来は固定してスリットを
設けたので、上述のような欠点があったが本実施例によ
れば、以下のような作用により質量分解能を向上させる
ことができる。すなわち真空モータ84の回転軸にカッ
プリング88を介して結合されているねじロッド86の
回転によりねじブロックSはその回転方向に応じて一方
向に移動するのであるが、この駆動距離及び移動速度は
ねじロッド86のねじ山のピッチと真空モータ84の回
転速度で算出することができる。移動方向はねじロッド
86のねじ巻回方向と真空モータ84の回転方向とで定
まる。
【0029】次に図2を参照してイオン源43からのイ
オンビームと分析スリット板88との関係について説明
する。図2ではイオンビームが結像して最小になる位置
に移動されている場合を示す。上述したように質量分離
磁石44のイオンビームの斜め入射角及び斜め出時間α
及びβは、これをレンズとした場合の焦点距離に影響す
るものであるが、これを所定値として図2においてV0
はイオン源43の放出口43aでプラズマの界面が凸状
になる場合であって、これを光源とした場合の位置が質
量分離磁石44によって形成されるレンズの焦点の倍2
1 より外側に位置する場合となり、その結像点はスリ
ット板がVi、すなわち距離f2 から2f2 の間にある
位置に結像する。そのためスリット板88はこのViの
位置に真空モータ84を駆動することによって移動させ
る。なおf1 は必ずしもf2 に等しくない。
【0030】次にイオン源43の放出口43aでのプラ
ズマの界面が凹状の場合には、これを光源とした場合の
その位置は質量分離磁石44のレンズの焦点f1 と2f
1 との間にあり、その結像点の位置は2f2 の外側にあ
る。すなわち図2においてRiの範囲の位置に結像す
る。その場合にはスリット板88はこのRiの位置に移
動させる。このイオンビームの最小となる位置と分析ス
リット88が整合していることを確認する方法としては
図3に示すように従来から行われているマススペクトル
を分析して、あるいはサンプリングしてスペクトルの形
状、すなわち半値巾Wを測定する。この場合、質量分解
能は磁場強度÷スペクトルの半値巾Wに比例している。
すなわち磁場B1 ’の値は必要とするイオンの種類に依
存するため同じイオンであれば同一である。そこで質量
分解能を高めることはスペクトルの半値巾Wを小さくす
ることになり、これを小さくするためには分析スリット
板88の開口スリット巾88aを小さくし、かつそのス
リット開口に断面が小なる小さいビームを通過させるこ
とによって達成される。又別の方法としては図示しない
が、スリット板88の駆動機構Qの下流側にこの分析ス
リット板88を通過後のビーム電流を計測するようにフ
ァラデーカップを設けて、これに達すイオンビーム電流
をモニターしながら図1の駆動機構Qを駆動しながらこ
のイオンビーム電流値が最大になるように調整してもよ
い。
【0031】以上述べたように本発明の実施例によれ
ば、イオン源43、質量分離磁石44の形状及び位置が
固定されていてもイオン加速管60を通るビームの電流
値を最大となるように容易に調整することができる。
【0032】以上、本発明の実施例について説明した
が、勿論、本発明はこれに限定されることなく、本発明
の技術的思想に基いて種々の変形が可能である。
【0033】例えば以上の実施例では、スリット板88
のスリット孔88aは一定の大きさであったが、この開
口の大きさ、例えばその巾を調節可能なスリット、例え
ばロータリスリットを設けてもよい。
【0034】又以上の実施例では、スリット板88をイ
オンビームの流れ方向に沿って移動させるのに真空モー
タ84、ねじロッド86及びこれに螺合するねじブロッ
クを用いたが、これに代えてエアシリンダ、又はオイル
シリンダ(勿論エヤやオイルがもれないようにシール機
構を備えている。)の駆動ロッドを分析スリット板88
に結合し、イオンビームの流れ方向に沿うレールを設
け、このレールに沿って移動させるようにしてもよい。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のイオン加速
装置によればイオン源及び質量分離磁石の位置を固定さ
せても及び形状が一定でも、あるいはイオン源の種々の
パラメータが変化しても又イオン源のイオン放出口での
プラズマ界面の形状がいかなるものであってもイオン加
速管に導入させる所望のイオンのビーム電流値を容易に
最大にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるイオン加速装置の要部の
部分破断斜視図である。
【図2】同作用を説明するための模式図である。
【図3】同作用を説明するための磁場とイオンビームの
電流との関係を示す周波数スペクトルである。
【図4】従来例のイオン加速装置の断面図である。
【図5】同断面平面図である。
【図6】同断面正面図である。
【図7】従来例のイオンビームの径路と関連する各構成
要素を示す斜視図である。
【図8】同装置における質量分離磁石の詳細を示す斜視
図である。
【図9】同作用を示す模式図である。
【図10】同作用を示す模式図である。
【図11】更に同作用を示す模式図である。
【図12】更に同作用を示す模式図である。
【符号の説明】
81 ケーシング 84 真空モータ 85 カップリング 86 ねじロッド 87 ベアリング 88 スリット板 88a 開口 Q 駆動機構 S ねじブロック

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともイオン源、質量分離磁石、分
    析スリット板を内蔵させたケーシングを地上より所定の
    高さに配設させ、高電圧電源装置により前記ケーシング
    に所定の高電圧を印加し、電力供給装置により前記イオ
    ン源や質量分離磁石などに電力を供給し、前記ケーシン
    グと、該ケーシングを電磁気的に遮蔽するシールドボッ
    クスとの間にイオン加速管を接続し、前記イオン源のイ
    オン放射口、前記質量分離磁石の磁極間、前記分析スリ
    ット板及び前記イオン加速管の入口を順次結ぶイオン流
    路は相連通する真空室内にあって、前記分析スリット板
    のスリットは該イオン流路に対し垂直に配設されている
    イオン加速装置において、前記分析スリット板を前記イ
    オン流路に沿って駆動する機構を設けたことを特徴とす
    るイオン加速装置。
  2. 【請求項2】 前記機構は前記真空室内にあって、両端
    部をケーシングに回転可能に支承されたねじロッドと、
    該ねじロッドを回転駆動する真空モータと、前記ねじロ
    ッドに螺合し、回り止めされたねじブロックとを備え、
    該ねじブロックに前記スリット板が固定されている請求
    項1に記載のイオン加速装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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