JPH08335513A - リニアアクチュエータ - Google Patents

リニアアクチュエータ

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JPH08335513A
JPH08335513A JP13931795A JP13931795A JPH08335513A JP H08335513 A JPH08335513 A JP H08335513A JP 13931795 A JP13931795 A JP 13931795A JP 13931795 A JP13931795 A JP 13931795A JP H08335513 A JPH08335513 A JP H08335513A
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coil
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rod
linear actuator
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敏靖 田倉
Tsuneaki Okada
恒明 岡田
Daiki Ebihara
大樹 海老原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、振動および騒音を低減できるととも
に、高速での往復駆動にも適するリニアアクチュエータ
を得ることにある。 【構成】互いに離間して配置された一対の板ばね(第1
弾性体)6と、これらのばね6の近くに夫々配置された
一対の板ばね(第2弾性体)7と、筒状をなすパイプボ
ビン12の外周部にコイル13を交互に巻き方向を変えて間
隔的に巻いて形成されるとともに、その軸方向両端部を
板ばね6に個別に接続して軸方向に移動自在に設けられ
たアーマチュア11と、軸方向に沿ってN極とS極とを交
互に有する棒状をなし、その軸方向両端部を板ばね7に
個別に接続してアーマチュア11の空芯部に軸方向に移動
自在に収納された界磁ロッド17とを具備する。それによ
り、コイル13への通電時にアーマチュア11と界磁ロッ
ド17とを互いに逆方向に往復移動させて、これらの質量
をカウンタバランスさせたことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、直線往復運動の駆動源
として用いられるリニアアクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】リニアアクチュータにはプランジャ形ソ
レノイドが一般的に多用されている。このソレノイド
は、固定鉄心にコイルを取付けたコイル組立の中に、前
記コイルへの通電に伴い電磁力で吸引される可動鉄心を
設けて形成され、可動鉄心にはその復動のためにばねが
接続されている。したがって、コイルに電流を流すと可
動鉄心が吸引されて往動し、電流を切るとばねの力で可
動鉄心が復動され、こうした直線往復運動で可動鉄心に
接続された可動体を押し引きできるものである。
【0003】また、この他に、プランジャ形ソレノイド
において、そのコイルに流される電流方向を切り換える
ことにより、電磁吸引力の方向を反転させてばねを用い
ることなく可動鉄心を復動させる復動式のプランジャ形
ソレノイドも知られている。さらに、リニアモータもリ
ニアアクチュータとして使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のいずれ
のリニアアクチュエータにおいても、直線往復運動され
る可動体、つまり、プランジャ形ソレノイドの場合には
可動鉄心、リニアモータの場合には可動子の往復移動の
繰り返しに伴う振動対策が講じられていないから、高速
で往復駆動をする場合には、振動が極めて大きくなると
いう問題があるとともに、この振動に伴って、当然に騒
音も大きくなるという問題もある。
【0005】しかも、こうした事情から、特に、可動体
の往復動のストロークが数mm以下と小さい場合には、
前記振動が影響して所定のストロークを確保することが
できなくなる。したがって、従来のリニアアクチュエー
タは、高速でショートストロークの直線往復運動を必要
とする用途には適していないという問題がある。
【0006】また、従来のリニアアクチュエータは、コ
イルへの通電により発生する電磁力またはばねの力のみ
で可動体を直線往復運動させているので、供給した電流
量に比例した駆動力しか得ることができず、そのため、
駆動を高速にする程、大きな消費電力が必要であるとい
う問題がある。
【0007】本発明の第1の目的は、振動および騒音を
低減できるとともに、高速での往復駆動にも適するリニ
アアクチュエータを得ることにある。
【0008】また、本発明の第2の目的は、前記第1の
目的を達成するに当たり、必要な消費電力を小さくでき
るリニアアクチュエータを得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るために、請求項1に係る発明は、筒状をなすパイプボ
ビンにコイルを交互に巻き方向を変えて間隔的に巻いて
形成されたアーマチュアと、このアーマチュアに接続さ
れて前記アーマチュアを軸方向に移動自在に支持した一
対の第1弾性体と、軸方向に沿ってN極とS極とを交互
に有する棒状をなし、前記アーマチュアの空芯部に軸方
向に移動自在に収納された界磁ロッドと、このロッドの
軸方向両端部に個別に接続して設けられ前記界磁ロッド
をその軸方向に移動自在に支持した一対の第2弾性体と
を具備したものである。
【0010】また、前記第2の目的を達成するために、
請求項2に係る発明は、前記請求項1において、所定周
波数で前記コイルに投入される駆動電流により振動され
る前記アーマチュアの振動系の固有振動数と前記界磁ロ
ッドの振動系の固有振動数とを近似させるとともに、こ
れら固有振動数の周波数に前記駆動電流の周波数を近似
させたものである。
【0011】
【作用】請求項1に係る発明の構成において、一対の第
1弾性体は、筒状のアーマチュアを支持してこのアーマ
チュアを定位置に保持し、この定位置からアーマチュア
が軸方向に移動された時に弾性変形し、その復元力で前
記定位置にアーマチュアを復動させる。一対の第2弾性
体は、界磁ロッドの軸方向両端部を受けてこのロッドを
定位置に保持し、この定位置から界磁ロッドが軸方向に
移動された時に弾性変形し、その復元力で前記定位置に
界磁ロッドを復動させる。
【0012】界磁ロッドはその周囲に互いに隣接したN
極からS極へと磁力線が至る磁界を形成し、そして、こ
の磁界中にはアーマチュアのコイルが置かれている。そ
のため、コイルに電流を流した時にはコイルにフレミン
グの左手の法則による力が働くとともに、コイルに流す
電流の方向を切り換えると、前記力の方向は逆となる。
【0013】前記アーマチュアおよび界磁ロッドはいず
れも軸方向に移動自在に支持されているから、コイルに
電流を流すことに伴いアーマチュアが第1弾性体の弾性
力に抗して軸方向に沿い一方向に移動されると、その反
作用により同時に界磁ロッドが第2弾性体の弾性力に抗
して軸方向に沿い反対方向に移動される。そして、コイ
ルに供給した電流を切る、或いは電流の流れ方向を逆に
すると、第1、第2の弾性体の弾性力により、アーマチ
ュアおよび界磁ロッドが同時に互いに逆方向に軸方向に
沿い移動される。
【0014】こうしてアーマチュアおよび界磁ロッドを
同時に互いに逆方向に直線往復運動させることができる
とともに、それに伴うカウンタ作用で、負荷を含めたア
ーマチュアまたは界磁ロッドと、界磁ロッドおよびアー
マチュアとの慣性質量に基づく衝撃を減少ないしは相殺
する。
【0015】また、請求項2に係る発明の構成において
は、アーマチュアの振動系と界磁ロッドの振動系の固有
振動数とが略等しく、それに近似した周波数の電流で駆
動するから、アーマチュアの振動と界磁ロッドの振動と
を共振させ、それによる大きな振幅を得て、アーマチュ
アおよび界磁ロッドを直線往復運動させる。
【0016】
【実施例】以下、図1〜図3を参照して本発明の第1実
施例を説明する。図1〜図3中1は平面形状が例えば長
方形をなす基台であり、その四隅上面には夫々ばねホル
ダ支え2が設けられている。これら支え2は、例えばコ
の字形に成形されて基台1に固定された支持体3内にス
ポンジ状ゴム等のようにばね定数が小さい弾性材4を収
納してなる。
【0017】各ホルダ支え2には、これより起立する角
柱状のばねホルダ5が夫々支持されている。これらばね
ホルダ5の下部は弾性材4内に埋め込まれるように設け
られている。弾性材4はばねホルダ5の下面およびばね
取付け面5a、5bの下部を覆っており、したがって、
ばねホルダ5と支持体3とは非接触となっている。ばね
取付け面5a、5bは後述のアーマチュアおよび界磁ロ
ッドの振動方向の面である。
【0018】基台1の長手方向一端部に配置された一対
のばねホルダ5には、これらの上部に渡って第1の弾性
体としての板ばね6と第2の弾性体としての板ばね7と
が夫々取付けられている。同様に、基台1の長手方向他
端部に配置された他の一対のばねホルダ5にも、これら
の上部に渡って第1の弾性体としての板ばね6と第2の
弾性体としての板ばね7とが夫々取付けられている。
【0019】一対の第1の板ばね6は、ばね取付け面5
aに固定されていて、基台1の長手方向に互いに離間
し、かつ、相対向して配置されている。一対の第2の板
ばね7は、ばね取付け面5bに固定されていて、基台1
の長手方向に互いに離間し、かつ、第1板ばね6に個別
に対向してその近くに配置されている。
【0020】なお、各図中8は第2板ばね7に重なるば
ね押さえ、9は中心部にねじ孔を有して第1板ばね6に
重なるナット状のばね押さえ、10は、ばね押さえ8
と、第2板ばね7と、ばねホルダ5と、第1板ばね6と
を、この記載順に挿通してばね押さえ9に螺合したねじ
であり、これらの固定部品を介して両板ばね6、7がば
ねホルダ5に固定されている。
【0021】一対の第1板ばね6はアーマチュア11の
軸方向両端部に個別に接続されている。それにより、ア
ーマチュア11は、基台1の長手方向に延びて配置さ
れ、かつ、第1板ばね6の弾性変形を伴って軸方向に移
動自在に設けられている。図1および図2に示されるよ
うにアーマチュア11は、合成樹脂の成形体からなる筒
状のパイプボビン12と、コイル13とを備えて形成さ
れている。パイプボビン12は円筒体の外周部にその軸
方向に沿って一定間隔ごとにコイル13を位置決めする
ために複数のコイル巻き付け溝12a〜12dを設けて
なる。これらの溝12a〜12dは同じ大きさである。
このボビン12は、その軸方向両端部に夫々形成された
雄ねじ凸部12eを一対の第1板ばね6の中央部に夫々
挿通させるとともに、その挿通状態の雄ねじ凸部12e
にナット14を螺合して締め付けることにより、第1板
ばね6に連結されている。
【0022】コイル13は、第1〜第4のコイル巻き付
け溝部12a〜12dに交互に巻き方向を変えてトロイ
ダル状に同量密巻されている。したがって、本実施例で
は一つ置きのコイル巻き付け溝部12a、12cに巻き
付けられたコイル部13a、13cは同じ巻方向であ
り、他の一つ置きのコイル巻き付け溝部12b、12d
に巻き付けられたコイル部13b、13dは、前記コイ
ル部13a、13cとは逆方向に巻かれている。各コイ
ル部13a〜13dは1層に巻いてあるが、これは多層
にも重ね巻きしてもよい。
【0023】各コイル部13a〜13dは1本のコイル
を連続して巻いても、或いは各コイル巻き付け溝部12
a〜12dごとに別々のコイルを巻いてもよいが、各コ
イル部13a〜13dに対して同時に通電と断電がされ
るようになっている。本実施例では1本のコイルで各コ
イル部13a〜13dを形成した例であり、このコイル
13には図2に示される加振制御手段15を介して交流
電源16の交流が与えられる。加振制御手段15は例え
ば交流電源16の交流電圧を安定化して、それを外部か
らの制御指令に基づき、指令内容にしたがって交流電流
をコイル13に与えるようになっている。
【0024】アーマチュア11の空芯部(ハイプボビン
12の内側空間)には界磁ロッド17が収納されてい
る。このロッド17はアーマチュア11を軸方向に貫通
し、その軸方向両端部を前記一対の第2板ばね7に個別
に接続して支持されている。板ばね7への連結は各図に
示されるように界磁ロッド17の端面とばね押さえ18
との間に第2板ばね7を挟み、ばね押さえ18および第
2板ばね7を通るねじ19をを界磁ロッド17の端部に
ねじ込んで締めることによりなされている。したがっ
て、界磁ロッド17は、アーマチュア11と同軸的に基
台1の長手方向に延びて配置され、かつ、第2板ばね7
の弾性変形を伴って軸方向に移動自在に設けられてい
る。
【0025】界磁ロッド17は、その軸方向に沿ってN
極とS極とを交互に有して丸い棒状をなしていて、その
外周面とパイプボビン12との間には僅かなエアーギャ
ップが設けられている。界磁ロッド17の磁極ピッチは
コイル部13a〜13dの配設ピッチに等しく、かつ、
界磁ロッド17の磁極の境界(図2に符号17aで示
す。)は、夫々コイル部13a〜13dの幅内におい
て、特に、好ましくは幅内中央位置に配置されるように
設けられている。
【0026】本実施例の界磁ロッド17は、前記磁極ピ
ッチに略等しい長さの円柱体をその軸方向に着磁したロ
ッドピースを、その同極同志間に非磁性板を挟んで棒状
に連ねてなり、前記非磁性板は磁極境界17aを形成し
ている。なお、前記ロッドピースは、MnーAl系の永
久磁石であって、その外径寸法は例えば20mmであるとと
もに、前記磁極ピッチは例えば40mmである。
【0027】前記アーマチュア11と界磁ロッド17と
の内の少なくとも一方、例えばアーマチュア11には図
示しない負荷が連結される。そして、負荷を含めたアー
マチュア11の質量(重量)と棒状の界磁ロッド17の
質量とは同様に設定されている。さらに、前記各質量を
個別に支える板ばね6、7のばね定数と、それらが支持
する質量により定まる固有振動数は、アーマチュア11
側と界磁ロッド17側とで同様都なるように定められて
いる。ここに、同様とは同一である場合、および近似し
た場合とを包含するものである。
【0028】なお、アーマチュア11側の振動系と界磁
ロッド17側の振動系の固有振動数は次の式により求め
られる。
【0029】f=[(k/m)1/2]/2π ここに、fは振動系の固有振動数、kは板ばね6または
7のばね定数、mは負荷の質量を含めたアーマチュア1
1または界磁ロッド17の質量である。
【0030】しかも、以上のように同様に設定された両
振動系の固有振動数に対して、前記コイル13に投入さ
れる駆動電流の周波数も同一もしくは近似するように定
められている。こうした駆動電流の周波数は、前記加振
制御手段15が備える図示しない加振周波数制御回路に
より定められ、本実施例では例えば 100Hz(これに代
えて 200Hzでもよい。)の高い周波数としてある。
【0031】前記構成のリニアアクチュエータは、1mm
のショートストロークで負荷を高速で、かつ、高い応答
性をもって直線往復運動させることができ、その動作に
ついて次ぎに説明する。
【0032】コイル13が通電されていない状態では、
左右一対の第1板ばね6が自由状態等互いに平衡状態を
保持した位置、すなわち、定位置にアーマチュア11が
支持されているとともに、同様に、左右一対の第2板ば
ね7が自由状態等互いに平衡状態を保持した定位置に界
磁ロッド17が支持されている。
【0033】この非通電状態では図2に示されるよう各
コイル部13a〜13dの幅方向中央位置に界磁ロッド
17の磁極境界17aが夫々対応しているから、界磁ロ
ッド17のN極から流れ出る磁束は、N極に対応する第
2コイル部13bと、第4コイル部13dとを通り、界
磁ロッド17のS極に流れ込む磁束は、S極に対応する
第1コイル部13aと第3コイル部13cとを通ってい
る。
【0034】そして、加振制御手段15により 100Hz
の高い周波数でコイル13に交番電流が流されると、そ
のコイル部13a〜13dにはフレミングの左手の法則
による力が働く。各コイル部13a〜13dに働く推力
(加振力)は、その巻き方向が交互に逆となっているた
め、いずれも同方向となり、図2中にシンボルで示され
る電流方向の場合においては、図2中矢印Aに示す左方
向の推力がコイル13に与えられる。そして、交流の半
サイクルごとの電流方向の切り替わりに伴い、コイル1
3に与えられる推力の方向は 180゜逆向きとなる。
【0035】ところで、同軸的に配置されたアーマチュ
ア11および界磁ロッド17はいずれも軸方向に移動自
在に弾性的に支持されているから、前記のようにコイル
13に 100Hzの交流電流が流されることに伴い、発生
する推力を受けるコイル13を備えたアーマチュア11
が一対の第1板ばね6を撓ませながら軸方向に沿い一方
向(例えば図2中矢印A方向)に移動されると、その反
作用により同時に界磁ロッド17が第2板ばね7を撓ま
せながら軸方向に沿い前記矢印Aと反対の矢印B方向に
移動される。そして、コイル13に供給した電流を切
る、或いは電流の流れ方向を逆にすると、第1、第2の
板ばね6、7のばね力により、アーマチュア11および
界磁ロッド17は前記定位置に向けて同時に互いに逆方
向に軸方向に沿い移動される。
【0036】以上のようにしてアーマチュア11および
界磁ロッド17を同時に直線往復運動させることがで
き、それにより、同時に 100Hzの高速でアーマチュア
11に連結された負荷を直線往復運動させることができ
る。なお、この運動においてアーマチュア11および界
磁ロッド17は摺動部分がないから、円滑に動作でき
る。
【0037】こうして同時に動作されるアーマチュア1
1と界磁ロッド17とは互いに逆方向に移動されるた
め、カウンタ作用を得ることができ、それにより、アー
マチュア11および界磁ロッド17の慣性質量に基づく
衝撃を減少できる。
【0038】特に、本実施例の場合には、負荷を考慮し
たアーマチュア11と界磁ロッド17の重量を略同じと
したから、これらの動作時に作用する力の大きさが等し
く、その方向が反対であるため、カウンタバランス作用
を得られるので、前記衝撃を相殺できる。
【0039】そのため、高速で負荷を駆動できるにも拘
らず、このアクチェータの振動を極めて少なくできると
ともに、それに伴い騒音も少なくできる。したがって、
ストロークが1mm程度と短いにも拘らず、それへの振動
の影響も無視できる程度に少なくできる。
【0040】また、基台1には振動発生部であるアーマ
チュア11および界磁ロッド17の振動が直接現れるこ
とは殆どがないが、板ばね6、7が固定されたばねホル
ダ5には、低周波(駆動周波数に比べて数倍から数十倍
低い周波数をもつ。)の振幅が小さいゆらぎ振動が与え
られ、それが基台1に波及するおそれがある。こうした
低振動が基台1に波及される場合には、それが基台1に
つながった部品に伝わって騒音発生の原因となる。
【0041】しかし、本実施例では、アーマチュア11
と界磁ロッド17とが接続された板ばね6、7のばねホ
ルダ5を、ばねホルダ支え2の弾性体4により基台1に
対して振動絶縁して設けている。そのため、ばね定数が
小さい弾性体4で、高周波振動源であるアーマチュア1
1および界磁ロッド17側から基台1に伝わろうとする
振動を絶縁し減衰でき、それにより、基台1に低い振動
が伝わることを確実に防止できる。
【0042】したがって、前記構成のリニアアクチュエ
ータは、基台1等の支持部に振動が伝搬されることがな
く、負荷を高速かつショートストロークで往復直線運動
させることができるとともに、その際の振動および騒音
を著しく低減できるものである。
【0043】また、このリニアアクチュエータは、負荷
を含めたアーマチュア11の振動系と界磁ロッド17の
振動系の固有振動数とが略等しく、かつ、これらの振動
数に近似した周波数の電流で駆動する構成であるから、
アーマチュア11の振動と界磁ロッド17の振動とを共
振させることができる。
【0044】そのため、小さな加振力により、アーマチ
ュア11および界磁ロッド17を大きな振幅で直線往復
運動させることができる。そして、このように共振エネ
ルギーを利用して振動を増幅させるので、コイル13に
流す電流量を少なくでき、したがって、消費電力を少な
くすることができる。ちなみに、既述の諸元によるリニ
アアクチュエータでは5W程度の僅かな消費電力で駆動
することができた。
【0045】また、本実施例では、アーマチュア11お
よび界磁ロッド17を軸方向に移動可能に支持する第
1、第2の弾性体にいずれも板ばねを採用している。板
ばねはコイルばねなどに比較してばね定数のばらつきが
少ないので、リニアアクチュエータの動作特性のばらつ
きを少なくでき、その品質を高めるのに有効であるとと
もに、アーマチュア11および界磁ロッド17への連結
やばねホルダ5への連結も、簡単な構造で容易に行うこ
とができる。
【0046】さらに、本実施例では、アーマチュア11
のコイル13をパイプボビン12の外周部に巻き付けた
から、各コイル部13a〜13dを容易に巻き付けるこ
とができる。しかし、本発明において、コイル13は、
インサート成形によりパイプボビン12の内部に埋め込
まれるように設けることもできる。
【0047】図4および図5は本発明の第2実施例を示
している。この第2実施例は、界磁ロッドの構成のみが
前記第1実施例とは異なり、それ以外の構成は図4およ
び図5に図示されない部分を含めて図1〜図3に示され
た前記第1実施例のリニアアクチュエータと同じ構成で
あるので、図示されない構成については図1〜図3をも
って代用するとともに、図示される同一ないしは同様な
構成部分には第1実施例と同一の符号を付して、それら
の構成の説明およびそれに基づく作用効果の説明につい
ては省略するが、これら同一ないしは同様な構成部分に
ついても第2実施例に係るリニアアクチュエータの構成
の一部をなすものである。
【0048】この第2実施例のリニアアクチュエータが
備える界磁ロッド17は、着磁可能な材質により一体成
形された1本の丸棒等棒状体に対して、その周囲に嵌合
するようにして配設されるコイル状着磁ヨーク(図示し
ない)により着磁して、S極とN極とを一定ピッチで設
けてなる一体構造物である。なお、この点以外の構成は
前記第1実施例と同じである。
【0049】この第2実施例の構成においても、前記第
1実施例と同様な作用を得て、本発明の所期の目的を達
成できる。
【0050】しかも、前記構成の界磁ロッド17を備え
ることにより、このロッド17の製造が容易である。な
お、前記第1実施例のように着磁された複数のロッドピ
ースを張り合わせて棒状とする場合には、磁力に抗しな
がら組立てる手間が必要であるとともに、組立て後に全
体の外周を揃える機械加工が必要である等の手間が掛か
るが、この第2実施例では以上のような手間が不要であ
るので、容易に製造できる。さらに、前記第1実施例の
界磁ロッド17の構成ではロッドピースや磁極境界の寸
法精度および張合わせのための接着剤層の厚みのばらつ
き等が、磁極ピッチの精度に影響するが、この第2実施
例の界磁ロッド17の構成によれば、その磁極ピッチは
着磁ヨークの精度によって定まるので、高精度に磁極を
設けることができ、それに伴いリニアアクチュエータの
精度も高めることができる。
【0051】なお、本発明は前記各実施例には制約され
ない。例えば、アーマチュア11を角筒状とし、それに
対応して界磁ロッド17を角柱状としてもよいととも
に、アーマチュア11のコイル部の数およびそれに対応
する界磁ロッド17の磁極数は任意に設定できる。
【0052】また、各コイル部に推力が同方向に発生す
るように所望周波数で投入される駆動電流は、交流電流
に代えてパルス化して与えるようにしてもよい。例え
ば、パルスデューティ比50%の矩形の直流電圧を所定の
周期で連続的に印加させることができ、その際、ある共
振周波数でアーマチュアを振動させることにより、その
アクチュエータのストロークを大きくとることができ
る。
【0053】また、アーマチュア11および界磁ロッド
17を弾性的に受けて定位置に押し戻す第1、第2の弾
性体6、7には、板ばねに代えてアーマチュア11およ
び界磁ロッド17の端部等に接続されるコイルばねを使
用することもでき、また、一方の弾性体をコイルばねと
し、他方の弾性体を板ばねとした併用タイプとすること
もできるとともに、ばね以外の弾性体を使用してもよ
い。また、アーマチュア11に接続される第1弾性体の
接続箇所は、アーマチュア11の軸方向端部に限らず、
中間部分であってもよい。また、本発明は直線往復運動
を必要とする機器全般に使用できる。
【0054】
【発明の効果】以上詳記したように請求項1の発明に係
るリニアアクチュエータによれば、筒状のアーマチュア
およびその空芯部に収納された界磁ロッドを同時に互い
に逆方向に直線往復運動させて、アーマチュア側および
界磁ロッド側の慣性質量に基づく衝撃を減少ないしは相
殺するので、振動およびそれに伴う騒音を低減できると
ともに、こうした低振動・低騒音により特にストローク
が小さい高速での往復駆動にも適する。
【0055】また、請求項2の発明に係るリニアアクチ
ュエータによれば、前記第1の目的を達成するに当た
り、アーマチュアの振動と界磁ロッドの振動とを共振さ
せて、その共振エネルギーによりアーマチュアおよび界
磁ロッドを直線往復運動できるから、駆動する上で必要
な消費電力を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るリニアアクチュエー
タの構成を一部切欠して示す斜視図。
【図2】第1実施例に係るリニアアクチュエータの構成
を示す縦断平面図。
【図3】第1実施例に係るリニアアクチュエータの構成
を図2中Z−Z線に沿って示す断面図。
【図4】本発明の第2実施例に係るリニアアクチュエー
タの構成を一部切欠して示す斜視図。
【図5】第2実施例に係るリニアアクチュエータの構成
を示す縦断平面図。
【符号の説明】
6…板ばね(第1の弾性体)、 7…板ばね(第2の弾性体)、 11…アーマチュア、 12…パイプボビン、 13…コイル、 13a〜13d…コイル部、 17…界磁ロッド。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】筒状をなすパイプボビンにコイルを交互に
    巻き方向を変えて間隔的に巻いて形成されたアーマチュ
    アと、 このアーマチュアに接続されて前記アーマチュアを軸方
    向に移動自在に支持した一対の第1弾性体と、 軸方向に沿ってN極とS極とを交互に有する棒状をな
    し、前記アーマチュアの空芯部に軸方向に移動自在に収
    納された界磁ロッドと、 このロッドの軸方向両端部に個別に接続して設けられ前
    記界磁ロッドをその軸方向に移動自在に支持した一対の
    第2弾性体とを具備したリニアアクチュエータ。
  2. 【請求項2】所定周波数で前記コイルに投入される駆動
    電流により振動される前記アーマチュアの振動系の固有
    振動数と前記界磁ロッドの振動系の固有振動数とを近似
    させるとともに、これら固有振動数の周波数に前記駆動
    電流の周波数を近似させたことを特徴とする請求項1記
    載のリニアアクチュエータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100708254B1 (ko) * 2006-02-11 2007-04-17 한국기계연구원 액추에이터의 보빈지지 구조
WO2021115585A1 (en) * 2019-12-11 2021-06-17 Lofelt Gmbh Linear vibration actuator having moving coil and moving magnet

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