JPH08337612A - グラフト化超微粒子およびその製造方法 - Google Patents

グラフト化超微粒子およびその製造方法

Info

Publication number
JPH08337612A
JPH08337612A JP8628296A JP8628296A JPH08337612A JP H08337612 A JPH08337612 A JP H08337612A JP 8628296 A JP8628296 A JP 8628296A JP 8628296 A JP8628296 A JP 8628296A JP H08337612 A JPH08337612 A JP H08337612A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ultrafine particles
grafted
group
oligomer
polyacrylamide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP8628296A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeo Aoyanagi
重郎 青柳
Toyoaki Suzuki
豊明 鈴木
Reiko Kato
玲子 加藤
Masanori Nagata
政令 永田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TOKYO BAITEKU KENKYUSHO KK
Fujimori Kogyo Co Ltd
Original Assignee
TOKYO BAITEKU KENKYUSHO KK
Fujimori Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TOKYO BAITEKU KENKYUSHO KK, Fujimori Kogyo Co Ltd filed Critical TOKYO BAITEKU KENKYUSHO KK
Priority to JP8628296A priority Critical patent/JPH08337612A/ja
Publication of JPH08337612A publication Critical patent/JPH08337612A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面官能基を有するポリアクリルアミド系超
微粒子が単位重量で比較した場合により大きな表面積を
持ち、かつリガンドなどの被固定体が該超微粒子の表面
との間で立体障害などを生じないように該超微粒子の表
面に好適な長さの分子鎖が導入されてなる超微粒子の製
造方法を提供する。 【解決手段】 本発明のグラフト化超微粒子の製造方法
は、溶媒中に表面官能基を有する粒径0.05〜0.5
μmのポリアクリルアミド系超微粒子および末端官能性
オリゴマーを添加し、混合撹拌して該ポリアクリルアミ
ド系超微粒子を分散させると共に末端官能性オリゴマー
を溶解させ、その後に反応温度を50〜100℃として
グラフト化反応させることにより、該ポリアクリルアミ
ド系超微粒子に該末端官能性オリゴマーを導入すること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なグラフト化
超微粒子およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアクリルアミドゲルに関しては、生
物学的に不活性で微生物により分解されないこと、およ
びpH2〜10の範囲内であれば通常のアフィニティー
クロマトグラフィーにおいて使われる種々の塩、界面活
性剤およびグアジニン塩酸などの溶液中で安定であると
する利点を有することから、ポリアクリルアミドゲルを
アフィニティークロマトグラフィーなどに用いる場合に
は、ゲル中に存在するアミド基を利用してリガンドを固
定できるように、多孔質構造の球状ゲルを作り、該ゲル
表面および孔内部の官能基をスペーサまたはリガンドと
結合することが行われてきた。
【0003】しかしながら、従来の製造方法によって得
られるこうした多孔質構造の球状ゲルの大きさは通常
0.8〜30μmで、できるかぎり孔径を大きくするこ
とにより、低分子量のリガンドやスペーサを孔内部の官
能基として固定することを目的に分子設計されている。
しかし該リガンドがアフィニティを有する糖蛋白質(通
常、10nm程度の大きさである)などをゲルの孔内部
にまで入り込ませることは困難であり、特に基材との立
体障害などを回避する目的で、通常1〜2nm程度のス
ペーサを挿入する場合には尚更である。したがって、理
論的には非常に高吸着容量の吸着体が形成されているは
ずが、実際にはゲル表面の官能基濃度によってその吸着
能が制限されることから、親和性吸着体として充分な吸
着能が得られないとする問題があり、表面官能基を有す
る基材が単位重量で比較した場合により大きな表面積を
持ち、かつ該表面に好適にスペーサの導入されたポリア
クリルアミドゲルの開発が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、実質的に高吸着容量の吸着体とすることのでき
る有効な官能基をスペーサのようなオリゴマーの側鎖
(単に、分子鎖とも言う)を介して高濃度に保持し得る
べく、表面官能基を有する基材(ポリアクリルアミド系
超微粒子)が単位重量で比較した場合により大きな表面
積を持ち、かつリガンドなどの被固定体が該基材の表面
との間で立体障害などを生じないように該基材の表面に
好適な長さの分子鎖を導入してなる超微粒子およびその
製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために、分子鎖が導入されてなるポリアクリル
アミド(以下、単にPAAとも記す)系超微粒子および
その製造方法について鋭意研究した結果、基材となるP
AA系超微粒子をできるだけ微粒化しかつ分散している
状態で重合し、さらに該表面官能基として存在するアミ
ド基、カルボキシル基およびアミノ基を利用して、これ
に該官能基と優先的に反応するアミノ基を一方の末端に
持ち、他方の末端にリガンドなどの被固定体と反応し得
る官能基(カルボキシル基、アミノ基、メルカプト基ま
たは水酸基)を持つ所望の長さの末端官能性の分子鎖を
グラフト化して導入させることで設計通りの性能を有す
る該分子鎖を基材の表面に導入することができ、これに
より所望の超微粒子を得ることができることを見出だす
と共に、基材となるPAA系超微粒子を分散している状
態で重合する方法として、アルコール類の有機溶媒中、
好ましくは水とアルコール類の有機溶媒の混合溶媒中で
のエチレン系不飽和アミドを含む単量体混合物の沈殿重
合において、架橋剤の量、溶媒の種類、開始剤の濃度お
よび重合温度を極めて限られた範囲で組合わせた条件下
においてのみ、得られる一次粒子同士が二次凝集を起こ
さないことを見出だし、これにより分散安定剤(分散安
定剤ポリマー)を重合時に用いずに単分散性の粒径0.
5μm以下のPAA系超微粒子を作製でき、重合後の精
製処理も簡便であり、さらに該超微粒子の表面への分子
鎖の導入方法として、分子鎖としての末端官能性オリゴ
マーを高温条件下で縮合剤なしにグラフト反応(酸アミ
ド結合)させることにより基材、特にその表面上に該末
端官能性オリゴマーを高濃度に導入でき、反応後の精製
処理も簡便であることを見出だし、これらの知見に基づ
き本発明を完成するに至ったものである。
【0006】すなわち、本発明の目的は、(1) 溶媒
中に表面官能基としてアミド基を有する粒径0.05〜
0.5μmのポリアクリルアミド系超微粒子および末端
官能性オリゴマーを添加し、混合撹拌して該ポリアクリ
ルアミド系超微粒子を分散させると共に末端官能性オリ
ゴマーを溶解させ、その後に反応温度50〜100℃と
してグラフト化反応させることにより、該ポリアクリル
アミド系超微粒子に該末端官能性オリゴマーを導入する
ことを特徴とするグラフト化超微粒子の製造方法により
達成される。
【0007】本発明の他の目的は、(2) 表面官能基
が、アミド基、カルボキシルキ基およびアミノ基よりな
る群から選ばれてなる少なくとも1種であることを特徴
とする上記(1)に示すグラフト化超微粒子の製造方法
によっても達成される。
【0008】本発明の他の目的は、(3) 末端官能性
オリゴマーが、HOOC(CH2 n COOH、H2
(CH2 n COOH、H2 N(CH2 n NH2 、H
2 N(CH2 n SHおよびH2 N(CH2 n OH
(式中のnは7以下の整数である)のいずれか1種であ
ることを特徴とする上記(1)または(2)に示すグラ
フト化超微粒子の製造方法によっても達成される。
【0009】本発明の他の目的は、(4) ポリアクリ
ルアミド系超微粒子が温度0〜40℃で、比重0.3〜
1.2であることを特徴とする上記(1)ないし(3)
のいずれかに示すグラフト化超微粒子の製造方法によっ
ても達成される。
【0010】また本発明の他の目的は、(5) 上記
(1)ないし(4)のいずれかに示す製法によって得ら
れたグラフト化超微粒子であって、該グラフト化超微粒
子1g当たりの官能基濃度が0.001mg当量以上で
あることを特徴とするグラフト化超微粒子により達成さ
れる。
【0011】本発明の他の目的は、(6) 上記(1)
ないし(4)のいずれかに示す製法によって得られたグ
ラフト化超微粒子であって、主として該超微粒子の表面
に末端官能性オリゴマーが導入されていることを特徴と
するグラフト化超微粒子によっても達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施態様に基づ
き、より詳細に説明する。
【0013】まず、本発明に用いられるポリアクリルア
ミド(PAA)系超微粒子は、有効な官能基を表面に多
く持たせることで、該超微粒子表面に末端官能性オリゴ
マーをグラフト化することができ、これによりリガンド
などの物質を表面上に多く固定でき、さらに目的吸着物
質を高濃度に吸着できるものである。したがって、該超
微粒子の孔内部の官能基を利用することなく該超微粒子
の表面官能基のみの利用を図る必要上、できるだけ微粒
化し、表面官能基を有する基材が単位重量で比較した場
合に、その表面積が大きく、超微粒子の表面官能基が可
能な限り多く、さらにアフィニティークロマトグラフィ
の充填材に利用する際には、上記要件に加え、粒子サイ
ズが均一な球状粒子であることが望ましいことから、該
超微粒子の吸湿率は、通常10〜400%、好ましくは
50〜300%、より好ましくは100〜250%であ
る。上記吸湿率が10%未満の場合には、過度に架橋が
行われているために、極めて緻密な超微粒子となってお
り、機械的強度は充分であるが、疎水性的特性が大とな
るため好ましくなく、また400%を越える場合には、
架橋度が低く、比較的孔径の大きな多孔性の構造を有す
るものの、機械的強度が充分でないため好ましくない。
ここで、「PAA系超微粒子の吸湿率」は、(B−A)
/A×100と定義し、式中のAおよびBは、以下の測
定手順により求めた値とした。乾燥PAA系超微粒子
を秤量し、その重量をAgとする。この乾燥PAA系
超微粒子に大過剰の水を加え、24時間放置する。そ
の後PAA系超微粒子を10000rpm、17680
Gの条件で20分間、遠心分離にかけ、余分な水を除去
する。遠心分離後の吸水したPAA系超微粒子を秤量
し、その重量をBgとする。なお〜は、すべて25
℃、1気圧の条件で行った。
【0014】同様に、上記PAA系超微粒子のゲル化率
は、通常40〜98%、好ましくは50〜90%、より
好ましくは70〜85%である。ゲル化率が98%を越
える場合には、過度に架橋が行われているために、極め
て緻密な超微粒子となっており、機械的強度は充分であ
るが、疎水性的特性が大となるため好ましくなく、また
40%未満の場合には、架橋度が低く、比較的孔径の大
きな多孔性の構造を有するものの、機械的強度が充分で
ないため好ましくない。ここで、「PAA系超微粒子の
ゲル化率」は、(B/A)×100と定義し、式中のA
およびBは、以下の測定手順により求めた値とした。
水100mlにPAA系超微粒子Agを入れる。50
℃に保ち、24時間放置する。その後のPAA系超微
粒子を10000rpm、17680Gの条件で20分
間、遠心分離にかけ、余分な水を除去する。遠心分離
後の吸水したPAA系超微粒子を脱水、乾燥する。得
られた乾燥PAA系超微粒子を秤量し、その重量をBg
とする。なお〜(を除く)は、すべて25℃、1
気圧の条件で行った。
【0015】さらに、上記PAA系超微粒子の粒子径
は、通常0.05〜0.5μm、好ましくは0.08〜
0.4μm、より好ましくは0.1〜0.3μmの範囲
である。粒子径が、0.05μm未満の場合には、理想
的には、できるだけ小さいことが望ましいが、重合初期
に形成される超微粒子の核自体の大きさに相当するもの
であり、かかる粒子径を下回る超微粒子を形成すること
は、実際上、困難なためである。0.5μmを越える場
合には、充分な表面積が得られず、表面官能基濃度が小
さくなるため好ましくない。
【0016】また、上記PAA系超微粒子は、温度0〜
40℃で、その比重が0.3〜1.2、好ましくは0.
5〜0.9であることが望ましい。該比重が0.3未満
の場合には、溶液中にすべて浮上する結果となりオリゴ
マーと反応する上で好ましくない。該比重が1.2を越
える場合には超微粒子が沈殿するため溶液中に分散しつ
つオリゴマーと反応する上で好ましくない。
【0017】以上より、PAA系超微粒子の吸湿率、ゲ
ル化率、粒子径および比重が上記範囲内にあるPAA系
超微粒子では、高い機械的強度および通常のアフィニテ
ィークロマトグラフィーにおいて使われる種々の塩、界
面活性剤およびグアジニン塩酸などの溶液中で化学的安
定性を有し、pHの広領域(pH2〜10の範囲)で適
用でき、高吸着容量の吸着体とすることのできる有効な
表面官能基を高濃度に持つPAA系超微粒子が得られる
ものである。
【0018】上記PAA系超微粒子は、以下の方法を用
いて得ることができる。すなわち、アルコール類の有機
溶媒中にエチレン系不飽和アミドを含む単量体混合物
と、前記単量体混合物と架橋剤との混合物100重量%
に対して25〜50重量%の範囲とする架橋剤とを溶解
させた混合溶液を温度30〜95℃に保持し、過酸化物
系開始剤およびアゾ系開始剤よりなる群から選ばれた少
なくとも1種の開始剤を1×10-5〜8×10-2モル/
リットルとなる範囲で添加して重合を行うことで表面官
能基にアミド基を持つPAA系超微粒子を得ることがで
きる。より詳しくは、本発明者らが開示した特願平5−
325181号によるものであるが、これらを説明すれ
ば、以下の通りである。
【0019】まず、上記製法に用いられるアルコール類
の有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノー
ル、2−ブタノール、t−ブチルアルコール、1−ペン
タノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、t−
ペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノ
ール、3−ヘキサノールなどの1価アルコール、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、1,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリ
コール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレング
リコールなどの2価アルコール、グリセロールなどの3
価アルコール、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモ
ノイソブチルエーテルなど炭素数1〜6のアルコール類
のほか、分子量6000以下、好ましくは4000以下
のポリエチレングリコールなどが挙げられる。これらの
有機溶媒は、単独で用いることもできるが、2種以上を
混合して用いることも可能である。
【0020】また、必要に応じて、上記アルコール類の
有機溶媒に水を、全溶媒(全溶媒とは、アルコール類の
有機溶媒に水を加えたものをいう)100重量%に対し
て通常30重量%以下、好ましくは10〜25重量%、
より好ましくは15〜20重量%の範囲で添加すること
が望ましい。添加量が30重量%を越える場合には、得
られる粒子が凝集を生じ、またポリマーに対して親和力
の大きな溶媒である水の添加が粒子径の増加をもたらす
など好ましくない。他方、上記範囲内において水を添加
した場合には、重合時に分散安定剤を使用しなくても、
生成される粒子は、沈殿重合により凝集塊を形成するこ
となく、分散重合の如く溶媒中に安定的に分散した状態
に保持することができ、単分散性の超微粒子形成に有益
である。
【0021】また上記製法に用いることのできるエチレ
ン系不飽和アミド単量体としては、例えば、アクリルア
ミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、
N−ヒドロキシメチルアクリルアミド等が挙げられ、こ
れらの単量体を単独でまたは2種以上を組合わせて用い
ることもできる。
【0022】さらにエチレン系飽和アミド単量体を含む
単量体混合物としては、上記エチレン系不飽和アミド単
量体以外に、これらと共重合可能な他の単量体であれば
よいが、得られる超微粒子に固定するリガンドを選択的
に変えることができるように、かかる超微粒子の表面の
官能基により調整できることが好ましいことから、該共
重合可能な他の単量体が、−OH基、−NH2 基、−S
H基および−COOH基の少なくとも1種を有する単量
体であることが望ましい。また、これら共重合可能な他
の単量体についても、単独でまたは2種以上を組合わせ
て用いることができる。
【0023】また、上記単量体混合物に含まれるエチレ
ン系不飽和アミド単量体の含有量は、通常0.1モル%
以上、好ましくは0.3モル%以上、より好ましくは
0.5モル%以上である。該含有量が0.1モル%未満
の場合には、良好な粒子状のポリマーが得られない。
【0024】また、上記有機溶媒に対する上記単量体混
合物の添加量としては、有機溶媒に対して重量比で通常
0.1〜70重量%、好ましくは1〜25重量%、より
好ましくは2〜10重量%の範囲である。上記アミド単
量体の混合量が、0.1重量%未満の場合には、モノマ
ーの濃度が極めて低くなることから重合反応速度が遅
く、良好な超微粒子が得られず、また70重量%を越え
る場合には、生成されるポリマーの粒子径が大きく、か
つ二次凝集を生じ易くなるため、アフィニティークロマ
トグラフィの充填剤に利用するには問題がある。すなわ
ち、拡散速度の低いタンパク質などでは、拡散が容易と
なり、溶質バンドが鋭くなる利点から、アフィニティー
クロマトグラフィの充填剤は、できるだけ細かくサイズ
が均一な球状粒子であることが望ましいためである。
【0025】さらに、上記製法に用いることのできる架
橋剤としては、分子中に少なくとも2個の不飽和二重結
合を有する化合物であり、例えば、N,N′−メチレン
ビスアクリルアミド、エチレンビスアクリルアミド、ピ
ペロジンアクリルアミドなどのアルキレンビスアクリル
アミド、エチレンジ(メタ)アクリレートなどのアルキ
レンジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリ
レートなどの各種ビスフェノールA誘導体のジ(メタ)
アクリレート、グリセリン、ペンタエリスリトールなど
の多価アルコールのジ、トリ、テトラ(メタ)アクリル
酸エステル、エチレンオキシド変性リン酸のジまたはト
リ(メタ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)アク
リレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタ
ンアクリレート、イソシアヌレートまたはその誘導体の
ジまたはトリ(メタ)アクリル酸エステル、ビニル(メ
タ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレート、ポ
リ−N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールア
クリルアミド、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メ
トキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアク
リルアミド、N−n−ブトキシメチルアクリルアミド、
N−n−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−
イソブトキシメチルアクリルアミド、N−t−オクトキ
シメチルアクリルアミドなどのN−アルコキシメチル
(メタ)アクリルアミド誘導体、ジビニルベンゼン、ビ
ニル酢酸、クロロメチルスチレン、尿素−ホルムアルデ
ヒド樹脂、ビスオキサゾリン系化合物、エピクロロヒド
リン、1,3−ジクロロイソプロパノール、グリセリン
ジグリシジルエーテルなど通常、架橋剤として用いられ
るものが挙げられる。
【0026】また上記製法では、得られるPAA系超微
粒子の表面官能基を主に利用することを目的とすること
から、従来のように架橋剤の添加量を変えることより多
孔性粒子の孔径の大きさを調整するなどの必要が少な
く、むしろ生成する超微粒子の機械的強度を得るため緻
密な粒子となるように、嵩比重を増大させる必要がある
ことから、該架橋剤による前記単量体混合物と架橋剤と
の混合物を100重量%として架橋剤の添加量は、通常
10〜70重量%、好ましくは15〜60重量%、より
好ましくは25〜50重量%の範囲である。該添加量が
10重量%未満の場合には、架橋度が不十分となること
から、得られる超微粒子の機械的強度が弱く、熱的、化
学的安定性も充分とはいえず、高温(110〜120
℃)での繰り返しオートクレイブにかけることもできな
いし、pHも広範囲で使用できず、また種々の有機溶媒
に対する安定性にもかけるなど、アフィニティークロマ
トグラフィの充填材の支持体への利用が十分図れないと
する問題があるなど好ましくない。他方、添加量が70
重量%を越える場合には、残存する架橋剤が多くなりす
ぎ、経済的でない。また前述のような問題はなくなる
が、逆に架橋度が大きくなることにより、アフィニティ
ークロマトグラフィの充填剤である親和性吸着体として
用いる場合には、期待通りの吸着容量を得ることができ
ないなどの問題があるため好ましくない。
【0027】上記製法に用いることのできる過酸化物系
開始剤およびアゾ系開始剤としては、従来より公知のも
のを用いることができる。このうち過酸化物系開始剤と
しては、例えば、過酸化ベンゾイル(BPO)およびそ
の置換体、過酸化ジアシル〔RCOOOCOR〕、過酸
化ジアルキル〔ROOR〕、過酸エステル〔RCOOO
R′〕、ペルオキシカルボナート〔ROCOOOCOO
R〕、ヒドロペルオキシド〔ROOH〕およびこれらと
還元性物質の組合わせによるレドックス開始剤などが挙
げられ、またアゾ系開始剤としては、例えば、N−ニト
ロソアシルアリルアミン、アゾビスイソブチロニトリル
(AIBN)、アゾビスエステル〔RR′(COO
R″)CN=NC(COOR″)RR′〕、アゾトリフ
ェニルメタン〔C6 5 N=NC(C6 5 3 〕、ジ
アゾアミノベンゼン〔C6 5 N=NNHC6 5 〕、
ジアゾチオエーテル〔RN=NSR′〕、テトラメチル
テトラゼン〔(CH3 2 NN=NN(CH3 2 〕、
ジアゾメタン類〔RC=N=N〕、スルホンアジド類
〔RSO2 N=N=N〕などが挙げられるが、本発明に
おいては、これらを適宜組合わせて用いてもよい。
【0028】また上記開始剤の使用に供する際の開始剤
濃度としては、単量体の混合溶液に対して、通常1×1
-5〜8×10-2モル/リットル、好ましくは0.5×
10-4〜5×10-2モル/リットル、より好ましくは
0.5×10-3〜8×10-3モル/リットルの範囲であ
る。該開始剤濃度が1×10-5〜8×10-2モル/リッ
トルの範囲を外れる場合には、いずれも得られるポリマ
ーは、非球形粗大粒子となるため好ましくない。
【0029】上記製法においては、上述の単量体の混合
溶液を通常30〜95℃、好ましくは65〜85℃、よ
り好ましくは70〜80℃の温度範囲に保持し、上記開
始剤を上記濃度範囲で添加して、通常2〜15時間、好
ましくは3〜10時間、より好ましくは3〜7時間重合
を行なうものである。
【0030】上記重合時の温度が30℃未満の場合に
は、開始剤の分解点に達しないかあるいは分解速度が遅
くなり、開始剤の分解によるラジカルの生成が不十分と
なり、また95℃を越える場合には、開始剤の分解によ
るラジカルの生成が多くなりすぎて、重合反応熱の上昇
と相俟って、安全上課題があるので好ましくない。ま
た、重合反応時間が2時間未満では、得られるポリアク
リルアミド系超微粒子の生成が生成過程であり、収率が
極めて低いものとなり、また、15時間を越える場合に
は、重合反応はすでに完了しており、さらなる重合時間
の延長は無駄である。
【0031】なお、重合終了後には、氷浴等により反応
温度を急激に下げるなどして、ラジカル重合反応を停止
させる必要がある。さらに重合時の溶液の撹拌力(回転
数)、圧力、雰囲気などに関しては、特に制限されるも
のでなく、上述の設定値なども勘案して適宜決定される
ものであるが、好ましくは常圧下、不活性ガス雰囲気中
で反応系の温度分布を均一化するため、撹拌回転数50
〜5000rpmの範囲で行われることが望ましい。
【0032】また上記製法では、重合時に分散安定剤の
添加は行わないものである。かかる分散安定剤の使用に
より、本製法に比し単分散粒子を比較的広い範囲での重
合条件下でも得ることができる利点があるが、反面、重
合後の精製処理が難しく、かつ充分には精製できず、さ
らにバイオ関連に利用する場合などでは、かかる分散安
定剤が不純物として悪影響を及ぼすなどの欠点があり、
分散安定剤の使用による利益以上に不利益が大きいた
め、かかる分散安定剤の重合時での使用は避けなければ
ならないとしたものである。
【0033】次に、得られたPAA系超微粒子の精製方
法としては、分散安定剤などの不純物を含まないため、
従来公知の方法に基づき簡便に行なうことができ、例え
ば、後述する実施例において利用した方法のように、分
別操作に遠心分離機を用いて超微粒子と反応済溶液、洗
浄液(アルコール)あるいはポリマーの再沈殿用溶媒
(精製水およびアセトンなど)とを分別し、これらをデ
カンテーションあるいはフィルター濾過等により分離、
精製し、最終的に真空乾燥などにより乾燥し、本発明の
超微粒子をキセロゲルの形として得る精製方法などを用
いることができるが、本発明は、上記洗浄方法に限定さ
れるものでなく、従来公知の他の精製方法を用いること
もできる。
【0034】続いて、上記製法により得られたPAA系
超微粒子は、重合に用いたエチレン系飽和アミド単量体
を含む単量体混合物に応じて、表面官能基にアミド基を
はじめとしてさらにカルボキシル基ないしアミノ基を含
むものである。こうしたPAA系超微粒子の表面官能基
をアミド基、カルボキシル基ないしアミノ基に調製され
たものを用いることもできる。この調製方法としては、
特に制限されるものでなく、例えば、上記製法により得
られた表面官能基がアミド基のみであるPAA系超微粒
子を無水エチレンジアミン中に懸濁し、90℃で加熱す
ることにより、表面官能基をアミノ基とするアミノエチ
ル化ポリアクリルアミド系超微粒子を調製することがで
きる。また同様に表面官能基がアミド基であるPAA系
超微粒子をアルカリ加水分解することにより、表面官能
基をカルボキシル基とするカルボキシル−ポリアクリル
アミド系超微粒子を調製することができる。なお、以下
の説明においては、これら調製により得られたものを含
めたものを総称して「PAA系超微粒子」とする。
【0035】次に、溶媒中に上記PAA系超微粒子およ
び末端官能性オリゴマーを添加し、混合撹拌して該PA
A系超微粒子を分散させると共に末端官能性オリゴマー
を溶解させた状態で、縮合剤の添加なくグラフト化反応
させることにより、該PAA系超微粒子に該末端官能性
オリゴマーを導入する場合の反応温度としては、通常5
0〜100℃、好ましくは60〜95℃、より好ましく
は80〜90℃の範囲である。反応温度が50℃未満の
場合には、縮合剤などの添加がなければ反応が促進され
ず反応速度が遅くなり、反応に要する時間が長くなるな
ど不経済であり、反応温度が100℃を越える場合に
は、使用可能な溶剤や末端官能性オリゴマーが沸点との
関係や変性などの点から制限されるため好ましくないも
のである。また、反応時間としては、通常1〜15時
間、好ましくは3〜10時間である。該反応時間が1時
間未満の場合には、グラフト反応が完全に完了しておら
ず、該超微粒子表面に十分に末端官能性オリゴマーを導
入することができず、また15時間を越える場合には、
グラフト反応がすでに完了しており、さらに反応を継続
するに見合うだけの効果が得られず好ましくないもので
ある。さらに該グラフト化反応に用いられる溶媒として
は、実際に用いる末端官能性オリゴマー等との関係から
適宜選択されるものであるが、通常、中性、酸性および
アルカリ性水性溶媒ならびに有機溶媒を用いることがで
きる。したがって、こうした水性溶媒を用いる場合のp
Hは2〜13であり、幅広い範囲で利用できるものであ
る。
【0036】また、上記PAA系超微粒子の使用量とし
ては、通常0.1〜500g/リッター、好ましくは5
〜100g/リッターの範囲である。該使用量が0.1
g/リッター未満の場合には、大量の溶媒を必要とする
ほか、反応系の全体の容積率も悪くなるため不経済であ
り、また使用量が500g/リッターを越える場合に
は、極めて高濃度となるため、製造後の精製工程におけ
る洗浄に時間を要し、洗浄回数も多くなるなど不経済で
ある。
【0037】さらに、上記末端官能性オリゴマーには、
例えば、HOOC(CH2 n COOH、H2 N(CH
2 n COOH、H2 N(CH2 n NH2 、H2
(CH2 n SHおよびH2 N(CH2 n OH(式中
のnは7以下の整数である)を用いることができる。こ
れらの末端官能性オリゴマーの長さ、すなわち上記式中
のnの大きさを決定する場合の目安としては、例えば、
該末端官能性オリゴマーをアフィニティクロマトグラフ
ィーの担体のスペーサとして用いる場合には、吸着する
精製目的物質に対して立体障害を起さずリガンドが最適
な吸着力を発現できる長さを選択することが望ましい。
【0038】上記末端官能性オリゴマーの使用量として
は、上記PAA系微粒子の官能基濃度に換算して通常1
〜10000倍、好ましくは10〜200倍の範囲で添
加される。該使用量が1倍未満の場合には、超微粒子の
表面官能基へのオリゴマーのグラフト化反応のほか、同
時に超微粒子間架橋反応あるいは同一微粒子内架橋反応
が起こる確率が高くなるので好ましくない。該使用量が
10000倍を越える場合には、過剰な添加に見合うだ
けのさらなる効果が期待できないため好ましくない。
【0039】次に、グラフト化反応により生成したグラ
フト化超微粒子の精製方法としては、溶媒、反応副生
物、さらには未反応オリゴマーなどの不純物を含まない
ように、従来公知の方法に基づき簡便に行なうことが望
ましく、例えば、後述する実施例において利用した方法
のように、分別操作に遠心分離機を用いて超微粒子と反
応済溶液、洗浄液(アルコール)あるいは再沈殿用溶媒
(精製水およびアセトンなど)とを分別し、これらをデ
カンテーションあるいはフィルター濾過あるいは透析等
により分離、精製し、最終的に真空乾燥または凍結乾燥
などにより乾燥し、本発明のグラフト化超微粒子をキセ
ロゲルの形として得る精製方法などを用いることができ
るが、本発明は、上記洗浄方法に限定されるものでな
く、従来公知の他の精製方法を用いることもできる。
【0040】次に、精製して得られたグラフト化超微粒
子においては、使用用途により異なるが、該グラフト化
超微粒子1g当たりの官能基濃度が0.001mg当量
以上、好ましくは0.05mg当量以上である。該官能
基濃度が0.001mg当量未満の場合には、以後のリ
ガンドの固定率も小さいため、大量の該超微粒子を用意
する必要があり、以後の反応設備に要するコストも多く
かかるなど不経済である。また、上記グラフト化超微粒
子は、好ましくは、主として該超微粒子表面に官能基を
グラフトされているものが望ましい。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例について述べる。
【0042】実施例1 窒素雰囲気下で、エタノール1000mlにアクリルア
ミド25g、架橋剤であるN,N′−メチレンビスアク
リルアミド20.5g(単量体混合物と架橋剤との混合
物を100重量%として、架橋剤45.1重量%)を撹
拌しながら溶解させ、同時に溶存酸素を十分取り除い
た。続いて温度70℃で開始剤として2,2′−アゾビ
スイソブチルニトリル0.821g(開始剤濃度5×1
-3モル/リットル)を添加し、pH6.5として3時
間重合を行ない、反応終了後、氷浴で重合容器ごと急冷
し、ラジカル重合を停止させ、単分散球形の超微粒子を
得た。
【0043】次に、生成したポリアクリルアミド系超微
粒子を遠心分離機で分別し、上澄み液を取り除いた。こ
こに新たにエタノール1000mlを加え、1時間激し
く撹拌し、その後遠心分離機で分別した。同様の操作を
3回行ない、ガラスフィルターで濾過後、50℃、減圧
下で真空乾燥した。
【0044】得られた超微粒子を、溶媒として精製水を
用いて5重量%ポリマー溶媒とし、これに沈殿剤として
20倍量のアセトンを加え、良く撹拌しながら再沈殿さ
せた。その後、遠心分離機で分別し、上澄み液を取り除
いた。同様の操作を2回行ない、ガラスフィルターで濾
過後、50℃、減圧下で真空乾燥し精製を終了した。
【0045】上記超微粒子をマトリックス(以下、単に
Mとも記す)として5.0gを精製水を用いて全量50
mlとし、マトリックスを膨潤・分散させた後(24h
r)、遠心分離機を用いて溶媒を除去した膨潤マトリッ
クスと、導入する末端官能性オリゴマーをスペーサ(以
下、単にSとも記す)として加温溶解済みのヘキサメチ
レンジアミンを125mlを反応フラスコにいれ、マト
リックスおよびスペーサが完全に分散、溶解するまで撹
拌を行った(約1時間で終了した)。
【0046】次に反応フラスコ内の反応溶液を90℃ま
で加温し、90℃に達した時点を反応開始時刻として引
き続き温度を90℃に保持した状態で撹拌を行い、7時
間で反応を終了した。
【0047】次に分離精製工程として反応終了後のスペ
ーサがグラフト導入されたマトリックス(以下、単にM
−Sとも記す)を遠心分離機で14500rpmで15
分間の条件で分別し、上澄液を取り除いた。ここに新た
に精製水50mlを加え、200rpmで30分間撹拌
を行い、遠心分離機で14500rpmで15分間遠心
分離を行った。同様の操作を2回行った後、透析膜に入
れ10倍容量の精製水で透析を行った(48hr)。そ
の後、凍結乾燥を行い精製を終了した。
【0048】この精製物を試料として、マトリックスへ
のスペーサーの導入率(末端官能性オリゴマーのグラフ
ト化率)を電気伝導度滴定で定量した。
【0049】電気伝導度滴定 上記で反応したM−Sの表面アミノ基と表面カルボキシ
ル基を、電気伝導度滴定で定量した。
【0050】表面アミノ基の定量 M−S 20.2mgを120mlの精製水に分散させ
た(常温で24時間200rpmで撹拌し、十分に膨潤
させた。)。この後、超音波を2時間かけて完全に分散
させた。この分散液に0.1N塩酸4.0mlをポール
ピペットで添加し、直ちに0.1N水酸化ナトリウムで
滴定し、この時の電気伝導度を測定した。結果を下記表
1に示す。表1より、超微粒子1g当たり、0.15m
g当量の表面アミノ基が導入されていることがわかっ
た。
【0051】表面カルボキシル基の定量 M−S 21.0mgを120mlの精製水に分散させ
る。(常温で24時間200rpmで撹拌し、十分に膨
潤させた。)この後、超音波を2時間かけて完全に分散
させた。この分散液に0.1N水酸化ナトリウム4.0
mlをポールピペットで添加し、直ちに0.1N塩酸で
滴定し、この時の電気伝導度を測定した結果、カルボキ
シル基が導入されていないことがわかった。
【0052】実施例2 スペーサとしてヘキサメチレンジアミン125mlの代
わりにエチレンジアミン125mlとした以外は、実施
例1と同様にして末端官能性オリゴマーをグラフト化し
た超微粒子を製造し、該超微粒子を用いて表面アミノ基
と表面カルボキシル基を、電気伝導度滴定で定量した。
結果を下記表1に示す。表1より、超微粒子1g当た
り、0.15mg当量の表面アミノ基が導入されてお
り、またカルボキシル基は導入されていないことがわか
った。
【0053】実施例3 スペーサとしてヘキサメチレンジアミン125mlの代
わりに1,3−プロパンジアミン125mlとした以外
は、実施例1と同様にして末端官能性オリゴマーをグラ
フト化した超微粒子を製造し、該超微粒子を用いて表面
アミノ基と表面カルボキシル基を、電気伝導度滴定で定
量した。結果を下記表1に示す。表1より、超微粒子1
g当たり、0.14mg当量の表面アミノ基が導入され
ており、またカルボキシル基は導入されていないことが
わかった。
【0054】実施例4 マトリックスの使用量5.0gの代わりに20.0gと
し、またスペーサとしてヘキサメチレンジアミン125
mlの代わりにγ−アミノ酪酸30.0gとし、さらに
反応時間7時間の変わりに10時間とした以外は、実施
例1と同様にして末端官能性オリゴマーをグラフト化し
た超微粒子を製造し、該超微粒子を用いて表面アミノ基
と表面カルボキシル基を、電気伝導度滴定で定量した。
結果を下記表1に示す。表1より、超微粒子1g当た
り、0.04mg当量の表面アミノ基が導入されてお
り、また超微粒子1g当たり、0.15mg当量の表面
カルボキシル基が導入されていることがわかった。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】本発明により、表面官能基を有する粒径
0.05〜0.5μmのポリアクリルアミド系超微粒子
を分散安定剤または分散安定剤ポリマーを用いることな
く、重合後の精製処理が簡便で不純物の混入の少ない単
分散状態で得ることができる。したがって該超微粒子を
溶媒中に分散できるため、これに末端官能性オリゴマー
を加え撹拌するだけで一定の温度条件下に高めることで
縮合剤の存在がなくとも該超微粒子の表面官能基と該オ
リゴマーの末端官能基とが反応(酸アミド結合)し該オ
リゴマーを、該超微粒子の表面上に有効な末端官能性を
有する分子鎖を高濃度にグラフト導入することができ
る。さらに該グラフト化後の超微粒子も精製処理が簡便
で不純物の混入の極めて少ない単分散状態で得ることが
できる。こうして得られたグラフト化超微粒子において
は、アフィニティークロマトグラフィーで使う充填材と
して異なる精製目的物質に応じて立体障害を起こさない
長さのスペーサを適宜選択的に結合できるため、これに
必要なリガンドを固定することで、該リガンドと特異的
に結合する精製目的物質を立体障害を生ずることなく高
濃度に吸着し得る最適な支持体の1種のポリアクリルア
ミドゲルとして利用することができる。さらに該グラフ
ト化超微粒子では、末端官能性オリゴマーを表面に高濃
度に結合できることから、アフィニティークロマトグラ
フで使う充填材への適用に止まらず、該オリゴマーの末
端官能基に直接、大きな反応性のある目的物質を固定化
することもできることから、化粧品用素材、診断薬用素
材、現像剤(トナー)、塗料などの製造にも十分に適用
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 玲子 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目4番16号 藤森工業株式会社内 (72)発明者 永田 政令 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目4番16号 藤森工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶媒中に表面官能基を有する粒径0.0
    5〜0.5μmのポリアクリルアミド系超微粒子および
    末端官能性オリゴマーを添加し、混合撹拌して該ポリア
    クリルアミド系超微粒子を分散させると共に末端官能性
    オリゴマーを溶解させ、その後に反応温度50〜100
    ℃としてグラフト化反応させることにより、該ポリアク
    リルアミド系超微粒子に該末端官能性オリゴマーを導入
    することを特徴とするグラフト化超微粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記表面官能基が、アミド基、カルボキ
    シルキ基およびアミノ基よりなる群から選ばれてなる少
    なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の
    グラフト化超微粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記末端官能性オリゴマーが、HOOC
    (CH2 n COOH、H2 N(CH2 n COOH、
    2 N(CH2 n NH2 、H2 N(CH2n SHお
    よびH2 N(CH2 n OH(式中のnは7以下の整数
    である)のいずれか1種であることを特徴とする請求項
    1または2に記載のグラフト化超微粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ポリアクリルアミド系超微粒子が温
    度0〜40℃で、比重0.3〜1.2であることを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれかに記載のグラフト化
    超微粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の製
    法によって得られたグラフト化超微粒子であって、該グ
    ラフト化超微粒子1g当たりの官能基濃度が0.001
    mg当量以上であることを特徴とするグラフト化超微粒
    子。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれかに記載の製
    法によって得られたグラフト化超微粒子であって、主と
    して該超微粒子の表面に末端官能性オリゴマーが導入さ
    れていることを特徴とするグラフト化超微粒子。
JP8628296A 1995-04-14 1996-04-09 グラフト化超微粒子およびその製造方法 Withdrawn JPH08337612A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8628296A JPH08337612A (ja) 1995-04-14 1996-04-09 グラフト化超微粒子およびその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7-89562 1995-04-14
JP8956295 1995-04-14
JP8628296A JPH08337612A (ja) 1995-04-14 1996-04-09 グラフト化超微粒子およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08337612A true JPH08337612A (ja) 1996-12-24

Family

ID=26427437

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8628296A Withdrawn JPH08337612A (ja) 1995-04-14 1996-04-09 グラフト化超微粒子およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08337612A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008510860A (ja) * 2004-08-27 2008-04-10 ヴァーサマトリックス・アクティーゼルスカブ 高負荷官能性樹脂

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008510860A (ja) * 2004-08-27 2008-04-10 ヴァーサマトリックス・アクティーゼルスカブ 高負荷官能性樹脂

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3608625B2 (ja) 粒子の製造方法、及び該方法によって製造され得る粒子
Yoshida et al. Metal ion imprinted microsphere prepared by surface molecular imprinting technique using water‐in‐oil‐in‐water emulsions
Salisu et al. Alginate graft polyacrylonitrile beads for the removal of lead from aqueous solutions
CA3082668C (en) Plant fiber-based intelligent adsorptive material with multi-adsorption sites and preparation method and use thereof
JP3594629B2 (ja) 架橋された球形の共重合体ビーズおよびその製造方法
US20090170973A1 (en) Macroporous hydrogels, their preparation and their use
JPH0762054B2 (ja) 架橋重合体粒子
JPH0637535B2 (ja) エポキシド基及び塩基性アミノ基を含む粒状架橋共重合体の製造方法
da Silva et al. Supercritical fluid technology as a new strategy for the development of semi-covalent molecularly imprinted materials
JP2008536986A (ja) 共有結合グラフトを介した生物活性分子を含む高度に多孔質のポリマー材料
CN111285951B (zh) 一种脂肪酶/聚离子液体-苯乙烯微球/水凝胶催化材料及其制备方法和应用
CN113278194A (zh) 一种单分散磁性聚苯乙烯微球的制备方法及微球及其应用
JPH07179504A (ja) 微粒子ポリマーおよびその製造方法
US4170685A (en) Polyvinyl pyridine microspheres
US4259223A (en) Cross-linked polyvinyl pyridine coated glass particle catalyst support and aqueous composition or polyvinyl pyridine adducted microspheres
JP2000513394A (ja) ポリアミドの重合性誘導体
US20050170402A1 (en) Method of separating substance from liquid
JPH08337612A (ja) グラフト化超微粒子およびその製造方法
KR20230049566A (ko) 다공성 입자 및 그 제조방법
JPH107723A (ja) グラフト化超微粒子およびその製造方法
JPH0616444B2 (ja) 磁性ミクロスフエアの製造方法
JP2890481B2 (ja) 親水性架橋共重合体粒子の製造方法
KR20050057298A (ko) 필름 및 양이온 크로마토그래피용 칼럼의 제조 방법
RU2054009C1 (ru) Способ получения монодисперсного латекса
US4224359A (en) Polyvinyl pyridine microspheres

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030701