JPH08340124A - 光角度センサ及びその信号処理回路 - Google Patents

光角度センサ及びその信号処理回路

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JPH08340124A
JPH08340124A JP7217980A JP21798095A JPH08340124A JP H08340124 A JPH08340124 A JP H08340124A JP 7217980 A JP7217980 A JP 7217980A JP 21798095 A JP21798095 A JP 21798095A JP H08340124 A JPH08340124 A JP H08340124A
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light
angle sensor
light receiving
circuit
optical angle
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JP7217980A
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English (en)
Inventor
隆志 ▲高▼岡
Takashi Takaoka
Atsuo Fujikawa
淳雄 藤川
Shinya Kawanishi
信也 川西
Noboru Kawai
昇 川合
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光源からの光の到来方向を、所定平面内の、
基準方向に対する角度として検出するだけでなく、この
所定平面内での角度検出を、該光源からの光の到来方向
の該所定平面に対する角度の影響を受けないものとし、
しかも、角度検出範囲を部品コストや配置スペースの増
大を抑えつつ拡大する。 【解決手段】 光源からの光線を受光する2個のフォト
ダイオードPD1,PD2からなる受光部2と、該受光
部2前方側に配置され、該フォトダイオードPD1,P
D2に入射する光線を制御する、一方向に長い略短冊形
の絞り窓4を有する遮光壁3とを備え、該遮光壁3の絞
り窓4を、その長手方向の軸が該所定平面と垂直とな
り、かつその開口面が該受光部2の中央部に対向するよ
う配置され、その長手方向の寸法Ld2が該受光部の幅
寸法Ld1より大きく、かつ該短手方向の寸法Wd2が
該受光部2の幅寸法Wd1より小さい構造とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光角度センサに関
し、特に、光源から発せられる光線を受光し、その光源
の位置する方位を、所定平面内の、基準方位に対する角
度として検出する際、該光源の該所定平面からの離間距
離の影響を受けないように構成したものに関する。
【0002】本発明は、光角度センサの信号処理回路に
関し、特に、2つの受光素子の光出力信号を処理して、
光の到来方向に対応する1つのアナログ出力を得るよう
にしたものに関する。
【0003】
【従来の技術】従来から、発光ダイオード等の光源(以
下、LEDともいう。)から発せられる光線を受光し、
その光源の位置する方位を、所定平面内の、基準方位に
対する角度として検出する光角度センサがあり、以下、
扇風機用の光角度センサを例に上げてその説明を行う。
【0004】この光角度センサは、扇風機本体に取り付
けられ、扇風機用リモートコントロール送信機のLED
光位置,つまりLED光の到来方向(角度)を検出し、
風向をLED光の到来方向に向けるためのものである。
【0005】図8に示すように、従来の光角度センサ2
00は、受光部20として、一列に並べられた複数個の
フォトダイオードPd1、Pd2、Pd3を有し、これ
らフォトダイオードPd1、Pd2、Pd3の前方側に
は、透光窓10aを有する遮光部10が配置されてい
る。
【0006】該遮光部10の透光窓10aの中心は、該
3つのフォトダイオードの中央のものPd2の中心と一
致しており、この透光窓10aにはリモートコントロー
ル送信機のLEDからの入射光を集光するレンズ1が取
り付けられている。
【0007】ここで、例えばLED30が光角度センサ
の正面方向にある場合、図8のように、光角度センサ2
00にLED光ch1が入射し、3個のフォトダイオー
ドPd1、Pd2、Pd3のうち、中央に位置するフォ
トダイオードPd2の光出力電流が最大となる。
【0008】また、LED30が光角度センサの正面方
向から横方向(紙面右方向)へ移動するに従い、入射光
は図8に示すようにLED光ch1からLED光ch2
へと変化する。ここで、LED光ch2が光角度センサ
200に入射した場合、フォトダイオードPd1とフォ
トダイオードPd2の光出力電流が同等になる。
【0009】さらに、LED30が横方向(紙面右方
向)へ移動すると、入射光は図8のように、LED光c
h2からLED光ch3へと変化する。ここで、LED
光ch3が光角度センサ30に入射した場合、フォトダ
イオードPd1の光出力電流が最大になる。
【0010】そして、従来の光角度センサ200では、
上記各フォトダイオードPd1、Pd2、Pd3の光出
力電流を比較し、演算処理することにより、LED光の
入射角度を検出している。
【0011】次に上記光角度センサの出力信号を演算処
理する信号処理回路について説明する。
【0012】図10は上記光角度センサの信号処理回路
の構成を示すブロック図であり、図において、200a
は、光角度センサの受光部20からの光出力電流を演算
処理する信号処理回路で、該受光部20を構成する各フ
ォトダイオードPd1,Pd2,Pd3の光出力電流を
電圧に変換するI−V変換回路211,212,213
と、該各I−V変換回路の電圧出力を、マイクロコンピ
ュータが処理可能なレベルとなるよう増幅する増幅回路
221,222,223とを有している。
【0013】また、上記信号処理回路200aは、上記
各増幅回路の出力を信号処理するマイクロコンピュータ
230を有しており、該マイクロコンピュータ230に
は、上記各増幅回路221,222,223の出力をア
ナログ−デジタル変換するA−D変換器231,23
2,233が設けられている。
【0014】なお、ここで、31は光源としての扇風機
用リモートコントロール送信機内のLED30を駆動す
る送信回路で、上記送信機内に搭載されている。
【0015】次に該信号処理回路の動作について説明す
る。
【0016】送信機のLED30から発せられた光信号
が扇風機本体側の受光部20にて受光され、該受光部2
0のフォトダイオードPd1、Pd2、Pd3から光出
力電流が出力されると、これらの光出力電流が上記信号
処理回路200aの各I−V変換回路211〜213に
て電流−電圧変換される。
【0017】そして該変換回路211〜213の出力電
圧は、その後段の対応する増幅回路221〜223に
て、マイクロコンピュータ230にて処理可能なレベル
に増幅され、該増幅されたアナログ電圧がマイクロコン
ピュータ内のA−D変換器231〜233にてデジタル
データに変換される。
【0018】該マイクロコンピュータ230では、デジ
タルデータに変換された各フォトダイオードPd1,P
d2,Pd3の出力信号を比較し、どのフォトダイオー
ドが最も多く受光しているかを判断し、光源の角度を認
知する。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の光角
度センサ200及び信号処理回路200aではそれぞれ
以下に示すような問題があり、まず従来の光角度センサ
200の問題点について説明する。
【0020】図9は上記光角度センサ200,集光レン
ズ1,及びLED(光源)30の位置関係をXYZ座標
を用いて3次元的に示している。ここでは、XYZ座標
の原点を上記集光レンズ1の中心に合わせ、また、X−
Y平面が該光角度センサ200のフォトダイオードの受
光面と平行になり、X軸方向がフォトダイオードの配列
方向と一致し、さらにZ軸が上記中央のフォトダイオー
ドPd2の中心と交わるように、XYZ座標を設定して
いる。
【0021】図9に示すように、LEDが位置A,つま
りZ軸上にあれば、レンズ1を通過した光はフォトダイ
オードPd2に入射する。また、LEDがX−Z平面上
であって上記位置Aから離れた位置B(紙面手前側)に
あれば、レンズ1を通過した光はフォトダイオードPd
1に入射する。
【0022】ところが、リモートコントロール送信機の
LED30が常に図9のX−Z平面,つまりフォトダイ
オードの配列方向と平行でレンズ1の中心を含む平面内
に位置するとは限らず、LED30が例えばY−Z平面
内の位置Cにくる場合もある。
【0023】この場合、レンズ1を通過した光は、Y−
Z平面内の、フォトダイオードPd2の受光面から外れ
た位置に入射してくるため、位置CのLEDからの到来
光があるにもかかわらず、いずれのフォトダイオードP
d1、Pd2、Pd3からも光出力電流が出力されず、
このため、LEDの位置を検出することができないこと
になる。
【0024】上記のようにX−Z平面から外れた位置C
からのLED光をフォトダイオードPd1、Pd2、P
d3にて受けるためには、各フォトダイオードのY軸方
向の幅を大きくする必要がある。そうすると、フォトダ
イオードPd1、Pd2、Pd3の面積が増大する分、
部品コストが上昇してしまう。しかも光角度センサのた
めに必要となるスペースも増大し、小型化の要請に反す
る。
【0025】また、LEDがX−Z平面内を移動する場
合についても、光角度センサ200とレンズ1とを組み
合わせた光学系を用いると、広範囲に渡ってLEDの位
置を検出できるようにするためには、フォトダイオード
Pd1、Pd2、Pd3の受光面の面積をX方向に大き
くしなくてはならない。
【0026】具体的には、レンズの焦点距離f(図示せ
ず)を極力短くし(例えばf≧3mm)、X−Z平面内
でLEDが位置する方位が、Z軸方向を基準として仮に
±45゜以内のどこにあるかを検出する場合、幾何学的
計算により各フォトダイオードのX方向の長さは少なく
とも6mm必要であった。この結果、フォトダイオード
の正面方向を基準とする±45゜以内の範囲でのLED
位置の検出は、部品コスト低減および省スペース化の限
界となっていた。
【0027】さらに、上記のようなLED位置の検出範
囲の拡大は、フォトダイオードPd1、Pd2、Pd3
についてだけでなく、レンズ1についても大面積化が要
求されることから、レンズ1の部品コストおよび配置ス
ペースについても同時に重要な課題となっていた。
【0028】次に従来の光角度センサの信号処理回路に
おける問題点について説明する。
【0029】従来の光角度センサの信号処理回路200
aでは、上述したように、複数のフォトダイオードの光
検出信号をマイクロコンピュータにて演算処理により比
較して、光源の位置を認知するようにしている。つまり
このような構成では、光源方向の角度の認知は、実質的
にマイクロコンピュータのソフトウエアにより行われる
こととなる。また、外乱光や電気的ノイズに対する信号
処理についても、マイクロコンピュータのソフトウエア
により行っている。
【0030】このため、ソフトウエアによる処理に対す
る比重が大きく、ソフトウエアが複雑なものとなってお
り、また、光源方向の角度の認知における精度を厳しく
しようとすると、マイクロコンピュータにおけるソフト
ウエア、つまりプログラムの増大を招くという問題があ
った。
【0031】本発明は上記のような問題点を解決するた
めになされたもので、光源からの光の到来方向を、所定
平面内の、基準方向に対する角度として検出することが
できるだけでなく、この所定平面内での角度検出を、該
光源からの光の到来方向の該所定平面に対する角度の影
響を受けないものとでき、しかも、角度検出範囲を部品
コストや配置スペースの増大を抑えつつ拡大できる光角
度センサを得ることを目的とする。
【0032】また、本発明は、光検出信号の処理による
光源方向の角度検出を、簡単なソフトウエアにより行う
ことができる光角度センサの信号処理回路を得ることを
目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】この発明(請求項1)に
係る光角度センサは、光源の位置する方位を、所定平面
内の、基準方位に対する角度として検出する光角度セン
サであって、該光源からの光線を受光する複数個の受光
素子からなる受光部と、該受光部の前方側に配置され、
該受光部に入射する光線を制限する、一方向に長い略短
冊形の絞り窓を有する遮光部とを備えている。そして、
該遮光壁の絞り窓は、光源から受光部への到来光の、該
長手方向と垂直な平面内での光の広がりに対して絞りが
かかり、該到来光の、該長手方向と平行な平面内での光
の広がりに対して絞りがかからないよう構成されてい
る。そのことにより上記目的が達成される。
【0034】この発明(請求項2)は請求項1記載の光
角度センサにおいて、前記遮光部の絞り窓を、その長手
方向の軸が前記所定平面と垂直となり、かつその開口面
が前記受光部の中央部に対向するよう配置され、その長
手方向の寸法が該受光部の該長手方向の幅寸法より大き
く、かつその短手方向の寸法が該受光部の該短手方向の
幅寸法より小さくなっている構造としたものである。
【0035】この発明(請求項3)は請求項1又は2記
載の光角度センサにおいて、前記受光部を、対向する2
辺が該絞り窓の長手方向と平行な長方形形状を有し、該
長方形の対角線の対応する部分にて2分割され、該分割
された部分がそれぞれ1個の光電変換チップからなる構
成としたものである。
【0036】この発明(請求項4)に係る光角度センサ
の信号処理回路は、2個1対の受光素子を有し、該両受
光素子の光検出信号の比が光源の位置する方位情報とな
っている光角度センサの出力信号を処理する信号処理回
路である。この信号処理回路は、該各受光素子の光検出
信号を、これに対応する対数値に変換する対数変換手段
と、該対数変換手段からの、該各受光素子の光検出信号
に対応する対数変換出力を受け、両対数変換出力の差信
号をアナログ信号として出力する信号変換手段とを備
え、該光源が位置する方位に対応した1つのアナログ信
号を出力するよう構成したものである。そのことにより
上記目的が達成される。
【0037】この発明(請求項5)は、請求項4記載の
光角度センサの信号処理回路において、前記対数変換手
段としてログアンプを、前記信号変換手段として差動増
幅器を備え、該ログアンプ前段に、前記各受光素子の光
検出信号に対応するパルス信号のみを通過させる周波数
フィルタを設け、該周波数フィルタの前段に前記各受光
素子の光検出信号を電流電圧変換する電流電圧変換回路
を設けたものである。この発明(請求項6)は、請求項
5記載の光角度センサの信号処理回路において、前記電
流電圧変換回路、周波数フィルタ、ログアンプ、及び差
動増幅器を、それぞれオペアンプを含む回路構成とし、
該電流電圧変換回路の出力を、コンデンサーによるAC
結合回路を介して該周波数フィルタに接続し、該周波数
フィルタの出力を、コンデンサーによるAC結合回路を
介して該ログアンプに入力するようにし、さらに、該電
流電圧変換回路、周波数フィルタ、ログアンプ、及び差
動増幅器を構成するオプアンプには、所定のリファレン
ス電圧が供給されるようにしたものである。
【0038】この発明(請求項7)は、請求項6記載の
光角度センサの信号処理回路において、前記ログアンプ
とその前段の回路との間に、該ログアンプからみた前段
回路の出力インピーダンスを低減する電圧増幅率が1で
あるボルテージフォロア回路を設けたものである。
【0039】以下、作用について説明する。
【0040】この発明(請求項1,2)においては、受
光部の前面側に配置された遮光部の絞り窓を、光源から
受光部への到来光の、該長手方向と垂直な平面内での光
の広がりに対して絞りがかかり、該到来光の、該長手方
向と平行な平面内での光の広がりに対して絞りがかから
ないよう構成したから、該絞り窓の長手方向を含む平面
内で光源の位置が大きく変動しても、受光部への入射光
による受光面上での光照射領域はほとんど変動しないこ
ととなる。また、上記絞り窓の長手方向と垂直な平面内
での到来光の広がりに対しては、該絞り窓による絞りが
かかるため、該絞り窓の開口部分にレンズを配置しなく
ても、光源からの到来光を受光部上に集光した場合の受
光面上での像と同様な像を、受光面上に形成することが
でき、絞り窓の長手方向と垂直な平面内で光源の位置が
変動すると、受光部への入射光による受光面上での光照
射領域が変動することとなり、これによりレンズを用い
ることなく、光源の位置する方位を、絞り窓の長手方向
と垂直な平面の角度として検出可能となる。
【0041】これにより、光源からの光の到来方向を、
所定平面内の、基準方向に対する角度として検出するこ
とができるだけでなく、この所定平面内での角度検出
を、該光源からの光の到来方向の該所定平面に対する角
度の影響を受けないものとでき、さらに、レンズを省略
できる分、部品コストを削除できるとともに、従来、遮
光壁と受光部との間に必要であったレンズの焦点距離に
相当するスペースを省略でき、光角度センサにおける省
スペース化も図れる。
【0042】本発明(請求項3)においては、受光部
を、対向する2辺が該絞り窓の長手方向と平行な長方形
形状を有し、該長方形の対角線の対応する部分にて2分
割され、該分割された部分がそれぞれ1個の光電変換チ
ップからなる構成としているため、該受光部の受光面に
形成された、入射光が短冊状の絞り窓により絞られた短
冊状の像が、該長手方向と垂直な方向に移動した時、各
光電変換チップでの該像の占める面積の比率が変化する
こととなり、該両光電変換チップの光出力電流の比較及
び演算処理により、光源の位置する方位を検出すること
ができる。
【0043】本発明(請求項4)においては、各受光素
子の光検出信号を、これに対応する対数値に変換する対
数変換手段と、該対数変換手段からの、該各受光素子の
光検出信号に対応する対数変換出力を受け、両対数変換
出力の差信号をアナログ信号として出力する信号変換手
段とを備え、該光源が位置する方位に対応した1つのア
ナログ信号を出力するよう構成したので、光源方向の角
度検出は1つのアナログ信号の処理により行われること
となり、該角度検出のための処理を簡単なソフトウエア
により行うことができる。
【0044】この発明(請求項5)においては、前記対
数変換手段を構成するログアンプの前段に、前記各受光
素子の光検出信号に対応するパルス信号のみを通過させ
る周波数フィルタを設けたので、2個1対の受光素子か
らの2個のパルス信号に重畳された、電気ノイズや蛍光
灯の光のような、光検出信号とは周波数の異なる外乱光
による信号成分を除去できる。
【0045】この発明(請求項6)においては、ログア
ンプとその前段の周波数フィルタとの間、及び周波数フ
ィルタとその前段の電流電圧変換回路との間に、AC結
合回路を設け、さらに、該電流電圧変換回路、周波数フ
ィルタ、ログアンプ、及びログアンプ後段の差動増幅器
を構成するオプアンプには、所定のリファレンス電圧を
供給するようにしたので、微小信号増幅処理において影
響の出てくる、オペアンプのオフセット電圧の影響をな
くすことができる。
【0046】また、各回路をコンデンサカップリングに
よるAC結合にしているため、太陽光のような変化の少
ない光の影響や、微小信号増幅で問題となるリーク電流
の影響も断ち切ることができる。
【0047】この発明(請求項7)においては、前記ロ
グアンプとその前段の回路との間に、該ログアンプから
みた前段回路の出力インピーダンスを低減する電圧増幅
率が1であるボルテージフォロア回路を設けたので、ロ
グアンプの前段回路におけるオフセット電圧が増幅され
ることがなく、2つの受光素子からの光検出信号の比に
おける信号誤差が最小限に抑えられることとなる。これ
により光角度センサによる光源方位の検出を高い精度で
もって行うことができる。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について説
明する。
【0049】(実施の形態1)図1〜図4は、本発明の
実施の形態1による光角度センサを説明するための図で
あり、図1は該光角度センサの外観を示す平面図、図2
は該光角度センサの主要部の寸法を示す図、図3は図1
のA−A線断面の構造を示す図、図4は図1のB−B線
断面の構造を示す図である。なお、この実施例の光角度
センサは、例えば、リモートコントロール送信機に搭載
された発光ダイオード等の光源(LED)から発せられ
る光を受光し、基準方向に対するLEDの位置する方位
を二次元的に,つまり所定の平面内の角度として検出す
るものである。
【0050】図において、100は本実施の形態の光角
度センサで、LEDからの到来光を受光する受光部2
と、該受光部2の受光面の前方側に配置された遮光壁3
とを備えており、該遮光壁3の、受光部2の受光面中央
部に対応する部分には、該受光部2に入射する光線を制
限する細長い短冊形の絞り窓4が形成されている。ま
た、上記受光部2は平面形状が略正方形形状となってお
り、その対角線にて2分割される部分の一方は第1の光
電変換チップ(フォトダイオード)PD1から、またそ
の他方は第2の光電変換チップ(フォトダイオード)P
D2から構成されている。ここで上記受光部2は遮光壁
3に対して、その絞り窓4が該対角線と略45度の角度
でそれぞれの中心部分で交差するよう位置決めされてい
る。
【0051】つまり、上述したXYZ座標を用いて説明
すると、上記絞り窓4はY軸方向の寸法(長さ寸法)L
d2がX軸方向の寸法(幅)Wd2に比べて長い短冊形
に形成されており、また、その絞り窓4の長さ寸法Ld
2は、受光部2のY軸方向の寸法Ld1より大きくなっ
ている。また、該受光部2のX軸方向の寸法Wd1は該
絞り窓4の幅寸法Wd2より大きくなっている。以下
に、上記各部分の具体的な寸法を示すと、Ld1,Wd
1は3mm、Ld2は5mm、Wd2は1mmであり、
上記遮光壁3のX軸方向の幅は20mm、遮光壁3のY
軸方向の幅は15mmである。
【0052】従って、この光角度センサ100では、X
軸方向には絞り窓4により受光部2に対して絞りがかか
り、Y軸方向は該絞り窓4による絞りがかからない構造
となっている。
【0053】上記構成の光角度センサ単体としての動作
を図3〜図6を用いて説明する。
【0054】まず、図3のようにLEDがX−Z平面内
に位置している場合、該LEDが正面方向(Z軸方向)
から紙面右方向へ移動すると、受光部2への到来光は、
絞り窓の開口面と垂直な直線上に位置するLEDからく
る光線ch4から、絞り窓の開口面に対して斜めに傾斜
した直線上のLEDからくる光線ch5へと変化する。
この場合、これらの光線は絞り窓4によりX軸方向の絞
りをかけられるため、光線ch4は受光部2の中央部に
のみ入射され、また、絞り窓4の右上からくる光線ch
5は、絞り窓4を通過し、受光部2に対してはその中心
より左側の受光面上に入射することとなる。
【0055】また、図4のようにLEDがY−Z平面内
に位置している場合、該LEDが正面方向(Z軸方向)
から紙面右方向へ移動すると、受光部2への到来光は、
絞り窓の開口面と垂直な直線上に位置するLEDからく
る光線ch4から、絞り窓の開口面に対して斜めに傾斜
した直線上のLEDからくる光線ch6へと変化する。
この場合、絞り窓4による絞りがY軸方向にはかからな
いため、光線ch4及びch6は同様に受光部2の全面
に入射されることとなる。つまり、受光部の受光面上で
の入射光による像は、光線ch4及びch6については
同様なものとなる。
【0056】図5は、上記受光部2の受光面上での入射
光の照射領域を示す。
【0057】上述したように、絞り窓4の形状と、該絞
り窓4に対する受光部2の配置から、受光部2の受光面
上での入射光の照射領域は、絞り窓4の形状に対応し
た、Y軸方向に長い短冊状になる。つまり、図3の光線
ch4については、受光部2に入射される光の像は、受
光部2の受光面中央部にX軸方向の一定幅を持つ帯状の
像5となり、その光源(LED)が図4に示すようにY
−Z平面内で移動し受光部への到来光が図4の光線ch
6となっても、この光線ch6についての受光部2の受
光面上での像は、上記光線ch4に対する像5のままで
変化しない。
【0058】ところが、LEDが図3に示すようにX−
Z平面内で位置変動した場合、受光部への到来光が光線
ch5となる。この場合、受光部2の受光面上での入射
光の像もLEDの移動に対応して、上記LEDの移動方
向とは逆方向に移動して、受光部2の受光面中央部より
紙面左側に寄った、X軸方向の一定幅を持つ帯状の像6
となる。
【0059】次に上記のような構成の光角度センサにお
いて、外部からの到来光に基づいてその光源の方位が検
出される原理について説明する。
【0060】図5、図6に示すように、受光部2の受光
面上での入射光の像は、Y軸方向に長い短冊状のもので
あり、X−Z平面内でのLEDの移動により、これに対
応して受光部2の受光面上で、Y軸方向に長い短冊形の
像がX軸方向に移動する。
【0061】ところで、略正方形の平面形状を有する受
光部2は、該正方形の対角線の位置で、第1,第2のフ
ォトダイオードPD1,PD2に2分割された構造とな
っているため、図5の正面方向から到来する光線ch4
が、受光部の受光面上の中央部分に像5を形成した場
合、像5のフォトダイオードPD1側で占める面積と、
該像5のフォトダイオードPD2側で占める面積とは等
しくなる。
【0062】また、受光部への到来光が光線ch5であ
る場合は、受光部の受光面上での入射光の像は、上記像
5に比べると、図5に示すように紙面左側に平行移動し
た像6となる。この場合、該像6の、フォトダイオード
PD1側及びPD2側で占める面積は変化し、図6に示
すように、受光部2の受光面上でのY軸方向における中
心位置7にて像6は等分されるが、第1及び第2のフォ
トダイオードPD1及びPD2は、受光部2の対角線部
分にて分割されているため、これらのフォトダイオード
PD1,PD2での受光面積(受光部2の受光面上で該
像6が占める領域の面積)S1,S2は以下のようにな
る。
【0063】 受光面積S1=(Ld1/2×Wd3)+(Ld×Wd3)・・・(1) 受光面積S2=(Ld1/2×Wd3)−(Ld×Wd3)・・・(2) ここで、Ld3は、像6のX軸方向における中心線8と
受光部の対角線とが交わる点と、受光部2のY軸方向に
おける中心線7とのY軸方向における距離であり、ま
た、像6のX軸方向の幅Wd3は、絞り窓4の幅Wd
2、絞り窓4の開口面と受光部2の受光面とのZ軸方向
における距離、及びLEDのX−Z平面内での位置によ
る入射角度により決まる寸法である。そして上記(1)
式及び(2)式の第1項の(Ld1/2×Wd3)は、
図6に示す領域6aの面積、その第2項の(Ld×Wd
3)は、図6に示す領域6cの面積である。なお、領域
6bは、フォトダイオードPD2上にて上記像6の占め
る領域である。
【0064】そして、上記両フォトダイオードPD1,
PD2の受光面積の差は、(Ld3×Wd3)×2であ
り、フォトダイオードPD1での受光面積が大きくな
る。
【0065】すなわち、この面積の差は、受光部が対角
線部分にて2分割されているため、像6のX軸方向の中
心線8がX軸方向に水平移動すると、中心線8と対角線
(両フォトダイオードの境界線)との交点が、該対角線
上を移動することとなって生ずる。言い換えると、この
受光面積の比率の変化から、受光部へ入射する光の到来
方向をX−Z平面内の角度として検出することができ
る。つまり、光角度センサに対してその光源(LED)
が位置する方位を検出することができる。
【0066】図7は、その光源位置の方位検出の原理を
説明するための図である。
【0067】上記第1のフォトダイオードPD1の光出
力電流をI1、第2のフォトダイオードPD2の光出力
電流をI2とする。
【0068】入射光の角度がX−Z平面内で変化する
と、第1及び第2のフォトダイオードPD1、PD2の
受光面積は上記のようにその比率が変化する。このた
め、各フォトダイオードからの光出力電流I1、I2のバ
ランスも変化する。
【0069】また、LEDの光量が変化した時、例え
ば、X−Z平面内でのLEDと受光部との距離が変化し
た時、光出力電流I1、I2の絶対値は変化するが、その
相対的な比率は、受光部へ入射する光の到来方向によっ
てのみ決まり、入射光の強さによっては影響されない。
このため、光角度センサからみたLED(光源)の方位
が変化しない限り、光出力電流I1、I2の比率は変化せ
ず、LEDの光角度センサからの距離にかかわらずその
角度を以下のように検出することができる。
【0070】具体的には、図7に示すようにLED光が
絞り窓4の紙面右上より受光部へ入射している状態で
は、受光部2の受光面上には、幅Wd3をもったY軸方
向に長い短冊形の像が形成される。この時各フォトダイ
オードPD1,PD2はそれぞれ光出力電流I1,I2
出力する。
【0071】ここで、該光出力電流I1、I2の相対的な
比率は、各フォトダイオードPD1、PD2での受光面
積比との間で相関関係を持っており、また該受光面積比
は、入射光の受光部の受光面上でのX軸方向の重心位置
9との間で、相関関係を有している。このようなことか
ら、光出力電流I1、I2の相対的な比率は、入射光によ
る受光面上での像のX軸方向の重心位置9と対応するこ
ととなる。
【0072】すなわち光出力電流I1、I2の比を検出す
ることにより、受光部2のX軸方向の中心位置C0から
重心位置9までの距離l1を求めることができる。
【0073】そして該距離l1が求められれば、図7の
ように、絞り窓4の中心点C4から受光部2までの距離
2は既知の設計値であるため、幾何学的計算より、光
源から受光部への到来光の入射角度θ,つまりX−Z面
内での、受光面の法線方向に対してなす到来光の角度を
求めることができる。
【0074】従って、本実施例の光角度センサでは、該
センサに対するLEDの位置を、遮光部3の短冊状絞り
窓4の長手方向と垂直な平面内での角度として、該光源
の方位が該平面に対してなす角度の影響を受けることな
く求めることができる。
【0075】このように本実施例では、受光部2の前方
側に配置された遮光壁3の絞り窓4を、その形状が一方
向に長い短冊状であり、その長手方向の寸法Ld2が受
光部2の幅寸法Ld1よりも大きい構造としたので、こ
の絞り窓4の長手方向と平行な平面内での到来光の広が
りに対しては、該絞り窓4による絞りがかからないよう
になり、該絞り窓4の長手方向を含む平面内で光源(L
ED)の位置が大きく変動しても、受光部2への入射光
による受光面上での光照射領域はほとんど変動しないこ
ととなる。
【0076】また、絞り窓4の短手方向の寸法Wd2が
受光部2の幅寸法Wd1よりも小さいため、この絞り窓
4の長手方向と垂直な平面内での到来光の広がりに対し
ては、該絞り窓4による絞りがかかることとなり、該絞
り窓4の開口部分にレンズを配置しなくても、光源から
の到来光を受光部2上に集光した場合の受光面上での像
と同様な像を、受光面上に形成することができる。この
ため、絞り窓4の長手方向と垂直な平面内で光源の位置
が変動すると、受光部2への入射光による受光面上での
光照射領域が変動することとなり、これによりレンズを
用いることなく、光源の位置する方位を、絞り窓の長手
方向と垂直な平面の角度として検出可能となる。
【0077】従って、レンズを省略できる分、部品コス
トを省略でき、さらに従来、遮光壁3と受光部2との間
に必要であったレンズの焦点距離に相当するスペースを
省略でき、光角度センサにおける省スペース化も図れ
る。
【0078】また、該受光部2を、その略正方形形状の
外形の対角線部分にて分割されている第1,第2の光電
変換素子PD1,PD2から構成しているため、受光部
の受光面上に形成される入射光の像の移動に伴って、該
像の重心位置9と該対角線との交点が、該対角線に沿っ
て連続して変化することとなる。つまり、両光電変換素
子PD1,PD2での入射光による像が占める比率が連
続的に変化する。このため、光源からの到来光の方位検
出を細かく行うことができ、従来のようにフォトダイオ
ードPd1、Pd2、Pd3の3つの光出力電流によ
る、3〜5箇所の領域,つまり各フォトダイオードの受
光面内の領域及びその受光面外側の領域等に対応する方
位に分割された大まかな方位検出に比べると、方位検出
の高精度化を図ることができる。さらに、受光部の面積
も大きくとる必要がなく、受光部に必要となる部品コス
ト及びスペースの増大を回避できるという効果がある。
【0079】(実施の形態2)次に本発明の実施の形態
2による光角度センサの信号処理回路について説明す
る。図11は本実施の形態の光角度センサの信号処理回
路の構成を示す図であり、図において、100aは、光
源(LED)30からのパルス光を受光する2個1組の
受光素子PD1,PD2の光検出信号を処理して、光源
の方位を算出するための信号処理を行う信号処理回路で
ある。ここでは、光角度センサとして、上記実施の形態
1の光角度センサ100を用いており、つまり該受光素
子PD1,PD2は、実施の形態1の受光部2における
フォトダイオードと同一構成である。なお、本信号処理
回路100aは、リモートコントロール送信機のLED
30から発せられる角度検知用発光パルスについてのみ
信号処理を行うものであり、リモートコントロール送信
機のLED30から発せられる送信コードの処理を行う
ものではない。この送信コードの処理回路は、扇風機本
体側に別途設けられている。
【0080】上記光角度センサ100では、光源位置の
認識については、上述したように、例えば図3において
LEDが正面にある時、フォトダイオードPD1、PD
2の出力電流は同じである。また、光源位置が紙面右側
に移動すると、フォトダイオードPD1の出力電流が、
フォトダイオードPD2の出力電流より多くなる。従っ
てこれらのフォトダイオードの出力電流の比に基づいて
光源の方位を求めることができる。
【0081】上記信号処理回路100aは、該受光素子
PD1,PD2の光出力電流を電圧信号に変換する第
1,第2のI−V変換回路111,112と、該各I−
V変換回路111,112の出力にそれぞれコンデンサ
によるAC結合回路111a,112aを介して接続さ
れ、送信側のパルス信号成分のみ通過させる第1,第2
のバンドパス増幅器(以下、バンドパスアンプともい
う。)121,122とを有している。該バンドパス増
幅器121,122は周波数フィルタにより構成されて
いる。
【0082】また、上記各バンドパス増幅器121,1
22の出力には、コンデンサによるAC結合回路121
a,122aを介してボルテージフォロワ回路131,
132が接続され、該各ボルテージフォロワ回路13
1,132の出力には、ログアンプ141,142の一
方の入力が接続されている。
【0083】そして、これらのログアンプ141,14
2の他方の入力には、第1のリファレンス電圧発生回路
110aの出力が接続されている。この第1のリファレ
ンス電圧発生回路110aの出力は、上記バンドパス増
幅器121,122の入力には抵抗121b,122b
を介して接続され、また、上記ボルテージフォロワ回路
131,132の入力には、抵抗131b,132bを
介して接続されている。
【0084】さらに上記各ログアンプ141,142の
後段には、差動増幅器120が設けられており、この差
動増幅器120の一方の入力には、ログアンプ141の
出力が、その他方の入力には、ログアンプ142の出力
とともに、第2のリファレンス電圧発生回路110bの
出力が接続されている。また、ここでは、上記すべての
回路はオペアンプを用いた回路構成となっている。
【0085】次に動作について説明する。
【0086】例えば図12に示すように、リモートコン
トロール送信機のLED30から、送信コードに続いて
角度検知用発光パルスが発せられると、上記光角度セン
サ100は該光パルスを受け、そのフォトダイオードP
D1,PD2からは、光源であるLED30の方位に応
じた光出力電流が出力される。
【0087】ここでは、図12に示すように、送信コー
ドの送信後、4.5ms経過した時に、パルス長200
μsの角度検知用発光パルスを発するようにしている。
上記パルス長と、パルス間隔(送信コードの送信後、角
度検知用発光パルスが送信されるまでの時間)について
は、送信側の消費電流及び光角度センサでの検知可能な
時間に基づいて設定している。例えば、パルス長が長く
なると、消費電流は大きくなる。またパルス間隔が長く
なると、検知時間も長くなる。また反対にパルス長やパ
ルス間隔を短くすると、高速応答性のデバイスや回路が
必要となり、不経済となる。このような理由から、使い
勝手及びコストの面より、上記パルス長と、パルス間隔
を設定している。
【0088】該各フォトダイオードPD1,PD2から
の光出力電流は、I−V変換回路111,112により
電圧信号に変換され、AC結合回路111a,112a
を介してバンドパス増幅器121,122に印加され
る。
【0089】このバンドパス増幅器121,122で
は、上記I−V変換回路の出力信号に含まれる不要な外
乱光による信号成分や不要な電気ノイズが遮断され、送
信側のパルス信号成分のみが抽出され、この信号成分が
その後段のボルテージフォロワ回路131,132にA
C結合回路121a,122aを介して供給される。
【0090】そして、ボルテージフォロア回路131,
132、ログアンプ141,142、及び差動増幅器1
20により、上記各フォトダイオードPD1,PD2か
らの光出力電流に対して次式(1)で示す出力Voが得
られる。
【0091】 Vo=logV1−logV2=V1/V2 ・・・(1) ここで、V1,V2は、上記各ログアンプ141,142
への入力電圧であり、該ログアンプ入力電圧V1,V
2と、上記各フォトダイオードPD1,PD2の光出力
電流IPDI ,IPD2 とは、以下の関係式(2),(3)
を満たしている。
【0092】IPDI ∝ V1 ・・・(2) IPD2 ∝ V2 ・・・(3) ここで、上記各ログアンプ141,142はログダイオ
ードを使用しているため、その他方の入力に供給するリ
ファレンス電圧としては、ログダイオードの順方向電圧
以上の電圧が必要である。また、該ログアンプ141,
142の一方の入力には、検出パルス信号に加え、リフ
ァレンス電圧と同一の直流電圧を加える必要があり、ロ
グアンプ141,142の一方の入力とバンドパス増幅
器との間にはボルテージフォロアを設けている。このボ
ルテージフォロアは電圧増幅率1であり、ログアンプ1
41,142前段の回路のオペアンプにおけるオフセッ
ト電圧が増幅されないため、2つのパルスの比の出力誤
差が最小に抑えられ精度の高い光角度センサの出力信号
の処理が実現できる。
【0093】また、本実施の形態では、上記I−V変換
回路とバンドバスアンプとの間、及びバンドバスアンプ
とボルテージフォロア回路との間は、コンデンサによる
AC結合回路により、DC的にはアンカップリング状態
とし、バンドバスアンプ及びボルテージフォロア回路の
入力にリファレンス電圧を与えることにより、各回路を
構成するオペアンプのオフセット電圧の影響を受けない
ようにしている。
【0094】図13には光源の角度と差動増幅器の出力
電圧Voの特性例を示している。この図では、図3にお
けるLEDの受光部に対する正面方向を基準(0°)と
して、紙面右側への光源方向のずれ角をθとし、紙面左
側への光源方向のずれ角を−θとして、差動増幅器の出
力Vo の変化を示している。
【0095】このように本実施形態では、各受光素子の
光検出信号を、これに対応する対数値に変換するログア
ンプと、該ログアンプからの、該各受光素子の光検出信
号に対応する対数変換出力を受け、両対数変換出力の差
信号を、該光源が位置する方位に対応した1つのアナロ
グ信号として出力するよう構成したので、光源方向の角
度検出は1つのアナログ信号の処理により行われること
となり、該角度検出のための信号処理を簡単なソフトウ
エアにより行うことができる。
【0096】また、ログアンプの前段に、前記各受光素
子の光検出信号に対応するパルス信号のみを通過させる
バンドパスアンプを設けたので、2個1対の受光素子か
らの2個のパルス信号に重畳された、電気ノイズや蛍光
灯の光のような、光検出信号とは周波数の異なる外乱光
による信号成分を除去できる。
【0097】また、ログアンプとその前段のバンドパス
アンプとの間、及びバンドパスアンプとその前段の電流
電圧変換回路との間に、AC結合回路を設け、さらに、
該電流電圧変換回路、バンドパスアンプ、ログアンプ、
及びログアンプ後段の差動増幅器を構成するオプアンプ
には、所定のリファレンス電圧を供給するようにしたの
で、微小信号増幅処理において影響の出てくる、オペア
ンプのオフセット電圧の影響をなくすことができる。
【0098】さらに、各回路をコンデンサカップリング
によるAC結合にしているため、太陽光のような変化の
少ない光の影響や、微小信号増幅で問題となるリーク電
流の影響も断ち切ることができる。
【0099】また、前記ログアンプとその前段の回路と
の間に、該ログアンプからみた前段回路の出力インピー
ダンスを低減する電圧増幅率が1であるボルテージフォ
ロア回路を設けたので、ログアンプの前段回路における
オフセット電圧が増幅されることがなく、2つの受光素
子からの光検出信号の比における信号誤差が最小限に抑
えられることとなる。これにより光角度センサによる光
源方位の検出を高い精度でもって行うことができる。
【0100】なお、上記実施の形態2では、角度検知用
パルスは送信コードの後に送信される場合について説明
したが、角度検知用パルスは、送信コードの送信前に送
信してもよく、また角度検知用パルスを、送信コードと
は独立して送信するようにしてもよい。
【0101】
【発明の効果】以上のように本発明に係る光角度センサ
によれば、光源からの光線を受光する複数個の受光素子
からなる受光部と、該受光部の前方側に配置され、該受
光部に入射する光線を制限する、一方向に長い略短冊形
の絞り窓を有する遮光壁とを備え、該遮光壁の絞り窓
を、光源から受光部への到来光の、該長手方向と垂直な
平面内での光の広がりに対して絞りがかかり、該到来光
の、該長手方向と平行な平面内での光の広がりに対して
絞りがかからないよう構成したので、光源からの光の到
来方向を、所定平面内の、基準方向に対する角度として
検出することができるだけでなく、この所定平面内での
角度検出を、該光源からの光の到来方向の該所定平面に
対する角度の影響を受けないものとでき、しかも、角度
検出範囲を部品コストや配置スペースの増大を抑えつつ
拡大できる効果がある。
【0102】また、受光部を、対向する2辺が該絞り窓
の長手方向と平行な長方形形状を有し、該長方形の対角
線の対応する部分にて2分割され、該分割された部分が
それぞれ1個の光電変換チップからなる構成としている
ため、該受光部の受光面に形成された、入射光が短冊状
の絞り窓により絞られた短冊状の像が、該長手方向と垂
直な方向に移動した時、両光電変換チップでの該像の占
める面積の比率が連続して変化することとなり、該両光
電変換チップの光出力電流の比較及び演算処理により、
光源の位置する方位を精度よく検出することができる効
果がある。
【0103】本発明に係る光角度センサの信号処理回路
によれば、各受光素子の光検出信号を、これに対応する
対数値に変換する対数変換手段と、該対数変換手段から
の、該各受光素子の光検出信号に対応する対数変換出力
を受け、両対数変換出力の差信号をアナログ信号として
出力する信号変換手段とを備え、該光源が位置する方位
に対応した1つのアナログ信号を出力するよう構成した
ので、光源方向の角度検出は1つのアナログ信号の処理
により行われることとなり、簡単なソフトウエアにより
行うことができる。
【0104】この発明によれば、前記対数変換手段を構
成するログアンプの前段に、前記各受光素子の光検出信
号に対応するパルス信号のみを通過させる周波数フィル
タを設けたので、2個1対の受光素子からの2個のパル
ス信号に重畳された、電気ノイズや蛍光灯の光のよう
な、光検出信号とは周波数の異なる外乱光による信号成
分を除去できる。
【0105】この発明によれば、ログアンプとその前段
の周波数フィルタとの間、及び周波数フィルタとその前
段の電流電圧変換回路との間に、AC結合回路を設け、
さらに、該電流電圧変換回路、周波数フィルタ、ログア
ンプ、及びログアンプ後段の差動増幅器を構成するオプ
アンプには、所定のリファレンス電圧を供給するように
したので、微小信号増幅処理において影響の出てくる、
オペアンプのオフセット電圧の影響をなくすことができ
る。
【0106】また、各回路をコンデンサカップリングに
よるAC結合にしているため、太陽光のような変化の少
ない光の影響や、微小信号増幅で問題となるリーク電流
の影響も断ち切ることができる。
【0107】この発明によれば、前記ログアンプとその
前段の回路との間に、該ログアンプからみた前段回路の
出力インピーダンスを低減する電圧増幅率が1であるボ
ルテージフォロア回路を設けたので、ログアンプの前段
回路におけるオフセット電圧が増幅されることがなく、
2つの受光素子からの光検出信号の比における信号誤差
が最小限に抑えられることとなる。これにより光角度セ
ンサによる光源方位の検出を高い精度でもって行うこと
ができる。
【0108】このように本発明に係る光角度センサの信
号処理回路によれば、外乱光や電気ノイズに対して強
く、光源の方位検出の精度の劣化を防ぐことができ、光
源方位に対応した1つのアナログ出力を処理するだけで
光源の方位を認知できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による光角度センサの構
造を示す平面図である。
【図2】上記光角度センサの主要部における寸法を示す
図である。
【図3】図1のA−A線断面における光角度センサの構
造を示す図である。
【図4】図1のB−B線断面における光角度センサの構
造を示す図である。
【図5】上記光角度センサを構成する受光部の受光面上
で形成される光源の像を示す図である。
【図6】上記受光部の受光面上で形成される光源の像
の、分割されたフォトダイオード上で占める面積を説明
するための図である。
【図7】上記光角度センサにおける、光源の方位検出の
原理を説明すための図である。
【図8】従来の光角度センサの構成を示す図である。
【図9】従来の光角度センサにおける課題を説明するた
めの図である。
【図10】従来の光角度センサの信号処理回路の構成を
示すブロック図である。
【図11】本発明の実施の形態2による光角度センサの
信号処理回路の構成を示すブロック図である。
【図12】リモートコントロール送信機からの角度検知
用発光パルスの送信例を示す図である。
【図13】実施の形態2による光角度センサの信号処理
回路における、その出力電圧と光源の方位との関係を示
す図である。
【符号の説明】
1 レンズ 2 受光部 3 遮光壁(遮光部) 4 絞り窓 5 光線ch4による受光面での像 6 光線ch5による受光面での像 7 受光部のY軸方向における中心線 8 受光面での光源像のX軸方向の中心線 9 受光面での光源像のX軸方向の重心位置 30 LED 31 送信回路 100 光角度センサ 100a 信号処理回路 110a,110b リファレンス電圧発生回路 111,112 I−V変換回路 120 差動増幅器 121,122 バンドパス増幅器 131,132 ボルテージフォロワ回路 141,142 ログアンプ PD1 第1のフォトダイオード(受光素子) PD2 第2のフォトダイオード(受光素子)
フロントページの続き (72)発明者 川合 昇 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源の位置する方位を、所定平面内の、
    基準方位に対する角度として検出する光角度センサであ
    って、 該光源からの光線を受光する複数個の受光素子からなる
    受光部と、 該受光部の前方側に配置され、該受光部に入射する光線
    を制限する、一方向に長い略短冊形の絞り窓を有する遮
    光部とを備え、 該遮光壁の絞り窓は、光源から受光部への到来光の、該
    長手方向と垂直な平面内での光の広がりに対して絞りが
    かかり、該到来光の、該長手方向と平行な平面内での光
    の広がりに対して絞りがかからないよう構成されている
    光角度センサ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光角度センサにおいて、 前記遮光部の絞り窓は、その長手方向の軸が前記所定平
    面と垂直となり、かつその開口面が前記受光部の中央部
    に対向するよう配置され、その長手方向の寸法が該受光
    部の該長手方向の幅寸法より大きく、かつその短手方向
    の寸法が該受光部の該短手方向の幅寸法より小さくなっ
    ている光角度センサ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の光角度センサに
    おいて、 前記受光部は、対向する2辺が前記絞り窓の長手方向と
    平行な長方形形状を有し、該長方形の対角線の対応する
    部分にて2分割されており、該分割された部分はそれぞ
    れ1個の光電変換チップから構成されている光角度セン
    サ。
  4. 【請求項4】 2個1対の受光素子を有し、該両受光素
    子の光検出信号の比が光源の位置する方位情報となって
    いる光角度センサの出力信号を処理する信号処理回路で
    あって、 該各受光素子の光検出信号を、これに対応する対数値に
    変換する対数変換手段と、 該対数変換手段からの、該各受光素子の光検出信号に対
    応する対数変換出力を受け、両対数変換出力の差信号を
    アナログ信号として出力する信号変換手段とを備え、 該光源が位置する方位に対応した1つのアナログ信号を
    出力するよう構成した光角度センサの信号処理回路。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の光角度センサの信号処理
    回路において、 前記対数変換手段としてログアンプを、前記信号変換手
    段として差動増幅器を備え、 該ログアンプ前段に、前記各受光素子の光検出信号に対
    応するパルス信号のみを通過させる周波数フィルタを設
    け、 該周波数フィルタの前段に前記各受光素子の光検出信号
    を電流電圧変換する電流電圧変換回路を設けた光角度セ
    ンサの信号処理回路。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の光角度センサの信号処理
    回路において、 前記電流電圧変換回路、周波数フィルタ、ログアンプ、
    及び差動増幅器は、それぞれオペアンプを含む回路構成
    となっており、 該電流電圧変換回路の出力は、コンデンサーによるAC
    結合回路を介して該周波数フィルタに接続され、該周波
    数フィルタの出力は、コンデンサーによるAC結合回路
    を介して該ログアンプに入力されるようになっており、 該電流電圧変換回路、周波数フィルタ、ログアンプ、及
    び差動増幅器を構成するオプアンプには、所定のリファ
    レンス電圧が供給されるようになっている光角度センサ
    の信号処理回路。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の光角度センサの信号処理
    回路において、 前記ログアンプとその前段の回路との間には、該ログア
    ンプからみた前段回路の出力インピーダンスを低減する
    電圧増幅率が1であるボルテージフォロア回路が設けら
    れている光角度センサの信号処理回路。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7978320B2 (en) 2007-11-13 2011-07-12 Sharp Kabushiki Kaisha Light angle detection device, method for fabrication thereof and electronic device employing same

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