JPH0835995A - 縦型光電圧センサの温度補正方法 - Google Patents
縦型光電圧センサの温度補正方法Info
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- JPH0835995A JPH0835995A JP6191136A JP19113694A JPH0835995A JP H0835995 A JPH0835995 A JP H0835995A JP 6191136 A JP6191136 A JP 6191136A JP 19113694 A JP19113694 A JP 19113694A JP H0835995 A JPH0835995 A JP H0835995A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 旋光性を有する電気光学結晶素子5を板状に
構成し、電気光学結晶素子5の両面に透明電極6をコー
ティングし、光の進行方向から順に配置した偏光子3、
1/4波長板4および検光子7で構成される縦型光電圧
センサの温度補正方法において、電気光学結晶素子5の
結晶の厚みによって定まる旋光角Φ0 と、前記結晶の方
位θとを調整することによって、縦型光電圧センサの温
度特性を制御するものである。 【効果】 センサ感度の温度特性が安定して得られる縦
型光電圧センサの温度補正方法を提供できる。
構成し、電気光学結晶素子5の両面に透明電極6をコー
ティングし、光の進行方向から順に配置した偏光子3、
1/4波長板4および検光子7で構成される縦型光電圧
センサの温度補正方法において、電気光学結晶素子5の
結晶の厚みによって定まる旋光角Φ0 と、前記結晶の方
位θとを調整することによって、縦型光電圧センサの温
度特性を制御するものである。 【効果】 センサ感度の温度特性が安定して得られる縦
型光電圧センサの温度補正方法を提供できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電圧を高精度で測定す
るための縦型光電圧センサに関し、とくに、電磁ノイズ
環境の過酷な電力分野での電圧を検出する縦型光電圧セ
ンサの温度補正方法に関する。
るための縦型光電圧センサに関し、とくに、電磁ノイズ
環境の過酷な電力分野での電圧を検出する縦型光電圧セ
ンサの温度補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の縦型光電圧センサは、例
えば図1に示すように、光源(図示せず)から放出され
る光を、光ファイバ1aで導いてコリメータレンズ2a
で平行光とし、偏光子3で平行光を反射または透過させ
て直線偏光3aとする。この直線偏光3aを1/4波長
板4で透過させる。その際に互いに直交する直線偏光4
a,4bが90度の位相差を生じて円偏光となる。更に
円偏光を電気光学結晶素子5で透過させるが、通過する
時に、電気光学結晶素子5の両面に設けられた透明電極
膜6に印加した電圧Vに応じて生じる複屈折を利用して
光位相変調を行い、その光を検光子7で透過させ、コリ
メータレンズ2bで光ファイバ1bに集光して検出器
(図示せず)で偏光の位相変調の度合いに応じた電圧V
を検出している(例えば、特公平2−10383号)。
このような光電圧センサに用いられる電気光学結晶素子
は、例えばBi12GeO20(以下、BGOと称す)やB
i12SiO20(以下、BSOと称す)が電気光学定数が
大きいことにより多く用いられている。なお、これらの
電気光学結晶素子は立方晶系で、その対称性はT−23
点群に属しており、強い旋光性を持つことが特徴であ
る。
えば図1に示すように、光源(図示せず)から放出され
る光を、光ファイバ1aで導いてコリメータレンズ2a
で平行光とし、偏光子3で平行光を反射または透過させ
て直線偏光3aとする。この直線偏光3aを1/4波長
板4で透過させる。その際に互いに直交する直線偏光4
a,4bが90度の位相差を生じて円偏光となる。更に
円偏光を電気光学結晶素子5で透過させるが、通過する
時に、電気光学結晶素子5の両面に設けられた透明電極
膜6に印加した電圧Vに応じて生じる複屈折を利用して
光位相変調を行い、その光を検光子7で透過させ、コリ
メータレンズ2bで光ファイバ1bに集光して検出器
(図示せず)で偏光の位相変調の度合いに応じた電圧V
を検出している(例えば、特公平2−10383号)。
このような光電圧センサに用いられる電気光学結晶素子
は、例えばBi12GeO20(以下、BGOと称す)やB
i12SiO20(以下、BSOと称す)が電気光学定数が
大きいことにより多く用いられている。なお、これらの
電気光学結晶素子は立方晶系で、その対称性はT−23
点群に属しており、強い旋光性を持つことが特徴であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来技術で
は、光電圧センサの温度変化に対する出力特性の変化が
大きく、このことが高精度測定する上で大きな障害とな
っていた。例えば、従来の巻線形PT(potenti
al Transformer)の確度階級1P級と同
等の使い方をするためには、定格電圧の70〜110%
の範囲で比誤差を±1.0%以下にすることが必要であ
る。このためには、光電圧センサの温度変化も所定の温
度範囲内で1.0%以下にすることが必要であり、現状
の光電圧センサでこの範囲内に納めることは、構成部品
である電気光学結晶素子の温度変化、1/4波長板の温
度変化などを考慮すると、測定精度を維持することは難
しいという問題があった。本発明は、センサ感度の温度
特性が安定して得られる縦型光電圧センサの温度補正方
法を提供することを目的とするものである。
は、光電圧センサの温度変化に対する出力特性の変化が
大きく、このことが高精度測定する上で大きな障害とな
っていた。例えば、従来の巻線形PT(potenti
al Transformer)の確度階級1P級と同
等の使い方をするためには、定格電圧の70〜110%
の範囲で比誤差を±1.0%以下にすることが必要であ
る。このためには、光電圧センサの温度変化も所定の温
度範囲内で1.0%以下にすることが必要であり、現状
の光電圧センサでこの範囲内に納めることは、構成部品
である電気光学結晶素子の温度変化、1/4波長板の温
度変化などを考慮すると、測定精度を維持することは難
しいという問題があった。本発明は、センサ感度の温度
特性が安定して得られる縦型光電圧センサの温度補正方
法を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するた
め、本発明は、旋光性を有する電気光学結晶素子を板状
に構成し、前記電気光学結晶素子の両面に透明電極をコ
ーティングし、光源側から順に配置した偏光子、1/4
波長板、前記電気光学結晶素子および検光子で構成され
る縦型光電圧センサの温度補正方法において、前記電気
光学結晶素子の結晶の厚みによって定まる旋光角Φと、
前記結晶の方位θとを調整することによって、温度特性
を制御するものである。
め、本発明は、旋光性を有する電気光学結晶素子を板状
に構成し、前記電気光学結晶素子の両面に透明電極をコ
ーティングし、光源側から順に配置した偏光子、1/4
波長板、前記電気光学結晶素子および検光子で構成され
る縦型光電圧センサの温度補正方法において、前記電気
光学結晶素子の結晶の厚みによって定まる旋光角Φと、
前記結晶の方位θとを調整することによって、温度特性
を制御するものである。
【0005】
【作用】まず、電気光学結晶が旋光性を有する場合、そ
の電気光学結晶の方位、ここでは図2に示すように、結
晶のカット方向θ、および厚みdによって縦型光電圧セ
ンサの感度mの温度係数κ(1/℃)が任意の値に制御
でき得るという理論的根拠を以下に示す。結晶には21
種類の点群が存在し、そのうち15種類が旋光性を持ち
得る結晶である。BGOおよびBSO結晶は立方晶系の
T−23点群で、旋光性を持つ15種の点群に属してい
る。ここでは、温度安定化の理論的な検討を行うに先立
って、これらの旋光性を有する結晶を用いた縦型光電圧
センサのセンサ感度mを結晶の方位に関するカット方向
θと旋光角Φの関係より求める。図1は縦型光電圧セン
サの光学的構成で、偏光子と検光子の角度を平行にした
例である。この構成において留意すべきは、結晶の設置
方向であるx軸を偏光子並びに検光子の軸の方向と一致
させて設置することである。図2は(001)板上にお
ける結晶のx’軸の定義を示す。すなわち、x’軸と
は、x軸(<100>方向)から時計回りにθだけ回転
した軸である。ここでは、図2のように時計回りに回転
する角度を正の方向と定義する。このようにカットした
結晶を図1の光学的構成で測定すると、結晶の<100
>方向と検光子角度の間の相対的角度がθとなるので、
縦型光電圧センサの感度|m|は次の式(1)で表され
る。 |m(Φ,θ) | =(πV/Vp)(sinΦ/Φ)cos(2 θ+Φ) …(1) ここで、Vはセンサに印加する電圧(V)、Vp は半波
長電圧(V)、Φは適用する電気光学結晶の旋光角(r
ad)である。旋光角Φは旋光能K(rad/mm)と
図1に示す結晶厚みd(mm)により、次の式(2)の
関係で表される。 Φ=Kd …(2)
の電気光学結晶の方位、ここでは図2に示すように、結
晶のカット方向θ、および厚みdによって縦型光電圧セ
ンサの感度mの温度係数κ(1/℃)が任意の値に制御
でき得るという理論的根拠を以下に示す。結晶には21
種類の点群が存在し、そのうち15種類が旋光性を持ち
得る結晶である。BGOおよびBSO結晶は立方晶系の
T−23点群で、旋光性を持つ15種の点群に属してい
る。ここでは、温度安定化の理論的な検討を行うに先立
って、これらの旋光性を有する結晶を用いた縦型光電圧
センサのセンサ感度mを結晶の方位に関するカット方向
θと旋光角Φの関係より求める。図1は縦型光電圧セン
サの光学的構成で、偏光子と検光子の角度を平行にした
例である。この構成において留意すべきは、結晶の設置
方向であるx軸を偏光子並びに検光子の軸の方向と一致
させて設置することである。図2は(001)板上にお
ける結晶のx’軸の定義を示す。すなわち、x’軸と
は、x軸(<100>方向)から時計回りにθだけ回転
した軸である。ここでは、図2のように時計回りに回転
する角度を正の方向と定義する。このようにカットした
結晶を図1の光学的構成で測定すると、結晶の<100
>方向と検光子角度の間の相対的角度がθとなるので、
縦型光電圧センサの感度|m|は次の式(1)で表され
る。 |m(Φ,θ) | =(πV/Vp)(sinΦ/Φ)cos(2 θ+Φ) …(1) ここで、Vはセンサに印加する電圧(V)、Vp は半波
長電圧(V)、Φは適用する電気光学結晶の旋光角(r
ad)である。旋光角Φは旋光能K(rad/mm)と
図1に示す結晶厚みd(mm)により、次の式(2)の
関係で表される。 Φ=Kd …(2)
【0006】式(1)、(2)から、結晶のカット方向
θと結晶の厚みdによってセンサ感度|m|が表される
ことがわかる。また式(1)の半波長電圧Vp は、波
長、屈折率、電気光学定数により、次の式(3)で表さ
れる。 Vp =λ/(2πn0 3γ41) …(3) ここで、n0 は結晶の屈折率、γ41は電気光学定数(m
/V)、λは波長(m)である。旋光性のない結晶また
は厚みdの小さい結晶では、Φ≒0であるので、式
(1)は次の式(4)となる |m(0,θ)| =|(πV/Vp)(cos2θ)| …(4) 式(4)で、センサ感度は結晶のカット方向をθ=0と
した時最大になり、この結果、式(4)は次の式(5)
で示される。 |m(0,0)| =|(πV/Vp)| …(5) つぎに、式(1)で示すセンサ感度|m|の温度特性の
検討を行う。式(1)において、温度変化が考えられる
因子は、θ、Vp ,Φの3種類だけである。このうち、
θは結晶および検光子の熱膨張によって、その値の温度
変化が生ずると考えられる。しかし、これらの線膨張係
数は、10-5(1/℃)のオーダであるので、ここでは
無視することにする。したがって、結局、温度変化をす
るのは、結晶の物性値によって定まる半波長電圧Vp と
旋光角Φとの2種類だけとなる。なお、半波長電圧Vp
は、式(3)からγ41、n0 の各々の温度変化を考える
必要があるが、ここではこれらを次の式(6)のように
まとめ、この温度係数をαとして半波長電圧Vp が温度
Tと一次の関係があるものとする。 Vp (T)=Vp0(1+αT) …(6) ここで、Vp0は温度が零(T=0)における半波長電圧
である。一般的には、αは正であるので、半波長電圧V
p (T)は温度が上昇すると大きくなる。
θと結晶の厚みdによってセンサ感度|m|が表される
ことがわかる。また式(1)の半波長電圧Vp は、波
長、屈折率、電気光学定数により、次の式(3)で表さ
れる。 Vp =λ/(2πn0 3γ41) …(3) ここで、n0 は結晶の屈折率、γ41は電気光学定数(m
/V)、λは波長(m)である。旋光性のない結晶また
は厚みdの小さい結晶では、Φ≒0であるので、式
(1)は次の式(4)となる |m(0,θ)| =|(πV/Vp)(cos2θ)| …(4) 式(4)で、センサ感度は結晶のカット方向をθ=0と
した時最大になり、この結果、式(4)は次の式(5)
で示される。 |m(0,0)| =|(πV/Vp)| …(5) つぎに、式(1)で示すセンサ感度|m|の温度特性の
検討を行う。式(1)において、温度変化が考えられる
因子は、θ、Vp ,Φの3種類だけである。このうち、
θは結晶および検光子の熱膨張によって、その値の温度
変化が生ずると考えられる。しかし、これらの線膨張係
数は、10-5(1/℃)のオーダであるので、ここでは
無視することにする。したがって、結局、温度変化をす
るのは、結晶の物性値によって定まる半波長電圧Vp と
旋光角Φとの2種類だけとなる。なお、半波長電圧Vp
は、式(3)からγ41、n0 の各々の温度変化を考える
必要があるが、ここではこれらを次の式(6)のように
まとめ、この温度係数をαとして半波長電圧Vp が温度
Tと一次の関係があるものとする。 Vp (T)=Vp0(1+αT) …(6) ここで、Vp0は温度が零(T=0)における半波長電圧
である。一般的には、αは正であるので、半波長電圧V
p (T)は温度が上昇すると大きくなる。
【0007】また、旋光角Φの温度変化は、その温度係
数をβとすれば、次の式(7)の関係で同様に表され
る。 Φ(T)=Φ0 (1+βT) …(7) ここで、Φ0 は温度が零(T=0)における旋光角であ
る。なお、温度係数α、βは10-4(1/℃)のオーダ
である。これらの結果から、センサ感度|m|の温度特
性を表す式を求めることができる。すなわち、式
(6)、(7)を式(1)に代入し、α≪1、β≪1の
関係があるものとして近似計算すると、次の式(8)が
得られる。 |m(T)|=|m0 (Φ0 ,θ)(1+κT)| …(8) ここで、m0 (Φ0 ,θ)は温度が零(T=0)の時の
センサ感度、κはセンサ感度の温度係数(1/℃)であ
る。式(8)は次のように導出される。すなわち、式
(6)、(7)を式(1)に代入し、近似計算すれば、
次の式(9)が得られる。ここで、α、βは10-4(1
/℃)のオーダであり、α≪1、β≪1の関係があるの
で、αβ≒0とした。 |m( Φ(T),θ)|≒|{πV/(Vp0)}{1-(α+ β)T} ×{sinΦ0(1+βT)/ Φ0} ×cos{Φ0(1+βT)+2θ}| …(9) 式(9)のsin Φ0 (1+ βT)およびcos{Φ0(1+βT)+2
θ} の項を展開すれば 、次の式(10)となる。 sin Φ0 (1+ βT)= sin Φ0cosβΦ0T+cosΦ0sinβΦ0T cos{Φ0(1+βT)+2θ} =cos( Φ0+2 θ)cosβΦ0T -sin(Φ0+2 θ)sinβΦ0T …(10) ここで、α≪1、β≪1の条件からβΦ0T≪1であり、
この結果からcos βΦ0T ≒1、 sin βΦ0T≒βΦ0Tと
なる。この結果を用いれば、式(10)は次の式(1
1)となる。 sin Φ0 (1+ βT)≒sin Φ0+βΦ0Tcos Φ0 cos{Φ0(1+βT)+2θ} ≒cos(Φ0+2 θ)-βΦ0Tsin(Φ0+2 θ) …(11)
数をβとすれば、次の式(7)の関係で同様に表され
る。 Φ(T)=Φ0 (1+βT) …(7) ここで、Φ0 は温度が零(T=0)における旋光角であ
る。なお、温度係数α、βは10-4(1/℃)のオーダ
である。これらの結果から、センサ感度|m|の温度特
性を表す式を求めることができる。すなわち、式
(6)、(7)を式(1)に代入し、α≪1、β≪1の
関係があるものとして近似計算すると、次の式(8)が
得られる。 |m(T)|=|m0 (Φ0 ,θ)(1+κT)| …(8) ここで、m0 (Φ0 ,θ)は温度が零(T=0)の時の
センサ感度、κはセンサ感度の温度係数(1/℃)であ
る。式(8)は次のように導出される。すなわち、式
(6)、(7)を式(1)に代入し、近似計算すれば、
次の式(9)が得られる。ここで、α、βは10-4(1
/℃)のオーダであり、α≪1、β≪1の関係があるの
で、αβ≒0とした。 |m( Φ(T),θ)|≒|{πV/(Vp0)}{1-(α+ β)T} ×{sinΦ0(1+βT)/ Φ0} ×cos{Φ0(1+βT)+2θ}| …(9) 式(9)のsin Φ0 (1+ βT)およびcos{Φ0(1+βT)+2
θ} の項を展開すれば 、次の式(10)となる。 sin Φ0 (1+ βT)= sin Φ0cosβΦ0T+cosΦ0sinβΦ0T cos{Φ0(1+βT)+2θ} =cos( Φ0+2 θ)cosβΦ0T -sin(Φ0+2 θ)sinβΦ0T …(10) ここで、α≪1、β≪1の条件からβΦ0T≪1であり、
この結果からcos βΦ0T ≒1、 sin βΦ0T≒βΦ0Tと
なる。この結果を用いれば、式(10)は次の式(1
1)となる。 sin Φ0 (1+ βT)≒sin Φ0+βΦ0Tcos Φ0 cos{Φ0(1+βT)+2θ} ≒cos(Φ0+2 θ)-βΦ0Tsin(Φ0+2 θ) …(11)
【0008】式(11)を式(9)に代入すれば、次の
式(12)が得られる。 |m ( Φ(T), θ)| ≒|{πV/(Vpo)}{(sin Φ0)/ Φ0}cos(Φ0+2 θ) ×{1-(α+ β)T} ×{(1+βΦ0Tcot Φ0){1- βΦ0Ttan(Φ0+2 θ)}| …(12) ここで、( α+ β) βΦ0T2 ≒0、( βΦ0T)2≒0、( αβ
T)2 ≒0 および (α+β) ( βΦ0)2T3 ≒0 の近似を用
いて、温度Tの項でまとめると、式(12)は次の式
(13)のようにTの一次式で近似できる。 |m ( Φ(T), θ)| ≒|{πV/(Vpo)}{(sin Φ0)/ Φ0}cos(Φ0+2 θ) ×[1+{-(α+ β) + βΦ0 cot Φ0-βΦ0tan( Φ0+2 θ)} ×T]| …(13) 式(13)をまとめると、式(8)に示す簡単な温度T
の一次式で表される。ここで、式(8)のm0( Φ0,θ0)
は次の式(14)で表される。 m0( Φ0,θ)={ πV/(Vpo)}{(sin Φ0)/ Φ0}cos(Φ0+2 θ) …(14) また、式(8)のκは次の式(15)で表される。 κ=-(α+ β) + βF(Φ0,θ) …(15) 式(13)の右辺の係数が式(14)に該当する。ま
た、右辺の温度Tの項が式(15)のκである。さら
に、式(15)のF(Φ0,θ) はβΦ0 の項をまとめるこ
とによって得られる。なお、これらの式は近似式である
が、本発明では等号で扱っている。また、式(15)の
F(Φ0,θ) は次の式(16)で表される。 F(Φ0,θ) = Φ0[cos(2 Φ0+2 θ)/{ sin Φ0 cos(Φ0+2 θ)}] …(16) センサ感度|m|の温度変化を零とするためには、式
(15)でκ=0と置くことにより得られる。旋光角Φ
0 (または電気光学結晶の厚みd)およびカット方向θ
を選ぶことにより、当該光電圧センサの感度の温度係数
κを任意の値に制御できることがわかる。
式(12)が得られる。 |m ( Φ(T), θ)| ≒|{πV/(Vpo)}{(sin Φ0)/ Φ0}cos(Φ0+2 θ) ×{1-(α+ β)T} ×{(1+βΦ0Tcot Φ0){1- βΦ0Ttan(Φ0+2 θ)}| …(12) ここで、( α+ β) βΦ0T2 ≒0、( βΦ0T)2≒0、( αβ
T)2 ≒0 および (α+β) ( βΦ0)2T3 ≒0 の近似を用
いて、温度Tの項でまとめると、式(12)は次の式
(13)のようにTの一次式で近似できる。 |m ( Φ(T), θ)| ≒|{πV/(Vpo)}{(sin Φ0)/ Φ0}cos(Φ0+2 θ) ×[1+{-(α+ β) + βΦ0 cot Φ0-βΦ0tan( Φ0+2 θ)} ×T]| …(13) 式(13)をまとめると、式(8)に示す簡単な温度T
の一次式で表される。ここで、式(8)のm0( Φ0,θ0)
は次の式(14)で表される。 m0( Φ0,θ)={ πV/(Vpo)}{(sin Φ0)/ Φ0}cos(Φ0+2 θ) …(14) また、式(8)のκは次の式(15)で表される。 κ=-(α+ β) + βF(Φ0,θ) …(15) 式(13)の右辺の係数が式(14)に該当する。ま
た、右辺の温度Tの項が式(15)のκである。さら
に、式(15)のF(Φ0,θ) はβΦ0 の項をまとめるこ
とによって得られる。なお、これらの式は近似式である
が、本発明では等号で扱っている。また、式(15)の
F(Φ0,θ) は次の式(16)で表される。 F(Φ0,θ) = Φ0[cos(2 Φ0+2 θ)/{ sin Φ0 cos(Φ0+2 θ)}] …(16) センサ感度|m|の温度変化を零とするためには、式
(15)でκ=0と置くことにより得られる。旋光角Φ
0 (または電気光学結晶の厚みd)およびカット方向θ
を選ぶことにより、当該光電圧センサの感度の温度係数
κを任意の値に制御できることがわかる。
【0009】式(15)で述べたように、F(Φ0,θ) の
値を制御すれば、当該光電圧センサの感度の温度係数κ
を制御できることを述べた。ここではF(Φ0,θ) の作用
として、その一般的な性質を述べる。F(Φ0,θ) の作用
の一例として、κ=0とするための手順を述べる。式
(15)でκ=0とおくことにより、次の式(17)が
得られる。 F(Φ0,θ) =(α+β)/β …(17) 式(17)の左辺は電気光学結晶の寸法的な要因で定ま
る。また、右辺は電気光学結晶の物性値によって定まる
ので、電気光学結晶の種類が決まれば寸法によらず一定
値を示す。光電圧センサのセンサ感度を温度的に安定さ
せるためには、半波長電圧の温度係数αと旋光角の温度
係数βの値を調べ、式(17)が成立するようにF(Φ0,
θ) を定めればよい。さらに、F(Φ0,θ) の値が定まれ
ば、式(16)を解くことによってΦ0,θを求める問題
に帰する。ここで、式(16)からF(Φ0,θ) は−∞か
ら+∞の値をとる関数であるので、式(17)の右辺が
どのような値になろうと解が存在する。すなわち、β≠
0であれば式(17)の成立する条件で、結晶の厚みd
と結晶方位に関するカット方向θが必ず存在する。
値を制御すれば、当該光電圧センサの感度の温度係数κ
を制御できることを述べた。ここではF(Φ0,θ) の作用
として、その一般的な性質を述べる。F(Φ0,θ) の作用
の一例として、κ=0とするための手順を述べる。式
(15)でκ=0とおくことにより、次の式(17)が
得られる。 F(Φ0,θ) =(α+β)/β …(17) 式(17)の左辺は電気光学結晶の寸法的な要因で定ま
る。また、右辺は電気光学結晶の物性値によって定まる
ので、電気光学結晶の種類が決まれば寸法によらず一定
値を示す。光電圧センサのセンサ感度を温度的に安定さ
せるためには、半波長電圧の温度係数αと旋光角の温度
係数βの値を調べ、式(17)が成立するようにF(Φ0,
θ) を定めればよい。さらに、F(Φ0,θ) の値が定まれ
ば、式(16)を解くことによってΦ0,θを求める問題
に帰する。ここで、式(16)からF(Φ0,θ) は−∞か
ら+∞の値をとる関数であるので、式(17)の右辺が
どのような値になろうと解が存在する。すなわち、β≠
0であれば式(17)の成立する条件で、結晶の厚みd
と結晶方位に関するカット方向θが必ず存在する。
【0010】以下、本発明ではF(Φ0,θ) をF値と呼
び、この一般的な性質を述べる。式(16)において、
Φ0+2 θ= π/2の条件では、分子の項の中でcos(2 Φ0+
2 θ)=-sinΦ0 となる。さらに、Φ0 ≠0 の条件では、
すなわち結晶が旋光性を持つ場合には、式(16)の分
子は零にならない。逆に、Φ0+2 θ= π/2の条件では分
母の項の中で 、cos(Φ0+2 θ)=0 となる。この条件をま
とめると、次の式(18)となる。 Φ0=π/2-2θ または θ= π/4- Φ0/2 …(18) 式(18)の成立する条件は特異点となるので、F(Φ0,
θ) は無限大となる。したがって、式(15)からκも
無限大となる。かつ、Φ0 またはθが式(18)の値の
前後で、cos(Φ0+2 θ) の正負の符号が逆転するので、
κの符号がこの値を境に逆転する。この理由により、こ
の種の光電圧センサの温度特性は、この式(18)の値
の近傍で非常に不安定になる。しかも、式(18)の条
件が成立するときには、式(16)から、センサ感度|
m|も零になる。したがって、Φ0 またはθが式(1
8)の値の近くの条件ではセンサ感度|m|は小さくな
り、逆に温度変化は極めて大きくなることが理論的にわ
かる。次に、特別な場合として、結晶の厚みが薄い場合
における式(15)の温度係数κを考察する。この場
合、Φ0 ≒0となり、式(16)から次の数式1{式
(19)}が得られる。
び、この一般的な性質を述べる。式(16)において、
Φ0+2 θ= π/2の条件では、分子の項の中でcos(2 Φ0+
2 θ)=-sinΦ0 となる。さらに、Φ0 ≠0 の条件では、
すなわち結晶が旋光性を持つ場合には、式(16)の分
子は零にならない。逆に、Φ0+2 θ= π/2の条件では分
母の項の中で 、cos(Φ0+2 θ)=0 となる。この条件をま
とめると、次の式(18)となる。 Φ0=π/2-2θ または θ= π/4- Φ0/2 …(18) 式(18)の成立する条件は特異点となるので、F(Φ0,
θ) は無限大となる。したがって、式(15)からκも
無限大となる。かつ、Φ0 またはθが式(18)の値の
前後で、cos(Φ0+2 θ) の正負の符号が逆転するので、
κの符号がこの値を境に逆転する。この理由により、こ
の種の光電圧センサの温度特性は、この式(18)の値
の近傍で非常に不安定になる。しかも、式(18)の条
件が成立するときには、式(16)から、センサ感度|
m|も零になる。したがって、Φ0 またはθが式(1
8)の値の近くの条件ではセンサ感度|m|は小さくな
り、逆に温度変化は極めて大きくなることが理論的にわ
かる。次に、特別な場合として、結晶の厚みが薄い場合
における式(15)の温度係数κを考察する。この場
合、Φ0 ≒0となり、式(16)から次の数式1{式
(19)}が得られる。
【0011】
【数1】
【0012】したがって、結晶の厚みを薄くすると、式
(15)の温度係数κは結晶のカット方向θにかかわら
ず、次の式(20)となることがわかる。 κ=−α …(20) この場合のセンサ感度の温度係数κは、半波長電圧の温
度係数αの値と一致する。ただし、符号は逆になる。ま
た、センサ感度は、式(4)と同じになる。つまり、結
晶の厚みdが小さいと、本発明の方法でκを制御するこ
とができなくなる。したがって、カット方向を変えて、
温度係数κを制御する本発明の方法を用いるためには、
電気光学結晶の厚みdはある大きさが必要である。
(15)の温度係数κは結晶のカット方向θにかかわら
ず、次の式(20)となることがわかる。 κ=−α …(20) この場合のセンサ感度の温度係数κは、半波長電圧の温
度係数αの値と一致する。ただし、符号は逆になる。ま
た、センサ感度は、式(4)と同じになる。つまり、結
晶の厚みdが小さいと、本発明の方法でκを制御するこ
とができなくなる。したがって、カット方向を変えて、
温度係数κを制御する本発明の方法を用いるためには、
電気光学結晶の厚みdはある大きさが必要である。
【0013】
【実施例】以下、本発明を図に示す実施例について説明
する。図1は本発明の実施例を示す構成図で、従来例で
説明した構成と同じであるので、構成要素の説明は省略
する。ここで、まず光電圧センサの感度の温度特性%m
(T)の定義をする。すなわち、%m(T)は、式(1
4)の実測値|m(T)|を用い、20( ℃) のセンサ感度|m
(20)| を基準に、次の式(21)を使用して演算で求め
た。 %m(T)={(|m(T)|-|m(20)|)/|m(20)|}×100% …(21) ここで、|m(T)|は、T(℃) のセンサ感度、|m(20)| は
20( ℃) のセンサ感度である。 [実施例1]図3は、各種Φ0 、θの組み合わせ条件で
の光電圧センサの温度特性の実測結果の一例を示す。図
3で、縦軸の%m(%) は式(21)を用いて求めた結果で
ある。また、●は温度上昇時の、×は温度降下時の測定
結果である。この結果から、センサ感度の温度変化は、
各種Φ0 、θの組み合わせによって変わることがわか
る。また、センサ感度の温度変化はほぼ直線となってお
り、温度係数Tの一次式、すなわち式(8)で表すこと
ができることがわかる。したがって、温度係数κは図3
の勾配から求められ、その結果を図4(a),(b),
(c)に各々併記した。次の表1は、各種Φ0 、θの組
み合わせ条件でのκの実測結果、センサ感度|m0(Φ0,
θ)|n の実測結果、およびΦ0 、θから式(16)を使
用して求めたF値をまとめた。また、参考までに、cos
(2 Φ0+2 θ)、cos(Φ0+2 θ) の計算結果も示す。な
お、センサ感度は、Φ0 、θの影響のみを表すため、式
(14)のセンサ感度の実測値を、πV/Vp0 で規格化
し、さらに絶対値で表示した次の式(22)を用いた。 |m0(Φ0,θ)|n =|(sinΦ0/Φ0)cos(Φ0+2 θ)| …(22)
する。図1は本発明の実施例を示す構成図で、従来例で
説明した構成と同じであるので、構成要素の説明は省略
する。ここで、まず光電圧センサの感度の温度特性%m
(T)の定義をする。すなわち、%m(T)は、式(1
4)の実測値|m(T)|を用い、20( ℃) のセンサ感度|m
(20)| を基準に、次の式(21)を使用して演算で求め
た。 %m(T)={(|m(T)|-|m(20)|)/|m(20)|}×100% …(21) ここで、|m(T)|は、T(℃) のセンサ感度、|m(20)| は
20( ℃) のセンサ感度である。 [実施例1]図3は、各種Φ0 、θの組み合わせ条件で
の光電圧センサの温度特性の実測結果の一例を示す。図
3で、縦軸の%m(%) は式(21)を用いて求めた結果で
ある。また、●は温度上昇時の、×は温度降下時の測定
結果である。この結果から、センサ感度の温度変化は、
各種Φ0 、θの組み合わせによって変わることがわか
る。また、センサ感度の温度変化はほぼ直線となってお
り、温度係数Tの一次式、すなわち式(8)で表すこと
ができることがわかる。したがって、温度係数κは図3
の勾配から求められ、その結果を図4(a),(b),
(c)に各々併記した。次の表1は、各種Φ0 、θの組
み合わせ条件でのκの実測結果、センサ感度|m0(Φ0,
θ)|n の実測結果、およびΦ0 、θから式(16)を使
用して求めたF値をまとめた。また、参考までに、cos
(2 Φ0+2 θ)、cos(Φ0+2 θ) の計算結果も示す。な
お、センサ感度は、Φ0 、θの影響のみを表すため、式
(14)のセンサ感度の実測値を、πV/Vp0 で規格化
し、さらに絶対値で表示した次の式(22)を用いた。 |m0(Φ0,θ)|n =|(sinΦ0/Φ0)cos(Φ0+2 θ)| …(22)
【0014】
【表1】
【0015】図4は、センサ感度κとF値の関係を示
す。温度係数κの実測値とF値は実験条件であるΦ0 と
θから、式(16)により計算で求めた結果をプロット
した。図4で、単回帰分析(最小自乗法)を行い直線近
似すると、κはFによって次の式(23)のように表さ
れる。 κ={1.5-4.5 ×F(Φ0 , θ)}×10-4 …(23) 式(23)と式(15)を比較することにより、半波長
電圧の温度係数αと旋光角の温度係数βはそれぞれ次の
式(24)で表される。 α=3.0 ×10-4 (1/℃), β=-4.5 ×10-4 (1/℃) …(24) この値は波長850nm で測定したものであり、同一の波長
でのBSOのそれとほぼ同じ値が得られている。また、
上記の方法は、電気光学結晶の半波長電圧の温度係数
α、旋光角の温度係数βを光電圧センサの感度の温度係
数κから簡便に求める方法といえる。
す。温度係数κの実測値とF値は実験条件であるΦ0 と
θから、式(16)により計算で求めた結果をプロット
した。図4で、単回帰分析(最小自乗法)を行い直線近
似すると、κはFによって次の式(23)のように表さ
れる。 κ={1.5-4.5 ×F(Φ0 , θ)}×10-4 …(23) 式(23)と式(15)を比較することにより、半波長
電圧の温度係数αと旋光角の温度係数βはそれぞれ次の
式(24)で表される。 α=3.0 ×10-4 (1/℃), β=-4.5 ×10-4 (1/℃) …(24) この値は波長850nm で測定したものであり、同一の波長
でのBSOのそれとほぼ同じ値が得られている。また、
上記の方法は、電気光学結晶の半波長電圧の温度係数
α、旋光角の温度係数βを光電圧センサの感度の温度係
数κから簡便に求める方法といえる。
【0016】[実施例2]ここでは、結晶の厚みdを2
mmに固定し、結晶方位θを変えた場合について説明す
る。図5は、厚み2mmの(001)板からθ方向で切
り出した結晶のセンサ感度|m(Φ0 , θ)|n との関係
を示す。この結果から、結晶のカット方向θとセンサ感
度mは式(3)とよく一致することがわかる。すなわ
ち、センサ感度は、結晶のカット方向に依存することが
わかる。図6は厚み2mm(旋光角Φ0 =20.2deg.)の結
晶の温度係数κの実測値とθの関係を示す。また、式
(15)による計算結果も示している。計算に用いたα
とβは、式(24)に示す値を用いた。この知見から得
られるように、κの計算値と実測値はよく一致してお
り、また、Φ0+2 θ= π/2のところでκが大きくなり。
またその符号が逆転することが、計算と実験の両方の結
果から確認できた。すなわち、厚みが2mm以上のもの
について本方法でκを制御できることがわかった。
mmに固定し、結晶方位θを変えた場合について説明す
る。図5は、厚み2mmの(001)板からθ方向で切
り出した結晶のセンサ感度|m(Φ0 , θ)|n との関係
を示す。この結果から、結晶のカット方向θとセンサ感
度mは式(3)とよく一致することがわかる。すなわ
ち、センサ感度は、結晶のカット方向に依存することが
わかる。図6は厚み2mm(旋光角Φ0 =20.2deg.)の結
晶の温度係数κの実測値とθの関係を示す。また、式
(15)による計算結果も示している。計算に用いたα
とβは、式(24)に示す値を用いた。この知見から得
られるように、κの計算値と実測値はよく一致してお
り、また、Φ0+2 θ= π/2のところでκが大きくなり。
またその符号が逆転することが、計算と実験の両方の結
果から確認できた。すなわち、厚みが2mm以上のもの
について本方法でκを制御できることがわかった。
【0017】[実施例3]結晶方位θを固定し、結晶の
厚みとセンサ感度および温度係数κの実測値を示す。な
お、実験条件およびデータのまとめ方は実施例1と同一
である。図7は(001)板からθ=0の方向でカット
した結晶のセンサ感度と旋光角との関係を示す。旋光角
は厚みdに依存し、旋光角を大きくするにつれてセンサ
感度は低下する。図8はこの場合のκの実測値と旋光角
Φ0 (厚みd)との関係を示す。また式(15)による
κの計算結果も示している。計算に用いたαとβは、式
(24)に示す値を用いた。この知見から得られるよう
に、厚みを変えた条件においても、式(14)、(1
5)、(16)により求めた計算結果と実測値とがよく
一致することがわかる。また、式(20)で述べたよう
に、Φ0 ≒0(d≒0)の場合、κ=−αとなることが
わかる。さらにこの場合にも、Φ0+2 θ= π/2の成立す
る条件の近傍(この場合、θ=0であるので、Φ0 =π
/2となる)ではκが大きくなり、かつその符号が逆転す
ることが計算結果および実験結果から確認できた。
厚みとセンサ感度および温度係数κの実測値を示す。な
お、実験条件およびデータのまとめ方は実施例1と同一
である。図7は(001)板からθ=0の方向でカット
した結晶のセンサ感度と旋光角との関係を示す。旋光角
は厚みdに依存し、旋光角を大きくするにつれてセンサ
感度は低下する。図8はこの場合のκの実測値と旋光角
Φ0 (厚みd)との関係を示す。また式(15)による
κの計算結果も示している。計算に用いたαとβは、式
(24)に示す値を用いた。この知見から得られるよう
に、厚みを変えた条件においても、式(14)、(1
5)、(16)により求めた計算結果と実測値とがよく
一致することがわかる。また、式(20)で述べたよう
に、Φ0 ≒0(d≒0)の場合、κ=−αとなることが
わかる。さらにこの場合にも、Φ0+2 θ= π/2の成立す
る条件の近傍(この場合、θ=0であるので、Φ0 =π
/2となる)ではκが大きくなり、かつその符号が逆転す
ることが計算結果および実験結果から確認できた。
【0018】[実施例4]光電圧センサの構成部品の一
つである1/4 波長板等の光センサを構成する部品の温度
変化も併せて補償するものである。上記実施例では電気
光学結晶のみがセンサ感度の温度係数に与える影響を考
察してきたが、光電圧センサとしてのトータルの温度係
数は次の式(25)によって表される。 κsens=κ1/4 +κ …(25) ここで、κsens:縦形光電圧センサのトータルの温度係
数 κ1/4 :1/4 波長板の温度係数 κ :電気光学結晶の温度係数 したがって、1/4 波長板の温度特性まで含めた光電圧セ
ンサの温度特性を安定化するためには、式(25)で、
κsens=0と置けばよい。よって、次の式(26)が得
られる。 κ=−κ1/4 …(26) 「作用」の項で述べたように、κはどのような値でも取
らせることが可能であるので、式(26)は成立する。
すなわち、本方法により、1/4 波長板の温度係数の補償
も可能となる。
つである1/4 波長板等の光センサを構成する部品の温度
変化も併せて補償するものである。上記実施例では電気
光学結晶のみがセンサ感度の温度係数に与える影響を考
察してきたが、光電圧センサとしてのトータルの温度係
数は次の式(25)によって表される。 κsens=κ1/4 +κ …(25) ここで、κsens:縦形光電圧センサのトータルの温度係
数 κ1/4 :1/4 波長板の温度係数 κ :電気光学結晶の温度係数 したがって、1/4 波長板の温度特性まで含めた光電圧セ
ンサの温度特性を安定化するためには、式(25)で、
κsens=0と置けばよい。よって、次の式(26)が得
られる。 κ=−κ1/4 …(26) 「作用」の項で述べたように、κはどのような値でも取
らせることが可能であるので、式(26)は成立する。
すなわち、本方法により、1/4 波長板の温度係数の補償
も可能となる。
【0019】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、縦
型光電圧センサの結晶の方位に関するカット方向θと結
晶の厚みdとの組み合わせにより電気光学結晶の温度係
数κを任意に制御できるので、センサ感度の温度特性の
安定な縦型光電圧センサを実用に供する効果がある。
型光電圧センサの結晶の方位に関するカット方向θと結
晶の厚みdとの組み合わせにより電気光学結晶の温度係
数κを任意に制御できるので、センサ感度の温度特性の
安定な縦型光電圧センサを実用に供する効果がある。
【図1】 本発明の実施例を示す構成図である。
【図2】 本発明の実施例の結晶のカット方向を示す説
明図である。
明図である。
【図3】 本発明の実施例の各種旋光角Φ0 、カット方
向θの組み合わせ条件での光電圧センサの温度特性の実
測結果の一例を示すグラフである。
向θの組み合わせ条件での光電圧センサの温度特性の実
測結果の一例を示すグラフである。
【図4】 本発明の実施例の温度係数κとF値との関係
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図5】 本発明の実施例のセンサ感度とカット方向θ
との関係を示すグラフである。
との関係を示すグラフである。
【図6】 本発明の実施例のセンサ感度の温度係数κと
カット方向θとの関係を示すグラフである。
カット方向θとの関係を示すグラフである。
【図7】 本発明の実施例のセンサ感度と結晶の厚みと
の関係を示すグラフである。
の関係を示すグラフである。
【図8】 本発明の実施例のセンサ感度の温度係数と結
晶の厚みとの関係を示すグラフである。
晶の厚みとの関係を示すグラフである。
1a、1b 光ファイバ、2a,2b コリメータレン
ズ、3 偏光子、3a,3b 直線偏光、4 1/4波
長板、4a、4b 直線偏光、5 電気光学結晶素子、
6 透明電極膜、7 検光子、
ズ、3 偏光子、3a,3b 直線偏光、4 1/4波
長板、4a、4b 直線偏光、5 電気光学結晶素子、
6 透明電極膜、7 検光子、
Claims (2)
- 【請求項1】 旋光性を有する電気光学結晶素子を板状
に構成し、前記電気光学結晶素子の両面に透明電極をコ
ーティングし、光源側から順に配置した偏光子、1/4
波長板、前記電気光学結晶素子および検光子で構成され
る縦型光電圧センサの温度補正方法において、前記電気
光学結晶素子の結晶の厚みによって定まる旋光角Φ0
と、前記結晶の方位θとを調整することによって、温度
特性を制御することを特徴とする縦型光電圧センサの温
度補正方法。 - 【請求項2】 前記電気光学結晶素子にBi12Ge20,
またはBi12SiO20を採用し、前記電気光学結晶素子
の旋光角の温度係数β、半波長電圧の温度係数αとし、
前記結晶の厚みを2mm以上とし、前記縦型光電圧セン
サの感度の温度係数κを、 κ=−(α+β)+βF(Φ0 ,θ) により制御する請求項1記載の縦型光電圧センサの温度
補正方法。ただし、F ( Φ0,θ)=Φ0 [ cos (2Φ0+2
θ)/{sinΦ0cos( Φ0+2 θ)}]
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6191136A JPH0835995A (ja) | 1994-07-20 | 1994-07-20 | 縦型光電圧センサの温度補正方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6191136A JPH0835995A (ja) | 1994-07-20 | 1994-07-20 | 縦型光電圧センサの温度補正方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0835995A true JPH0835995A (ja) | 1996-02-06 |
Family
ID=16269489
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6191136A Pending JPH0835995A (ja) | 1994-07-20 | 1994-07-20 | 縦型光電圧センサの温度補正方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0835995A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105911324A (zh) * | 2016-06-30 | 2016-08-31 | 北京航空航天大学 | 一种抑制电压传感器温度误差的光学传感装置 |
-
1994
- 1994-07-20 JP JP6191136A patent/JPH0835995A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105911324A (zh) * | 2016-06-30 | 2016-08-31 | 北京航空航天大学 | 一种抑制电压传感器温度误差的光学传感装置 |
CN105911324B (zh) * | 2016-06-30 | 2018-12-21 | 北京航空航天大学 | 一种抑制电压传感器温度误差的光学传感装置 |
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