JPH08337557A - ジスチルベン化合物及びその製造方法 - Google Patents

ジスチルベン化合物及びその製造方法

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JPH08337557A
JPH08337557A JP14893295A JP14893295A JPH08337557A JP H08337557 A JPH08337557 A JP H08337557A JP 14893295 A JP14893295 A JP 14893295A JP 14893295 A JP14893295 A JP 14893295A JP H08337557 A JPH08337557 A JP H08337557A
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group
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carbon atoms
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JP14893295A
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Kazuhiro Enomoto
和弘 榎本
Akihiro Kondo
晃弘 近藤
Ichiro Fujii
一郎 藤井
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 式(I) 【化1】 (式中、Arはメチレン基または置換されていてもよい
C6〜20のアリーレン基、Ar1は置換されていても
よいC6〜20のアリーレン基、R1は5もしくは6員
環の複素環基、置換されていてもよい低級アルキル基、
アラルキル基またはC6〜14のアリール基、R2およ
びR3はH、低級アルキル基または置換されていてもよ
いC6〜14のアリール基)で示されるジスチルベン化
合物。 【効果】 本発明によれば、式(I)で示される新規な
ジスチルベン化合物が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機エレクトロルミネ
ッセンス素子、電子写真感光体素子に適用可能な新規ジ
スチルベン化合物並びにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトロルミネッセンス素子(EL素
子)は、自己発光のため視認性が高く、また完全固体素
子であり、耐衝撃性に優れるという特徴を有しているこ
とから、現在、無機および有機化合物を用いた種々の素
子が提案され、かつ実用化が試みられている。これらの
うち、特に、有機EL素子は印加電圧を大幅に低下させ
ることができるので、各種材料、素子の開発が進められ
ている。
【0003】有機EL素子の構成は、陽極/発光層/陰
極を基本構成として、発光性能を向上させるために正孔
注入層、電子注入層または正孔障壁層等を必要に応じて
設けることが知られている。これらのうち、発光層と陰
極との間に正孔障壁層を形成する場合には、正孔障壁層
のエネルギーレベルが、発光層のエネルギーレベルと異
なるような材料を用いなければならない。例えば、特開
平2ー195683号公報には、発光層と陰極との間
に、発光層の第一酸化電位より0.1V以上大きな第一
酸化電位を有する正孔阻止層(正孔障壁層)を設ける技
術が記載されている。また、特開平2ー195683号
公報および特開平2ー255788号公報には、正孔障
壁層として8−ヒドロキシキノリン誘導体を用いること
が記載されている。
【0004】しかし、正孔障壁層として8−ヒドロキシ
キノリン誘導体を用いた場合でも、青系統の発光につい
ては、発光効率が0.3(1m・W-1)と低い。
【0005】一方、特願平2ー242669号公報およ
び特願平2ー279304号公報に記載されている材料
を発光層に用いた場合には、青系統における高輝度の発
光を得ることができるため、今後、フラットパネルディ
スプレイ等のフルカラー化に向けて有効に利用すること
が期待されている。しかし、これらの材料を用いて陽極
/発光層/陰極または陽極/正孔注入層/発光層/陰極
といった構成を有する素子を形成した場合、発光むらや
無発光領域を生じることがあるとともに、素子の寿命、
微細加工等の実用化への問題点は、未だ解決されていな
い。
【0006】電子写真感光体素子については、感光体を
形成する材料がすでにSe、ZnO、CdS等の無機系
材料から各種の有機系顔料および染料等の有機系材料に
とってかわりつつあり、その要因としては、次のような
理由が考えられる。つまり、有機系材料は、(1)化合
物の多様性より種々の用途に応じた材料が得やすい。
(2)蒸着をしなくても塗布方式で容易に感光体を作製
できる。(3)安全上の問題が少ない。(4)環境特性
が良い(特に高温高湿時での劣化が少ない)。(5)耐
久特性においても問題がない。(6)高耐刷性が得られ
ている。
【0007】また、有機系材料を利用するようになった
初期の段階で、特に問題とされていた感度上の問題は、
導電性支持体上に、順次電荷発生層および電荷輸送層を
積層して構成される感光体を用いることにより、いまや
完全に解消しており、特に近年は、小径化でコピー速度
の速い感光体や、高コピー速度で耐コピー毎数の大きな
感光体が求められてきている。
【0008】機能分離型の電子写真感光体は、製造上好
ましい材料を広い範囲から選択できるばかりでなく、光
感度および耐久性を向上させることが可能な材料の選択
の幅が広いという利点をも有している。例えば、具体的
な有機系材料としては、アゾ顔料、ベリレン顔料、多環
キノン顔料およびインジゴイド顔料(特開昭54ー13
9540号、同55ー88064号、同56ー4148
号、同56ー14240号、同56ー119131号、
同63ー935455号、同63ー63046号、特願
平1ー109352号、USP4952472号、DE
−2237680、同2734288号)等、さらにピ
ロロピロール化合物(USP4632893号)が挙げ
られる。
【0009】感光体を構成する電荷輸送性物質として
は、トルエン、ジクロルエタンまたは塩化メチレン等に
可溶なオキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、
トリフェニルアミン化合物、スチリル化合物、ヒドラゾ
ン化合物およびエナミン化合物(特開平1ー23628
0号公報、特開平1ー226859号公報、特公平3ー
30133号公報、特公昭60ー34099号公報、特
開平1ー261648号公報、特開平2ー272571
号公報、特開昭58ー131954号公報、特開平4ー
101153号公報および特開平4ー149446号公
報)が挙げられるが、これらのうちのほとんどが皮膜形
成能に乏しいために、通常バインダー樹脂が加えられ
る。これら樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリ
アリレート樹脂、ポリエステル樹脂およびポリサルフォ
ン樹脂が挙げられ、電荷輸送性物質とほぼ同量もしくは
10%程度多く使用されており、機械的劣化が少なく、
かつ輸送効率の高い(膜厚が厚くしても著しい感度低下
現象が起こりにくい。)バインダー樹脂、電荷輸送性物
質が強く求められてきている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、有機EL
素子および電子写真感光体素子のそれぞれの課題に対応
する有機材料を合成・評価した結果、新規の構造を有す
るジスチルベン化合物が有効であることを見出した。
【0011】すなわち、本発明によれば、式(I)
【0012】
【化8】
【0013】(式中、Arはメチレン基または置換され
ていてもよい炭素数6〜20のアリーレン基、Ar1
置換されていてもよい炭素数6〜20のアリーレン基、
1は置換されていてもよい低級アルキル基、5員環も
しくは6員環を形成する複素環基、置換されていてもよ
いアラルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜
14のアリール基、R2およびR3は水素原子、低級アル
キル基または置換されていてもよい炭素数6〜14のア
リール基を表わす。で示される新規なジスチルベン化合
物が提供される。
【0014】また、本発明によれば、式(II)
【0015】
【化9】
【0016】(式中、記号は式(I)の定義と同義。)
で示される化合物を、式(III)
【0017】
【化10】
【0018】(式中、記号は式(I)の定義と同義。)
で示される化合物と反応させるか、または、式(IV)
【0019】
【化11】
【0020】(式中、記号は式(I)の定義と同義。)
で示される化合物と式(V)
【0021】
【化12】
【0022】(式中、Rはフェニル基または低級アルキ
ル基、他の記号は式(I)の定義と同義。)で表される
化合物とを反応させて、上記式(I)のジスチルベン化
合物を製造する製造方法が提供される。
【0023】式(I)のArにおける「置換されていて
もよい炭素数6〜20のアリーレン基」とは、P−フェ
ニレン基、m−フェニレン基、4,4−ビフェニレン
基,1,4−ナフチレン基、ターフェニレン基または
【0024】
【化13】
【0025】が挙げられる。
【0026】Ar1における「置換されていてもよい炭
素数6〜20のアリーレン基」とは、P−フェニレン
基、m−フェニレン基、4,4−ビフェニレン基,1,
4−ナフチレン基、ターフェニレン基またはこれらの基
に1つまたは2つのメチル基、エチル基等の低級アルキ
ル基が置換されているものが挙げられる。なかでも、材
料の入手および合成上の観点からはArおよびAr1
いずれもP−フェニレン基であることが好ましい。
【0027】R1における「置換されていてもよい低級
アルキル基」としては、例えば、ハロゲン原子等で置換
されていてもよい直鎖または分枝の炭素数1〜5のアル
キル基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、iso−プロピル基、ブチル基、t−ブチル
基、ペンチル基、クロルメチル基、クロルエチル基等が
挙げられる。「5員環または6員環の複素環基」とは、
フリル基、ピリジル基、インドリル基、インダゾリル
基、ピラゾリジル基、ピラジニル基、キノリル基、ピラ
ゾリル基等が挙げられる。「置換されていてもよいアラ
ルキル基」とは、ベンジル基、P−メチルベンジル基、
P−クロルベンジル基、ベンズヒドリル基、2ーナフタ
レンメチレン基、9ーアントラセンメチレン基等が挙げ
られる。「置換されていてもよい炭素数6〜14のアリ
ール基」としては、フェニル基、4ービフェニル基、ナ
フチル基、2ーアントリル基、Pーメチレンフェニル
基、P−メトキシフェニル基、m−メチルフェニル基、
1,2ーメチレンジオキシフェニル基、1ーナフチル
基、2ーナフチル基等が挙げられる。なかでも、フェニ
ル基またはメトキシ基、メチル基若しくはエチル基等の
電子供与性で置換されたフェニル基が好ましい。
【0028】R2およびR3における「低級アルキル基」
としては、炭素数1〜5の直鎖または分枝のアルキル基
を意味し、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル
基、isoープロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペ
ンチル基等が挙げられる。「置換されていてもよい炭素
数6〜14のアリール基」としては、R1におけるもの
と同様のものを使用することができる。なかでも、R2
およびR3のいずれもがP−メトキシフェニル基もしく
はR2がメチル基かつR3がフェニル基であることが好ま
しい。
【0029】本発明における(I)の化合物のうち、好
ましくは下記式(VI)の化合物が挙げられる。
【0030】
【化14】
【0031】(式中、R4は水素原子、ハロゲン原子、
低級アルキル基または低級アルコキシ基、nは1または
2の整数である。) 上記式(VI)において、R4の「低級アルキル基」とし
ては、上記R2と同様の低級アルキル基、「低級アルコ
キシ基」としては、炭素数1〜5のアルコキシ基を意味
し、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ
基、ペントキシ基が挙げられ、なかでも、メトキシ基お
よびエトキシ基が好ましい。
【0032】具体的には、下記で示されるジスチルベン
化合物が好ましく、特に、式(VI)の化合物である例示
化合物1、6、9、12、17、18、32がより好ま
しい。
【0033】
【化15】
【0034】
【化16】
【0035】
【化17】
【0036】
【化18】
【0037】
【化19】
【0038】
【化20】
【0039】
【化21】
【0040】
【化22】
【0041】本発明における新規ジスチルベン化合物
は、下記合成経路により容易に合成することができる。
【0042】つまり、式(II)
【0043】
【化23】
【0044】(式中、記号は式(I)と同義である。)
で示される化合物を、式(III)
【0045】
【化24】
【0046】(式中、記号は式(I)と同義である。)
で示される化合物と1:2から1:2.5のモル比でベ
ンゼン、モノクロルベンゼン、酢酸エチル、トルエンま
たはエタノール等の溶剤中において反応させ、さらにP
−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、塩酸ま
たは酢酸等を少量加え、加熱・生成した水を系外に除く
ことにより容易に合成することができる。
【0047】また、別の合成経路によっても本発明の新
規ジスチルベン化合物を合成することができる。すなわ
ち式(IV)
【0048】
【化25】
【0049】(式中、記号は式(I)と同義である。)
で示される化合物を、式(V)
【0050】
【化26】
【0051】(式中、Rは上記と同様、他の記号は式
(I)と同義である。)で示される化合物と2:1から
2.5:1のモル比で、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホオキサイド、ジメチルアセトアミド、エタノー
ル等の溶剤中で反応させ、さらに、ナトリウムエトキサ
イド、カリウムーtert−ブトキサイド等を式(V)
の化合物とほぼ等モル加え、室温下もしくは70〜10
0℃の昇温下で反応させることにより容易に合成するこ
とができる。
【0052】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。
【0053】合成例1(例示化合物1の合成) 1−a)1,1−ジフェニル−2−(ジフェニルアミ
ノ)エチレンの合成 ジフェニルアミン32g及びジフェニルアセトアルデヒ
ド36.0gをベンゼン約400mlに溶解する。これ
に20mgのp−トルエンスルホン酸を加え、加熱し、
反応により生ずる水を系外に除く。ベンゼン等を除去し
た後、析晶した白色粉末を酢酸エチルより再結晶化し、
白色結晶56gを得る。融点は149.0〜150.0
℃であった。
【0054】1ーb)1,1ージフェニルー2ー(ジフ
ェニルアミノ)エチレンのモノアルデヒド体の合成 1ーa)で合成したエナミン化合物10gをジクロロエ
タン20mlに溶解し、これをオキシ塩化リン8.9g
(5.4ml)とジメチルホルムアミド5.6gにより
調合したビルスマイヤー試薬中に徐々に氷冷下加えた
後、氷冷下、室温下、加熱下(内温80〜85℃)と徐
々に反応温度を上げて反応を行なう。本反応液を5N−
NaOH水中に加え、反応液を弱アルカリ性にした後、
ジクロロエタン中に溶解した目的物を取り出し、黄白色
の粉末状結晶9.1gを得る。融点は145.0〜14
5.5℃であった。
【0055】また、本化合物のIRを測定(KBr錠剤
法)した結果、1730cm-1付近にアルデヒド基の吸
収が認められた。
【0056】1ーc)p−フェニレン基含有リン化合物
の合成 α,α′−ジクロル−p−キシレン4.5gと亜リン酸
トリエチル11gを窒素気流下、オイルバス中(温度1
30℃)で6時間加熱撹拌を行なった。次に過剰の亜リ
ン酸トリエリル及び副生成した塩化エチルを減圧留去し
た。これをエーテル中で放置すると白色粉末7.2gを
得る。融点は68.5〜70.0gであった。
【0057】1ーd)例示化合物1の合成 1ーc)で得たWittig化合物1.3gと1−b)
で得たアルデヒド化合物5.0gとをジメチルホルムア
ミド50mlに溶解し、これに室温下、tert−ブト
キシポタシウム1.5gを徐々にスパチラより加え、2
時間撹拌を行なった。析出した強い蛍光を有する黄色粉
末を取り出し、次いで熱アセトンで十分洗浄を行ない、
2.3gのN,N′−ジェナミン基含有ジスチルベン化
合物を得る。融点は248.5〜250.5℃であっ
た。
【0058】本化合物のIRを測定(KBr錠剤法)し
た結果、1520cm-1、1620cm-1にメチリディ
ンに基づく吸収が認められた。
【0059】合成例2(例示化合物6の合成) 2ーa)1−フェニル−1−(4′−メトキシフェニ
ル)−2−(ジフェニルアミノ)エチレンの合成 フェニル−(4−メトキシフェニル)アミン20g及び
ジフェニルアセトアルデヒド21gをベンゼン300m
lに溶解させる。これに15mgのp−トルエンスルホ
ン酸を加えて加熱し、反応により生ずる水を系外に除
く。ベンゼン等を除去後メタノール100ml中で加熱
還流を行なうと白色粉末が析出する。この粉末を酢酸エ
チル:メタノールより再結晶化を行ない、白色の結晶2
3.4gを得る。融点は118〜120℃であった。
【0060】2ーb)1−フェニル(4−メトキシフェ
ニル)−2−(ジフェニルアミノ)エチレンのモノアル
デヒド体の合成 2ーa)で合成したエナミン化合物12gをジクロルエ
タン20mlに溶解し、これをオキシ塩化リン8.9g
(5.4ml)とジメチルホルムアミド6.5gにより
調合したビルスマイヤー試薬中に徐々に氷冷下加えた
後、氷冷下、次いで室温下、加熱下(内温80〜85
℃)と徐々に反応温度を上げて行き、反応を行った。最
後に反応液を5N−NaOH水溶液中に加え、水層を弱
アルカリ性にした後、ジクロロエタン中に溶解した目的
物を取り出し、酢酸エチルより再結晶を行ない、白色の
粉末状結晶9.4gを得る。融点は112.5℃〜11
4.0℃であった。
【0061】2−c)例示化合物6の合成 1−c)で合成したp−フェニレン基含有リン化合物
2.1gと2−b)で合成したモノアルデヒド体9.0
gをジメチルホルムアミド100mlに溶解し、これに
室温下、tert−ブトキシポタシウム2.5gを徐々
にスパチラより加え、2時間撹拌を行なった。析出した
強い蛍光を有する黄色粉末を取り出し、次いでアセトン
で十分洗浄を行ない4.1gのN,N′−ジエナミン基
含有ジステルベン化合物を得る。融点は234.5〜2
36.5℃であった。本化合物のIR測定でも、例示化
合物1と同様に1520cm-1及び1620ccm-1
近にメチリディン基に基づく吸収が認められた。
【0062】合成例3(例示化合物3の合成) 3−a)1,1−ジフェニル−2−ジ(p−メトキシフ
ェニル)アミノエチレンの合成 ジフェニルアミン32g及び(p−メトキシフェニル)
アセトアルデヒド42gをベンゼン約500mlに溶解
する。これに20mgのp−トルエンスルホン酸20m
gを加え、ディーンスターク管により反応の結果生ずる
水を系外に除く。ベンゼン等を除去した後、析晶した白
色粉末をメタノールで洗浄し、酢酸エチルより再結晶化
して白色結晶389gを得る。
【0063】3−b)1,1−ジフェニル−2−ジ(p
−メトキシフェニル)アミノエチレンのモノアルデヒド
体の合成 1−b)と同様の合成方法により、下記式に示す黄白色
の結晶を得る。融点は125.5〜127.0℃であっ
た。
【0064】
【化27】
【0065】3−c)例示化合物3の合成 1−d)と同様の合成方法により、強い蛍光を有する黄
橙色結晶を得る。ジメチルホルムアミドによる熱洗浄に
よって、目的物を精製した。融点は254.5〜25
7.0℃であった。
【0066】本化合物のIR測定でも例示化合物1と同
様に1525cm-1及び1630cm-1付近にメチリデ
ィン基に基づく吸収が認められた。
【0067】合成例4(例示化合物12の合成) 4−a)ビフェニレン基含有リン化合物の合成 4,4′−2ビス(クロルメチル)ビフェニル7.0g
と亜リン酸トリエチル1gとを、N2気流下、オイルバ
ス中、5時間加熱還流を行った。過剰の亜リン酸トリエ
チル、副生成物の塩化エチル等を減圧留去した後、析出
した下記式の白色結晶8.4gを得た。融点は98〜1
00.5℃であった。
【0068】
【化28】
【0069】なお、この化合物は、バイルシュタインテ
ストにおいて負を示し、ハロゲンは含まれていないこと
が判った。
【0070】4−b)例示化合物12の合成 4−a)で得たWittig化合物4.2gと1−b)
で得たモノアルデヒド体7.5gをジメチルホルムアミ
ド50mlに溶解し、これにポタシウム−tert−ブ
トキサイド2.4gを徐々に加え、室温下4時間撹拌し
た。析出した強い蛍光を有する橙色粉末を取り出し、十
分水洗後、熱アセトンで十分洗浄を行ない橙色粉末6.
5gを得た。融点は287.5〜289.5℃であっ
た。
【0071】合成例5(例示化合物14の合成) 4−a)で得たWittig化合物4.2gと3−b)
で得たモノアルデヒド体8.3gをジメチルホルムアミ
ド50mlに溶解し、これにポタシウムtert−ブト
キサイド2.4gを徐々に加え、室温下4時間撹拌し
た。析出した強い蛍光を有する橙色粉末を取り出し、十
分水洗後、熱アセントで洗浄を行ない強い橙色の蛍光体
6.7gを得た。融点は293.5〜295.5℃であ
った。
【0072】合成例6(例示化合物29の合成) 6−a)メチレン基含有リン化合物の合成 1.3−ジブロモプロパン10gと亜リン酸トリエチル
20gを、N2気流下、オイルバス中で5時間加熱還流
した。過剰の亜リン酸トリエチル等を減圧留去し、更に
減圧精製することにより下記式の油状の無色透明物質7
gを得た。
【0073】
【化29】
【0074】6−b)例示化合物29の合成 6−a)で得たWittig化合物2.8gと1−b)
で得たモノアルデヒド体8.0gをジメチルホルムアミ
ド20mlに溶解し、これにナトリウムエチラートのア
ルコール溶液を徐々に加え、室温下4時間撹拌を行なっ
た。後一夜放置後、反応液中に水100mlを加え、析
出したアメ状体物を酢酸エチル50mlより抽出し、十
分脱水した。その後、酢酸エチルを留去して残留物をメ
タノール50ml中で加熱還流すると、徐々に黄白色粉
末が生成する。生成した粉末を取り出し、ベンゼン:n
−ヘキサンによりカラム分離することにより未反応のモ
ノアルデヒド体と分離を行なう。
【0075】メタノールで熱洗後、3.6gの蛍光性を
有する黄色味の強い粉末を得た。融点は145.5〜1
47.0℃であった。
【0076】合成例7(例示化合物1の別法による合
成) 7−a)にジフェニルアミンのモノアルデヒド体の合成 N−アリルジフェニルアミンのアルデヒド40gを酢酸
エチル400mlに溶解し、これに1N−塩酸水溶液1
00mlを加え、室温下激しく2時間撹拌する。加水分
解に伴ない酢酸エチル層は黄色溶液から緑色溶液に変化
する。次いで、酢酸エチル層を無水硫酸ソーダより脱水
した後、酢酸エチルを留去して残留物をエーテルより再
結晶し、下記式の緑白色の粉末26gを得る。融点は5
2.0〜54.5℃であった。
【0077】
【化30】
【0078】7−b)例示化合物1の合成 7−a)のモノアルデヒド体4.0gと1−c)で合成
した含有リン化合物2.1gを2−c)と同様にしてジ
スチルベン化合物4.2gを得る。このジスチルベン化
合物に2.2倍モルのジフェニルアセトアルデヒドを加
え、ジクロルベンゼン中少量の無水酢酸を加えて、加熱
脱水化することにより例示化合物1を得る。
【0079】合成例1の化合物と合成例7の化合物を少
量づつ混ぜ合わせて毛細管につめ、融点の低下現象を観
察したが、まったく低下現象は認められなかった。ま
た、IR測定を行なったが、スペクトルはまったく同一
であった。
【0080】
【発明の効果】本発明の新規な構造を有するジスチルベ
ン化合物は、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光
層および電子写真感光体素子の電荷輸送層として用いた
場合に、優れた性能を示す。
【0081】つまり、有機エレクトロルミネッセンス素
子として用いた場合には、高輝度、高効率等の高機能性
と熱的安定性および高非晶性による長寿命の発光体を提
供することができる。
【0082】また、電子写真感光体素子として用いた場
合には、優れたホール輸送効率(〜10-4cm2/V)
を有し、光劣化、熱的劣化および機械的劣化の少ない高
感度、高耐刷用感光体を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 211/54 8517−4H C07C 211/54 211/58 8517−4H 211/58 213/02 213/02 217/60 7457−4H 217/60 217/84 7457−4H 217/84 C07D 209/88 C07D 209/88 213/74 213/74 307/66 307/66 317/66 317/66

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I) 【化1】 (式中、Arはメチレン基または置換されていてもよい
    炭素数6〜20のアリーレン基、Ar1は置換されてい
    てもよい炭素数6〜20のアリーレン基、R1は置換さ
    れていてもよい低級アルキル基、5員環もしくは6員環
    を形成する複素環基、置換されていてもよいアラルキル
    基または置換されていてもよい炭素数6〜14のアリー
    ル基、R2およびR3は水素原子、低級アルキル基または
    置換されていてもよい炭素数6〜14のアリール基を表
    わす。)で示されるジスチルベン化合物。
  2. 【請求項2】 式(II) 【化2】 (式中、Arはメチレン基または置換されていてもよい
    炭素数6〜20のアリーレン基、Ar1は置換されてい
    てもよい炭素数6〜20のアリーレン基、R1は置換さ
    れていてもよい低級アルキル基、5員環もしくは6員環
    を形成する複素環基、置換されていてもよいアラルキル
    基または置換されていてもよい炭素数6〜14のアリー
    ル基である。)で示される化合物を、式(III) 【化3】 (式中、R2およびR3は水素原子、低級アルキル基また
    は置換されていてもよい炭素数6〜14のアリール基を
    表わす。)で示される化合物と反応させて、式(I) 【化4】 (式中、Ar、Ar′、R1、R2およびR3は上記と同
    義である。)の化合物を製造することを特徴とするジス
    チルベン化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 式(IV) 【化5】 (式中、Ar1は置換されていてもよい炭素数6〜20
    のアリーレン基、R1は置換されていてもよい低級アル
    キル基、5員環もしくは6員環を形成する複素環基、置
    換されていてもよいアラルキル基または置換されていて
    もよい炭素数6〜14のアリール基、R2およびR3は水
    素原子、低級アルキル基または置換されていてもよい炭
    素数6〜14のアリール基を表わす。)で示される化合
    物を、式(V) 【化6】 (式中、Arはメチレン基または置換されていてもよい
    炭素数6〜20のアリーレン基、Rはフェニル基または
    低級アルキル基である。)で示される化合物と反応させ
    て、式(I) 【化7】 (式中、Ar、Ar′、R1、R2およびR3は上記と同
    義である。)の化合物を製造することを特徴とするジス
    チルベン化合物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007119376A (ja) * 2005-10-26 2007-05-17 Kyocera Mita Corp エナミン誘導体およびそれを用いた電子写真感光体

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