JPH083492A - 塗膜除去剤 - Google Patents

塗膜除去剤

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JPH083492A
JPH083492A JP14334594A JP14334594A JPH083492A JP H083492 A JPH083492 A JP H083492A JP 14334594 A JP14334594 A JP 14334594A JP 14334594 A JP14334594 A JP 14334594A JP H083492 A JPH083492 A JP H083492A
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JP
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acid
organic solvent
organic
removing agent
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JP14334594A
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Norihiro Kasai
紀宏 笠井
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Minnesota Mining and Manufacturing Co
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 非ハロゲン系有機溶媒中に酸を少なくとも0.
01モル/リットルの濃度で含有する、金属材料の表面に
施された有機塗膜を除去するための液体塗膜除去剤。 【効果】 本発明は、非ハロゲン化溶剤と酸との混合と
いう簡単な方法により安価に金属材料の表面に施された
塗膜を剥離する塗膜除去剤を与える。この塗膜除去剤を
用いると、機械的および熱的方法と比較して簡単、短時
間かつ完全に塗膜を除去可能である。また、本発明によ
る塗膜の剥離処理では新たに露出する金属の極薄い表面
層が酸化物層となり、錆などの更なる酸化を防ぎ、比較
的保存性の良い金属材料を与える。更に、金属材料内部
への不純物の混入を防ぐことができ効率の良いリサイク
ルや再利用を可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム、鉄およ
びニッケルのような金属材料上に施された塗膜を除去す
るための塗膜除去剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の金属材料の再利用の進展に伴い、
金属材料のスクラップに施された塗膜を容易に除去する
方法が望まれている。従来、金属材料上の塗膜を紙やす
り等で削り落とす機械的な方法および加熱により焼き飛
ばす熱的方法(特公昭59-037337号)等が提案されてき
た。
【0003】しかしながら、機械的方法では処理に大規
模設備および長時間を要し、塗膜の除去が不完全とな
り、塗膜と共に金属材料をも研磨するので効率が低い。
また、騒音、熱および粉塵等が発生するので安全性およ
び環境保護の面から好ましくない。
【0004】他方、熱的方法では塗膜中に含有される不
燃焼成分および加熱により生じる金属酸化物が不純物と
して金属中に残留するので効率が低い。また、燃焼排気
ガスも発生するので安全性および環境保護の面から好ま
しくない。
【0005】特開平3-290475号公報には、金属材料上に
施された塗膜を化学的に除去するためのアルミニウム材
料用塗膜除去剤が記載されている。この塗膜除去剤は主
溶剤として塩化メチレンを含有し、この塩化メチレンが
塗料層を通してアルミニウム材料の表面に浸透し、塗膜
を軟化膨潤させ、これを剥離させる。
【0006】この塗膜除去剤を用いる化学的方法では、
騒音、熱および粉塵等は発生せず、金属材料の酸化物も
生成しない。しかし、塩化メチレンのようなハロゲン化
溶剤を多量に使用するので塩素脱離による環境および人
体に有害等の問題がある。特に、塗膜を除去したアルミ
ニウム材料を加熱溶融する場合にハロゲン系有機溶媒の
残留分が分解し、ハロゲンが揮散し易くなる。低分子量
ハロゲン系有機溶媒は極めて揮発性が高いので、厳格な
保存条件が必要とされ、保存中に濃度が変化して除去力
が低下し易い。さらに、メタノールを含むため除去力が
低い、系が複雑でコストが高い、および含有成分相互の
相溶性が悪く除去能力にバラツキが生じやすい等の問題
もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題を解決するものであり、その目的とするところは、環
境および人体への影響が少なく、除去力が高い金属材料
用塗膜除去剤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、非ハロゲン系
有機溶媒中に酸を少なくとも0.01モル/リットルの濃度
で含有する、金属材料に被覆された有機塗膜を除去する
ための液体塗膜除去剤を提供するものであり、そのこと
により上記目的が達成される。
【0009】本発明で用いうる非ハロゲン系有機溶媒と
は、塩素およびフッ素のような化学的に高い安定性を有
するハロゲン原子を含まない有機溶媒をいう。かかる有
機溶媒は一般に低毒性であり熱分解等してもハロゲンま
たはハロゲン化物を発生しないので環境および人体への
影響が少ないからである。
【0010】SP値とは、液体間の混合性の尺度となる溶
解度係数をいう。本発明では、一般に7〜11のSP値を有
する非ハロゲン系有機溶媒が好適である。7.5〜10のSP
値、特に8〜9.8のSP値を有する非ハロゲン系有機溶媒
が好ましい。適度な沸点を有し塗料の除去力に優れるた
めである。
【0011】用いる溶媒の沸点は50℃以上が好適であ
る。保存および使用時に著しい蒸発がないので濃度むら
による除去力のバラツキが防止され、引火性が低下する
ので安全性も向上するためである。その他、特別な密封
容器等を必要とせず保存管理が容易という利点も有す
る。60〜200℃、特に70〜130℃の範囲の沸点がさらに好
ましい。用いる溶媒の沸点が200℃を超えると処理後の
金属表面上に残留溶剤が増加するおそれが生じる。
【0012】具体的には、メチルエチルケトン(MEK)、
アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、テトラヒド
ロフラン(THF)、メトキシエタノール、プロポキシエタ
ノール、ブトキシエタノール、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、ミネラルスピリット、酢酸エステルおよびジメ
チルスルホキシド(DMSO)等が挙げられる。
【0013】特に、MEKは塗料を容易に膨張させ、安全
性が高く、種々の塗料に適用可能で汎用性に富み、低コ
ストであるという点において、THFは汎用性に富み、残
留性が低いという点において、そしてトルエンおよび2-
ブトキシエタノールは沸点が比較的高く安全に加熱しう
るという点において本発明に好適である。酸との混合性
および塗膜の剥離性等を考慮すると非ハロゲン化溶剤と
してはMEKが望ましい。
【0014】本発明で用いうる酸には無機酸および有機
酸が含まれる。無機酸は除去力が高い点では好適である
が、環境および人体に対する影響を考慮すると有機酸を
用いることが好ましい。
【0015】PKa5以下、好ましくは4.5以下、更に好ま
しくは3.8以下の酸を用いうる。PKaが5を超えると、除
去力が著しく低下するためである。
【0016】具体的には、塩酸、硝酸、硫酸、塩素酸お
よび過塩素酸のような無機酸、および蟻酸、酢酸、プロ
ピオン酸および乳酸のような有機酸が挙げられる。特に
好ましい無機酸は塗料の除去力に優れ、コストも安い塩
酸であり、特に好ましい有機酸はギ酸である。
【0017】酸を有機溶媒に溶解させることにより本発
明の金属材料用塗膜除去剤が得られる。酸の濃度は、0.
01〜6モル/リットル、好ましくは0.1〜3モル/リット
ル、更に好ましくは 0.5〜2モル/リットルの範囲とす
る。酸濃度0.01モル/リットル以下では除去力が著しく
低下し6.0モル/リットルを超えると、金属腐食が生じる
か、または人体に対する危険が生じるためである。例え
ば、塩酸、硫酸および硝酸を用いる場合は1.0モル/リッ
トル程度の濃度が、蟻酸を用いる場合は3.55モル/リッ
トル程度の濃度が好適である。
【0018】上述の非ハロゲン系溶媒と酸とが均質に混
合しない場合は、必要に応じてメタノールおよびエタノ
ールのようなアルコール系溶媒を加えることにより、例
えば、本来相溶性に乏しい非ハロゲン系有機溶媒として
のトルエンと酸としての塩酸水溶液とから均質な塗膜除
去剤が得られる。
【0019】アルコール系溶媒の添加量は、非ハロゲン
系有機溶媒100mlに対して10〜300ml、好ましくは20〜20
0ml、さらに好ましくは30〜150mlとされうる。アルコー
ル系溶媒の添加量が10mlを下回ると十分な相溶化効果が
得られない。アルコール系溶媒の添加量が300mlを上回
ると塗膜の除去力が著しく減少する。
【0020】本発明において、「金属材料」とは、例え
ば、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、亜鉛および錫の
ような単体金属及び真鍮、スチールおよびフェロニッケ
ルのような合成金属を指すが、工業材料として塗装して
一般に用いられるものであれば特に限定されない。
【0021】「有機塗膜」とは、乾燥および加熱により硬
化する加熱硬化型、および紫外線および電子線等で硬化
する放射線硬化型の有機材料から調製される塗料、接着
剤およびマーキング材料等で形成される塗膜を指す。有
機塗膜の調製に用いうる有機材料の具体例には、アクリ
ル樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル
樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂およびシアノアク
リレート樹脂等が挙げられる。このような有機材料に無
機顔料、砥粒、シリカ、炭酸カルシウムおよび金属粉の
ような無機着色剤が添加された塗膜も有機塗膜に含まれ
る。
【0022】「金属材料の表面に施された」とは、有機塗
膜が金属材料の表面に、例えば、塗布、ラミネートおよ
び印刷等の手法により付着されている状態を指してい
う。
【0023】金属材料の表面に施された有機塗膜を本発
明の塗膜除去剤を用いて除去するためには、まず、金属
材料の表面に施された有機塗膜を本発明の塗膜除去剤と
接触させ、ついで、水洗、拭き取りおよび乾燥する工程
を行う。本発明の塗膜除去剤は液状なので、有機塗膜を
本発明の塗膜除去剤に浸漬するか、有機塗膜に本発明の
塗膜除去剤をスプレーまたは塗布することにより、有機
塗膜に接触させうる。浸漬中に機械的振動を与えると、
浸漬時間が短縮され、除去効率が向上する。また、浸漬
工程の前に塗膜を機械的に損傷する工程を予め行っても
良い。
【0024】本発明の塗膜除去剤は、室温において1〜
10000cps、好ましくは10〜5000cps、更に好ましくは50
〜2500cpsの範囲の粘度に調節する。粘度が1cpsを下回
ると液だれが生じて塗膜と塗膜除去剤との接触時間が短
くなる。粘度が10000cpsを上回ると浸漬およびスプレー
のような方法を行うことが困難となる。また、この粘度
が10〜5000cpsまたは50〜2500cpsの範囲であれば、混合
撹拌および製造が容易となり、液だれが防止され、除去
液の接触時間が延長されるので変形面および垂直面の塗
膜の除去がより容易となる。
【0025】本発明の塗膜除去剤には、粘度調節のため
または研磨効果を付与するために、シリカ粉末、アルミ
ナ粉末および酸化チタンのような微粒子状粘度調節剤お
よびカラゲナンおよびグアーガムのような多糖類粘度調
節剤を添加しうる。微粒子状粘度調節剤は研磨効果を現
出して塗膜の除去に要する時間が短縮されるため有用で
あり、多糖類粘度調節剤は少量の使用で顕著な増粘効果
が得られるため有用である。
【0026】本発明の塗膜除去剤で用いる非ハロゲン系
有機溶媒は使用者に対する危険性が少なく、金属材料の
表面に施された有機塗膜を軟化させ、膨潤させる機能を
有する。したがって、塗膜除去剤に含まれる酸が金属材
料と有機塗膜との界面に容易に達することが可能とな
る。他方、塗膜除去剤に含まれる酸は金属材料と有機塗
膜との界面を溶解するので有機塗膜が金属材料から剥離
することを容易にする。
【0027】本発明においては、このように、非ハロゲ
ン化有機溶媒と酸とはそれぞれ別個の機能を有するので
あるが、相乗的に塗膜剥離に寄与し、迅速な塗膜の除去
を可能とする。本発明の塗膜除去剤を用いて剥離した有
機塗膜はフィルム状の形態を崩さず、塗膜除去剤を混濁
し難い。したがって、塗膜除去剤を再利用するためのろ
過等の処理が容易となり、使用寿命が延長される。
【0028】
【実施例】以下の実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0029】実施例1〜17および比較例1〜4 表1に示す非ハロゲン系有機溶媒に、既知濃度の36%塩
酸水溶液、70%硝酸水溶液または98%蟻酸を添加するこ
とにより、表1に示す濃度でそれぞれの酸を含有する塗
膜除去剤を調製した。
【0030】他方、市販の飲料用アルミニウム缶を裁断
することによりアクリル系塗料(青、白および赤色顔
料、厚さ15μm)で塗装されたアルミニウム片(2cm×1c
m、厚さ125μm)を得た。ついで、未塗装のアルミニウム
片(3cm×2cm、厚さ110μm)の表面にシアノアクリレー
ト系接着剤(東亜合成化学社製「アロンアルファTM」)を厚
さ30μmに塗り、室温において2時間空気中で硬化させ
ることにより、ポリシアノアクリレートで被覆されたア
ルミニウム片を得た。さらに、別の未塗装のアルミニウ
ム片(3cm×2cm、厚さ110μm)の表面にエポキシ系接着
剤(住友スリーエム(株)社製「DP-460」)を厚さ30μmに塗
り、65℃において2時間空気中で硬化させることによ
り、ポリエポキシドで被覆されたアルミニウム片を得
た。
【0031】得られたそれぞれのアルミニウム片を、表
1に示す塗膜除去剤に浸漬した。ついで、水洗、拭き取
りおよび乾燥して塗膜を除去した。塗膜が完全に除去さ
れるのに要した浸漬時間を測定することにより、塗膜除
去剤の除去力を評価した。
【0032】
【表1】 実施例 非ハロゲン 酸 酸濃度 塗膜種類 除去力No. 系有機溶媒 (mol/l) (分) 1 MEK 100ml 塩酸3 100ml 6 アクリル系 5分未満 2 MEK 100ml 塩酸 20ml 2 アクリル系 5分未満 3 MEK 100ml 塩酸 8.3ml 1 アクリル系 5分未満 4 MEK 100ml 塩酸 0.84ml 0.1 アクリル系 10分未満 5 MEK 100ml 塩酸 0.083ml 0.01 アクリル系 60分未満 6 MEK 100ml 硝酸4 23.9ml 3 アクリル系 5分未満 7 MEK 100ml 硝酸 6.9ml 1 アクリル系 5分未満 8 MEK 100ml ギ酸5 12.5ml 3 アクリル系 5分未満 9 MEK 100ml ギ酸 3.8ml 1 アクリル系 10分未満 10 2BE1 100ml 塩酸 8.3ml 1 アクリル系 10分未満 11 THF/Ti6 100ml 塩酸 20ml 2 アクリル系 5分未満 12 THF 100ml 塩酸 8.3ml 1 アクリル系 5分未満 13 THF 100ml 硝酸 15.4ml 2 アクリル系 5分未満 14 THF 100ml 硝酸 0.9ml 1 アクリル系 5分未満 15 T/E2 100ml 塩酸 8.3ml 1 アクリル系 5分未満 16 MEK 100ml 塩酸 8.3ml 1 シアノアクリレ―ト系 5分未満 17 MEK 100ml 硝酸 6.9ml 1 エポキシ系 5分未満 比較例 1 MEK 100ml − アクリル系 60分以上 2 トルエン 100ml − アクリル系 60分以上 3 − 塩酸 100ml 1 アクリル系 60分以上4 − 硝酸 100ml 1 アクリル系 60分以上 1)2-ブトキシエタノール 2)トルエン/エタノール=50ml/50ml混合溶媒 3)濃度36% 4)濃度70% 5)濃度98% 6)THF中に1重量%のTiO2を含有
【0033】以上の結果より、非ハロゲン化溶剤と酸と
の混合物を用いた場合は、非ハロゲン系溶剤または酸を
単独で用いた場合と比較して金属表面上の塗膜の除去力
が著しく改善されていることがわかる。
【0034】実施例18 実施例1と同様にして得たアクリル系塗料で塗装された
アルミニウム片を、MEK中に塩酸を含む(酸濃度1mol/l)
塗膜除去剤に3分間浸漬した。ついで、水洗、拭き取り
および乾燥したところ、塗膜が完全に除去されておりア
ルミニウム片の表面は金属光沢を有していた。
【0035】ついで、ESCAを用いて得られたアルミニウ
ム片の組成分析を行った。測定条件を表2に、結果を図
1に示す。
【0036】
【表2】アングル 45度 ACQ時間 4.67分 スケールファクター 12.671 k c/s オフセット 1.571 k c/s 通過エネルギー 89.450 eV Mg 300W 1.1mmφ
【0037】図1から判るように、本発明の塗膜除去剤
を用いて塗膜を剥離したアルミニウム片では不純物がほ
とんど認められず表面に酸素が認められる程度であっ
た。これはアルミニウム金属の表面酸化により形成され
た酸化物層によるものである。図2に、得られたアルミ
ニウム片の深さ方向のプロファイル(Al2Pピーク)を示
す。図2から判るように、アルミニウム片の表面に形成
されたこの酸化物層も極薄い層に限られている。比較例5
【0038】実施例18で用いたのと同一のアルミニウム
片をオーブンに入れ、500℃で30分間加熱して塗膜を除
去した。得られたアルミニウム片はくすんだ表面を有し
ており、塗膜の残留物が付着していた。
【0039】ついで、ESCAを用いて得られたアルミニウ
ム片の組成分析を行った。測定条件を表3に、結果を図
3に示す。
【0040】
【表3】アングル 45度 ACQ時間 4.67分 スケールファクター 16.473 k c/s オフセット 1.636 k c/s 通過エネルギー 89.450 eV Mg 300W 1.1mmφ
【0041】図3に示されるように、熱処理による塗膜
の除去処理では、得られたアルミニウム片に、塗膜除去
剤により塗膜を除去したアルミニウム片では観察されな
かったバリウム、カルシウム、ナトリウム、硫黄、珪
素、リンおよび炭素等が観察された。これらは熱処理に
よって塗膜の残留物として残ったものである。図4に、
得られたアルミニウム片の深さ方向のプロファイル(Al2
Pピーク)を示す。図4から判るように、表面酸化物層の
厚さも図1と比較してかなり厚い(n=20〜30(80〜90分ス
パッタ後)より金属Alのピークが出現している。)。更
に、不純物であるバリウム、ナトリウム、カルシウム、
硫黄、珪素およびチタンはアルミニウム材料の内部深く
まで侵入している。
【0042】
【発明の効果】本発明は、非ハロゲン化溶剤と酸との混
合という簡単な方法により安価に金属材料の表面に施さ
れた塗膜を剥離する塗膜除去剤を与える。この塗膜除去
剤を用いると、機械的および熱的方法と比較して簡単、
短時間かつ完全に塗膜を除去可能である。また、本発明
による塗膜の剥離処理では新たに露出する金属の極薄い
表面層が酸化物層となり、錆などの更なる酸化を防ぎ、
比較的保存性の良い金属材料を与える。更に、金属材料
内部への不純物の混入を防ぐことができ効率の良いリサ
イクルや再利用を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の塗膜除去剤を用いて塗膜を除去した
アルミニウム片のESCAを用いた表面組成分析の結果を示
すスペクトルである。
【図2】 本発明の塗膜除去剤を用いて塗膜を除去した
アルミニウム片の深さ方向のプロファイルを示すスペク
トルである。
【図3】 熱的方法を用いて塗膜を除去したアルミニウ
ム片のESCAを用いた表面組成分析の結果を示すスペクト
ルである。
【図4】 熱的方法を用いて塗膜を除去したアルミニウ
ム片の深さ方向のプロファイルを示すスペクトルであ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非ハロゲン系有機溶媒中に酸を少なくと
    も0.01モル/リットルの濃度で含有する、金属材料の表
    面に施された有機塗膜を除去するための液体塗膜除去
    剤。
  2. 【請求項2】 前記酸を0.1〜6モル/リットルの濃度で
    含有する請求項1記載の膜除去剤。
  3. 【請求項3】 前記酸のpKaが5以下である請求項1ま
    たは2記載の塗膜除去剤。
  4. 【請求項4】 前記非ハロゲン系有機溶媒の沸点が50℃
    以上である請求項1〜3のいずれか記載の塗膜除去剤。
  5. 【請求項5】 前記非ハロゲン系有機溶媒のSP値が7〜
    11である請求項1〜4のいずれか記載の塗膜除去剤。
  6. 【請求項6】 金属材料の表面に施された有機塗膜を請
    求項1〜5のいずれか記載の塗膜除去剤と接触させる工
    程を包含する、金属材料に施された有機塗膜を除去する
    方法。
JP14334594A 1994-06-24 1994-06-24 塗膜除去剤 Pending JPH083492A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010131539A1 (ja) * 2009-05-13 2010-11-18 国立大学法人岡山大学 塗膜除去剤及びそれを用いた塗膜除去方法
JP2011132303A (ja) * 2009-12-22 2011-07-07 Kao Corp 付着物除去方法

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