JPH08336163A - 画像符号化装置及び画像復号化装置及び画像処理装置及び画像符号化方法及び画像復号化方法及び画像出力装置 - Google Patents

画像符号化装置及び画像復号化装置及び画像処理装置及び画像符号化方法及び画像復号化方法及び画像出力装置

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JPH08336163A
JPH08336163A JP12475695A JP12475695A JPH08336163A JP H08336163 A JPH08336163 A JP H08336163A JP 12475695 A JP12475695 A JP 12475695A JP 12475695 A JP12475695 A JP 12475695A JP H08336163 A JPH08336163 A JP H08336163A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 人間の視覚特性を充分考慮した符号化効率の
よい符号化装置を得る。 【構成】 変換部100において、RGB信号を入力し
色空間変換を行い、高解像度の輝度成分Yh と低解像度
の輝度成分YL と低解像度の色差成分U,Vを出力す
る。直流成分抽出部122がブロック単位の色成分情報
L ,GL ,BL を出力し、色空間変換部124がブロ
ック単位の色空間変換を行う。一方、交流成分抽出部1
12は、RGB信号とRL ,GL ,BL との差分を取
り、画素単位の成分Rh ,Gh ,Bh を出力する。色空
間変換部114は、輝度成分Yh のみを出力する。 【効果】 画素単位の色差成分を無視することにより、
効果的に画像情報を圧縮できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、カラーテレビジョン
信号などのディジタル画像信号を、高能率に圧縮できる
符号化装置及び復号化装置に関するものである。特に人
間の視覚特性に基づいて、輝度成分と色差成分を処理す
る符号化装置及び復号化装置に関するものである。また
更には、2次元の静止画の画像圧縮方式を拡張して3次
元の動画に対して適用することにより、動画像を高能率
に圧縮できる符号化装置及び復号化装置に関するもので
ある。
【0002】また、この発明は、カラープリンタ等の印
画システムにおける画像出力装置に関するもので、2値
の出力装置を用いても、結果として色再現性及び解像度
にすぐれた画像を得る画像出力装置に関するものであ
る。
【0003】
【従来の技術】図83は、「カラー液晶ディスプレイ」
(産業図書、平成2年12月14日発行、頁8)に記載
された画像の見やすさを決定している要因を示す図であ
る。画像の見やすさを決定している要因は、図83に示
すように、3つの大きな要因から構成されている。第1
は「表示の特性」であり、画像を表示するディスプレイ
パネルの特性により画像の見やすさが決定される。第2
は「光源」であり、画像を表示するための光源と、周囲
の照明環境により画像の見やすさが決定される。第3は
「人間の目の特性と脳の働き」であり、人間の目と脳に
おける画像の感覚、視覚、認識システムによって画像の
見やすさが変わってくる。前述した「表示の特性」を改
良することにより、画像の見やすさを改良してきてい
る。特に、ディスプレイパネルの特性において見やすさ
を決定している要因は、(1)明るさの最大値とその平
均値、(2)明るさコントラスト、(3)白さと黒さ、
(4)色範囲、(5)空間及び時間分解能、(6)表示
面積、(7)視覚特性、(8)階調などである。一方、
「光源」としては、例えば画像を表示する表示光源及び
画像を見る周囲の照明環境等が、その見やすさの要因と
して挙げられる。従来からディスプレイパネルの表示の
特性や光源の特性に関しては、いろいろな研究がなさ
れ、その研究に基づく装置が新たに開発されてきてい
る。
【0004】一方、視覚の特性に関しても、各種の研究
報告がされている。図84は、「画像情報圧縮」(オー
ム社、平成3年8月25日発行、頁29)に記載された
視覚の空間周波数特性を示す図である。図85は、同じ
く前掲の文献「画像情報圧縮」(頁37)に示された視
覚の時空間周波数特性を示す図である。図84に示すよ
うに、視覚の空間周波数特性は、白−黒の輝度パターン
の場合には、空間周波数3サイクル/デグリーにピーク
を持つ帯域通過形のフィルタ特性を示す。赤−緑と黄−
青の色度パターンの空間周波数は、輝度の場合に比べて
ピークとなる空間周波数が小さい値を持っている。この
ことは、画像の信号処理を行う場合に、RGBの三原色
信号を用いる代りに輝度成分と2つの色差成分を用いる
ことの妥当性を示すものである。多くの従来のシステム
において、色差成分の帯域幅が輝度成分の帯域幅の約3
分の1から4分の1で用いられてきているのは、この人
間の視覚特性を利用したものである。図85は、視覚の
時空間周波数特性を示している。図85は、横軸に空間
周波数を示し、縦軸に時間周波数を示している。空間周
波数と時間周波数に対する視覚特性はよく似た性質を持
っているということが報告されている。
【0005】図86は、従来の画像データを符号化する
方式を示す図である。図86は、「画像圧縮技術の話」
(工業調査会、1993年10月10日発行、頁39)
に記載された画像の種別に対応した符号化方式を示す図
である。画像には静止画像と動画像があり、静止画像は
2値画像、多値画像と自然画像に分類できる。また、動
画像は自然画像として扱うことができる。これらの各画
像の種類に応じて、適合する符号化方式が考えられてき
ている。図86に示す符号化方式は、単独で用いられる
場合もある。あるいは、複数種類組み合わされて用いら
れる場合もある。動画像の符号化に用いられる従来の符
号化方式の一例を、以下に説明する。画像信号を高能率
に符号化しようとする場合、画像信号に含まれる冗長成
分を取り除くことが重要である。特に、動画像を符号化
する代表的な手法としては、すでに符号化された画像
と、新たに符号化する画像との差分をとり、差分情報の
みを符号化するいわゆるフレーム間符号化方式が良く知
られている。
【0006】図87は、例えば、日本特許特開昭63−
208382号公報に示されたフレーム間符号化装置に
関するブロック図であり、図において、1は前フレーム
の画像情報を蓄積するフレームメモリ、2は動きベクト
ル検出部、3は減算器、4は符号化部、5は局部復号
部、6は加算器、7はフィルタ、8はフィルタ制御部で
ある。
【0007】次に、動作について説明する。フレームメ
モリ1に蓄積されている1フレーム前の画像信号11
と、入力画像信号12とは、動きベクトル検出部2にお
いて、16×16画素を1ブロックとしてブロック毎に
ブロックマッチングがとられる。動きベクトル検出部2
は、ブロック毎に動き量とその方向を示す動きベクトル
13を発生する。フレームメモリ1は、動きベクトル1
3に応じて動き補償予測信号14を生じる。減算器3
は、16×16画素を1ブロックとしてブロック毎に入
力画像信号12から動き補償予測信号14を減算して、
予測誤差信号(差分信号ともいう)15を発生する。
【0008】符号化部4は、予測誤差信号15を8×8
画素を1ブロックとして直交変換し、直交変換した結
果、量子化して符号化された誤差情報16を発生する。
局部復号部5は、符号化された誤差情報16を復号し、
局部復号誤差信号17を出力する。加算器6は、動き補
償予測信号14と局部復号誤差信号17を加算して、局
部復号信号18を発生する。フィルタ7は、局部復号信
号18における高域成分を除去し、平滑化された局部復
号信号19を発生する。フィルタ制御部8は、動きベク
トル13の大きさに応じて、フィルタ7の挿入又は非挿
入を制御する制御信号20を出力する。このようにし
て、発生した符号化された誤差信号16と、動きベクト
ル13とは伝送路を経て送出される。前述したように、
これらの処理は画像信号に対して、16×16画素単位
や8×8画素単位毎に行われる。
【0009】前記の従来例においては、加算器6の後段
にフィルタ7を設けているが、フレームメモリ1の後段
に設ける方法も知られている。また、動き検出の精度を
高めるため、整数画素単位以下で探索を行う方法やブロ
ック単位に閉じたフィルタ処理を行う方法、周辺画素も
含めてフィルタ処理を行う方法がある。これらいずれの
方式においても、動き量に応じて高周波成分を抑圧する
ことにより、ノイズを除去し符号化効率の向上を図って
いる。
【0010】また、従来の装置でフレーム内符号化を行
う場合は、入力画像信号12をそのまま符号化部4で量
子化して符号化された入力情報16を発生する。局部復
号部5は符号化された入力情報16を復号し、局部復号
誤差信号17をフレームメモリ1へ出力する。このよう
にして、発生した符号化された入力情報16は、伝送路
を経て送出される。
【0011】ここで、上記符号化装置に入力される画像
信号について説明する。画像信号の形態として、赤R,
緑G,青Bの三原色信号(R,G,B信号)がある。ま
た、画像信号の形態として、一般的な輝度成分Y、色差
成分U,V,Wがある。U,V,Wの各々を例えば(R
−Y),(B−Y)及び(G−Y)の色差成分とする
と、これらの色差成分U,V,Wと輝度成分Yの間に
は、次のような関係がある。 Y=0.30R+0.59G+0.11B ・・・・・・(1) R−Y=0.70R−0.59G−0.11B(=U) B−Y=−0.30R−0.59G+0.89B(=V) G−Y=−0.30R−0.41G−0.11B(=W) ・・・・・・(2) 0.3(R−Y)+0.59(G−Y)+0.11(B−Y)=0 ・・・・・・(3)
【0012】従って、例えば、輝度成分Yと2つの色差
成分R−Y(=U)及びB−Y(=W)の計3つの画像
信号から、赤R,緑G,青Bからなるフルカラー画像信
号が上記式(1),(2),(3)の演算より再生でき
る。この最も一般的な応用が、NTSCカラーテレビジ
ョン信号である。つまり、式差信号R−Y,B−Y,G
−Yのうちのいずれか2組の信号の組み合わせと、Yと
の組合せでフルカラーの情報は伝送可能である。
【0013】ここで、コンポーネント画像信号及びそれ
に係わるコンポーネント符号化方式について補足説明す
る。画像信号を構成するRGB信号又は輝度成分Y、色
差成分R−Y,B−Y等を独立にディジタル符号に変換
する方式を、コンポーネント符号化方式と呼ぶ。コンポ
ーネント符号化方式により、符号化された入力画像信号
をコンポーネント画像信号と称す。このコンポーネント
画像信号が図87に示す符号化装置に入力され、符号化
される。
【0014】そこで、上記コンポーネント画像信号を、
あるコンポーネント符号化方式で符号化したり、伝送し
たり又はメモリ処理をするに際し、いかに注目画素当た
りのデータ量を下げるかが課題となる。また、いかに伝
送レート(単位時間当たりに伝送し得るビット、通常M
b/S、メガビットパーセコンド)を下げるかが課題と
なる。輝度成分Y、色差成分U,Vをディジタル信号と
した時、例えば、次のような3方式のコンポーネント符
号化方式がある。
【0015】一例として、下記の(A),(B)及び
(C)の方式がある。 (A)Y:U:V=4:4:4(=1:1:1)・・・(4) (B)Y:U:V=4:2:2 ・・・・・・・・・(5) (C)Y:U:V=4:1:1 ・・・・・・・・・(6)
【0016】図88,図89,図90は、4:4:4,
4:2:2及び4:1:1の各方式の画素構成のモデル
を示したものである。上記の(A)方式は、輝度成分Y
と色差成分U,Vの注目画素当たりのデータ量が全て同
一であり、いわゆる基本のものである。また、(B)及
び(C)の方式は輝度成分Yの注目画素当たりのデータ
量の1/2,1/4に相当する注目画素当たりのデータ
量で色差成分が処理されるものである。上記データ量の
差は、輝度成分Yと色差成分U,Vを伝送する場合、及
びメモリに記憶する場合にも適用され、伝送レート及び
メモリ容量の差となって現れる。
【0017】色差成分の画質は、(A),(B),
(C)の順に劣化してくることは明らかである。人間の
目の視覚特性として、色信号に対する解像度は、輝度成
分の解像度に対して低いという特性から、上記(B)及
び(C)の方式は、実用上問題なく使用されている。
【0018】例えば、4:2:2の一例として、図91
に代表例を示す。図91は、「テレビ信号のディジタル
回路」(コロナ社、江藤、阿知葉、1989年9月25
日初版、P8〜P10)に示されたテレビ信号のパラメ
ータを示す図である。なお、図91では、色差成分U,
VをCr ,Cb として示している。このパラメータによ
ると、例えば、伝送レート(Mb/s)は、直列伝送方
式で、216Mb/s(=8ビット×13.5M+8ビ
ット×6.75M×2)である。8本のデータ線と、1
本のクロック計9本の伝送路による並列伝送方式では、
1本の伝送路当たり27MH(=13.5M+6.75
M×2)である。実際には、冗長ビットを必要とするの
で、例えば、冗長ビットを8ビットのデータに対して1
ビットと仮に設定すると、直列伝送方式では243Mb
/s(=9×13.5M+9×6.75×2)となる。
【0019】また、輝度成分Yの伝送路と色差成分U,
Vの伝送路を分け、2本の伝送路に並列に分離した場合
(冗長ビットは省略)、上記の計算を利用すると輝度成
分Y及び色差成分U,V各々の伝送路の伝送レートは、
108Mb/sとなる。これに108Mb/sのクロッ
ク伝送路が1本加わることになる。いずれにしても、概
略100Mb/s前後の伝送レートに耐える伝送路を必
要とする。この符号化方式(4:2:2)は、ディジタ
ルテレビジョンのスタジオ及びディジタルVTRのフォ
ーマットに用いられているCCIR(CONSULTI
VE COMMITTEE INTERNATIONA
L RADIO)総会の勧告の規格である。
【0020】図92は、同じ文献「テレビ信号のディジ
タル回路」(P10)にあるHDTV符号化方式案を示
し、並列伝送方式では、148.5Mb/s(74.2
5M+37.125M×2)、直列伝送方式では、11
88Mb/s(148.5M×8)をも必要とすること
を示すものである。
【0021】また、先の(C)方式の4:1:1の場合
では、同じく伝送路を2本並列に分離した場合(冗長ビ
ットは省略)輝度成分は108Mb/s、色差成分U,
Vは54Mb/sとなる。
【0022】ところで上記(C)方式の4:1:1によ
るコンポーネント画像信号より、更に色差成分の注目画
素当たりのデータ量を低くおさえた場合(例えば4:
0.5:0.5=8:1:1)、画質は当然ながら劣化
する。しかし全体としてのデータ量が減り、ディジタル
映像機器では使用するメモリ容量の縮少、回路規模の縮
少及び消費電力の縮少も見込まれるとともに、伝送レー
トを同一にしている時は、画像データ量が減少している
分だけ所定の情報(例えば、1フレームのデータ)を短
い時間で伝送することが可能である等の利点がある。あ
るいは、冗長データ、文字データ、暗号化データを所定
時間内で多く伝送することも可能である。
【0023】しかしながら、従来では、これらの利点と
画質の劣化という両者を勘案して、実用的なレベルの符
号化方式として、4:1:1としているのが実情であ
る。
【0024】なお、従来の信号処理装置として、輝度成
分Y、色差成分R−Y,B−Yからなるコンポーネント
画像信号を入力し、同じく出力信号として輝度成分Y、
色差成分R−Y,B−Yを出力するものが存在する。こ
の信号処理装置は、4:4:4の輝度成分Yと色差成分
U,Vを入力し、標本化周波数比が4:2:2又は4:
1:1になるような所定のフィルタリング処理を行うも
のである。4:4:4の符号化方式を、4:2:2又は
4:1:1に変換するとかいう方式変換は、この図93
の信号処理ブロックで実施されることは周知のことであ
る。
【0025】次に、上記コンポーネント符号化方式を用
いた具体例について説明する。画像圧縮方式として、J
PEG(JOINT PHOTOGRAPHIC CO
RDING EXPERT GROUP)の静止画像の
圧縮技術が提案されている。また、MPEG(MOVI
NG PICTURE CORDING EXPERT
GROUP)による動画像の圧縮画像が提案されてい
る。図94は、MPEGで提案している「4:2:2符
号化方式」を示す図である。図94は、前述した(B)
方式に対応している。図95は、同じくMPEGで提案
している「4:2:0符号化方式」を示す図である。図
95は、前述した(C)方式に対応している。MPEG
では、輝度成分Yと2つの色差成分Cb ,Cr の標本化
周波数の比(解像度の比)を特定している。図94に示
す「4:2:2符号化方式」の場合は、色差成分Cb
色差成分Cr の解像度は、輝度成分Yの水平方向の2分
の1にあたる。また、図95に示す「4:2:0符号化
方式」の場合は、色差成分Cb と色差成分Cr 信号の解
像度は、輝度成分Yの水平方向及び垂直方向のそれぞれ
の2分の1にあたる。図87に示した従来の符号化装置
は、図94あるいは図95に示す輝度成分Y及び色差成
分Cb ,色差成分Cr を入力して符号化を行う。図96
は、図94に示した「4:2:2符号化方式」のブロッ
ク単位を示す図である。動きベクトル検出部2は、16
×16画素を1つの単位ブロックとして、動きベクトル
を検出する。また、プレーン間の差分をとる減算器3
も、16×16画素を1ブロックとした減算を行う。こ
れに対して、符号化部4の中で行われる直交変換は、8
×8画素を1ブロックとして変換が行われる。図97
は、図95に示した「4:2:0符号化方式」を用いた
場合の各ブロックを示す図である。図96と同様に、動
きベクトル検出部2及び減算器3においては、16×1
6画素を単位として処理が行われるが、符号化部4内部
で直交変換を行う場合には、8×8画素を単位として変
換が行われる。
【0026】図98は、日本特許特開平2−18418
8号公報に示された従来の動画像の信号処理装置を示す
図である。信号入力装置51で入力した動画像の画像信
号を、フレームメモリ52、もしくは他のフレームメモ
リ53に蓄積する。それぞれのフレームメモリ52,5
3は、動画像の複数フレームの情報を蓄積する容量と構
成を持ち、一方のフレームメモリの内容を符号化処理し
ている期間に、他方のフレームメモリに新たな画像信号
を蓄積する交替バッファの動作をする。フレームメモリ
52、もしくはフレームメモリ53の画像信号は、画像
ブロック入力装置54を用いて時間軸、水平、垂直方向
の複数画素を有する画像ブロックとして取り出し、3次
元直交変換装置55で、直交関数の係数値に変換する。
ここで実行する直交変換は、有限個数の画像信号を対象
とした離散的な処理であり、例えば、コサイン変換、フ
ーリエ変換、カルーネンレーブ変換等を用いることがで
きる。直交関数の係数値として周波数成分に変換された
信号は、量子化器56で周波数毎に重みづけされる。例
えば、低周波成分に重みづけをする入出力特性を持つ関
数を用いる。このようにして、得られた3次元周波数空
間上の信号分布を、あらかじめ用意した信号分布のパタ
ーンと比較し、誤差の小さなパターンで置き換え、その
パターンの識別符号を出力するために、ベクトル量子化
器57を使う。そして、符号化伝送装置58を用いて、
画像ブロック毎の符号語を順次出力する。なお、画像ブ
ロックの符号には、画像ブロックの時間と空間的な位置
を表す符号を含む画像ブロックの同期信号を先頭におい
て、出力する。このために、画像ブロックカウンタ59
で、符号化出力する画像ブロックの個数を計数し、その
値を符号化伝送装置58へ伝える。
【0027】以上のように、図98に示す信号処理装置
は、水平方向と垂直方向と時間軸方向に画像を有する3
次元画像ブロックを処理単位として、符号に変換する3
次元画像信号符号化方式を示している。
【0028】図99は、日本特許特開平4−36998
9号公報に示された従来の符号化装置を示す図である。
図99において、61はNTSC方式のカラーテレビジ
ョン信号の入力端子であり、NTSCデコーダ62は、
このカラーテレビジョン信号の輝度成分Yと色差成分
I,Qとを分離する。分離された輝度成分Y,色差成分
I,Q信号は、マトリクス回路63へ出力され、マトリ
クス回路63は、これらの信号を輝度成分Yと色差成分
R−Y,B−Yとに変換し、これらの信号をA/D変換
器64へ出力する。A/D変換器64は、輝度成分Y,
色差成分R−Y,B−Yをディジタル信号に変換し、こ
れらをサブバンド分割回路65へ出力する。サブバンド
分割回路65は、輝度成分Y,色差成分R−Y,B−Y
夫々を周波数に応じて図100と図101に示すHH,
HL,LH,LLの4個のサブバンドに帯域分割し、各
サブバント毎にブロック化して、ブロックを3次元直交
変換回路66へ出力する。3次元直交変換回路66は、
各ブロックに離散コサイン変換(Discrete C
osine Transfom:DCT)を施して変換
係数を得、得られた変換係数を符号器67へ出力する。
符号器67は、入力された変換係数を量子化して符号化
し、符号化したデータを出力端子68を介して出力す
る。
【0029】図99に示す符号化装置は、画像信号を広
域信号と低域信号に弁別し、弁別した広域信号と低域信
号に対してそれぞれ処理を行っているものである。ま
た、3次元直交変換を行う場合が示されているが、3次
元目(時間軸方向)に対しては、広域信号と低域信号の
弁別は行っていない。
【0030】また、3次元直交変換を用いた符号化装置
の一例として、日本特許特開平2−92180号公報に
示された「動画像信号の3次元直交変換符号化方式」が
すでに知られている。
【0031】次に、従来の印画方法について説明する。
図102は、「イメージング」(電子写真学会編昭和6
3年1月20日発行31ページ)に示された階調再現の
ための各種2値化手法を示す図である。以下、この中に
示された2値化手法と図102には図示していない直接
濃度法を比較しながら説明する。従来から、インクを噴
射させて印字または印画するインクジェット方式プリン
タや、2値インクシートとサーマルヘッドを用いる熱溶
融形プリンタのような2値プリンタが存在する。これら
のプリンタは、インクをインクジェットで吹き付けるか
吹き付けないか、またはインクを溶融付着させるか、さ
せないかといういわゆる2値のプリント手段を用いる。
したがって、中間色を表現するために種々の工夫を必要
とする。そのため従来においては、中間色すなわち階調
を表現するためにディザ法(Dither)や濃度パタ
ーン法を使用している。ディザ法は、中間色を必要とす
る信号部またはプリント部にあえて所定のランダム信号
またはランダムプリントパターンを用いる方法である。
あるいは中間色を表示するために、濃度パターン法とよ
ばれる方法を使用している。濃度パターン法は、予め定
まったブロック内を所定の数(例、4×4=16)で分
割して、プリントされるべく印字ドットの数及その配置
を含むいわゆる印画素子1ドットの密度分布を単純に変
化させる方法である。しかしながらこの従来の方法では
階調の再現性の問題、例えば本来存在していない擬似階
調が発生するとか、また、解像度においては、当然劣化
するとかという課題をかかえている。結果として、従来
の中間階調を得る方法には中間階調と階調の再現性、解
像度とにおいて、相反する関係がある。
【0032】これを図103と図104を用いて説明す
る。図103及び図104は、1つの画素の階調の付け
方をモデル的に示したもので、図103は従来の2値プ
リンタによる密度分布の変化、つまり密度変調法を用い
た擬似階調での階調表現である。図104は、例えば、
昇華性インクシートと、サーマルヘッドを用いた昇華プ
リンタのような多階調プリントがその昇華性インクと、
サーマルヘッドの通電時間制御で可能な、いわゆる多値
プリンタでの直接濃度法による階調表現である。この例
では、それぞれ16+1=17階調の表現を示してお
り、階調の再現性は、この階調の深さの程度、解像度は
1つの画素サイズを形成している複数個の印画素子1ド
ットサイズはもとより、印画ドットから構成されている
1つの画素サイズの大きさが深く関係している。以下、
順に説明する。
【0033】図104の直接濃度法では、1つの印画ド
ット自体のインクの濃度を変えることができ、印画ドッ
ト自体が階調を直接表現できるので、プリントされる1
画素の最小の大きさは昇華性インクを昇華させる素子、
例えばサーマルヘッドの概略印画素子1ドットサイズに
ほぼ相当する。一方、図103では、複数個(図103
では4×4=16個)の印画ドットが集まって1画素を
構成し、段階的に印画ドット密度を変えることにより、
目の積分効果を利用して例えば、17階調を再現する
(n×n+1=n2 +1、n=4の場合、16+1=1
7、nは1辺のドット数)。1画素の上の番号0から1
6は、階調度を示している。階調に応じて印画ドット密
度を順に増加して1画素内で配置する方法には、渦巻
形、網点形、レイヤー形等、数多く紹介され、また、ド
ット密度分布が不自然に目につかないよう、誤差拡散に
よる分布の散乱も紹介されている。しかし、しょせん目
の積分効果のみを利用している以上、擬似階調の1画素
を構成している印画ドット密度分布単位は、解像度を確
保するためには、ある程度小さくなければならない。
【0034】従って、図103の2値プリンタによる擬
似階調法による階調表現で多階調を高い解像度で得よう
とする時に、例えば、その1画素の大きさが図103で
示すように、図104の直接濃度法と同じ大きさの1画
素であるとすると、図103の印画ドットの大きさと、
図104の画素の大きさの比較から明らかなように、2
値のプリンタにおいては、高いドット密度を持った印画
素子が必要になる。図103の例は、図104に比して
縦及び横寸法に関して、4倍の密度の印画素子が必要で
ある。つまり、面積で比較すると直接濃度法の印画素子
の1/16の印画素子を必要とする。逆に同一のドット
密度の印画素子を用いれば、図103の1画素を構成す
る大きさは面積にして16倍(4×4=16)となり、
解像度が悪くなる結果を与える。例えば、比較的精細な
印画として望まれる印画ドット300DPI(ドット/
インチ)の印画素子で、図104の直接濃度法を用いれ
ば充分な解像度が得られるが、図103の擬似階調にこ
の印画素子を用いれば、等価的に1/4の75DPI程
度の解像度の画像しか得られない。
【0035】言い換えると、印画ドット密度300DP
Iを可能とする印画素子で、図104の多階調が可能な
プリンタ、例えば昇華インクジェットとサーマルヘッド
を用いた昇華プリンタで得られる同等の画素密度を、図
103の2値プリンタによる先に述べた擬似階調方法を
用いて得るには、1200DPI程度の印画素子が必要
になる。これでは余りにも不経済である。以上の例は、
白黒の無彩色の印画について述べたが、カラー画像につ
いても全く同様であり、カラープリンタで用いる色材の
種類の数だけ、図103,図104に示す1画素の印画
パターンが存在する。例えば、イエローY、マゼンダ
M、シアンC、黒Kの4種類の色材を用いたプリンタで
は、それぞれの色材が図103,図104の1画素の印
画パターンを構成し、カラー画像を形成する。更にこの
場合は、Y,M,C及びKに対して、各々正確に色合わ
せを可能とする高精度なプリンタメカニズムが必要とな
る。
【0036】それぞれの色材が再現する階調の程度、言
い換えれば再現する色の数、解像度、1画素サイズ、そ
れを構成する印画素子サイズ及び画素密度DPI等の相
互の関係は上記の通りである。即ち、従来の擬似階調を
用いた2値プリンタでは、階調再現性と解像度に相反す
る関係があるので、両者を両立させるには極めて高密度
な印画素子や、そのための制御回路、高精度のプリンタ
メカニズムが必要となり、非常に不経済で効率が悪く、
従って階調性と解像度のいずれか1つを犠牲にするのが
一般的であり、2値プリンタによる多階調を必要とする
自然画像の印画結果は、多値プリンタによるものと較べ
て、従来では劣ることになる。
【0037】特に、上記の従来の擬似階調方法におい
て、人間の視覚特性を利用している点は、数ある視覚特
性の中で上記で説明したごとく単に目の積分効果のみで
ある。本願はこの点に着目し、公知のことと知られてい
ながら、具体的に印画方法及び印画装置に関して、従来
はうまく利用されていなかった人間の視覚特性、つまり
輝度(明暗)に対しては解像度が高く、色に対しては解
像度が低い特性を鑑がみて充分に活用するものである。
【0038】図105は、上記図103の擬似階調を行
うための従来の印画装置の実施例である。図105にお
いて、21はR,G,B画像信号を印刷三原色信号の印
画信号であるシアンC、マゼンダM、イエローYに色変
換する色変換手段、22は該三原色信号のC,M,Yの
信号から擬似階調の信号を生成する擬似階調手段、擬似
階調手段22の入力信号Y,M,Cに対する各々の出力
信号は、プリント手段23の印画素子へ導かれる。カラ
ープリンタ等の印刷では、減法混色法を用いるため三原
色としてシアンC、マゼンダM、イエローYの3色が用
いられる。4の色変換手段は、オリジナルな入力画像信
号であるレッドR、グリーンG、ブルーBから印刷三原
色である印画信号シアンC、マゼンダM及びイエローY
を得るもので、次のような変換が一般的に行われる。 C=Rの補色 M=Gの補色 Y=Bの補色 つまり、R,G,Bの各々の補色が、各々C,M,Yで
あることを示している。
【0039】このY,M,C信号は、擬似階調手段22
により演算処理が施されて、2値階調信号であるy,
m,cを各々得て、それらの2値階調信号は、2値プリ
ンタであるプリント手段23に導かれて、印画画像が印
画される。
【0040】この従来の擬似階調の施し方は、予め定ま
った画素ブロック内を所定の数(例4×4=16)で分
割して、プリントされるべく印画ドットの数及びその配
置を含む、いわゆる印画素子1ドットの密度分布を単純
に変化させる方法を使用しているので、画像の内容(特
に周波数成分)に関係なく一律に行われる。また、輝度
に対して解像度が高く、色に対して解像度が低いという
人間の視覚特性については全く生かされず、わずかに人
間の目の積分効果のみを利用しているだけである。従っ
て、図103のように、単純な擬似階調法においては、
その画質は、1画素(図103では、4×4=16の印
画ドット)中の印画ドットの形(図103では、正四角
形)とか、1画素の面積当りの印画ドット数とか、印画
ドットの配列の非連続(図102の階調度を示す番号の
2とか4における黒いドット部の非連続)等の、いわゆ
る擬似階調を定めるパラメータ(変数)の特質に少なか
らず依存している。
【0041】例えば、図103に示すような擬似階調法
でより多階調化する時には、1画素の面積当りの印画ド
ットの数、つまり印画ドット密度を増やす必要がある。
その様子を、例えば、文献(リアルカラーハードコピ
ー、安居院猛、中嶋正之、加田露樹共著、産業図書出
版、平成5年10月8日初版P103、表II3.5)
に記載してある1部を図106に示す。この図から明ら
かなように、階調を増加しようとする1印画ドットが小
さくなる。また、画像信号の明るい部分に相当する擬似
階調の画像は、図106の左側に示す印画ドットの数が
少ない1画素(この場合は、4つの印画ドット)の集ま
りとなるので、結果として1画素当りに小さい印画ドッ
トのまばらな集まりとなり解像度が低下する。つまり、
階調性と解像度が両立しない。印画の階調性を深くとる
と印画の解像度が劣化し、また、解像度が劣化しないよ
うに隣接する印画ドットの密度を増加すると逆に印画の
階調性が浅くなる。
【0042】
【発明が解決しようとする課題】マルチメディアデータ
を処理するために、効果的な画像圧縮テクニックの要求
が増大してきている。JPEGやMPEGのような標準
化された画像圧縮方式が出現してきている。これらの標
準化された画像圧縮方式は、基本技術として離散コサイ
ン変換による変換符号化方式を用いている。
【0043】一方、人間の視覚特性についての研究がな
されてきている。特に、空間周波数特性に対する研究が
幾つか報告されている。これらの報告によれば、人間の
目は小さな領域において、色を十分に区別できないとい
うことがわかっている。従って、高周波の色差成分は、
人間の目に対して冗長的なものである。即ち、高周波の
色差成分は、オリジナルなイメージ信号から除去しても
構わない信号である。カラーテレビ放送においては、こ
の特性を利用して標準化がなされている。即ち、カラー
テレビの標準フォーマットにおいては、輝度と色差に対
して異なるバンド幅を割り当てている。例えば、NTS
C方式においては、輝度成分に対しては4.2メガヘル
ツを割り当て、色差成分I,Qには1.5メガヘルツと
0.5メガヘルツを割り当てている。
【0044】一方、LSIの技術が進歩してきており、
離散コサイン変換を用いた動画の符号化に役だってい
る。しかしながら、リアルタイムに符号化するためのコ
ストは、現在でも非常に高い。また、将来的にも符号化
するデータ量の増加が見込まれており、リアルタイムの
符号化には更にコストを必要とする。動画の符号化を効
率的に行うためには、離散コサイン変換の計算負荷を減
少させる必要がある。
【0045】この発明は、以上のような問題点を解決す
るためになされたものである。特に、この発明は人間の
視覚特性を利用することにより、効果的な符号化を行お
うとするものである。また、この発明は、離散コサイン
変換のためのブロックのサイズを減少させることによ
り、効果的な変換符号化を行おうとするものである。ま
た、この発明は、2次元空間を持つ静止画に対して用い
られる符号化方式を時間軸を持つ3次元の動画の符号化
方式に拡張するものである。2次元方式において、離散
コサイン変換のブロックサイズを減少させ、3次元方向
においてもそのサイズを減少させ、動画を扱う場合に、
更に効果的な離散コサイン変換を行おうとするものであ
る。
【0046】次に、従来の画像出力装置の課題について
以下に記述する。前述のように、インク滴を受像紙に飛
翔させて印字又は印画するインクジェット方式プリンタ
や、2値インクシートとサーマルヘッドを用いる熱溶融
形プリンタのような2値プリンタにおいては、種々の課
題をかかえているが整理すると次のようになる。
【0047】第1の課題として、従来の擬似階調法を用
いて解像度を確保するためには、一画素を構成している
各印画ドット密度分布単位やある程度小さくすることが
望まれる。しかし、解像度を確保することに注力して画
素の印画ドットの密度を小さくしたり又は1画素サイズ
を小さくすると、印画ドットのサイズは通常は固定であ
るので、1画素内の印画ドットの密度分布の変化幅が少
なくなるか又は逆に印画ドットの数を少なくさせざるを
えないこととなり、結果として階調性が浅くなる。
【0048】第2の課題として、先に述べた直接濃度法
(つまり、1画素の面積を一定にして画素内のインクの
溶融量又はインクの盛り量を変える方法、昇華性インク
とサーマルヘッドを用いた方法が代表例)と同じ大きさ
の1画素を用いて、その直接濃度法と同じ程度の多階調
を擬似階調法で獲得しようとすると、その擬似階調法に
必要とする1画素を構成する印画ドットの面積は、直接
濃度法に比較してかなり小さい面積(例えば、1/1
6)を必要とする。更に、例えば、2値プリンタを用い
て従来のNTSC方式映像信号の約5倍の情報量を有す
るハイビジョン映像信号を、従来のNTSC方式と同程
度の階調度でプリントすることを想定すると、NTSC
方式の映像信号に用いられる直接濃度法の印画ドットの
面積の約1/80になる可能性がある。
【0049】しかも仮に階調性が得られたとしても、解
像度がハイビジョン用としては劣り、結果として2値プ
リンタによるハイビジョン映像信号の印画は、非常に困
難である。むしろほとんど実現不可能に近い。
【0050】第3の課題として、濃度変調を基本とする
直接濃度法と同じ階調を有し、かつ、多少の解像度は仮
に容認した場合でも、従来の擬似階調法を用いる限り、
印画ドットの面積は、直接濃度法の印画ドットの面積に
比較して小さくせざるをえない(例えば、1/16)。
また、直接濃度法に用いるプリンタメカニズムの精度に
比較して、例えば縦寸法、横寸法ともに4倍の精度のプ
リンタメカニズムがこの擬似階調法のプリンタメカニズ
ムに必要とする。つまり、もしこの精度アップが達成さ
れないと、カラープリンタ装置において、結果として”
色ずれ”が発生することになる。
【0051】第4の課題として、前記第1から第3の現
実的な課題から、結果として2値プリンタによる自然画
像(例えば、人間の顔の頬の滑らかな部分とか木々緑の
葉)の印画では、解像度かもしくは階調性のいずれかを
犠牲にして設計せざるをえないのが通常で、印画品質の
劣るプリント画像しか得られないという課題はもとよ
り、擬似輪郭という課題もある。つまり、従来の予め定
めた所定のブロックの1画素を印画ドットサイズを単位
として、所定の数だけ一律に分割するこの種の2値プリ
ンタでは、画像信号をディジタル信号領域で処理する際
に、その量子化誤差による影響がこのブロック化の非連
続性の影響とも重なり合い、例えば、人間の頬に擬似輪
郭が現れ易い。これを根本的に解決するには、先に述べ
た解像度と階調性の相反する関係、印画ドットのサイズ
及びプリンタメカニズム精度に係わる検討とともに、目
の積分効果という数ある特性の内の1つだけの人間の知
覚特性のみならず、他の特性をも活用しつつ、映像信号
の高い部分、低い部分に着目した適応的な画素サイズ、
もしくは印画ドットサイズの検討が具体的に望まれてい
た。
【0052】この発明は、上記のような複数の課題点を
解消するためになされたもので、インクジェット方式の
ような2値プリンタを用いても、階調を持った自然画像
の印画において、特に解像度と階調の再現性(色彩の再
現性)との両立とともに、すぐれた印画結果を得ること
を目的としており、この目的のための画像出力装置を提
供することを目的とするものである。
【0053】
【課題を解決するための手段】この発明に係る画像符号
化装置は、以下の要素を有する。 (a)複数のエレメントから構成される画像を入力する
入力部、(b)上記エレメントを処理単位とするエレメ
ント毎の輝度成分データを抽出するとともに、所定数の
隣接するエレメントからブロックを構成し、上記ブロッ
クを処理単位とするブロック毎の輝度成分データと色差
成分データを抽出する変換部、(c)上記変換部により
抽出されたエレメント毎の輝度成分データとブロック毎
の輝度成分データと色差成分データを入力し、符号化し
て出力する符号化部、(d)上記符号化部により出力さ
れた符号データを量子化する量子化部、(e)上記量子
化部により量子化されたデータを出力する出力部。
【0054】この発明に係る画像符号化装置は、上記入
力部が、各エレメントに対して赤,緑,青の色成分を入
力し、上記変換部は、上記赤,緑,青の色成分をブロッ
ク毎にまとめてブロック毎の色空間変換を行い、ブロッ
ク毎の輝度成分と色差成分を求めるブロック成分変換部
と、上記赤,緑,青の色成分を用いてエレメント毎の色
空間変換を行い、エレメント毎の輝度成分を求めるエレ
メント成分変換部を備えたことを特徴とする。
【0055】この発明に係る画像符号化装置は、上記ブ
ロック成分変換部が、各ブロック毎に、赤,緑,青の各
色成分の基底周波数を求め、各成分の基底周波数をブロ
ック毎の直流成分とする直流成分抽出部を備えたことを
特徴とする。
【0056】この発明に係る画像符号化装置は、上記エ
レメント成分変換部が、エレメント毎に、各エレメント
の各色成分の値と、そのエレメントが属するブロックに
対して上記直流成分抽出部により抽出されたブロック毎
の各直流成分の値との差を求め、求めた差をエレメント
毎の交流成分とする交流成分抽出部を備えたことを特徴
とする。
【0057】この発明に係る画像符号化装置は、上記符
号化部が、上記直流成分抽出部から出力されたブロック
毎の輝度成分と色差成分を複数ブロックまとめて変換符
号化するとともに、上記交流成分抽出部から出力された
エレメント毎の輝度成分を複数エレメントまとめて変換
符号化することを特徴とする。
【0058】この発明に係る画像符号化装置は、上記エ
レメントが、画像を構成する画素であることを特徴とす
る。
【0059】この発明に係る画像符号化装置は、上記画
像が、静止画であり、上記ブロックは、2次元ブロック
であることを特徴とする。
【0060】この発明に係る画像符号化装置は、上記画
像が、上記静止画を時間軸に連続させた動画であり、上
記ブロックは、時間軸を持つ3次元ブロックであること
を特徴とする。
【0061】この発明に係る画像符号化装置は、上記ブ
ロックが、2a ×2b ×2c (aとbとcは0以上の整
数)の画素から構成されたことを特徴とする。
【0062】この発明に係る画像符号化装置は、上記ブ
ロックが、4×4×2c (cは0とこのいずれかの値)
の画素から構成されたことを特徴とする。
【0063】この発明に係る画像符号化装置は、上記符
号化部が、直交変換を用いていることを特徴とする。
【0064】この発明に係る画像符号化装置は、上記符
号化部が、離散コサイン変換を用いていることを特徴と
する。
【0065】この発明に係る画像符号化装置は、上記符
号化部が、2d ×2e ×2f (cとdとfは0以上の整
数)のブロックをまとめて変換符号化することを特徴と
する。
【0066】この発明に係る画像符号化装置は、上記符
号化部が、4×4×2f (fは0とこのいずれかの値)
のブロックを変換符号化することを特徴とする。
【0067】この発明に係る画像符号化装置は、上記量
子化部が、人間の視覚特性に基づいて求めた量子化テー
ブルを備えたことを特徴とする。
【0068】この発明に係る画像符号化装置は、上記量
子化部が、量子化するデータの値を減衰させる減衰テー
ブルを備えたことを特徴とする。
【0069】この発明に係る画像復号化装置は、以下の
要素を有する。 (a)複数のエレメントから構成される画像のエレメン
ト毎に抽出したエレメント毎の輝度成分データと、所定
数の複数のエレメントからなるブロック毎に抽出したブ
ロック毎の輝度成分データと色差成分データを入力する
入力部、(b)上記入力部により入力されたエレメント
毎の輝度成分データと、上記ブロック毎の輝度成分デー
タと色差成分データを用いて、エレメント毎の色空間変
換を行い、エレメント毎の赤,緑,青の色成分を出力す
る逆変換部。
【0070】この発明に係る画像符号化装置は、上記逆
変換部が、上記エレメント毎の輝度成分データにブロッ
ク毎の輝度成分データを加算して新たなエレメント毎の
輝度成分データとする輝度成分の加算部を備えたことを
特徴とする。
【0071】この発明に係る画像符号化装置は、上記逆
変換部が、上記ブロック毎の輝度成分データと色成分デ
ータをそのブロックに含まれる各エレメント毎の輝度成
分データと色差成分データに割り当てる割り当て部を備
えたことを特徴とする。
【0072】この発明に係る画像処理装置は、画像を輝
度成分と色差成分を用いた色空間により表現する画像処
理装置において、画像を、第1の解像度による第1の輝
度成分データと、第1の解像度よりも低い解像度を持つ
第2の解像度による第2の輝度成分データと、第2の解
像度による色差成分データにより表現することを特徴と
する。
【0073】この発明に係る画像処理装置は、上記画像
が、2次元配列された画素により構成された静止画像で
あり、第1の解像度は画素数により決定され、第2の解
像度は少なくとも上記2次元のいずれかの次元におい
て、第1の解像度の1/3〜1/5倍であることを特徴
とする。
【0074】この発明に係る画像処理装置は、上記第2
の解像度が、第1の解像度の1/4倍であることを特徴
とする。
【0075】この発明に係る画像処理装置は、上記画像
が、時間軸を3次元目とする動画像であり、3次元目に
おいても上記第2解像度は第1の解像度の1/3〜1/
5倍であることを特徴とする。
【0076】この発明に係る画像処理装置は、上記画像
処理装置が、画像を入力する画像入力装置、画像を表示
する画像表示装置、画像を蓄積する画像蓄積装置、画像
を印刷する画像印刷装置、画像を伝送する画像伝送装
置、画像を出力する画像出力装置、画像を符号化する画
像符号化装置、画像を復号化する画像復号化装置のいず
れかであることを特徴とする。
【0077】この発明に係る画像符号化方法は、以下の
工程を有する。 (a)第1の解像度を持ち、RGB色空間で表された色
成分を入力する入力工程、(b)上記RGB色空間で表
された色成分を上記第1の解像度を持ったYUV色空間
の輝度成分に変換する第1の変換工程、(c)上記RG
B色空間で表された色成分を上記第1の解像度よりも低
い解像度を持った第2の解像度で、YUV色空間の輝度
成分と色差成分に変換する第2の変換工程、(d)上記
第1の解像度を持った輝度成分と第2の解像度を持った
輝度成分と、色差成分を出力する出力工程。
【0078】この発明に係る画像符号化方法は、上記第
2の変換工程が、更に、上記RGB色空間で表された色
成分から第2の解像度のRGB色空間の色成分を算出す
る工程と、第2の解像度のRGB色空間の色成分をYU
V色空間の輝度成分と色差成分に変換する工程とを備
え、上記第1の変換工程は、第1の解像度を持つRGB
色空間で表された色成分と第2の解像度のRGB色空間
の色成分との差を算出する工程と、算出した差をYUV
色空間の輝度成分に変換する工程とを備えたことを特徴
とする。
【0079】この発明に係る画像符号化方法は、上記画
像符号化方法が、更に、出力工程により出力された第1
の輝度成分をn×m(n,mは正の整数)を単位として
変換符号化する工程と、出力工程により出力された第2
の輝度成分と色差成分をnN×mM(N,Mは正の整
数)を単位として変換符号化する工程を備えたことを特
徴とする。
【0080】この発明に係る画像符号化方法は、上記画
像符号化方法が、更に、変換符号化された符号を人間の
視覚特性に基づいて求めた量子化テーブルを用いて量子
化する工程を備えたことを特徴とする。
【0081】この発明に係る画像符号化方法は、上記画
像符号化方法が、更に、変換符号化された符号を減衰さ
せる工程を備えたことを特徴とする。
【0082】この発明に係る画像復号化方法は、以下の
工程を有する。 (a)YUV色空間で表された第1の解像度を持った第
1の輝度成分と、第1の解像度よりも低い第2の解像度
を持った第2の輝度成分と、第2の解像度を持った色差
成分を入力する入力工程、(b)上記第1の解像度を持
った第1の輝度成分と、第2の解像度を持った第2の輝
度成分と色差成分を第1の解像度を持ったRGB色空間
の色差成分に逆変換する逆変換工程。
【0083】この発明に係る画像復号化方法は、上記逆
変換工程が、第1の解像度を持った第1の輝度成分と第
2の解像度を持った第2の輝度成分を加算して新たな第
1の解像度を持った輝度成分を生成する工程を備えたこ
とを特徴とする。
【0084】この発明の画像符号化装置は、以下の要素
を有する。 (a)複数のエレメントから構成される画像を入力する
入力部、(b)上記エレメントを処理単位とするエレメ
ント毎の輝度成分データを抽出するとともに、所定数の
隣接するエレメントからブロックを構成し、上記ブロッ
クを処理単位とするブロック毎の色成分を抽出する変換
部、(c)上記変換部により抽出されたエレメント毎の
輝度成分データとブロック毎の色成分データを入力し、
符号化して出力する符号化部、(d)上記符号化部によ
り出力された符号データを量子化する量子化部、(e)
上記量子化部により量子化されたデータを出力する出力
部。
【0085】上記入力部は、各エレメントに対して赤,
緑,青の色成分を入力し、上記変換部は、上記赤,緑,
青の色成分をブロック毎にまとめてブロック毎の色成分
を求めるブロック成分変換部と、上記赤,緑,青の色成
分を用いてエレメント毎の色空間変換を行い、エレメン
ト毎の輝度成分を求めるエレメント成分変換部を備えた
ことを特徴とする。
【0086】上記ブロック成分変換部は、各ブロック毎
に、赤,緑,青の各成分の基底周波数を求め、各成分の
基底周波数をブロック毎の直流成分とする直流成分抽出
部を備えたことを特徴とする。
【0087】上記エレメント成分変換部は、エレメント
毎に、各エレメントの各色成分の値と、そのエレメント
が属するブロックに対して上記直流成分抽出部により抽
出されたブロック毎の各直流成分の値との差を求め、求
めた差をエレメント毎の交流成分とする交流成分抽出部
を備えたことと特徴とする。
【0088】上記符号化部は、上記直流成分抽出部から
出力されたブロック毎の色成分を複数ブロックまとめて
変換符号化するとともに、上記交流成分抽出部から出力
されたエレメント毎の輝度成分を複数エレメントまとめ
て変換符号化することを特徴とする。
【0089】この発明の画像出力装置は、以下の要素を
有する。 (a)複数のエレメントから構成される画像の画像信号
を入力し、輝度成分データと、色成分データを供給する
入力部、(b)上記輝度成分データに対して所定のエレ
メント数からなる第1の階調領域を用いて階調を表す第
1の階調部、(c)上記色成分データに対して、上記第
1の階調領域より多くのエレメント数からなる第2の階
調領域を用いて階調を表す第2の階調部、(d)上記第
1と第2の階調手段により表された階調を用いて画像を
出力する出力部。
【0090】上記輝度成分データは、エレメント毎の輝
度成分であり、上記色成分データは、複数エレメントか
ら構成されたブロック毎の赤,緑,青の色成分であるこ
とを特徴とする。
【0091】上記入力部は、ブロック毎の輝度成分と色
差成分を入力し、ブロック毎の輝度成分と色差成分をブ
ロック毎の赤,緑,青の色成分に変換する色空間変換部
を備えていることを特徴とする。
【0092】上記画像信号は、符号化されたデータであ
り、上記入力部は符号化された画像信号を復号化する復
号化部を備えたことを特徴とする。
【0093】上記第1の階調部は、輝度成分データに対
して1画素を第1の階調領域として割り当てることを特
徴とする。
【0094】上記第1の階調部は、輝度成分データに対
して2×2画素を第1の階調領域として割り当てること
を特徴とする。
【0095】上記第2の階調部は、色成分データに対し
て4×4画素を第2の階調領域として割り当てることを
特徴とする。
【0096】上記第1と第2の階調部は、階調を再現す
るための2値化手法を用いて階調を表していることを特
徴とする。
【0097】上記2値化手法は、濃度パターン法又はデ
ィザ法であることを特徴とする。
【0098】上記2値化手法は、誤差拡散法であること
を特徴とする。
【0099】
【作用】この発明における画像符号化装置は、エレメン
ト毎の輝度成分データとブロック毎の輝度成分データと
色差成分データを抽出することにより、人間の視覚特性
に基づいた効率よい符号化を行う。
【0100】また、この発明における画像符号化装置
は、ブロック成分変換部がブロック毎の輝度成分と色差
成分を求めるのに対し、エレメント成分変換部は、エレ
メント毎に輝度成分を求める。エレメント成分変換部
は、エレメント毎の色差成分を出力しない。
【0101】ブロック成分変換部は、ブロック内の各成
分の基底周波数を求め、直流成分を抽出することによ
り、情報量を圧縮している。
【0102】エレメント成分変換部は、各エレメントの
値から直流成分を差し引くことにより交流成分を抽出
し、交流成分の情報量を圧縮する。
【0103】また、符号化部が複数ブロックをまとめて
変換符号化することにより、更に、ブロック毎の輝度成
分と色差成分を効率よく処理することができる。
【0104】上記エレメントは、画像を構成する画素で
あり、画素単位及び複数の画素からなるブロック単位の
処理が行える。
【0105】この発明における符号化装置は、静止画像
を扱うことができ、静止画像を扱う場合には、上記ブロ
ックは2次元ブロックとなる。
【0106】また、この発明における画像符号化装置
は、動画を扱うことができ、動画を扱う場合には、ブロ
ックは3次元ブロックとなる。
【0107】上記ブロックは、計算機で処理されること
から、各次元とも2のべき乗であることが望ましい。
【0108】特に、ブロックのサイズは、人間の視覚特
性に基づき、4×4の画素であることが望ましい。
【0109】上記画像符号化装置は、直交変換を行うこ
とにより、画像データの冗長性を排除する。
【0110】また、上記直交変換としては、離散コサイ
ン変換を用いる。
【0111】更に、離散コサイン変換を行う場合には、
2のべき乗を単位としたブロックで変換符号化する。
【0112】特に、4×4という小さいブロックを用い
て変換符号化することが望ましい。
【0113】また、この発明における画像符号化装置
は、人間の視覚特性に基づく量子化テーブルにより量子
化を行う。
【0114】更に、量子化する際に、量子化レベルを調
整することによりブロック間の歪みを最小限に押さえ
る。
【0115】この発明における画像復号化装置は、逆変
換部がエレメント毎の輝度成分データとブロック毎の輝
度成分データと色差成分データを用いて、エレメント毎
の色成分を復号して出力する。
【0116】加算部は、エレメント毎の輝度成分データ
とブロック毎の輝度成分データとを入力し、エレメント
毎の輝度成分データとブロック毎の輝度成分データを加
算してエレメント毎の輝度成分データを求める。
【0117】また、割り当て部は、ブロック毎の輝度成
分データと色差成分データを各エレメント毎の輝度成分
データと色差成分データに割り当てる。
【0118】この発明における画像処理装置は、高解像
度の輝度成分データと低解像度の輝度成分データと色差
成分データを有していることにより、人間の視覚特性に
基づく最小限のデータ量で画像を保持する。
【0119】上記高解像度と低解像度の差は、3倍〜5
倍程度であり、人間の視覚特性に基づくものである。
【0120】人間の視覚特性及びデータの処理効率から
考えて、高解像度と低解像度との差は、4倍であること
が望ましい。
【0121】扱う画像が3次元の動画像である場合でも
人間の視覚特性は、時間軸方向にも空間軸方向と同様な
特性を示すため、3次元軸においても解像度の差は、3
倍〜5倍であることが望ましい。
【0122】前述したようなデータの形式で画像を扱う
処理装置として、入力装置、表示装置、蓄積装置、印刷
装置、伝送装置、出力装置、符号化装置、復号化装置等
の各種画像処理装置があげられる。
【0123】この発明における画像符号化方法は、第1
の変換工程において、高解像度の輝度成分を抽出する。
また、第2の変換工程において、低解像度の輝度成分と
色差成分を抽出する。高解像度の色差成分を無視するこ
とにより、情報量の圧縮が行える。
【0124】第2の変換工程において、低解像度の輝度
成分と色差成分を算出し、低解像度の色空間変換を行う
ことにより、算出負荷を減少させている。また、第1の
変換工程は、高解像度の色成分から低解像度の色成分を
差し引くことにより、情報量を減少させるとともに、輝
度成分のみの算出を行うことにより、更に算出負荷を減
少させている。
【0125】また、変換符号化を行う場合に、低解像度
のデータを更に複数ブロックまとめて変換を行うことに
より、効率よい変換を行う。
【0126】また、量子化を行う場合には、人間の視覚
特性に基づいた量子化テーブルを用いることにより、適
切な量子化を行える。
【0127】更に、変換符号化された符号を減衰させる
ことにより、ブロック間に生ずる歪みを減少させる。
【0128】この発明における画像復号化装置は、高解
像度の輝度成分と低解像度の輝度成分と色差成分を入力
し、逆変換を行うことにより画像データを復元する。
【0129】高解像度の輝度成分は、入力した高解像度
の輝度成分と低解像度の輝度成分を加算することによ
り、新たな高解像度の輝度成分を算出する。
【0130】この発明における画像符号化装置は、エレ
メント毎の輝度成分データとブロック毎の色成分データ
を抽出することにより、人間の視覚特性に基づいた効率
よい符号化を行う。
【0131】また、この発明における画像符号化装置
は、ブロック成分変換部がブロック毎の色成分を求める
のに対し、エレメント成分変換部は、エレメント毎に輝
度成分を求める。エレメント成分変換部は、エレメント
毎の色成分を出力しない。
【0132】ブロック成分変換部は、ブロック内の各エ
レメントの各成分の基底周波数を求め、直流成分を抽出
することにより、情報量を圧縮する。
【0133】エレメント成分変換部は、各エレメントの
値から直流成分を差し引くことにより交流成分を抽出
し、交流成分の情報量を圧縮している。
【0134】また、符号化部が複数ブロックをまとめて
変換符号化することにより、更に、ブロック毎の輝度成
分と色成分を効率よく処理することができる。
【0135】この発明の画像出力装置は、エレメント毎
の輝度成分データに対して狭い面積の第1の階調領域を
用いて階調を表し、ブロック毎の色成分に対して広い面
積を持つ第2の階調領域を割り当てて階調を表す。従っ
て、輝度成分に対しては少ない階調であるが、高解像度
の画像を提供し、色成分のデータに対しては高い階調の
レベルを提供するが、低い解像度の画像を提供する。こ
のように、輝度成分と色成分をそれぞれ階調のレベルと
解像度を分けているのは、人間の視覚特性に基づくもの
である。即ち、人間の視覚特性は、色の空間周波数より
も輝度の空間周波数に対する認識が高く、輝度の滑らか
な変化よりも色の滑らかな変化に対して敏感であるとい
う特性に基づくものである。
【0136】上記色成分データは、ブロック毎の赤,
緑,青の色成分であり、画像出力装置はこれらの三原色
に対して、より広い面積を用いた階調を行う。
【0137】この画像出力装置がブロック毎の輝度成分
と色差成分を入力する場合は、色空間変換部によりブロ
ック毎の赤,緑,青の色成分に変換してから用いること
ができる。
【0138】また、この画像出力装置は、符号化された
データを入力する場合に、復号化する機能を備えており
復号化したデータにもとづいて画像を出力する。
【0139】また、第1の階調部は、第1の階調領域と
して1画素を割り当て、最も解像度の高い画像を生成す
る。
【0140】また、第1の階調部は、第1の階調領域と
して2×2画素を割り当て、できるだけ高い解像度を保
ちながら中間調を表示する。
【0141】また、第2の階調部は、第2の階調領域と
して、前述したような輝度データよりも広い面積であ
る。例えば、4×4画素からなる第2の階調領域を割り
当て解像度よりも、中間調を重視した画像を出力する。
【0142】上記第1と第2の階調部は、2値化手法を
用いて階調を表す。従って、画像を出力する装置がイン
クジェットプリンタ等の2値の記録を用いる装置の場合
に、中間調を持った画像を出力することができる。
【0143】上記2値化手法の中でもディザ法を用いる
場合は、輝度成分データに対して小さいマトリクスを割
り当て、色成分データに対して大きいマトリクスを割り
当てることにより、前述したような輝度成分と色成分の
解像度と中間調のレベルに違いを出すことができる。
【0144】上記2値化手法として誤差拡散法を用いる
場合でも、輝度成分と色成分の誤差をそれぞれ拡散する
相手先の画素数を変化させることにより、輝度成分と色
成分の解像度と階調レベルを変えることができる。
【0145】
【実施例】
実施例1.図1は、この発明の画像符号化装置及び画像
復号化装置のブロック図である。図1の上部が画像符号
化装置を示すブロック図である。また、図1の下部が画
像復号化装置を示すブロック図である。画像符号化装置
は、変換部100、符号化部200、量子化部300、
エントロピー符号化部400を有している。一方、画像
復号化装置は、エントロピー復号化部500、逆量子化
部600、復号化部700、逆変換部800を有してい
る。この発明における画像符号化装置は、特にエントロ
ピー符号化部400に関するものではない。また、この
発明に係る画像復号化装置は、エントロピー復号化部5
00に関するものではない。今回の発明は、画像符号化
装置においては、変換部100、符号化部200、量子
化部300に関するものである。また、画像復号化装置
においては、逆量子化部600、復号化部700、逆変
換部800に関するものである。なお、この実施例で述
べる信号やデータや符号は、入出力される場合及び処理
される場合において、ディジタル化されているものとす
る。
【0146】この発明は、符号化部200及び復号化部
700において用いられる直交変換のための計算時間
を、できるだけ少なくするために考えられたものであ
る。符号化部200、復号化部700で実行される直交
変換の計算量は、計算に用いられるブロックサイズに依
存している。一般的に、従来は、8×8画素を1ブロッ
クとして直交変換を行っている。この発明は、1ブロッ
クのサイズを例えば、4×4画素に減少させることによ
り、直交変換の計算量を大幅に削減するものである。
【0147】また、本発明は人間の視覚特性に基づい
て、色成分と輝度成分を適切な比率で分離し、色成分と
輝度成分それぞれに対して適切な圧縮を行うものであ
る。
【0148】変換部100は、RGB信号を入力する。
変換部100は入力したRGB信号から画素毎の輝度成
分データを出力する。また、RGB信号からブロック毎
の輝度成分データと、色差成分データを出力する。符号
化部200は、変換部100から出力された画素毎の輝
度成分データと、ブロック毎の輝度成分データと、ブロ
ック毎の色差成分データを入力する。符号化部200
は、画素毎の輝度成分データを4×4画素を1つの単位
として、離散コサイン変換を行う。また、符号化部20
0は、ブロック毎の輝度成分データを4×4ブロックを
1つの単位として、離散コサイン変換を行う。同様に、
ブロック毎の色差成分データを4×4ブロックを1つの
ブロックとして、離散コサイン変換を行う。符号化部2
00は、このようにして符号化したデータを量子化部3
00に出力する。量子化部300は、人間の視覚特性に
基づいて求めた量子化テーブルをあらかじめ備えてい
る。量子化部300は、この量子化テーブルを用いて符
号化部200から入力したデータを量子化する。量子化
データは、エントロピー符号化部400に出力される。
【0149】逆量子化部600は、エントロピー復号化
部500から符号化されたデータを入力する。逆量子化
部600は、量子化部300が記憶している量子化テー
ブルと同じ量子化テーブルを記憶している。逆量子化部
600は、その量子化テーブルを用いて、エントロピー
復号化部500から入力したデータを逆量子化する。復
号化部700は、符号化部200が符号化のために用い
たブロック単位を用いて、入力したデータを復号化す
る。即ち、復号化部700は、画素毎の輝度成分データ
に関しては、4×4画素を1つの単位として逆離散コサ
イン変換を行う。また、ブロック毎の輝度成分データと
ブロック毎の色差成分データを4×4画素を単位とし
て、逆離散コサイン変換を行う。逆変換部800は、画
素毎の輝度成分データと、ブロック毎の輝度成分データ
と、ブロック毎の色差成分データを入力する。逆変換部
800は、入力したデータに対して色空間の変換を行
い、RGB信号を出力する。
【0150】図2は、RGB信号の画像の構成を示す図
である。画像は、赤を示すRプレーンと緑を示すGプレ
ーンと青を示すBプレーンから構成されている。各プレ
ーンは、r×sのエレメントから構成されている。この
エレメントを以下画素と呼ぶことにする。図2に示す例
においては、240画素×320画素により、1つの画
素を構成している場合を示している。ここで、各プレー
ンの1つの画素を示す場合に、xとyという変数を用い
て示すことにする。例えば、R(x,y)は、Rプレー
ンのx行y列目の画素を示すものとする。但し、xは0
からr−1の値をとり、yは0からs−1の値をとるも
のとする。
【0151】次に、この実施例のブロックについて説明
する。ここでは、n×m画素を1つのブロックとする。
そして、ブロックの位置を示すために、uとvという変
数を用いる。R(u,v)は、Rプレーンの第u行第v
列目のブロックを示すものとする。但し、uは0から
(r/n)−1の値を取り、vは0から(s/m)−1
の値を取るものとする。図2に示す例においては、r/
n×s/m=60×80のブロックが存在している場合
を示している。
【0152】図3は、変換部100の内部ブロック図で
ある。変換部100は、RGBの色成分を用いて、エレ
メント毎(画素毎)の色空間変換を行うエレメント成分
変換部110を備えている。また、変換部100は、R
GB色成分をブロック毎に色空間変換を行うブロック成
分変換部120を備えている。変換部100は、図2に
示したようなRGB信号を入力する。変換部100は、
入力したRGB信号の色空間変換を行う。その結果、変
換部100は、2つの輝度成分Yh ,YL と、2つの色
差成分U,Vを出力する。
【0153】図4は、変換部100の出力を示す図であ
る。輝度成分Yh は、r×s画素から構成されている。
輝度成分YL は、r/n×s/m画素から構成されてい
る。色差成分Uと色差成分Vも、それぞれr/n×s/
m画素から構成されている。実際には、r/n×s/m
ブロックから構成されているというのが正しい表現であ
るが、実質的には、n×m画素のデータが1画素分デー
タになっており、各ブロックを代表する1つの値を算出
して出力するため、ここではr/n×s/m画素という
表現を用いている。
【0154】エレメント成分変換部110は、各画素毎
に処理を行うものである。一方、ブロック成分変換部1
20は、ブロック毎に処理を行うものである。ブロック
成分変換部120には、ブロックに含まれる画素のRG
B色成分の各成分の平均値を求め、求めた平均値を各ブ
ロックの直流成分とする直流成分抽出部が存在する。ま
た、ブロック成分変換部120は、直流成分抽出部12
2が抽出した直流成分を用いて、色空間変換を行う色空
間変換部124が存在している。色空間変換部124
は、ブロック毎の輝度成分YL とブロック毎の色差成分
U,Vを出力する。エレメント成分変換部110は、画
素単位に成分を抽出する交流成分抽出部112と、画素
単位に色空間変換を行う色空間変換部114を有してい
る。交流成分抽出部112は、画素毎に各画素のRGB
色成分の値と、その画素が属するブロックの直流成分と
の差を求めた差分を交流成分として出力する。色空間変
換部114は、交流成分抽出部112から出力された交
流成分を色空間変換する。このようにして、各画素毎の
輝度成分Yh を出力する。
【0155】直流成分抽出部122は、以下の計算式に
より直流成分を抽出する。
【0156】
【数1】
【0157】上記計算式(1a)は、Rプレーンの各ブ
ロック内に存在する画素の値の平均値を計算するもので
ある。同様に、計算式(1b)と(1c)は、それぞれ
GプレーンとBプレーンの各ブロックの画素の値の平均
値を計算するものである。この平均値を直流成分RL
L ,BL としている。
【0158】交流成分抽出部112は、RGB色成分と
直流成分を入力し、以下の計算式により交流成分を抽出
する。 Rh (nu+i,mv+j)=R0 (nu+i,mv+j)−RL (u,v) ・・・・・・(1d) Gh (nu+i,mv+j)=G0 (nu+i,mv+j)−GL (u,v) ・・・・・・(1e) Bh (nu+i,mv+j)=B0 (nu+i,mv+j)−BL (u,v) ・・・・・・(1f) (0≦i<n,0≦j<m,0≦u<r/n,0≦v<
s/m)
【0159】上記計算式(1d)は、Rプレーンの各画
素の値からその画素が属しているブロックの直流成分の
値を差し引いて、交流成分を求めているものである。
【0160】図5,図6,図7は、前述した直流成分抽
出部122と交流成分抽出部112の動作の一例を示す
図である。図5は、Rプレーンの1つのブロックR
(u,v)に属する画素R(x,y)の値を示す図であ
る。この例では、1ブロックは、4×4の画素で構成さ
れている。従って、1ブロックには16画素が存在して
いる。各画素は、0から255の値をとるものとする。
図5に示すような値が入力された場合、式(1a)は以
下のようになる。 RL (u,v)=(5+4+90+115+11+30+200+120+2 3+35+210+30+11+25+30+70)/16 =1009/16 =63.0625 ≒63
【0161】このようにして、ブロックR(u,v)の
平均値が63として求まる。図6は、ブロックR(u,
v)の直流成分の値が63であることを示している。図
7は、図5に示す16の画素の各値と図6に示す直流成
分の値の差を示すものである。即ち、式(1d)を計算
した結果が、図7に示されている。
【0162】このように、図5,図6,図7に示すよう
な計算がRプレーンの全てのブロックに対して行われ
る。また、同様な計算がGプレーン及びBプレーンにつ
いても行われる。
【0163】上記説明においては、各ブロックの画素の
値の平均値を直流成分としていたが、各ブロックの画素
の値の平均値は、変換符号化を行った場合の基底周波数
の一例として示したものである。離散コサイン変換の基
底周波数は、対象とする画素の値の平均値となる。即
ち、前述した各ブロックの画素の値の平均値を計算して
いるということは、離散コサイン変換の基底周波数を求
めていることに等しい。
【0164】直流成分を抽出する場合は、離散コサイン
変換を用いる場合に限らず、他の直交変換を用いる場合
でも構わない。例えば、離散コサイン変換の他にウォル
シュ・アダマール変換(WHT)、離散フーリエ変換
(DFT)、離散サイン変換(DST)、ハール変換、
スラント変換、カルーネンレーベ変換(KLT)等が存
在している。これらの直交変換を行い基底周波数を求
め、求めた基底周波数を直流成分とするようにしても構
わない。
【0165】色空間変換部114と色空間変換部124
は、色空間の変換を行う。この実施例においては、RG
B色成分を輝度成分Yと色差成分U,Vに変換する。こ
こで、Yh を交流成分に基づく画素毎の輝度成分とす
る。また、YL を直流成分に基づくブロック毎の輝度成
分とする。更に、UとVを直流成分に基づくブロック毎
の色差成分とする。
【0166】色空間変換部114は、以下の式により直
流成分に基づくブロック毎の輝度成分YL と色差成分
U,Vを出力する。 YL (u,v)=0.299RL (u,v)=0.587GL (u,v)+0 .114BL (u,v) ・・・・・・(1g) U(u,v)=RL (u,v)−YL (u,v) ・・・・・・(1h) V(u,v)=GL (u,v)−YL (u,v) ・・・・・・(1i) (0≦u<r/n,0≦v<s/m)
【0167】上記式(1g)は、図8に示すように、R
GB成分のブロック毎の直流成分を用いて色空間変換を
行い、輝度成分YL を求めている。また、上記式(1
h)は、図9に示すように、Rプレーンのブロック毎の
直流成分RL から対応するブロックの輝度成分YL を減
算することにより、差成分Uを求めている。また、式
(1i)は、図10に示すように、Gプレーンのブロッ
ク毎の直流成分GL から対応するブロックの輝度成分Y
L を減算することにより、色差成分Vを求めている。図
11は、このようにして求められた各ブロック毎の輝度
成分YL と色差成分U,Vを示す図である。輝度成分Y
L 及び色差成分U,Vは、4×4画素を1単位としたブ
ロック毎に求められているため、その情報量は縦方向に
4分の1、そして横方向に4分の1に圧縮されたことに
なる。従って、情報量は、16分の1になる。即ち、Y
h :YL :U:V=16:1:1:1となる。この実施
例の大きな特徴は、このように、色空間変換時にブロッ
クを単位として、情報を大幅に圧縮している点である。
【0168】色空間変換部114は、以下の式に基づい
て交流成分から画素毎の輝度成分Yh を出力する。 Yh (x,y)=0.299Rh (x,y)+0.587Gh (x,y)+0 .114Bh (x,y) ・・・・・・(1j) (0≦x<r,0≦y<s)
【0169】上記式(1j)は、図12に示すように、
各画素毎の値を用いて色空間変換を行い、各画素毎の輝
度成分Yh を求めている。なお、色空間変換部114に
おいて、色差成分U,Vは算出しない。図13は、この
ようにして求められた各画素毎の輝度成分Yh を示す図
である。輝度成分Yh は、各画素毎に求められているた
め、RGBの各プレーンが有していたr×s画素=24
0×320画素と同様のエレメント数を有している。
【0170】次に、図1に示した符号化部200につい
て説明する。符号化部200は、変換符号化を行い、変
換係数を出力する。この例においては、直交変換とし
て、2次元離散コサイン変換を行う場合について説明す
る。直交変換を行うことにより空間的な相関を除去する
ことができる。離散コサイン変換を行う場合、直流成分
に関しては、図11に示すように、N×M(N×Mは、
それぞれnとmと同じ値でも異なる値でも良い)のブロ
ックを1つの単位として変換を行う。また、交流成分の
変換を行う場合には、図13に示すように、n×m画素
を1つの単位として変換する。図14は、離散コサイン
変換を行う場合の具体例を示す図である。輝度成分Yh
の離散コサイン変換を行う場合には、RGB成分の1ブ
ロック分の画素を、1つの単位として変換を行う。即
ち、4×4画素を1つの単位として変換する。一方、輝
度成分YL の離散コサイン変換を行う場合は、N=M=
4とした場合、4×4ブロックを1つの単位として変換
を行う。1ブロックの内部には、もともと4×4=16
画素が含まれている。従って、輝度成分YL の離散コサ
イン変換は、RGB成分の16×16画素に対応した変
換を行うことを意味している。同様にして、色差成分
U,Vも4×4ブロックを1つの単位として、離散コサ
イン変換を行う。この場合にも、RGB成分の16×1
6画素を1つの単位として、変換を行うことを意味して
いる。
【0171】このように、この実施例の大きな特徴は、
色空間変換時にブロック化によりデータの圧縮を行うと
ともに、変換符号化時に、更に、上位のブロック化によ
りデータを圧縮させる点である。従来の変換符号化は、
8×8画素を1ブロックとして変換符号化しているが、
この実施例では、4×4画素を1ブロックとして変換符
号化している。この実施例のブロックサイズは、従来の
ブロックサイズより小さいが、実質的には、16×4×
4画素に担当しており16×16画素の変換符号化を行
っているのに等しい。
【0172】また、この実施例の大きな特徴は、色空間
変換時に直流成分を求めるために、下位の離散コサイン
変換を行い、変換符号化時に上位の離散コサイン変換を
行っている点である。前述した実施例において、平均値
を求めて直流成分とする場合を示したが、これは離散コ
サイン変換の基底周波数が平均値に等しいことを利用し
たものである。他の直交変換を用いている場合には、そ
の直交変換により求められた基底周波数を直流成分とす
ることができる。このように、この実施例は、離散コサ
イン変換を上位と下位に階層化して符号化を行う点が大
きな特徴である。この発明は、輝度と色に対する空間周
波数特性が異なっている点に着目し、視覚特性が輝度と
色という階層構造を持っているのに対して、離散コサイ
ン等の直交変換理論を利用したものである。即ち、色空
間変換時に下位の直交変換を行い、変換符号化時に上位
の直交変換を行うという直交変換の階層的適用を行って
いる点が大きな特徴である。
【0173】従来から画像信号を広域成分と低域成分に
伝列し、画像信号の広域成分と低域成分に分けた処理を
するという概念が存在しているが、画像信号の広域成分
と低域成分という階層構造に対応して、変換符号化を階
層的に使用する場合は存在しない。
【0174】ここで、色空間変換のためのブロックサイ
ズn,mと、離散コサイン変換のためのブロックサイズ
N,Mについて、最適と思われる値について以下に検討
する。人間の色を識別する特性は、色相に依存してい
る。このことは、以下の文献を参照することにより明ら
かである。
【0175】Rassow,Von B,et a
l,”Messung der Modulation
suebertrangung am menschl
ichen Auge bei Verschiede
nen Wellenlaengen,”OPTIK,
32,5,pp.440−445,1971.Gera
ld,J.C.,Horst,Van Der,et
al.,”Spatiotemporal Chrom
aticity Discrimination,”J
OSA,59,11,pp.1482−1488,19
69.Middeleton and Holme
s,”The apparentcolors of
surfaces of small substan
ces−−a preliminary repor
t,”JOSA,39,7,pp.582−592,1
949.Sakata,H.and Isono,
H.,”Chromatic Spatial Fre
quency Characteristics of
Human Visual System(Colo
r DifferenceDiscriminatio
n),”Television,31,1,pp.29
−35,1977.
【0176】これらの文献によれば、空間周波数の感度
は色相によると報告されている。また、輝度の空間周波
数特性は、色度の空間周波数特性よりよいということが
知られている。輝度の空間周波数特性と色度の空間周波
数特性の割合は、約3:1から5:1であると考えられ
る。従って、色空間変換のためのブロックサイズは、3
×3から5×5画素が適当であろうと考える。更に、離
散コサイン変換においても輝度と色差のブロックサイズ
の比を、3:1から5:1に設定することが望ましいと
考える。また、離散コサイン変換を行う場合には、2の
べき乗を用いることが望ましいため、最適なサイズは4
×4である。更に、色空間変換のブロックサイズと、離
散コサイン変換のブロックサイズを同一にする方が都合
がよいことから、色空間変換のためのブロックサイズ
と、離散コサイン変換のためのブロックサイズを全て4
×4にする。従って、前述した実施例において、n=m
=N=M=4とするのが最適な値である。この実施例の
特徴は、離散コサイン変換のためのブロックサイズを4
×4としても、色空間変換のためのブロックサイズが4
×4であるため、実質的には4×4×4×4=16×1
6を1ブロックとしている点である。この16×16を
1ブロックとする離散コサイン変換相当分を4×4を1
ブロックとする離散コサイン変換で実行してしまうた
め、計算時間が大幅に減少する。また、この方式は、人
間の視覚特性に基づいてブロックサイズを決定している
ため、符号化による画像の品質の劣化が少ない。
【0177】離散コサイン変換のアルゴリズムは複数存
在するが、ここでは以下の式を用いて離散コサイン変換
を行う。
【0178】
【数2】
【0179】上記計算式(2a)を高速に計算するアル
ゴリズムが知られている。この高速計算の各具体例は、
例えば、以下のような文献に記載されている。
【0180】Rao,K.R.and Yip,P.,
Discrete CosineTransform
Algorithms,Advantages,App
lications,Academic Press,
New York,1990.Wang,Z.,”Re
consideration of a fastco
mputational algorithm for
the discrete cosine tran
sform,”IEEE Trans.Commu
n.,vol.COMM−31,pp.121−12
3,Jan.1983.Vettrli,M.,”Fa
st2−D discrete cosinetran
sform,”Intl.Conf.on Acous
t.,Speech,and Signal Proc
ess.,pp.1538−1541,Tampa,F
L,March26−29,1985.Harque,
M.L.,”A two−dimensional f
astcosine transform,”IEEE
Trans.Acoust.,Speech,and
Signal Process.,vol.ASSP
−33,pp.1532−1538,Dec.198
5.
【0181】図15は、前述した文献等に示された幾つ
かの高速計算のためのアルゴリズムを実行するためのか
け算と、足し算の回数を示す図である。図15からわか
るように、N×Nを1ブロックとする離散コサイン変換
を実行する場合には、おびただしいかけ算と足し算をし
なければならない。N=8の場合に比べてN=4の場合
は、かけ算と足し算の回数は大幅に減少する。従来の符
号化装置の離散コサイン変換におけるブロックサイズ
が、8×8であるのに対して、この実施例における符号
化装置のブロックサイズは、4×4であるため離散コサ
イン変換の計算時間が大幅に減少する。
【0182】次に、図1に示した量子化部300につい
て説明する。図16は、量子化部300が記憶している
量子化テーブルを示す図である。この量子化テーブルの
各要素の値は、人間の視覚特性に基づいて決定される。
特に、輝度空間周波数特性と色空間周波数特性によって
決定される。離散コサイン変換により出力された変換係
数は、図16に示す量子化テーブルと同様の4×4のサ
イズを持っている。この変換係数を、図16に示す量子
化テーブルの各要素により、わり算することにより、変
換係数を表現するビット数が減少する。このようにし
て、変換のエントロピーが減少する。前述したように、
人間の視覚の空間周波数特性は、それぞれの色によって
次のような傾向がある。
【0183】一般的な傾向として、 (1)十分小さい領域では、赤−緑、黄−青の色の変化
よりも、輝度の変化に敏感である。 (2)面積が大きくなるほど、輝度の変化に敏感であ
る。 以下では、図84に示した視覚の色空間周波数特性曲線
を輝度、赤−緑、黄−青に対してそれぞれ、 dB=fy (C) dB=fr-g (C) dB=fy-b (C) とおくことにする。Y,U,Vの視覚特性曲線は、それ
ぞれfy ,fr-g ,fy-b になる。なお、以下では、一
般にfでfy ,fr-g ,fy-b のいずれかを表すことに
する。
【0184】以上のことに基づいて、一般に量子化テー
ブルを次のように定めることができる。画面の角度当た
りのドット数を、p(ppd:pixe1 per d
egree)とし、2次元離散コサイン変換は、N×N
を1単位とし、色空間周波数特性をfとする。ここで離
散コサイン変換は、
【0185】
【数3】
【0186】に関する展開であり、fuN (u=0,
…,N−1)の周期は、それぞれ2N/u(u=0,
…,N−1)であることから、
【0187】
【数4】
【0188】とすることができる。通常、p=20〜6
0と考えてよいといわれている。従って、具体的には、
h に対しては、
【0189】
【数5】
【0190】YL に対しては、
【0191】
【数6】
【0192】Uに対しては、
【0193】
【数7】
【0194】Vに対しては、
【0195】
【数8】
【0196】と定める。
【0197】もし、P=40,CYh=24,CYL=CU
=CV =4とした場合の量子化テーブルが、図16に示
す量子化テーブルである。このようにして、この実施例
における量子化テーブルは、人間の視覚特性を反映した
ものとなる。
【0198】次に、図17の減衰テーブルについて説明
する。前述したように、各画素毎に色空間を行う色空間
変換部114は、交流成分から色差成分を出力しない。
このことは、色差成分の高周波成分が消滅してしまうこ
とを意味している。色差成分の中から高周波成分が消滅
してしまうことにより、ブロックの境界に不連続性、あ
るいは、歪みを生ずる可能性がある。このブロックの不
連続性をなくすために、色差成分に対して値を減衰させ
る必要がある。図17に示す減衰テーブルは、ブロック
の間におきる不連続性を除去するために用意されたもの
である。図16に示す量子化テーブルの内、色差成分に
用いられる量子化テーブルに対して、減衰テーブルを用
いて新たな量子化テーブルを作成する。具体的には、色
差成分U,Vの量子化テーブルの各要素の値を、減衰テ
ーブルの対応する各要素の値で除算したものを新たな量
子化テーブルとして用いる。新たに計算された量子化テ
ーブルを用いて変換係数を量子化することにより、ブロ
ック間の不連続性を減少させることができる。なお、輝
度成分Yh ,YLに対しては、減衰テーブルで除算する
ことはない。
【0199】図18は、前述した符号化装置の動作の示
すフローチャートである。S110においてRGB色成
分を入力する。S120とS130は色空間変換を行う
工程である。この図においては、S120において、ブ
ロック毎の輝度成分と色差成分を求めている。また、S
130においては、画素単位の輝度成分を求めている。
S122においては、n×m画素の平均値を算出する。
そして、S124において、算出した平均値を用いてブ
ロック単位の輝度成分YL と色差成分U,Vを求める。
S132において、S122で求めた平均値と各画素と
の差分を算出する。S134においては、差分を用いて
画素単位の輝度成分Yh を求める。S140において、
n×m画素を1単位として輝度成分Yh の離散コサイン
変換を行う。S150においては、複数ブロック(N×
Mブロック)を1つの単位として輝度成分YL と色差成
分U,Vについて、離散コサイン変換を行う。S160
においては、視覚特性に基づく量子化テーブルにより量
子化を行う。なお、この際、量子化テーブルを減衰テー
ブルにより調整するようにしても構わない。減衰テーブ
ルにより量子化テーブルを修正することにより、ブロッ
ク間に生ずる歪みをなくすことができる。
【0200】次に、復号化装置について説明する。逆量
子化部600は量子化部300が記憶している量子化テ
ーブルと、同様の量子化テーブルを記憶している。ま
た、量子化部300が減衰テーブルを利用している場合
には、逆量子化部600も同じ減衰テーブルを記憶して
いる。このように、逆量子化部600は、量子化テーブ
ルと減衰テーブルを用いて入力した符号化されたデータ
を逆量子化して復号化部700に出力する。
【0201】復号化部700は、逆離散コサイン変換を
用いて直交変換を行う。逆離散コサイン変換は、以下の
式に基づいて行われる。
【0202】
【数9】
【0203】逆離散コサイン変換により、輝度成分Y
h ,YL 及び色差成分U,Vが復号される。復号された
輝度成分Yh ,YL と色差成分U,Vは、逆変換部80
0に出力される。
【0204】図19は、逆変換部800の内部構成図で
ある。割り当て部810は、ブロック単位に出力される
輝度成分YL と、ブロック単位に出力される色差成分
U,Vを各画素に割り当てる。図20は、割り当て部8
10の動作を説明する図である。1ブロックが4×4の
画素で構成されているので、1つのブロックの値が16
の画素に割り当てられる。従って、1つのブロック内の
16の画素は、同一の値を持つ。割り当て部810は、
以下の式を用いて割り当てを行う。 YL (nu+i,mv+j)=YL (u,v) ・・・・・・(1k) U0 (nu+i,mv+j)=U(u,v) ・・・・・・(1l) V0 (nu+i,mv+j)=V(u,v) ・・・・・・(1m) (0≦i<n,0≦j<m,0≦u<r/n,0≦v<
s/m)
【0205】加算部820は、輝度成分Yh と輝度成分
L を入力し、輝度成分Yh と輝度成分YL の値を加算
する。この計算は、以下の式に基づいて行われる。 Y0 (x,y)=Yh (x,y)+YL (x,y) ・・・・・・(1n) 図21は、加算部820の動作を示す図である。画素単
位の輝度成分Yh とブロック単位の輝度成分YL を加算
して、新たな輝度成分Y0 を算出している。
【0206】色空間変換部830は、加算部により加算
された輝度成分Y0 を入力する。また、色空間変換部8
30は、割り当て部810から出力された色差成分U
0 ,V0 を入力する。そして、次の式に基づいて色空間
変換を行う。 R0 (x,y)=U0 (x,y)+Y0 (x,y) ・・・・・・(1o) B0 (x,y)=V0 (x,y)+Y0 (x,y) ・・・・・・(1p) G0 (x,y)={Y0 (x,y)−0.299R0 (x,y)−0.114 B0 (x,y)}/0.587 ・・・・・・(1q) (0≦x<r,0≦y<s)
【0207】図22は、色空間変換部830がRプレー
ンの画素の値を求める動作を示している。図23は、色
空間変換部830がBプレーンの画素の値を求める動作
を示している。図24は、色空間変換部830がGプレ
ーンの画素の値を算出する動作を示している。
【0208】図25は、復号化装置の動作を示すフロー
チャートである。S210において、復号化部700か
ら出力された輝度成分Yh ,YL と、色、差成分U,V
を入力する。S220は、輝度成分と色差成分で表され
る色空間を、RGBの三原色で表される色空間に変換す
る逆変換工程である。S222において、輝度成分Yh
とYL を加算し、新たな輝度成分Y0 を出力する。S2
24においては、新たな輝度成分Y0 と色差成分U,V
を用いてRGB色成分を持つ色空間に変換する。
【0209】以上のように、この実施例では、視覚特性
に基づいて、色空間変換時に1/16にデータ圧縮をす
ることにより、符号化時にブロックサイズを4×4と小
さくして計算量を削減しても、実質的には、従来の8×
8ブロックサイズよりも大きな16×16のサイズで変
換を行える点が大きな特徴である。
【0210】実施例2.前述した実施例1は、静止画を
入力して符号化、あるいは、復号化する場合を例にして
説明を行った。この実施例においては、動画を入力して
符号化、あるいは、復号化する場合について説明する。
動画の場合には、時間軸が加わり3次元的な処理が必要
となる。この実施例では、静止画の場合の2次元の処理
を単純に3次元化する場合を説明する。即ち、2次元の
処理に用いた考えをそのまま3次元に応用することによ
り、時間軸方向においても2次元処理と全く同様なアル
ゴリズムを適用することができる。以下、この実施例で
は静止画の場合の各処理と動画の場合の各処理を対応さ
せながら、異なる点を中心にして説明する。
【0211】図26は、動画の構成を示す図である。動
画は、静止画が時間軸Tの方向に連続して並べられたも
のであると考えられる。この例においては、r×s画素
を持つ静止画が、時間軸方向にtフレーム連続している
場合を示している。このtフレームは時間軸方向にt個
の画素が連続しているものと考えられる。このt画素を
分割して、ブロックを形成する。この例においては、4
画素を1つの単位として、1ブロックとしている例を示
している。従って、n×m×f=4×4×4を1つのブ
ロックとしている。
【0212】図27は、すでに説明した実施例1による
静止画の場合の符号化装置と復号化装置の構成を示す図
である。図28は、動画の場合の符号化装置及び復号化
装置を示す図である。図27と図28を比較して異なる
点は、静止画の場合が4×4の2次元処理であったのに
対して、動画の場合は、4×4×4の3次元処理となっ
ている点である。
【0213】図29は、静止画の場合の変換部100の
入力と出力を示す図である。図30は、動画の場合の変
換部100aの入力と出力を示す図である。静止画の場
合は、平面を取り扱うのに対して、動画の場合は、立体
を取り扱う点が異なっている。図31は、動画の場合の
変換部100aを示すブロック図である。
【0214】図31に示す直流成分抽出部122aは、
以下の式を用いて直流成分を抽出する。
【0215】
【数10】
【0216】直流成分抽出部122aは、図32に示す
ような4×4×4画素を1ブロックとして平均値を計算
し、図33に示すように、1ブロックの平均値を求める
ものである。先の実施例で説明したように、1ブロック
の平均値を求めているのは、離散コサイン変換の基底周
波数を計算している場合と等価である。もし、離散コサ
イン変換を用いない場合には、4×4×4画素を1ブロ
ックとして直交変換を行い、基底周波数を求めることに
より、1ブロックの直流成分を算出することができる。
【0217】また、交流成分抽出部112aは、図32
に示す各画素の値と図33に示す平均値との差分をと
り、図34に示すような値を算出する。この計算は、以
下の式を用いて行う。 Rh (nu+i,mv+j,fw+k)=R(nu+i,mv+j,fw+k )−RL (u,v,w) ・・・・・・(2d) Gh (nu+i,mv+j,fw+k)=G(nu+i,mv+j,fw+k )−GL (u,v,w) ・・・・・・(2e) Bh (nu+i,mv+j,fw+k)=B(nu+i,mv+j,fw+k )−GL (u,v,w) ・・・・・・(2f) (0≦i<n,0≦j<m,0≦k<f,0≦u<r/
n,0≦v<s/m,0≦w<t/f)
【0218】色空間変換部124aは、以下の式に基づ
いて、ブロック単位の輝度成分YLとブロック単位の色
差成分U,Vを求める。 YL (i,j,k)=0.299RL (i,j,k)+0.587GL (i, j,k)+0.114BL (i,j,k) ・・・・・・(2g) U(i,j,k)=RL (i,j,k)−YL (i,j,k) ・・・・・・(2h) V(i,j,k)=GL (i,j,k)−YL (i,j,k) ・・・・・・(2i) (0≦i<r/n,0≦j<s/m,0≦k<t/f)
【0219】図35は、ブロック単位にRGB色成分か
ら輝度成分を求める動作を示している。図36は、同様
にブロック単位の色差成分Uを求める動作を示してい
る。図37は、同様にブロック単位の色差成分Vを求め
る動作を示している。図38は、以上のようにして求め
られたブロック毎の輝度成分YL と、色差成分U,Vを
示している。
【0220】色空間変換部114aは、以下の式に基づ
いて画素単位の輝度成分Yh を求める。 Yh (i,j,k)=0.299Rh (i,j,k)+0.587Gh (i, j,k)+0.114Bh (i,j,k) ・・・・・・(2j) (0≦i<r,0≦j<s,0≦k<t)
【0221】図39は、色空間変換部114aが画素単
位に輝度成分Yh を求める動作を示している。図40
は、このようにして求められた画素毎の輝度成分Yh
示している。
【0222】以上のように、輝度成分YL と、色差成分
U,Vは、4×4×4画素のブロック毎に求められ、輝
度成分YL は、1画素毎に求められる。従って、Yh
L:U:V=64:1:1:1となる。
【0223】次に、符号化部200aについて説明す
る。図41は、実施例1に示した符号化部200の動作
を示す図である。図42は、この実施例による符号化部
200aの動作を示す図である。実施例1に2次元離散
コサイン変換を用いたのに対して、この実施例において
は、以下のような3次元離散コサイン変換を用いる。
【0224】
【数11】
【0225】3次元離散コサイン変換のブロックサイズ
は、4×4×4であるが、輝度成分YL と色差成分U,
Vは、色空間変換時に4×4×4画素を1ブロックとし
ており、この1ブロックを単位として4×4×4ブロッ
クを用いて変換するわけであるから、少ない計算量で、
実質的には、4×4×4×4×4×4=16×16×1
6画素相当分の3次元離散コサイン変換をしていること
になる。
【0226】従来から画像信号に対して3次元離散コサ
イン変換を用いて、変換符号化をしている場合が存在す
る。しかし、この実施例の大きな特徴は、3次元方向
(時間軸方向)においてまで、広域信号及び低域信号と
いう階層構造を意識した離散コサイン変換を行っている
点である。従来の3次元離散コサイン変換の場合は、3
次元方向(時間軸方向)に対しては、広域信号及び低域
信号という階層構造を意識せず、単にデータを集合させ
ているだけであるが、この発明は、時間軸方向において
も広域信号と低域信号の階層構造が存在することに着目
し、離散コサイン変換を広域信号と低域信号に分けて行
っている点が大きな特徴である。
【0227】また、前述した実施例と同様に、この実施
例は、色空間変換時に下位の3次元離散コサイン変換を
行うことにより直流成分を求め、変換符号化時に上位の
3次元離散コサイン変換をしている点が大きな特徴であ
る。
【0228】量子化部300aについて説明する。動画
を扱う場合、量子化部300aは、2次元の量子化テー
ブルの代わりに3次元のものを使用することになる。静
止画の場合、図84に示すような空間特性に基づいて量
子化テーブルを計算している。静止画の場合は、空間周
波数[cpd(cycle per degree)]
から相対感度(dB)への1変数関数を用いていた。即
ち、静止画の場合、色成分Xに対する空間周波数特性関
数をf、画面の解像度をp[ppd(pixel pe
r degree)]とした時に、量子化テーブルqX
(i,j)(0≦i,j<N)を、
【0229】
【数12】
【0230】と定めた。動画の場合には、図85に示す
ような時空間周波数特性に基づいて、量子化テーブルを
計算する。動画の場合、空間周波数特性と時間周波数特
性に基づいて計算することになる。動画の場合は、空間
周波数[cpd(cycle perdegree)]
と時間周波数(Hz)から相対感度(dB)への2変数
関数を用いる。即ち、色成分Xに対する空間・時間周波
数特性関数をf、画面の解像度をp[ppd(pixe
l per degree)]、フレームレートをL
[fps(frame per second)]とし
た時に、量子化テーブルqX (i,j,k)(0≦i,
j,k<N)を、
【0231】
【数13】
【0232】とする。よって、各成分Y,U,Vに対す
る空間・時間周波数特性関数をfY ,fU ,fV とする
と各Yh ,YL ,U,Vに対する量子化テーブルは、
【0233】
【数14】
【0234】となる。
【0235】なお、実施例1に示したように、減衰テー
ブルを設けてブロック間の不連続性を減少させるように
しても構わない。この場合には、減衰テーブルも3次元
のテーブルとなる。
【0236】逆量子化部600aは、量子化部300a
で量子化された動作と逆の動作を行い、逆量子化をす
る。
【0237】復号化部700aは、以下の式に基づき逆
離散コサイン変換を行う。
【0238】
【数15】
【0239】図43は、逆変換部800aを示すブロッ
ク図である。割り当て部810aは、以下の式に基づい
てブロック毎の輝度成分と色差成分を画素毎の輝度成分
と色差成分に割り当てる。 YL (nu+i,mv+j,fw+k)=YL (u,v,w) ・・・・・・(2k) U0 (nu+i,mv+j,fw+k)=U(u,v,w) ・・・・・・(2l) V0 (nu+i,mv+j,fw+k)=V(u,v,w) ・・・・・・(2m) (0≦i<n,0≦j<m,0≦k<f,0≦u<r/
n,0≦v<s/m,0≦w<t/f)
【0240】図44は、割り当て部810aの動作を示
す図である。1つのブロックが4×4×4の画素で構成
されている。従って、同一の値が4×4×4の画素全て
に対して割り当てられる。
【0241】加算部820aは、以下の式により各画素
毎の輝度成分を求める。 Y0 (i,j,k)=Yh (i,j,k)+YL (i,j,k) ・・・・・・(2n)
【0242】図45は、この加算部820aの動作を示
す図である。
【0243】色空間変換部830aは、以下の式に基づ
いて色空間の変換を行う。 R0 (i,j,k)=U0 (i,j,k)+Y0 (i,j,k) ・・・・・・(2o) B0 (i,j,k)=V0 (i,j,k)+Y0 (i,j,k) ・・・・・・(2p) G0 (i,j,k)={Y0 (i,j,k)−0.299R0 (i,j,k) −0.114B0 (i,j,k)}/0.587・・・・・・(2q) (0≦i<r,0≦j<s,0≦k<t)
【0244】図46,図47,図48は、色空間変換部
830aの動作を示す図である。この動作により色空間
変換部は、RプレーンとGプレーンとBプレーンの色成
分を出力する。
【0245】このように、動画を符号化する場合にも、
静止画を符号化する場合に用いた考え方を3次元に拡張
することにより、静止画も動画も統一的な取扱方をする
ことができる。静止画と動画の取扱も統一できるのは、
図83と図84に示すように、視覚の空間周波数特性と
時間周波数特性が同様の特性を持っているからである。
従来の符号化は、静止画用の符号化方式と動画用の符号
化方式とに分けて提案されているが、この発明において
は、静止画用と動画用の符号化方式を分けて考える必要
がない。
【0246】実施例1及び実施例2に述べたような符号
化方式を用いることにより、画像データを効率よく圧縮
することができる。即ち、高解像度を持つ輝度成分デー
タと、低解像度の輝度成分データと低解像度の色差成分
データを有していることにより、画像を効率よく処理す
ることができる。実施例1及び実施例2に示すような方
式により、符号化されたデータは、単に符号化及び復号
化装置において、符号化及び復号化される場合に、その
効果を発揮するばかりでなく、そのデータを蓄積する画
像蓄積装置、あるいは、そのデータを用いて画像を印刷
する画像印刷装置、あるいは、及びそのデータを伝送す
る画像伝送装置等の画像を処理する装置全てに対して適
用することができる。画像データが効率よく圧縮されて
いるため、画像データを伝送する場合の伝送レートは、
非常に高いものとなり、伝送効率がよくなる。また、注
目画素当たりのデータ量が減少することにより、画像デ
ータを蓄積するバッファやメモリのサイズが小さくな
り、画像を処理する装置の低コスト化に寄与する。
【0247】実施例3.図49は、この実施例による変
換部を示す図である。この実施例による変換部100b
は、色空間変換部114bが直接三原色のRGB色成分
を入力する。そして、色空間変換部114bは、各画素
毎に色空間変換を行い、輝度成分Y0 を出力する。各画
素毎の輝度成分Y0 は、減算部116に出力される。一
方、直流成分抽出部122と色空間変換部124は、実
施例1と同様な動作を行うものである。色空間変換部1
24からは、ブロック毎の輝度成分YL と色差成分U,
Vが出力される。ブロック毎の輝度成分YL は、減算部
116に入力される。減算部116は、輝度成分Y0
らブロック毎の輝度成分Y0 値を減算することにより、
各画素毎の輝度成分Yh を出力する。以後の動作は、実
施例1と同様である。復号化装置は、実施例1に用いた
ものをそのまま用いることができる。
【0248】図49に示す場合は、2次元の場合を示し
ているが、実施例2に示したように3次元の場合につい
ても、図49に示すような構成をとることができる。
【0249】評価.実施例1に示した符号化装置及び復
号化装置の評価を行ったので、以下に説明する。実施例
1に示した方式と、JPEGによる方式を比べることに
する。評価を行うために、評価用ソフトウェアの作成を
行った。図50は、実施例1に示した方式を評価するた
めのソフトウェアのブロック図である。図51は、JP
EG方式による評価を行うためのブロック図である。変
換部100及び変換部100jにおいては、以下に示す
式を用いて変換を行った。 Y=0.257R+0.516G+0.096B+16 U=0.429R−0.368G−0.071B+128 V=−0.148R−0.291G+0.439B+128 この計算式は、JPEG方式が用いている計算式をその
まま用いたものである。従って、実施例1に用いた計算
式とは異なっている。変換部100のその他の動作は、
実施例1に示したものと同様である。変換部100j
は、JPEG方式の「4:2:2符号化方式」のサンプ
リングに基づく動作を行うものとする。符号化部200
は、実施例1に示した4×4を1つの単位とする離散コ
サイン変換を行う。符号化部200jは、8×8を1つ
の単位とした離散コサイン変換を行う。量子化部300
は、実施例1に示した4×4の量子化テーブルを用いて
量子化する。量子化部300jは、図52に示す8×8
の量子化テーブルを用いる。図52に示すテーブルは、
デファクトスタンダードとなっている量子化テーブルで
ある。なお、実施例1で説明した減衰テーブルは、図5
0に示す量子化部300だけに適用する。図51に示す
量子化部300jには、減衰テーブルを適用しない。
【0250】実施例1に示す方式とJPEGによる方式
の量子化後のエントロピーを計算した結果、ほぼ同じ値
を示す場合もあるが、実施例1に示す方式が10%から
20%低い値を示す。また、最大では、50%低い値を
示す。また、実施例1に示す方式がJPEGによる方式
よりも、エントロピーが小さい場合であっても、高解像
度のイメージを復号することができる。しかし、ブロッ
クとブロックの境界に生ずる不連続という問題点が、実
施例1の方式においてJPEGに比べて大きく発生して
いる。減衰テーブルによる減衰を行った場合でも、実施
例1の方がJPEGの方式に比べてブロック間の不連続
性が目立ってしまう。特に、画像に示されている物体の
スムースな部分、あるいは、画像に示されている物体の
エッジ部分において、不連続性が顕著に現れることがわ
かった。
【0251】次に、計算時間の比較、評価について説明
する。図50及び図51に示した変換部100,100
j及び符号化部200,200j及び量子化部300,
300jのかけ算の回数と、足し算の回数をそれぞれ比
較した。図53〜図55においては、1画像がn×m画
素(ここでは、前述したブロックのサイズに用いたn,
mとは異なり、1画像全体のサイズを意味する)から構
成されているものとする。
【0252】図53は、1画像がn×m画素からなるR
GB色成分を色空間変換する場合のかけ算と、足し算の
回数を比較している。色空間変換においては、実施例1
に示す方式の方が、かけ算及び足し算のいずれにおいて
も、回数が少ないことがわかる。
【0253】図54は、符号化部200と200jにお
ける離散コサイン変換のかけ算と、足し算の回数を示す
図である。図54に示す計算は、図15に示した各種の
高速化アルゴリズムそれぞれに対して比較を行ってい
る。実施例1の場合には、輝度成分用の1つのm×n画
素のデータと、輝度成分YL と色差成分U,V用の3つ
のn/4×m/4画素からなるデータを用いて計算して
いる。また、JPEG方式による場合は、輝度成分用の
1つのn×m画素のデータと、色差成分U,V用の2つ
のn/2×m画素からなるデータに基づいて計算をして
いる。いずれの高速化アルゴリズムを用いる場合におい
ても、実施例1の場合の方がかけ算の回数及び足し算の
回数が大幅に減少している。
【0254】図55は、量子化部300と量子化部30
0jのかけ算と、足し算の回数を比較した図である。量
子化を行う場合でも、本実施例による場合の方が、かけ
算の回数が少ないことを示している。
【0255】図53,図54,図55からわかるよう
に、本実施例による方式は、2倍から3倍高速処理を行
うことができる。あるいは、最も差がある場合には4倍
から5倍の高速処理を行うことが可能である。
【0256】以上のように、本実施例の方式を用いれ
ば、JPEG方式に比べて約3分の1の計算時間です
む。また、本実施例の方式を用いれば、JPEG方式に
比べて最大2分の1のエントロピーですむ。本実施例に
よる欠点は、JPEG方式に比べて画像内の対象物にス
ムースな部分やエッジ部がある場合に、ブロック間の歪
みが生じやすい点である。この点に関しては、減衰テー
ブルとよりよい量子化テーブルを作成することにより、
ブロック間の歪みをより感知しにくいイメージを作成す
ることができると考える。この点については、更に、改
良が必要である。また、実施例1に示す方式によれば、
計算時間が高速になるので、リアルタイムな符号化を実
現することができる。
【0257】上記実施例においては、1画素が1エレメ
ントである場合を説明したが、複数画素を1エレメント
とするような場合があっても構わない。
【0258】また、上記実施例においては、符号化部に
おいて離散コサイン変換を用いる場合について説明した
が、その他の直交変換方式を用いる場合であっても構わ
ない。その他の直交変換方式を用いる場合は、その用い
た直交変換方式に応じて量子化テーブルの定め方を変更
しなければならない場合が存在する。その直交変換方式
を用いた場合、変換基底の周波数成分がどのようになっ
ているかにより、量子化テーブルの定め方が異なってく
る。
【0259】また、上記実施例においては、n×mが4
×4である場合を示したが、その他のサイズであっても
構わない。例えば、6×6,3×6,2×5等のサイズ
であっても構わない。また、N×M=4×4の場合を示
したが、同様にその他のサイズであっても構わない。ま
た、n=N,m=Mの場合を示したが、n≠N,m≠M
であっても構わない。
【0260】実施例4.前述した実施例においては、直
流成分として輝度信号と色差信号を出力する場合につい
て説明したが、この実施例においては、直流成分として
色信号を出力する場合について説明する。色成分として
は、赤,緑,青の三原色の色成分が考えられる。あるい
は、シアン,マゼンダ,イエローの色成分の場合も考え
られる。シアン,マゼンダ,イエローの色成分は、赤,
緑,青の色成分から計算により求めることができる。ま
た、その逆に赤,緑,青の色成分は、シアン,マゼン
ダ,イエローの色成分から計算により求めることができ
る。従って、色成分という場合には、赤,緑,青の色成
分であっても構わないし、シアン,マゼンダ,イエロー
の色成分で合っても構わない。以下、この実施例におい
ては、赤,緑,青の色成分を用いる場合を例にして説明
する。この実施例で用いる画像符号化装置の構成は、図
1に示した画像符号化装置と同様のものである。ここで
は、以下に特徴となる点を中心に説明する。
【0261】図56は、変換部100の内部ブロック図
である。変換部100は、RGBの色成分を用いて、エ
レメント毎(画素毎)の色空間変換を行うエレメント成
分変換部110を備えている。また、変換部100は、
エレメント毎(画素毎)のRGB色成分をブロック毎の
RGB色成分に変換をするブロック成分変換部120を
備えている。変換部100は、RGB信号を入力する。
変換部100は、入力したRGB信号の色空間変換を行
い、その結果、変換部100は、輝度成分Yh を出力す
る。また、変換部100は、ブロック毎のRGB成分R
L 、GL 、BL を出力する。
【0262】図57は、変換部100の出力を示す図で
ある。輝度成分Yh は、r×s画素から構成されてい
る。赤色成分RL は、r/n×s/m画素から構成され
ている。緑色成分GL と青色成分BL も、それぞれr/
n×s/m画素から構成されている。実際には、r/n
×s/mブロックから構成されているというのが正しい
表現であるが、実質的には、n×m画素のデータが1画
素分データになっており、各ブロックを代表する1つの
値を算出して出力するため、ここでは、r/n×s/m
画素という表現を用いている。
【0263】エレメント成分変換部110は、各画素毎
に処理を行うものである。一方、ブロック成分変換部1
20は、ブロック毎に処理を行うものである。ブロック
成分変換部120には、ブロックに含まれる画素のRG
B色成分の各成分の平均値、あるいは、基底周波数を求
め、求めた平均値、あるいは、基底周波数を各ブロック
の直流成分とする直流成分抽出部が存在する。エレメン
ト成分変換部110は、画素単位に成分を抽出する交流
成分抽出部112と、画素単位に色空間変換を行う色空
間変換部114を有している。交流成分抽出部112
は、画素毎に各画素のRGB色成分の値と、その画素が
属するブロックの直流成分との差を求めた差分を交流成
分として出力する。色空間変換部114は、交流成分抽
出部112から出力された交流成分を色空間変換する。
このようにして、各画素毎の輝度成分Yh を出力する。
【0264】図58は、前述した符号化装置の動作を示
すフローチャートである。S110において、RGB色
成分を入力する。S120において、ブロック毎の色成
分を求めている。また、S130においては、画素単位
の輝度成分を求めている。S122においては、n×m
画素の平均値、あるいは、基底周波数を算出する。S1
32において、S122で求めた平均値、あるいは、基
底周波数と各画素との差分を算出する。S134におい
ては、差分を用いて画素単位の輝度成分Yh を求める。
S140において、n×m画素を1単位として輝度成分
hの離散コサイン変換を行う。S150においては、
複数ブロック(N×Mブロック)を1つの単位として色
成分RL 、GL 、BL について、離散コサイン変換を行
う。S160においては、視覚特性に基づく量子化テー
ブルにより量子化を行う。なお、この際、量子化テーブ
ルを減衰テーブルにより調整するようにしても構わな
い。減衰テーブルにより量子化テーブルを修正すること
により、ブロック間に生ずる歪みをなくすことができ
る。
【0265】前述したように、この実施例においては、
赤,緑,青の色成分を入力し、エレメント毎の輝度成分
h とブロック毎の色成分RL 、GL 、BL を出力す
る。エレメント毎の輝度成分Yh は、前述した実施例1
と同様のものであるが、前述した実施例1では色差成分
であるのに対して、この実施例においては、色成分であ
る点が異なっている。前述した実施例1のように色差成
分を用いる場合には、符号化効率の点から有利である。
従って、符号化したデータを蓄積する場合、あるいは、
伝送する場合にデータ量がより削減でき、メモリの容量
を節約したり、あるいは、伝送時間を短縮したりすると
いう効果を有している。一方、この実施例のように色成
分を出力する場合は、符号化効率の点から望ましくはな
いが、符号化されたデータを記憶しない場合、あるい
は、伝送しない場合には、変換をする必要がなく、処理
量が削減されており、高速処理を行うことができる。例
えば、この画像符号化装置により符号化されたデータを
直接表示装置やプリンタに出力する場合には、表示装置
やプリンタが赤,緑,青の色成分を用いて動作するもの
であれば、この実施例により出力された色成分をそのま
ま用いることができるという利点を有する。
【0266】図59は、この実施例による変換部の他の
例を示す図である。この例による変換部100bは、色
空間変換部114bが直接三原色のRGB色成分を入力
する。そして、色空間変換部114bは、各画素毎に色
空間変換を行い、輝度成分Yh を出力する。一方、直流
成分抽出部122は、この実施例4と同様な動作を行う
ものであり、ブロック毎の色成分RL 、GL 、BL が出
力される。
【0267】実施例5.この実施例においては、前述し
た画像符号化装置及び画像復号化装置を用いたネットワ
ークシステムについて説明する。
【0268】図60は、この実施例のネットワーク構成
を示す図である。41はサーバ、42a〜42cはクラ
イアント、43a〜43bはプリンタ、44aはファク
シミリ、44bはスキャナ、45はキーボード、46は
マウス、47はディスク装置である。一例として、クラ
イアント42aの解像度は300dpi、クライアント
42bは600dpi、クライアント42cは150d
piである。プリンタ43aの解像度は1200dp
i、プリンタ43bは800dpiである。ファクシミ
リ44aは600dpi、スキャナ44bは600dp
iである。
【0269】図61は、この実施例のネットワークのブ
ロック図である。ローカルエリアネットワーク40a
は、前述したような各種装置を接続している。また、ロ
ーカルエリアネットワーク40aと40cは、広域ネッ
トワーク40bにより互いに接続されている。サーバ4
1とクライアント42a,42bには、符号化部及び復
号化部が備えられている。符号化部は、前述した実施例
の画像符号化装置と同様な機能を持つものである。ま
た、復号化部は、前述した実施例の画像復号化装置と同
様の機能を持つものである。ファクシミリ44aにも符
号化部及び復号化部が備えられている。プリンタ43b
には、復号化部だけが備えられている。プリンタ43b
は、出力装置としてのみ機能するためである。スキャナ
44bには、符号化部だけが備えられている。スキャナ
は、入力装置としてのみ機能するからである。一方、プ
リンタ43aには、復号化部が備えられていない。その
理由は、サーバ41が復号化部を備えており、プリンタ
43aがサーバに直結されたプリンタだからである。ま
た、サーバ41には、データベース47が備えられてお
り、各クライアントや端末装置からのデータを記憶して
いる。また、テレビ会議装置48aと48bが接続され
ている。テレビ会議装置内にも符号化部及び復号化部が
備えられており、画像の入出力を行う。
【0270】このネットワークにおいて、特徴となるの
は、画像データを前述した実施例のように各エレメント
毎の輝度成分とブロック毎の色成分に符号化して蓄積、
あるいは、伝送する点である。前述したように、画像デ
ータを構成することによりデータの圧縮率が非常に向上
している。従って、ローカルエリアネットワーク40
a,40c及び広域ネットワーク40bにおけるデータ
の転送負荷が減少する。特に、テレビ会議装置やサーバ
クライアントシステムにおいては、ネットワークのデー
タ伝送による負荷が大きな問題となっているが、この発
明による画像データの圧縮方法を用いることにより、こ
れらネットワークのデータ伝送の負荷が著しく減少す
る。前述したように、この実施例で伝送及び蓄積される
画像データは、人間の視覚特性に基づいて圧縮されたも
のであるから、圧縮率が高い場合であっても、自然画像
を高品質に再現できる。
【0271】実施例6.この実施例においては、ディザ
法を用いて中間調を表示する画像出力装置について説明
する。画像出力装置としては、前述したネットワークに
用いられるプリンタ装置、テレビ会議装置、ファクシミ
リ装置、クライアントの表示装置等があげられる。この
実施例では、特にプリンタ装置のように2値でデータを
出力する装置において、中間調を出力する場合について
説明する。図62は、この実施例の画像出力装置の構成
を示す図である。図において、70は画像信号を入力す
る入力部、71はエレメント毎の信号を入力して第1の
階調領域を用いて中間調を表す第1の階調部、72はブ
ロック毎の色成分データを入力し、第1の階調領域より
も広い領域である第2の階調領域を用いて中間調を表す
第2の階調部である。73は第1の階調部71と第2の
階調部72からの出力を用いて中間調を表示する出力部
である。入力部70には、前述した実施例1の画像復号
化装置と同じものが含まれている。即ち、エントロピー
復号化部500、逆量子化部600、復号化部700、
逆変換部800dが備えられている。但し、前述した実
施例1においては、逆変換部800がRGBの色信号を
出力する場合を示していたが、この実施例においては、
図63示すように、逆変換部800dがエレメント毎の
輝度成分Yh とブロック毎の色成分RL ,GL ,BL
出力している点が異なっている。
【0272】次に、図64を用いて第1の階調部71の
動作について説明する。第1の階調部71は、エレメン
ト毎の輝度成分Yh を入力する。このエレメント毎の輝
度成分Yh は、この実施例においても1画素に相当して
いる。従って、第1の階調部は、1画素毎にその画素を
印字すべきか否かを決定する。従って、図64に示すよ
うに、ある1つの画素を単位とする面積階調を行うこと
になる。この場合には、1画素しか存在しないため、階
調の種類は0か1の2種類である。第1の階調部は、各
画素に対して0か1のいずれかの階調を決定する。
【0273】次に、図65を用いて第2の階調部72の
動作について説明する。第2の階調部は、ブロック毎の
色成分を入力する。ブロックのサイズは、4×4画素で
ある。従って、4×4=16画素の面積を用いた中間調
を表示することができる。図65は、4×4=16画素
の面積を用いた場合の階調を示す図である。階調のレベ
ルは、4×4+1=17階調持つことができる。第2の
階調部72は、この0から16までの合計17階調まで
のいずれかの階調を用いることを決定する。第2の階調
部72は、RGBの色成分それぞれについて17階調の
内のいずれの階調を用いるかを決定して出力する。
【0274】出力部73は、第1の階調部により決定さ
れた画素毎の階調を用いて輝度を出力する。また、第2
の階調部により決定された階調を用いて色を出力する。
出力部73には、図66に示すように、輝度信号を出力
する黒の印字部とRGBの色成分を、それぞれ印字する
3つのカラー印字部が備わっている。従って、黒の印字
部は、第1の階調部71からの出力を印字する。また、
RGBの3つのカラー印字部は、第2の階調部から出力
されたRGBの色成分の出力を行う。もし、出力部に黒
の印字部が存在しない場合には、RGBの3つのカラー
部の出力を重ね印字することにより、黒の印字を行うこ
とができる。その場合には、出力部73は、第1の階調
部からの出力と、第2の階調部からの出力を合成してか
らRGBの3つのカラー印字部へ信号を与えなければな
らない。
【0275】図64及び図65から明らかなように、輝
度信号に対しては、1画素の面積を用いて階調を表し、
色信号に対しては16画素の面積を用いて階調を表して
いる。人間の目の特性は、色成分に較べて輝度成分の方
が解像度に対して敏感であるという性質を有している。
従って、輝度成分に対しては、最も解像度の高い1画素
単位の出力を行っており、色成分に対しては、4×4画
素からなる解像度が低くなった出力を行っている。一
方、人間の目の特性には、輝度の変化よりも、色の変化
に対して敏感であるという特性がある。従って、色に対
する階調をきめ細かく表示する必要がある。この実施例
においては、輝度成分に対しては、1画素からなる2階
調を用いて表示し、色成分に対しては、4×4からなる
17階調を用いた表示を行っている。従って、色成分に
対する階調のレベルが高いことになり、人間の目の特性
に合致していることになる。結果として、このような方
法で印字された画像は階調性と解像度の両立した画像を
生成することができる。
【0276】図67は、輝度成分に対する階調表示の他
の例を示す図である。第1の階調部71は、1画素毎に
階調表示を行うばかりでなく、図67に示すように、2
×2画素を用いて階調を表示するようにしても構わな
い。2×2画素を用いて階調表示を行う場合には、2×
2+1=5階調の階調表示を行える。輝度成分に対して
も、ある程度の階調を表示したい場合には、このように
2×2画素を用いて階調を表示するようにしても構わな
い。
【0277】図68は、更に第1の階調部71の他の階
調表示例を示す図である。図68の(A)は、1画素を
用いた階調表示の場合を示している。図68の(B)
は、2×2画素を用いた階調表示の場合を示している。
前述したように、入力部には、画像復号化装置が含まれ
ており、符号化データを復号化する際に、輝度成分の周
波数成分を知ることができる。即ち、画像信号を復号す
る場合に超高域周波数成分を持つ画素であるか、あるい
は、高域周波数成分を持つ画素であるかを知ることがで
きる。そこで、超高域の周波数を持つ画素は、1画素を
用いた階調表示を行い、高域の周波数を持つ画素は、2
×2画素を用いた階調表示を行うようにする。このよう
に、第1の階調部71において、超高域の画素と高域の
画素に分けて階調表示を行うことにより、超高域の周波
数を持つ画素に対しては、高解像度の表示を行い、高域
の周波数を持つ画素に対しては、ある程度階調表示を行
った画像を生成することができる。
【0278】前述した図62に示す画像出力装置は、画
像復号化装置を入力部70に内蔵した構成をとるため、
図61に示したネットワークに直結された装置となり得
ることができる。例えば、プリンタ43bやファクシミ
リ44aが図62に示す画像出力装置のよい例である。
【0279】図69は、この発明の画像出力装置の他の
例を示す図である。図69においては、入力部70がエ
レメント毎の輝度成分データYh とブロック毎の色成分
データRL 、GL 、BL を入力して、それらをそのまま
第1の階調部71と第2の階調部72に出力する例を示
している。即ち、入力部70には、復号化する機能が存
在していない。このように、図69に示すような構成を
とる画像出力装置の一例として、例えば、図61に示し
たプリンタ43aがある。プリンタ43aは、サーバ4
1に直結されたプリンタである。サーバ41には、復号
化部を有しているため、このサーバ41の復号化部によ
り復号されたエレメント毎の輝度成分データYh と、ブ
ロック毎の色成分データRL ,GL ,BL を直接プリン
タ43aに供給することにより、プリンタ43aは、図
69に示すような構成をとることができる。
【0280】図70は、この発明の画像出力装置の他の
例を示す図である。図70に示す入力部70には、色空
間変換部70aが存在している。色空間変換部70a
は、ブロック毎の輝度成分YL と色差成分U,Vをブロ
ック毎の色成分RL 、GL 、BL に変換するものであ
る。このように、入力部が色空間変換部を備えることに
より、色空間が異なる信号を入力した場合でも、出力部
が画像出力のために用いる色空間に変換できるので、支
障なく画像出力を行える。
【0281】図71は、図62に示した逆変換部の他の
例を示す図である。図71に示す逆変換部800eは、
割り当て部810と色空間変換部852を備えている。
割り当て部810は、ブロック単位の輝度成分YL と色
差成分U,Vを各画素に割り当てるものである。この割
り当て部810は、実施例1に示した割り当て部810
と同様の動作をするものである。例えば、1ブロックが
4×4の画素で構成されている場合には、1つの値が1
6の画素に割り当てられることになる。従って、1つの
ブロック内の16の画素は、同一の画素値を持つ。色空
間変換部852は、割り当て部810により各画素毎に
割り当てられた値を用いて、エレメント単位の色空間変
換を行う。結果として、各画素毎の色成分R0,G0
0 が出力される。第1の階調部71は、輝度成分Yh
を前述したように1画素、あるいは、2×2画素を用い
て階調表示を行う。また、第2の階調部72は、各画素
毎の色成分R0 ,G0 ,B0 を入力して任意のサイズを
持つマトリクスで階調表示を行う。例えば、2×3画
素、あるいは、3×3画素、あるいは、4×4画素、あ
るいは、6×6画素等の任意のサイズのマトリクスを用
いて、ディザ法にのっとり階調表示を行う。この場合に
用いるマトリクスのサイズは、前述した符号化、復号化
に用いたマトリクスのサイズとは、独立別個に定めるこ
とができる。そして、この場合でも色表示用のマトリク
スは、輝度を表示する場合のマトリクスに較べて大きな
サイズを持っている。こうすることにより、輝度に対し
ては、高解像度を保つとともに、色に対しては階調を深
く表示することができる。こうして、人間の目の視覚特
性にマッチした画像表示を行うことができる。
【0282】前述した例においては、ディザ法を用いて
面積階調を行う場合について説明したが、図72及び図
73を用いて誤差拡散法により階調表示を行う場合につ
いて説明する。誤差拡散法は、ある画素を表示する場合
に生じた誤差を以後の複数の画素へ拡散する方法であ
る。例えば、図72に示すように、今、注目する画素が
画素Xであるとすると、画素Xを表示する場合に生じた
誤差を画素A,B,C,Dに振り分けてしまうことを意
味する。例えば、画素Xに生じた誤差Eを画素A,B,
C,Dに、ある重み付けを持って振り分ける場合を例に
して説明する。画素Xの値をもともとGとし、画素Xを
表示する値をPとした場合、画素Xを表示する場合に生
じる誤差Eは、E=G−Pで表現される。この誤差Eに
対して、例えば、16分の7をかけたものを画素Aに割
り振り、誤差Eに対して16分の1をかけたものを画素
Bに割り振り、誤差Eに対して16分の5をかけたもの
を画素Cに割り振り、誤差Eに対して16分の3をかけ
たものを画素Dに割り振る。
【0283】E=G−P E×7/16→A E×1/16→B E×5/16→C E×3/16→D
【0284】画素Aを表示する場合には、画素Xから振
り分けられた誤差E×16分の7とその他の画素からも
らった誤差と、本来自分が持っている値を加算すること
により、画素Aの持つ値を算出し、この算出から画素A
を表示する値を決定する。この画素Aから生じた値は、
更に、他の画素に振り分けられる。このように、誤差拡
散法は、1つの画素を表示する場合に生じた誤差を、複
数の画素に割り当ててしまう方法である。この割り当て
先の画素数を変えることにより、階調表示のレベルの深
さが変化する。図72に示す場合は、画素Xの誤差を4
つの画素AからDに割り振る場合を示している。図73
に示す場合は、画素Xの誤差を画素AからJまでの10
個の画素に割り振る場合を示している。この実施例にお
いては、第1の階調部71が輝度成分を表示する場合
に、図72に示すような拡散を行い、第2の階調部72
が色成分を表示する場合に、図73に示すような拡散を
行うようにする。従って、画素Xの輝度成分Yh を表示
する場合に生じた誤差は、他の4つの画素に対して割り
振られる。一方、各色成分を表示する場合に生じた誤差
は、10個の画素に割り振られることになる。このよう
に、誤差を拡散する画素数を変化させることがこの例の
特徴である。図72に示すように、拡散する画素数が少
ない場合には、高解像度を保つことができるが、階調を
深く表すことはできない。一方、図73に示す場合に
は、解像度は犠牲になるが、階調のレベルを深く表示す
ることができる。
【0285】図74及び図75は、誤差拡散法を用いる
場合の他の例を示す図である。図74及び図75に示す
例は、図63に示すように、逆変換部800dからエレ
メント毎の輝度成分Yh とブロック毎の色成分を入力す
る場合の誤差拡散法を示している。図74に示す場合
は、前述した図72と同様にエレメント毎の輝度成分Y
h を入力し、4つの画素に対して誤差を拡散する場合を
示している。一方、図75の場合は、第2の階調部72
に対する入力がブロック毎の色成分であるため、このブ
ロック単位に誤差拡散を行う場合を示している。図75
に示す場合は、1ブロックが4×4画素から構成されて
いる。従って、1ブロックを表示する場合には、4×4
+1=17階調を表示することができる。図76は、ブ
ロックの値と階調番号の関係を示す図である。ブロック
の値が例えば0から255の値をとり得る場合には、こ
の値を16等分し(ブロックの値が0の場合にのみ階調
番号0を用いることにし、その他の場合は、16通りに
均等配分するものとしている)、1つの階調番号に対し
て、16単位のブロック値を割り当てることができる。
例えば、ブロック値が1から15までは階調番号1のパ
ターンを用い、ブロック値が16から31の場合は、階
調番号2のパターンを用いるようにする。この階調番号
に対応するパターンは、前述した図65に示すようなも
のを用いる。即ち、ディザ法により作られたパターンを
用いるものとする。もし、図75に示すブロックXの値
が51である場合には、階調番号4のパターンを用いて
ブロックXを表示する。この画素Xと用いたパターンの
差は、63−51=12となり、ブロックXにおける誤
差=12となる。この誤差12は、図75に示すよう
に、ブロックAからJまでの各ブロックに拡散される。
このように、この実施例では、各ブロックがすでに4×
4の画素で構成されているため、1つのブロックを表示
する場合にはディザ法を用い、そのブロックをディザ法
を用いて表示する場合に、生じた誤差をまわりのブロッ
クに拡散してしまうという誤差拡散法を利用している。
ディザ法と誤差拡散法を利用することにより、第2の階
調部は、ブロック単位の色信号を入力する場合でも、階
調表示を行うことができる。
【0286】前述した実施例においては、輝度を表示す
る黒印字部及びカラーを印字するカラー印字部が、それ
ぞれ2値を印刷するような場合を前提にして説明してき
たが、各印字部において階調を表示できるような構成と
する例が紹介されている。例えば、図77,78,7
9,80は、特開昭61−54943号公報の「インク
ジェット記録装置」に示された階調表現ができるインク
ジェットプリンタを示す図である。
【0287】以下、図77〜図80を用いて説明する。
図77は、インクジェットヘッドの説明図、図78は、
図77のインクジェットヘッドのインク噴射単位を示す
説明図であり、81はインク供給系、82は可撓壁、8
3は圧力室、84は圧力素子、85はノズル、86はヘ
ッド、87は圧電素子、駆動信号、88はインク噴射単
位である。インク供給系81には、それぞれ濃度比が
1:2:22 :・・・:2n-1 と2進の関係にあるn種
類のインクを用いている。
【0288】次に、階調表現法について説明する。今、
濃度比が1:2:4の関係にある3種類のインクを用い
て記録する場合を考える。実施例で使用する3種類のイ
ンクは、それぞれ同一量(1単位と表すことにする)
で、1:2:4の濃度比になるように調合されていると
仮定する。図79に階調記録原理を示す。記録濃度が1
の時には、濃度1のインクを1単位記録する。記録濃度
が2の時には、濃度2のインクを1単位記録する。記録
濃度が3の時には、濃度1と濃度2のインクをそれぞれ
1単位、合計で2単位記録する。以下、図に示すよう
に、3種類のインクを選択的に記録していくことによ
り、濃度7まで記録することができる。ここで0から7
までの濃度を記録する場合に、3種類のインクは多くと
もそれぞれ1単位しか記録していないことに注意した
い。即ち、1本のノズル85は1画素につき、最小イン
ク量の1単位しか噴射する必要はない。一方、濃度1の
インクを噴射するノズル1本だけで全ての濃度を記録す
る従来法では、高濃度になればなる程多量のインクを連
続的に噴射することが必要になる。この場合、ノズルの
負担が大きくなるとともに、記録時間が長くなる。これ
に比して、図76の場合では、各ノズル85はせいぜい
1単位しか記録しないで済むので、負担が軽くなるとと
もに、高速記録にも適している。
【0289】前述した場合は、モノクロ記録の場合であ
るが、この方式は、カラー多階調記録、あるいは、フル
カラー記録に使用することができる。図80は、カラー
記録のできる一実施例である。この場合、インクはイエ
ロー,マゼンダ,シアンの三原色を用いて、それぞれの
色について濃度比が、1:2:4の関係にあるものを使
用する。また、カラー記録では、黒インクを使用する場
合がある。一般に、各色の濃度比が、1:2:・・・:
n-1 のn種類のインクを使用する場合では、インク噴
射単位8を3n組(三原色の時)又は4n組(三原色+
黒の時)並置した構成にすればよい。
【0290】前述した例においては、濃度比が1:2:
4の関係にある3種のインクを用いて7階調を表示する
場合について説明した。2値の印字ができる場合に25
6階調を表示する場合には、図81に示すように、16
画素×16画素の面積を必要とする。一方、前述したよ
うに、1画素で7階調表示できる場合には、256階調
を表示するために、256÷7=約37階調となり、面
積階調により37階調が表示できるようになればよい。
図82に示すように、37階調を表示するためには、6
×6画素の面積があればよい。このように、印字部にお
いて、1画素につき7階調を表示できるものがあれば、
従来は16×16で256階調を表示していたものが、
6×6画素で256階調を表示することが可能となる。
従って、256階調を保ちながら解像度の高い画像を得
ることが可能になる。前述した第1の階調部から2階調
を持つ輝度成分を出力し、黒印字部として、前述したよ
うに、1画素毎に2値の印字を行うものを用い、第2の
階調部から出力される色成分に対しては、図80に示し
たような3色の色が表示でき、かつ、7階調が表示でき
る印字部を用いるようにすれば、カラーの表示に対して
256階調を表示できるとともに、以前よりも高解像度
の画像を得ることができる。即ち、以前のものが16×
16画素で表示していたのに対し、図80に示すインク
ジェットプリンタを用いる場合には、6×6画素ですむ
ために解像度が縦方向あるいは横方向に対して16÷6
=約2.6倍向上したことになる。
【0291】また、誤差拡散法を用いる場合にも、図8
0に示すような、インクジェットプリンタを用いる場合
には、誤差を拡散する画素数を減少させることが可能で
ある。従って、階調のレベルを保ちながら、高解像度の
画像を生成することができる。
【0292】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、エレ
メント単位の色差成分を無視することにより、効率よい
画像符号化が行える。
【0293】また、この発明によれば、ブロック毎の色
空間変換とエレメント毎の色空間変換を別々に行い、ブ
ロック毎の色空間変換においては、輝度成分と色差成分
を求め、エレメント毎の色空間変換は、輝度成分のみを
求めるようにしたので、効率よい符号化が行われる。
【0294】また、この発明によれば、直流成分抽出部
により直流成分を抽出するようにしたので、この直流成
分を用いてブロック毎の処理を容易に行える。
【0295】また、この発明によれば、前述した直流成
分を用いて交流成分を求めるようにしたので、交流成分
の情報量が圧縮できる。
【0296】また、この発明によれば、直流成分を複数
ブロックまとめて変換符号化するので、符号化部におけ
る符号化負荷を大幅に減少させることができる。
【0297】また、この発明によれば、1画素を1エレ
メントとし、画素毎の処理を行える。
【0298】また、この発明によれば、静止画を取り扱
うことができる。
【0299】また、この発明によれば、動画を静止画と
同様な方式により取り扱うことができる。
【0300】また、この発明によれば、ブロックのサイ
ズを2のべき乗とすることにより、効率よい符号化が行
える。
【0301】また、ブロックのサイズを4×4画素とす
ることにより、人間の視覚特性に基づいたデータの圧縮
を行える。
【0302】また、この発明によれば、直交変換を用い
ているので、冗長性を除いた画像圧縮を行える。
【0303】更に、その直交変換の中で離散コサイン変
換を用いて効率よい画像圧縮を行える。
【0304】更に、離散コサイン変換のための単位は、
2のべき乗とすることにより、効率よい変換符号化が行
える。
【0305】また、そのサイズを4×4とすることによ
り、離散コサイン変換を高速に行える。
【0306】また、人間の視覚特性に基づいた量子化テ
ーブルを用いているので、量子化する場合にも最適な量
子化が行える。
【0307】また、量子化テーブルを調整することによ
り、ブロック間の歪みを除去することができる。
【0308】また、この発明のおける画像符号化装置に
よれば、エレメント毎の輝度成分データとブロック毎の
輝度成分データと色差成分データから、画像を復元する
ことができる。
【0309】また、この発明によれば、エレメント毎の
輝度成分データがブロック毎の輝度成分データと加算さ
れることにより、エレメント毎の輝度成分データを復元
することができる。
【0310】また、この発明によれば、ブロック毎のデ
ータを各エレメント毎のデータに割り振るという簡単な
処理により、各エレメント毎の色成分データを求めるこ
とができる。
【0311】また、この発明における画像処理装置によ
れば、高解像度の色差成分データを用いることなく、画
像を保持することができる。
【0312】また、この発明によれば、低解像度のデー
タを高解像度のデータの1/3〜1/5にすることがで
きる。静止画のように2次元を取り扱う場合は、1/9
〜1/25のデータ量に圧縮することができる。
【0313】データ処理の点から2のべき乗倍であるこ
とが望ましく、解像度の差を1/4倍にすることによ
り、人間の視覚特性にマッチした処理速度の早い画像処
理装置を得ることができる。
【0314】また、この発明によれば、動画を扱う場合
でも時間軸方向に1/3〜1/5倍にデータを圧縮する
ことができる。
【0315】また、この画像データの保持方式は、各種
の画像処理装置に適応することができる。
【0316】この発明における画像符号化方法は、高解
像度の輝度成分と低解像度の輝度成分と色差成分を出力
することにより、画像データを圧縮する。
【0317】また、この発明によれば、低解像度の色成
分を直流成分として抽出することにより、直流成分を用
いて色空間変換を行う。また、直流成分と交流成分との
差分を取ることにより、交流成分の情報量を圧縮するこ
とができる。
【0318】更に、この発明における画像符号化方法に
よれば、複数のブロックをまとめて変換符号化すること
により、変換符号化効率が向上する。
【0319】更に、この発明における画像符号化方法に
よれば、人間の視覚特性に基づいた効率よい量子化が行
える。
【0320】また、この発明における画像符号化方法に
よれば、ブロック間の歪みを最小限にすることができ
る。
【0321】また、この発明における画像復号化方法に
よれば、高解像度の色差成分を用いることなく画像を復
元することができる。
【0322】また、この発明によれば、高解像度の輝度
成分と低解像度の輝度成分を加算して、高解像度の輝度
成分を復元することができる。
【0323】また、この発明によれば、エレメント単位
の色成分を無視することにより、効率よい画像符号化が
行える。
【0324】また、この発明によれば、ブロック毎の処
理とエレメント毎の処理を別々に行い、ブロック毎の処
理においては、色成分を求め、エレメント毎の処理にお
いて、輝度成分のみを求めるようにしたので、効率よい
符号化が行われる。
【0325】また、この発明によれば、直流成分抽出部
により直流成分を抽出するようにしたので、この直流成
分を用いてブロック毎の処理を容易に行える。
【0326】また、この発明によれば、前述した直流成
分を用いて交流成分を求めるようにしたので、交流成分
の情報量が圧縮できる。
【0327】また、この発明によれば、直流成分を複数
ブロックまとめて変換符号化するので、符号化部におけ
る符号化負荷を大幅に減少させることができる。
【0328】また、この発明の画像出力装置によれば、
人間の視覚特性に基づいて、輝度成分と色成分の解像度
と階調レベルを変えているので、圧縮されたデータであ
るにもかかわらずオリジナルの画像を充分に再現するこ
とができる。
【0329】また、この発明によれば、ブロック毎の
赤,緑,青の色成分を用いて、画像を効率よく再現する
ことができる。
【0330】また、この発明によれば、色空間変換部を
備えているので、異なる色空間によるデータを入力する
場合でも、色空間変換を行って画像を出力することがで
きる。
【0331】また、この発明によれば、符号化されたデ
ータを入力する場合でも、復号化することにより画像を
出力することができる。
【0332】また、この発明によれば、輝度データに対
して1画素の階調領域を割り当てているので、最も解像
度の高い画像を得られる。
【0333】また、この発明によれば、輝度データに対
して2×2画素の領域を割り当てているので、高い解像
度を保ちながら、階調を表示することができる。
【0334】また、この発明によれば、色成分データに
対して4×4画素の領域を割り当てているので、解像度
よりも中間調の表現を重視した画像を得ることができ
る。
【0335】また、この発明によれば、既存の2値化手
法を用いて画像を出力するので、2値を出力できる出力
装置であればこの発明の手法を用いた画像を出力するこ
とができる。
【0336】また、この発明によれば、ディザ法を用い
ているので、異なるサイズのマトリクスを用いて輝度成
分と色成分を表示することができる。
【0337】また、この発明によれば、誤差拡散法を用
いているので、拡散する相手先の数を変えることにより
輝度成分と色成分を表現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の符号化装置及び復号化装置のブロ
ック図である。
【図2】 この発明の入力データを示す図である。
【図3】 この発明の変換部を示すブロック図である。
【図4】 この発明の変換部の出力データを示す図であ
る。
【図5】 この発明の直流成分抽出部の動作を説明する
図である。
【図6】 この発明の直流成分抽出部が抽出した直流成
分を示す図である。
【図7】 この発明の交流成分抽出部の出力データを示
す図である。
【図8】 この発明のブロック単位の色空間変換を示す
図である。
【図9】 この発明のブロック単位の色空間変換を示す
図である。
【図10】 この発明のブロック単位の色空間変換を示
す図である。
【図11】 この発明のブロック単位の色空間変換部の
出力を示す図である。
【図12】 この発明のエレメント単位の色空間変換を
示す図である。
【図13】 この発明のエレメント単位の輝度成分を示
す図である。
【図14】 この発明の符号化部の符号化のブロック単
位を示す図である。
【図15】 この発明の離散コサイン変換の各種アルゴ
リズムの計算回数を示す図である。
【図16】 この発明の量子化テーブルを示す図であ
る。
【図17】 この発明の減衰テーブルを示す図である。
【図18】 この発明の符号化装置の動作を示すフロー
チャート図である。
【図19】 この発明の逆変換部を示すブロック図であ
る。
【図20】 この発明の割り当て部の動作を示す図であ
る。
【図21】 この発明の逆変換部の加算部の動作を示す
図である。
【図22】 この発明の逆変換部における色空間変換の
動作を示す図である。
【図23】 この発明の逆変換部における色空間変換の
動作を示す図である。
【図24】 この発明の逆変換部における色空間変換の
動作を示す図である。
【図25】 この発明の復号化装置の動作を示すフロー
チャート図である。
【図26】 この発明の動画データを示す図である。
【図27】 この発明の静止画を処理する場合のブロッ
ク図である。
【図28】 この発明の動画を処理する場合のブロック
図である。
【図29】 この発明の静止画を処理する場合の入出力
データを示す図である。
【図30】 この発明の動画を処理する場合の入出力デ
ータを示す図である。
【図31】 この発明の動画を処理する場合の変換部を
示すブロック図である。
【図32】 この発明の動画を処理する場合の直流成分
抽出部の動作を説明する図である。
【図33】 この発明の動画を処理する場合の直流成分
抽出部の出力を示す図である。
【図34】 この発明の動画を処理する場合の交流成分
抽出部の出力を示す図である。
【図35】 この発明の動画を処理する場合のブロック
単位の色空間変換を示す図である。
【図36】 この発明の動画を処理する場合のブロック
単位の色空間変換を示す図である。
【図37】 この発明の動画を処理する場合のブロック
単位の色空間変換を示す図である。
【図38】 この発明の動画を処理する場合の色空間変
換部の出力を示す図である。
【図39】 この発明の動画を処理する場合のエレメン
ト単位の色空間変換を示す図である。
【図40】 この発明の動画を処理する場合のエレメン
ト単位の輝度成分の出力を示す図である。
【図41】 この発明の静止画を処理する場合の2次元
離散コサイン変換を示す図である。
【図42】 この発明の動画を処理する場合の3次元離
散コサイン変換を示す図である。
【図43】 この発明の動画を処理する場合の逆変換部
を示すブロック図である。
【図44】 この発明の動画を処理する場合の割り当て
部の動作を示す図である。
【図45】 この発明の動画を処理する場合の加算部の
動作を示す図である。
【図46】 この発明の動画を処理する場合の逆変換部
における色空間変換を示す図である。
【図47】 この発明の動画を処理する場合の逆変換部
における色空間変換を示す図である。
【図48】 この発明の動画を処理する場合の逆変換部
における色空間変換を示す図である。
【図49】 この発明の他の実施例における変換部を示
すブロック図である。
【図50】 この発明の実施例1による方式の評価を行
うソフトウェアのブロック図である。
【図51】 JPEG方式の評価を行うソフトウェアの
ブロック図である。
【図52】 JPEG方式が用いる量子化テーブルを示
す図である。
【図53】 この発明の実施例1による方式とJPEG
による方式の色空間変換のための計算回数を比較する図
である。
【図54】 この発明の実施例1による方式とJPEG
による方式の離散コサイン変換のための計算回数を比較
する図である。
【図55】 この発明の実施例1による方式とJPEG
による方式の量子化のための計算回数を比較する図であ
る。
【図56】 この発明の変換部の他の実施例を示す図で
ある。
【図57】 この発明の変換部の出力データを示す図で
ある。
【図58】 この発明の符号化装置の動作を示すフロー
チャート図である。
【図59】 この発明の変換部の他の構成を示す図であ
る。
【図60】 この発明のネットワークシステムを示す図
である。
【図61】 この発明のネットワーク構成を示すブロッ
ク図である。
【図62】 この発明の画像出力装置を示す図である。
【図63】 この発明の画像出力装置の逆変換部を示す
図である。
【図64】 この発明の第1の階調部を説明する図であ
る。
【図65】 この発明の第2の階調部を説明する図であ
る。
【図66】 この発明の画像出力装置の出力部を説明す
る図である。
【図67】 この発明の第1の階調部を説明する図であ
る。
【図68】 この発明の第1の階調部を説明する図であ
る。
【図69】 この発明の画像出力装置の他の例を示す図
である。
【図70】 この発明の画像出力装置の他の例を示す図
である。
【図71】 この発明の画像出力装置の逆変換部の他の
構成を示す図である。
【図72】 この発明の画像出力装置の第1の階調部が
誤差拡散法を用いる場合を説明する図である。
【図73】 この発明の画像出力装置の第2の階調部が
誤差拡散法を用いる場合を説明する図である。
【図74】 この発明の画像出力装置の第1の階調部が
誤差拡散法を用いる場合を説明する図である。
【図75】 この発明の画像出力装置の第2の階調部が
誤差拡散法を用いる場合を説明する図である。
【図76】 この発明のブロック値と階調番号の関係を
示す図である。
【図77】 この発明の画像出力装置に用いるインクジ
ェットヘッドの説明図である。
【図78】 この発明の画像出力装置に用いるインクジ
ェットヘッドのインク噴射単位を示す図である。
【図79】 この発明の画像出力装置に用いるインクジ
ェットヘッドを使用した時の記録原理説明図である。
【図80】 この発明の画像出力装置に用いる多階調カ
ラー記録用インクジェットヘッドを示す図である。
【図81】 この発明の256階調を表示するためのマ
トリクスを示す図である。
【図82】 この発明の256階調を表示するためのサ
イズが減少したマトリクスを示す図である。
【図83】 従来から報告されている画像の見易さを決
定する要因を示す図である。
【図84】 従来から報告されている視覚の空間周波数
特性を示す図である。
【図85】 従来から報告されている視覚の時空間周波
数特性を示す図である。
【図86】 従来の各種の符号化方式を示す図である。
【図87】 従来の動画を処理する符号化装置を示す図
である。
【図88】 従来のコンポーネント画像信号の符号化方
式の一例を示す図である。
【図89】 従来のコンポーネント画像信号の符号化方
式の一例を示す図である。
【図90】 従来のコンポーネント画像信号の符号化方
式の一例を示す図である。
【図91】 従来の符号化方式の各種パラメータを示す
図である。
【図92】 従来のHDTV方式の各種パラメータを示
す図である。
【図93】 従来のコンポーネント画像信号の信号処理
ブロックを示す図である。
【図94】 従来の「4:2:2符号化方式」のデータ
構成を示す図である。
【図95】 従来の「4:2:0符号化方式」によるデ
ータ構成を示す図である。
【図96】 従来の離散コサイン変換のブロック単位を
示す図である。
【図97】 従来の離散コサイン変換のブロック単位を
示す図である。
【図98】 従来の動画を処理する符号化装置を示す図
である。
【図99】 従来の3次元直交変換を用いた符号化装置
を示す図である。
【図100】 従来の輝度成分のサブバンド分割を示す
図である。
【図101】 従来の色差成分のサブバンド分割を示す
図である。
【図102】 従来の2値化手法を示す図である。
【図103】 従来のディザ法を用いた階調表現を示す
図である。
【図104】 従来の直接濃度法を用いた場合の階調表
現を示す図である。
【図105】 従来の階調表示を行うための印画装置を
示す図である。
【図106】 従来の擬似階調法を用いて多階調化する
場合を示す図である。
【符号の説明】
100 変換部、110 エレメント成分変換部、11
2 交流成分抽出部、114 色空間変換部、120
ブロック成分変換部、122 直流成分抽出部、124
色空間変換部、200 符号化部、300 量子化
部、400 エントロピー符号化部、500 エントロ
ピー復号化部、600 逆量子化部、700 復号化
部、800 逆変換部、810 割り当て部、820
加算部、830 色空間変換部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 文雄 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 小泉 寿男 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (46)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の要素を有する画像符号化装置
    (a)複数のエレメントから構成される画像を入力する
    入力部、(b)上記エレメントを処理単位とするエレメ
    ント毎の輝度成分データを抽出するとともに、所定数の
    隣接するエレメントからブロックを構成し、上記ブロッ
    クを処理単位とするブロック毎の輝度成分データと色差
    成分データを抽出する変換部、(c)上記変換部により
    抽出されたエレメント毎の輝度成分データとブロック毎
    の輝度成分データと色差成分データを入力し、符号化し
    て出力する符号化部、(d)上記符号化部により出力さ
    れた符号データを量子化する量子化部、(e)上記量子
    化部により量子化されたデータを出力する出力部。
  2. 【請求項2】 上記入力部は、各エレメントに対して
    赤,緑,青の色成分を入力し、上記変換部は、上記赤,
    緑,青の色成分をブロック毎にまとめてブロック毎の色
    空間変換を行い、ブロック毎の輝度成分と色差成分を求
    めるブロック成分変換部と、上記赤,緑,青の色成分を
    用いてエレメント毎の色空間変換を行い、エレメント毎
    の輝度成分を求めるエレメント成分変換部を備えたこと
    を特徴とする請求項1記載の画像符号化装置。
  3. 【請求項3】 上記ブロック成分変換部は、各ブロック
    毎に、赤,緑,青の各色成分の基底周波数を求め、各成
    分の基底周波数をブロック毎の直流成分とする直流成分
    抽出部を備えたことを特徴とする請求項2記載の画像符
    号化装置。
  4. 【請求項4】 上記エレメント成分変換部は、エレメン
    ト毎に、各エレメントの各色成分の値と、そのエレメン
    トが属するブロックに対して上記直流成分抽出部により
    抽出されたブロック毎の各直流成分の値との差を求め、
    求めた差をエレメント毎の交流成分とする交流成分抽出
    部を備えたことを特徴とする請求項3記載の画像符号化
    装置。
  5. 【請求項5】 上記符号化部は、上記直流成分抽出部か
    ら出力されたブロック毎の輝度成分と色差成分を複数ブ
    ロックまとめて変換符号化するとともに、上記交流成分
    抽出部から出力されたエレメント毎の輝度成分を複数エ
    レメントまとめて変換符号化することを特徴とする請求
    項2記載の画像符号化装置。
  6. 【請求項6】 上記エレメントは、画像を構成する画素
    であることを特徴とする請求項5記載の画像符号化装
    置。
  7. 【請求項7】 上記画像は、静止画であり、上記ブロッ
    クは、2次元ブロックであることを特徴とする請求項6
    記載の画像符号化装置。
  8. 【請求項8】 上記画像は、上記静止画を時間軸に連続
    させた動画であり、上記ブロックは、時間軸を持つ3次
    元ブロックであることを特徴とする請求項6記載の画像
    符号化装置。
  9. 【請求項9】 上記ブロックは、2a ×2b ×2c (a
    とbとcは0以上の整数)の画素から構成されたことを
    特徴とする請求項7又は8記載の画像符号化装置。
  10. 【請求項10】 上記ブロックは、4×4×2c (cは
    0と2のいずれかの値)の画素から構成されたことを特
    徴とする請求項9記載の画像符号化装置。
  11. 【請求項11】 上記符号化部は、直交変換を用いてい
    ることを特徴とする請求項9記載の画像符号化装置。
  12. 【請求項12】 上記符号化部は、離散コサイン変換を
    用いていることを特徴とする請求項11記載の画像符号
    化装置。
  13. 【請求項13】 上記符号化部は、2d ×2e ×2
    f (cとdとfは0以上の整数)のブロックをまとめて
    変換符号化することを特徴とする請求項12記載の画像
    符号化装置。
  14. 【請求項14】 上記符号化部は、4×4×2f (fは
    0と2のいずれかの値)のブロックを変換符号化するこ
    とを特徴とする請求項13記載の画像符号化装置。
  15. 【請求項15】 上記量子化部は、人間の視覚特性に基
    づいて求めた量子化テーブルを備えたことを特徴とする
    請求項13記載の画像符号化装置。
  16. 【請求項16】 上記量子化部は、量子化するデータの
    値を減衰させる減衰テーブルを備えたことを特徴とする
    請求項15記載の画像符号化装置。
  17. 【請求項17】 以下の要素を有する画像復号化装置 (a)複数のエレメントから構成される画像のエレメン
    ト毎に抽出したエレメント毎の輝度成分データと、所定
    数の複数のエレメントからなるブロック毎に抽出したブ
    ロック毎の輝度成分データと色差成分データを入力する
    入力部、(b)上記入力部により入力されたエレメント
    毎の輝度成分データと、上記ブロック毎の輝度成分デー
    タと色差成分データを用いて、エレメント毎の色空間変
    換を行い、エレメント毎の赤,緑,青の色成分を出力す
    る逆変換部。
  18. 【請求項18】 上記逆変換部は、上記エレメント毎の
    輝度成分データにブロック毎の輝度成分データを加算し
    て新たなエレメント毎の輝度成分データとする輝度成分
    の加算部を備えたことを特徴とする請求項17記載の画
    像復号化装置。
  19. 【請求項19】 上記逆変換部は、上記ブロック毎の輝
    度成分データと色成分データをそのブロックに含まれる
    各エレメント毎の輝度成分データと色差成分データに割
    り当てる割り当て部を備えたことを特徴とする請求項1
    8記載の画像復号化装置。
  20. 【請求項20】 画像を輝度成分と色差成分を用いた色
    空間により表現する画像処理装置において、画像を、第
    1の解像度による第1の輝度成分データと、第1の解像
    度よりも低い解像度を持つ第2の解像度による第2の輝
    度成分データと、第2の解像度による色差成分データに
    より表現することを特徴とする画像処理装置。
  21. 【請求項21】 上記画像は、2次元配列された画素に
    より構成された静止画像であり、第1の解像度は画素数
    により決定され、第2の解像度は少なくとも上記2次元
    のいずれかの次元において、第1の解像度の1/3〜1
    /5倍であることを特徴とする請求項20記載の画像処
    理装置。
  22. 【請求項22】 上記第2の解像度は、第1の解像度の
    1/4倍であることを特徴とする請求項21記載の画像
    処理装置。
  23. 【請求項23】 上記画像は、時間軸を3次元目とする
    動画像であり、3次元目においても上記第2解像度は第
    1の解像度の1/3〜1/5倍であることを特徴とする
    請求項20記載の画像処理装置。
  24. 【請求項24】 上記画像処理装置は、画像を入力する
    画像入力装置、画像を表示する画像表示装置、画像を蓄
    積する画像蓄積装置、画像を印刷する画像印刷装置、画
    像を伝送する画像伝送装置、画像を出力する画像出力装
    置、画像を符号化する画像符号化装置、画像を復号化す
    る画像復号化装置のいずれかであることを特徴とする請
    求項20記載の画像処理装置。
  25. 【請求項25】 以下の工程を有する画像符号化方法 (a)第1の解像度を持ち、RGB色空間で表された色
    成分を入力する入力工程、(b)上記RGB色空間で表
    された色成分を上記第1の解像度を持ったYUV色空間
    の輝度成分に変換する第1の変換工程、(c)上記RG
    B色空間で表された色成分を上記第1の解像度よりも低
    い解像度を持った第2の解像度で、YUV色空間の輝度
    成分と色差成分に変換する第2の変換工程、(d)上記
    第1の解像度を持った輝度成分と第2の解像度を持った
    輝度成分と、色差成分を出力する出力工程。
  26. 【請求項26】 上記第2の変換工程は、更に、上記R
    GB色空間で表された色成分から第2の解像度のRGB
    色空間の色成分を算出する工程と、第2の解像度のRG
    B色空間の色成分をYUV色空間の輝度成分と色差成分
    に変換する工程とを備え、上記第1の変換工程は、第1
    の解像度を持つRGB色空間で表された色成分と第2の
    解像度のRGB色空間の色成分との差を算出する工程
    と、算出した差をYUV色空間の輝度成分に変換する工
    程とを備えたことを特徴とする請求項25記載の画像符
    号化方法。
  27. 【請求項27】 上記画像符号化方法は、更に、出力工
    程により出力された第1の輝度成分をn×m(n,mは
    正の整数)を単位として変換符号化する工程と、出力工
    程により出力された第2の輝度成分と色差成分をnN×
    mM(N,Mは正の整数)を単位として変換符号化する
    工程を備えたことを特徴とする請求項25記載の画像符
    号化方法。
  28. 【請求項28】 上記画像符号化方法は、更に、変換符
    号化された符号を人間の視覚特性に基づいて求めた量子
    化テーブルを用いて量子化する工程を備えたことを特徴
    とする請求項27記載の画像符号化方法。
  29. 【請求項29】 上記画像符号化方法は、更に、変換符
    号化された符号を減衰させる工程を備えたことを特徴と
    する請求項27記載の画像符号化方法。
  30. 【請求項30】 以下の工程を有する画像復号化方法 (a)YUV色空間で表された第1の解像度を持った第
    1の輝度成分と、第1の解像度よりも低い第2の解像度
    を持った第2の輝度成分と、第2の解像度を持った色差
    成分を入力する入力工程、(b)上記第1の解像度を持
    った第1の輝度成分と、第2の解像度を持った第2の輝
    度成分と色差成分を第1の解像度を持ったRGB色空間
    の色差成分に逆変換する逆変換工程。
  31. 【請求項31】 上記逆変換工程は、第1の解像度を持
    った第1の輝度成分と第2の解像度を持った第2の輝度
    成分を加算して新たな第1の解像度を持った輝度成分を
    生成する工程を備えたことを特徴とする請求項30記載
    の画像復号化方法。
  32. 【請求項32】 以下の要素を有する画像符号化装置 (a)複数のエレメントから構成される画像を入力する
    入力部、(b)上記エレメントを処理単位とするエレメ
    ント毎の輝度成分データを抽出するとともに、所定数の
    隣接するエレメントからブロックを構成し、上記ブロッ
    クを処理単位とするブロック毎の色成分を抽出する変換
    部、(c)上記変換部により抽出されたエレメント毎の
    輝度成分データとブロック毎の色成分データを入力し、
    符号化して出力する符号化部、(d)上記符号化部によ
    り出力された符号データを量子化する量子化部、(e)
    上記量子化部により量子化されたデータを出力する出力
    部。
  33. 【請求項33】 上記入力部は、各エレメントに対して
    赤,緑,青の色成分を入力し、上記変換部は、上記赤,
    緑,青の色成分をブロック毎にまとめてブロック毎の色
    成分を求めるブロック成分変換部と、上記赤,緑,青の
    色成分を用いてエレメント毎の色空間変換を行い、エレ
    メント毎の輝度成分を求めるエレメント成分変換部を備
    えたことを特徴とする請求項32記載の画像符号化装
    置。
  34. 【請求項34】 上記ブロック成分変換部は、各ブロッ
    ク毎に、赤,緑,青の各成分の基底周波数を求め、各成
    分の基底周波数をブロック毎の直流成分とする直流成分
    抽出部を備えたことを特徴とする請求項33記載の画像
    符号化装置。
  35. 【請求項35】 上記エレメント成分変換部は、エレメ
    ント毎に、各エレメントの各色成分の値と、そのエレメ
    ントが属するブロックに対して上記直流成分抽出部によ
    り抽出されたブロック毎の各直流成分の値との差を求
    め、求めた差をエレメント毎の交流成分とする交流成分
    抽出部を備えたことを特徴とする請求項34記載の画像
    符号化装置。
  36. 【請求項36】 上記符号化部は、上記直流成分抽出部
    から出力されたブロック毎の色成分を複数ブロックまと
    めて変換符号化するとともに、上記交流成分抽出部から
    出力されたエレメント毎の輝度成分を複数エレメントま
    とめて変換符号化することを特徴とする請求項33記載
    の画像符号化装置。
  37. 【請求項37】 以下の要素を有する画像出力装置 (a)複数のエレメントから構成される画像の画像信号
    を入力し、輝度成分データと、色成分データを供給する
    入力部、(b)上記輝度成分データに対して所定のエレ
    メント数からなる第1の階調領域を用いて階調を表す第
    1の階調部、(c)上記色成分データに対して、上記第
    1の階調領域より多くのエレメント数からなる第2の階
    調領域を用いて階調を表す第2の階調部、(d)上記第
    1と第2の階調手段により表された階調を用いて画像を
    出力する出力部。
  38. 【請求項38】 上記輝度成分データは、エレメント毎
    の輝度成分であり、上記色成分データは、複数エレメン
    トから構成されたブロック毎の赤,緑,青の色成分であ
    ることを特徴とする請求項37記載の画像出力装置。
  39. 【請求項39】 上記入力部は、ブロック毎の輝度成分
    と色差成分を入力し、ブロック毎の輝度成分と色差成分
    をブロック毎の赤,緑,青の色成分に変換する色空間変
    換部を備えていることを特徴とする請求項38記載の画
    像出力装置。
  40. 【請求項40】 上記画像信号は、符号化されたデータ
    であり、上記入力部は符号化された画像信号を復号化す
    る復号化部を備えたことを特徴とする請求項37記載の
    画像出力装置。
  41. 【請求項41】 上記第1の階調部は、輝度成分データ
    に対して1画素を第1の階調領域として割り当てること
    を特徴とする請求項37記載の画像出力装置。
  42. 【請求項42】 上記第1の階調部は、輝度成分データ
    に対して2×2画素を第1の階調領域として割り当てる
    ことを特徴とする請求項37記載の画像出力装置。
  43. 【請求項43】 上記第2の階調部は、色成分データに
    対して4×4画素を第2の階調領域として割り当てるこ
    とを特徴とする請求項41又は42記載の画像出力装
    置。
  44. 【請求項44】 上記第1と第2の階調部は、階調を再
    現するための2値化手法を用いて階調を表していること
    を特徴とする請求項37記載の画像出力装置。
  45. 【請求項45】 上記2値化手法は、濃度パターン法又
    はディザ法であることを特徴とする請求項44記載の画
    像出力装置。
  46. 【請求項46】 上記2値化手法は、誤差拡散法である
    ことを特徴とする請求項44記載の画像出力装置。
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