JPH08340681A - 駆動装置の駆動方法 - Google Patents

駆動装置の駆動方法

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JPH08340681A
JPH08340681A JP7143468A JP14346895A JPH08340681A JP H08340681 A JPH08340681 A JP H08340681A JP 7143468 A JP7143468 A JP 7143468A JP 14346895 A JP14346895 A JP 14346895A JP H08340681 A JPH08340681 A JP H08340681A
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drive
driving
energy conversion
mechanical energy
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JP7143468A
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Taiichiro Fukuda
泰一郎 福田
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Nikon Corp
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 より簡単な駆動装置の制御方法を提供する。 【構成】 物体に接触する相対運動部材と,相対運動部
材を駆動する圧電素子とを備える駆動装置に、圧電素子
が伸長する時間と収縮する時間とを異ならせる非対称波
形の駆動電圧を印加することによる駆動装置の駆動方法
において、圧電素子が伸長する時間及び収縮する時間そ
れぞれにおいて印加される駆動電圧の2次微分項の絶対
値は、ともに、相対運動部材と物体との間に動摩擦状態
及び静摩擦状態の境界を与える駆動電圧の臨界2次微分
項の絶対値よりも大きい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、相対運動部材とこの相
対運動部材を駆動する電気−機械エネルギー変換素子と
を備える駆動装置の駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、圧電素子に高周波電圧を印加
してその圧電素子を伸縮運動させ、この伸縮運動を利用
することにより、物体との間で相対運動を生じる駆動装
置が知られている。
【0003】図6(a)は、従来のこの種の駆動装置の
第1の例であるインパクト型駆動装置を示す説明図であ
る。この駆動装置20は、相対運動部材である移動体2
2及び慣性体23と、両者に接合された電気−機械エネ
ルギー変換素子である圧電素子21とから構成される。
移動体22は、所定の面24上に設置される。物体23
は面24から離間している。
【0004】図6(a)において、先ず、圧電素子21
が伸びる方向に駆動電圧が与えられる。このときに駆動
電圧を急激に変化させると、移動体22と面24とは動
摩擦状態となり、移動体22が面24に対して距離L1
だけ相対移動する。次に、圧電素子21が縮む方向に駆
動電圧が与えられる。このときに駆動電圧を緩やかに変
化させると、移動体22と面24とは静摩擦状態とな
り、移動体22は面24に対して移動せず、物体23の
みが移動体22に対して接近して衝突する形となり、こ
の衝撃力により、移動体22が面24に対して、さらに
距離L2 だけ相対移動する。以上のように、圧電素子2
1が1回伸縮運動することにより、移動体22が面24
に対して図中左方向に距離(L1 +L2 )だけ移動され
る。
【0005】また、図6(b)において、最初に圧電素
子21が縮む方向に急激に電圧が与えられると、移動体
22が面24に対して図中右方向に距離L3 だけ移動
し、次に圧電素子21が伸びる方向に緩やかに電圧が与
えられると、移動体22は面24に対して移動されず、
物体23のみが移動体22に対して離反し、この衝撃力
により、移動体22が面24に対して、さらに距離L4
だけ相対移動する。このように制御すれば、圧電素子2
1を伸縮運動させることにより、移動体22を図中右方
向に距離(L3 +L4 )だけ移動させることができる。
【0006】図7は、従来の駆動装置の第2の例の構成
を示す説明図である。図7の駆動装置30において、圧
電素子31の一方の電極31aは、固定体であるL字型
の枠体32に固定される。また、他方の電極31bは、
振動体33に接合される。回転体である支持子34は、
振動体33と枠体32との間に転動自在に設けられる。
電圧源35は、圧電素子31に駆動電圧を印加するもの
であり、圧電素子31の電極31a,31bと電気的に
接続される。物体36は、振動体33上に載置される。
【0007】電圧源35から圧電素子31の電極31
a,31bに高周波電圧が印加されると、圧電素子31
が伸縮される。ここで、圧電素子31には非対称波形の
駆動電圧が供給される。すなわち、例えば最初に圧電素
子31が急激に縮む方向に変化する駆動電圧が与えら
れ、振動体33が図中左方向に大きな加速度で移動す
る。この結果、振動体33と物体36とは動摩擦状態と
なり、物体36の位置が変化せずに、振動体33が物体
36に対して相対移動する。
【0008】次に、圧電素子31が緩やかに伸びる方向
に変化する駆動電圧が与えられ、振動体33が図中右方
向に小さな加速度で移動する。この結果、振動体33と
物体36とは静摩擦状態になり、物体36と振動体33
とは相対移動しない。以上の動作により、圧電素子31
の伸縮運動により、物体36が振動体33に対して図中
右方向に向けて相対移動する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来の駆動装
置においては、例えば圧電素子が伸びる時には動摩擦状
態、縮む時には静摩擦状態となるように駆動する必要が
あるために、その条件を満たす駆動電圧を電気−機械エ
ネルギー変換素子に印加する必要があり、駆動回路の構
成が制約され、制御装置が複雑化してしまうという問題
があった。
【0010】特に、静摩擦状態であるようにするために
は、前述したように、圧電素子に印加する電圧をゆっく
りと変化させなければならないために時間がかかり、駆
動電圧の一周期の時間が長くなる。駆動電圧の一周期が
長くなり周波数が低くなると、単位時間当たりの移動量
が小さくなり移動速度の高速化が難しくなるとともに、
可聴領域に入った場合には騒音を生じてしまう。
【0011】また、物体によって異なる静摩擦係数μの
おおよその値が分からないと、動摩擦状態及び静摩擦状
態を与える最適な駆動条件を設定することができないと
いう問題もあった。
【0012】本発明の第1の目的は、制御装置の駆動回
路の複雑化を解消できる駆動装置の制御方法を提供する
ことである。本発明の第2の目的は、駆動電圧の一周期
を短くでき、移動速度の高速化を図ることができる駆動
装置の制御方法を提供することである。
【0013】本発明の第3の目的は、駆動時に騒音を生
じることがない駆動装置の制御方法を提供することであ
る。さらに、本発明の第4の目的は、接触する物体によ
って決定される静摩擦係数を正確に把握できなくとも、
最適な駆動条件を設定できる駆動装置の制御方法を提供
することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、相対運動部材
と物体との間を動摩擦状態→静摩擦状態と変化させるの
ではなく、常時、動摩擦状態としておくことによって
も、駆動装置の制御を行うことができるとの全く新規な
知見に基づくものである。
【0015】上記の課題を解決するために、請求項1の
発明は、物体に接触する相対運動部材と,一端が相対運
動部材に接合されるとともに、駆動電圧を印加されるこ
とにより伸縮して相対運動部材を駆動する電気−機械エ
ネルギー変換素子とを少なくとも備える駆動装置に、電
気−機械エネルギー変換素子が伸長する時間と収縮する
時間とを異ならせる非対称波形の駆動電圧を印加する駆
動装置の駆動方法において、電気−機械エネルギー変換
素子が伸長する時間及び収縮する時間それぞれにおいて
印加される駆動電圧の2次微分項の絶対値は、ともに、
相対運動部材と物体との間に動摩擦状態及び静摩擦状態
の境界を与える駆動電圧の臨界2次微分項の絶対値より
も大きいことを特徴とする。
【0016】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、駆動装置が相対運動部材に転動自在に接触する回転
体と,電気−機械エネルギー変換素子の他端を保持する
とともに回転体を搭載する枠体とを備えることを特徴と
する。
【0017】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、駆動装置が、相対運動部材に転動自在に接触する回
転体と,相対運動部材の相対運動方向の両端部にそれぞ
れ配置された2つの電気−機械エネルギー変換素子と,
電気−機械エネルギー変換素子の他端をそれぞれ保持す
るとともに回転体を搭載する枠体とを備えることを特徴
とする。
【0018】請求項4の発明は、請求項1の発明におい
て、駆動装置が、電気−機械エネルギー変換素子の他端
に接続された慣性体を備えることを特徴とする。請求項
5の発明は、請求項1の発明において、駆動装置が、相
対運動部材の相対運動方向の両端部にそれぞれ配置され
た2つの電気−機械エネルギー変換素子と,電気−機械
エネルギー変換素子の他端それぞれに接続された2つの
慣性体とを備えることを特徴とする。
【0019】
【作用】請求項1の発明によれば、電気−機械エネルギ
ー変換素子が伸長する時間及び収縮する時間それぞれに
おいて駆動装置に印加される駆動電圧の2次微分項の絶
対値は、ともに、相対運動部材と物体との間に動摩擦状
態及び静摩擦状態の境界を与える駆動電圧の臨界2次微
分項の絶対値よりも大きいため、駆動装置の駆動回路が
簡素化されるようになるとともに、相対運動部材は物体
に対して常時、動摩擦状態を維持するようになる。
【0020】請求項2の発明によれば、請求項1におい
て、駆動装置が相対運動部材に転動自在に接触する回転
体と,電気−機械エネルギー変換素子の他端を保持する
とともに回転体を搭載する枠体とを備えるため、相対運
動部材と物体との接触状態が円滑化され、相対運動部材
によって枠体がスムーズに駆動されるようになる。
【0021】請求項3の発明によれば、請求項1におい
て、駆動装置が相対運動部材に転動自在に接触する回転
体と,相対運動部材の相対運動方向の両端部にそれぞれ
配置された2つの電気−機械エネルギー変換素子と,電
気−機械エネルギー変換素子の他端をそれぞれ保持する
とともに回転体を搭載する枠体とを備えるため、相対運
動部材と物体との接触状態が円滑化され、相対運動部材
によって枠体がスムーズかつ大きなトルクで駆動される
ようになる。
【0022】請求項4の発明によれば、請求項1におい
て、駆動装置が電気−機械エネルギー変換素子の他端に
接続された慣性体を備えるため、相対運動部材と物体と
の接触状態が円滑化され、物体に対して相対運動部材が
スムーズに駆動するようになる。
【0023】請求項5の発明によれば、請求項1におい
て、駆動装置が相対運動部材の相対運動方向の両端部に
それぞれ配置された2つの電気−機械エネルギー変換素
子と,電気−機械エネルギー変換素子の他端それぞれに
接続された2つの慣性体とを備えるため、相対運動部材
と物体との接触状態が円滑化され、物体に対して相対運
動部材がスムーズかつ大きなトルクで駆動されるように
なる。
【0024】
【実施例】
(第1実施例)以下、添付図面を参照しながら、実施例
について詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施例
を適用した駆動装置の構成を模式的に示す説明図であ
る。
【0025】この駆動装置10は、概説すると、枠体1
1とこの枠体11に支持される、相対運動部材である駆
動板12とにより構成される。枠体11は、図示するよ
うな断面溝型の収容体であって、その内面底部11aに
は転動自在に配置された回転体である支持子13が搭載
される。
【0026】この支持子13の上面側には、平板状の駆
動板12が接触して配置されており、駆動板12の図面
上左右方向の両側面12a,12bには、断面矩形の電
気−機械エネルギー変換素子である圧電素子14a,1
4bの一端が例えば接着されて装着される。
【0027】圧電素子14a,14bの他端は、枠体1
1のフランジ部11b,11cの内面に例えば接着され
て、それぞれ装着されている。さらに、駆動板12の支
持子13との非接触面には、断面矩形の物体である移動
体15が載置され、この駆動装置10により駆動され
る。
【0028】電圧源16は、圧電素子14a,14bに
駆動電圧を印加するものであり、圧電素子14aの電極
17a,18aと、圧電素子14bの電極17b,18
bとに電気的に接続される。
【0029】次に、図1に示す駆動装置10により移動
体15を駆動する際に、電圧源16から圧電素子14
a,14bに印加される駆動電圧の波形を、図2を参照
しながら説明する。
【0030】ここで、(時間t1 −時間t0 )>(時間
2 −時間t1 )である。なお、図2においては、説明
の便宜上、時間t0 〜時間t1 にかけて、圧電素子が伸
長し、時間t1 〜時間t2 にかけて圧電素子が伸長する
ものとする。
【0031】図2において、伸長する時間(時間t1
時間t0 )及び収縮する時間(時間t2 −時間t1 )そ
れぞれにおいて印加される駆動電圧の2次微分項の絶対
値が、ともに、駆動板12と移動体15との間に動摩擦
状態及び静摩擦状態の境界を与える駆動電圧の臨界2次
微分項の絶対値よりも大きくなるように、適宜手段を用
いて、駆動電圧を制御する。
【0032】したがって、移動体15は駆動板12に対
して、時間t0 から時間t2 にかけて動摩擦状態を維持
する。このような波形の駆動電圧を、図1に示す電圧源
16から圧電素子14a,14bに印加する。
【0033】時間t0 〜時間t1 において、圧電素子1
4a,14bを図面上右方向に大きな加速度α1 で急激
に変位させる。このとき、移動体15の質量をm,静摩
擦係数をμとすると、最大静止摩擦力fmax =μmg<
mα1 となり、通常は動摩擦係数μ’<静摩擦係数μで
あるため、駆動板12と移動体15とは動摩擦状態とな
る。この結果、移動体15の位置が変化せずに駆動板1
2が移動体15に対して距離L5 だけ相対移動する。
【0034】次に、時間t1 〜時間t2 においては、圧
電素子14a,14bを図面上左方向に大きな加速度α
2 で急激に変位させる。このとき、前述したように、最
大静止摩擦力fmax =μmg<mα2 となるため、駆動
板12と移動体15とは動摩擦状態となる。この結果、
移動体15の位置が変化せずに駆動板12が移動体15
に対して距離L6 だけ相対移動する。
【0035】図1及び図2に示す本実施例の装置では、
時間t0 〜時間t2 において、移動体15には動摩擦力
μ’mgが作用しているため、時間t0 から時間t1
では右方向に距離x1 =1/2μ’g(t1 −t0 2
だけ移動し、時間t1 から時間t2 までは左方向に距離
2 =1/2μ’g(t2 −t1 2 だけ移動する。し
たがって、時間t0 から時間t1 までの間に移動体15
が右方向に移動する距離xは、 x=1/2μ’g{(t1 −t0 2 −(t2 −t1
2 } となる。
【0036】ここで、時間t0 から時間t1 までの間、
駆動板12が加速度α1 で移動するということは、例え
ば圧電素子14a,14bが加速度α1 で伸びるという
ことである。同様に、時間t1 までの間は、圧電素子1
4a,14bが加速度α2 で縮むということである。時
間t0 から時間t2 までの間の一周期に圧電素子が伸び
る量と縮む量とは等しいため、1/2α1 (t1
0 2 =1/2α2 (t2 −t1 2 である。よっ
て、α1 ≠α2 であれば、x≒0となる。
【0037】なお、移動距離を確保するためには進行さ
せたい方向へ伸長する時間を長くとることが必要で、例
えば、(t1 −t0 )≧2×(t2 −t1 )とすること
が望ましい。
【0038】このように、時間t0 〜時間t1 ,時間t
1 〜時間t2 において、ともに、移動体15が駆動板1
2に対して動摩擦状態であっても、α1 ≠α2 であれ
ば、移動体15を移動することができる。
【0039】本実施例では、移動体15と駆動板12と
の間は常に動摩擦状態であるため、電圧源16の駆動回
路を、静摩擦状態及び動摩擦状態に切り換え得るように
構成する必要がなく駆動回路を簡素化できるとともに、
駆動電圧の一周期の長期化を防止できるために移動速度
の高速化を図れるとともに静粛に駆動することができ
る。
【0040】また、移動体15と駆動板12との間は常
に動摩擦状態でよいため、移動体15,駆動板12それ
ぞれの性状(材質,粗度等)にあまり注意を払う必要が
なくなり、最適な駆動条件を簡単に設定でき、設計の自
由度が増加する。
【0041】(第2実施例)図3は、本発明の第2実施
例を適用した駆動装置の構成を示す説明図である。な
お、以降の各実施例の説明では、同一部分には同一の符
号を付すことにより重複する説明を省略する。
【0042】本実施例における駆動装置10−1は、第
1実施例の変形例であり、枠体11−1が断面溝型の収
容体ではなく、縁部に設けられるフランジ部11bが一
つである断面L字型の収容体であり、圧電素子14aが
フランジ部11bの内面に一つだけ設けられている。こ
のように構成することにより、構造が簡素化される。
【0043】(第3実施例)図4は、本発明の第3実施
例を適用した駆動装置の構成を模式的に示す説明図であ
る。
【0044】本実施例における駆動装置はいわゆるイン
パクト型駆動装置であり、第1実施例及び第2実施例に
対して、いわば自走式である。同図に示すように、イン
パクト型駆動装置10−2は、直方体状の相対運動部材
12に圧電素子14の一端が取り付けられ、この圧電素
子14の他端に慣性体19が取り付けられて、構成され
る。
【0045】このインパクト型駆動装置10−2を静摩
擦係数μの物体である固定体15上に載置する。この
際、固定体15の表面15aには相対運動部材12のみ
が接触し、圧電素子14及び慣性体19はともに接触し
ない。
【0046】そして、圧電素子14に接続された図示し
ない電圧源から、図2に示すような非対称波形の駆動電
圧を連続的に印加する。時間t0 〜時間t1 において、
圧電素子14は図面上右方向に大きな加速度α1 で急激
に変位する。この結果、相対運動部材12と固定体15
とは動摩擦状態となり、相対運動部材12が固定体15
に対して距離L7 だけ相対移動する。
【0047】次に、時間t1 〜時間t2 においては、圧
電素子14は図面上左方向に大きな加速度α2 で急激に
変位する。この結果、相対運動部材12と固定体15と
は動摩擦状態となり、相対運動部材12が固定体15に
対して距離L8 だけ相対移動する。
【0048】このように、時間t0 〜時間t1 ,時間t
1 〜時間t2 において、ともに、相対運動部材12が固
定体15に対して動摩擦状態であっても、加速度α1
加速度α2 であれば、相対運動部材12を移動すること
ができる。
【0049】本実施例では、相対運動部材12と固定体
15との間は常に動摩擦状態であるため、電圧源の駆動
回路を、静摩擦状態及び動摩擦状態に切り換え得るよう
に構成する必要がなく駆動回路を簡素化できるととも
に、駆動電圧の一周期の長期化を防止できるために移動
速度の高速化を図れるとともに静粛に駆動することがで
きる。
【0050】また、相対運動部材12と固定体15との
間は常に動摩擦状態でよいため、相対運動部材12,固
定体15それぞれの性状(材質,粗度等)にあまり注意
を払う必要がなくなる。そのため、最適な駆動条件を簡
単に設定でき、設計の自由度が増加する。
【0051】(第4実施例)図5は、第4実施例の本発
明にかかる駆動装置の構成を示す説明図である。本実施
例における駆動装置10−3は、第3実施例の変形例で
あり、相対運動部材12の対向面に二つの圧電素子14
a,14bが取り付けられ、これらの圧電素子14a,
14bの他端に慣性体19a,19bが取り付けられた
ものである。
【0052】第3実施例に比較すると、圧電素子が二つ
設置されているために駆動力を倍増できる。
【0053】(変形例)以上の本実施例では、説明を簡
単にするために等加速度運動の場合を例にとって説明し
たが、必ずしも全時間において等加速度運動である必要
はなく、等加速度運動の場合には限定されない。
【0054】また、本実施例では、電気−機械エネルギ
ー変換素子として圧電素子を用いたが、本発明はこれに
限定されるものではなく、例えば電歪素子や磁歪素子等
を用いることもできる。
【0055】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1の
発明では、電気−機械エネルギー変換素子が伸長する時
間及び収縮する時間それぞれにおいて駆動装置に印加さ
れる駆動電圧の2次微分項の絶対値が、ともに、相対運
動部材と物体との間に動摩擦状態及び静摩擦状態の境界
を与える駆動電圧の臨界2次微分項の絶対値よりも大き
いため、電圧源の駆動回路を、静摩擦状態及び動摩擦状
態に切り換え得るように構成する必要がなく駆動回路を
簡素化できるとともに、駆動電圧の一周期の長期化を防
止できるために移動速度の高速化を図れるとともに静粛
に駆動することができる。
【0056】また、相対運動部材と物体との間は常に動
摩擦状態でよいため、相対運動部材,物体それぞれの性
状により決定される静摩擦係数にあまり注意を払う必要
がなくなり、最適な駆動条件を簡単に設定でき、設計の
自由度が増加する。
【0057】請求項2の発明は、請求項1において、駆
動装置が相対運動部材に転動自在に接触する回転体と,
電気−機械エネルギー変換素子の他端を保持するととも
に回転体を搭載する枠体とを備えるため、相対運動部材
によって物体をスムーズに駆動できる。
【0058】請求項3の発明は、請求項1において、駆
動装置が相対運動部材に転動自在に接触する回転体と,
相対運動部材の相対運動方向の両端部にそれぞれ配置さ
れた2つの電気−機械エネルギー変換素子と,電気−機
械エネルギー変換素子の他端をそれぞれ保持するととも
に回転体を搭載する枠体とを備えるため、相対運動部材
によって物体をスムーズかつ大きなトルクで駆動でき
る。
【0059】請求項4の発明は、請求項1において、駆
動装置が電気−機械エネルギー変換素子の他端に接続さ
れた慣性体を備えるため、物体に対して相対運動部材を
スムーズに駆動できる。
【0060】請求項5の発明は、請求項1において、駆
動装置が相対運動部材の相対運動方向の両端部にそれぞ
れ配置された2つの電気−機械エネルギー変換素子と,
電気−機械エネルギー変換素子の他端それぞれに接続さ
れた2つの慣性体とを備えるため、物体に対して相対運
動部材をスムーズに駆動できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を適用した駆動装置の構成
を示す説明図である。
【図2】第1実施例において、電圧源から圧電素子に印
加される駆動電圧の波形を示すグラフである。
【図3】本発明の第2実施例を適用した駆動装置の構成
を示す説明図である。
【図4】本発明の第3実施例を適用した駆動装置の構成
を示す説明図である。
【図5】第4実施例の本発明にかかる駆動装置の構成を
示す説明図である。
【図6】図6(a)及び図6(b)は、従来の駆動装置
の例であるインパクト型移動装置を示す説明図である。
【図7】従来の移動装置の第2の例の構成を示す説明図
である。
【符号の説明】
10,10−1,10−2,10−3 駆動装置 11,11−1 台 11a 内面底部 11b,11c
フランジ部 12 駆動板 12,12a,1
2b 両側面 13 支持子 14,14a,1
4b 圧電素子 15 移動体 16 電圧源 17a,17b 電極 18a,18b
電極 19,19a,19b 慣性体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体に接触する相対運動部材と,一端が
    前記相対運動部材に接合されるとともに、駆動電圧を印
    加されることにより伸縮して前記相対運動部材を駆動す
    る電気−機械エネルギー変換素子とを少なくとも備える
    駆動装置に、前記電気−機械エネルギー変換素子が伸長
    する時間と収縮する時間とを異ならせる非対称波形の駆
    動電圧を印加する駆動装置の駆動方法において、 前記電気−機械エネルギー変換素子が伸長する時間及び
    収縮する時間それぞれにおいて印加される駆動電圧の2
    次微分項の絶対値は、ともに、前記相対運動部材と前記
    物体との間に動摩擦状態及び静摩擦状態の境界を与える
    駆動電圧の臨界2次微分項の絶対値よりも大きいことを
    特徴とする駆動装置の駆動方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された駆動装置の駆動方
    法において、 前記駆動装置は、前記相対運動部材に転動自在に接触す
    る回転体と,前記電気−機械エネルギー変換素子の他端
    を保持するとともに前記回転体を搭載する枠体とを備え
    ることを特徴とする駆動装置の駆動方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載された駆動装置の駆動方
    法において、 前記駆動装置は、前記相対運動部材に転動自在に接触す
    る回転体と,前記相対運動部材の相対運動方向の両端部
    にそれぞれ配置された2つの前記電気−機械エネルギー
    変換素子と,前記電気−機械エネルギー変換素子の他端
    をそれぞれ保持するとともに前記回転体を搭載する枠体
    とを備えることを特徴とする駆動装置の駆動方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載された駆動装置の駆動方
    法において、 前記駆動装置は、前記電気−機械エネルギー変換素子の
    他端に接続された慣性体を備えることを特徴とする駆動
    装置の駆動方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載された駆動装置の駆動方
    法において、 前記駆動装置は、前記相対運動部材の相対運動方向の両
    端部にそれぞれ配置された2つの前記電気−機械エネル
    ギー変換素子と,前記電気−機械エネルギー変換素子の
    他端それぞれに接続された2つの慣性体とを備えること
    を特徴とする駆動装置の駆動方法。
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